以下、図面を参照しながら、看護支援装置及び看護支援システムの実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る看護支援システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、看護支援システム1は、DB(Data base)サーバ10と、看護支援装置100と、携帯端末200とを有する。看護支援システム1は、例えば病院等の医療施設内に設けられる病院情報システム(HIS)等である。DBサーバ10と看護支援装置100とは、院内LAN等のネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、携帯端末200は、アクセスポイントAP等を介してネットワークN1に接続することが可能となっている。
DBサーバ10は、各種のデータを記憶し管理する。具体的には、DBサーバ10は、患者DB11と、薬剤DB12と、看護師DB13と、端末管理DB14と、作業管理DB15とを記憶する。
患者DB11は、各患者を識別するための患者IDに関連付けて、当該患者に関する各種のデータを記憶する。図2は、患者DB11のデータ構成の一例を示す図である。図2に示すように、患者DB11は、患者IDに関連付けて、患者名、性別、年齢、診療科、病室等の項目を記憶する。ここで、患者名は、患者の氏名を示す情報である。性別は、患者の性別を示す情報である。年齢は、患者の年齢を示す情報である。診療科は、患者の診療を担当する部門を示す情報である。病室は、病室番号やベッド番号等、入院した患者の居所を示す情報である。
また、患者DB11は、患者IDに関連付けて、アラームフラグを記憶する。ここで、アラームフラグは、オン/オフを示す二値の情報で表される。アラームフラグは、例えば、重症患者等の特定の患者に対して実施される作業をデフォルトでアラームの対象とするような場合に使用される。具体的には、アラームフラグがオンの場合、該当する患者に対して実施される作業がアラームの対象に設定される。
なお、患者DB11は、図2のデータ構成に限らないものとする。例えば、患者DB11は、患者が入院している病棟を示す情報や、患者の主治医(担当医師)に関する情報を記憶するための項目を有してもよい。
薬剤DB12は、各薬剤を識別するための薬剤IDに関連付けて、当該薬剤に関する各種のデータを記憶する。図3は、薬剤DB12のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、薬剤DB12は、薬剤IDに関連付けて、薬剤名、薬剤単位、製造会社等の項目を記憶する。ここで、薬剤名は、薬剤の名称や略称を示す情報である。薬剤単位は、例えば500ml等の薬剤の内容量を示す情報である。製造会社は、薬剤を製造する企業を示す情報である。
また、薬剤DB12は、薬剤IDに関連付けて、アラームフラグを記憶する。ここで、アラームフラグは、患者DB11と同様に、オン/オフを示す二値の情報で表される。アラームフラグは、例えばハイリスク薬剤等の特定の薬剤の処方に係る作業をデフォルトでアラームの対象とするような場合に使用される。具体的には、アラームフラグがオンの場合、該当する薬剤を使用する作業がアラームの対象に設定される。
看護師DB13は、各看護師を識別するための看護師IDに関連付けて、当該看護師に関する各種のデータを記憶する。図4は、看護師DB13のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、看護師DB13は、看護師IDに関連付けて、看護師名、所属、担当患者、スケジュール等の項目を記憶する。ここで、看護師名は、看護師の氏名を示す情報である。所属は、看護師が所属する診療科や診療部門等を示す情報である。担当患者は、看護師が看護を担当する患者の患者IDを示す情報である。スケジュールは、看護師の勤怠予定や勤務状況、シフト勤務(例えば4直3交代制)の予定等、勤務時間帯を特定することが可能な情報である。
なお、看護師DB13は、図4のデータ構成に限らないものとする。例えば、看護師DB13は、看護師が診療科内で所属する看護チームに関する情報を記憶するための項目を有してもよい。
端末管理DB14は、各携帯端末200を識別するための端末IDに関連付けて、当該携帯端末200を使用する看護師の看護師IDを記憶する。図5は、端末管理DB14のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、端末管理DB14は、端末IDに関連付けて、看護師IDを記憶する。ここで、端末IDは、例えば携帯端末200のホスト名やIPアドレス等、携帯端末200と通信を行うためのアドレスを使用してもよい。
作業管理DB15は、各患者の患者IDに関連付けて、看護師が当該患者に対して実施する作業に関する各種のデータを記憶する。図6は、作業管理DB15のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、作業管理DB15は、患者IDに関連付けて、作業情報、開始日時、終了予定日時、終了日時、及び実施状況等の項目を記憶する。
ここで、作業情報は、作業ID、作業内容、実施予定日時等を細目として有する。作業IDは、各作業を識別するための識別子である。作業内容には、患者に実施する作業の内容が記憶される。例えば、患者IDに対応する患者(以下、対象患者ともいう)に薬剤を投与するような場合、その作業内容には、処方する薬剤名(薬剤ID)や、用量、投与方法(点滴方法や皮下注射等)、用法(実施回数)、フリーコメント等が含まれる。また、薬剤の投与方法が点滴や輸液等の場合、作業内容には、患者の体内に投入する投与速度、投入部位、ルート、ラインの種類(側管、単独等)、輸液ボトルのボトル番号等が含まれる。実施予定日時には、作業を実施する日時が指定されている場合、その日時を示す情報が記憶される。以下では、作業情報を単に「作業」ともいう。
開始日時には、作業を開始した日時が記憶される。終了予定日時には、後述する算出機能153で算出される作業の終了予定日時が記憶される。終了日時には、作業が終了した日時が記憶される。実施状況には、作業情報で指示された作業の実施の状況(未実施、実施中、実施済等)が記憶される。
なお、作業管理DB15は、図6のデータ構成に限らないものとする。例えば、医師から指示された作業である場合、作業管理DB15は、指示を行った医師の氏名やIDを作業情報に含めて記憶してもよい。また、作業管理DB15は、作業を担当した看護師から入力されるコメント等の付加情報を記憶するための項目を有してもよい。また、作業管理DB15は、例えば、薬を飲ませる、注射を打つ等の、短時間で処置が完了する作業の場合、開始日時や終了予定日時を使用不可とし、終了日時のみを記憶する形態としてもよい。
アラーム設定DB16は、作業IDに関連付けて、アラーム日時の設定に係る各種のデータを記憶する。図7は、アラーム設定DB16のデータ構成の一例を示す図である。図7に示すように、アラーム設定DB16は、作業IDに関連付けて、アラーム指定日時、報知先等を記憶する。
ここで、作業IDは、作業管理DB15の作業IDに対応するものである。アラーム指定日時には、報知を行う日時が記憶される。例えば、アラーム指定日時には、後述する算出機能153で算出される作業の終了予定日時が記憶される。報知先には、アラームの報知先となる看護師の看護師IDが記憶される。
なお、本実施形態では、上述した患者DB11、薬剤DB12、看護師DB13、端末管理DB14、作業管理DB15及びアラーム設定DB16を一のDBサーバ10が保持する形態としたが、これに限らず、複数のDBサーバ10に分散させて保持する形態としてもよい。また、DBサーバ10が保持するデータベースは上記の例に限らないものとする。例えば、DBサーバ10は、各患者の患者IDに関連付けて当該患者の電子カルテを記憶するデータベースを保持してもよい。
看護支援装置100は、DBサーバ10が保持するDBに基づき、看護師を支援するための各種の処理を実行する。看護支援装置100は、例えば、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。一例として、看護支援装置100は、ナースステーション等の看護師が操作可能な位置に設けられる。
携帯端末200は、看護師が携帯することが可能な小型の端末装置である。携帯端末200は、看護師からの入力操作を受け付けて、受け付けた操作を看護支援装置100に送信する。この場合、看護支援装置100は、携帯端末200から送信された操作に基づいて、看護師を支援する種々の処理を実行する。また、携帯端末200は、看護支援装置100で実行された処理の結果を受信し、鳴動や画面表示等の出力処理を実行する。即ち、本実施形態では、携帯端末200は、看護支援装置100の入出力インタフェースとして機能する。
次に、上述した看護支援装置100及び携帯端末200について説明する。
図8は、看護支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。例えば、看護支援装置100は、図8に示すように、通信インタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
通信インタフェース110は、処理回路150に接続され、ネットワークN1を介した各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インタフェース110は、処理回路150の制御の下、ネットワークN1に接続された外部装置(DBサーバ10、携帯端末200)と通信を行う。通信インタフェース110は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路120は、処理回路150に接続され、看護支援装置100の動作に係る各種データや設定情報を記憶する。記憶回路120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
入力インタフェース130は、処理回路150に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換し処理回路150へと出力する。入力インタフェース130は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパネル、表示画面とタッチパッドが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース130は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限定されない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路150に出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。
ディスプレイ140は、処理回路150に接続され、処理回路150の制御の下、各種情報及び各種画像データを表示する。ディスプレイ140は、例えば、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
処理回路150は、看護支援装置100の動作を統括的に制御する。処理回路150は、例えば、プロセッサによって実現される。
また、看護支援装置100は、看護師を支援するための機能を有する。具体的には、処理回路150は、端末管理機能151と、支援機能152と、算出機能153と、設定機能154と、報知処理機能155とを有する。
ここで、支援機能152は、特許請求の範囲における作業支援部の一例である。また、算出機能153は、特許請求の範囲における算出部の一例である。また、設定機能154は、特許請求の範囲における設定部の一例である。また、報知処理機能155は、特許請求の範囲における報知部の一例である。
図8に示す看護支援装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路に記憶されている。処理回路150は、記憶回路120からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路150は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図8においては単一の処理回路150にて、端末管理機能151、支援機能152、算出機能153、設定機能154、及び報知処理機能155が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路150を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路150が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
端末管理機能151は、端末管理DB14に基づき、各看護師と当該看護師が操作(携帯)する携帯端末200との対応関係を管理する。具体的には、端末管理機能151は、携帯端末200から当該携帯端末200の端末IDと看護師IDとを含んだログオン情報を受信すると、そのログオン情報に含まれた端末IDと看護師IDとを関連付けて端末管理DB14に登録する。また、端末管理機能151は、携帯端末200から当該携帯端末200の端末IDを含んだログオフ情報を受信すると、その端末IDに関連付けられた看護師IDを端末管理DB14から削除する。
これにより、看護支援装置100では、端末管理DB14を参照することで、特定の看護師(看護師ID)が携帯する携帯端末200(端末ID)を特定することができる。また、携帯端末200を使用する看護師が固定されていないような場合であっても、看護支援装置100では、看護師と携帯端末200との対応関係を動的に更新することができるため、最新の対応関係を端末管理DB14に反映することができる。
なお、端末管理機能151は、看護師IDとパスワードとを関連付けた認証用のデータセットに基づき、携帯端末200を使用する看護師の認証を行う構成としてもよい。この場合、端末管理機能151は、ログオン情報に含まれた看護師ID及びパスワードの組と、認証用のデータセットとを照合する。そして、端末管理機能151は、該当する看護師ID及びパスワードの組が認証用のデータセットに存在する場合に、携帯端末200へのログオンを許可し、端末管理DB14の対応関係を更新する。これにより、看護支援装置100は、正規の看護師が携帯端末200を操作する場合にのみログオンを許可することができるため、第3者により携帯端末200が操作されてしまうことを防ぐことができる。
また、端末管理機能151は、ログオン状態にある携帯端末200と生存確認用の通信を定期的に行い、携帯端末200との通信が所定時間途絶えた場合に、当該携帯端末200の端末IDに関連付けられた看護師IDを自動で削除してもよい。これにより、看護支援装置100では、携帯端末200との通信が長時間途絶えたような場合に、携帯端末200と看護師との対応関係をクリアできるため、後述するアラーム報知が未達になる状況を回避することができる。
支援機能152は、看護支援装置100に記憶された各種DBに基づき、看護師が行う作業を支援するための処理を実行する。
例えば、支援機能152は、看護師が実施する予定の作業内容を作業管理DB15に登録する。一例として、支援機能152は、医師が操作する端末装置から作業内容や実施予定日時を指示したオーダ情報を受け付けると、看護師DB13を参照することで、実施対象の患者(患者ID)を担当する看護師の看護師IDを検索する。また、支援機能152は、検索した各看護師IDのスケジュールを参照し、勤務中の状態にある看護師IDを特定する。
次いで、支援機能152は、端末管理DB14を参照し、特定した看護師IDに関連付けられた携帯端末200宛にオーダ情報を転送することで、医師からの指示内容を該当する看護師に通知する。そして、支援機能152は、携帯端末200から受理したことを指示する応答を受け付けると、オーダ情報に含まれた作業内容や実施予定日時に固有の作業IDを付した作業情報を、対象患者の患者IDに関連付けて作業管理DB15に登録する。一方、携帯端末200から却下を示す応答が送信された場合、支援機能152は、作業管理DB15に登録することなく、オーダ元の医師端末に対しオーダ情報が却下された旨を通知する。
なお、作業管理DB15に登録される作業内容は、医師から指示されるオーダ情報に基づくものに限らないものとする。また、上記の例では、医師から指示されたオーダ情報(作業内容)を、携帯端末200に送信することで、携帯端末200を操作する看護師に確認を行う形態としたが、看護支援装置100を操作する看護師(看護師長等)が確認を行う形態としてもよい。また、上記の例では、看護師による確認後に作業管理DB15に登録する形態としたが、看護師への確認を行うことなく、作業管理DB15に登録する形態としてもよい。
また、支援機能152は、携帯端末200から特定の作業(作業ID)について、作業開始や作業終了等が指示されると、その指示内容に応じて、作業管理DB15に記憶された該当する作業の開始日時、終了日時、実施状況等を更新する。例えば、支援機能152は、作業開始の指示を受け付けると、現在の日時を開始日時に記憶するとともに、実施中のステータスを実施状況に記憶する。また、支援機能152は、作業終了の指示を受け付けると、現在の日時を終了日時に記憶するとともに、実施済のステータスを実施状況に記憶する。
また、支援機能152は、DBサーバ10に記憶されたDBに基づき、看護師が患者に対して実施する作業の一覧を表す画面を生成し、ディスプレイ140や携帯端末200に表示させる。
具体的には、支援機能152は、入力インタフェース130又は携帯端末200から、特定の看護師IDを指定した表示要求を受け付けると、指定された看護師IDの看護師が実施する作業の一覧画面(以下、ワークシート画面ともいう)を表示させる。
図9は、看護支援装置100のディスプレイ140に表示された画面の一例を示す図である。図9の画面G1は、ワークシート画面の一例である。なお、図9では、看護師IDが「00020」の看護師に係る作業の一覧を示している。
図9に示すように、画面G1は、例えば病室、患者情報、時刻未定措置、及び時系列措置等の項目を有する。また、画面G1は、看護師が担当する患者(担当患者)毎に、上述した各項目が表示される。
ここで、病室には、患者DB11から読み出された担当患者の病室を示す情報が表示される。患者情報には、患者DB11から読み出された担当患者の患者ID、患者名、性別、年齢、診療科等を示す情報が表示される。
また、時刻未定措置及び時系列措置には、作業管理DB15に記憶された担当患者に係る作業が表示される。ここで、時刻未定措置には、実施予定日時が未定(空欄)とされた作業を示す作業名が表示される。また、時系列措置には、実施予定日時が設定された作業を示す作業名が時系列順に表示される。例えば、時系列措置には、日付又は時間(1時間等)の単位で作業名が表示される。図9では、時系列措置を日付単位で表示した例を示しており、実施予定日時に設定された時刻を作業名に対応付けて表示した例を示している。
なお、詳細は後述するが、画面G1から特定の作業名が指定されると、支援機能152は、作業の開始操作や終了操作を行うための操作画面を表示させる。例えば、実施状況が「未実施」の作業名が指定されると、支援機能152は、作業の開始操作を行うことが可能な開始操作画面を表示させる。また、例えば、実施状況が「実施中」の作業名が指定されると、支援機能152は、作業の終了操作を行うことが可能な終了操作画面を表示させる。
また、支援機能152は、各作業の実施状況に応じて、実施中や実施終了、中断等のステータスを識別可能な状態で作業名を表示する。例えば、支援機能152は、実施状況のステータスに応じて表示する文字色を切り替えることで、各作業のステータスを視認可能な状態で表示する。
このように、支援機能152は、看護師に課せられた作業を一覧表示したワークシート画面を、ディスプレイ140や携帯端末200に表示させる。これにより、看護師はワークシート画面を見ることで、患者に実施するよう予定された作業を確認したり、作業の実施状況を確認したりすることができる。
なお、図9では、看護師(看護師ID)を検索キーとすることで、特定の看護師に係る作業の一覧を表示する例を示したが、検索キーとして指定可能な要素はこれに限らないものとする。例えば、日時(現在の勤務帯)をデフォルトの検索キーとし、追加の検索キーとして、一又は複数の患者の患者ID,看護師ID、患者の診療科、患者の病棟、看護師の所属看護チーム、担当医師等を指定することも可能である。
図8に戻り、算出機能153は、作業管理DB15に登録された作業の中から、特定の作業が指定されると、作業の開始が指示された日時と当該作業の作業内容とに基づき、作業が終了する予定の日時を終了予定日時として算出する。
例えば、算出機能153は、支援機能152が提供するワークシート画面や開始操作画面を介して、看護師から特定の作業の開指指示(開始操作)を受け付けると、現在の日時を基点に、当該作業の作業内容から終了予定日時を算出する。
ここで、終了予定日時の算出方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。例えば、算出機能153は、作業内容の種別毎に、当該作業内容の実施に係る所用時間を予め記憶した設定情報に基づき、終了予定日時を算出してもよい。また、例えば、作業内容が輸液の投与を指示する場合、算出機能153は、その作業内容に設定された輸液の用量及び投与速度から、輸液の投与が終了する終了予定日時を算出する。例えば、投与速度が50ml/時で500mlの輸液が10時から開始された場合、報知処理機能155は、500mlを50ml/時で除算した10時間を10時に加算することで、終了日時「20時」を算出する。
そして、算出機能153は、算出した終了予定日時を、作業管理DB15の該当する作業に関連付けて記憶する。
設定機能154は、作業管理DB15に登録された作業のうち、報知対象に指定された作業に対しアラームの設定を行う。具体的には、設定機能154は、報知対象として指示された作業の作業IDに関連付けて、アラーム指定日時や報知先をアラーム設定DB16に登録することで、アラームの設定を行う。ここで、アラーム指定日時及び報知先は、自動又は手動操作により設定することができる。
アラーム指定日時を自動で設定する場合、設定機能154は、算出機能153と協働することで、算出機能153で算出された終了予定日時をアラーム指定日時に設定する。また、入力インタフェース130又は携帯端末200を介してアラーム指定日時を指定(変更)する操作がなされた場合、設定機能154は、指定された日時をアラーム指定日時に設定する。
アラームの報知先を自動で設定する場合、設定機能154は、作業管理DB15及び看護師DB13を参照し、アラームを設定する作業の対象患者を担当する看護師(以下、担当看護師ともいう)の看護師IDを検索する。また、設定機能154は、検索した各看護師IDのスケジュールを参照し、アラーム指定日時(終了予定日時)に勤務中の状態にある看護師IDを特定する。そして、設定機能154は、特定した看護師IDを報知先に設定する。なお、アラーム指定日時に勤務中の担当看護師が存在しない場合には、設定機能154は、アラームの設定を指示した看護師の看護師IDを報知先に設定してもよい。
また、入力インタフェース130又は携帯端末200を介して、報知先の看護師IDを指定(変更)する操作がなされた場合、設定機能154は、指定された看護師IDを報知先に設定する。
なお、作業に対するアラームの設定方法は特に問わず、種々の方法で指示することが可能である。例えば、設定機能154は、看護師からの指示に応じてアラームの設定を行う。具体的には、設定機能154は、支援機能152と協働することで、ワークシート画面や開始操作画面等に表示された特定の作業について報知対象の指示を受け付けると、指示された作業の作業IDに関連付けてアラームの設定を行う。また、設定機能154は、医師から指示されたオーダ情報に対する看護師の受領応答時に、当該看護師から報知対象の指示を受け付けると、オーダ情報の作業内容が作業管理DB15に登録されるタイミングで、作業の作業IDに関連付けてアラームの設定を行う。
また、例えば、設定機能154は、医師からの指示に応じてアラームの設定を行う。具体的には、設定機能154は、医師から指示されたオーダ情報に報知対象を指示する情報が含まれていた場合、当該オーダ情報の作業内容が作業管理DB15に登録されるタイミングで、当該作業の作業IDに関連付けてアラームの設定を行う。
また、設定機能154は、患者DB11又は薬剤DB12のアラームフラグで指示された設定値に基づきアラームの設定を行う。具体的には、設定機能154は、患者DB11のアラームフラグに「オン」が設定された患者に対する作業について、当該作業IDに関連付けてアラームの設定を行う。また、設定機能154は、薬剤DB12のアラームフラグに「オン」が設定された薬剤を使用する作業について、当該作業の作業IDに関連付けてアラームの設定を行う。これにより、看護支援装置100は、患者や薬剤の単位でアラームを設定することができるため、例えば、重症患者に対して行われる作業や、ハイリスク薬の投与に係る作業に対し、アラームの設定を自動で行うことができる。
また、上述した支援機能152は、算出機能153及び設定機能154の処理に応じて、ワークシート画面の画面を更新する。具体的には、支援機能152は、算出機能153で算出された終了予定日時が作業管理DB15に設定されると、設定された終了予定日時を表す情報を、該当する作業名に対応付けて表示させる。また、支援機能152は、設定機能154によりアラーム設定DB16にアラームが設定されると、アラームが設定された作業の作業名を識別可能に表示させる。
図10は、看護支援装置のディスプレイ140に表示された画面の一例を示す図である。ここで、図10の画面G1(ワークシート画面)は、輸液Aの投与に係る作業G11に対し、終了予定日時とアラームが設定された場合の表示例を示している。
具体的には、図10に示すように、終了予定日時が設定された作業G11に対応付けて、作業G11の終了予定日時“16:49終了”を表す情報が終了予定日時G12として表示される。また、作業G11に対応付けて、アラームが設定されたことを示すアイコン画像G13が表示される。
これにより、看護師は、画面G1を参照することで、作業G11の終了予定日時G12を容易に確認することができる。また、看護師は、画面G1を参照することで、一覧表示された作業の中から、アラームが設定された作業G11を容易に識別することができる。
図8に戻り、報知処理機能155は、現在の日時が、アラームが設定された作業のアラーム指定日時に到達すると、当該アラーム指定日時に達したことを報知するアラーム報知を行う。具体的には、報知処理機能155は、現在の日時がアラーム指定日時に到達すると、その作業の報知先に設定された看護師にアラーム報知を行う。より具体的には、報知処理機能155は、端末管理DB14を参照することで、報知先に設定された看護師IDに対応する携帯端末200を特定し、この特定した携帯端末200にアラーム報知を行う。なお、報知処理機能155は、作業状況のステータスが「実施済」の作業については、アラーム報知の対象から除外するものとする。
アラーム報知を受け付けた携帯端末200では、後述するように、スピーカ250の鳴動等を行うことで操作者(看護師)に対し報知を行う。つまり、報知処理機能155は、アラーム報知を行うことで、携帯端末200を操作する看護師に対し報知を行うことができる。また、報知処理機能155は、支援機能152と協働し、アラーム指定日時に到達した作業を報知するための報知画面を生成する。そして、報知処理機能155は、報知画面を携帯端末200に提供することで、携帯端末200に表示させる。
なお、上述した開始操作画面、終了操作画面、報知画面の詳細については、携帯端末200の機能を説明する際にあわせて説明する。
次に、携帯端末200について説明する。図11は、携帯端末200の構成の一例を示すブロック図である。例えば、携帯端末200は、図11に示すように、通信インタフェース210と、記憶回路220と、入力インタフェース230と、ディスプレイ240と、スピーカ250と、処理回路260とを有する。
通信インタフェース210は、処理回路260に接続され、ネットワークN1を介した各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インタフェース210は、処理回路260の制御の下、アクセスポイントAPに無線接続することで、ネットワークN1に接続された外部装置(DBサーバ10、携帯端末200)と通信を行う。通信インタフェース210は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC等によって実現される。
記憶回路220は、処理回路260に接続され、携帯端末200の動作に係る各種のデータや設定情報を記憶する。記憶回路220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
入力インタフェース230は、処理回路260に接続され、看護師から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路260に出力する。入力インタフェース230は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパネル、表示画面とタッチパッドが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。また、入力インタフェース230は、例えば、カメラ、バーコードリーダ、NFC(Near Field Communication)リーダ等によっても実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース230は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限定されない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路260に出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース230の例に含まれる。
ディスプレイ240は、処理回路260に接続され、処理回路260の制御の下、各種情報及び各種画像データを表示する。ディスプレイ240は、例えば、携帯端末200と一体的に設けられる液晶ディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。スピーカ250は、処理回路260に接続され、処理回路260の制御の下、着信音等の音声を出力する。
処理回路260は、携帯端末200の動作を統括的に制御する。処理回路260は、例えば、プロセッサによって実現される。
また、携帯端末200は、看護師を支援するための機能を有する。具体的には、処理回路260は、操作者通知機能261と、支援機能262と、報知処理機能263とを有する。
図11に示す携帯端末200においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路に記憶されている。処理回路260は、記憶回路220からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路260は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図11においては単一の処理回路260にて、操作者通知機能261、支援機能262及び報知処理機能263が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路260を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路260が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
操作者通知機能261は、携帯端末200を操作する看護師の看護師IDを看護支援装置100に通知する。具体的には、操作者通知機能261は、携帯端末200のログオフ状態において、看護師IDを入力するためのログオン画面をディスプレイ240に表示させる。操作者通知機能261は、ログオン画面に看護師IDが入力されると、当該看護師IDと自己の携帯端末200の端末IDとを含んだログオフ情報を看護支援装置100に送信し、携帯端末200をログオン状態に移行させる。
また、操作者通知機能261は、入力インタフェース230を介してログオフを指示する操作を受け付けると、自己の携帯端末200の端末IDを含んだログオフ情報を看護支援装置100に送信し、携帯端末200をログオフ状態に移行させる。
上述の処理により、看護支援装置100の端末管理機能151は、携帯端末200から送信されたログオン情報に基づき看護師と携帯端末200との対応関係を端末管理DB14に登録する。なお、パスワードを用いて認証を行う構成の場合には、操作者通知機能261は、看護師IDとともにパスワードを入力させるためのログオン画面を表示させ、自己の携帯端末200の端末IDと、入力された看護師ID及びパスワードを含むログオン情報を看護支援装置100に送信する。そして、操作者通知機能261は、正規の看護師と認証された場合にのみ携帯端末200へのログオンを許可する。
支援機能262は、看護支援装置100と協働することで、自己の携帯端末200を操作する看護師の作業を支援するための処理を実行する。具体的には、支援機能262は、看護支援装置100の支援機能152と協働することで、看護師が操作することが可能な各種の画面をディスプレイ240に表示させる。
例えば、支援機能262は、医師から指示されたオーダ情報の内容を表す画面をディスプレイ240に表示させる。支援機能262は、入力インタフェース230を介して、オーダ情報を受理するか否かの選択操作を受け付け、受け付けた操作内容に応じた応答情報を看護支援装置100に送信する。なお、支援機能262は、入力インタフェース230を介して、アラームの報知対象とする操作を受け付けると、報知対象を指示する指示情報を応答情報に含めて送信する。
また、支援機能262は、ワークシート画面をディスプレイ240に表示させる。例えば、支援機能262は、自己の携帯端末200にログオンした看護師IDを検索キーとして支援機能152に通知する。また、入力インタフェース230を介して、他の看護師IDや患者IDが検索キーに指定された場合、支援機能262は、指定された検索キーを支援機能152に通知する。そして、支援機能262は、検索キーに基づき支援機能152で生成されたワークシート画面をディスプレイ240に表示させる。なお、ディスプレイ240に表示されるワークシート画面は、図9(図10)の画面G1と同様の表示形態であってもよいし、ディスプレイ240の画面サイズ等に応じて表示形態が変更されたものであってもよい。
また、支援機能262は、ワークシート画面に表示された作業名の中から、作業名の選択操作を受け付けると、選択された作業名の作業内容や、作業開始/終了等の作業状況の変更操作を行うことが可能な画面をディスプレイ240に表示させる。具体的には、支援機能262は、選択された作業名の作業IDを支援機能152に通知することで支援機能152から提供された画面を、ディスプレイ240に表示させる。
図12は、携帯端末200のディスプレイ240に表示された画面の一例を示す図である。ここで、図12に示す画面G2は、未実施の作業が選択された場合に表示される開始操作画面の一例である。なお、図12では、輸液の投与に係る作業の開始操作画面を示している。
図12に示すように、画面G2には、作業の実施対象となる患者の患者ID(12904)及び患者名(XXXX)が表示される。また、画面G2には、作業内容が表示される。例えば、輸液の薬剤名(輸液A 500m、1瓶)、投与部位(上腕)、用量(200ml)、投与速度(50ml/hr)等が表示される。ここで、用量や投与速度は、例えば医師の許可の下、看護師が必要に応じて変更することも可能となっている。なお、用量や投与速度等が変更された場合には、支援機能262は、変更後の作業内容を看護支援装置100に通知することで、変更後の作業内容に更新させる。
また、画面G2には、作業を実施する実施者(看護師)の看護師ID(00020)と看護師名(AAAA)とが表示される。ここで、実施者の看護師ID及び看護師名には、担当患者の看護を担当する看護師(以下、担当看護師ともいう)又は携帯端末200を操作する看護師(以下、操作者ともいう)の看護師ID及び看護師名が表示される。
また、画面G2には、実施日時(2018/06/11 14:03)と、終了予定日時(2018/06/11 16:39)とが表示される。ここで、実施日時には、現在の日時が表示される。終了予定日時には、現在の日時を基点に算出機能153で算出された、終了予定日時が表示される。ここで、看護支援装置100の算出機能153は、例えば、支援機能152と協働することで、現在の日時と選択された作業の作業内容とに応じて終了予定日時を算出する。なお、終了予定日時は、現在の日時の計時に伴い動的に更新させてもよい。
また、画面G2には、アラーム設定のオン/オフを指示するための操作子G21と、アラームの報知先となる看護師の看護師ID、看護師名を表示/入力するための領域G22とが表示される。ここで、操作子G21は、例えばアイコン画像等によって表され、トグル操作によってアラーム設定のオン/オフを切り替えることが可能となっている。また、領域G22には、看護支援装置100の設定機能154により設定された報知先の看護師ID(00020)と、その看護師名(AAAA)とが表示される。
なお、領域G22の看護師IDは、入力インタフェース230を介して変更することが可能となっている。例えば、担当看護師の代わりに他の看護師が作業(輸液投与)を行うような場合、他の看護師は、担当看護師を報知先に設定することもできる。
また、画面G2には、作業の開始を指示するための操作子として、確定終了ボタンG23が設けられている。支援機能262は、確定終了ボタンG23の操作を受け付けると、該当する作業の作業IDを指定した開始指示を看護支援装置100に指示する。また、操作子G21がオン状態の場合には、支援機能262は、作業開始の指示とともに、報知対象の指示を看護支援装置100に送信する。また、報知先の看護師が変更された場合、支援機能262は、報知対象の指示とともに、変更後の報知先を看護支援装置100に通知することで、変更後の報知先に更新することを指示する。
看護支援装置100では、支援機能152が携帯端末200から送信された作業の開始指示に基づき、開始が指示された作業IDの開始日時を設定したり、実施状況を「作業中」に変更したりする。また、算出機能153は、作業の開始指示に応じて、その開始指示を受け付けた日時を基点に終了予定日時を算出し、算出した日時を開始指示が行われた作業IDの終了予定日時に設定する。また、看護支援装置100の設定機能154は、携帯端末200から送信された報知対象の指示に基づき、該当する作業IDに関連付けてアラーム指定日時(終了予定日時)の設定や、報知先の看護師IDの設定等、アラームの設定を行う。
なお、看護支援装置100の算出機能153は、用量や投与速度等の処理内容が変更されると、変更後の処理内容に基づいて終了予定日時を更新(算出)する。また、支援機能152は、算出機能153及び設定機能154と協働することで、終了予定日時やアラームの設定を画面G2に反映させる。
そして、看護支援装置100では、アラームが設定された作業について、現在の日時がアラーム指定日時に到達すると、報知処理機能155が、報知先の看護師IDに対応する携帯端末200にアラーム報知を行う。
携帯端末200の報知処理機能263は、看護支援装置100からアラーム報知を受け付けると、スピーカ250を鳴動させることで操作者に対し報知を行う。なお、報知処理機能263は、看護支援装置100がバイブレータ等の振動発生装置を備える場合、振動発生装置を動作させることで振動による報知を行ってもよい。
また、報知処理機能263は、看護支援装置100の報知処理機能155と協働することで、アラーム指定日時に到達した作業を報知する報知画面をディスプレイ240に表示させる。
図13は、携帯端末200のディスプレイ240に表示された画面の一例を示す図である。ここで、図13に示す画面G3は、アラーム指定日時に到達した際に表示される報知画面の一例である。
図13に示すように、画面G3には、アラーム指定日時に到達した作業の対象患者に設定された患者ID(12904)及び患者名(XXXX)が表示される。また、画面G3には、アラーム指定日時に到達した作業の作業内容が表示される。例えば、図13では、投与された輸液に関する情報を表示して例を示している。また、画面G3には、作業が終了したことを報知するメッセージG31や、アラーム指定日時(終了予定日時)G32が表示される。
これにより、携帯端末200の看護師は、画面G3を見ることで、作業(輸液投与)が終了する日時や、対象患者、作業内容等を確認することができる。なお、報知処理機能263は、画面G3を自動で表示させてもよいし、入力インタフェース230を介した操作に応じて表示させてもよい。
また、画面G3には、終了実施ボタンG33が設けられる。ここで、終了実施ボタンG33は、作業の終了操作に移行することを指示するための操作子である。支援機能262は、終了実施ボタンG33の操作を受け付けると、画面G3に係る作業の作業IDを含んだ終了実施要求を看護支援装置100に送信する。そして、支援機能262は、看護支援装置100から提供された、作業の終了操作を行うことが可能な終了操作画面をディスプレイ240に表示させる。
図14は、携帯端末200のディスプレイ240に表示された画面の一例を示す図である。ここで、図14に示す画面G4は、作業の終了操作を行うことが可能な終了操作画面の一例である。
図14に示すように、画面G4には、終了操作の対象となる作業の対象患者の患者ID(12904)、患者名(XXXX)が表示される。また、画面G4には、作業の終了を装置するメッセージG41が表示される。
また、画面G4には、終了操作の対象となる作業の作業内容が表示されるとともに、実際に行われた作業の詳細が実績情報として表示される。図4では、実績情報として、実際に行われた作業内容や、作業が開始された開始日時、実施者の看護師ID等を表示した例を示している。
また、画面G4には、確定終了ボタンG42が設けられる。ここで、確定終了ボタンG42は、作業の終了を指示するための操作子である。支援機能262は、確定終了ボタンG42の操作を受け付けると、画面G4に係る作業の作業IDを含んだ作業の終了指示を看護支援装置100に送信する。看護支援装置100の支援機能152は、携帯端末200から送信された終了指示に応じて、作業管理DB15に記憶された該当する作業に終了日時を登録したり、実施状況を実施済に変更したりする。
なお、終了操作画面は、画面G4に限定されないものとする。例えば、終了操作画面は、終了時刻等を変更可能に構成されてもよいし、輸液の残液量やコメント等の付加情報を入力可能に構成されてもよい。この場合、看護支援装置100の支援機能152は、携帯端末200から終了指示とともに指示された変更内容や付加情報に応じて、該当する項目を指示された変更内容に変更したり、付加情報を登録したりする。
このように、携帯端末200の看護師は、報知画面(画面G3)から終了操作画面(画面G4)に至る一連の操作により、実施が完了した作業の終了指示を行うことができる。したがって、看護支援システム1は、終了申請を行う作業をワークシート画面等から探す手間を省くことができるため、処理の効率化を図るとともに操作性の向上を図ることができる。
なお、例えば、同一の作業内容内に複数の薬剤(輸液ボトル等)の投与が指示されている場合、支援機能152は、一の薬剤投与が終了した際に表示される終了操作画面に、次に実施する予定の作業内容(次に投与する予定の薬剤に係る作業内容)を表示させてもよい。
図15は、携帯端末200のディスプレイ240に表示された画面の一例を示す図である。ここで、図15に示す画面G4は終了操作画面の他の例であり、次に実施すべき予定の作業内容(次作業内容)G43が表示された終了操作画面を示している。携帯端末200の看護師は、図15の画面G4を見ることで、ワークシート画面等を参照することなく、次に実施すべき作業内容を確認することができる。
また、図15の画面例では、次作業内容G43に対応付けて、チェックボックスG44が設けられている。チェックボックスG44は、次作業内容G43を継続して実行するか否かを選択するための操作子である。
支援機能262は、チェックボックスG44がチェックされた状態で、確定終了ボタンG42の操作を受け付けると、指示内容に表示された作業の作業終了を看護支援装置100に指示するとともに、次作業内容G43に表示された作業の継続実行を看護支援装置100に指示する。この場合、看護支援装置100の支援機能152は、継続実行の指示に応じて、次作業内容G43に係る作業の開始操作画面を携帯端末200に提供することで、当該開始操作画面をディスプレイ240に表示させる。
これにより、看護師は、同一の作業内容に複数の作業が指示されている場合、先行する作業の終了操作画面(画面G4)から次の作業の開始操作画面(画面G2)を呼び出すことができる。このように、看護支援システム1では、一連する作業を連続で実行するような場合、次の作業をワークシート画面等から探す手間を省くことができるため、処理の効率化を図るとともに操作性の向上を図ることができる。
なお、次の作業の開始操作画面に表示される実施者や実施開始日等の情報は、先の作業で使用された設定内容を引き継ぐ形態としてもよいし、新たに入力させる形態としてもよい。また、アラームの設定や報知先の看護師についても、先の処理で使用された設定内容を引き継ぐ形態としてもよいし、新たに入力させる形態としてもよい。
また、支援機能262は、入力インタフェース230を介した操作に応じて、アラームが設定された作業の一覧をディスプレイ240に表示させる。例えば、支援機能262は、特定の患者の患者IDが検索キーに設定されると、当該患者IDを検索キーに指定したアラーム対象作業の一覧要求を看護支援装置100に送信する。
この場合、看護支援装置100の支援機能152は、携帯端末200から送信された一覧要求に応じて、検索キーで指定された患者IDに係る作業の中から、アラームが設定された作業を抽出する。次いで、支援機能152は、抽出した作業を一覧表示したアラーム一覧画面を生成し、要求元の携帯端末200に提供する。そして、携帯端末200の支援機能262は、看護支援装置100から提供されるアラーム一覧画面をディスプレイ240に表示させる。
図16は、携帯端末200のディスプレイ240に表示された画面の一例を示す図である。ここで、図16に示す画面G5は、アラーム一覧画面の一例である。
図16に示すように、画面G5には、検索キーに指定された患者の患者ID及び患者名とともに、アラームが設定された作業の一覧が表示される。具体的には、画面G5には、アラームが設定された各作業について、アラーム日時と、報知先の看護師名と、作業の内容(概要)とが表示される。アラーム日時及び報知先の看護師名は、アラーム設定DB16に記憶されたアラーム指定日時及び報知先の看護師IDに対応するものである。図16では、アラーム日時が「16:39」に設定された作業G51と、アラーム日時が「17:45」に設定された作業G52とを表示した例を示している。
ここで、アラーム日時及び報知先の項目は、入力インタフェース230を介して変更することが可能となっている。入力インタフェース230を介してアラーム日時や報知先が変更されると、携帯端末200の支援機能262は、変更の対象となった作業の作業IDとともに、変更後のアラーム日時や報知先を看護支援装置100に通知する。この場合、看護支援装置100の設定機能154は、通知された作業IDに係るアラーム指定日時、報知先を、変更後の内容に更新することで、アラーム設定DB16に記憶されたアラームの設定を更新する。
また、画面G5には、一覧表示された作業毎に、チェックボックスG53が設けられている。チェックボックスG53は、アラーム設定のオン/オフを切り替えるための操作子である。なお、画面G5の初期表示時には、チェックボックスG53は、アラームが設定されていることを示すチェック済の状態となっている。
支援機能262は、チェックボックスG53のチェックを解除する操作を受け付けると、操作の対象となった作業の作業IDとともに、報知対象の解除を看護支援装置100に指示する。この場合、看護支援装置100の設定機能154は、通知された作業IDに係るアラームの設定をアラーム設定DB16から削除することで報知対象から除外する。
このように、携帯端末200の看護師は、画面G5を見ることで、アラームが設定された各作業のアラーム日時、つまり作業の終了予定日時を容易に確認することができる。また、携帯端末200の看護師は、画面G5を介してアラーム報知に係る設定変更を容易に行うことができる。
なお、図16では、検索キーとして患者IDを指定した場合の画面例を説明したが、他の要素を検索キーに設定することも可能である。例えば、特定の看護師IDを検索キーとしてもよいし、特定の作業内容を検索キーに指定してもよい。
また、上述では、図12〜図16の画面が携帯端末200で表示される形態を説明したが、看護支援装置100においても、入力インタフェース130を介した操作に応じ、同様の画面が表示されるものとする。
以下、上述した看護支援システム1の動作例について説明する。
まず、図17を参照して、看護支援装置100と携帯端末200との間で行われるアラーム設定に係る処理の動作例について説明する。ここで、図17は、看護支援システム1による処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本処理の前提として、携帯端末200のディスプレイ240には、ワークシート画面が表示されているものとする(ステップS11)。
携帯端末200の支援機能262は、ワークシート画面に表示された作業の中から、実施状況が「未実施」の作業を指定する操作を受け付けると(ステップS12)、指定された作業の作業IDを看護支援装置100に通知する(ステップS13)。
看護支援装置100の支援機能152は、携帯端末200から実施状況が「未実施」の作業IDが指定されると、指定された作業IDの作業を開始するための開始操作画面を生成する(ステップS14)。次いで、支援機能152は、生成した開始操作画面を携帯端末200に提供する(ステップS15)。なお、ステップS14の処理の詳細については後述する。
携帯端末200の支援機能262は、看護支援装置100から提供された開始操作画面をディスプレイ240に表示させる(ステップS16)。支援機能262は、入力インタフェース230を介した操作に応じ、アラーム設定をオンとするアラームオン操作を受け付ける(ステップS17)。例えば、支援機能262は、画面G2に示した操作子G21に対する操作により、アラームオン操作を受け付ける。
続いて、支援機能262は、画面G2に示した確定終了ボタンG23等の操作等により、作業の開始を指示する操作を受け付けると(ステップS18)、当該作業の開始指示とともに、アラームの設定を指示するアラームオン指示を看護支援装置100に指示する(ステップS19)。なお、報知先の看護師IDが指定された場合には、指定された看護師IDも看護支援装置100に指示される。
看護支援装置100の支援機能152は、作業の開始指示を受け付けると、該当する作業に開始日時を登録するとともに、実施状況を「実施中」に変更することで、作業管理DB15を更新する(ステップS20)。また、看護支援装置100の設定機能154は、アラーム設定をオンとする指示を受け付けるとステップS13で通知された作業IDに関連付けて、アラーム指定日時及び報知先を登録することで、アラーム設定DB16にアラームの設定を行う(ステップS21)。
図17の処理により、看護師が開始指示を行った作業に対し、アラームを設定することができる。なお、ステップS20及びS21の処理に伴い、携帯端末200に表示されたワークシート画面が更新されるものとする。
次に、図18を参照して、図17のステップS14で実行される開始操作画面生成処理について説明する。ここで、図18は、看護支援装置100が行う開始操作画面生成処理の一例を示すフローチャートである。
まず、看護支援装置100の支援機能152は、端末管理D14を参照し、通信先の携帯端末200を操作する看護師(操作者)の看護師IDを特定する(ステップS31)。次いで、支援機能152は、ステップS31で特定した看護師IDの看護師を、作業を実施する実施者に設定する(ステップS32)。
続いて、算出機能153は、現在の日時を基点とし、指定された作業IDの作業内容に基づいて終了予定日時を算出する(ステップS33)。次いで、設定機能154は、算出された終了予定日時が、現在の勤務時間帯に含まれるか否かを判定する(ステップS34)。例えば、医療施設が3交代勤務を採用している場合、現在の勤務時間帯に終了予定日時が含まれるか否かを判定する。
終了予定日時が現在の勤務時間帯に含まれると判定した場合(ステップS34;Yes)、設定機能154は、作業管理DB15及び看護師DB13を参照し、現在の勤務時間帯に、指定された作業IDの対象患者を担当する担当看護師が存在するか否かを判定する(ステップS35)。
ここで、担当看護師が存在する場合(ステップS35;Yes)、設定機能154は、担当看護師の看護師IDを報知先に設定し(ステップS36)、ステップS40に移行する。また、担当看護師が存在しないと判定した場合(ステップS35;No)、設定機能154は、ステップS31で特定された操作者の看護師IDを報知先に設定し(ステップS39)、ステップS40に移行する。
一方、ステップS33において、終了予定日時が現在の勤務時間帯に含まれないと判定した場合(ステップS34;No)、設定機能154は、ステップS37に移行する。設定機能154は、作業管理DB15及び看護師DB13を参照し、該当する勤務時間帯に、指定された作業IDの対象患者を担当する担当看護師が存在するか否かを判定する(ステップS37)。
ここで、担当看護師が存在すると判定した場合(ステップS37;Yes)、設定機能154は、担当看護師の看護師IDを報知先に設定し(ステップS38)、ステップS39に移行する。また、担当看護師が存在しないと判定した場合(ステップS37;No)、設定機能154は、ステップS31で特定された操作者の看護師IDを報知先に設定し(ステップS39)、ステップS40に移行する。
続いて、支援機能152は、作業IDで指定された作業の作業内容とともに、上記の処理で設定された実施者、終了予定日時及び報知先等を含んだ開始操作画面を生成し(ステップS40)、本処理を終了する。
これにより、看護支援装置100は、上述した図4と同様の開始操作画面を携帯端末200に提供することができる。また、開始操作画面に含まれる実施者及び報知先は、携帯端末200を操作する看護師や、終了予定日時等に基づき、看護師のスケジュールから動的に設定することで、看護師が手動で設定する手間を省くことができる。
次に、図19を参照して、看護支援装置100と携帯端末200との間で行われるアラーム報知に係る処理の動作例について説明する。ここで、図19は、看護支援システム1による処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、看護支援装置100の報知処理機能155は、アラーム設定DB16に記憶された各作業のアラーム設定に基づき、現在の日時と、アラーム指定日時とを比較する。
報知処理機能155は、現在の日時がアラーム指定日時に到達した作業を検知すると(ステップS51)、その作業の報知先に設定された看護師IDが操作する携帯端末200を、端末管理DB14から特定する(ステップS52)。
続いて、報知処理機能155は、ステップS42で特定した携帯端末200宛に、アラーム報知を行う(ステップS53)。携帯端末200の報知処理機能263は、看護支援装置100からアラーム報知を受けると、スピーカ250を鳴動させることで操作者(看護師)に報知を行う(ステップS54)。
また、報知処理機能155は、アラーム指定日時に到達した作業を報知する報知画面を生成し(ステップS55)、携帯端末200に提供する(ステップS56)。携帯端末200の報知処理機能263は、看護支援装置100から報知画面が提供されると、当該報知画面をディスプレイ240に表示させることで操作者(看護師)に報知を行う(ステップS57)。
続いて、携帯端末200の支援機能262は、入力インタフェース230を介して、報知画面から作業の終了操作を行うことが指示されると(ステップS58)、該当する作業の作業IDを含んだ終了実施要求を看護支援装置100に送信する(ステップS59)。
看護支援装置100の支援機能152は、携帯端末200から終了実施要求を受け付けると、終了実施要求で指示された作業IDの作業を終了申請するための終了操作画面を生成する(ステップS60)。そして、支援機能152は、生成した終了操作画面を携帯端末200に提供する(ステップS61)。
一方、携帯端末200の支援機能262は、看護支援装置100から提供された終了操作画面をディスプレイ240に表示させる(ステップS62)。そして、支援機能262は、作業の終了を指示する操作を受けると(ステップS63)、操作の対象となった作業の作業IDを含んだ作業の終了指示を看護支援装置100に送信する(ステップS64)。
そして、看護支援装置100の支援機能152は、作業の終了指示を受け付けると、該当する作業に終了日時を登録するとともに、当該作業の実施状況を「実施済」に変更することで、作業管理DB15を更新し(ステップS65)、本処理を終了する。
このように、看護支援装置100は、各看護師が患者に対して実施する作業の作業内容が登録された作業管理DB15等に基づいて、特定の作業の開始操作を行うための操作画面(開始操作画面)を提供する。また、看護支援装置100は、操作画面から開始操作が行われると、開始操作が行われた日時と特定の作業の作業内容とに基づき終了予定日時を算出し、各看護師の勤務時間帯を記憶した看護師DB13のスケジュールに基づいて、終了予定日時に特定の作業を担当する看護師を報知先に設定する。そして、看護支援装置100は、現在の日時が終了予定日時(アラーム指定日時)に到達すると、報知先に設定された看護師に報知を行う。
これにより、看護支援装置100は、看護師が作業の開始操作を行うと、当該作業の終了予定日時を自動で算出し、終了予定日時に到達したタイミングで、当該終了予定日時に作業を担当している看護師に対し、アラームの報知を行うことができる。したがって、看護支援装置100は、処置が終了した作業の終了確認を、当該作業を担当する看護師に促すことができるため、確認漏れの抑制を図るとともに、看護師の作業支援を行うことができる。特に、点滴や輸液の残量確認やボトル交換等の作業は患者の生命に関わる重要な作業であるため、係る作業にアラームを設定することで、安全性の向上を図ることができる。
また、看護支援装置100は、医師や看護師からの指示に応じて、アラーム設定のオン/オフを作業単位で切り替える。これにより、看護支援装置100は、医師や看護師からの指示に応じて、例えば緊急性や重要度の高い作業等をアラーム報知の対象とすることができるため、利便性の向上を図るとともに、看護師の作業支援を行うことができる。
また、看護支援装置100は、予め報知対象とされた特定の患者や特定の薬剤に係る作業が作業管理DB15に登録された場合、当該作業に対しアラーム設定を自動で行う。これにより、看護支援装置100は、医師や看護師が特段の操作を行うことなく、例えば受賞患者やハイリスク薬剤等に係る作業の終了タイミングを自動で報知することができるため、利便性の向上を図るとともに、看護師の作業支援を行うことができる。
なお、上述した実施形態は、看護支援装置100や携帯端末200が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
上述の実施形態では、看護支援装置100から携帯端末200に対し、プッシュ型でアラーム報知を行う形態としたが、これに限らないものとする。例えば、携帯端末200から看護支援装置100に対し、アラーム指定日時の到達確認要求を定期的に行うことで、看護支援装置100からプル型のアラーム通知を受け付ける形態としてもよい。
(変形例2)
上述の実施形態では、携帯端末200は、看護支援装置100から提供された各種の画面をディスプレイ240に表示する形態を説明したが、携帯端末200単体で各種画面の生成及び表示を行う形態としてもよい。例えば、携帯端末200は、例えば看護支援装置100の支援機能152、算出機能153、設定機能154及び報知処理機能155を備え、携帯端末200の操作者に係る作業について、ワークシート画面や開始操作画面等の各種画面をディスプレイ240に表示させる。この場合、携帯端末200は、携帯型の看護支援装置100として機能し、携帯端末200の各々において、当該携帯端末200の操作者に係る作業のアラーム報知を行うことができる。
これにより、携帯端末200単体で、各種画面の表示やアラーム報知を行うことができるため、上述した実施形態と同様の効果を奏するとともに、看護支援装置100に処理負荷が集中してしまう事態を防ぐことができる。
(変形例3)
上述の実施形態では、作業の種別によらず、何れの種別の作業に対しても終了予定日時の算出や、アラームを設定することが可能な形態について説明した。しかしながら、実際の医療現場では、点滴や輸液の投与等、時間をかけて処置を行う作業の場合に、アラームの報知を行うことが利便性の上の有用である。また、患者に薬を飲ませる処置や、注射を打つ処置等、短時間で処置が完了する作業については、終了予定日時の表示やアラーム報知を行うとかえって煩わしくなる可能性がある。
そこで、例えば、終了予定日時の算出対象や、アラームの設定を行うことが可能な作業を、点滴や輸液の投与等、比較的長時間に亘って処置が行われる作業に制限する形態としてもよい。具体的には、作業の種別に応じて、終了予定日時の算出を抑制したり、アラーム設定のオン/オフを指示する操作子(例えば、操作子G21)を操作不能にしたりすることで、短時間で処置が完了する作業については、終了予定日時の表示やアラーム報知を抑制することができる。これにより、長時間に亘って処置が行われる作業の種別についてのみアラームが設定されるよう制限することができるため、利便性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、看護支援装置100及び携帯端末200が備える機能構成を、処理回路150及び処理回路260によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における機能構成は、ハードウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、看護師の作業支援を行うことができる。
いくつかの実施形態(変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。