本発明の実施形態を具体的に説明する前に、まず本実施形態にかかるオーダ情報管理システムについて簡単に述べる。本実施形態にかかるオーダ情報管理システムは、ユーザによって入力された、医療行為の指示内容を含むオーダ情報を取得するオーダ情報入力端末と、オーダ情報を管理する管理サーバと、オーダ情報に含まれる指示内容がユーザにより確認されたことを示す確認入力を取得する確認入力端末と、医療行為を実施する者によって携帯され、受信した情報を表示する携帯端末と、を備える。オーダ情報入力端末は、オーダ情報を取得した場合に、オーダ情報を管理サーバに送信し、管理サーバは、受信したオーダ情報を保持すると共にオーダ情報を確認入力端末に送信し、確認入力端末は、受信したオーダ情報に対する確認入力を取得した場合に、オーダ情報を携帯端末に送信し、およびオーダ情報に対して確認入力されたことを示すオーダ確認情報を管理サーバに送信し、管理サーバは、オーダ情報に対応付けてオーダ確認情報を保持する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
図1は、オーダ情報管理システム200の全体構成図である。オーダ情報管理システム200は、オーダリングサーバ100、管理サーバ110、オーダ情報入力端末120などを含む、また、第1指示受け入力端末130Aや第2指示受け入力端末130Bなどの複数の指示受け入力端末130、および第1携帯端末140A及至第6携帯端末140Fなどの携帯端末140などを含む。
オーダリングサーバ100は、管理サーバ110にネットワークを介して接続されている。管理サーバ110は、オーダ情報入力端末120および指示受け入力端末130の各々とネットワークを介して接続されている。携帯端末140は、指示受け入力端末130と無線LAN(Local Area Network)によって接続されている。本実施形態では、第1指示受け入力端末130Aに第1携帯端末140A及至第3携帯端末140Cが無線によって接続され、第2指示受け入力端末130Bに第4携帯端末140D及至第6携帯端末140Fが無線によって接続されている。なお、オーダ情報入力端末120や指示受け入力端末130のいずれかが管理サーバ110の機能を有していてもよいことは勿論である。
オーダ情報入力端末120は、医師が勤務している間在駐する診療室などに配置される。指示受け入力端末130は、たとえば病院内の各診療科のナースステーションや病棟など、看護師の実施する医療行為を管理するたとえばリーダ看護師などが勤務している間在駐する場所に設置される。携帯端末140は、たとえば注射、点滴などの医療行為を実施する看護師などの医療行為実施者(以下、単に「実施者」という)によって、病院内の各診療科のナースステーションや病棟において携帯される。また、携帯端末140は、たとえば麻酔などの医療行為を実施する麻酔技師などの医療行為実施者によって、病院内の手術室などにおいて携帯される。
図2は、オーダ情報管理システム200の詳細な全体構成図である。オーダリングサーバ100は、記憶部80、送信部82、受信部84を有する。記憶部80には、オーダ情報を含む電子カルテが格納されている。受信部84は、管理サーバ110などからの送信要求や、オーダ情報入力端末120において医師などによって入力され取得されたオーダ情報などの情報を受信する。
送信部82は、管理サーバ110からの送信要求などに応じて、記憶部80に格納されたオーダ情報を管理サーバ110、オーダ情報入力端末120、指示受け入力端末130、または携帯端末140に送信する。また、送信部82は、予めスケジューリングされた医療行為の指示内容が含まれたオーダ情報が記憶部80に格納されている場合、オーダ情報に含まれるスケジュールにしたがって、管理サーバ110を介して指示受け入力端末130や携帯端末140にオーダ情報などの情報を送信する。
オーダリングサーバ100において、記憶部80に格納されたオーダ情報に含まれる医療行為の指示内容に付随する医療行為がある場合、送信部82は、所定の日時に、その医療行為の指示内容を含む事前オーダ情報を、管理サーバ110を介して指示受け入力端末130に送信する。具体的には、記憶部80には、付随する医療行為を有する医療行為の内容とその付随する医療行為の内容とが対応づけられたテーブルが格納されている。管理サーバ110は、そのテーブルを参照し、指示受け入力端末130に送信するオーダ情報に含まれる指示内容が付随する医療行為を有するか否かを判定する。付随する医療行為を有すると判定された場合、送信部82は、付随する医療行為の内容を含む事前オーダを、管理サーバ110を介して指示受け入力端末130に送信する。
たとえば、医療行為の指示内容が「手術」である場合、その手術前において、送信部76は、血液検査・尿検査・心電図・X線検査・肺機能検査などの検査実施、手術内容の説明・絶食説明などの患者説明、手術承諾書・麻酔同意書・輸血同意書などの同意書の取得、自己血輸血の場合の採血、直前バイタルサイン、前投薬の投与、洗髪・剃毛、持ち物チェックなどの指示内容を含む事前オーダ情報を指示受け入力端末130に送信する。また、その手術後において、送信部76は、術後状況確認、鎮痛剤投与、またはリハビリ指導などの指示内容を含む事前オーダ情報を指示受け入力端末130に送信する。これにより、ある医療行為の指示内容に付随する医療行為がある場合においても、ある医療行為を指示することによって付随する医療行為も指示することができ、医師など医療行為を指示する者の労力を軽減させることができる。指示受け入力端末130においては、事前オーダ情報は、事前オーダ情報以外の通常のオーダ情報と同様に取り扱われる。
管理サーバ110は、記憶部72、緊急度判定部74、送信部76、受信部78などを有する。記憶部72はオーダ情報を格納する。また、記憶部72は、オーダ情報入力端末120から受信した緊急度情報、指示受け入力端末130から受信した追加情報、または携帯端末140から受信した実施入力情報などをオーダ情報と対応づけて格納する。また、記憶部72は患者情報が格納されている。患者情報には、患者ID、患者名、患者の生年月日、年齢、性別、血液型などが含まれる。また、記憶部72には、患者の医療行為を担当する実施者識別情報や、実施者が所持する携帯端末140に情報を送信するための携帯端末アドレスなどを含む実施者情報、および患者が入院している病棟を識別する病棟識別情報を含む病棟情報が、各々の患者の患者情報に対応付けられて格納されている。
緊急度判定部74は、オーダ情報入力端末120から受信した緊急度情報を参照して緊急度を判定する。送信部76は、オーダ情報入力端末120、指示受け入力端末130、または携帯端末140に、オーダ情報や所定の通知などを送信する。受信部78は、オーダ情報入力端末120、指示受け入力端末130、または携帯端末140から送信された緊急度情報、追加情報、または実施入力情報などの情報を受信する。
オーダ情報入力端末120は、送信部10、受信部12、記憶部14、オーダ情報取得部16、および表示データ生成部18などを有する。また、オーダ情報入力端末120は、表示装置としてのディスプレイ20、キー入力装置としてのキーボード22、およびポインティングデバイスとしてのマウス24などを有する。
送信部10は、取得したオーダ情報などの情報を管理サーバ110やオーダリングサーバ100などに送信する。たとえば、予めスケジューリングされた手術や注射などの医療行為の指示内容が含まれたオーダ情報が取得された場合、送信部10は、オーダリングサーバ100にオーダ情報を送信する。また、実施者にすぐに送信すべきオーダ情報が取得された場合送信部10は、管理サーバ110にオーダ情報を送信する。受信部12は、管理サーバ110などから患者情報などの情報を受信する。記憶部14は、取得したオーダ情報などを格納する。オーダ情報取得部16は、ユーザとしての医師によって、キーボード22やマウス24を使って入力された医療行為の指示内容を、オーダ情報として取得する。オーダ情報には、入力された指示内容の他に、患者情報、実施者情報、病棟情報、および医師によって入力された緊急度情報が含まれる。
表示データ生成部18は、入力された指示内容や、管理サーバ110から受信した患者情報などを含むオーダ情報をディスプレイ20に表示するための表示データを生成する。表示データ生成部18によって生成された表示データは、ディスプレイ20によって表示される。
指示受け入力端末130は、送信部30、受信部32、記憶部34、指示受け入力取得部36、追加情報取得部38、緊急度判定部40、表示データ生成部42などを有する。また、指示受け入力端末130は、表示装置としてのディスプレイ44、キー入力装置としてのキーボード46、およびポインティングデバイスとしてのマウス48などを有する。この指示受け入力端末130において、管理者は、オーダ情報に含まれる指示内容が確認されたことを示す確認入力として、オーダ情報の指示受け入力を実施する。したがって、指示受け入力端末130は、オーダ情報に含まれる指示内容が確認されたことを示す確認入力を取得する確認入力端末として機能する。
送信部30は、取得した指示受け入力情報などをオーダリングサーバ100などに送信する。また、事前オーダ情報を含むオーダ情報などの情報を、携帯端末140に無線によって送信する。受信部32は、管理サーバ110などからオーダ情報などの情報を受信する。記憶部34は、管理サーバ110などから受信したオーダ情報などの情報を格納する。指示受け入力取得部36は、実施者が実施する医療行為を管理する管理者などによって、キーボード46やマウス48などを使って入力された指示受け入力を、指示受け入力情報として取得する。この指示受け入力情報は、オーダ情報に対して指示受け入力が実施されたことを示すオーダ確認情報として利用される。追加情報取得部38は、管理者などによって入力された追加コメントなどの情報を追加情報として取得する。緊急度判定部40は、オーダ情報に含まれる緊急度情報を参照し、オーダ情報に含まれる指示内容の緊急度を判定する。表示データ生成部42は、受信したオーダ情報などの情報をディスプレイ44に表示するための表示データを生成する。ディスプレイ44は、生成された表示データを表示する。
携帯端末140は、ディスプレイ50、送信部52、受信部54、記憶部56、実施入力取得部58、表示データ生成部60などを有する。ディスプレイ50は、タッチパネル式の液晶ディスプレイであり、画像を表示すると共にスタイラスペン62によってユーザによる入力が可能となっている。スタイラスペン62は、先端が丸みを帯びたペン状の部材であり、ユーザは、スタイラスペン62の先端をディスプレイ50の表面に押し当て、ディスプレイ50は押し当てられた座標を検出することによってユーザによる入力を検出する。
送信部52は、取得した実施入力情報などの情報を指示受け入力端末130や管理サーバ110に送信する。受信部54は、指示受け入力端末130から送信されたオーダ情報や通知、または指示受け入力端末130を介して管理サーバ110から送信された通知などを受信する。記憶部56は、受信したオーダ情報や通知を格納する。
実施入力取得部58は、医療行為を実施する者によってスタイラスペン62などを使って入力された実施入力を実施入力情報として取得する。表示データ生成部60は、受信したオーダ情報や通知をディスプレイ50に表示するための表示データを生成する。生成された表示データはディスプレイ50に表示される。
図3は、オーダ情報入力端末120に表示される患者選択画面152を示す図である。患者選択画面152は、オーダ情報入力端末120において、オーダ情報管理システム200を実現するためのプログラムがユーザにより実行され、患者選択画面表示ボタン154がユーザによりクリックされることにより、ディスプレイ20に表示される。
患者選択画面152は、病棟ボタン156を有しており、ユーザにより病棟ボタン156がクリックされると、オーダ情報入力端末120は、病棟指定ボタン158および患者情報表示欄160を患者選択画面152に表示する。病棟指定ボタン158はプルダウンメニューとされており、ユーザにより病棟指定ボタン158がクリックされることによって各病棟が表示されたプルダウンメニューが表示され、病棟を選択することが可能となっている。選択された病棟は病棟指定ボタン158に表示される。
病棟が選択されると、送信部10は、選択された病棟を示す病棟情報に対応付けて格納された患者情報の取得要求を管理サーバ110に送信する。管理サーバ110は、受信した病棟情報に対応付けて格納された患者情報をオーダ情報入力端末120に送信する。オーダ情報入力端末120は、受信した患者情報を記憶部14に格納すると共に患者情報表示欄160にリスト形式で表示する。患者情報には、病室、患者ID、患者名、性別、年齢、入退院ステイタス、入院日、退院予定日、在院日数、コメントなどが含まれる。リスト形式で表示された複数の患者情報の一つがユーザによって右クリックされると、本図に示すようなプルダウンメニュー162が、右クリックした患者情報の周辺に表示される。
図4は、オーダ情報入力端末120に表示される患者選択画面152において、Dr指示入力画面164が表示された状態を示す図である。Dr指示入力画面164は、プルダウンメニュー162において「Dr(ドクター)指示」がユーザにより選択された場合に、患者選択画面152に重ねて表示される。ユーザは、Dr指示入力画面164において、患者に施す医療行為の日時および内容を指示することができる。
Dr指示入力画面164は、患者情報表示領域166、病棟表示領域168、日付指定欄170、時刻指定欄172、履歴ボタン174、指示内容入力欄176、緊急指示チェックボックス178、OKボタン180などを有する。患者情報表示領域166には、患者ID、患者名、生年月日、年齢、性別、血液型が表示される。病棟表示領域168には、病棟と病室が表示される。
日付指定欄170がユーザによりクリックされると、日付設定ウィンドウ(図示せず)が表示され、日付設定ウィンドウにおいてユーザにより日付が選択されることにより、医療行為を実施すべき日付が選択される。選択された日付は日付指定欄170に表示される。また、時刻指定欄172がユーザによりクリックされると、時刻設定ウィンドウ(図示せず)が表示され、時刻設定ウィンドウにおいてユーザにより時刻が選択されることにより、医療行為を実施すべき時刻が選択される。
指示内容入力欄176は、テキストボックスとされており、ユーザにより指示内容入力欄176がクリックされることにより入力可能状態となる。ユーザは、指示内容入力欄176へキーボード22によりテキスト入力することによって、医療行為の指示内容を入力することができる。
また履歴ボタン174がユーザによりクリックされると、指示履歴リスト(図示せず)が表示される。指示履歴リストには、オーダ情報入力端末120において過去に指示内容入力欄176に入力された指示内容が20項目表示される。ユーザにより指示履歴リストに表示された指示内容が選択されると、オーダ情報入力端末120は、指示内容入力欄176に選択された指示内容を転記する。これにより、過去に入力した指示内容を再び指示内容入力欄176に入力するユーザの労力を軽減することができる。
ユーザは、緊急指示チェックボックス178をチェックすることにより、入力した指示内容の緊急度が高い旨を入力することができる。OKボタン180がユーザによりクリックされると、オーダ情報取得部16は、入力された日時、指示内容、緊急度情報、および患者情報、病棟情報をオーダ情報として取得する。オーダ情報取得部16によってオーダ情報が取得されると、記憶部14は取得されたオーダ情報を格納し、送信部10は取得されたオーダ情報を管理サーバ110に送信する。
管理サーバ110は、オーダ情報入力端末120からオーダ情報を受信すると、記憶部72に受信したオーダ情報を格納する。また、オーダ情報入力端末120からオーダ情報を受信すると、管理サーバ110の送信部76は、受信したオーダ情報に含まれる病棟情報を参照し、その病棟情報によって特定される病棟の指示受け入力端末130に、受信したオーダ情報を送信する。また、オーダ情報入力端末120からオーダ情報を受信すると、管理サーバ110の緊急度判定部74は、オーダ情報に含まれる緊急度情報を参照し、受信したオーダ情報に含まれる指示内容の緊急度を判定する。
Dr指示入力画面164において緊急指示チェックボックス178がチェックされており、緊急度情報に緊急度が高い旨の情報が含まれていた場合、緊急度判定部74は、指示内容の緊急度が高いと判断し、指示受け入力端末130に送信したオーダ情報に含まれる指示内容の緊急度が高い旨を、携帯端末140に通知する。このとき、送信部76は、オーダ情報に含まれる病棟情報を参照し、その病棟情報によって特定される病棟の携帯端末140に通知する。携帯端末140は、指示受け入力端末130を介して管理サーバ110から通知を受信すると、ディスプレイ50に受信した通知を表示する。
医療の現場においては、医師は緊急を要する医療行為を指示する場合がある。このような緊急を要する指示内容は迅速に医療行為を実施する者に伝達する必要がある。しかし、指示受け入力端末に常に管理者が在駐しているとは限らない。管理者が指示受け入力端末に在駐していない場合でも、このように、指示内容を含むオーダ情報に関連する複数の携帯端末に通知がされるため、管理者およびその周辺の者が緊急を要する指示が医師によってなされていることを把握することができ、迅速に指示受けを実施することが可能となる。
なお、Dr指示入力画面164において緊急指示チェックボックス178がチェックされておらず、緊急度情報に緊急度が低い旨の情報が含まれていた場合、緊急度判定部74は、指示内容の緊急度は低いと判断し、指示内容の緊急度が高い旨を通知しない。
図5は、指示受け入力端末130表示される患者選択画面202を示す図である。患者選択画面202は、指示受け入力端末130において、オーダ情報管理システム200を実現するためのプログラムがユーザにより実行されることによりディスプレイ44に表示される。
患者選択画面202において指示受け欄表示ボタン205がクリックされると、患者選択画面202に指示受け欄214、指示受けボタン218、未指示受けタブ210、指示受け済みタブ212が表示される。ユーザにより指示受け済みタブ212がクリックされると、指示受け済みのオーダ情報が指示受け欄214に表示される。ユーザにより未指示受けタブ210がクリックされると、未指示受けのオーダ情報が指示受け欄214に表示される。病棟指定ボタン208は患者選択画面152における病棟ボタン156と同様なので説明を省略する。以下、未指示受けのオーダ情報が指示受け欄214に表示されている場合について説明する。
病棟指定ボタン208において病棟が選択されると、表示データ生成部42は、選択された病棟の患者への医療行為の指示内容を含むオーダ情報を指示受け欄214にリスト形式で表示するよう表示データを生成する。指示受け欄214には、緊急度、患者ID、患者名、指示者、予定日時、予定内容が表示される。
緊急度判定部40は、オーダ情報に含まれる緊急度情報を参照し、指示内容の緊急度が高いか否かを判定する。緊急度が高いと判定した場合、表示データ生成部42は、指示受け欄214の緊急度を表示する領域に四角いマークを表示するよう表示データを生成する。緊急度が低いと判定した場合は、表示データ生成部42は、指示受けボタン218の緊急度を示す領域に何もマークを表示しないよう表示データを生成する。
また、表示データ生成部42は、指示受け欄214における患者IDおよび患者名を表示する領域に、オーダ情報に含まれる患者情報に含まれる患者IDおよび患者名を表示するよう表示データを生成する。また、指示者を表示する領域に、オーダ情報入力端末120においてオーダ情報が取得されたときのログインユーザ名を表示するよう表示データを生成する。また、予定日時を表示する領域にオーダ情報に含まれる日時を表示するよう、予定内容を表示する領域にオーダ情報に含まれる指示内容を表示するよう、表示データを生成する。
指示受け欄214には、指示受けするオーダ情報を指定するための指示受け指定チェックボックス216が表示される。指示受け指定チェックボックス216がユーザによりチェックされ、指示受けボタン218がクリックされると、指示受け入力取得部36は、チェックされたオーダ情報の指示受け入力を取得する。指示受け入力情報が取得されると、記憶部34は取得された指示受け入力情報を格納すると共に、送信部30は指示受け入力情報を管理サーバ110に送信する。管理サーバ110は、受信した指示受け入力情報を、指示受け入力されたオーダ情報に対応付けて記憶部72に格納する。これにより、管理サーバ110に接続された他の端末から、オーダ情報に含まれる指示内容が指示受けされたか否かを参照することが可能となる。
また、指示受け指定チェックボックス216がユーザによりチェックされ、指示受けボタン218がクリックされると、指示受け入力端末130の送信部30は、オーダ情報に含まれる実施者の携帯端末アドレスを参照し、実施者の携帯端末にオーダ情報を送信する。携帯端末140の記憶部56は受信したオーダ情報を格納し、また表示データ生成部60は、受信したオーダ情報をディスプレイ50に表示するよう、表示データを生成する。このように、管理サーバ110から携帯端末140に直接オーダ情報を送信するのではなく、管理者が指示受け入力端末130に指示受け入力することによって、実施者に指示内容を含むオーダ情報送信することにより、管理者は実施者が指示内容を確認する当初から指示内容を把握することが可能となる。
図6は、指示受け入力端末130表示される患者選択画面202にいて、指示受け確認画面220が表示された状態を示す図である。指示受け確認画面220は、指示受け欄214にリスト形式に表示されたオーダ情報をダブルクリックすることにより、患者選択画面202に重ねて表示される。
指示受け確認画面220は、指示内容表示欄224、追加コメント入力欄222、およびOKボタン226を有する。指示内容表示欄224には、オーダ情報に含まれる詳細な情報が表示される。追加コメント入力欄222は、テキストボックスとされており、追加コメント入力欄222がクリックされることにより入力可能状態となる。追加コメント入力欄222にキーボード46などを使ってテキストデータが入力され、OKボタン226がクリックされると、追加情報取得部38は、追加コメント入力欄222に入力されたテキストデータを追加情報として取得する。記憶部34は、取得された追加情報を格納する。また、送信部30は、追加情報が入力されたオーダ情報に対して指示受け入力を取得した場合に、オーダ情報と共に追加情報を携帯端末140に送信する。このように管理者は、オーダ情報に付随する追加情報を入力することができるので、携帯端末140を所持する実施者に管理者が詳細に医療行為に関連する指示をすることができる。
図7は、携帯端末140に表示される指示受け画面240を示す図である。指示受け画面240は、未実施タブ242、実施済タブ244などを有する。未実施タブ242がクリックされることにより、未実施画面246が表示される。また実施済タブ244がクリックされることにより、実施済み画面(図示せず)が表示される。
未実施画面246は、前ページボタン254、次ページボタン252、最新化ボタン250、未実施項目表示欄248などを有する。携帯端末140の表示データ生成部60は、受信したオーダ情報を未実施項目表示欄248にリスト形式で表示する。未実施項目表示欄248には、オーダ情報に含まれる指示内容および指示内容を実施すべき日時が表示される。次ページボタン252がクリックされると未実施項目表示欄248の次ページが表示され、次ページボタン252がクリックされると前ページが表示される。最新化ボタン250がクリックされると、表示データ生成部60は、記憶部56に格納されたオーダ情報を未実施項目表示欄248に表示するよう表示データを生成する。これにより、未実施項目表示欄248に最新のオーダ情報を表示することが可能となる。
ユーザは、携帯端末140において、オーダ情報に含まれる指示内容がユーザにより実施されたことを示す実施入力をすることができる。実施入力取得部58は、ユーザにより実施された実施入力を実施入力情報として取得する。携帯端末140は、医療器具のラベルや患者を識別するための識別タブに表示された識別コードを読み取り可能に構成されている。実施入力取得部58は、スタイラスペン62によってディスプレイ50に入力されることにより、または携帯端末140によって識別コードが読み取られ、指示内容が実施されたことを示す識別情報を取得した場合に、実施入力を取得する。
たとえば、オーダ情報に含まれる指示内容が患者Aに対する注射であった場合、実施者が注射のラベルに表示された識別コードを携帯端末140を使って読み取り、且つ患者Aの識別タブに表示された識別コードを携帯端末140を使って読み取ることによって、実施入力取得部58は、患者Aに対する注射の指示内容を含むオーダ情報に対して実施入力情報を取得する。また、オーダ情報に含まれる指示内容が、患者Bに対する体温測定であった場合、未実施項目表示欄248に表示されるオーダ情報のうちそのオーダ情報をダブルクリックして数値入力画面を表示させ、この数値入力画面において体温が入力されることにより、実施入力取得部58は、患者Bに対する体温計測の指示内容を含むオーダ情報に対して実施入力情報を取得する。実施入力情報が取得されると、記憶部56は、実施入力情報と、実施入力されたオーダ情報とを対応付けて格納する。
表示データ生成部60は、実施入力が取得されたオーダ情報を未実施項目表示欄248から削除し、実施済タブ244がクリックされ実施済み項目表示欄が表示されたときに、実施済み項目として実施入力が取得されたオーダ情報を表示する。これにより、携帯端末140は、未実施項目表示欄248に未実施の指示内容を含むオーダ情報のみを表示することができる。
携帯端末140の送信部52は、実施入力を取得した場合に、管理サーバ110に実施入力情報を送信する。管理サーバ110は、受信した実施入力情報を、実施入力されたオーダ情報と対応付けて記憶部72に格納する。これにより、医療行為を実際に施した実施者以外の者でも、指示内容が的確に実施されたか否かを把握することができる。
図8は、携帯端末140に表示される指示受け画面240において、指示受け通知ウィンドウ256が表示された状態を示す図である。表示データ生成部60は、指示受け入力端末130から新たなオーダ情報を受信した場合に、指示受け通知ウィンドウ256を表示するよう表示データを生成する。このように新たなオーダ情報を受信したときにOKボタン258が表示されることにより、ユーザは新たなオーダ情報を受信したことを容易に把握することができる。
指示受け通知ウィンドウ256はOKボタン258を有し、OKボタン258がクリックされることにより指示受け通知ウィンドウ256が閉じられる。ユーザにより最新化ボタン250がクリックされると、表示データ生成部60は、新たに受信したオーダ情報を含む、記憶部56に格納されたオーダ情報を未実施項目表示欄248に表示するよう表示データを生成する。
図9は、携帯端末140に表示される指示受け画面240において、緊急指示通知ウィンドウ260が表示された状態を示す図である。表示データ生成部60は、管理サーバ110から、指示受け入力端末130に送信したオーダ情報に含まれる指示内容の緊急度が高い旨の通知を受信した場合に、緊急指示通知ウィンドウ260を表示する表示データを生成する。この通知はオーダ情報に含まれる病棟情報によって特定される病棟の携帯端末140に送信されるため、管理者およびその周辺の者が緊急を要する指示が医師によってなされていることを把握することができ、迅速に指示受けを実施することが可能となる。緊急指示通知ウィンドウ260はOKボタン262を有し、OKボタン262がクリックされることにより、緊急指示通知ウィンドウ260が閉じられる。
図10は、オーダ情報管理システム200におけるオーダ情報の処理手順を示すフローチャートである。医師は、オーダ情報入力端末120のディスプレイ20に表示された患者選択画面152において患者を特定し、Dr指示入力画面164において指示内容を入力する(S11)。これにより、オーダ情報入力端末120のオーダ情報取得部16は、患者情報、病棟情報、日時、指示内容、緊急度情報など含むオーダ情報を取得する(S12)。
オーダ情報が取得されると、携帯端末140にすぐに送信すべきオーダ情報である場合、オーダ情報入力端末120の送信部10は、オーダ情報を管理サーバ110に送信する。また、オーダリングサーバ100の送信部82は、オーダ情報に含まれるスケジュールにしたがって、オーダ情報を管理サーバ110に送信する(S13)。管理サーバ110の記憶部72は、受信したオーダ情報を格納する(S14)。また、オーダ情報を受信すると、管理サーバ110の緊急度判定部74は、オーダ情報に含まれる緊急度情報を参照し、指示内容の緊急度が高い緊急指示か否かを判定する(S15)。緊急指示でないと判定された場合(S15のN)、管理サーバ110は、病棟の携帯端末140に通知する処理をスキップする。緊急指示と判定された場合(S15のY)、管理サーバ110の送信部76は、オーダ情報に含まれる病棟情報によって特定される病棟の携帯端末140に通知し(S16)、オーダ情報を指示受け入力端末130に送信する(S17)。
指示受け入力端末130において、受信したオーダ情報に対して管理者から指示受け入力されると(S18)、指示受け入力取得部36は指示受け入力を取得し、送信部30は指示受け入力情報を管理サーバ110に送信する。管理サーバ110の緊急度判定部74は、指示受け入力されたオーダ情報に含まれる緊急度情報を参照し、緊急度が高い緊急指示か否かを判定する(S19)。緊急指示でないと判定された場合(S19のN)、管理サーバ110は、病棟の携帯端末140に通知する処理をスキップする。緊急指示と判定された場合(S19のY)、送信部76は、病棟の携帯端末140に、緊急度の高い指示内容を含むオーダ情報が指示受けされた旨を、オーダ情報に含まれる病棟情報によって特定される病棟の携帯端末140に通知する(S20)。
また、指示受け入力端末130の指示受け入力取得部36により指示受け入力が取得されると、送信部30は、オーダ情報を実施者の携帯端末140に送信する(S21)。携帯端末140は、オーダ情報を受信すると、まず指示受け通知ウィンドウ256を表示し、最新化ボタン250をクリックされることを条件にオーダ情報を指示受け画面240に表示する(S22)。
図11は、オーダ情報管理システム200における修正されたオーダ情報の処理手順を示すフローチャートである。医師は、オーダ情報入力端末120において管理サーバ110の記憶部72に格納されたオーダ情報を参照し、オーダ情報に含まれる指示内容や日時などを修正する(S31)。これにより、オーダ情報入力端末120のオーダ情報取得部16は、修正された指示内容や日時など含むオーダ情報を取得する(S32)。オーダ情報が取得されると、オーダ情報入力端末120の送信部10は、オーダ情報を管理サーバ110に送信する(S33)。
管理サーバ110は、更新対象のオーダ情報に指示受け入力情報が対応付けられているか否かにより、指示受け入力前か否かを判定する(S34)。具体的には、管理サーバ110は、更新対象のオーダ情報に指示受け入力情報が対応付けられていれば指示受け入力後と判定し、指示受け入力情報が対応付けられていなければ指示受け入力前と判定する。指示受け入力前と判定された場合(S34のY)、記憶部72は、履歴を残し、オーダ情報を更新する(S35)。具体的には、記憶部72は、更新前のオーダ情報を格納したまま、修正されたオーダ情報を格納する。指示受け入力前でないと判定された場合(S34のN)、記憶部72は、履歴を残し、オーダ情報を更新する(S44)。具体的には、記憶部72は、更新前のオーダ情報を格納したまま、修正されたオーダ情報を格納する。このとき、管理サーバ110は、更新前のオーダ情報に対応付けられて格納されていた指示受け入力情報を修正されたオーダ情報と対応付けて格納しないことにより、オーダ情報を未指示受け状態に戻す(S45)。
次に、送信部76は、実施者の携帯端末140に、指示受けされたことにより携帯端末140に送信されたオーダ情報が更新された旨を通知する(S46)。これにより、実施者は、指示受けされたオーダ情報が更新されたことを把握することができるので、更新前のオーダ情報に含まれる指示内容が修正された可能性があることを知ることができる。なお、S36及至S43は、図10におけるS15及至S22と同様であることから説明を省略する。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
指示受け入力端末130において、指示受け入力取得部36により指示受け入力が取得され、且つ緊急度判定部40によりオーダ情報に含まれる指示内容の緊急度が高いと判断された場合、管理サーバ110からではなく、指示受け入力端末130の送信部30が、緊急度の高い指示内容を含むオーダ情報が指示受けされた旨を携帯端末140に通知してもよい。これにより、通知する処理を簡略化することが可能となる。
Dr指示入力画面164に、たとえば標準指示ボタンなどが設けられていても良い。オーダ情報入力端末120の表示データ生成部18は、この標準指示ボタンがクリックされることにより、たとえば「手術」、「注射」、「点滴」などの標準的な指示内容を選択可能に表示するよう表示データを生成してもよく、オーダ情報取得部16は、ユーザによりクリックされることによりこれらの指示内容の中から選択された指示内容をオーダ情報として取得してもよい。これにより、医師などは、たとえば指示する頻度の高い指示内容を容易に指示することができる。
オーダ情報入力端末120において表示される、たとえばDr指示入力画面164、または指示受け入力端末130において表示される、たとえば追加コメント入力欄222などに、オーダ情報に含まれる指示内容を実施する実施者を指定するためのボタンなどの実施者指定手段が設けられていてもよい。実際の医療の現場においては、看護師などの実施者が指示内容を実施できない場合も考えられる。このようにオーダ情報入力端末120または指示受け入力端末130において実施者を指定することが可能となることにより、実施者を柔軟に変更することが可能となる。なお、手術スタッフを含むスタッフを指定するスタッフ指定手段が設けられていてもよいことは勿論である。
16 オーダ情報取得部、 36 指示受け入力取得部、 38 追加情報取得部、 58 実施入力取得部、 100 オーダリングサーバ、 110 管理サーバ、 120 オーダ情報入力端末、 130 指示受け入力端末、 140 携帯端末、 200 オーダ情報管理システム。