JP2021110430A - 保護管 - Google Patents

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Abstract

【課題】端部の折り返しを容易に行うことができ、かつ軽量であって、保護管を引きずる際にコンクリート等の接地面等との間の抵抗を小さくでき、作業性が良好な保護管の提供を目的とする。【解決手段】合成樹脂製管21の外周に装着されて合成樹脂製管の接続等の際に、端部が外側へ折り返される保護管11を、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマーの発泡体で形成し、保護管11の内周面に保護管11の長さ方向に沿う突条12が複数本形成された構成とした。熱可塑性エラストマーの発泡体としては、該熱可塑性エラストマーに配合された熱膨張性マイクロカプセルの膨張により発泡したものが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、合成樹脂製管の外周に装着されて合成樹脂製管の表面を保護する可撓性の保護管であって、合成樹脂製管の接続作業等の際に保護管の端部が外側へ折り返されて合成樹脂製管の端部を露出させるものに関する。
近年、水道用配管や給水・給湯用配管として、金属管に代えて架橋ポリエチレン樹脂やポリブテン樹脂等からなる可撓性を有する合成樹脂製管が用いられている。合成樹脂製管は、耐食性に優れる、スケールが付着し難い、電気絶縁性に優れる、軽量及び柔軟性に優れ配管施工性が良い等の特長があり、この特長が金属管からの代替理由となっている。
合成樹脂製管は、上記のような優れた点があるものの、施工や保管時に管表面に傷が付くと、その部分の薄肉化による強度低下や、傷の付いた部分が継手との接合部となった場合に漏水の問題がある。そこで合成樹脂製管の外周に保護管を装着して、合成樹脂製管の表面の傷付きを防止することが行われている。
前記合成樹脂製管の外周に装着された保護管は、合成樹脂製管を継手と接続する際に、端部が外へ折り返されて合成樹脂製管の接続部を露出させる(すなわち保護管の端部を剥く)ことが行われる。そのため、保護管は折り返し可能な材質で構成される必要がある。
従来、保護管の折り返しを可能にするため、ポリオレフィン系樹脂に軟化剤としてオイル成分、ゴム成分を添加した熱可塑性エラストマーで保護管を構成することが行われている。
前記保護管の製造は、熱可塑性エラストマーの押出成形によって行われる。その際、オイル成分が熱可塑性エラストマーに含まれていると、メヤニと言われる析出物が口金や成形品である保護管に付着し、製品不良となるため、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマーでからなる保護管が用いられるようになった。
特開2010−7768号公報
しかし、従来の保護管は、柔軟性が十分ではないため、端部の折り返しに大きな力が必要になり、折り返し作業に苦労していた。
さらに、従来の保護管は、重量が重いため、運搬や施工が大変であった。
また、従来の保護管は、表面が平滑なため、施工時に保護管を引きずる際に、コンクリート等の接地面等との抵抗が大きく、作業性が悪かった。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、端部の折り返しを容易に行うことができ、かつ軽量であって、保護管を引きずる際にコンクリート等の接地面等との間の抵抗を小さくできる保護管の提供を目的とする。
請求項1の発明は、合成樹脂製管の外周に装着されて端部が外側へ折り返される保護管において、前記保護管は、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマーの発泡体からなり、内周面に前記保護管の長さ方向に沿う突条が複数本形成されている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記熱可塑性エラストマーの発泡体は、前記熱可塑性エラストマーの非発泡体の密度を該熱可塑性エラストマーの発泡体の密度で除した発泡倍率が、1.02〜3倍であり、JIS A9511:2017に準拠した引張強度が3MPa以上であり、JIS K6253−3:2012に基づくA硬度が、35以上であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記熱可塑性エラストマーの発泡体は、該熱可塑性エラストマーに配合された熱膨張性マイクロカプセルの膨張により発泡したものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3において、前記熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、前記熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.5〜5重量部であることを特徴とする。
本発明によれば、保護管は、発泡体からなるため、非発泡体と比べて柔軟で軽量であり、端部の折り返しを容易に行うことができる。
さらに、保護管の表面は、発泡体の気泡に起因する凹凸が存在するため、保護管を引きずる際にコンクリート等の接地面等との間の抵抗を小さくでき、作業性が良好になる。
また、保護管を構成する熱可塑性エラストマーの発泡体は、オイル成分が含まれていないため、保護管の長期使用時にオイル成分のブリードによる合成樹脂製管や継手部材に対する悪影響のおそれがない。さらに、保護管を押出成形する際に、析出物を生じ難く、ダイスから析出物を除去する作業を不要あるいは少なくでき、かつ析出物の付着が少ない、または付着がない保護管を容易に得ることができる。
また、保護管の内周面に保護管の長さ方向に沿う突条が複数本形成されているため、保護管の内周面(突条と突条の間の部分)が合成樹脂製管の外面に密着するのが妨げられていることから、保護管の端部を折り返す際に、保護管の端部を掴み易くなって折り返し作業がし易くなる。
本発明の一実施形態に係る保護管を合成樹脂製管の外周に装着した状態を示す断面図である。 図1の2−2断面図である。 本発明の一実施形態に係る保護管の端部を折り返した状態を示す図である。 図3の4−4断面図である。 実施例と比較例の配合及び物性値を示す表である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る保護管を合成樹脂製管の外周に装着した状態を示す断面図、図2は図1の2−2断面図、図3及び図4は保護管の端部を折り返した状態を示す図である。
図に示す保護管11は、水道用配管や給水・給湯用配管等として使用される合成樹脂製管21の外周に装着されて合成樹脂製管21の外周表面を保護する。保護管11が装着される合成樹脂製管21の材質は、架橋ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
保護管11は、樹脂の押出成形によって成形されたものであり、可撓性を有する。保護管11は、保護管11の押出成形時に合成樹脂製管21の外周を直接保護管11で被覆するように押し出すことにより、合成樹脂製管21の外周に装着される。なお、合成樹脂製管21に保護管11を被覆する製造方法は、公知の方法を用いることができ、前記方法に限定されるものではない。
保護管11は円筒形状からなり、内周面13に保護管11の長さ方向Lに沿う突条12を複数本有する。突条12は、保護管11の端部を折り返す際の折り返し作業性を良好にしたり、合成樹脂製管21内を流れる流体によるウォーターハンマー現象に起因する衝撃力を緩和したりする。
突条12の本数が少な過ぎると、突条12と突条12の間の部分が合成樹脂製管21に密着するようになり、合成樹脂製管21同士の接続等の際に、保護管11の端部を折り返して剥く時に保護管11の端部を掴み難くなって作業性が悪くなる。図3及び図4の符号14は、保護管11の折り返した部分を示す。
一方、突条12の本数が多過ぎると、保護管11の端部を折り返す時に大きな力が必要となり、作業性が悪くなる。そのため、突条12の好ましい本数は保護管11の内周面13の一周当たり8〜36本、より好ましくは12〜24本である。突条12は、保護管11の内周面に保護管11の周方向に等間隔で設けるのが好ましい。また、保護管11の内周面13からの突条12の突出高さは適宜とされる。
保護管11を形成する樹脂は、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマーの発泡体で構成されている。熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン樹脂10〜30重量部とエチレン系エラストマー又はスチレン系エラストマー90〜70重量部を含むものが好ましく、オイル成分を含まないものである。
ポリプロピレン樹脂の量とエチレン系エラストマー又はスチレン系エラストマーの量は、合計値が100重量部となるようにされる。ポリプロピレン樹脂の量が10重量部よりも少ない場合、すなわちエチレン系エラストマー又はスチレン系エラストマーの量が90重量部より多い場合には、保護管11の柔軟性が高くなりすぎて、端部の折り返し作業性が悪くなる。一方、ポリプロピレン樹脂の量が30重量部よりも多い場合、すなわちエチレン系エラストマー又はスチレン系エラストマーの量が70重量部より少ない場合には、保護管11の柔軟性が不足し、端部の剥き作業性が低下するようになる。
ポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂等が挙げられる。重合方式は、樹脂状物が得られれば、如何なる方式でも差し支えなく、特に限定されない。
エチレン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合エラストマー(EPR)、エチレン・オクテン共重合エラストマー(EOR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体エラストマー、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体エラストマー等のエチレン・α−オレフィン・ジエン三次元共重合体エラストマー(EPDM)などが挙げられるが、特に制限はない。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック体の水素添加物(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック体の水素添加物(SEPS)等が挙げられるが、特に制限はない。
熱可塑性エラストマーの発泡体は、熱可塑性エラストマーに配合された発泡剤により発泡したものである。
熱可塑性エラストマーに配合される発泡剤としては、熱膨張性マイクロカプセル、化学発泡剤、超臨界ガス等が挙げられる。特に熱膨張性マイクロカプセルは、品質が良好な発泡体が得られるため、好ましい発泡剤である。ここで、発泡剤は、上記を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
熱膨張性マイクロカプセルは、加熱により膨張する低沸点気化性物質を、ガスバリア性の合成樹脂製マイクロカプセル(外殻)内に封入したものである。熱膨張性マイクロカプセルは、押出成形の際の混練時の熱でマイクロカプセル内の低沸点気化性物質が温められ、押出成形装置の吐出口から押し出された際に膨張する。押出成形時の押出成形装置内の温度とマイクロカプセルの外殻を構成する合成樹脂の融点を調整することで、熱膨張性マイクロカプセルが溶融あるいは破裂することなく膨張させることができる。
マイクロカプセルの材質としては、塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、メタアクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体等が挙げられる。
マイクロカプセル内に封入される低沸点気化性物質は、マイクロカプセルの軟化点以下の温度で膨張するものであり、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン等の低分子量炭化水素、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン等のクロロフルオロ炭化水素、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、テトラアルキルシラン等の低沸点液体等を挙げることができる。
本発明で使用する熱膨張性マイクロカプセルとしては、保護管11の押出成形時の温度や圧力等によって、マイクロカプセルが溶融あるいは破裂することなく膨張するものが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルが溶融あるいは破裂することなく膨張することにより、保護管を構成する熱可塑性エラストマー発泡体における薄肉部においても、マイクロカプセル内から放出された液体や気体による穴開き等の不具合がなく、保護管11の品質を均一な良好なものにすることができる。
なお、保護管11の押出成形の際の混練時の温度は、押出成形装置のダイスの温度が190〜200℃とされる。
熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒径が5〜50μm程度であり、熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.5〜5重量部の配合量が好ましく、0.8〜4重量部の配合量がより好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの配合量が少なすぎると、発泡体の発泡倍率が低くなって保護管11が硬く、保護管11の端部が折り返し難くなる。それに対して熱膨張性マイクロカプセルの配合量が多すぎると、発泡体の発泡倍率が高くなって保護管11が柔らかくなりすぎ、却って保護管11の端部が折り返し難くなったり、合成樹脂製管に対する保護機能が低下したりする。
なお、熱可塑性樹脂に熱膨張性マイクロカプセルを予め練り込んでマスターバッチ化したものを熱可塑性エラストマーに配合してもよい。ここで、熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマー100重量部に対する配合量であり、上記のマスターバッチ化の際に使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマー100重量部に含めていない。
本発明で使用可能な熱膨張性マイクロカプセル(マスターバッチ化されたものを含む)としては、アクゾノーベル社製「EXPANCEL」シリーズ、積水化学工業株式会社製「ADVANCELL」シリーズ、大日精化工業株式会社製「ダイフォーム」シリーズ、松本油脂株式会社製「マツモトマイクロスフェア」シリーズなどが挙げられる。
化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)等の公知のものを挙げることができ、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、熱膨張性マイクロカプセルと化学発泡剤を併用してもよい。
本発明で使用する化学発泡剤としては、セル径を小さくできるアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。ADCAは、熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.5〜5重量部の配合量が好ましい。ADCAの配合量が少なすぎると、発泡体の発泡倍率が低くなって保護管11が硬く、保護管11の端部が折り返し難くなる。それに対してADCAの配合量が多すぎると、発泡体の発泡倍率が高くなって保護管11が柔らかくなりすぎ、却って保護管11の端部が折り返し難くなったり、合成樹脂製管に対する保護機能が低下したりする。
なお、熱可塑性樹脂にADCAを予め練り込んでマスターバッチ化したものを熱可塑性エラストマーに配合してもよい。ここで、ADCAの配合量は、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマー100重量部に対する配合量であり、上記のマスターバッチ化の際に使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマー100重量部に含めていない。
本発明で使用可能なADCA(マスターバッチ化されたものを含む)としては、永和化成工業社製「ポリスレン」シリーズなどが挙げられる。
前記保護管11を構成する熱可塑性エラストマーには、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて他の任意の配合成分を配合することができる。前記任意の配合成分とは、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着色剤、難燃剤等の各種添加剤があり、これらを単独または併用して用いることができる。
保護管11を形成する熱可塑性エラストマーの発泡体は、発泡倍率が1.02〜3倍であり、より好ましくは1.05〜2.5倍であり、引張強度(JIS A9511:2017に準拠)が3MPa以上、より好ましくは4MPa以上であり、A硬度(JIS K6253−3:2012に基づく)が、35以上であり、より好ましくは40以上である。
なお、発泡倍率は熱可塑性エラストマーの非発泡体の密度を熱可塑性エラストマーの発泡体の密度で除することによって算出される値である。熱可塑性エラストマーの非発泡体及び発泡体の密度は、JIS A9511:2017に準拠して測定を行っている。
図5に示す配合の樹脂を押出成形装置(池貝製作所製、型番:FS65−25C)に投入し、直径17mmの合成樹脂製管(架橋ポリエチレン製)の外周に、管壁厚み1.0mm、突条の高さ0.5mm、突条の本数24本からなる実施例及び比較例の保護管を連続押出成形した。ダイスの温度は、190℃である。
使用した樹脂材料は以下の通りである。
熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン樹脂20重量部とエチレン系エラストマー80重量部の配合からなる。
熱可塑性エラストマーの配合に使用したポリプロピレン樹脂は、日本ポリプロ株式会社製、品名:ノバテックEG−8、メルトフローレイト(MFR)0.8g/10min(230℃、JIS K7210−1:2014準拠)であり、また、エチレン系エラストマーは、エチレン・α−オレフィン共重合体、三井化学株式会社製、品名:タフマーA−0250S、メルトフローレイト(MFR)0.3g/10min(190℃、JISK7210−1:2014準拠)である。
本発明の実施例において発泡剤は、マスターバッチ化した熱膨張性マイクロカプセル、マスターバッチ化したADCAをそれぞれ単独で使用した。
熱膨張性マイクロカプセルとして、アクゾノーベル社製、品名:EXPANCEL 930MB120、熱膨張性マイクロカプセル/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)=65/35を使用した。
ADCAとして、永和化成工業社製、製品名:ポリスレン EV306G、ADCA/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)=30/70を使用した。
各実施例及び比較例の保護管に対し、発泡倍率(倍)、引張強度(MPa)、柔軟性、折り返し性、平均セル径(μm)、引き回し性について、以下の方法により測定し、判断した。
発泡倍率(倍)は、熱可塑性エラストマーの非発泡体の密度を熱可塑性エラストマーの発泡体の密度で除することにより算出した。
なお、熱可塑性エラストマーの非発泡体及び発泡体の密度は、JIS A9511:2017に準拠して測定を行った。詳細には、保護管の部分から100mm角のサンプルを裁断して測定した。
引張強度(MPa)は、保護管の部分からJIS A9511:2017に規定される引張強さの試験片の形状に打ち抜いたサンプルに対して、JIS A9511:2017に準拠して測定した。引張強さが、4MPa以上の場合に「◎」、3MPa以上の場合に「〇」、3MPa未満の場合に「×」とした。
柔軟性は、保護管の部分から50mm角のサンプルを裁断し、保護管の内周面からの突条を全て削除して平坦とし、3枚重ねたものに対してJIS K6253−3:2012に基づくA硬度を測定した。なお、測定値は、加圧板をサンプルに接触させた後、15秒後の数値とした。A硬度が、40以上の場合に「◎」、35以上の場合に「〇」、35未満の場合に「×」とした。A硬度の上限は特に限定されないが、熱可塑性エラストマーの非発泡体の測定値が適用される。
折り返し性は、合成樹脂製管の外面に装着された状態の保護管に対し、保護管の端から4〜5cmの範囲を折り返す際に、容易に折り返すことができた場合は「◎」、幾分折り返し難かった場合「〇」、折り返し難い場合は「×」とした。
平均セル径(μm)は、保護管の部分から50mm角のサンプルを裁断し、そのサンプルに対してマイクロスコープ(KEYENCE社製 RH−2000)を用いて測定した。なお、平均セル径は、保護管の外側における任意のセル10個についてセル径を測定し、そのセル径の平均値を算出した。
引き回し性は、合成樹脂製管の外面に保護管が装着された状態の長さ3mについて、コンクリートブロックの角部に対して斜め(約45°)に配置し、一定速度(1m/秒程度)で引っ張ることにより判断し、容易に引っ張ることができ、かつ保護管に傷が付かなかった場合に「◎」、幾分容易に引っ張ることができなかった場合、容易に引っ張ることができたが、目視での確認において保護管に傷が付いた場合に「〇」、容易に引っ張ることができなかった場合に「×」とした。
各実施例及び比較例の保護管に対し、引張強度(MPa)、柔軟性、折り返し性、引き回し性について、総合判定を行った。総合判定は、各項目について全て「◎」の場合に「◎」、各項目について「◎」又は「〇」の場合「〇」、各項目について1つでも「×」の場合「×」とした。
各測定結果については、図5に示す。
比較例は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マスターバッチ(発泡剤)0重量部からなる、非発泡体の例である。
比較例の保護管は、発泡倍率1倍(非発泡)、密度0.97g/cm、引張強度13.6MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)60であり「◎」、折り返し性「×」、引き回し性「×」であり、総合判定は「×」であった。比較例の保護管は、発泡倍率が小さく密度が大で(重く)、端部が折り返し難く、かつ引き回す際のコンクリートブロックとの抵抗が大きく容易に引っ張ることができず、作業性に劣るものであった。また、引き回しても保護管に傷が付かなかった。
実施例1は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マイクロカプセルのマスターバッチ1重量部、マスターバッチに含まれる熱膨張性マイクロカプセルの量が0.65重量部からなる、発泡体の例である。
実施例1の保護管は、発泡倍率1.03倍(発泡)、密度0.94g/cm、引張強度12.1MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)59であり「◎」、折り返し性「〇」、平均セル径100μm、引き回し性「〇」であり、総合判定は「〇」であった。実施例1の保護管は、やや軽く(密度が小)、やや硬く端部が幾分折り返し難く、引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗がややあり幾分容易に引っ張ることができなかったものの、比較例に比べて作業性が良好なものであった。また、引き回しても保護管に傷が付かなかった。
実施例2は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マイクロカプセルのマスターバッチ1.5重量部、マスターバッチに含まれる熱膨張性マイクロカプセルの量が0.975重量部からなる、発泡体の例である。
実施例2の保護管は、発泡倍率1.07倍(発泡)、密度0.91g/cm、引張強度11.3MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)58であり「◎」、折り返し性「◎」、平均セル径100μm、引き回し性「◎」であり、総合判定は「◎」であった。実施例2の保護管は、軽く(密度が小)、端部を容易に折り返すことができ、かつ引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗が小さく容易に引っ張ることができ、作業性が良好なものであった。また、引き回しても保護管に傷が付かなかった。
実施例3は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マイクロカプセルのマスターバッチ3重量部、マスターバッチに含まれる熱膨張性マイクロカプセルの量が1.95重量部からなる、発泡体の例である。
実施例3の保護管は、発泡倍率1.56倍(発泡)、密度0.62g/cm、引張強度6.8MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)50であり「◎」、折り返し性「◎」、平均セル径100μm、引き回し性「◎」であり、総合判定は「◎」であった。実施例3の保護管は、軽く(密度が小)、端部を容易に折り返すことができ、かつ引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗が小さく容易に引っ張ることができ、作業性が良好なものであった。また、引き回しても保護管に傷が付かなかった。
実施例4は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マイクロカプセルのマスターバッチ5重量部、マスターバッチに含まれる熱膨張性マイクロカプセルの量が3.25重量部からなる、発泡体の例である。
実施例4の保護管は、発泡倍率1.98倍(発泡)、密度0.49g/cm、引張強度4.8MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)43であり「◎」、折り返し性「◎」、平均セル径100μm、引き回し性「◎」であり、総合判定は「◎」であった。実施例4の保護管は、軽く(密度が小)、端部を容易に折り返すことができ、かつ引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗が小さく容易に引っ張ることができ、作業性が良好なものであった。また、引き回しても保護管に傷が付かなかった。
実施例5は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マイクロカプセルのマスターバッチ6重量部、マスターバッチに含まれる熱膨張性マイクロカプセルの量が3.90重量部からなる、発泡体の例である。
実施例5の保護管は、発泡倍率2.37倍(発泡)、密度0.41g/cm、引張強度4.1MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)41であり「◎」、折り返し性「◎」、平均セル径100μm、引き回し性「◎」であり、総合判定は「◎」であった。実施例4の保護管は、軽く(密度が小)、端部を容易に折り返すことができ、かつ引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗が小さく容易に引っ張ることができ、作業性が良好なものであった。また、引き回しても保護管に傷が付かなかった。
実施例6は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、マイクロカプセルのマスターバッチ7重量部、マスターバッチに含まれる熱膨張性マイクロカプセルの量が4.55重量部からなる、発泡体の例である。
実施例6の保護管は、発泡倍率2.77倍(発泡)、密度0.35g/cm、引張強度3.0MPaであり「〇」、柔軟性(A硬度)37であり「〇」、折り返し性「〇」、平均セル径100μm、引き回し性「〇」であり、総合判定は「〇」であった。実施例6の保護管は、かなり軽く(密度が小)、柔らかくコシが無いため端部が幾分折り返し難かったが、引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗が小さく容易に引っ張ることができ、作業性が良好なものであった。しかし、引き回した際に保護管の一部に傷が付いた。
実施例7は、保護管が熱可塑性エラストマー100重量部、ADCAのマスターバッチ1.5重量部、マスターバッチに含まれるADCAの量が0.45重量部からなる、発泡体の例である。
実施例7の保護管は、発泡倍率1.09(発泡)、密度0.89g/cm、引張強度10.7MPaであり「◎」、柔軟性(A硬度)56であり「◎」、折り返し性「◎」、平均セル径190μm、引き回し性「〇」であり、総合判定は「〇」であった。実施例7の保護管は、軽く(密度が小)、端部を容易に折り返すことができ、かつ引き回す際にコンクリートブロックとの抵抗が小さく容易に引っ張ることができ、作業性が良好なものであった。しかし、実施例1〜6と比べるとセル径(平均セル径)が大きく、かつセル径のバラツキ(セル径が不均一)が大きいものであった。そのため、引き回した際に保護管の一部に傷が付いた。
このように、本発明の保護管は、発泡体からなるため、非発泡体からなる保護管と比べて柔軟で軽量であり、端部の折り返しを容易に行うことができる。また、本発明の保護管は、発泡体の気泡に起因する表面の凹凸によって、保護管を引きずる際にコンクリートと等の接地面等との間の抵抗を小さくでき、作業を容易に行うことができる。
11 保護管
12 突条
13 保護管の内周面
14 折り返した部分

Claims (4)

  1. 合成樹脂製管の外周に装着されて端部が外側へ折り返される保護管において、
    前記保護管は、オイル成分を含まない熱可塑性エラストマーの発泡体からなり、内周面に前記保護管の長さ方向に沿う突条が複数本形成されていることを特徴とする保護管。
  2. 前記熱可塑性エラストマーの発泡体は、前記熱可塑性エラストマーの非発泡体の密度を該熱可塑性エラストマーの発泡体の密度で除した発泡倍率が、1.02〜3倍であり、JIS A9511:2017に準拠した引張強度が3MPa以上であり、JIS K6253−3:2012に基づくA硬度が、35以上であることを特徴とする請求項1に記載の保護管。
  3. 前記熱可塑性エラストマーの発泡体は、該熱可塑性エラストマーに配合された熱膨張性マイクロカプセルの膨張により発泡したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の保護管。
  4. 前記熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、前記熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.5〜5重量部であることを特徴とする請求項3に記載の保護管。
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