JP2014070674A - 管被覆材及びその製造方法、並びに複合管及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた外観を有する管被覆材を提供でき、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上できる管被覆材及び複合管並びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】管被覆材の製造方法は、管を被覆する発泡樹脂からなる管被覆材の製造方法であって、少なくとも、ベース樹脂と、熱膨張型カプセル系発泡剤と、化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチを使用し、少なくとも上記マスターバッチと主材樹脂とを混合して、平均粒子径300μm超のオレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない発泡性樹脂組成物を製造し、上記発泡性樹脂組成物を加熱しながら発泡押出成形する。複合管の製造方法は、管本体6bと、管本体6bの周囲を被覆する発泡樹脂保護層7aとを備える複合管7bの製造方法であって、上記製造方法により管被覆材を製造し、製造された管被覆材を発泡樹脂保護層7aとして使用する。
【選択図】図5

Description

本発明は、給水配管、給湯配管、温水機器の配管等として使用される管を被覆する、発泡樹脂からなる管被覆材及びその製造方法、並びに、給水配管、給湯配管、温水機器の配管等として使用される、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管及びその製造方法に関するものである。
従来より、給水配管、給湯配管等の配管として、オレフィン系樹脂等の単一要素からなる管が使用されている。
しかしながら、戸建て住宅、集合住宅等の建築物に給水配管、給湯配管等の配管を施工する際には、配管を地面に引きずって施工する。そのため、上記配管として上記従来の管を使用した場合、配管の外側表面に傷が付き、通水時又は長期使用時に、配管の傷が付いた部分から漏水などが生じる可能性があった。
その課題を解決するものとして、管を発泡樹脂保護層で囲繞した複合管が知られている(特許文献1参照)。上記複合管では、発泡樹脂保護層により、管を配管として施工する時に配管の外側表面に傷が付くことを防止できる。また、上記複合管では、樹脂保護層を発泡層とすることで、樹脂保護層中に空気層を形成して保温性能を管に付与すると共に、樹脂保護層を軽量化して施工性を向上させることができる。
特開2008−275146号公報
しかしながら、特許文献1に記載の複合管は、発泡樹脂保護層が、発泡倍率が低く(実施例では2.7倍以下)、肉厚(被覆肉厚)が比較的薄いので、衝撃強度が比較的低く、強い衝撃に対しては破れてしまうという課題があった。また、上記発泡樹脂保護層の衝撃強度を向上させるために上記発泡樹脂保護層の肉厚を厚くした場合には、原料(発泡性樹脂組成物)の使用量を増加させる必要が生じるため、コストアップに繋がるとともに複合管の重量が増加するという課題があった。また、樹脂保護層を非発泡とすると、樹脂保護層の衝撃強度は向上するが、複合管の重量が増加し、施工性が低下してしまう。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた外観を有する管被覆材を提供でき、かつ、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることができ、その結果として原料の使用量及び管被覆材の重量を増加させることなく管被覆材の肉厚を増加させて管被覆材の衝撃強度を向上させることができる、管被覆材及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管の製造方法であって、優れた外観を有する複合管を提供でき、かつ、原料の使用量及び複合管の重量を増加させることなく発泡樹脂保護層の肉厚を増加させて発泡樹脂保護層の衝撃強度を向上させることができる、複合管及びその製造方法を提供することにある。
本発明の管被覆材の製造方法は、上記の課題を解決するために、管を被覆する発泡樹脂からなる管被覆材の製造方法であって、少なくとも、ベース樹脂と、熱膨張型カプセル系発泡剤と、化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチを使用し、少なくとも、上記マスターバッチと、主材樹脂とを混合して、平均粒子径が300μmを超えるオレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない発泡性樹脂組成物を製造し、上記発泡性樹脂組成物を加熱しながら発泡押出成形することを特徴としている。
ここで、上記熱膨張型カプセル系発泡剤は、当業者であれば理解できるように、樹脂からなる膨張可能なシェルと、加熱によって揮発して熱膨張しうる液体の揮発性膨張剤からなるコアとからなり、上記コアが上記シェルに内包されたカプセルである。また、上記化学系熱分解型発泡剤は、当業者であれば理解できるように、加熱によって化学的に熱分解して分解ガスを発生させ得る固体物質である。
本発明の製造方法によれば、ベース樹脂と熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチを使用するので、発泡性樹脂組成物の加熱時に、発泡性樹脂組成物中において熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とが一体化したマスターバッチの状態で存在する。これにより、化学系分解型発泡剤より発生する分解ガスを熱膨張型カプセル系発泡剤がそのシェル内に保持するため、発泡倍率の向上した発泡樹脂からなる管被覆材を得ることができる。管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることで、原料の使用量及び管被覆材の重量を増加させることなく管被覆材の肉厚を増大させて、管被覆材の衝撃強度を向上させることができる。また、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることで、管被覆材に保持出来る空気層を増加させ、管被覆材による管内部の保温効果を向上できる。その結果、例えば管を給湯配管として使用した場合に給湯器の使用湯量を削減できるなど、省エネルギー効果が見込める。
なお、ベース樹脂と熱膨張型カプセル系発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチと、ベース樹脂と化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチとを使用した場合、発泡性樹脂組成物の加熱時に、発泡性樹脂組成物中において熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とが分離した状態で存在する。これにより、発泡時に化学系分解型発泡剤より発生する分解ガスを熱膨張型カプセル系発泡剤がそのシェル内に保持することが不可能又は困難となるため、発泡倍率の高い発泡樹脂からなる管被覆材を得ることができない。
また、本発明の製造方法によれば、平均粒子径が300μmを超えるオレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない発泡性樹脂組成物を用いるので、優れた外観を有する管被覆材を提供できる。上記発泡性樹脂組成物が平均粒子径が300μmを超えるオレフィン系架橋樹脂微粒子を含む場合、成形時に上記オレフィン系架橋樹脂微粒子が溶融しにくく、発泡樹脂中に上記オレフィン系架橋樹脂微粒子が微粒子の状態のままで留まり易くなるため、管被覆材の外観不良を引き起こす可能性がある。
本発明の管被覆材の製造方法では、上記発泡性樹脂組成物を10m/min〜30m/minの線速で発泡押出成形することが好ましい。
これにより、高い製造効率と、低い製造コストとを両立することができる。上記発泡性樹脂組成物の発泡押出成形の線速が10m/min未満である場合、単位時間あたりに製造できる管被覆材の数量が低下し、管被覆材の製造効率が著しく低下してしまうので、好ましくない。一方、上記発泡性樹脂組成物の発泡押出成形の線速が30m/minを超える場合には、管被覆材の引張張力が不足するために発泡押出成形における押出機からの管被覆材の引き取り時に管被覆材の破断が発生し易くなり、その結果として製造効率の低下及び製造コストの増大を招くので、好ましくない。
本発明の管被覆材の製造方法では、上記発泡性樹脂組成物中に、平均粒子径が300μm以下のオレフィン系架橋樹脂微粒子1〜5重量%を含めることが好ましい。
上記方法によれば、上記発泡性樹脂組成物中に平均粒子径が300μm以下のオレフィン系架橋樹脂微粒子を含めることで、発泡倍率が向上した発泡樹脂からなる管被覆材を得ることができる。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、発泡性樹脂組成物がオレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない場合には、図1に示すように、発泡時に、発泡樹脂11中において化学系分解型発泡剤より発生する分解ガス等の発泡気泡12が発泡樹脂11から抜ける現象(脱ガス)が起こり易く、発泡気泡12が発泡樹脂11中に保持され難い。そのため、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が比較的低くなる。また、発泡性樹脂組成物が非架橋のオレフィン系樹脂微粒子を含む場合には、図2に示すように、発泡時に、発泡樹脂11中において化学系分解型発泡剤より発生する分解ガス等の発泡気泡12がオレフィン系樹脂13の間を通り抜けて発泡樹脂11から抜ける現象(脱ガス)が起こり易く、発泡気泡12が発泡樹脂11中に保持され難い。そのため、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が比較的低くなる。
これらに対し、上記方法では、発泡性樹脂組成物が平均粒子径が300μm以下のオレフィン系架橋樹脂微粒子を含んでいる。図3に示すように、オレフィン系架橋樹脂微粒子15は、複数のオレフィン系樹脂13の部分(オレフィン系重合体主鎖)と、複数のオレフィン系樹脂13の部分同士を架橋する架橋構造14とで構成されている。そのため、上記方法では、発泡時に、発泡樹脂11中において化学系分解型発泡剤より発生する分解ガス等の発泡気泡12が複数の架橋構造14間に保持され、発泡気泡12が発泡樹脂11から抜ける現象(脱ガス)が起こり難い。そのため、上記方法では、発泡倍率が向上した発泡樹脂からなる管被覆材を得ることができる。
オレフィン系架橋樹脂微粒子の添加により管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることで、原料の使用量及び管被覆材の重量を増加させることなく管被覆材の肉厚を増大させて、管被覆材の衝撃強度を向上させることができる。
上記方法では、発泡性樹脂組成物中へのオレフィン系架橋樹脂微粒子の添加により管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が向上することで、原料の使用量及び管被覆材の重量を増加させることなく管被覆材の肉厚を増大させて、管被覆材の衝撃強度を向上させることができる。したがって、施工時等の衝撃によって破れにくい管被覆材を得ることができる。また、管被覆材の重量を軽くするとともに製造コストを削減することができる。また、上記方法では、発泡性樹脂組成物中へのオレフィン系架橋樹脂微粒子の添加により管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が向上することで、管被覆材に保持出来る空気層を増加させ、管被覆材による管内部の保温効果を向上できる。その結果、例えば管を給湯配管として使用した場合に給湯器の使用湯量を削減できるなど、省エネルギー効果が見込める。
また、上記方法によれば、オレフィン系架橋樹脂を、平均粒子径が300μm以下の微粒子の状態で発泡性樹脂組成物中に含有させることで、発泡押出成形時にオレフィン系架橋樹脂が溶融しやすくなり、管被覆材の外観を悪化させることなく管被覆材を成形することができる。
さらに、上記方法によれば、上記発泡性樹脂組成物中におけるオレフィン系架橋樹脂微粒子の含有量が1〜5重量%の範囲内であるので、管被覆材の柔軟性が乏しくなることを回避しながら、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率をさらに向上させることができる。上記発泡性樹脂組成物中におけるオレフィン系架橋樹脂微粒子の含有量が1重量%未満である場合、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が向上しにくい。そのため、同じ使用量の原料から得られる管被覆材の肉厚が増大しにくく、管被覆材の衝撃強度が向上しにくい。その結果、施工時の引きずり等によって破れてしまうことを防止する効果が向上しにくい。一方、上記発泡性樹脂組成物中におけるオレフィン系架橋樹脂微粒子の含有量が5重量%を超える場合、管被覆材の硬度が増加するため、管被覆材の柔軟性が乏しくなる。管被覆材の柔軟性が乏しくなると、管を継手に接続する際に管被覆材の端部を折り返して露出させることが困難となるので、管を継手に接続する作業が困難となる。
なお、本出願書類において、「微粒子」とは、1mm以下の平均粒子径を有する粒子を意味するものとする。
上記オレフィン系架橋樹脂微粒子としては、低コストであることから、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン等のオレフィン系架橋樹脂の粉砕により作製されたオレフィン系架橋樹脂微粒子、すなわちオレフィン系架橋樹脂の微粉砕物を好適に用いることができる。
上記オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物は、微粒子の状態まで粉砕されている(微粉砕されている)ために、粉砕前のオレフィン系架橋樹脂が有していた架橋構造が分断されているが、架橋構造の全てが分断されているのではなく、架橋構造の一部は架橋構造として複数のオレフィン系樹脂の部分(オレフィン系重合体主鎖)の間に残存する。そのため、上記オレフィン系架橋樹脂微粒子は、オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物であっても、十分に、発泡倍率を向上させる効果を奏する。従来、オレフィン系架橋樹脂は、溶融しにくいために、そのままでは樹脂成形物としての再利用が困難であった。オレフィン系架橋樹脂を微粉砕し、得られた微粉砕物を上記発泡性樹脂組成物中に添加することで、オレフィン系架橋樹脂の再利用が可能となり、リサイクルの点でも効果が見込める。
本発明の管被覆材の製造方法では、上記オレフィン系架橋樹脂微粒子の平均粒子径が、100μm以上であることが好ましい。
上記方法によれば、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率をさらに向上させることができる。上記オレフィン系架橋樹脂微粒子の平均粒子径が100μm未満である場合、上記オレフィン系架橋樹脂微粒子が発泡気泡を保持しにくくなるため、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が向上しにくくなる。
なお、本出願書類において、上記オレフィン系架橋樹脂微粒子の平均粒子径は、体積10mlのオレフィン系架橋樹脂微粒子について動的光散乱法を用いて測定された粒子径分布を算術平均することにより得られた算術平均値を意味するものとする。
本発明の管被覆材は、上記の課題を解決するために、管を被覆する発泡樹脂からなる管被覆材であって、本発明の管被覆材の製造方法によって得られるものであることを特徴としている。
上記構成によれば、本発明の管被覆材の製造方法によって得られるものであるので、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることができる。その結果、原料の使用量及び管被覆材の重量を増加させることなく管被覆材の肉厚を増加させて管被覆材の衝撃強度を向上させることができる。また、上記構成の管被覆材は、本発明の管被覆材の製造方法によって得られるものであるので、優れた外観を有している。
本発明の複合管の製造方法は、上記の課題を解決するために、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管の製造方法であって、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法によって管被覆材を製造し、製造された管被覆材を上記発泡樹脂保護層として使用することを特徴としている。
上記方法によれば、本発明の製造方法によって製造された管被覆材を上記発泡樹脂保護層として使用するので、上記発泡樹脂保護層を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることができる。その結果、原料の使用量及び複合管の重量を増加させることなく発泡樹脂保護層の肉厚を増加させて発泡樹脂保護層の衝撃強度を向上させることができる。
本発明の複合管は、上記の課題を解決するために、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管であって、本発明の複合管の製造方法によって得られるものであることを特徴としている。
上記構成によれば、本発明の複合管の製造方法によって得られるものであるので、上記発泡樹脂保護層を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることができる。その結果、原料の使用量及び複合管の重量を増加させることなく発泡樹脂保護層の肉厚を増加させて発泡樹脂保護層の衝撃強度を向上させることができる。また、上記構成の複合管は、本発明の複合管の製造方法によって得られるものであるので、優れた外観を有している。
なお、本発明の管被覆材及び複合管は、ミクロな視点で見れば、化学系熱分解型発泡剤の分解により発生する分解ガスが熱膨張型カプセル系発泡剤のシェル中に保持された特徴的な構造を有しているために、発泡倍率を向上させる効果を奏するものと考えられる。しかしながら、本願出願時においては、そのようなミクロな構造を直接的に分析することは困難であり、管被覆材及び複合管をその構造又は特性により直接的に特定することが困難であるので、本願の管被覆材及び複合管の請求項では、製造方法により物の特定を行っている。
以上のように、本発明によれば、優れた外観を有する管被覆材を提供でき、かつ、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率を向上させることができ、その結果として原料の使用量及び管被覆材の重量を増加させることなく管被覆材の肉厚を増加させて管被覆材の衝撃強度を向上させることができる、管被覆材及びその製造方法を提供できる。
また、以上のように、本発明によれば、優れた外観を有する複合管を提供でき、かつ、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管の製造方法であって、原料の使用量及び複合管の重量を増加させることなく発泡樹脂保護層の肉厚を増加させて発泡樹脂保護層の衝撃強度を向上させることができる、複合管及びその製造方法を提供できる。
オレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない発泡樹脂を模式的に示す断面図である。 非架橋のオレフィン系樹脂微粒子を含む発泡樹脂を模式的に示す断面図である。 オレフィン系架橋樹脂微粒子を含む発泡樹脂を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る複合管の製造方法に用いる製造装置を示す概略側面図である。 図4の製造装置を用いた製造方法によって得られる複合管の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る複合管の製造方法に用いる製造装置を示す概略側面図である。 図6の製造装置を用いた製造方法によって得られる複合管の断面図である。
〔管被覆材及びその製造方法〕
本発明の管被覆材の製造方法は、管を被覆する発泡樹脂からなる管被覆材の製造方法であって、少なくとも、ベース樹脂と、熱膨張型カプセル系発泡剤と、化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチを使用し、少なくとも、上記マスターバッチと、主材樹脂とを混合して、平均粒子径が300μmを超えるオレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない発泡性樹脂組成物を製造し、上記発泡性樹脂組成物を加熱しながら発泡押出成形する方法である。
まず、マスターバッチについて説明する。
上記マスターバッチは、少なくとも、ベース樹脂と、熱膨張型カプセル系発泡剤と、化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたものであり、したがって、ベース樹脂を介して膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とが一体となった状態になっている。
上記ベース樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等を用いることができる。マスターバッチの原料として一般的に多く使用されている樹脂は低密度ポリエチレンである。上記ベース樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。なぜなら、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、融点が低いため、マスターバッチを製造する際の成形温度を低くすることができるという利点があるからである。
上記マスターバッチにおける上記ベース樹脂の含有量は、50〜60重量%の範囲内であることが好ましい。上記マスターバッチにおける上記ベース樹脂の含有量が50重量%未満であると、成形性及び発泡剤の分散性が低下するので、好ましくない。一方、上記マスターバッチにおける上記ベース樹脂の含有量が60重量%を超えると、上記発泡性樹脂組成物の発泡を阻害するため、好ましくない。
上記熱膨張型カプセル系発泡剤は、当業者であれば理解できるように、樹脂からなる膨張可能なシェルと、加熱によって揮発して熱膨張しうる液体の揮発性膨張剤からなるコアとからなり、上記コアが上記シェルに内包されたカプセルである。
上記シェルの材質(カプセル材質)としては、例えば、アクリロニトリル・アクリル共重合体等が挙げられる。上記揮発性膨張剤としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、ヘプタン、石油エーテル、n−オクタン、イソオクタンなどの低分子量炭化水素;CCl3F、CCl22、CClF3、CClF2−CCl2F等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシランなどのテトラアルキルシラン等が挙げられる。上記揮発性膨張剤としては、沸点60℃以上の低分子量炭化水素、例えばn−ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等が好ましい。
上記熱膨張型カプセル系発泡剤としては、例えば、特開2006−45532号公報に記載されているような揮発性膨張剤の存在下でラジカル重合性モノマーを懸濁重合させて得られる熱膨張型発泡粒子、特開2008−133366号公報に記載されているような、ニトリル系モノマーを60重量%以上、非ニトリル系モノマーを40重量%以下、金属カチオンを0.1〜10重量%及び架橋剤を含有するビニル系モノマー組成物を重合させてなるシェルに、コア剤としてシェルの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されたもの(例えば、積水化学工業株式会社製から商品名「アドバンセル(登録商標)」で市販されている市販品(例えば、「アドバンセル(登録商標)P501E1」、「アドバンセル(登録商標)P403M1」等))、松本油脂製薬株式会社製から商品名「マツモト マイクロスフェアー(登録商標)F」で市販されている市販品、エカケミカル・エクスパンセル社(Eka Chemicals Ab Expancel)から商品名「エクスパンセル(登録商標)」で市販されている市販品(例えば、「エクスパンセル(登録商標)951DU120」、「エクスパンセル(登録商標)930DU120」等)等を用いることができる。
上記熱膨張型カプセル系発泡剤は、発泡前の平均粒子径(カプセルサイズ)が15〜35μmの範囲内であるものが好ましく、発泡前の平均粒子径が20〜30μmの範囲内であるものがより好ましい。また、上記熱膨張型カプセル系発泡剤は、発泡後(膨張後)に100μmの平均粒子径となるものが好ましい。すなわち、発泡後の平均粒子径が100μmを超えると、発泡気泡が微細でないために、管被覆材の外観が悪くなるおそれがある。
上記マスターバッチにおける熱膨張型カプセル系発泡剤の含有量は、30〜40重量%の範囲内であることが好ましい。上記熱膨張型カプセル系発泡剤は、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率の向上に対する影響が化学系熱分解型発泡剤よりも大きいため、化学系熱分解型発泡剤よりも多く配合することが好ましい。上記マスターバッチにおける熱膨張型カプセル系発泡剤の含有量が30重量%未満の場合、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が低下するので、好ましくない。ただし、上記マスターバッチにおける熱膨張型カプセル系発泡剤の含有量が40重量%を超えると、成形時の熱膨張型カプセル系発泡剤の分散性が低下して管被覆材の外観が悪化するため、好ましくない。
上記化学系熱分解型発泡剤は、当業者であれば理解できるように、加熱によって化学的に熱分解して分解ガスを発生させ得る固体物質である。上記化学系熱分解型発泡剤としては、特に限定されず、例えば、炭酸水素ナトリウム等の重曹系発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系発泡剤;ニトロソグアニジン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。これら発泡剤は、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
上記マスターバッチにおける化学系熱分解型発泡剤の含有量は、10〜20重量%の範囲内であることが好ましい。上記マスターバッチにおける化学系熱分解型発泡剤の含有量が10重量%未満の場合、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が低下するので、好ましくない。化学系熱分解型発泡剤は、含有量の増加に応じて脱ガスが生じるため、含有量が20重量%に達すると、それを超えて含有量を増加させても、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が向上しなくなる。したがって、化学系熱分解型発泡剤の含有量は、上記熱膨張型カプセル系発泡剤の含有量よりも少ないことが好ましく、20重量%以下であることが好ましい。
以上のことから、上記マスターバッチは、ベース樹脂50〜60重量%と、熱膨張型カプセル系発泡剤30〜40重量%と、化学系熱分解型発泡剤10〜20重量%とを含むことが好ましい。
上記マスターバッチの製造(マスターバッチ化)の方法としては、少なくとも、ベース樹脂と、熱膨張型カプセル系発泡剤と、化学系熱分解型発泡剤とを、押出機で混練して押出成形する方法を利用できる。上記押出機としては、一般的な押出機を使用できる。
上記方法においては、マスターバッチを、押出機での押出成形後に、ペレタイザーを用いて円柱形状等の形状(粒状)のペレットにすることが好ましい。ペレット形状のマスターバッチの径は、発泡押出成形時にマスターバッチが押出機へ食い込み易い(導入され易い)ように、1〜5mmの範囲内であることが好ましい。
次に、発泡性樹脂組成物について説明する。
上記発泡性樹脂組成物中における上記マスターバッチの含有量は、7〜10重量%の範囲内であることが好ましい。上記マスターバッチの含有量が7重量%未満であると、管被覆材を構成する発泡樹脂の発泡倍率が低下するため、好ましくない。上記マスターバッチの含有量が10重量%を超えると、管被覆材の外観不良が生じ易くなるか、あるいは管被覆材の衝撃強度が不足して管被覆材の破れが生じやすくなるため、好ましくない。
上記発泡性樹脂組成物を構成する主材樹脂は、特に限定されるものではないが、管被覆材に柔軟性を付与するために、ゴム成分を含む熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
上記ゴム成分としては、特に限定されないが、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体ゴム等のエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイソブチレン、シス−1,4−ポリブタジエン、ブチルゴム、スチレン・ブチレンゴム、水素添加スチレン・ブチレンゴム、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶共重合体、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムと、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム等のスチレン系熱可塑性エラストマーとが、上記ゴム成分として好適である。
上記熱可塑性エラストマーは、管被覆材の耐熱性を向上させるために、上記ゴム成分に加えてポリプロピレンを含有することが好ましい。上記熱可塑性エラストマー中におけるポリプロピレンの含有量は、30〜60重量%の範囲内であることが好ましい。ポリプロピレンの含有量が30重量%未満であると、管被覆材の耐熱性能が低下する。一方、ポリプロピレンの含有量が60重量%を超えると、管被覆材の柔軟性が乏しくなる。
上記熱可塑性エラストマーは、オイルを含んでいてもよい。上記オイルとしては、特に限定されないが、例えば、鉱油等が挙げられる。
上記発泡性樹脂組成物は、上記マスターバッチ及び上記主材樹脂に加えて、オレフィン系架橋樹脂微粒子1〜5重量%を含むことが好ましい。上記オレフィン系架橋樹脂微粒子については、〔課題を解決するための手段〕の項で詳細に説明したため、ここでは説明を省略する。
上記発泡性樹脂組成物は、溶融張力調整のための、又は「目やに」(時間の経過とともに押出機のダイに溜まる、焼けた樹脂を意味する)の発生の防止のための、加工助剤をさらに含むことが好ましい。
溶融張力調整用の加工助剤としては、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。溶融張力調整用の加工助剤としてポリテトラフルオロエチレンを用いた場合、ポリテトラフルオロエチレンの添加量は、主材樹脂100重量部に対して5〜10重量部の範囲内であることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの添加量が主材樹脂100重量部に対して5重量部未満であると、発泡樹脂が押出機から押し出されて引き取られる際に張力不足で破断する恐れがある。ポリテトラフルオロエチレンの添加量が主材樹脂100重量部に対して10重量部を超えると、主材樹脂の柔軟性が低下する恐れがある。
また、目やに防止用の加工助剤としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。目やに防止用の加工助剤としてエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いた場合、エチレン・酢酸ビニル共重合体の添加量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して5〜15重量部の範囲内であることが好ましい。エチレン・酢酸ビニル共重合体の添加量が熱可塑性エラストマー100重量部に対して5.0重量部未満であると、「目やに」が多量に発生し、製造効率が低下する恐れがある。エチレン・酢酸ビニル共重合体の添加量が熱可塑性エラストマー100重量部に対して15重量部を超えると、主材樹脂の柔軟性が低下する恐れがある。
上記発泡性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、顔料、無機充填材等の添加物をさらに含んでいてもよい。
本発明の管被覆材の製造方法では、上記発泡性樹脂組成物を10m/min〜30m/minの線速で発泡押出成形することが好ましい。好ましい理由については、〔課題を解決するための手段〕の項で説明した通りである。
本発明の管被覆材による被覆の対象となる管としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼管、銅管等の金属管;架橋ポリエチレン管、ポリブテン管のような樹脂管;樹脂と金属との複合管等が挙げられ、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管等の樹脂管が好ましい。
〔複合管及びその製造方法〕
本発明の複合管の製造方法は、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管の製造方法であって、本発明の製造方法によって管被覆材を製造し、製造された管被覆材を上記発泡樹脂保護層として使用する方法である。
上記管本体としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼管、銅管等の金属管;架橋ポリエチレン管、ポリブテン管のような樹脂管;樹脂と金属との複合管等が挙げられ、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管等の樹脂管が好ましい。
また、上記複合管は、上記発泡樹脂保護層上に非発泡樹脂層を備えていることが好ましい。上記非発泡樹脂層は、上記発泡樹脂保護層を保護するとともに上記複合管の表面平滑性を得ることを目的として設けられる。上記非発泡樹脂層の厚みは、上記目的を達成できる範囲内で、できるだけ薄い方が好ましい。上記非発泡樹脂層の厚みは、上記複合管の径や上記非発泡樹脂層の種類によっても異なるが、コストを考慮すると、0.2mm程度とすることが好ましい。
上記非発泡樹脂層を構成する非発泡樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記発泡樹脂保護層上に非発泡樹脂層を設ける場合、上記発泡樹脂保護層を構成する発泡性樹脂組成物が固化する前に、上記非発泡樹脂層を形成する樹脂を上記発泡樹脂保護層を構成する発泡性樹脂組成物上に押出成形することが好ましい。すなわち、上記発泡樹脂保護層と上記非発泡樹脂層とを熱接着することが、施工性及び複合管の外観の点から好ましい。
本発明の複合管の製造方法では、上記発泡性樹脂組成物を管本体を被覆するように押出成形して発泡させることが好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係る複合管の製造方法を、図4〜7に基づいて説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る複合管の製造方法に用いる製造装置を示している。
図4に示すように、この複合管の製造装置は、第1押出機1、第1水槽2、第2押出機3、第2水槽4、巻き取り機5を備えている。第1押出機1は、架橋ポリエチレンを管状体6aにして連続的に押し出すようになっている。第1水槽2は、第1押出機1から連続的に押し出される管状体6aを冷却して管本体となる架橋ポリエチレン管6bとするようになっている。第2押出機3は、上記発泡性樹脂組成物を連続的に送り出される架橋ポリエチレン管6bの周囲に連続的に管状にして押し出し発泡させて図5に示す断面形状の発泡樹脂保護層7aを形成するようになっている。第2水槽4は、発泡樹脂保護層7aを冷却固化させて本発明の複合管7bを得るようになっている。巻き取り機5は、上記のようにして連続的に成形される複合管7bをコイル状に巻き取るようになっている。
図4に示す製造装置を用いた製造方法によれば、架橋ポリエチレン管6aの周囲に発泡樹脂保護層7aを備えた図5に示すような複合管7bを得ることができる。
図6は、本発明の他の実施形態に係る複合管の製造方法に用いる製造装置を示す図である。
図6に示すように、この複合管の製造装置は、第2押出機3の下流側に第3押出機8を隣接して設け、第2押出機3から管状にして押出成形された未硬化状態の発泡性組成物層の上に非発泡樹脂層となる樹脂組成物を第3押出機8から管状にして押出成形するようにした以外は、図4に示す製造装置と同様になっている。
図6に示す製造装置を用いた製造方法によれば、図7に示すように、発泡樹脂保護層7aの表面が非発泡樹脂層7cによって被覆された複合管7dを得ることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、以下に示すマスターバッチ(A)〜(J)を用意した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(A)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)710」)50重量部、商品名「エクスパンセル(登録商標)951DU120」の熱膨張型カプセル系発泡剤(エカケミカル・エクスパンセル社製、カプセルサイズ(平均粒子径):25μm、カプセル材質:アクリロニトリル・アクリル共重合体、揮発性膨張剤:炭化水素)40重量部、及び重曹系発泡剤としての炭酸水素ナトリウム10重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(A)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(B)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)751」)50重量部、商品名「エクスパンセル(登録商標)930DU120」の熱膨張型カプセル系発泡剤35重量部、及びアゾ系発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名「セルマイク(登録商標)CE」)15重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(B)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(C)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)710」)50重量部、商品名「アドバンセル(登録商標)P501E1」の熱膨張型カプセル系発泡剤(積水化学工業株式会社製、カプセルサイズ:20μm、カプセル材質:アクリロニトリル・アクリル共重合体、揮発性膨張剤:炭化水素)35重量部、及び重曹系発泡剤としての炭酸水素ナトリウム15重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(C)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(D)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)751」)50重量部、商品名「マツモト マイクロスフェアー(登録商標)F」の熱膨張型カプセル系発泡剤(松本油脂製薬株式会社製、カプセルサイズ:30μm、揮発性膨張剤:炭化水素)35重量部、及びアゾ系発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名「セルマイク(登録商標)CE」)15重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(D)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(E)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)710」)50重量部、商品名「マツモト マイクロスフェアー(登録商標)F」の熱膨張型カプセル系発泡剤40重量部、及び重曹系発泡剤としての炭酸水素ナトリウム10重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(E)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(F)〕
ベース樹脂としての直鎖型低密度ポリエチレン(LLDPE)50重量部、商品名「アドバンセル(登録商標)P403M1」の熱膨張型カプセル系発泡剤40重量部、及びアゾ系発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名「セルマイク(登録商標)C−22」)10重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(F)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(G)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)751」)50重量部、商品名「アドバンセル(登録商標)P501M1」の熱膨張型カプセル系発泡剤40重量部、及びアゾ系発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名「セルマイク(登録商標)C−22」)10重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(G)を作製した。
〔熱膨張型カプセル系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(H)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)710」)60重量部、及び商品名「エクスパンセル(登録商標)951DU120」の熱膨張型カプセル系発泡剤40重量部を押出機で混練して押出成形することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤を単独で含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(H)を作製した。
〔重曹系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(I)〕
ベース樹脂としてのエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン(登録商標)710」)90重量部、及び重曹系発泡剤としての炭酸水素ナトリウム10重量部を押出機で混練して押出成形することにより、重曹系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(I)を作製した。
〔アゾ系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(J)〕
ベース樹脂としての低密度ポリエチレン(LDPE)90重量部、及びアゾ系発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製、商品名「セルマイク(登録商標)CE」10重量部を押出機で混練して押出成形することにより、アゾ系発泡剤を単独で含有する、直径3mm、高さ3mmの円柱形状(粒状)のマスターバッチ(J)を作製した。
Figure 2014070674
〔実施例1〕
本実施例では、主材樹脂(熱可塑性エラストマー)として、ポリプロピレン45重量%、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム45重量%、及びオイル(鉱油)10重量%からなる熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製、商品名「ラバロン(登録商標)T3873N」;以下、「熱可塑性エラストマー(A)」と称する)を使用した。
本実施例では、前記の「発明を実施するための形態」の項で説明した図4に示す製造装置を用いる製造方法によって、図5に示す複合管7bを製造した。まず、第1押出機2で外径17mm及び内径13mmの架橋ポリエチレン管6aを押出成形した。また、第2押出機3としてのスクリュー径65mmのシングルスクリュー押出機を使用し、熱可塑性エラストマー(A)83重量部と、熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(A)7重量部と、加工助剤(三菱レイヨン株式会社、商品名「メタブレン(登録商標)MZX−4」)10重量部とを混合してなる発泡性樹脂組成物を第2押出機3に供給し、第2押出機3中で混練した。そして、第1押出機2から押し出された架橋ポリエチレン管6aの周囲に、第2押出機3から発泡性樹脂組成物を成形温度180℃及び成形の線速(成形されて押し出される発泡性樹脂組成物の線速)25m/minの条件で押し出すことにより、発泡樹脂保護層7aを発泡押出成形した。これにより、架橋ポリエチレン管6aの周囲に発泡樹脂保護層7aを備えた図5に示すような複合管7bを得た。
〔実施例2〕
本実施例では、主材樹脂(熱可塑性エラストマー)として、ポリプロピレン45重量%、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体ゴム45重量%、及びオイル(鉱油)10重量%からなる熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製、商品名「サーモラン(登録商標)TT956N」;以下、「熱可塑性エラストマー(B)」と称する)を使用した。
そして、熱可塑性エラストマー(A)に代えて熱可塑性エラストマー(B)を使用し、マスターバッチ(A)に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(B)を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例3〕
熱可塑性エラストマー(A)の使用量を80重量部に変更し、マスターバッチ(A)7重量部に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(C)10重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例4〕
熱可塑性エラストマー(A)83重量部に代えて熱可塑性エラストマー(B)80重量部を使用し、マスターバッチ(A)7重量部に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(D)10重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例5〕
マスターバッチ(A)に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(E)を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例6〕
熱可塑性エラストマー(A)に代えて熱可塑性エラストマー(B)を使用し、マスターバッチ(A)に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(F)を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例7〕
熱可塑性エラストマー(A)83重量部に代えて熱可塑性エラストマー(B)80重量部を使用し、マスターバッチ(A)7重量部に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及びアゾ系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(G)10重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例8〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物(オレフィン系架橋樹脂微粒子)としての平均粒子径250μmの架橋ポリエチレン微粉砕物(積水化学工業株式会社製の架橋ポリエチレン管(商品名「エスロペックス(登録商標)」)を微粉砕することにより得られた微粉砕物、架橋度70%、シラン系架橋剤が添加されているもの;以下、単に「架橋ポリエチレン微粉砕物」と称する)1.0重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率1.0重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例9〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物としての平均粒子径150μmの架橋ポリエチレン微粉砕物を微粉砕することにより得られた微粉砕物2.0重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率2.0重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例10〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物として平均粒子径200μmの架橋ポリエチレン微粉砕物3.0重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率2.9重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例11〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物として平均粒子径150μmの架橋ポリエチレン微粉砕物2.5重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率2.4重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例12〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物として平均粒子径80μmの架橋ポリエチレン微粉砕物2.0重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率2.0重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例13〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物として平均粒子径250μmの架橋ポリエチレン微粉砕物0.5重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率0.5重量%)を発泡性樹脂組成物に添加し、成形温度を200℃に変更する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔実施例14〕
オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物として平均粒子径200μmの架橋ポリエチレン微粉砕物5.5重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率5.2重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔比較例1〕
熱可塑性エラストマー(A)の使用量を85重量部に変更し、マスターバッチ(A)7重量部に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(H)5重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔比較例2〕
熱可塑性エラストマー(A)の使用量を88重量部に変更し、マスターバッチ(A)7重量部に代えて重曹系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(I)2重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔比較例3〕
熱可塑性エラストマー(A)83重量部に代えて熱可塑性エラストマー(B)88重量部を使用し、マスターバッチ(A)7重量部に代えてアゾ系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(J)2重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔比較例4〕
マスターバッチ(A)7重量部に代えて、熱膨張型カプセル系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(H)5重量部と重曹系発泡剤を単独で含有するマスターバッチ(I)2重量部とを使用する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
〔比較例5〕
マスターバッチ(A)に代えて熱膨張型カプセル系発泡剤及び重曹系発泡剤の両方を含有するマスターバッチ(E)を使用し、オレフィン系架橋樹脂の微粉砕物として平均粒子径350μmの架橋ポリエチレン微粉砕物2.0重量部(発泡性樹脂組成物中における含有率2.0重量%)を発泡性樹脂組成物に添加する以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂保護層7aを備えた複合管7bを得た。
上記実施例1〜14及び比較例1〜5で得られた複合管7bの発泡樹脂保護層7aについて、以下の方法で発泡樹脂保護層7aの発泡倍率を測定するとともに、発泡樹脂保護層7aの外観(複合管7bの被覆外観)、及び発泡樹脂保護層7aの被覆柔軟性の評価を行った。
〔発泡倍率の測定方法〕
得られた100mの長さの複合管7bの任意の1箇所で、発泡樹脂保護層7aを連続体のまま3g切り取り、切り取った発泡樹脂保護層7aの比重を水中置換法(JIS K 7112で規定されたA法)によって測定した。そして、発泡前の発泡性樹脂組成物の比重を測定された発泡樹脂保護層7aの比重で除することによって得られた値を、発泡樹脂保護層7aの発泡倍率とした。
発泡樹脂保護層7aの発泡倍率は3倍以上であることが好ましいため、発泡倍率が3倍以上の場合を発泡倍率が「○」(良好)と評価し、発泡倍率が3倍未満の場合を発泡倍率が「×」(不良)と評価した。
〔外観の評価方法〕
発泡樹脂保護層7aの外観は、目視にて発泡樹脂保護層7a表面の滑らかさを確認し、表面の滑らかさが現行の複合管(積水化学工業株式会社製、商品名「エスロペックス(登録商標)CV」、架橋ポリエチレン管をオレフィン系エラストマー樹脂で被覆したもの)より優れている場合を外観が「○」(良好)と評価し、表面の滑らかさが上記現行の複合管より劣っている場合を外観が「×」(不良)と評価した。
〔被覆柔軟性の評価方法〕
発泡樹脂保護層7aの柔軟性(被覆柔軟性)は、発泡樹脂保護層7aの端部を折り返した際に、発泡樹脂保護層7aに破れ又はひび割れが発生するかどうかによって評価した。発泡樹脂保護層7aに破れもひび割れも発生させることなく発泡樹脂保護層7aを折り返すことができた場合を被覆柔軟性が「○」(良好)と評価し、発泡樹脂保護層7aを折り返した際に発泡樹脂保護層7aに破れ又はひび割れが発生した場合を被覆柔軟性が「×」(不良)と評価した。
上記実施例1〜14及び比較例1〜5で得られた複合管7bの発泡樹脂保護層7aの発泡倍率の測定結果、発泡樹脂保護層7aの外観の評価結果、及び発泡樹脂保護層7aの被覆柔軟性を、発泡樹脂保護層7aの成形に用いた発泡性樹脂組成物の組成と共に表2に示す。
Figure 2014070674
実施例1〜7は、熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とを予め一体とした一体型マスターバッチを使用した押出発泡成形の結果を示している。実施例8〜14は、熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とを予め一体とした一体型マスターバッチをオレフィン系架橋微粉砕物(オレフィン系架橋微粒子)と混合して使用した押出発泡成形の結果を示している。比較例1〜3は、熱膨張型カプセル系発泡剤及び化学系熱分解型発泡剤の一方を単独で含有する単独マスターバッチを使用した押出発泡成形の結果を示している。比較例4は、熱膨張型カプセル系発泡剤を単独で含有する単独マスターバッチと、化学系熱分解型発泡剤を単独で含有する単独マスターバッチとを混合して使用した押出発泡成形の結果を示している。
比較例1及び2と比較例4とを比較すると、熱膨張型カプセル系発泡剤を単独で含有する単独マスターバッチと化学系熱分解型発泡剤を単独で含有する単独マスターバッチとを混合して使用した押出発泡成形(比較例4)では、発泡性樹脂組成物の体積に対する発泡樹脂保護層7a中の気泡の体積の割合(=発泡倍率−1)は、各単独マスターバッチを単独で使用した押出発泡成形における割合(1倍(比較例1)及び0.4倍(比較例2))を加算した値(1.4倍)となっている。したがって、両者の単独マスターバッチを混合して使用した押出発泡成形では、各単独マスターバッチを単独で使用した押出発泡成形の効果の相加効果しか得られないことが分かる。
一方、熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とを予め一体とした一体型マスターバッチを使用した実施例1では、比較例4と同一のマスターバッチ配合比ながら、相加効果しか得られない比較例4と比較して発泡樹脂保護層7aの発泡倍率が向上していることが分かる。したがって、熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤とを予めベース樹脂を介して一体とした一体型マスターバッチを使用することにより、熱膨張型カプセル系発泡剤と化学系熱分解型発泡剤との併用により予測される効果(相加効果)を上回る顕著な効果が得られることが分かる。
また、実施例1と、実施例8、9、10、11とをそれぞれ比較することにより、適切な量(発泡性樹脂組成物に対して1〜5重量%)及び適切な平均粒子径(100μm〜300μm)のオレフィン系架橋微粉砕物を発泡性樹脂組成物に添加することにより、発泡樹脂保護層7aの外観(製品外観)及び発泡樹脂保護層7aの柔軟性を悪化させることなく発泡樹脂保護層7aの発泡倍率が向上することが分かる。
一方、実施例8〜11と比較例5とを比較することにより、比較例5のようにオレフィン系架橋微粉砕物の平均粒子径が300μmを超えると、成形時のオレフィン系架橋微粉砕物の溶融性が悪化するために、発泡樹脂保護層7aの外観が悪化することが分かる。
また、実施例1と実施例12とを比較することにより、実施例12のようにオレフィン系架橋微粉砕物の平均粒子径が100μmより小さいと、オレフィン系架橋樹脂微粒子が発泡気泡を保持しにくくなるため、発泡樹脂保護層7aの発泡倍率が向上しにくくなることが分かる。
一方、実施例8〜11と実施例14とを比較することにより、実施例14のように発泡性樹脂組成物中におけるオレフィン系架橋微粉砕物の含有量が5重量%より多いと、発泡樹脂保護層7aの硬度が増加するため、発泡樹脂保護層7aの柔軟性が乏しくなることが分かる。
また、実施例8〜11と実施例13とを比較することにより、実施例13のように発泡性樹脂組成物中におけるオレフィン系架橋微粉砕物の含有量が1重量%より少ないと、オレフィン系架橋微粉砕物が発泡気泡を保持しにくいため、発泡樹脂保護層7aの発泡倍率が向上しにくいことが分かる。
本発明は、本発明は、給水配管、給湯配管、温水機器の配管等として使用される管を被覆する、発泡樹脂からなる管被覆材の製造、及び、給水配管、給湯配管、温水機器の配管等として使用される、管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管の製造に利用することができる。
6b 架橋ポリエチレン管(管本体)
7a 発泡樹脂保護層
7b 複合管
7c 非発泡樹脂層
7d 複合管
11 発泡樹脂
12 発泡気泡
13 オレフィン系樹脂
14 架橋構造
15 オレフィン系架橋樹脂微粒子

Claims (7)

  1. 管を被覆する発泡樹脂からなる管被覆材の製造方法であって、
    少なくとも、ベース樹脂と、熱膨張型カプセル系発泡剤と、化学系熱分解型発泡剤とを混合して押出成形することにより予め製造されたマスターバッチを使用し、
    少なくとも、上記マスターバッチと、主材樹脂とを混合して、平均粒子径が300μmを超えるオレフィン系架橋樹脂微粒子を含まない発泡性樹脂組成物を製造し、上記発泡性樹脂組成物を加熱しながら発泡押出成形することを特徴とする管被覆材の製造方法。
  2. 上記発泡性樹脂組成物を10m/min〜30m/minの線速で発泡押出成形することを特徴とする請求項1に記載の管被覆材の製造方法。
  3. 上記発泡性樹脂組成物中に、平均粒子径が300μm以下のオレフィン系架橋樹脂微粒子1〜5重量%を含めることを特徴とする請求項1又は2に記載の管被覆材の製造方法。
  4. 上記オレフィン系架橋樹脂微粒子の平均粒子径が、100μm以上であることを特徴とする請求項3に記載の管被覆材の製造方法。
  5. 管を被覆する発泡樹脂からなる管被覆材であって、
    請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法によって得られるものであることを特徴とする管被覆材。
  6. 管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管の製造方法であって、
    請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法によって管被覆材を製造し、製造された管被覆材を上記発泡樹脂保護層として使用することを特徴とする複合管の製造方法。
  7. 管本体と、管本体の周囲を被覆する発泡樹脂保護層とを備える複合管であって、
    請求項6に記載の製造方法によって得られるものであることを特徴とする複合管。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019099647A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 株式会社クボタケミックス 樹脂管の製造方法、樹脂管および配管接続構造
JP2021110430A (ja) * 2020-01-15 2021-08-02 株式会社イノアック住環境 保護管
WO2024122427A1 (ja) * 2022-12-05 2024-06-13 株式会社デンソーエアシステムズ 流体輸送用チューブ

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