JP6313989B2 - 発泡性樹脂組成物、発泡体、多層シートおよび発泡成形体 - Google Patents

発泡性樹脂組成物、発泡体、多層シートおよび発泡成形体 Download PDF

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本発明は、発泡性樹脂組成物、発泡体、多層シートおよび発泡成形体に関する。
食品用や各種工業用の搬送包材において、省資源(材料削減)の観点より2〜3倍の倍率で発泡された発泡体を用いることが提案されてきている。このような発泡体を包材として用いると、結果的に焼却時の二酸化炭素を削減できるので地球の温暖化防止策としても有効である。
例えば、発泡層として、タルクなどの無機系充填剤を0.5〜30質量部含んだ樹脂組成物に化学発泡剤を添加して1.1〜6倍に発泡させた発泡体が包材として提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−289494号公報
特許文献1の発泡体は、化学発泡剤により発泡させたものであるためセルが連続気泡となってしまう。そのため、シート状の発泡体として熱成形を行なう場合、成形加工時の延伸性に劣り、延伸後の発泡成形体(容器等)の厚み分布が不均一となるので外観の悪いものとなる。また、焼却時に炭酸ガスや燃焼熱の発生をおさえ環境に配慮することを目的として、タルク等の無機充填剤を高い比率で含有させた熱成形用シートが汎用されている。しかしながら、無機充填剤の含有比率が高い発泡シートを用いて熱成形を行おうとすると、発泡シートの延伸性が非常に悪いため、外観に優れた発泡成形体を得ることは極めて困難となる。
本発明は、無機充填剤の含有比率が高い場合であっても、独立気泡にて発泡させることが可能な発泡性樹脂組成物、この発泡性樹脂組成物により得られた発泡体、この発泡体を含んだ多層シート、および発泡体や多層シートから得られた発泡成形体を提供することを目的とする。
前記した課題を解決すべく、本発明は、以下のような発泡性樹脂組成物、発泡体、多層シートおよび発泡成形体を提供するものである。
(1)熱可塑性樹脂と無機充填剤とを含んでなる熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、揮発性炭化水素を内部に有する熱膨張性のマイクロカプセル3質量部以上10質量部以下を配合してなることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(2)上述の(1)に記載の発泡性樹脂組成物において、前記無機充填剤がタルクおよび炭酸カルシウムのうち少なくともいずれかであることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(3)上述の(1)または(2)に記載の発泡性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂組成物100質量部における前記無機充填剤の配合量が15質量部以上65質量部以下であることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(4)上述の(1)から(3)までのいずれか1つに記載の発泡性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂が、石油由来の樹脂と植物由来の樹脂の少なくともいずれかであることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(5)上述の(4)に記載の発泡性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂組成物100質量部のうち、前記熱可塑性樹脂として植物由来の樹脂が5質量部以上30質量部以下配合されてなることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(6)上述の(4)または(5)に記載の発泡性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂組成物100質量部のうち、前記熱可塑性樹脂として石油由来の樹脂が35質量部以上50質量部以下配合されてなることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(7)上述の(1)から(6)までのいずれか1つに記載の発泡性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、熱可塑性エラストマーを内割で3質量部以上10質量部以下配合してなることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
(8)上述の(1)から(7)までのいずれか1つに記載の発泡性樹脂組成物を、130℃以上230℃以下の加工温度にて押出成形し、前記マイクロカプセルを熱膨張させて得られたことを特徴とする発泡体。
(9)上述の(8)に記載の発泡体において、密度が0.4g/cm以上0.8g/cm以下であることを特徴とする発泡体。
(10)上述の(8)または(9)に記載の発泡体が、前記押出成形にてシート状に得られ、厚みが300μm以上3,000μm以下である発泡シートであることを特徴とする発泡体。
(11)上述の(10)に記載の発泡体において、前記発泡シートの少なくとも一方の面に、非発泡性の熱可塑性樹脂層を積層してなることを特徴とする多層シート。
(12)上述の(11)に記載の多層シートにおいて、前記非発泡性の熱可塑性樹脂層の厚み割合が、当該多層シートの全層厚みに対し3%以上20%以下であることを特徴とする多層シート。
(13)上述の(11)または(12)に記載の多層シートにおいて、前記発泡シートを前記非発泡性の熱可塑性樹脂層の両面に積層してなることを特徴とする多層シート。
(14)上述の(8)から(10)までに記載の発泡体、および上述の(11)から(13)までに記載の多層シートのうち少なくともいずれかを成形してなることを特徴とする発泡成形体。
本発明によれば、無機充填剤の含有比率が高い場合であっても、独立気泡にて発泡させることが可能な発泡性樹脂組成物を提供できるので、この発泡性樹脂組成物により得られたシート状の発泡体や、この発泡体を含んだ多層シートは成形性に非常に優れている。それ故、本発明によれば、外観の優れた発泡成形体を提供することができる。
本発明の発泡性樹脂組成物(以下、「本組成物」ともいう。)は、熱可塑性樹脂と無機充填剤とを含んでなる熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、揮発性炭化水素を内部に有する熱膨張性のマイクロカプセル3質量部以上10質量部以下を配合してなることを特徴とする。以下、詳細に説明する。
本組成物に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、230℃におけるMFR(Melt Flow Rate)が2.5g/10分以上15g/10分以下のものが好ましい。ここで、230℃におけるMFRが2.5g/10分より小さいと、押出加工時に圧力が過大となるおそれがある。また、230℃におけるMFRが15g/10分より大きいと、押出加工時にシートの垂れ下がりが生じるおそれがある。
また、上述した熱可塑性樹脂は、石油由来の樹脂であってもよく植物由来の樹脂であってもよいし、これらの樹脂を混合して用いてもよい。
本組成物は、押出成形や熱成形等における加工性の観点より、上述の熱可塑性樹脂組成物100質量部のうち、上述の熱可塑性樹脂として石油由来の樹脂が内割で35質量部以上50質量部以下配合されていることが好ましく、40質量部以上45質量部以下配合されていることがより好ましい。
また、本組成物は、炭酸ガス発生量低減(カーボンニュートラル)の観点より、上述の熱可塑性樹脂組成物100質量部のうち、上述の熱可塑性樹脂として植物由来の樹脂が内割で5質量部以上配合されていることが好ましく、25質量部以上配合されていることがより好ましい。ただし、上述した加工性の観点からは、植物由来の樹脂の配合量は、30質量部以下であることが好ましい。
上述の熱可塑性樹脂としては、通常の発泡成形ができるものであれば好ましく適用できる。例えば、ポリオレフィン系樹脂であれば、ポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、中低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE))、およびポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)などが好適に使用できる。また、スチレン系樹脂(ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン、スチレン共重合体等)、エチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、飽和ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル樹脂(ポリ乳酸等のヒドロキシカルボン酸縮合物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとジカルボン酸の縮合物など)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、および液晶性ポリマーなども挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、任意の2種以上の混合物として用いてもよい。
本組成物に用いられる無機充填剤としては、特に制限はないが、本組成物を原料とする発泡成形品としたときに剛性あるいは耐衝撃性の向上に資するものが好ましい。
このような無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、およびゼオライト等が挙げられる。これらは、任意に2以上の混合物として用いてもよい。
上述した無機充填剤のなかでは、剛性および耐衝撃性のバランスの点で、タルクおよび炭酸カルシウムのうち少なくともいずれかを用いることが好ましい。
本組成物において、熱可塑性樹脂組成物100質量部における無機充填剤の配合量は、剛性および耐衝撃性の観点より、内割で15質量部以上65質量部以下であることが好ましく30質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
また、本組成物には、熱可塑性樹脂と無機充填剤とからなる熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、熱可塑性エラストマーを内割で3質量部以上10質量部以下配合することが好ましい。本組成物に用いられる熱可塑性エラストマーは、配合により発泡をより均一に行うことを可能にするものであり、また、発泡成形品の衝撃強度の改善にも寄与する。熱可塑性エラストマーとしては、特に引張弾性率(JISK 7161)が1,300MPa以下のものを好適に使用することができる。
熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、スチレン系、塩化ビニル系、ウレタン系、エステル系、およびアミド系など種々のものを使用することができる。オレフィン系としては本発明の効果の観点よりエチレン−αオレフィン共重合体が好ましい。
本組成物において、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して内割で3質量部以上10質量部以下の割合で配合されるが、好ましくは5質量部以上8質量部以下の割合で配合される。熱可塑性エラストマーの配合量が3質量部より少なくなると衝撃強度の低下を生じるおそれがある。一方、熱可塑性エラストマーの配合量が10質量部より多くなると発泡成形品の剛性の低下を生じるおそれがある。
本組成物では、発泡剤として揮発性炭化水素を内部に有する熱膨張性のマイクロカプセル(以下、単に「本マイクロカプセル」ともいう。)を用いる。本マイクロカプセルとしては、膨張開始温度が130℃以上、最大膨張温度が230℃以下のものを好ましく適用することができる。特に膨張開始温度が180℃以上であり、最大膨張温度は210℃以下であるとより好ましい。
ここで、膨張開始温度と最大膨張温度は、特開平11−2615号公報に記載された方法で測定できる(明細書段落[0008]以降を参照)。具体的には、シリンダーおよびピストンを具備した装置を用意して、シリンダー内に充填された試料(マイクロカプセルを分散させたガラスビーズ)の加熱に伴う体積変化をピストンの変位量により測定する。ピストンが変位しだしたときの温度が膨張開始温度(体積変化開始温度)であり、ピストンの変位が最大のときが最大膨張温度(最大体積変化温度)である。
そして、上述した方法で測定されたマイクロカプセルの膨張開始温度が130℃未満であると、組成物を溶融混練したときに発泡開始が早すぎて、均一な発泡体(シート、成形体)が得られなくなるおそれがある。一方、最大膨張温度が230℃を超えると所定の発泡倍率が得られなくなるおそれがある。
また、本マイクロカプセルの外殻は、特に、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルのうち少なくともいずれかをモノマーとして含むニトリル系重合体であることがより好ましい。具体的には、特開2009−299071号公報に記載された熱膨張性マイクロカプセルの中から上述の条件を満たすものを選択して用いることが好ましい。
本マイクロカプセル内に封入される発泡剤は、揮発性の炭化水素である。このような炭化水素としては、炭素数が8以下の炭化水素であることが好ましい。具体的には、メタン、エタン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、シクロブタン、イソブタン、ペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン、メチルヘプタン類、およびトリメチルペンタン類などが挙げられる。
本マイクロカプセルは、平均粒径が5μm以上50μm以下の範囲のものを用いることが好ましい。マイクロカプセルの平均粒子径が5μm未満であるとマイクロカプセル化が難しく、平均粒径が50μmを超えると押出成形時の加工性や熱成形等の二次加工性が低下するおそれがある。ここで、平均粒径は光散乱法により求めればよい(体積平均)。例えば、日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分析計によりマイクロカプセルの粒度分布や平均粒径を容易に測定することができる。
本組成物では、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、本マイクロカプセルを外割で3質量部以上10質量部以下配合するが、好ましい配合量は、3質量部以上5質量部以下である。本マイクロカプセルの配合量が3質量部より少なくなると発泡倍率が想定値よりも低下するおそれがある。一方、本マイクロカプセルの配合量が10質量部より多くなると発泡成形品の剛性の低下を生じるおそれがある。本マイクロカプセルは押出機に直接投入して配合してもよいが、効率よく混練する観点より、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等、マイクロカプセルの膨張開始温度よりも融点の低い樹脂を用いてマスターバッチ(MB)とした状態で配合することがより好ましい。
また、本組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、酸化防止剤、滑剤、核剤、および紫外線吸収剤などを配合してもよい。
界面活性剤としては、例えばカチオン系やアミン系などが用いられる。そして、界面活性剤の配合量は、本組成物100質量%に対して内割で2質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは4質量%以上8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上7質量%以下である。
本組成物を原料として押出機等を通しながら加熱することで本マイクロカプセルを膨張および発泡させ、所定形状(シート状等)の発泡体を得ることができる。
上述の発泡体は、密度が0.4g/cm以上0.8g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/cm以上0.7g/cm以下、さらに好ましくは0.55g/cm以上0.65g/cm以下である。
密度が0.4g/cmより小さくなると、剛性や強度の低下を生じるおそれがある。一方、密度が0.8g/cmより大きくなると、剛性が高くなりすぎ発泡体としての機能が損なわれるおそれがある。
また、シート状の発泡体(以下、「発泡シート」ともいう。)を得るには、Tダイやリングダイなどを用いて押出成形を行えばよい。特にTダイを用いる方法が製造コストの点でより好ましい。なお、Tダイを用いる方法では、本組成物の230℃におけるMFRは3.5g/10分以上8.5g/10分以下が好ましいが、リングダイを用いる方法では、230℃におけるMFRが2.5g/10分以上15g/10分以下でも製造可能である。
そして、発泡シートは、厚さ寸法が好ましくは300μm以上2500μm以下、より好ましくは500μm以上2000μm以下、さらに好ましくは700μm以上1800μm以下に成形される。
厚さ寸法が300μmより薄くなると、押出吐出量の低下を生じるおそれがある。一方、厚さ寸法が2500μmより厚くなると、厚み制御が困難となったり冷却不足が生じたりするおそれがある。
発泡シートは、単層からなるシートであってもよく、発泡剤を含有しない熱可塑性樹脂からなる層と積層させて多層シートとしてもよい。積層方法としては、押出ラミネート法でも、共押出法でもよい。非発泡シート層の原料としては熱可塑性樹脂が用いられるが、本発明の発泡シート層に用いられる熱可塑性樹脂組成物が好適である。多層シートとしては、例えば以下のような層構成を提供できる。
非発泡シート層/発泡シート層(2種2層)
非発泡シート層/発泡シート層/非発泡シート層(2種3層、3種3層)
非発泡シート層/発泡シート層/非発泡シート層/発泡シート層/非発泡シート層(2種5層、3種5層、4種5層、5種5層)
上記した多層シートにおいて、発泡シート層や非発泡シート層が複数ある場合は、同じ原料を用いてもよいし異なる原料を用いてもよい。
シート外観品質の観点より、多層シートとしては、発泡シートの層が中心に位置する層構造とすることが好ましい。
また、上記した多層シートにおいては、非発泡シート層の厚み割合が、当該多層シートの全層厚みに対し3%以上20%以下であることが好ましい。非発泡シート層の厚み割合が3%未満であると、シート表面の平滑性が悪くなり外観品質を損なうおそれがある。一方、非発泡シート層の厚み割合が20%を超えるとシート密度が過大となり発泡シート層の特徴が発揮されにくくなるおそれがある。
上記した発泡シートや多層シートを、熱成形(真空成形あるいは圧空成形)することで、例えば包装容器などの発泡成形体に成形することができる。なお、本組成物を原料として射出成形やブロー成形あるいはプレス成形を行うことで直接成形品を得ることもできる。
上述した本発明によれば、無機充填剤の含有比率が高い場合であっても、独立気泡にて発泡させることが可能な発泡性樹脂組成物を提供できるので、この発泡性樹脂組成物により得られたシート状の発泡体や、この発泡体を含んだ多層シートは成形性に非常に優れている。それ故、本発明によれば、外観の優れた発泡成形体を提供することができる。また、使用するのがマイクロカプセル型発泡剤であるので、本発明を実施する上で、ガス発泡や超臨界発泡(二酸化炭素等)のように新規な設備を導入する必要もない。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)である樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D(マイクロカプセルの平均粒径は35μm)]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)6質量部を添加した。すなわち、実施例1でのマイクロカプセルの配合量は熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、3質量部である。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.62g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることを確認できた。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であったが容器トリミング時にフランジ部の割れが発生した(10個成形し1個割れ)。また、熱成形では一般に容器側壁部の厚みが薄くなるが、上記成形品は、そのような不具合もなく成形時の延伸性は良好であった。
[実施例2]
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)90質量部と、石油由来のポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)5質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)6質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.62g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。容器トリミング時のフランジ部の割れ発生もなかった。また、熱成形では一般に容器側壁部の厚みが薄くなるが、上記成形品は、そのような不具合もなく成形時の延伸性は良好であった。
[実施例3]
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)90質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)5質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)6質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.55g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。容器トリミング時のフランジ部の割れ発生もなかった。また、いずれの熱成形においても延伸性は良好であり、容器側壁部の厚みに極端に薄い箇所はなかった。
[実施例4]
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(信和プラスチック製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および植物由来のポリエチレン樹脂40質量%からなる)90質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)10質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)6質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.60g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。また、容器トリミング時のフランジ部の割れ発生もなかった。また、いずれの熱成形においても延伸性は良好であり、容器側壁部の厚みに極端に薄い箇所はなかった。
[実施例5]
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)25質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)30質量部と、石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製ポリプロピレン樹脂:E−103WA)40質量部と熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)6質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.62g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。また、容器トリミング時のフランジ部の割れ発生もなかった。また、いずれの熱成形においても延伸性は良好であり、容器側壁部の厚みに極端に薄い箇所はなかった。
[実施例6]
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)25質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)30質量部と、石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂(プライムポリー製ポリプロピレン樹脂:E−103WA)40質量部と熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)20質量部を添加した。すなわち、実施例6でのマイクロカプセルの配合量は樹脂組成物100質量部に対して、10質量部である。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.41g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。また容器トリミング時のフランジ部の割れ発生もなかった。また、いずれの熱成形においても延伸性は良好であり、容器側壁部の厚みに極端に薄い箇所はなかった。
[比較例1](化学発泡剤を使用)
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油系熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)90質量部と、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)5質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物に、化学発泡剤(永和化成製ポリスレン)10質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.52g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ連続気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。しかし、いずれの容器側壁部も厚みが極端に薄いところが発生し、成形時の延伸性は良くなかった。
[比較例2](化学発泡剤を使用)
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油系熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)90質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)10質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物に対して、化学発泡剤(永和化成製ポリスレン)10質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ65mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.60g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ連続気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。しかし、いずれの容器側壁部も厚みが極端に薄いところが発生し、成形時の延伸性は良くなかった。
[比較例3](化学発泡剤を使用)
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(信和プラスチック製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および植物由来のポリエチレン樹脂40質量%からなる)90質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)5質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物に化学発泡剤(永和化成製ポリスレン)10質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ65mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.45g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ連続気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。しかし、いずれの容器側壁部も厚みが極端に薄いところが発生し、成形時の延伸性は良くなかった。
[比較例4](化学発泡剤を使用)
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油系熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)25質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)30質量部と、石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製ポリプロピレン樹脂:E−103WA)40質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物に化学発泡剤(永和化成製ポリスレン)10質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ65mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ0.50g/cmであった。また、光学顕微鏡により発泡セルの断面観察をおこなったところ連続気泡であることを確認した。
次に、押出機Iと共押出しを行うための押出機II(外層形成用)にポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製E−103WA)を投入し、全層厚み2,000μm(両外層厚みが100μm)の多層シート(2種3層シート)を製造した。
さらに、上記の製造方法により得られた多層シートをミノス製の単発熱成形機にて口径80Φ、深さ30mm金型を用いて真空成形および真空圧空成形法の2通りの方法で熱成形を行い、容器形状の成形品を得た。得られた熱成形容器はいずれも表面に凹凸はなく非常に綺麗な外観表面であった。しかし、いずれの容器側壁部も厚みが極端に薄いところが発生し、成形時の延伸性は良くなかった。
[比較例5](マイクロカプセルの配合量が3質量部未満)
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)25質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)30質量部と、石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂(プライムポリー製ポリプロピレン樹脂:E−103WA)40質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)3質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造した。発泡倍率を確認するためにシート密度を測定したところ1.20g/cmであり目標の倍率は達成できなかった。また、添加量が少ない為にマイクロカプセルの分散も均一ではなかった。
[比較例6](マイクロカプセルの配合量が10質量部を超える)
タルクを含有するポリオレフィン樹脂(三協化学工業製マスターバッチ(MB):タルク60質量%および石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂40質量%からなる)25質量部と、植物由来のポリエチレン樹脂(ブラスケム社製 SGF−4960)30質量部と、石油由来の熱可塑性ポリオレフィン樹脂(プライムポリマー製ポリプロピレン樹脂:E−103WA)40質量部と、熱可塑性エラストマー(デュポン製エンゲージ8150)5質量部とからなる樹脂組成物100質量部に対して、炭化水素系のマイクロカプセルMB原料(MBF−190EVA50:松本油脂製マイクロカプセル樹脂[F−190D]50質量%とEVA樹脂50質量%からなるMB原料)25質量部を添加した。
これらの樹脂原料を、200℃の押出温度設定を行ったΦ40mm、L/D=32の単軸押出機I(コートハンガータイプの2種3層Tダイ:幅350mm)に投入し厚み1,800μmの単層発泡シートを製造しようとしたがダイス出口でのシート波打ち現象が酷く安定しなかった。そのため、熱成形(真空成形、真空圧空成形)は行わなかった。なお、発泡倍率を確認するためシート密度を測定したところ0.22g/cmであった。発泡セルの断面観察をおこなったところ独立気泡であることは確認できた。

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂と無機充填剤とを含んでなる熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、
    揮発性炭化水素を内部に有する熱膨張性のマイクロカプセル3質量部以上10質量部以下を配合してなり、
    前記熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、熱可塑性エラストマーを内割で3質量部以上10質量部以下配合してな
    ことを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の発泡性樹脂組成物において、
    前記無機充填剤がタルクおよび炭酸カルシウムのうち少なくともいずれかである
    ことを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の発泡性樹脂組成物において、
    前記熱可塑性樹脂組成物100質量部における前記無機充填剤の配合量が15質量部以上65質量部以下である
    ことを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の発泡性樹脂組成物において、
    前記熱可塑性樹脂が、石油由来の樹脂と植物由来の樹脂の少なくともいずれかである
    ことを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の発泡性樹脂組成物において、
    前記熱可塑性樹脂組成物100質量部のうち、前記熱可塑性樹脂として植物由来の樹脂が5質量部以上30質量部以下配合されてなる
    ことを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  6. 請求項4または請求項5に記載の発泡性樹脂組成物において、
    前記熱可塑性樹脂組成物100質量部のうち、前記熱可塑性樹脂として石油由来の樹脂が35質量部以上50質量部以下配合されてなる
    ことを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の発泡性樹脂組成物を、130℃以上230℃以下の加工温度にて押出成形し、前記マイクロカプセルを熱膨張させて得られた
    ことを特徴とする発泡体。
  8. 請求項7に記載の発泡体において、
    密度が0.4g/cm以上0.8g/cm以下である
    ことを特徴とする発泡体。
  9. 請求項7または請求項8に記載の発泡体が、
    前記押出成形にてシート状に得られ、厚みが300μm以上3,000μm以下である発泡シートである
    ことを特徴とする発泡体。
  10. 請求項9に記載の発泡体において、
    前記発泡シートの少なくとも一方の面に、非発泡性の熱可塑性樹脂層を積層してなる
    ことを特徴とする多層シート。
  11. 請求項10に記載の多層シートにおいて、
    前記非発泡性の熱可塑性樹脂層の厚み割合が、当該多層シートの全層厚みに対し3%以上20%以下である
    ことを特徴とする多層シート。
  12. 請求項10または請求項11に記載の多層シートにおいて、
    前記発泡シートを前記非発泡性熱可塑性樹脂層の両面に積層してなる
    ことを特徴とする多層シート。
  13. 請求項7から請求項9までに記載の発泡体、および請求項10から請求項12までに記載の多層シートのうち少なくともいずれかを成形してなる
    ことを特徴とする発泡成形体。
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