JP2021110261A - 送風装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、送風装置において、気流の逆流を低減できるようにすることを目的とする。
また、上述の構成において、前記軸方向において、前記ファン(51)と前記開口部(73)との距離(L)は、前記開口部(73)の厚み(t)と同等以上であっても良い。
また、上述の構成において、前記ファン(51)の径方向視では、前記ファン(51)と前記開口部側リブ(77)とが重なっても良い。
また、上述の構成において、前記トップブレード(58)において前記ファン側リブ(60)が設けられる面(58a)及び前記トップブレード(58)の内端(58d)と外端(58e)とを結んだ仮想の直線(58f)の少なくともいずれかに沿う向きで前記ファン(51)の径方向に見た場合、前記筒状部(71,271)、前記ファン側リブ(60)、及び前記開口部側リブ(77)の少なくとも2つが重なっても良い。
さらに、上述の構成において、前記トップブレード(58)において前記ファン側リブ(60)が設けられる面(58a)及び前記トップブレード(58)の内端(58d)と外端(58e)とを結んだ仮想の直線(58f)の少なくともいずれかに沿う向きで前記ファン(51)の径方向に見た場合、前記筒状部(71,271)、前記ファン側リブ(60)、及び前記開口部側リブ(77)が重なっても良い。
また、上述の構成において、前記開口部側リブ(77)は、前記開口部(73)の周囲に設けられる円周状であり、前記開口部側リブ(77)と前記ファン側リブ(60)とは、同軸の位置関係で配置されても良い。
さらに、上述の構成において、前記動力発生装置(20)は、前記鞍乗り型車両(1)の車体(12)に連結部(28a)を介して接続され、前記連結部(28a)は、前記駆動軸(22)よりも上方に配置され、前記ファンカバー(52)は、車両側面視で、前記連結部(28a)を避けるように前記ファン(51)側に凹む逃げ部(52a)を備えても良い。
この構成によれば、筒状部と、ファン側リブと、開口部側リブとによって形成されるラビリンス構造によって、ファンの径方向外側から開口部に流れる気流が減少する。このため、気流の逆流を低減できる。
この構成によれば、ファン側リブに対しファンの径方向の内側の位置にラビリンス構造を形成できるため、開口部に近い位置で効果的に逆流を低減できる。
また、上述の構成において、軸方向において、ファンと開口部との距離は、開口部の厚みと同等以上であっても良い。
この構成によれば、軸方向において、開口部とファンとの間に開口部の厚みと同等以上の空間を確保でき、開口部を通った直後に発生する乱流を上記空間によって整流できる。このため、送風の効率が良い。
この構成によれば、トップブレードを利用して、開口部側リブに近い位置にファン側リブを簡単な構造で設けることができる。また、トップブレードの剛性をファン側リブによって増加させることができる。
また、上述の構成において、ファンの径方向視では、ファンと開口部側リブとが重なっても良い。
この構成によれば、駆動軸の軸方向において、開口部側リブをファンに近づけて配置でき、ラビリンス構造を狭くできる。このため、気流の逆流を効果的に低減できる。
この構成によれば、筒状部側リブによってラビリンス構造を複雑な形状にでき、気流の逆流を効果的に低減できる。
また、上述の構成において、トップブレードにおいてファン側リブが設けられる面及びトップブレードの内端と外端とを結んだ仮想の直線の少なくともいずれかに沿う向きでファンの径方向に見た場合、筒状部、ファン側リブ、及び開口部側リブの少なくとも2つが重なっても良い。
この構成によれば、ラビリンス構造の気流の通路を屈曲させることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
この構成によれば、ラビリンス構造の気流の通路を屈曲させることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
さらに、上述の構成において、トップブレードにおいてファン側リブが設けられる面及びトップブレードの内端と外端とを結んだ仮想の直線の少なくともいずれかに沿う向きでファンの径方向に見た場合、筒状部、ファン側リブ、及び開口部側リブが重なっても良い。
この構成によれば、ラビリンス構造の気流の通路を複数個所で屈曲させることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
この構成によれば、ラビリンス構造の気流の通路を複数個所で屈曲させることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
また、上述の構成において、開口部側リブは、開口部の周囲に設けられる円周状であり、開口部側リブとファン側リブとは、同軸の位置関係で配置されても良い。
この構成によれば、ラビリンス構造を開口部の周囲に円周状に設けることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
この構成によれば、開口部が車両側面に位置する向きで配置される場合、開口部から空気を吸い込み難くなるが、筒状部が車幅方向外側に延びるため、筒状部の開口部から効率良く空気を吸い込むことができ、気流の逆流を低減できる。
さらに、上述の構成において、動力発生装置は、鞍乗り型車両の車体に連結部を介して接続され、連結部は、駆動軸よりも上方に配置され、ファンカバーは、車両側面視で、連結部を避けるようにファン側に凹む逃げ部を備えても良い。
この構成によれば、逃げ部が形成されると気流の通路が狭くなって気流が逆流し易くなるが、ラビリンス構造によって逆流を低減できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車1の右側面図である。図2は、自動二輪車1の後部の右側面図である。
自動二輪車1は、シート10に着座する乗員が足を乗せる低床のステップフロア11を有するスクーター型の鞍乗り型車両である。自動二輪車1は、車体フレーム12(車体)(図2)の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジン13に軸支される。
自動二輪車1は、車体フレーム12等の車体を覆う車体カバー16を備える。
なお、図2では、車体カバー16は不図示である。
後輪3は、アーム部21の後端部に設けられる後輪車軸3aに支持される。
シリンダー部24は、クランクケース23側から順に、シリンダー24a、シリンダーヘッド24b、及びヘッドカバー24cを備える。
エンジン本体20は、シリンダー部24のシリンダー軸線24dが略水平に車両前後方向へ延びる水平エンジンである。詳細には、シリンダー部24は、車両側面視でやや前上がりに車両前方へ略水平に延びる。
ユニットスイングエンジン13は、ユニットスイングエンジン13の上方に設けられるリンク機構28を介し、後部フレーム12aに揺動自在に支持される。
リンク機構28は、クランクケース23の上部に連結される揺動軸28a(連結部)と、左右の後部フレーム12aの上部に連結される左右一対の車体側揺動軸28bと、揺動軸28aと車体側揺動軸28bとを接続するリンク部材28cとを備える。
リンク部材28cは、車体側揺動軸28bを介して後部フレーム12aに連結される左右一対の第1ピボット部28dと、左右の第1ピボット部28dを車幅方向に接続する棒状の左右連結部28eと、左右連結部28eの車幅方向の中間部から下方に延びて揺動軸28aに連結される第2ピボット部28fとを備える。
ユニットスイングエンジン13は、揺動軸28a及び車体側揺動軸28bを中心として揺動可能である。揺動軸28aは、クランク軸22よりも上方に配置される。
ユニットスイングエンジン13のアーム部21は、後輪3に対し左右の一方側(左側)に配置される。アーム部21の後端部と後部フレーム12aの後部との間には、リアクッション(不図示)が掛け渡される。
エアクリーナーボックス32は、アーム部21の上部に取り付けられる。上記スロットルボディは、シリンダーヘッド24bの上面の吸気ポートに接続される。
クランクケース23は、車幅方向に延びるクランク軸22を収容するクランク室35を備える。クランク室35は、クランク軸22に直交する支持壁35a,35bを左右一対備える。クランク軸22は、ベアリングを介し、支持壁35a,35bに支持される。
ピストン36は、シリンダー24a内をシリンダー軸線24dの軸方向に往復する。ピストン36は、コンロッド37及びクランクピン38を介し、クランク軸22に連結される。
シリンダーヘッド24bには、動弁装置が設けられる。動弁装置のカム軸39は、クランク軸22と平行である。
変速機ケース部40は、車幅方向の外側面が開放したケース状に形成される。変速機ケース部40の外側面の開放部は、変速機ケース部40の外側面に取り付けられるケースカバー41によって塞がれる。
アーム部21内には、クランク軸22の回転を変速して後輪3側に伝達する変速機構43と、遠心式のクラッチ機構44と、複数のギヤで構成される減速機構45とが設けられる。
クランク軸22の駆動力は、変速機構43、クラッチ機構44、及び減速機構45を介し、後輪車軸3aに伝達される。
変速機構43は、ベルト式の無段変速機であり、クランク軸22の一端部22aに設けられるドライブプーリー43aと、アーム部21の後部に設けられる出力軸43bと、出力軸43bに支持されるドリブンプーリー43cと、ドライブプーリー43aとドリブンプーリー43cとを接続するVベルト43dとを備える。クラッチ機構44は、出力軸43b上に設けられる。出力軸43bは、減速機構45を介し後輪車軸3aに接続される。
クランク軸22の他端部22bには、クランク軸22と一体に回転するフライホイール47が固定される。
フライホイール47の内側には、クランク軸22の回転によって発電する発電機48が設けられる。発電機48は、フライホイール47の内周に固定される磁石48aと、磁石48aに対しフライホイール47の径方向内側に配置されるコイル48bとを備える。コイル48bは、クランクケース23に固定される。
送風装置50は、クランク軸22と、クランク軸22に固定され、クランク軸22と一体に回転するファン51と、ファン51を外側から覆うファンカバー52と、シリンダー部24を覆うシリンダー部カバー53とを備える。
シリンダー部カバー53とシリンダー部24との間に形成される空間は、ファン51によって送られる気流が通る風路54である。風路54内において、シリンダー24aの外面には、冷却フィン49が設けられる。
ファンカバー52は、クランクケース23における車幅方向の外側面部23aに取り付けられ、外側面部23a及びファン51を車幅方向外側から覆う。ファンカバー52の前縁部は、シリンダー部カバー53の後縁部に接続され、ファンカバー52の内側の空間は、風路54に連通する。
ファン51は、クランク軸22と一体に回転することで、ファンカバー52を通じて外側から空気を吸い込み、ファンカバー52の内側に吸い込んだ空気をファン51の径方向外側に吹き出す。
ファン51が吹き出す気流は、風路54を通ってシリンダー24a及びシリンダーヘッド24bの周囲に到達し、シリンダー24a及びシリンダーヘッド24bを冷却する。
すなわち、エンジン本体20は、クランク軸22が駆動するファン51の送風によってエンジン本体20を強制的に空冷する強制空冷式である。
風路54の気流は、シリンダー部カバー53に設けられる排出口(不図示)から外側に排出される。
図4及び図5を参照し、ファン51は、ファン51の回転中心に位置する円板状のベース部55と、ベース部55においてファン51の周方向に略等間隔で並べて複数配置される羽部56と、複数の羽部56をファン51の周方向に接続する円環状のトップブレード58とを備える。
ファン51は、ベース部55の固定孔55a(図5)に車幅方向外側から挿通される締結具59(図4)によって、フライホイール47に締結される。
羽部56のベース部55からの立設方向を羽部56の高さ方向とした場合、羽部56の高さは、ファン51の中心側から径方向外側に向かうに従って低くなる。すなわち、羽部56の高さ方向の先端縁56aは、ファン51の径方向外側に向かうに従って下るように傾斜する。なお、先端縁56aの符号は、複数の先端縁56aの一部のみに付されている。
トップブレード58の上面58a(開口部側の一側面、ファン側リブが設けられる面)は、羽部56の先端縁56aに沿っており、ファン51の径方向外側に向かうに従って下るように傾斜する。換言すると、トップブレード58においてクランク軸22の軸方向外側の面である上面58aは、ファン51の径方向内側から径方向外側に向かうに従ってクランク軸22の軸方向内側に位置するように傾斜する。
また、トップブレード58の上面58aは、ファン51における車幅方向外側の面であるとともに、クランク軸22の軸方向において、ファン51におけるファンカバー52側の面である。
ファン側リブ60は、クランク軸22の軸方向視では、クランク軸22の軸線22cと同軸に配置される円周状である。
ファン側リブ60は、トップブレード58の内周縁58bとトップブレード58の外周縁58cとの間において、内周縁58bと外周縁58cとの間の中間部に配置される。
図2、図4、図6、及び図7を参照し、ファンカバー52は、クランクケース23の外側面部23a及びファン51を車幅方向外側から覆う側壁部65と、側壁部65の周縁部から車幅方向内側に延出してファン51を周囲から囲む周壁部66とを備える。
ファンカバー52は、周壁部66の上部から上方に延びる上側取付部67と、周壁部66の下部から下方に延びる下側取付部68とを備える。
また、ファンカバー52は、側壁部65の前縁部に、前側取付部69を複数備える。
ファンカバー52がクランクケース23に取り付けられた状態では、周壁部66の車幅方向内側の端面66bは、クランクケース23の外側面部23aに当接する。
ファンカバー52の前端部は、前側取付部69に車幅方向外側から挿通される締結具69a(図2)によって、シリンダー部カバー53の後端部に接続される。
詳細には、筒状部71は、クランク軸22の軸線22cと同軸に配置される円筒状であり、クランク軸22の軸方向視では、ファン51のトップブレード58に車幅方向外側から重なる。
筒状部側リブ75は、クランク軸22の軸方向視では、クランク軸22の軸線22cと同軸に配置される円周状である。
筒状部側リブ75は、クランク軸22の軸方向視では、ファン51のトップブレード58に車幅方向外側から重なる。
なお、筒状部側リブ75は、筒状部71をファン51に向けて延長するようにして筒状部71に設けられているが、これに限らず、例えば、筒状部側リブ75は、筒状部71よりも径方向外側の位置で、側壁部65の内面に設けられても良い。
開口部73は、筒状部71のテーパー部71aの内周部からファン51に向けて車幅方向内側(クランク軸22の軸方向の内側)に延出する内側筒状部76と、網目部72とを備える。
内側筒状部76は、網目部72を支持する円筒状の枠であり、クランク軸22の軸線22cと同軸に配置される。すなわち、内側筒状部76は、筒状部71の内側に、筒状部71と同軸の位置関係で配置される。
網目部72は、クランク軸22の軸線22cの延長線上に位置する中心部72bが最もクランク軸22の軸方向外側に突出するように曲面状に形成されている。網目部72は、中心部72bから径方向外側に向かうに従ってファン51側に近づくように湾曲している。すなわち、網目部72の車幅方向の内側面72cは、球体の内周の一部を構成するように曲面状に形成される。網目部72の内側面72cは、ファン51におけるクランク軸22の軸方向外側の側面に対向する面であり、トップブレード58の上面58aに対向する。トップブレード58の上面58aは、ファン51における開口部73側の一側面である。
開口部側リブ77は、クランク軸22の軸方向視では、クランク軸22の軸線22cと同軸に配置される円周状である。
開口部側リブ77は、クランク軸22の軸方向視では、ファン51のトップブレード58に車幅方向外側から重なる。
ファンカバー52は、クランク軸22の軸方向において、開口部側リブ77の先端とファン51との間に隙間ができるように配置される。
網目部72とファン51との間には、開口部側リブ77が配置されるため、網目部72とファン51との間隔は比較的大きくなる。詳細には、クランク軸22の軸方向において、網目部72の内側面72cとファン51の先端縁56aとの間の距離Lは、網目部72の厚みtと同等以上の大きさである。
網目部72とファン51との間には、開口部側リブ77によって囲まれる空間78が形成される。
逃げ部52aが設けられた部分では、ファンカバー52の内面とファン51の外周との距離が近くなるため、ファンカバー52内を流れる気流の圧力や速度が変化し易くなる。
筒状部側リブ75は、ファン側リブ60に対しファン51の径方向外側に位置し、クランク軸22の軸方向視では、ファン側リブ60の径方向外側の位置でトップブレード58に車幅方向外側から重なる。筒状部側リブ75の先端とトップブレード58の上面58aとの間には、クランク軸22の軸方向に隙間が形成される。
筒状部側リブ75の先端は、開口部側リブ77の先端よりもクランク軸22の軸方向内側まで延びる。
ファン側リブ60は、ファン51の径方向において、筒状部側リブ75と開口部側リブ77との間に位置し、筒状部71と内側筒状部76との間の空間81に向けて延出する。
筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77は、それぞれ円周状であり、互いに同軸に配置される。
図4を参照し、クランク軸22と一体にファン51が回転すると、ファンカバー52の外側の空気は、気流Wとして網目部72から吸い込まれる。気流Wは、網目部72を通って車幅方向内側に流れ、開口部側リブ77によって囲まれる空間78に入り、開口部側リブ77にガイドされてファン51に吸い込まれる。
送風装置50では、網目部72の内側面72cとファン51の先端縁56aとの間に、網目部72の厚みtと同等以上の大きさの距離Lが設けられる。このため、内側面72cを通過した直後の部分で気流Wに乱流が発生したとしても、距離Lの比較的長い流路を通る際に乱流は整った流れに整流される。このため、ファン51の送風の効率が良い。
ファン51の外周側の気流Wの圧力は、開口部73側の気流Wの圧力よりも高くなることがある。この場合、気流Wの一部は、ファン51とファンカバー52との間の隙間を通って、ファン51の外周側から開口部73側に逆流することがある。
ラビリンス構造80は、トップブレード58と、トップブレード58に設けられるファン側リブ60と、クランク軸22の軸方向視でトップブレード58に重なる筒状部側リブ75及び開口部側リブ77によって形成される。このため、簡単な構造でラビリンス構造80を形成できる。
また、図4には、トップブレード58の上面58aにおける径方向の内端58dと外端58eとを結んだ仮想の直線58fが図示される。ラビリンス構造80を、仮想の直線58fに沿う向きで、ファン51の径方向に見た場合、筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77の3つは互いに重なる。例えば、上面58aが図4のような平坦面ではなく、断面視で円弧状に湾曲している場合、筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77の3つは、仮想の直線58fに沿う向きでファン51の径方向に見た場合に重なっていれば良い。
すなわち、トップブレード58の上面58a及び仮想の直線58fの少なくともいずれかに沿う向きでファン51の径方向に見た場合、筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77は重なる。
図8中の矢印の方向は、気流の向きを示し、図8中の矢印の長さは、気流の速度の大きさを示す。
図8中に符号100で示される左側の欄には、送風装置50の気流の解析結果が示される。図8中に符号200で示される右側の欄には、送風装置50から開口部側リブ77を削除した比較例における気流の解析結果が示される。
送風装置50では、開口部側リブ77の近傍の領域A1において、比較例の対応する領域A1に対し、逆流する方向の気流が減少している。
また、送風装置50では、筒状部側リブ75の近傍の領域A2において、比較例の対応する領域A2に対し、逆流する方向の気流の速度が小さくなっている。
このように、開口部側リブ77を備えるラビリンス構造80によって気流の逆流が低減される解析結果が得られた。
この構成によれば、筒状部71と、ファン側リブ60と、開口部側リブ77とによって形成されるラビリンス構造80によって、ファン51の径方向外側から開口部73に流れる気流が減少する。このため、気流の逆流を低減できる。
この構成によれば、ファン側リブ60に対しファン51の径方向の内側の位置にラビリンス構造80を形成できるため、開口部73に近い位置で効果的に逆流を低減できる。
また、クランク軸22の軸方向において、ファン51と開口部73との距離Lは、開口部73の厚みtと同等以上である。
この構成によれば、クランク軸22の軸方向において、開口部73とファン51との間に開口部73の厚みtと同等以上の大きさの空間を確保でき、開口部73を通った直後に発生する乱流をこの空間によって整流できる。このため、送風の効率が良い。
この構成によれば、トップブレード58を利用して、開口部側リブ77に近い位置にファン側リブ60を簡単な構造で設けることができる。また、トップブレード58の剛性をファン側リブ60によって増加させることができる。
また、ファン51の径方向視では、ファン51と開口部側リブ77とが重なる。
この構成によれば、クランク軸22の軸方向において、開口部側リブ77をファン51に近づけて配置でき、ラビリンス構造80を狭くできる。このため、気流の逆流を効果的に低減できる。
この構成によれば、筒状部側リブ75によってラビリンス構造80を複雑な形状にでき、気流の逆流を効果的に低減できる。
さらに、トップブレード58においてファン側リブ60が設けられる面である上面58a及びトップブレード58の内端58dと外端58eとを結んだ仮想の直線58fの少なくともいずれかに沿う向きでファン51の径方向に見た場合、筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77が重なる。
この構成によれば、ラビリンス構造80の気流の通路を複数個所で屈曲させることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
また、開口部側リブ77は、開口部73の周囲に設けられる円周状であり、開口部側リブ77とファン側リブ60とは、同軸の位置関係で配置される。
この構成によれば、ラビリンス構造80を開口部73の周囲に円周状に設けることができ、気流の逆流を効果的に低減できる。
この構成によれば、開口部73が車両側面に位置する向きで配置される場合、開口部73から空気を吸い込み難くなるが、筒状部71が車幅方向外側に延びるため、筒状部71の開口部73から効率良く空気を吸い込むことができ、気流の逆流を低減できる。
さらに、エンジン本体20は、自動二輪車1の車体フレーム12に揺動軸28aを介して接続され、揺動軸28aは、クランク軸22よりも上方に配置され、ファンカバー52は、車両側面視で、揺動軸28aを避けるようにファン51側に凹む逃げ部52aを備える。
この構成によれば、逃げ部52aが形成されると気流の通路が狭くなって気流が逆流し易くなるが、この場合であってもラビリンス構造80によって逆流を低減できる。
上記第1の実施の形態では、駆動軸として、エンジン本体20のクランク軸22を例に挙げて説明したが、駆動軸は、ファンを一体に回動させるものであれば特に限定されない。例えば、駆動軸は、電動車両のモーターの軸や、このモーターによって回転させられる軸であっても良い。
また、上記第1の実施の形態では、図4の矢印Dの向き及び仮想の直線58fに沿う向きの少なくともいずれかの向きで、ファン51の径方向に見た場合、筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77の3つは互いに重なるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。筒状部側リブ75、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77は、少なくとも2つが重なっていれば良く、例えば、ファン側リブ60と開口部側リブ77とが重なる構成としても良い。
また、上記第1の実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、鞍乗り型車両は、前輪または後輪を2つ備える3輪の鞍乗り型車両、または、4輪以上を備える鞍乗り型車両であっても良い。
また、上記第1の実施の形態では、開口部側リブ77と筒状部側リブ75とは軸線22cを中心に全周に亘って形成されているが、開口部側リブ77及び筒状部側リブ75の軸心が軸線22cからファン51の径方向にオフセットしたり、開口部側リブ77及び筒状部側リブ75の円周上において開口部側リブ77及び筒状部側リブ75が一部形成されない箇所が複数あったりしてもよい。
以下、図9を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態は、筒状部側リブ75が設けられていない点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図9及び図4を参照し、第2の実施の形態の筒状部271は、図4のファンカバー52の側壁部65において筒状部71の外周に接続される部分65aを、図4の筒状部側リブ75の形状の先端に接続するようにして形成されている。
図9の矢印Dの向き及び仮想の直線58fに沿う向きの少なくともいずれかの向きで、ファン51の径方向に見た場合、筒状部271の基端部、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77の3つは互いに重なる。ラビリンス構造280は、筒状部271の基端部、ファン側リブ60、開口部側リブ77、及びトップブレード58によって構成される。
なお、図9の矢印Dの向き及び仮想の直線58fに沿う向きの少なくともいずれかの向きで、ファン51の径方向に見た場合、筒状部271、ファン側リブ60、及び開口部側リブ77は、少なくとも2つが重なっていれば良く、例えば、ファン側リブ60と開口部側リブ77とが重なる構成としても良い。
また、上記第2の実施の形態では、開口部側リブ77は軸線22cを中心に全周に亘って形成されているが、開口部側リブ77の軸心が軸線22cからファン51の径方向にオフセットしたり、開口部側リブ77の円周上において開口部側リブ77及び筒状部側リブ75が一部形成されない箇所が複数あったりしてもよい。
以下、図10を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態は、開口部側リブ377の形状が、上記第1の実施の形態の開口部側リブ77と異なる。
ファンカバー52は、開口部73からファン51に向けてクランク軸22の軸方向に延びる開口部側リブ377を備える。
開口部側リブ377は、上記第1の実施の形態の開口部側リブ77の先端部から径方向外側に延びて筒状部71の内周部に接続されるリブ底壁377aを備える。リブ底壁377aは、開口部側リブ377の先端及び筒状部側リブ75の先端よりも開口部73側に凹む凹部377bを形成する。凹部377bは、ファン側リブ60に対向する。
ラビリンス構造380は、筒状部側リブ75、ファン側リブ60、開口部側リブ377、及びトップブレード58によって構成される。
また、上記第3の実施の形態では、開口部側リブ377と筒状部側リブ75とは軸線22cを中心に全周に亘って形成されているが、開口部側リブ377及び筒状部側リブ75の軸心が軸線22cからファン51の径方向にオフセットしたり、開口部側リブ377及び筒状部側リブ75の円周上において開口部側リブ377及び筒状部側リブ75が一部形成されない箇所が複数あったりしてもよい。
12 車体フレーム(車体)
20 エンジン本体(動力発生装置)
22 クランク軸(駆動軸)
28a 揺動軸(連結部)
50 送風装置
51 ファン
52 ファンカバー
52a 逃げ部
56 羽部
58 トップブレード
58a 上面(開口部側の一側面、ファン側リブが設けられる面)
58d 内端
58e 外端
58f 仮想の直線
60 ファン側リブ
71,271 筒状部
73 開口部
75 筒状部側リブ
77,377 開口部側リブ
80,280,380 ラビリンス構造
L 距離
t 厚み
Claims (13)
- 回転する駆動軸(22)と、前記駆動軸(22)と一体に回転するファン(51)と、前記ファン(51)を前記駆動軸(22)の軸方向の外側から覆うファンカバー(52)とを備え、前記ファン(51)の回転によって前記ファンカバー(52)を通じて吸い込んだ空気を前記ファン(51)の径方向外側に吹き出す送風装置において、
前記ファンカバー(52)は、前記ファン(51)に対し前記駆動軸(22)の前記軸方向の外側で当該軸方向に延びる筒状部(71,271)と、前記筒状部(71,271)内に設けられ、前記軸方向に交差する開口部(73)と、前記開口部(73)から前記ファン(51)に向けて前記軸方向に延びる開口部側リブ(77,377)とを備え、
前記ファン(51)における前記開口部(73)側の一側面(58a)には、前記駆動軸(22)の軸方向に延びる円周状のファン側リブ(60)が設けられ、
前記筒状部(71,271)と、前記ファン側リブ(60)と、前記開口部側リブ(77,377)とによって、ラビリンス構造(80,280,380)が形成されることを特徴とする送風装置。 - 前記開口部側リブ(77)は、前記ファン側リブ(60)に対し、前記ファン(51)の径方向の内側に位置することを特徴とする請求項1記載の送風装置。
- 前記軸方向において、前記ファン(51)と前記開口部(73)との距離(L)は、開口部(73)の厚み(t)と同等以上であることを特徴とする請求項1または2記載の送風装置。
- 前記ファン(51)は、前記ファン(51)の周方向に複数配置される羽部(56)と、複数の前記羽部(56)を前記周方向に接続する環状のトップブレード(58)とを備え、
前記ファン側リブ(60)は、前記トップブレード(58)に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送風装置。 - 前記ファン(51)の径方向視では、前記ファン(51)と前記開口部側リブ(77)とが重なることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送風装置。
- 前記ファンカバー(52)は、前記筒状部(71)の側から前記ファン(51)に向けて前記軸方向に延びる筒状部側リブ(75)を備えることを特徴とする請求項4記載の送風装置。
- 前記トップブレード(58)において前記ファン側リブ(60)が設けられる面(58a)及び前記トップブレード(58)の内端(58d)と外端(58e)とを結んだ仮想の直線(58f)の少なくともいずれかに沿う向きで前記ファン(51)の径方向に見た場合、前記筒状部(71,271)、前記ファン側リブ(60)、及び前記開口部側リブ(77)の少なくとも2つが重なることを特徴とする請求項4記載の送風装置。
- 前記トップブレード(58)において前記ファン側リブ(60)が設けられる面(58a)及び前記トップブレード(58)の内端(58d)と外端(58e)とを結んだ仮想の直線(58f)の少なくともいずれかに沿う向きで前記ファン(51)の径方向に見た場合、前記筒状部側リブ(75)、前記ファン側リブ(60)、及び前記開口部側リブ(77)の少なくとも2つが重なることを特徴とする請求項6記載の送風装置。
- 前記トップブレード(58)において前記ファン側リブ(60)が設けられる面(58a)及び前記トップブレード(58)の内端(58d)と外端(58e)とを結んだ仮想の直線(58f)の少なくともいずれかに沿う向きで前記ファン(51)の径方向に見た場合、前記筒状部(71,271)、前記ファン側リブ(60)、及び前記開口部側リブ(77)が重なることを特徴とする請求項4記載の送風装置。
- 前記トップブレード(58)において前記ファン側リブ(60)が設けられる面(58a)及び前記トップブレード(58)の内端(58d)と外端(58e)とを結んだ仮想の直線(58f)の少なくともいずれかに沿う向きで前記ファン(51)の径方向に見た場合、前記筒状部側リブ(75)、前記ファン側リブ(60)、及び前記開口部側リブ(77)が重なることを特徴とする請求項6記載の送風装置。
- 前記開口部側リブ(77)は、前記開口部(73)の周囲に設けられる円周状であり、
前記開口部側リブ(77)と前記ファン側リブ(60)とは、同軸の位置関係で配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の送風装置。 - 前記駆動軸(22)は、鞍乗り型車両(1)の動力発生装置(20)の駆動軸であって、車幅方向に延び、
前記ファンカバー(52)は、前記筒状部(71,271)が前記ファン(51)に対し車幅方向外側に延出するとともに前記開口部(73)が車両側面に位置する向きで配置されることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の送風装置。 - 前記動力発生装置(20)は、前記鞍乗り型車両(1)の車体(12)に連結部(28a)を介して接続され、
前記連結部(28a)は、前記駆動軸(22)よりも上方に配置され、
前記ファンカバー(52)は、車両側面視で、前記連結部(28a)を避けるように前記ファン(51)側に凹む逃げ部(52a)を備えることを特徴とする請求項12記載の送風装置。
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