JP2021110154A - ウレタン充填構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工性が良好であり、耐火性に優れるウレタン充填構造を提供する。【解決手段】不燃性材料を有する建築基材10a,10bと、前記建築基材10a,10bを両端とする隙間30を閉塞するウレタンフォーム20を備え、前記ウレタンフォーム20は、フィラーを含有する、ウレタン充填構造。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物において建築基材を組み合わせて空間を構成する際に生じる隙間に対するウレタン充填構造に関する。
集合住宅、オフィスビル及び学校等の建築物は、天井、壁及び床等の建築基材を組み合わせて空間を構成している。建築物において、天井、壁及び床等の建築基材を設置した際に、隙間なく設置できることが望ましいが、建築基材の接触面が凹凸を有する等の原因により収まりが悪く、隙間が生じてしまうことがある。建築物に隙間がある場合には、火災が発生した際に延焼原因となってしまうので、隙間は適切に塞ぐことが必要となる。隙間を塞ぐ方法として、建築物の隙間をセメント及びモルタル等の左官材、パテ等の乾式材料、吹付ロックウールのような半乾式材料等の不燃性及び耐火性に優れた充填材で充填する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−24811号公報
しかし、セメント及びモルタル等の左官材を充填材として用いる湿式方式は、硬化に時間を要するため、施工性に難があり、パテ等の乾式材料は振動等により脱落してしまったりすることがあり、吹付ロックウール等の半乾式材料は専用の装置を必要とする上、細部施工性に難があった。
そこで、本発明は、施工性が良好であり、耐火性に優れるウレタン充填構造を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]不燃性材料を有する建築基材と、前記建築基材を両端とする隙間を閉塞するウレタンフォームを備え、前記ウレタンフォームは、フィラーを含有する、ウレタン充填構造。
[2]前記ウレタンフォームは、前記建築基材に接着している、[1]のウレタン充填構造。
[3]前記隙間の連通方向における前記ウレタンフォームの厚みは、30mm以上300mm以下である、[1]又は[2]のウレタン充填構造。
[4]前記隙間は、複数の前記建築基材の間に形成された隙間である、[1]〜[3]のいずれかのウレタン充填構造。
[5]前記隙間は、前記建築基材に設けられた孔である、[1]〜[4]のいずれかのウレタン充填構造。
[6]前記隙間の幅は、1mm以上100mm以下である、[1]〜[5]のいずれかのウレタン充填構造。
[7]前記隙間の幅は、1mm以上50mm以下である、[1]〜[6]のいずれかのウレタン充填構造。
[8]前記隙間に設けられる前記ウレタンフォームの基礎となる当て材をさらに備える、[1]〜[7]のいずれかのウレタン充填構造。
本発明によれば、施工性が良好であり、耐火性に優れるウレタン充填構造を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第3の実施形態の第1の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第3の実施形態の第2の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第3の実施形態の第3の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第3の実施形態の第4の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第4の実施形態の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第6の実施形態の第1の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第6の実施形態の第2の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第7の実施形態に係るウレタン充填構造の断面図である。 本発明の第7の実施形態の変形例に係るウレタン充填構造の断面図である。
以下、本発明について実施形態を用いてより詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るウレタン充填構造は、図1に示すように、不燃性材料を有する建築基材10a,10bと、建築基材10a,10bを両端とする隙間30を閉塞するウレタンフォーム20とを備え、ウレタンフォーム20は、フィラーを含有する。
(建築基材)
建築基材10a,10bは、建築物の空間を仕切る建築基材であり、例えば、天井、壁及び床等の少なくとも一部を構成する。具体的には、図1における建築基材10aが壁である場合、建築基材10bが天井又は床を構成し、建築基材10aが天井又は床である場合は、建築基材10bは壁を構成する。
建築基材10a,10bは、建築物の空間(第1の空間Aと、第2の空間B)を仕切る部材であり、建築基材10a,10bを両端とする隙間30を有することで、第1の空間Aと第2の空間Bとが連通することになる。
空間Aと空間Bは、隙間30を介して連通することで、火災が発生した際には炎が空間Aから空間B、または空間Bから空間Aに進行する。このように、2つの空間A、Bが連通する方向は、炎が進行する方向となり、本明細書では、連通方向ともいう。
建築基材10a,10bは、不燃性材料を有することで、隙間30を含む空間の難燃性を向上させることができ、防火構造をより強固なものとすることができる。建築基材10a,10bにおける不燃性材料とは、建築基準法及び建築基準法施行令において定められるものである。
建築基材10a,10bは、不燃性材料を有すればよいが、防火構造をより強固なものとする観点から、好ましくは不燃性材料単独で構成され、あるいは、不燃性材料が主原料となる。主原料となるとは、不燃性材料が建築基材の大部分(例えば、質量で50%以上、好ましくは70%以上)を占めることを意味し、例えば、不燃性材料以外の材料の上に不燃性材料を被覆させる等により、不燃性材料及び不燃性材料以外の材料を組み合わせたものが挙げられる。なお、不燃性材料及び不燃性材料以外の材料を組み合わせたものであって、複構成材料で不燃性を発現している金属サンドウィッチパネル等は単一の材料として取り扱うことができる。
不燃性材料以外の材料としては、例えば、OSB、パーティクルボード、チップボード、ハードボード、MDF等の木質材料、段ボール紙、板紙、クラフト紙等の紙質材料、及び、ウレタンフォーム、スチレンフォーム等の発泡体などが挙げられる。
建築基材10a,10bは、好ましくは板状の部材(「面材」ともいう)であることが好ましく、その場合に使用される不燃性材料としては、具体的には、石膏ボード、ALC板、押出成形型セメント板、軽量木毛セメント板、木片セメント板、金属サンドイッチパネル、ケイ酸カルシウム板、スレート板、コンクリート、レンガ、ガラス及び金属板(例えば、アルミニウム、鉄)等が挙げられる。建築基材10a,10bに使用される不燃性材料は、これら1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。建築基材10a,10bに使用される不燃性材料は、耐火性及び施工性の観点から、石膏ボード、ALC板、押出成形セメント板、軽量木毛セメント板、木片セメント板、金属サンドイッチパネル、ケイ酸カルシウム板、コンクリート、金属板等であることが好ましい。
(ウレタンフォーム)
ウレタンフォーム20は、建築基材10a,10bを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。ウレタンフォーム20で隙間30を適切に閉塞させるためには、ウレタンフォーム20は、建築基材10a,10bに接着していることが好ましい。ウレタンフォーム20が建築基材10a,10bに接着していることで、ウレタンフォーム20が建築基材10a,10bと密着した状態となり、耐火性を向上させることができる。ウレタンフォーム20は、建築基材10a,10bに化学的に接着する。ここで、化学的に接着するとは、ウレタンフォーム20の自己接着性に基づいて建築基材10a,10bに接着することをいう。ウレタンフォーム20の化学的接着は、具体的には、ポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを混合して硬化かつ発泡させることで得られるウレタンフォーム20が建築基材10a,10bの表面上で直接硬化かつ発泡することにより、建築基材10a,10bに接着した層となり、当該層の自己接着性に基づいて接着することをいう。
また、ウレタンフォーム20は、フィラーを含有する。フィラーを含有することで、フィラーの有する特性をウレタンフォーム20に付与することができる。例えば、難燃性を有するフィラーを含有させることで、ウレタンフォーム20は、難燃性を向上させることができる。
ウレタンフォーム20が閉塞する隙間30の幅Wは、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。ウレタンフォーム20が閉塞する隙間30の幅Wが上記下限値以上であることで、ウレタンフォーム20を隙間30に充填することが容易となり、施工性が良好となる。また、ウレタンフォーム20が閉塞する隙間30の幅Wが上記上限値以下であることで、ウレタンフォーム20で隙間30を適切に閉塞させることができ、耐火性を向上させることができる。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム20の厚みTは、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム20の厚みTが上記下限値以上であることで、火災が発生した際にウレタンフォーム20が燃え抜きにくくし、隙間30における耐火性を確保しやすくなる。また、隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム20の厚みTが上記上限値以下であることで、ウレタンフォーム20を形成するための材料及びコストを低減することができる。
ウレタンフォームの密度20は、特に限定されないが、20〜200kg/mの範囲であることが好ましい。密度を200kg/m以下とすることで、ウレタンフォームが軽量となり、隙間30にウレタンフォーム20が充填された構造体を建築物に施工しやすくなる。また、20kg/m以上とすることで、所望の難燃性、不燃性を発現しやすくなる。これら観点から、ウレタンフォームの密度は、25〜100kg/mの範囲であることがより好ましく、30〜80kg/mの範囲であることがさらに好ましい。ウレタンフォーム20の密度は、JIS K7222に準拠して測定できる。
ウレタンフォーム20は、難燃性、準不燃性、不燃性の少なくともいずれかを付与することもできる。より具体的には、ウレタンフォーム20は、ISO−5660の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものが好ましく使用される。より好ましくは、10分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものが使用され、20分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものがさらに好ましく使用される。
隙間30は、複数の建築基材10a,10bの間に形成された隙間であることが好ましい。複数の建築基材10a,10bの間に形成された隙間としては、例えば、図1に示すように、建築基材10aの面と、建築基材10bの端部の間に形成された隙間が挙げられる。隙間30はこの構成に限られず、建築基材の端部と端部の間に形成された隙間であってもよく、建築基材の面と面の間に形成された隙間であってもよい。
これらの中でも、建築基材10a,10bの少なくとも一方が上記した面材であることが好ましく、建築基材10bを構成する面材の端部(端面)と建築基材10aの間に隙間30を形成することがより好ましい。この場合、建築基材10aとしては、面材であってもよいし、面材以外の建築基材(例えば、コンクリートなど)であってもよい。また、建築基材10aが面材である場合、例えば、隙間30は、面材の端面と面材の主面との間に形成される隙間であるとよい。
複数の建築基材10a,10bの間に隙間30を形成する方法としては、例えば、建築基材10a,10b同士を突き合わせる、又は、建築基材10a,10b同士を近接させることで形成することができる。複数の建築基材10a,10bを突き合わせる、又は、近接させることによって形成された隙間30とすることで、幅Wを狭小化することができ、隙間30における耐火性を確保しやすくなる。
隙間30を形成する建築基材10a,10は、天井、壁及び床等の同じ建築基材の組み合わせであってもよく、壁と床、壁と屋根等の異なる建築部材の組み合わせでもよい。
また、隙間30は、建築基材10a,10bに設けられた孔であってもよい。建築基材10a,10bに設けられた孔による隙間30は、所望の箇所に設けることができ、建築物における快適性を向上させることができる。
隙間30を充填して閉塞させるウレタンフォーム20の施工方法としては、液状のウレタン樹脂組成物を吐出する吐出充填が好適であり、具体的には、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填が好ましい。
具体的には、予め設置された建築基材10a,10bの隙間30に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化させることでウレタンフォーム20を形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、予め設置された建築基材10a,10bのいずれか一方に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、ウレタン樹脂組成物が硬化する前に異なるもう一方の建築基材10a,10bを突き合わせ又は近接させ、ウレタン樹脂組成物を硬化させることでウレタンフォーム20を形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、予め設置された建築基材10a,10bのいずれか一方に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化させた後に、異なるもう一方の建築基材10a,10bをウレタンフォーム20に押し付けることもできる。ウレタンフォーム20を変形させることによって隙間30を閉塞させることが期待できるが、閉塞度合いが不足している場合は、さらにウレタンフォーム20を追加施工しても良い。
ウレタンフォーム20を形成する充填材は、フィラーを含有するウレタン樹脂組成物である。ウレタン樹脂組成物は、一般的にポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含有するものであり、本発明においてはさらにフィラーを含有する。
<ポリイソシアネート化合物>
ウレタンフォーム20に使用するポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDIなどが好ましい。
<ポリオール化合物>
ポリオール化合物としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。また、ヒマシ油などのヒドロキシカルボン酸も使用できる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記した芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
変性ポリオールに使用する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四〜八価のアルコール、フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体又は共重合体、及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2−ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
ポリエーテルポリオールにおいて使用する活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
上記ポリオール化合物は、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールから選択される少なくとも1種を使用することが好ましく、ポリエステルポリオールがより好ましい。その中でも分子量200〜800のポリエステルポリオールを用いることが好ましく、分子量300〜500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
なお、ウレタン樹脂組成物は、水酸基を1つのみ有するモノオール化合物を含有してもよい。モノオール化合物としては、3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロパン−1−オールなどが挙げられる。
ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスは、120〜1,000の範囲であることが好ましく、200〜800の範囲であればより好ましく、300〜600の範囲であればさらに好ましい。イソシアネートインデックスが120以上となると、イソシアネート基が水酸基より過剰となり、三量化されやすくなる。また、300以上とすると不燃性を付与しやすくなる。また、1,000以下となると、不燃性と製造コストとのバランスが良好になる。なお、イソシアネートインデックスは、従来公知の方法により計算できる。
<フィラー>
ウレタンフォーム20に含有するフィラーは、ウレタン樹脂組成物において固体分として含まれるものであり、一般的にウレタン樹脂組成物において粒状、粉状として存在する成分である。
ウレタンフォーム20に含有するフィラーは、固形難燃剤であることが好ましい。本発明では、固形難燃剤を使用することで、ウレタンフォーム20の難燃性を効果的に高めることができる。また、固形難燃剤は、通常、粉体成分としてポリオール液剤、ウレタン樹脂組成物などに分散した状態にある。なお、固形難燃剤は、常温(23℃)、常圧(1気圧)において、固体となる難燃剤である。
固形難燃剤の具体例としては、赤燐系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、塩素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、金属水酸化物、及び針状フィラーが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
《赤燐系難燃剤》
赤燐系難燃剤は、赤燐単体からなるものでもよいが、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物などを被膜したものでもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物などと混合したものでもよい。赤燐を被膜し、または赤燐と混合する樹脂は、特に限定されないがフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、及びシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。被膜ないし混合する化合物としては、難燃性の観点から、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物は、後述するものを適宜選択して使用するとよい。
《リン酸塩含有難燃剤》
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、環中に窒素を含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩が挙げられる。
リン酸としては、は特に限定されないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、アニリン、o−トリイジン、2,4,6−トリメチルアニリン、アニシジン、3−(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。環中に窒素を含む複素環式化合物として、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。ここで、ポリリン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。リン酸塩含有難燃剤は、上記したものから一種もしくは二種以上を使用することができる。
《臭素含有難燃剤》
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有し、常温、常圧で固体となる化合物であれば特に限定されないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等が挙げられる。
臭素化芳香環含有芳香族化合物としては、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物が挙げられる。
また、臭素化芳香環含有芳香族化合物は、臭素化合物ポリマーであってもよい。具体的には、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、このポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物などが挙げられる。さらには、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテルと臭素化ビスフェノールAと塩化シアヌールとの臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等が挙げられる。
また、ヘキサブロモシクロドデカンなどの臭素化芳香環含有芳香族化合物以外の化合物であってもよい。
これら臭素含有難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
《塩素含有難燃剤》
塩素含有難燃剤は、難燃性樹脂組成物に通常用いられるものが挙げられ、例えば、ポリ塩化ナフタレン、クロレンド酸、「デクロランプラス」の商品名で販売されるドデカクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオクテンなどが挙げられる。
《アンチモン含有難燃剤》
アンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
《ホウ素含有難燃剤》
ホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
ホウ素含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛がより好ましい。
《金属水酸化物》
金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ、タルク等が挙げられる。これらのなかでは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、タルクが好ましい。金属水酸化物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
《針状フィラー》
針状フィラーとしては、例えば、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、珪素含有ウィスカー、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、ベーマイト、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、スラグ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、ステンレス繊維などが挙げられる。これらの中では、ウォラストナイトが好ましい。針状フィラーのアスペクト比(長さ/直径)の範囲は、5〜50の範囲であることが好ましく、10〜40の範囲であればより好ましい。
《無機充填材》
ウレタンフォーム20に含有するフィラーとして、上記した固形難燃剤以外の無機充填材を含有してもよい。無機充填材を含有することでウレタンフォーム20の機械強度を向上させるなど、ウレタンフォーム20に種々の機能を付与できる。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、各種磁性粉、フライアッシュ等が挙げられる。
無機充填材は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。また、無機充填材は、上記した固形難燃剤と併用してもよいが、必ずしも併用する必要もない。
《フィラーの含有量》
本発明では、ウレタンフォーム20(すなわち、ウレタン樹脂組成物)におけるフィラーの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、4質量部以上であることが好ましく、6質量部以上であることがより好ましく、12質量部以上であることがさらに好ましい。フィラーの含有量をこれら下限値以上とすることで、難燃性、機械強度などのフィラーの種類に応じた各種性能をウレタンフォーム20に付与しやすくなる。
また、フィラーの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることがさらに好ましい。フィラーの含有量をこれら上限値以上とすることで、ウレタン樹脂組成物の粘度が適切になり、吹き付けなどによりウレタンフォーム20を形成しやすくなる。
なお、ウレタンフォームは、ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール成分とポリイソシアネート成分とが反応することで形成される。よって、本明細書のウレタン樹脂組成物における「ウレタン樹脂100質量部」とは、ウレタン樹脂組成物におけるポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計量100質量部を意味する。ただし、ウレタン樹脂組成物にポリオール成分とポリイソシアネート成分とを予め反応したプレポリマー、及び、モノオール成分の少なくとも1種が含まれる場合には、ウレタン樹脂100質量部とは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とプレポリマーとモノオール成分の合計量を100質量部とする。
また、ウレタンフォーム20におけるフィラーは、上記のとおり、難燃性を付与する観点から、固形難燃剤が好ましく、固形難燃剤はフィラーとして単独で使用してもよいし、無機充填材などの他のフィラーと併用してもよい。難燃性を向上させる観点から、固形難燃剤は、フィラー全量に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。
<液状難燃剤>
ウレタンフォーム20(すなわち、ウレタン樹脂組成物)は、液状難燃剤をさらに含有することが好ましい。液状難燃剤を使用すると、ウレタン樹脂組成物の粘度をそれほど大きくすることなく、ウレタンフォーム20の難燃性を向上できる。また、液状難燃剤は上記した固形難燃剤と併用することがより好ましい。なお、液状難燃剤は、常温、常圧にて液体となる難燃剤である。液状難燃剤の具体例としては、リン酸エステルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用できる。モノリン酸エステルとは、分子中にリン原子を1つ有するリン酸エステルである。モノリン酸エステルとしては、常温、常圧で液体のものであれば限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有リン酸エステル、トリブトキシエチルホスフェートなどのトリアルコキシホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどの芳香環含有リン酸エステル、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェートなどの酸性リン酸エステル等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ビスフェノールAポリフェニルホスフェートなどの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
縮合リン酸エステルの市販品としては、例えば、大八化学工業株式会社製の「CR−733S」、「CR−741」、「CR747」、ADEKA社製の「アデカスタブPFR」、「FP−600」等が挙げられる。
液状難燃剤は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以を併用してもよい。これらの中でも、ウレタン樹脂組成物の粘度を適切にしやすくする観点、及びウレタンフォーム20の難燃性を向上させる観点から、モノリン酸エステルが好ましく、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有リン酸エステルがより好ましい。
ウレタンフォーム20(すなわち、ウレタン樹脂組成物)における液状難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましく、4〜20質量部であることがさらに好ましい。液状難燃剤の配合量をこれら下限値以上とすることで、液状難燃剤を含有させる効果を発揮しやすくなる。また、上限値以下とすることで、液状難燃剤によって、ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害さたりすることもない。
ウレタンフォーム20は、上記したとおり、ウレタン樹脂組成物を硬化し発泡して形成される。ウレタン樹脂組成物は、上記したとおり、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とフィラー含むが、一般的にはさらに、触媒、発泡剤などを含む。
<触媒>
本発明のウレタン樹脂組成物は、触媒として、例えば三量化触媒、樹脂化触媒、又はこの両方を含有するとよいが、両方を含有することが好ましい。
三量化触媒は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する触媒である。三量化触媒を使用することで、ウレタンフォーム20の難燃性がより一層向上する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の窒素含有芳香族化合物、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩、トリエチルモノメチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用できる。アンモニウム塩としては、2,2−ジメチルプロパン酸などカルボン酸のアンモニウム塩が挙げられ、より具体的にはカルボン酸4級アンモニウム塩が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、カルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸4級アンモニウム塩から選択される1種又は2種以上が好ましく、これら両方を使用する態様も好ましい。
三量化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6〜10質量部であることが好ましく、0.8〜8質量部であることがより好ましく、1.0〜6質量部であることがさらに好ましい。これら下限値以上とすると、イソシアネートの三量化が適切に進行し難燃性が付与しやすくなる。また、上限値以下とすると、適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
樹脂化触媒は、ポリオール化合物とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、ピペラジン化合物などのアミン系触媒、金属系触媒などが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール環の1位の第2級アミンをアルキル基、アルケニル基などで置換し3級アミンが挙げられる。具体的には、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、及び1−イソブチル−2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。また、イミダゾール環中の第2級アミンをシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物などでもよい。
また、ピペラジン化合物として、N−メチル−N’N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジンなどの3級アミンが挙げられる。
また、樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、ピペラジン化合物以外にも、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリプロピルアミン等の各種の3級アミンなどが挙げられる。
金属系触媒としては、鉛、錫、ビスマス、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルなどからなる金属塩が挙げられ、好ましくは鉛、錫、ビスマス、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルなどからなる有機酸金属塩である。より好ましくはジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫バーサテート、ビスマストリオクテート、ビスマストリス(2−エチルへキサノエート)、ジオクチル酸スズ、ジオクチル酸鉛などが挙げられ、中でも有機酸ビスマス塩がさらに好ましい。
樹脂化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6〜10質量部であることが好ましく、0.8〜8質量部であることがより好ましく、1.0〜6質量部であることがさらに好ましい。樹脂化触媒の配合量がこれら下限値以上であるとウレタン結合が形成しやすくなり、反応が速やかに進行する。一方、これら上限値以下であると、反応速度が制御しやすくなる。
<発泡剤>
ウレタン樹脂組成物に含有される発泡剤は、ウレタン樹脂を発泡させる。発泡剤の具体例としては、例えば、水、有機系物理発泡剤、無機系物理発泡剤等が挙げられる。
有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物などが挙げられる。
また、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィンも挙げられる。ハイドロフルオロカーボンとしては、例えば炭素数1〜4の化合物が挙げられ、CHF、CH、CHF等のフルオロアルカンでもよいし、塩素原子を有するハイドロクロロフルオロカーボン化合物でもよい。ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)などのジクロロモノフルオロエタン、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン)などのモノクロロジフルオロエタン、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、炭素数が3〜6個程度であるフルオロアルケンなどを挙げることができる。ハイドロフルオロオレフィンは塩素原子を有するハイドロクロロフルオロオレフィンであってもよく、したがって、炭素数が3〜6個程度であるクロロフルオロアルケンなどであってもよい。
より具体的には、トリフルオロプロペン、HFO−1234などのテトラフルオロプロペン、HFO−1225などのペンタフルオロプロペン、HFO−1233などのクロロトリフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、及びクロロテトラフルオロプロペンなどが挙げられる。更に具体的には、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225yez)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1233zd)、及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(HFO−1336mzzZ)などが挙げられる。
また、無機系物理発泡剤としては、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
これらのなかでは、発泡性、取扱い性などの観点から、水、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィンが好ましく、環境負荷が小さく、かつ発泡性も良好である点から、ハイドロフルオロオレフィン、水がより好ましく、ハイドロフルオロオレフィンがさらに好ましい。また、水とハイドロフルオロカーボン、又は水とハイドロフルオロオレフィンを併用することも好ましい。
ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることがさらに好ましい。発泡剤の含有量を上記下限値以上とすると、発泡が促進され、得られるウレタンフォーム20の密度を低減することができる。また、上記上限値以下とすると、発泡体が破泡せず、発泡体が形成されないことなどを防ぐことができる。
<整泡剤>
ウレタン樹脂組成物は、さらに整泡剤を含有することが好ましい。ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤は、ウレタン樹脂組成物の発泡性を向上させるものであって、発泡安定性が高いものが好ましい。発泡安定性が高い整泡剤を用いることによって、独立気泡率の高いウレタン発泡体を得ることができる。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
これらの中では、シリコーン系整泡剤が好ましい。シリコーン系整泡剤としては、例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの重合体であるポリオキシアルキレングリコールとポリジメチルシロキサンとのグラフト共重合体が挙げられる。また、ポリジメチルシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体の化学構造をもつものも使用できる。
ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤の市販品としては、東レ・ダウコーニング社製の「SH−193」、「SZ−1671」及び「SZ−1642」等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂に対する整泡剤の配合量は、例えば、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ましく、0.5〜2質量部であることがさらに好ましい。
樹脂化触媒、三量化触媒、発泡剤及び整泡剤はそれぞれ一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
さらにウレタン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、沈降防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、粘着付与樹脂等の添加剤を含むことができる。
ウレタン樹脂組成物は、2液硬化型であることが好ましく、ウレタンフォーム20形成前においては、1液と2液に分割しておくとよい。2液硬化型を使用することで発泡性が良好となり独立気泡率を高くしやすくなる。具体的には、ポリオール化合物を含むポリオール液剤(1液)と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液剤(2液)に分割しておくとよい。この際、ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分は、適宜、ポリオール液剤又はイソシアネート液剤のいずれかに配合しておくとよいが、好ましくはポリオール液剤に配合する。ポリオール化合物は、反応性が低く、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分と混合させても、副反応が生じにくいためである。
ウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物を含む1液と、ポリオール化合物を含む2液とを別の収納室に収納して、各収納室から供給された1液と2液とを、混合部などで混合させることで反応が開始し、時間の経過と共に粘度が上昇し、硬化及び発泡が進行し、流動性を失い、ウレタンフォーム20となる。各収納室は、別々の容器に設けられてもよいし、1つの容器内に2つの収納室が設けられてもよい。
ウレタン樹脂組成物は、通常、常温付近(例えば、10〜40℃程度)に放置することで硬化及び発泡をさせるとよいが、必要に応じて、加熱等してもよい。
第1の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、建築基材を突き合わせる又は近接させることで生じる隙間、若しくは、建築基材に設けた孔の隙間をウレタンフォームが閉塞させることで、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、ウレタンフォームは、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填による形成が可能であるため、施工性が良好となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図2に示すように、隙間30に設けられ、ウレタンフォーム20の基礎となる当て材40をさらに備える点である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
当て材40は、液状のウレタン樹脂組成物を受け止め、ウレタンフォーム20の基礎として隙間30を閉塞させることに寄与する。
当て材40としては、例えば、ロックウール、グラスウール、セルロースファイバー等の繊維系材料;石膏ボード、ALC板、押出成形型セメント板、ケイ酸カリウム板、スレート板、コンクリート、レンガ、ガラス、モルタル等の無機材料;合板、OSB、パーティクルボード等の木質材料;金属パネル、金属サンドウィッチパネル等の金属材料;アスファルト、EPDM、TPOなどの防水シート、ウレタンフォーム断熱材等の有機材料などが挙げられる。中でも、当て材40としては、設置箇所への追従性及び施工性の観点から、繊維系材料であることが好ましい。当て材40は、吐出充填により充填材を受け止めた後にも、ウレタンフォーム20に留まることになることから、ウレタンフォーム20に機能を付与することができる不燃性材料を採用することが好ましい。当て材40は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、当て材40は、板状の部材を採用することができる。当て材40が板状の部材であることで、液状のウレタン樹脂組成物を良好に受け止めることができる。板状の部材である当て材40は、隙間30における連通方向に対して、傾斜する面、軸方向に垂直な面、又はこれらの組み合わせであることが好ましく、充填材を良好に受け止める観点から、垂直な面を含むことがより好ましい。
当て材40を備えるウレタン充填構造において、隙間30を充填して閉塞させるウレタンフォーム20の施工方法としては、液状のウレタン樹脂組成物を吐出する吐出充填が好適であり、具体的には、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填が好ましい。
具体的には、予め設置された建築基材10a,10bの隙間30に当て材40を配置し、その後に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化させることでウレタンフォーム20を形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、予め設置された建築基材10a,10bのいずれか一方に当て材40を配置し、その後に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、ウレタン樹脂組成物が硬化する前に異なるもう一方の建築基材10a,10bを突き合わせ又は近接させ、ウレタン樹脂組成物を硬化させることでウレタンフォーム20を形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、予め設置された建築基材10a,10bのいずれか一方に当て材40を配置した上で、建築基材10a,10bのいずれか一方に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化させた後に、異なるもう一方の建築基材10a,10bをウレタンフォーム20に押し付けることもできる。ウレタンフォーム20を変形させることによって隙間30を閉塞させることが期待できるが、閉塞度合いが不足している場合は、さらにウレタンフォーム20を追加施工しても良い。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム20の厚みは、当て材40からの厚みTと厚みTとの合算したものとする。厚みTと厚みTとの合算は、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。また、隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム20の厚みT,Tは、15mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上125mm以下であることがより好ましく、25mm以上100mm以下であることがさらに好ましい。
第2の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、当て材を備えることで、ウレタンフォームの設置が容易となり、より確実に隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、当て材を備えることで、複数の建築基材の間に形成された隙間、又は建築基材に設けた孔の隙間をウレタンフォームで容易に閉塞させることができ、施工性が良好となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図3(a)及び(b)に示すように、建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bが中空床を構成し、中空床を構成する建築基材11a,11b又は建築基材12a,12bを両端とする隙間30をウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bで閉塞する点である。以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bは、建築物の上下階(第1の空間Aと、第2の空間B)を仕切る建築部材としての中空床である。具体的には、図3における建築基材11a,11bは上階側の床であり、建築基材12a,12bは下階側の天井である。
建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bは、第1の実施形態で記載した建築基材10a,10bと同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム21aは、図3(a)に示すように、建築基材11a,11bを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。または、ウレタンフォーム21bは、図3(b)に示すように、建築基材12a,12bを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造を形成する。
ウレタンフォーム21a,21bは、第1の実施形態で記載したウレタンフォーム20と同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
隙間30は、複数の建築基材11a,11bの間、または12a,12bの間に形成された隙間であることが好ましい。複数の建築基材11a,11bの間に形成された隙間としては、例えば、図3(a)に示すように、建築基材11aの端部と、建築基材11bの端部の間に形成された隙間が挙げられる。または、複数の建築基材12a,12bの間に形成された隙間としては、例えば、図3(b)に示すように、建築基材12aの端部と、建築基材12bの端部の間に形成された隙間が挙げられる。より具体的には、例えば面材の端面同士の間に形成された隙間が挙げられる。
これらの中でも、建築基材11a,11bの少なくとも一方、または建築基材12a,12bの少なくとも一方が上記した面材であることが好ましく、建築基材11a,12aを構成する面材の端部(端面)と建築基材11b,12bを構成する面材の端部(端面)の間に隙間30を形成することがより好ましい。
複数の建築基材11a,11bの間、または建築基材12a,12bの間に隙間30を形成する方法としては、例えば、異なる建築基材11a,11b、または建築基材12a,12b同士を突き合わせる、又は、建築基材11a,11b、または建築基材12a,12b同士を近接させることで形成することができる。複数の建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bを突き合わせる、又は、近接させることによって形成された隙間30とすることで、幅Wを狭小化することができ、隙間30における耐火性を確保しやすくなる。
また、隙間30は、一つの建築基材に設けられた孔であってもよく、その場合においては、隙間30である孔によって分断された建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bの構成となる。建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bに設けられた孔による隙間30は、所望の箇所に設けることができ、建築物における快適性を向上させることができる。
隙間30における連通方向が上下方向であるウレタン充填構造において、隙間30を充填して閉塞させるウレタンフォーム21a,21bの施工方法としては、液状のウレタン樹脂組成物を吐出する吐出充填が好適であり、具体的には、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填が好ましい。
具体的には、予め設置された建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bの隙間30に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化させることでウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bを形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、予め設置された建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bのいずれか一方に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、ウレタン樹脂組成物が硬化する前に異なるもう一方の建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bを突き合わせ又は近接させる。そして、ウレタン樹脂組成物が硬化することでウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bを形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、予め設置された建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bのいずれか一方に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化させた後に、異なるもう一方の建築基材11a,11b、または建築基材12a,12bをウレタンフォーム21a,21bに押し付けることもできる。ウレタンフォーム21a,21bを変形させることによって隙間30を閉塞させることが期待できるが、閉塞度合いが不足している場合は、さらにウレタンフォーム21a,21bを追加施工しても良い。
第3の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、建築基材が中空床を構成する場合、建築基材を両端とする隙間をウレタンフォームが閉塞させることで、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、ウレタンフォームは、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填による形成が可能であるため、施工性が良好となる。
[第3の実施形態の第1の変形例]
第3の実施形態の第1の変形例としては、図4に示すように、建築基材11a,11bを両端とする隙間30をウレタンフォーム21aで閉塞させるのみではなく、建築基材12a,12bを両端とする隙間30をウレタンフォーム21bで閉塞させる。つまり、第3の実施形態の第1の変形例に係るウレタン充填構造は、建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bが構成する中空床の両側の隙間30をウレタンフォーム21a,21bによって閉塞させるものである。
第3の実施形態の第1の変形例に係るウレタン充填構造によれば、建築基材が構成する中空床の両側において隙間をウレタンフォームで閉塞させることで、より耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第3の実施形態の第2の変形例]
第3の実施形態の第2の変形例としては、図5(a)及び(b)に示すように、隙間30に設けられ、ウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bの基礎となる当て材41をさらに備える点である。第3の実施形態の第2の変形例におけるウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bは、当て材41の両面に設けられる。以下、第3の実施形態の第2の変形例について、第3の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
当て材41は、吐出充填により充填材を受け止めた後にも、ウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bに留まることになることから、ウレタンフォーム20a又はウレタンフォーム21bに機能を付与することができる不燃性材料を採用することが好ましい。当て材41としては、設置箇所への追従性及び施工性の観点から、繊維系材料であることが好ましい。
また、当て材41は、板状の部材を採用することができる。当て材41が板状の部材であることで、液状のウレタン樹脂組成物を良好に受け止めることができる。板状の部材である当て材41は、隙間30における連通方向に対して、傾斜する面、軸方向に垂直な面、又はこれらの組み合わせであることが好ましく、充填材を良好に受け止める観点から、垂直な面を含むことがより好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bの厚みは、当て材41からの厚みTと厚みTとの合算したものとする。厚みTと厚みTとの合算は、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。また、隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bの厚みT,Tは、15mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上125mm以下であることがより好ましく、25mm以上100mm以下であることがさらに好ましい。
第3の実施形態の第2の変形例に係るウレタン充填構造によれば、当て材を備えることで、ウレタンフォームの設置が容易となり、より確実に隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、当て材を備えることで、建築基材を設置した際に生じる隙間をウレタンフォームで容易に閉塞させることができ、施工性が良好となる。
[第3の実施形態の第3の変形例]
第3の実施形態の第3の変形例としては、図6(a)及び(b)に示すように、隙間30に設けられ、ウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bの基礎となる当て材41をさらに備える点である。第3の実施形態の第3の変形例におけるウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bは、当て材41の一方の面に設けられる。以下、第3の実施形態の第3の変形例について、第3の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
当て材41は、吐出充填により充填材を受け止めた後にも、ウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bに留まることになることから、ウレタンフォーム20a又はウレタンフォーム21bに機能を付与することができる不燃性材料を採用することが好ましい。当て材41としては、設置箇所への追従性及び施工性の観点から、繊維系材料であることが好ましい。
また、当て材41は、板状の部材を採用することができる。当て材41が板状の部材であることで、液状のウレタン樹脂組成物を良好に受け止めることができる。板状の部材である当て材41は、隙間30における連通方向に対して、傾斜する面、軸方向に垂直な面、又はこれらの組み合わせであることが好ましく、充填材を良好に受け止める観点から、垂直な面を含むことがより好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム21aの当て材41からの厚みT及びウレタンフォーム21bの当て材41からの厚みTは、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。
第3の実施形態の第3の変形例に係るウレタン充填構造によれば、当て材を備えることで、ウレタンフォームの設置が容易となり、より確実に隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、当て材を備えることで、建築基材を設置した際に生じる隙間をウレタンフォームで容易に閉塞させることができ、施工性が良好となる。
[第3の実施形態の第4の変形例]
第3の実施形態の第4の変形例としては、図7に示すように、隙間30に設けられ、ウレタンフォーム21a及びウレタンフォーム21bの基礎となる当て材41をさらに備える点である。第3の実施形態の第4の変形例におけるウレタンフォーム21a又はウレタンフォーム21bは、当て材41の一方の面に設けられ、建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bが構成する中空床の両側の隙間30をウレタンフォーム21a,21bによって閉塞させるものである。以下、第3の実施形態の第4の変形例について、第3の実施形態の第3の変形例との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
第3の実施形態の第4の変形例におけるウレタンフォーム21a及びウレタンフォーム21bは、建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bが構成する中空床の両側の隙間30において、当て材41から第1の空間A側と第2の空間B側のみに設けられている。ウレタンフォーム21a及びウレタンフォーム21bは、建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bが構成する中空床の両側の隙間30を閉塞させることから、第1の空間A側と第2の空間B側のみに設けることで十分な耐火性を有することができる。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム21aの当て材40からの厚みT及びウレタンフォーム21bの当て材40からの厚みTは、上記観点から、15mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上125mm以下であることがより好ましく、25mm以上100mm以下であることがさらに好ましい。
第3の実施形態の第4の変形例に係るウレタン充填構造によれば、当て材を備えることで、ウレタンフォームの設置が容易となり、より確実に隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、当て材を備えることで、建築基材を設置した際に生じる隙間をウレタンフォームで容易に閉塞させることができ、施工性が良好となる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態において第3の実施形態と相違する点は、図8に示すように、建築基材11a,11b及び建築基材12a,12bを両端とする隙間30に、別の建築基材13が設けられている点である。以下、第4の実施形態について、第3の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
建築基材11a及び建築基材12aは、建築物の上下階(第1の空間Aと、第2の空間B)を仕切る建築部材としての中空床であり、建築基材11b及び建築基材12bは、建築物の上下階(第3の空間Cと、第4の空間D)を仕切る建築部材としての中空床である。具体的には、図8における建築基材11a,11bは上階側の床であり、建築基材12a,12bは下階側の天井である。そして、建築基材13は、建築物の空間(第1の空間Aと、第3の空間C)(第2の空間Bと、第4の空間D)を仕切る壁等の部材である。建築基材11a,11b、建築基材12a,12b及び建築基材13は、少なくともいずれかが上記した面材であってもよく、全てが面材であってもよい。
建築基材11a,11b、建築基材12a,12b及び建築基材13は、第1の実施形態で記載した建築基材10a,10bと同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム22aは、建築基材11aと建築基材13とを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。ウレタンフォーム22bは、建築基材11bと建築基材13とを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。
ウレタンフォーム22a,22bは、第1の実施形態で記載したウレタンフォーム20と同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム22aが閉塞する隙間30の幅W及びウレタンフォーム22bが閉塞する隙間30の幅Wは、上記観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム22aの厚みT及びウレタンフォーム22bの厚みTは、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30は、複数の建築基材11a,13の間、又は、複数の建築基材11b,13の間に形成された隙間であることが好ましい。複数の建築基材11a,13の間、又は、複数の建築基材11b,13の間に形成された隙間としては、例えば、図8に示すように、建築基材13の面と、建築基材11aの端部の間に形成された隙間が挙げられ、建築基材13の面と、建築基材11bの端部の間に形成された隙間が挙げられる。
複数の建築基材11a,13の間、又は、複数の建築基材11b,13の間に隙間30を形成する方法としては、例えば、建築基材13の面に、異なる建築基材11a,11b同士を突き合わせる、又は、建築基材11a,11b同士を近接させることで形成することができる。建築基材13の面に、異なる建築基材11a,11bを突き合わせる、又は、近接させることによって形成された隙間30とすることで、幅W及び幅Wを狭小化することができ、隙間30における耐火性を確保しやすくなる。
隙間30を閉塞させるウレタンフォーム22a,22bの施工方法としては、まず、建築基材11aと建築基材13とを両端とする隙間30に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化又は乾燥することでウレタンフォーム22aを形成し、建築基材11aと建築基材13とを両端とする隙間30を閉塞させることができる。そして、建築基材11bと建築基材13とを両端とする隙間30に液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化又は乾燥することでウレタンフォーム22bを形成し、建築基材11bと建築基材13とを両端とする隙間30を閉塞させることが好ましい。
または、建築資材13にウレタンフォーム22a又はウレタンフォーム22bを施工し、硬化した後に建築資材11a又は建築資材11bをウレタンフォーム22a又はウレタンフォーム22bに押し付ける方法を組み合わせても良い。ウレタンフォーム22a,22bを変形させることによって隙間30を閉塞させることが期待できるが、閉塞度合いが不足している場合は、さらにウレタンフォーム22a,22bを追加施工しても良い。
第4の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、建築基材が中空床を構成し、中空床の間に別の建築基材が設けられた場合であっても、建築基材を両端とする隙間をウレタンフォームが閉塞させることで、耐火性に優れる防火構造とすることができる。また、ウレタンフォームは、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填による形成が可能であるため、施工性が良好となる。
[第4の実施形態の変形例]
第4の実施形態の変形例としては、図9に示すように、隙間30をウレタンフォーム22a,22bで閉塞させるのみではなく、建築基材12aと建築基材13とを両端とする隙間30及び建築基材12bと建築基材13とを両端とする隙間30を両端とする隙間30を閉塞させる。つまり、第4の実施形態の変形例に係るウレタン充填構造は、建築基材11a,11b、建築基材12a,12b及び建築基材13が構成する中空床の両側の隙間30をウレタンフォーム22a,22b及びウレタンフォーム23a,23bによって閉塞させるものである。
ウレタンフォーム23aは、建築基材12aと建築基材13とを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。ウレタンフォーム23bは、建築基材12bと建築基材13とを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。
ウレタンフォーム23a,23bは、第1の実施形態で記載したウレタンフォーム20と同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム23aが閉塞する隙間30の幅W及びウレタンフォーム23bが閉塞する隙間30の幅Wは、上記観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム23aの厚みT及びウレタンフォーム23bの厚みTは、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。
第4の実施形態の変形例に係るウレタン充填構造によれば、建築基材が中空床を構成し、中空床の間に別の建築基材が設けられた場合であっても、建築基材が構成する中空床の両側において隙間をウレタンフォームで閉塞させることで、より耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図10に示すように、建築基材14a,14bを両端とするそれぞれの隙間30を利用して、異なる空間に内挿部材50を通している点である。以下、第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
内挿部材50は、電気又は光を伝送する線状の部材であり、例えば、電力用ケーブル及び通信用ケーブル等の配線が挙げられる。内挿部材50は、電気又は光を伝送する伝送線本体と、伝送線本体を覆う外皮とを有する。伝送線本体の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金等の金属材料が挙げられる。外皮の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)及び架橋ポリエチレン等の樹脂材料が挙げられ、伝送線本体の周囲に押出成形等により設けられる。また、内挿部材50は、伝送線本体及び外皮を保護する外管をさらに有しても良い。外管としては、例えば、PVC、PE、ポリプロピレン(PP)及びポリブデン(PB)等の樹脂素材で形成されるコルゲート管やスパイラル管、並びに、金属箔等で形成されるシート等が挙げられる。
建築基材14a,14bは、建築物の異なる空間に内挿部材50を通すための第1の空間Aと、内挿部材50を通わせる屋内空間である第2の空間B及び第3の空間Cを仕切る部材である。具体的には、図10における建築基材14a,14bは、床及び壁等であり、床下配管及び壁内配管等を構成する。建築基材14a,14bによる床下配管及び壁内配管等は、例えば、配線管を用いたサブウェイ工法によって形成することができる。そして、建築基材15は、建築物の空間(第2の空間Bと、第3の空間C)を仕切る壁等の部材である。
建築基材14a,14b及び建築基材15は、第1の実施形態で記載した建築基材10a,10bと同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム24a,24bは、建築基材14a,14bを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。
ウレタンフォーム24a,24bは、第1の実施形態で記載したウレタンフォーム20と同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム24aが閉塞する隙間30の幅W10及びウレタンフォーム24bが閉塞する隙間30の幅W11は、上記観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム24aの厚みT10及びウレタンフォーム24bの厚みT11は、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材50を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム24a,24bの施工方法としては、まず、隙間30を通して内挿部材50を配置し、その後に液状のウレタン樹脂組成物をそれぞれの隙間30に吐出する。ウレタン樹脂組成物が硬化又は乾燥することで、内挿部材50を内在させるウレタンフォーム24a,24bを形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
第5の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、隙間を利用して配線等の内挿部材を通す構成であっても、隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図11に示すように、壁等の仕切部材である建築基材16a,16bに孔を形成することで構成される隙間30を利用して、異なる空間に内挿部材60を通すものであり、建築基材16a,16bに設けられた区画貫通部をウレタンフォーム25aで閉塞させている点である。以下、第6の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
内挿部材60は、液体、気体及び粉体等の流体を輸送する配管等である。内挿部材60の材料としては、特に限定はないが、耐火性に優れるものであることが好ましく、例えば、鉄、鉛、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金等の金属材料が挙げられる。また、内挿部材60の材料として耐火性が低い樹脂材料等を採用した場合、耐火性を付与する観点から、モルタル及び金属等が配されることが好ましい。内挿部材60として樹脂材料からなる配管のみで構成する場合、耐火性を得る観点から、配管厚みが2mm以上であることが好ましく、4mm以上であることがより好ましく、6mm以上であることがさらに好ましい。
建築基材16a,16bは、建築物の空間(第1の空間Aと、第2の空間B)を仕切る壁等の部材である。
建築基材16a,16bは、第1の実施形態で記載した建築基材10a,10bと同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム25aは、建築基材16a,16bを両端とする隙間30を充填して閉塞させることで防火構造とする。
ウレタンフォーム25aは、第1の実施形態で記載したウレタンフォーム20と同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
ウレタンフォーム25aが閉塞する隙間30の幅Wは、上記観点から、2mm以上100mm以下であることが好ましく、6mm以上90mm以下であることがより好ましく、10mm以上80mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材60が耐火性を有する場合には、内挿部材60は、隙間30を構成する一部とみなすことができ、ウレタンフォーム25aが閉塞する隙間30は、内挿部材60と建築基材16a,16bのいずれかを両端とするものとみなすことができる。内挿部材60が耐火性に優れる場合におけるウレタンフォーム25aが閉塞する隙間30の幅W7aは、上記観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム25aの厚みTは、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材60を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム25aの施工方法としては、まず、隙間30を通して内挿部材60を配置し、その後に液状のウレタン樹脂組成物を隙間30に吐出し、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム25aを形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
第6の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、壁等の仕切部材である建築基材に孔を形成することで構成される隙間を利用して内挿部材を通す構成であっても、隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第6の実施形態の第1の変形例]
第6の実施形態の第1の変形例としては、図12に示すように、建築基材16a,16bを両端とする隙間30の一方をウレタンフォーム25aで閉塞させるのみではなく、建築基材16a,16bを両端とする隙間30の他方をウレタンフォーム25bで閉塞させる。つまり、第6の実施形態の第1の変形例に係るウレタン充填構造は、建築基材16a,16bが構成する隙間30の両側をウレタンフォーム25a,25bによって閉塞させるものである。
ウレタンフォーム25bが閉塞する隙間30の幅Wは、上記観点から、2mm以上100mm以下であることが好ましく、6mm以上90mm以下であることがより好ましく、10mm以上80mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材60が耐火性を有する場合には、内挿部材60は、隙間30を構成する一部とみなすことができ、ウレタンフォーム25bが閉塞する隙間30は、内挿部材60と建築基材16a,16bのいずれかを両端とするものとみなすことができる。内挿部材60が耐火性に優れる場合におけるウレタンフォーム25bが閉塞する隙間30の幅W8aは、上記観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム25a及びウレタンフォーム25bの厚みは、ウレタンフォーム25aの厚みTとウレタンフォーム25bの厚みTとの合算したものとする。厚みTと厚みTとの合算は、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。また、隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム25aの厚みT及びウレタンフォーム25bの厚みTは、15mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上125mm以下であることがより好ましく、25mm以上100mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材60を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム25a,25bの施工方法としては、まず、隙間30を通して内挿部材60を配置する。その後に、隙間30の一方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム25aを形成し、一方側の隙間30を閉塞させる。そして、隙間30の他方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム25bを形成し、他方側の隙間30を閉塞させることが好ましい。
第6の実施形態の第1の変形例に係るウレタン充填構造によれば、建築基材が構成する隙間の両側をウレタンフォームで閉塞させることで、より耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第6の実施形態の第2の変形例]
第6の実施形態の第2の変形例としては、図13に示すように、建築基材16a,16bを両端とする隙間30に対して、隙間30の内部全体を充填するようにウレタンフォーム26によって閉塞させる。つまり、第6の実施形態の第2の変形例に係るウレタン充填構造は、建築基材16a,16bが構成する隙間30の両側及び内部をウレタンフォーム26によって閉塞させるものである。
ウレタンフォーム26が閉塞する隙間30の幅Wは、上記観点から、2mm以上100mm以下であることが好ましく、6mm以上90mm以下であることがより好ましく、10mm以上80mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材60の外層が不燃性材料により構成される場合、内挿部材60は、隙間30を構成する一部とみなすことができ、ウレタンフォーム26が閉塞する隙間30は、内挿部材60と建築基材16a,16bのいずれか一方とを、建築基材の両端とするものとみなすことができる。内挿部材60が耐火性に優れる場合におけるウレタンフォーム26が閉塞する隙間30の幅W9aは、上記観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上45mm以下であることがより好ましく、5mm以上40mm以下であることがさらに好ましい。
隙間30の連通方向におけるウレタンフォーム26の厚みTは、上記観点から、30mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上275mm以下であることがより好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。
内挿部材60を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム26の施工方法としては、まず、隙間30を通して内挿部材60を配置する。その後に、隙間30の一方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、隙間30の他方側まで充填材を行き渡らせた後に、硬化又は乾燥することで、ウレタンフォーム26を形成し、ウレタンフォーム26が隙間30の両側及び内部を閉塞させることが好ましい。
また、内挿部材60を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム26の施工方法としては、まず、隙間30を通して内挿部材60を配置する。その後に、隙間30の一方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム26の一部を形成する。そして、隙間30の他方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、すでに形成してあるウレタンフォーム26の一部にまで充填させ、充填材を硬化又は乾燥することで、内挿部材60を内在するウレタンフォーム26を形成し、ウレタンフォーム26が隙間30の両側及び内部を閉塞させることが好ましい。
第6の実施形態の第2の変形例に係るウレタン充填構造によれば、建築基材が構成する隙間の両側及び内部をウレタンフォームで閉塞させることで、より耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第7の実施形態]
第7の実施形態において第6の実施形態と相違する点は、図14に示すように、隙間30に設けられ、ウレタンフォーム25aの基礎となる当て材42をさらに備える点である。以下、第7の実施形態について、第6の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
当て材42は、液状のウレタン樹脂組成物を受け止め、ウレタンフォーム25aの基礎として隙間30を閉塞させることに寄与する。当て材42は、隙間30における連通方向に対して、傾斜する面、軸方向に垂直な面、又はこれらの組み合わせであることが好ましく、充填材を良好に受け止める観点から、垂直な面を含むことがより好ましい。
当て材42は、吐出充填により充填材を受け止めた後にも、ウレタンフォーム25aに留まることになることから、ウレタンフォーム25aに機能を付与することができる不燃性材料を採用することが好ましい。
当て材42は、第2の実施形態で記載した当て材40と同じ材料を採用することができるので、その詳細は上記と同様であり、記載を省略する。
当て材42は、底部の中央近傍に孔42aが開いており、孔42aを通って内挿部材60が貫通している。孔42aは、円形でもよいが、内挿部材60の形状に応じて円形以外のいかなる形状でもよい。孔42aは、内挿部材60のサイズより小さいものでもよい。また、孔42aの代わりに切り込みであってもよい。孔42aのサイズが内挿部材60より小さくても、また、孔42aの代わりに切り込みが設けられても、当て材42がゴム、樹脂材料で形成される場合には、内挿部材60が孔42a(又は切り込み)に挿入されると、底部が撓んで孔42a(又は切り込み)内部に内挿部材60を挿入できる。
当て材42を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム25aの施工方法としては、まず、隙間30に当て材42を配置し、当て材42の底部に有する孔42aを通して内挿部材60を配置する。その後に、液状のウレタン樹脂組成物を隙間30に吐出し、当て材42が充填材を受け止め、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム25aを形成し、隙間30を閉塞させることが好ましい。
第7の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、隙間を利用して内挿部材を通す構成であっても、隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。
また、第7の実施形態に係るウレタン充填構造によれば、当て材を備えることで、より確実に隙間をウレタンフォームで閉塞させることができ、耐火性に優れる防火構造とすることができる。
[第7の実施形態の変形例]
第7の実施形態の変形例としては、図15に示すように、建築基材16a,16bを両端とする隙間30の一方から当て材42を基礎としてウレタンフォーム25aで閉塞させるのみではなく、建築基材16a,16bを両端とする隙間30の他方から当て材42を基礎としてウレタンフォーム25bで閉塞させる。つまり、第7の実施形態の変形例に係るウレタン充填構造は、建築基材16a,16bが構成する隙間30の両側について、当て材42を基礎とするウレタンフォーム25a,25bによって閉塞されるものである。
当て材42及び内挿部材60を備えるウレタン充填構造において、隙間30を閉塞させるウレタンフォーム25a,25bの施工方法としては、まず、隙間30に当て材42を配置し、当て材42の底部に有する孔42aを通して内挿部材60を配置する。その後に、隙間30の一方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、当て材42が充填材を受け止め、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム25aを形成する。そして、隙間30の他方側から液状のウレタン樹脂組成物を吐出し、当て材42が充填材を受け止め、硬化又は乾燥することで内挿部材60を内在させるウレタンフォーム25bを形成することで、隙間30を閉塞させることが好ましい。
第7の実施形態の変形例に係るウレタン充填構造によれば、当て材を備えることで、建築基材が構成する隙間の両側をウレタンフォームでより確実に閉塞させることができ、より耐火性に優れる防火構造とすることができる。
10〜16…建築基材
20〜25…ウレタンフォーム
30…隙間
40〜42…当て材
50、60…内挿部材

Claims (8)

  1. 不燃性材料を有する建築基材と、前記建築基材を両端とする隙間を閉塞するウレタンフォームを備え、
    前記ウレタンフォームは、フィラーを含有する、ウレタン充填構造。
  2. 前記ウレタンフォームは、前記建築基材に接着している、請求項1に記載のウレタン充填構造。
  3. 前記隙間の連通方向における前記ウレタンフォームの厚みは、30mm以上300mm以下である、請求項1又は2に記載のウレタン充填構造。
  4. 前記隙間は、複数の前記建築基材の間に形成された隙間である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウレタン充填構造。
  5. 前記隙間は、前記建築基材に設けられた孔である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン充填構造。
  6. 前記隙間の幅は、1mm以上100mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のウレタン充填構造。
  7. 前記隙間の幅は、1mm以上50mm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のウレタン充填構造。
  8. 前記隙間に設けられる前記ウレタンフォームの基礎となる当て材をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のウレタン充填構造。
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