JP7299826B2 - 積層構造体及び積層構造体の製造方法 - Google Patents

積層構造体及び積層構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7299826B2
JP7299826B2 JP2019211629A JP2019211629A JP7299826B2 JP 7299826 B2 JP7299826 B2 JP 7299826B2 JP 2019211629 A JP2019211629 A JP 2019211629A JP 2019211629 A JP2019211629 A JP 2019211629A JP 7299826 B2 JP7299826 B2 JP 7299826B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam layer
urethane foam
urethane
less
laminated structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019211629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021079684A (ja
Inventor
峻士 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2019211629A priority Critical patent/JP7299826B2/ja
Publication of JP2021079684A publication Critical patent/JP2021079684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7299826B2 publication Critical patent/JP7299826B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Description

本発明は、ウレタン発泡層を有する積層構造体及び積層構造体の製造方法に関する。
ウレタン発泡体は、樹脂層内に気泡が取り込まれていることから、高い断熱性を示し、例えば、マンション等の集合住宅、戸建住宅、学校の各種施設、商業ビル等の建築物の断熱材として広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
ウレタン発泡体は、ポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを混合して発泡させることで得られる。このことより、ウレタン発泡体は気泡を有することになり、ウレタン発泡体の物性は気泡構造により大きく影響を受ける。例えば、気泡が独立し、外部と繋がっていない独立気泡構造の割合(独立気泡率)が高いウレタン発泡体は、断熱性に優れる。
特開2000-230028号公報
建築物に使用する断熱材としては、高い断熱性が望まれていることから、独立気泡率の高いウレタン発泡体が一般的に使用されている。しかし、独立気泡率の高いウレタン発泡体は、吸水性が乏しく、室内の湿度を調整する調湿性を発揮することはなかった。つまり、従来の独立気泡率の高いウレタン発泡体を断熱材として使用した場合は、断熱性及び調湿性を両立させることはできなかった。
そこで、本発明は、ウレタン発泡層を有し、断熱性及び調湿性を両立する積層構造体及び積層構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、気泡が連続し、外部と繋がっている連続気泡構造が多く、独立気泡率が低いウレタン発泡体は吸水性に優れるという知見に基づいて、独立気泡率の異なるウレタン発泡層を積層させることにより、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[12]を提供する。
[1]建築物を構成する部材に設けられる積層構造体であって、独立気泡率が85%以上である第1ウレタン発泡層と、独立気泡率が30%以上70%以下である第2ウレタン発泡層とを備える、積層構造体。
[2]前記第1ウレタン発泡層の厚みに対する前記第2ウレタン発泡層の厚みの比率は、0.1以上1.0未満である、[1]に記載の積層構造体。
[3]前記第1ウレタン発泡層の厚みは、5mm以上100mm以下である、[1]又は[2]に記載の積層構造体。
[4]前記第1ウレタン発泡層の密度は、0.020g/cm以上0.100g/cm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の積層構造体。
[5]前記第1ウレタン発泡層は、フィラーを含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の積層構造体。
[6]前記フィラーが、赤燐系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、塩素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、金属水酸化物、及び針状フィラーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[5]に記載の積層構造体。
[7]前記第2ウレタン発泡層の厚みが3mm以上80mm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の積層構造体。
[8]前記第2ウレタン発泡層の密度が0.005g/cm以上0.100g/cm以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の積層構造体。
[9]熱伝導率が0.015W/(m・K)以上0.050W/(m・K)以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の積層構造体。
[10]吸水率が1g/100cm以上50g/100cm以下である、[1]~[9]のいずれかに記載の積層構造体。
[11]前記建築物を構成する部材上に、前記第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層をこの順に備える、[1]~[10]のいずれかに記載の積層構造体。
[12]建築物を構成する部材上に第1ウレタン発泡層を形成する工程と、前記第1ウレタン発泡層上に第2ウレタン発泡層を形成する工程とを含み、前記第1ウレタン発泡層の独立気泡率が85%以上であり、前記第2ウレタン発泡層の独立気泡率が30%以上70%以下である、積層構造体の製造方法。
本発明によれば、ウレタン発泡層を有し、断熱性及び調湿性を両立する積層構造体及び積層構造体の製造方法を提供することができる。
<積層構造体>
本発明の積層構造体は、建築物を構成する部材に設けられる積層構造体であって、独立気泡率が85%以上である第1ウレタン発泡層と、独立気泡率が30%以上70%以下である第2ウレタン発泡層とを備える。
本発明の積層構造体は、独立気泡率の異なる第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層を積層させることで、断熱性及び調湿性を両立することができる。
積層構造体において、断熱性及び調湿性の両立の観点から、第2ウレタン発泡層の厚みを第1ウレタン発泡層の厚みを小さくすることが好ましい。具体的には、第1ウレタン発泡層の厚みに対する第2ウレタン発泡層の厚みの比率は、0.1以上1.0未満であることが好ましく、0.2以上0.9以下であることがより好ましく、0.3以上0.8以下であることがさらに好ましい。第1ウレタン発泡層の厚みに対する第2ウレタン発泡層の厚みの比率が上記範囲内であることで、断熱性及び調湿性の両方をより優れたものにできる。
積層構造体の熱伝導率は、0.015W/(m・K)以上0.050W/(m・K)以下であることが好ましく、0.017W/(m・K)以上0.045W/(m・K)以下であることがより好ましく、0.020W/(m・K)以上0.040W/(m・K)以下であることがさらに好ましい。積層構造体の熱伝導率が上記範囲内であることで、優れた断熱性が得られる。
なお、積層構造体の熱伝導率とは、後述する実施例に記載する方法にて測定されるものである。
積層構造体の吸水率は、1g/100cm以上50g/100cm以下であることが好ましく、2g/100cm以上40g/100cm以下であることがより好ましく、3g/100cm以上30g/100cm以下であることがさらに好ましい。積層構造体の吸水率が上記範囲内であることで、優れた調湿性が得られる。
なお、積層構造体の吸水率とは、後述する実施例に記載する方法にて測定されるものである。
[第1ウレタン発泡層]
第1ウレタン発泡層の独立気泡率は、85%以上である。第1ウレタン発泡層の独立気泡率が85%未満であると、第1ウレタン発泡層による断熱性を十分に得ることができず、積層構造体の断熱性が不十分となる。第1ウレタン発泡層の独立気泡率は、積層構造体に優れた断熱性を付与する観点から、90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、94%以上であることがさらに好ましい。また、独立気泡率は、断熱性の観点から高い方がよく、100%以下であればよく、実用的には例えば99%以下である。
独立気泡率は、ASTM D 2856-94に準拠して測定することができる。なお、各発泡層の表面には、独立気泡率、密度などが他の部位と異なる薄厚のスキン層が形成されることがあるが、独立気泡率、密度は、そのようなスキン層を除いた部分において測定するとよい。
独立気泡率を上記のように高くするためには、例えば、第1ウレタン発泡層の発泡性を良好にし、形成される気泡が破泡しないように発泡を行うとよい。具体的には、2液硬化型を使用すると発泡速度が速くなり独立気泡率を高めやすくなる。また、独立気泡率を上記のように高くするためには、樹脂主剤であるポリオールの剛直性を上げることによっても調整でき、整泡剤、発泡剤、触媒などの各種添加剤の種類、配合量などによっても調整できる。
第1ウレタン発泡層の厚みは、5mm以上100mm以下であることが好ましく、10mm以上75mm以下であることがより好ましく、15mm以上50mm以下であることがさらに好ましい。第1ウレタン発泡層の厚みが上記範囲内であることで、優れた断熱性を得ることが可能になる。
第1ウレタン発泡層の密度は、0.020g/cm以上0.100g/cm以下であることが好ましく、0.025g/cm以上0.085g/cm以下であることがより好ましく、0.030g/cm以上0.070g/cm以下であることがさらに好ましい。第1ウレタン発泡層の密度を上記下限値以上とすることで、所望の難燃性、機械強度などの各種性能を向上させやすくなる。また、第1ウレタン発泡層の密度を上記上限値以上とすることで、第1ウレタン発泡層が軽量となり、断熱性なども良好となる。
なお、本発明における第1ウレタン発泡層の密度は、JIS K7222:2005に準拠して測定した値である。
(第1ウレタン樹脂組成物)
第1ウレタン発泡層は、第1ウレタン樹脂組成物を硬化させ、発泡させることで形成されるものである。第1ウレタン発泡層は、好ましくは硬質ウレタン発泡体である。第1ウレタン発泡層を構成するウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合させて反応させることで得られる反応生成物である。したがって、第1ウレタン樹脂組成物は、一般的にポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含有する。
(ポリイソシアネート化合物)
第1ウレタン発泡層に使用するポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDIなどが好ましい。
(ポリオール化合物)
ポリオール化合物としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。また、ヒマシ油などのヒドロキシカルボン酸も使用できる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε-カプロラクトン、α-メチル-ε-カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6-ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記した芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
変性ポリオールに使用する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四~八価のアルコール、フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1-ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8-テトラヒドロキシアントラセン、1-ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体又は共重合体、及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2~100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2~6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2-プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3-プロピレオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2-ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
ポリエーテルポリオールにおいて使用する活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
上記ポリオール化合物は、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールから選択される少なくとも1種を使用することが好ましく、ポリエステルポリオールがより好ましい。その中でも分子量200~800のポリエステルポリオールを用いることが好ましく、分子量300~500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
なお、第1ウレタン樹脂組成物は、水酸基を1つのみ有するモノオール化合物を含有してもよい。モノオール化合物としては、3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロパン-1-オールなどが挙げられる。
ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスは、120~1,000の範囲であることが好ましく、200~800の範囲であればより好ましく、300~600の範囲であればさらに好ましい。イソシアネートインデックスが120以上となると、イソシアネート基が水酸基より過剰となり、三量化されやすくなり、不燃性を付与しやすくなる。また、1,000以下となると、不燃性と製造コストとのバランスが良好になる。なお、イソシアネートインデックスは、従来公知の方法により計算できる。
(フィラー)
第1ウレタン発泡層は、フィラーを含有することが好ましい。フィラーは、第1ウレタン樹脂組成物において固体分として含まれるものであり、一般的に第1ウレタン樹脂組成物において粒状、粉状として存在する成分である。
第1ウレタン発泡層に含有されるフィラーは、固形難燃剤であることが好ましい。本発明では、固形難燃剤を使用することで、第1ウレタン発泡層の難燃性を効果的に高めることができる。また、固形難燃剤は、通常、粉体成分としてポリオール液剤、第1ウレタン樹脂組成物などに分散した状態にある。なお、固形難燃剤は、常温(23℃)、常圧(1気圧)において、固体となる難燃剤である。
固形難燃剤の具体例としては、赤燐系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、塩素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、金属水酸化物、及び針状フィラーが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<赤燐系難燃剤>
赤燐系難燃剤は、赤燐単体からなるものでもよいが、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物などを被膜したものでもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物などと混合したものでもよい。赤燐を被膜し、または赤燐と混合する樹脂は、特に限定されないがフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、及びシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。被膜ないし混合する化合物としては、難燃性の観点から、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物は、後述するものを適宜選択して使用するとよい。
<リン酸塩含有難燃剤>
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族~IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、環中に窒素を含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩が挙げられる。
リン酸としては、は特に限定されないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
周期律表IA族~IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、アニリン、o-トリイジン、2,4,6-トリメチルアニリン、アニシジン、3-(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。環中に窒素を含む複素環式化合物として、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。ここで、ポリリン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。リン酸塩含有難燃剤は、上記したものから一種もしくは二種以上を使用することができる。
<臭素含有難燃剤>
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有し、常温、常圧で固体となる化合物であれば特に限定されないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等が挙げられる。
臭素化芳香環含有芳香族化合物としては、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物が挙げられる。
また、臭素化芳香環含有芳香族化合物は、臭素化合物ポリマーであってもよい。具体的には、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、このポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物などが挙げられる。さらには、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテルと臭素化ビスフェノールAと塩化シアヌールとの臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(-メチルスチレン)等が挙げられる。
また、ヘキサブロモシクロドデカンなどの臭素化芳香環含有芳香族化合物以外の化合物であってもよい。
これら臭素含有難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<塩素含有難燃剤>
塩素含有難燃剤は、難燃性樹脂組成物に通常用いられるものが挙げられ、例えば、ポリ塩化ナフタレン、クロレンド酸、「デクロランプラス」の商品名で販売されるドデカクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオクテンなどが挙げられる。
<アンチモン含有難燃剤>
アンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
<ホウ素含有難燃剤>
本発明で使用するホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
ホウ素含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛がより好ましい。
<金属水酸化物>
本発明に使用する金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ、タルク等が挙げられる。これらのなかでは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、タルクが好ましい。金属水酸化物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
<針状フィラー>
針状フィラーとしては、例えば、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、珪素含有ウィスカー、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、ベーマイト、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、スラグ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、ステンレス繊維などが挙げられる。これらの中では、ウォラストナイトが好ましい。針状フィラーのアスペクト比(長さ/直径)の範囲は、5~50の範囲であることが好ましく、10~40の範囲であればより好ましい。
<無機充填材>
第1ウレタン発泡層に使用するフィラーとしては、上記した固形難燃剤以外の無機充填材を使用してもよい。無機充填材を使用することで第1ウレタン発泡層の機械強度を向上させるなど、第1ウレタン発泡層に種々の機能を付与できる。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、各種磁性粉、フライアッシュ等が挙げられる。
無機充填材は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。また、無機充填材は、上記した固形難燃剤と併用してもよいが、必ずしも併用する必要もない。
<フィラーの含有量>
本発明では、第1ウレタン発泡層(又は第1ウレタン樹脂組成物)におけるフィラーの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、4質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましく、12質量部以上であることがさらに好ましい。フィラーの含有量をこれら下限値以上とすることで、難燃性、機械強度などのフィラーの種類に応じた各種性能を第1ウレタン発泡層に付与しやすくなる。
また、フィラーの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。フィラーの含有量をこれら上限値以上とすることで、第1ウレタン樹脂組成物の粘度が適切になり、吹き付けなどにより第1ウレタン発泡層を形成しやすくなる。
なお、ウレタン樹脂組成物(第1及び第2ウレタン樹脂組成物)におけるウレタン樹脂は、一般的に、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とが反応することで形成される。よって、本明細書のウレタン樹脂組成物における「ウレタン樹脂100質量部」とは、ウレタン樹脂組成物におけるポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計量100質量部を意味する。ただし、ウレタン樹脂組成物にポリオール成分とポリイソシアネート成分とを予め反応したプレポリマー、及び、モノオール成分の少なくとも1種が含まれる場合には、ウレタン樹脂100質量部とは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とプレポリマーとモノオール成分の合計量を100質量部とする。
また、第1ウレタン発泡層におけるフィラーは、上記のとおり、難燃性を付与する観点から、固形難燃剤が好ましく、固形難燃剤はフィラーとして単独で使用してもよいし、無機充填材などの他のフィラーと併用してもよい。難燃性を向上させる観点から、固形難燃剤は、フィラー全量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85~100質量%がさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。
(液状難燃剤)
第1ウレタン発泡層(すなわち、第1ウレタン樹脂組成物)は、液状難燃剤をさらに含有することが好ましい。液状難燃剤を使用すると、第1ウレタン樹脂組成物の粘度をそれほど大きくすることなく、第1ウレタン発泡層の難燃性を向上できる。また、液状難燃剤は上記した固形難燃剤と併用することがより好ましい。なお、液状難燃剤は、常温、常圧にて液体となる難燃剤である。液状難燃剤の具体例としては、リン酸エステルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用できる。モノリン酸エステルとは、分子中にリン原子を1つ有するリン酸エステルである。モノリン酸エステルとしては、常温、常圧で液体のものであれば限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有リン酸エステル、トリブトキシエチルホスフェートなどのトリアルコキシホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどの芳香環含有リン酸エステル、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェートなどの酸性リン酸エステル等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ビスフェノールAポリフェニルホスフェートなどの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
縮合リン酸エステルの市販品としては、例えば、大八化学工業株式会社製の「CR-733S」、「CR-741」、「CR747」、ADEKA社製の「アデカスタブPFR」、「FP-600」等が挙げられる。
液状難燃剤は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以を併用してもよい。これらの中でも、第1ウレタン樹脂組成物の粘度を適切にしやすくする観点、及びウレタン発泡層の難燃性を向上させる観点から、モノリン酸エステルが好ましく、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有リン酸エステルがより好ましい。
第1ウレタン発泡層(又は第1ウレタン樹脂組成物)における液状難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1~40質量部が好ましく、2~30質量部がより好ましく、4~20質量部がさらに好ましい。液状難燃剤の配合量をこれら下限値以上とすることで、液状難燃剤を含有させる効果を発揮しやすくなる。また、上限値以下とすることで、液状難燃剤によって、第1ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害さたりすることもない。
第1ウレタン発泡層は、上記したとおり、第1ウレタン樹脂組成物を硬化し発泡して形成される。第1ウレタン樹脂組成物は、上記したとおり、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とフィラー含むが、一般的にはさらに、触媒、発泡剤などを含む。
(触媒)
本発明の第1ウレタン樹脂組成物は、触媒として、例えば三量化触媒、樹脂化触媒、又はこの両方を含有するとよいが、両方を含有することが好ましい。
三量化触媒は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する触媒である。三量化触媒を使用することで、ウレタン発泡層の難燃性がより一層向上する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の窒素含有芳香族化合物、酢酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩、トリエチルモノメチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用できる。アンモニウム塩としては、2,2-ジメチルプロパン酸などカルボン酸のアンモニウム塩が挙げられ、より具体的にはカルボン酸4級アンモニウム塩が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、カルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸4級アンモニウム塩から選択される1種又は2種以上が好ましく、これら両方を使用する態様も好ましい。
三量化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6~10質量部の範囲であることが好ましく、0.8~8質量部の範囲であることがより好ましく、1.0~6質量部の範囲であることが更に好ましい。これら下限値以上とすると、イソシアネートの三量化が適切に進行し難燃性が付与しやすくなる。また、上限値以下とすると、適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
樹脂化触媒は、ポリオール化合物とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、ピペラジン化合物などのアミン系触媒、金属系触媒などが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール環の1位の第2級アミンをアルキル基、アルケニル基などで置換し3級アミンが挙げられる。具体的には、N-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-2-エチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾール、及び1-イソブチル-2-メチルイミダゾールなどが挙げられる。また、イミダゾール環中の第2級アミンをシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物などでもよい。
また、ピペラジン化合物として、N-メチル-N’N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジンなどの3級アミンが挙げられる。
また、樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、ピペラジン化合物以外にも、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリプロピルアミン等の各種の3級アミンなどが挙げられる。
金属系触媒としては、鉛、錫、ビスマス、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルなどからなる金属塩が挙げられ、好ましくは鉛、錫、ビスマス、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルなどからなる有機酸金属塩である。より好ましくはジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫バーサテート、ビスマストリオクテート、ビスマストリス(2-エチルへキサノエート)、ジオクチル酸スズ、ジオクチル酸鉛などが挙げられ、中でも有機酸ビスマス塩がさらに好ましい。
樹脂化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6~10質量部の範囲であることが好ましく、0.8~8質量部の範囲であることがより好ましく、1.0~6質量部の範囲であることが更に好ましい。樹脂化触媒の配合量がこれら下限値以上であるとウレタン結合が形成しやすくなり、反応が速やかに進行する。一方、これら上限値以下であると、反応速度が制御しやすくなる。
(発泡剤)
第1ウレタン樹脂組成物に含有される発泡剤は、ウレタン樹脂を発泡させる。発泡剤の具体例としては、例えば、水、有機系物理発泡剤、無機系物理発泡剤等が挙げられる。
有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物などが挙げられる。
また、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィンも挙げられる。ハイドロフルオロカーボンとしては、例えば炭素数1~4の化合物が挙げられ、CHF、CH、CHF等のフルオロアルカンでもよいし、塩素原子を有するハイドロクロロフルオロカーボン化合物でもよい。ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)などのジクロロモノフルオロエタン、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン)などのモノクロロジフルオロエタン、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、炭素数が3~6個程度であるフルオロアルケンなどを挙げることができる。ハイドロフルオロオレフィンは塩素原子を有するハイドロクロロフルオロオレフィンであってもよく、したがって、炭素数が3~6個程度であるクロロフルオロアルケンなどであってもよい。
より具体的には、トリフルオロプロペン、HFO-1234などのテトラフルオロプロペン、HFO-1225などのペンタフルオロプロペン、HFO-1233などのクロロトリフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、及びクロロテトラフルオロプロペンなどが挙げられる。更に具体的には、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yez)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd)、及び1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エンなどが挙げられる。
また、無機系物理発泡剤としては、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
これらのなかでは、発泡性、取扱い性などの観点から、水、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィンが好ましく、環境負荷が小さく、かつ発泡性も良好である点から、ハイドロフルオロオレフィン、水がより好ましく、ハイドロフルオロオレフィンがさらに好ましい。また、水とハイドロフルオロカーボン、又は水とハイドロフルオロオレフィンを併用することも好ましい。
第1ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部の範囲であることが好ましい。また、発泡剤は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、1~15質量部の範囲であることが更に好ましい。発泡剤の含有量を0.1質量部以上とすると、発泡が促進され、得られるウレタン発泡層の密度を低減することができる。30質量部以下とすると、発泡体が破泡せず、発泡体が形成されないことなどを防ぐことができる。
(整泡剤)
第1ウレタン樹脂組成物は、さらに整泡剤を含有することが好ましい。第1ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤は、第1ウレタン樹脂組成物の発泡性を向上させるものであって、発泡安定性が高いものが好ましい。発泡安定性が高い整泡剤を用いることによって、独立気泡率の高いウレタン発泡体を得ることができる。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
これらの中では、シリコーン系整泡剤が好ましい。シリコーン系整泡剤としては、例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの重合体であるポリオキシアルキレングリコールとポリジメチルシロキサンとのグラフト共重合体が挙げられる。また、ポリジメチルシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体の化学構造をもつものも使用できる。
第1ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤の市販品としては、東レ・ダウコーニング社製の「SH-193」、「SZ-1671」及び「SZ-1642」等が挙げられる。
第1ウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂に対する整泡剤の配合量は、例えば、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲であることが好ましく、0.3~3質量部の範囲であることがより好ましく、0.5~2質量部の範囲であることがさらに好ましい。
樹脂化触媒、三量化触媒、発泡剤及び整泡剤はそれぞれ一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
さらに第1ウレタン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、沈降防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、粘着付与樹脂等の添加剤を含むことができる。
第1ウレタン樹脂組成物は、2液硬化型であることが好ましく、ウレタン発泡層形成前においては、1液と2液に分割しておくとよい。2液硬化型を使用することで発泡性が良好となり独立気泡率を高くしやすくなる。具体的には、ポリオール化合物を含むポリオール液剤(1液)と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液剤(2液)に分割しておくとよい。この際、第1ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分は、適宜、ポリオール液剤又はイソシアネート液剤のいずれかに配合しておくとよいが、好ましくはポリオール液剤に配合する。ポリオール化合物は、反応性が低く、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分と混合させても、副反応が生じにくいためである。
第1ウレタン樹脂組成物は、1液と2液を混合するなどして、各成分を混合させることなどで反応が開始し、時間の経過と共に粘度が上昇し、硬化及び発泡が進行し、流動性を失い、第1ウレタン発泡層となる。第1ウレタン樹脂組成物は、通常、常温付近(例えば、10~40℃程度)に放置することで硬化及び発泡をさせるとよいが、必要に応じて、加熱等してもよい。
[第2ウレタン発泡層]
本発明の積層構造体は、上記のとおり、第1ウレタン発泡層の上に積層される第2ウレタン発泡層を備える。第2ウレタン発泡層は、独立気泡率が低いことで連続気泡構造が多くなり、それにより独立気泡率及び吸水性が高くなり、調湿作用を発揮するものである。また、第2ウレタン発泡層が設けられることで、第1ウレタン発泡層を保護することもできる。
第2ウレタン発泡層の独立気泡率は、30%以上70%以下である。第2ウレタン発泡層の独立気泡率が30%未満であると、積層構造体の断熱性を高くしにくくなり、また、セル形状が安定せず、表面積を一定に保てなくなるという不具合が生じる。また、第2ウレタン発泡層の独立気泡率が70%を超えると、第2ウレタン発泡層での吸水性が低くなり、積層構造体として十分な調湿性を得ることができない。第2ウレタン発泡層の独立気泡率は、上記観点から、32%以上65%以下であることが好ましい、34%以上60%以下であることがより好ましく、36%以上50%以下であることがさらに好ましい。
独立気泡率は、ASTM D 2856-94に準拠して測定することができる。
独立気泡率を上記の範囲内とするためには、例えば、第1ウレタン発泡層の発泡速度を遅くしたり、形成される気泡が破泡しやすいように発泡を行ったりするとよい。例えば、1液硬化型を使用すると比較的発泡速度を遅くなり、独立気泡率を上記の範囲内にしやすくなる。また、2液硬化型の場合でも、整泡剤、発泡剤、触媒などの各種添加剤の種類、配合量などにより調整できる。
第2ウレタン発泡層の厚みは、3mm以上80mm以下であることが好ましく、5mm以上50mm以下であることがより好ましく、8mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。第2ウレタン発泡層の厚みが上記範囲内であることで、優れた調湿性を得ることが可能になる。また、第2ウレタン発泡層の厚みが上記範囲内であることで、断熱性を高くしやすくなる。
第2ウレタン発泡層の密度は、0.005g/cm以上0.100g/cm以下であることが好ましく、0.010g/cm以上0.080g/cm以下であることがより好ましく、0.015g/cm以上0.060g/cm以下であることがさらに好ましい。第2ウレタン発泡層の密度を上記下限値以上とすることで、所望の調湿性、難燃性、機械強度などの各種性能を向上させやすくなる。また、第2ウレタン発泡層の密度を上記上限値以上とすることで、第2ウレタン発泡層が軽量となり、断熱性なども良好となる。
なお、本発明における第2ウレタン発泡層の密度は、JIS K7222:2005に準拠して測定した値である。
(第2ウレタン樹脂組成物)
第2ウレタン発泡層は、第2ウレタン樹脂組成物を硬化させ、発泡させることで形成されるものである。第2ウレタン発泡層は、好ましくは硬質ウレタン発泡体である。第2ウレタン発泡層を構成するウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合させて反応させることで得られる反応生成物である。したがって、第2ウレタン樹脂組成物は、一般的にポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、発泡剤を含有する。
第2ウレタン樹脂組成物における、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び発泡剤は、上記した第1ウレタン発泡層の形成に使用されるポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、及び発泡剤において列挙された化合物を適宜選択して使用すればよい。なお、ポリオール化合物としては、上記した中ではポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましく、ポリエステルポリオールがより好ましい。好ましいポリエステルポリオールの詳細は、上記の通りである。また、ポリイソシアネート化合物としては、フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDIなどの芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
第2ウレタン樹脂組成物は、さらに整泡剤を含有することが好ましい。第2ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤は、破泡性が比較的高いものを用いることが好ましい。破泡性が比較的高い整泡剤を用いることによって、第2ウレタン樹脂組成物の連続気泡構造を多くすることができる。破泡性が比較的高い整泡剤と発泡安定性が高い整泡剤を併用してもよい。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。これらの中では、シリコーン系整泡剤が好ましい。
シリコーン系整泡剤としては、例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの重合体であるポリオキシアルキレングリコールとポリジメチルシロキサンとのグラフト共重合体が挙げられる。また、ポリジメチルシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体の化学構造をもつものも使用できる。また、グラフト共重合体とブロック共重合体を併用してもよい。
第2ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤の市販品としては、東レ・ダウコーニング社製の「SRX280A」、「SZ-1336」及び「SZ-1333」等が挙げられる。また、市販品を2種以上併用してもよく、これらから選択される少なくとも1種と、東レ・ダウコーニング社製の「SH-193」、「SZ-1671」及び「SZ-1642」等から選択される少なくとも1種を併用してもよい。
第2ウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂に対する整泡剤の配合量は、例えば、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲であることが好ましく、0.3~3質量部の範囲であることがより好ましく、0.5~2質量部の範囲であることがさらに好ましい。
第2ウレタン樹脂組成物は、フィラーを含有してもよい。また、第2ウレタン樹脂組成物は、液状難燃剤、触媒、整泡剤などを含有してもよく、フィラー、液状難燃剤、及び触媒の詳細は、上記第1ウレタン樹脂組成物において記載したとおりであるので、その記載は省略する。また、第2ウレタン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、沈降防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、粘着付与樹脂等の添加剤を含むことができる。
また、第2ウレタン発泡層を形成するための第2ウレタン樹脂組成物は、1液硬化型でもよいし、2液硬化型でもよいし、1液硬化型でもよい。
2液硬化型の場合には、ポリオール化合物を含むポリオール液剤(1液)と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液剤(2液)を用意して、これらを混合して使用するとよい。この場合には、上記のとおり、ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分は、適宜、ポリオール液剤又はイソシアネート液剤のいずれかに配合しておくとよいが、好ましくはポリオール液剤に配合する。
1液硬化型の場合には、湿気硬化型であることが好ましく、湿気硬化型のウレタン樹脂組成物はウレタン発泡層の上に積層された後に、大気中の湿気により硬化させるとよい。
湿気硬化型のウレタン樹脂組成物は、イソシアネート成分とポリオール成分とを含有するものでもよいが、プレポリマー成分を使用してもよい。プレポリマー成分は、ポリオール成分を予めイソシアネート成分と反応させた反応生成物である。プレポリマーは、末端に水酸基又はイソシアネート基のいずれかを有するとよいが、イソシアネート基を有することが好ましい。イソシアネート基を有することで、湿気硬化性を高めることができる。
プレポリマー成分を使用する場合、湿気硬化型の第2ウレタン樹脂組成物は、イソシアネート成分とプレポリマー成分とを含有することが好ましく、この場合、イソシアネート成分とプレポリマー成分とポリオール成分を含んでもよい。
また、湿気硬化型の第2ウレタン樹脂組成物は、モノオール成分を使用することも好ましく、例えば、湿気硬化型の第2ウレタン樹脂組成物としては、イソシアネート成分とモノオール成分を含有するものが好ましく使用される。この場合、湿気硬化型の第2ウレタン樹脂組成物は、イソシアネート成分とモノオール成分以外にも上記したプレポリマー成分及びポリオール成分から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
湿気硬化型の第2ウレタン樹脂組成物は、密閉容器などに保存されるとよい。また、湿気硬化型の第2ウレタン樹脂組成物は、添加剤を適宜配合したり、イソシアネート成分とポリオール成分の量を適宜調整などしたりすることで、密閉容器から外部に排出する前においては、組成物中に含まれる、ポリイソシアネート成分、プレポリマー成分、ポリオール成分、モノオール成分などが互いに反応しないようにするとよい。
第2ウレタン発泡層を形成するための第2ウレタン樹脂組成物としては、市販品として株式会社エービーシー商会から販売されるインサルパックシリーズが挙げられる。より具体的には、1液硬化型として、例えば、「NEW-GS360」「NEW-GS360ロング」、「GFM600」、「GSXロング」、「NEW-GSスプレー」、「GSメタルプロ・ジャンボ」、「GSガンフォームNFPRO」、「GS難燃B1フォーム」、2液硬化型として、「HYPER(ハイパー)#30」、「♯120」、「♯180」、「IP600」、「#115」などが挙げられる。また、1液硬化型としては、小川商事製の「エコフォーム」、三井化学産資株式会社製の「ハイプレンフォーム」なども挙げられる。2液硬化型としては、三井化学産資株式会社製の「ハイプレンハンディフォーム」などが挙げられる。
[積層構造体の用途]
本発明の積層構造体は、具体的には、各種建築物に使用され、建築物の壁、天井、屋根、床等を構成する部材に積層されるとよい。また、建築物の構造材の間に生じる目地及び穴を含め、建築物に生じる任意の開口部を埋める部材として好適に用いられる。建築物を構成する部材としては、鉄鋼などの金属、セメント板、コンクリート、石膏、木材など建築物に使用され、かつ本発明の積層構造体が接着可能な材質ならばいずれでもよい。
本発明の積層構造体は、第1ウレタン発泡層が優れた断熱性を有することから、断熱性が必要とされる用途にて、断熱材として好適に使用される。また、本発明の積層構造体は、第2ウレタン発泡層が優れた調湿性を有することから、調湿性が必要とされる室内等にて、調湿材として好適に使用される。
したがって、本発明の積層構造体は、屋外側に第1ウレタン発泡層を配置し、室内側に第2ウレタン発泡層を配置することが好ましい。このように配置することで、第2ウレタン発泡層で室内を調湿しつつ、第1ウレタン発泡層により室内の空間を屋外に対して断熱できる。
また、本発明の積層構造体は、後述するように、外壁などの建築物を構成する部材の上に第1ウレタン発泡層を形成し、その第1ウレタン発泡層の上に第2ウレタン発泡層を形成することが好ましい。すなわち、外壁などの建築物を構成する部材の上に第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層をこの順に備えることが好ましい。このような構成の場合、外壁などの部材の室内側の面に積層構造体が形成されると、第1ウレタン発泡層が屋外側、第2ウレタン発泡層が室内側に配置されることになる。
[積層構造体の製造方法]
本発明の積層構造体の製造方法は、建築物を構成する部材上に第1ウレタン発泡層を形成する工程と、第1ウレタン発泡層上に第2ウレタン発泡層を形成する工程とを含み、第1ウレタン発泡層の独立気泡率が85%以上であり、第2ウレタン発泡層の独立気泡率が30%以上70%以下である。
建築物を構成する部材上に第1ウレタン発泡層を形成する工程としては、いわゆる現場発泡法により第1ウレタン発泡層を形成することが好ましい。現場発泡法は、第1ウレタン樹脂組成物を、建築現場において建築物を構成する部材に吹き付け、塗布などにより積層して、反応かつ発泡させることで第1ウレタン発泡層を形成する方法である。第1ウレタン樹脂組成物が2液硬化型の場合には、現場発泡法においては、使用直前に1液と2液を混合して、スプレー、コーキングガンなどにより建築物を構成する部材に吹き付けなどするとよい。すなわち、第1ウレタン発泡層は、建築物を構成する部材に積層されたものが好ましい。また、第1ウレタン発泡層は、建築物を構成する部材に接着されているとよい。
ただし、第1ウレタン発泡層は、現場発泡以外でもよく、例えば予めボード状に加工したものでもよい。
第1ウレタン発泡層上に第2ウレタン発泡層を形成する工程としては、第2ウレタン樹脂組成物を第1ウレタン発泡層の上に積層して、硬化し、かつ必要に応じて発泡することによって形成するとよい。第2ウレタン樹脂組成物は、通常、常温付近(例えば、10~40℃程度)に放置することで硬化又は硬化及び発泡をさせるとよいが、必要に応じて、加熱等してもよい。
第2ウレタン発泡層を形成するための第2ウレタン樹脂組成物は、第1ウレタン発泡層の上に、吹き付け及び塗布などにより積層するとよい。1液硬化型の場合には、スプレー缶などの密閉容器に収納された第2ウレタン樹脂組成物を、スプレー噴射などによる吹き付け又は塗布などによりウレタン発泡層の上に積層するとよい。また、2液硬化型の場合には、使用直前に1液と2液を混合して、スプレー、コーキングガンなどにより第1ウレタン発泡層の表面に吹き付けなどにより積層するとよい。また、上記のとおり、第1ウレタン発泡層は、現場発泡法により形成することが好ましいので、第2ウレタン発泡層の形成も、建築現場にて行われることが好ましい。
本発明の第1ウレタン発泡層は、上述したように、建築物を構成する部材の上に吹き付けなどにより積層されることが好ましい。
また、本発明の第2ウレタン発泡層は、他の層を介さずに、直接第1ウレタン発泡層の表面に形成されることが好ましい。すなわち、第2ウレタン発泡層は、第1ウレタン発泡層の表面に接着することが好ましい。第2ウレタン発泡層が第1ウレタン発泡層の上に直接形成されることで、積層工程を簡略化することができる。
ただし、本発明の第1ウレタン発泡層と第2ウレタン発泡層の間にプライマー層などの他の層が設けられてもよい。プライマー層は、公知の方法により、第1ウレタン発泡層の表面にプライマー液を塗布して乾燥することなどにより形成するとよい。
また、第2ウレタン発泡層は、第1ウレタン発泡層の表面全体に積層されるとよいが、表面全体に積層されずに第1ウレタン発泡層の表面の一部に積層されてもよい。第2ウレタン発泡層は、表面の一部に設けても調湿材として機能を発揮できるので、一部に設けられる場合でも一定の効果を発揮できる。
また、本発明の第2ウレタン発泡層は、補修用に使用してもよい。すなわち、まず、第1ウレタン発泡層を形成して、その後破損した箇所の表面上のみに、第2ウレタン発泡層を形成してもよい。この場合、破損は、施工直後に破損した箇所であってもよいし、施工後に長期間経過した後、劣化により破損した箇所でもよい。なお、施行直後の破損は、例えば、他の施工作業により外力が作用されることなどで発生する。破損した箇所に第2ウレタン発泡層を形成することで、破損した箇所において断熱性が損なわれるのを最小限に抑えつつ、吸湿機能を新たに付与することができる。また、破損した第1ウレタン発泡層がさらに破損することを防止できる。
以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明における各物性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
[厚み測定]
第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層の厚みは、それぞれダイヤルゲージで計測した。
[独立気泡率測定]
第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層の独立気泡率は、それぞれ各層の界面および空気との界面を除いた状態でASTM D 2856-94に準拠して測定した。
[密度測定]
第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層の密度は、それぞれJIS K7222:2005に準拠して測定した。
[熱伝導性評価]
第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層の界面を含み、積層構造体における第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層の厚みの比率を維持しつつ、合計厚みが25mmとなるように試験片を切り出した。
切り出した試験片の熱伝導率(W/(m・K))を迅速熱伝導率計(QTM-500、京都電子工業製)にて測定した。結果を表1に示す。
[吸水率評価]
得られた積層構造体の第2ウレタン発泡層側から幅100mm×長さ100mm×厚み20mmの試験片を切り出した。
次に、試験片を23℃±3℃の水の入った容器の水面下50mmに10秒間浸漬した後、試験片を水中から取り出し、鉛直から30°傾斜して配置された網目寸法が約3mmである金網に30秒間載置した後の試験片の質量m0(g)を測定した。
次に、試験片を23℃±3℃の水の入った容器の水面下50mmに24時間浸漬した後、試験片を水中から取り出し、鉛直から30°傾斜して配置された網目寸法が約3mmである金網に30秒間載置した後の試験片の質量m1(g)を測定した。
下記式に基づいて試験片の吸水率Wa(g/100cm)を算出した。結果を表1に示す。
Wa=((m1-m0)/A)×100
上記式において、Aは試験片の表面積(cm)である。
表1に示した配合により、実施例及び比較例に関わるウレタン発泡体を得るために、(1)ポリオール含有組成物及び(2)ポリイソシアネートの2つに分けて準備した。なお表1中の成分詳細は以下の通りである。
(1)ポリオール含有組成物
〔ポリオール〕
・p-フタル酸ポリエステルポリオール(マキシモールRLK-087、川崎化成工業社製、水酸基価=200mgKOH/g)
〔触媒〕
・三量化触媒、2,2-ジメチルプロパン酸テトラメチルアンモニウム塩(DABCO TMR-7)、エアープロダクツ社製、エチレングリコールとの混合物(2,2-ジメチルプロパン酸テトラメチルアンモニウム塩45~55質量%、エチレングリコールが45~55質量%)
・樹脂化アミン系触媒、1,2-ジメチルイミダゾール(TOYOCAT-DM70)、東ソー社製、エチレングリコールとの混合物(1,2-ジメチルイミダゾールが65~75質量%、エチレングリコールが25~35質量%)
・樹脂化金属系触媒、ビスマストリオクテート(ネオスタンU-600、日東化成社製、濃度55~58質量%)
〔整泡剤〕
・シリコーン系整泡剤(SH-193、東レダウコーニング社製)
・シリコーン系整泡剤(SRX280A、東レダウコーニング社製)
〔発泡剤〕
・ハイドロフルオロオレフィン(HFO、ソルティスLBA、ハネウェルジャパン社製)
・水
〔難燃剤〕
・トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学社製)
〔フィラー〕
・ウォラストナイト(SiO・CaO)(SH-1250、キンセイマテック社製)
・赤燐系難燃剤(燐化学工業株式会社製、製品名:ノーバエクセル140、金属水酸化物被覆、赤燐分94質量%以上)
・ホウ酸亜鉛(早川商事社製、製品名:Firebrake ZB)
・エチレンビス(ペンタブロモフェニル)(アルベマール社製、製品名:SAYTEX 8010)
(2)ポリイソシアネート
・4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)(PM200、万華化学ジャパン社製)
〔その他〕
・1液硬化型ウレタンスプレー(エコフォームEF-750、小川商事製)
[実施例1]
表1に示した第1ウレタン発泡層を形成するための配合を有するポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを用意し、それぞれ、密閉容器に収納した。グラコ社製吹付装置H-25を用いて、各密閉容器から排出したポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを混合させ、300mm角の石膏ボード(厚み12.5mm)上に吹き付けた。石膏ボード上に積層されたポリオール含有組成物及びポリイソシアネートからなる第1ウレタン樹脂組成物を、反応かつ発泡させて、石膏ボード上に厚み30mmの第1ウレタン発泡層を形成した。
次に、表1に示した第2ウレタン発泡層を形成するための配合を有するポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを用意し、それぞれ、密閉容器に収納した。グラコ社製吹付装置H-25を用いて、各密閉容器から排出したポリオール含有組成物とポリイソシアネートとを混合させ、石膏ボードに積層した第1ウレタン発泡層上に吹き付けた。第1ウレタン発泡層上に積層されたポリオール含有組成物及びポリイソシアネートからなる第2ウレタン樹脂組成物を、反応かつ発泡させて、第1ウレタン発泡層上に厚み15mmの第2ウレタン発泡層を形成した。
[実施例2]
第2ウレタン発泡層を形成するための配合において、整泡剤をSRX280Aから半量をSH-193に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
第2ウレタン発泡層を1液硬化型ウレタンスプレー(エコフォームEF-750、小川商事製)を用いて形成した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例4]
第2ウレタン発泡層を形成するための配合において、フィラーを含有させていない以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例5]
第1ウレタン発泡層におけるフィラーを変更した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例6]
第1ウレタン層の厚みを15mm、第2ウレタン層の厚みを30mmとした以外は実施例1と同様にした。
[比較例1]
第2ウレタン発泡層を形成するための配合を、第1ウレタン発泡層を形成するための配合と同様にした以外は実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
第1ウレタン発泡層を形成するための配合を、第2ウレタン発泡層を形成するための配合と同様にした以外は実施例1と同様に実施した。
Figure 0007299826000001
表1に示すように、各実施例は、独立気泡率の異なる第1ウレタン発泡層と第2ウレタン発泡層とを積層させることで、熱伝導率と吸水率の結果が良好となり、断熱性及び調湿性を両立させることができた。

Claims (12)

  1. 建築物を構成する部材に設けられる積層構造体であって、
    独立気泡率が85%以上である第1ウレタン発泡層と、
    独立気泡率が30%以上70%以下である第2ウレタン発泡層とを備える、積層構造体。
  2. 前記第1ウレタン発泡層の厚みに対する前記第2ウレタン発泡層の厚みの比率は、0.1以上1.0未満である、請求項1に記載の積層構造体。
  3. 前記第1ウレタン発泡層の厚みは、5mm以上100mm以下である、請求項1又は2に記載の積層構造体。
  4. 前記第1ウレタン発泡層の密度は、0.020g/cm以上0.100g/cm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層構造体。
  5. 前記第1ウレタン発泡層は、フィラーを含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層構造体。
  6. 前記フィラーが、赤燐系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、塩素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、金属水酸化物、及び針状フィラーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の積層構造体。
  7. 前記第2ウレタン発泡層の厚みが3mm以上80mm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層構造体。
  8. 前記第2ウレタン発泡層の密度が0.005g/cm以上0.100g/cm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の積層構造体。
  9. 熱伝導率が0.015W/(m・K)以上0.050W/(m・K)以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の積層構造体。
  10. 吸水率が1g/100cm以上50g/100cm以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の積層構造体。
  11. 前記建築物を構成する部材上に、前記第1ウレタン発泡層及び第2ウレタン発泡層をこの順に備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の積層構造体。
  12. 建築物を構成する部材上に第1ウレタン発泡層を形成する工程と、
    前記第1ウレタン発泡層上に第2ウレタン発泡層を形成する工程とを含み、
    前記第1ウレタン発泡層の独立気泡率が85%以上であり、
    前記第2ウレタン発泡層の独立気泡率が30%以上70%以下である、積層構造体の製造方法。
JP2019211629A 2019-11-22 2019-11-22 積層構造体及び積層構造体の製造方法 Active JP7299826B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211629A JP7299826B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 積層構造体及び積層構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211629A JP7299826B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 積層構造体及び積層構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021079684A JP2021079684A (ja) 2021-05-27
JP7299826B2 true JP7299826B2 (ja) 2023-06-28

Family

ID=75963806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019211629A Active JP7299826B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 積層構造体及び積層構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7299826B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5437959B2 (ja) 2009-12-18 2014-03-12 株式会社東海理化電機製作所 通信端末位置判定装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5819024B2 (ja) * 1977-08-30 1983-04-15 アキレス株式会社 ウレタンフオ−ム積層断熱旋工法
JPS57203543A (en) * 1981-06-11 1982-12-13 Nhk Spring Co Ltd Joint material
JPH08177205A (ja) * 1994-12-22 1996-07-09 Ig Tech Res Inc 建築用パネル
JP2000054522A (ja) * 1998-08-06 2000-02-22 Bridgestone Corp 断熱材

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5437959B2 (ja) 2009-12-18 2014-03-12 株式会社東海理化電機製作所 通信端末位置判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021079684A (ja) 2021-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6748262B2 (ja) 難燃性ポリウレタン発泡体を現場で形成するための現場発泡システム
JP7007448B2 (ja) 難燃性硬質ポリウレタン発泡体
JP6963056B2 (ja) ポリウレタン組成物
JP2023068129A (ja) 混合液剤、ポリウレタン組成物、コーキングガン用カートリッジ容器、スプレー用耐圧容器及び混合システム
WO2021193871A1 (ja) ポリオール組成物、ポリウレタン組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2024023817A (ja) ポリオール組成物、発泡性ポリウレタン組成物及びポリウレタンフォーム
JP2017043779A (ja) 発泡性ポリウレタン組成物及びポリウレタン発泡体
JP7299826B2 (ja) 積層構造体及び積層構造体の製造方法
JP6979978B2 (ja) 区画構造、及びその施工方法
JP2021119254A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物及びポリウレタン発泡体
JP2018090721A (ja) 難燃性ウレタン樹脂組成物
JP7393191B2 (ja) 積層構造体
JP7431606B2 (ja) 難燃材料充填建材の製造方法
JP2018062659A (ja) 現場吹き付け用発泡性ポリウレタン組成物
JP7453795B2 (ja) 区画構造
JP2023119874A (ja) 区画構造及び区画構造の施工方法
JP2023119873A (ja) 区画構造及び区画構造の施工方法
JP7479852B2 (ja) ウレタン充填構造
JP2022049497A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP2022042289A (ja) 建築用吹付け断熱材
JP2022064217A (ja) ウレタン発泡体及びウレタン発泡体の製造方法
JP2022030316A (ja) ポリウレタンフォーム及びその製造方法
JP2022077922A (ja) ポリオール組成物とフィラーのセット、発泡性ポリウレタン組成物、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP2023081760A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ウレタン樹脂組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2022123400A (ja) 吹付用ポリオール含有組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220822

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230616

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7299826

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151