JP2023119874A - 区画構造及び区画構造の施工方法 - Google Patents

区画構造及び区画構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】型枠材が使用される区画構造において、リブの内部の隙間、及び、リブに起因する区画材との隙間ができずに耐火性及び密閉性が良好である区画構造及び区画構造の施工方法を提供する。
【解決手段】本発明の区画構造10は、フラット部11F、及び、フラット部11Fの一方の面11Dに突設され、内部に空洞がある複数のリブ12を有する型枠材11と、型枠材11の一方の面11D側に配置される区画材20と、リブ12内部に充填される難燃材料30と、フラット部11F、及び、リブ12の外面と区画材20との隙間を充填する耐火材40とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、型枠材が使用される区画構造及び区画構造の施工方法に関する。
従来、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートなどの建築構造物において、コンクリートを打設するために型枠材を使用することがある(例えば、特許文献1参照)。型枠材は、例えば天井面又は床の下地を構成し、石膏ボードなどの区画材が突き合わされて、区画材とともに区画構造を形成することがある。区画材は、一般的に横桟及び縦桟からなる支持枠体に取り付けられている。
型枠材は、それ自体の強度を得るために一方の面に内部に空洞を有するリブが突設されることがある。型枠材の一方の面にリブが突設されていることにより、支持枠体の上辺を構成する横桟との間や、区画材との間に、リブに起因する隙間が生じてしまう。つまり、型枠材が使用される区画構造においては、リブの内部の空洞による隙間、及び、リブに起因する区画材との隙間ができてしまうことがある。区画構造において、隙間が存在することによって、建築物に火災が発生した際に隙間が耐火性低下及び密閉性低下を引き起こし、延焼原因となってしまうことがある。
特開2017-110453号公報
そこで、本発明は、型枠材が使用される区画構造において、リブの内部の隙間、及び、リブに起因する区画材との隙間ができずに耐火性及び密閉性が良好である区画構造及び区画構造の施工方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]フラット部、及び、前記フラット部の一方の面に突設され、内部に空洞がある複数のリブを有する型枠材と、前記型枠材の前記一方の面側に配置される区画材と、前記リブ内部に充填される難燃材料と、前記フラット部、及び、前記リブの外面と前記区画材との隙間を充填する耐火材と、を備える区画構造。
[2]前記耐火材が、前記リブの底面と前記区画材の間の隙間を充填する、[1]に記載の区画構造。
[3]前記耐火材が、前記フラット部の下面と前記区画材の間の隙間を充填する、[1]又は[2]に記載の区画構造。
[4]前記耐火材が、耐火パテである、[1]~[3]のいずれかに記載の区画構造。
[5]前記耐火材が、耐火性繊維材料である、[1]~[3]のいずれかに記載の区画構造。
[6]前記耐火材が、難燃性発泡体である、[1]~[3]のいずれかに記載の区画構造。
[7]前記区画材の端面に複数の切り欠きが設けられ、前記切り欠きの内部に前記リブが配置される、[1]~[6]のいずれかに記載の区画構造。
[8]前記区画材が、石膏ボード、押出成形セメント板、軽量気泡コンクリート、プレキャストコンクリート板及びガラス繊維強化コンクリート板からなる群から選択される1種である、[1]~[7]のいずれかに記載の区画構造。
[9]前記難燃材料が、難燃剤を含有するウレタンフォームである、[1]~[8]のいずれかに記載の区画構造。
[10]前記難燃剤が、赤リンを含む、[9]に記載の区画構造。
[11]前記難燃剤が、さらにリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[9]又は[10]に記載の区画構造。
[12]フラット部、及び、前記フラット部の一方の面に突設され、内部に空洞がある複数のリブを有し、かつ前記リブの内部に難燃材料が充填された型枠材を、建築構造物に敷設する工程と、前記型枠材の前記リブが設けられた前記一方の面に区画材を配置する工程と、前記フラット部、及び、前記リブの外面と前記区画材との隙間を耐火材で充填する工程と、を含む区画構造の施工方法。
本発明によれば、型枠材が使用される区画構造において、リブの内部の隙間、及び、リブに起因する区画材との隙間ができずに耐火性及び密閉性が良好である区画構造及び区画構造の施工方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る区画構造において、型枠材と、区画材との配置構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る区画構造を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る区画構造において、型枠材と、区画材との配置構成を示す断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る区画構造において、型枠材と、区画材との配置構成を示す断面図である。
(第1の実施形態)
[区画構造]
本発明の第1の実施形態に係る区画構造10は、図1に示すように、型枠材11と、区画材20と、難燃材料30と、耐火材40とを備える。
型枠材11は、上面11Uが平坦面、又は平坦面に微小な凹凸が形成されたフラット部11Fを有し、フラット部11Fの下面11Dに、複数のリブ12が突設されている。型枠材11は、典型的にはフラットデッキである。各リブ12は、内部に空洞がある突条であり、長手方向に沿って延在して配置され、長手方向における両端部12A,12Bは圧潰されて閉塞される場合もある。なお、型枠材11は、例えば、鋼板などの金属板やその他の材料をロール成形やプレス成形などすることで得ることができる。型枠材11のリブ12の断面形状は、図1においては、側面12S及び底面12Dからなる三角形であるが、内部に空洞が形成される限り特に限定されず、四角形、円形、楕円形などの他の形状でもよい。
型枠材11は、上述のように、リブ12の形状を種々のものとすることができることもあり、リブ12の底面12Dに接触するように固定させても、リブ12の設計誤差又は製造誤差などにより、リブ12の底面12Dと区画材20の間には隙間が生じることがある。本発明においては、リブ12の底面12Dと区画材20の間に生じた隙間は耐火材40によって充填される。
型枠材11は、建築構造物などに敷設され、床構造、屋根構造などを形成するために使用される。型枠材11は、図2に示すように、例えば、長手方向における両端部それぞれが梁などの支持材14、14に載せられて、支持材14、14間に架設されることで、床構造、屋根構造などを構成する。型枠材11は、例えば、フラット部11Fの上面11U上にコンクリート(図示しない)が打設される。
区画材20を構成する面材は、建築構造物における区画を形成するための部材である。面材としては、例えば、石膏ボード、押出成形セメント板、軽量気泡コンクリート(ALC)板、プレキャストコンクリート(PC)板、ガラス繊維強化コンクリート(GRC)板、軽量木毛セメント板、木片セメント板、金属サンドイッチパネル、ケイ酸カルシウム板、スレート板、コンクリート、レンガ、ガラス及び金属板(例えば、アルミニウム、鉄)等が挙げられる。中でも、耐火性及び施工性の観点から、石膏ボード、押出成形セメント板、軽量気泡コンクリート、プレキャストコンクリート板及びガラス繊維強化コンクリート板からなる群から選択される1種であることが好ましく、石膏ボードがより好ましい。
本実施形態においては、図2に示すように、面材21、21よりなる区画材20を示す。面材21、21は、建築構造物における壁25を構成することができる。壁25には、建築構造物に据え付けられた支持枠体26が設けられる。支持枠体26は、例えば、水平方向に延在する横桟と、鉛直方向に延在する縦桟よりなる枠状部材であり、その支持枠体26の両面に面材21、21がビスなどの固定部材により固定される。
区画材20の種類に応じて、支持枠体26は適宜省略してもよいし、他の支持体を代わりに使用してもよい。また、区画材20は、支持枠体26への固定が省略され、リブ12の底面12Dに固定されてもよいし、支持枠体26が省略され、リブ12の底面12Dにのみ固定されてもよい。
区画材20は、リブ12の底面12Dに接触させるように、支持枠体26などの支持体に固定させてもよいが、図1に示すように、隙間が生じるように接触させずに固定させてもよい。
型枠材11のリブ12内部の空洞には、難燃材料30として、難燃剤を含有するウレタンフォームが充填される。ウレタンフォームは、例えば、リブ12の側面などに設けられた注入口13より液状のウレタン樹脂組成物を注入して、リブ12の内部で硬化かつ発泡させて形成させるとよい。
ウレタンフォームに含まれるウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合させ反応させることで得られる反応生成物である。ウレタン樹脂組成物は、リブ12の内部に容易に注入でき、かつリブ12の内部において隙間なく充填できるように、各種成分を混合して作製した直後においては常温(23℃)で液状である。
リブ12の内部にウレタン樹脂組成物を注入する方法は、特に限定されないが、ポリオール液剤とイソシアネート液剤とを、リブ12の内部に注入する前に混合して混合物を得て、その混合物をリブ12の内部に注入してもよいし、ポリオール液剤とイソシアネート液剤を、リブ12の内部に別々で注入して、リブ12の内部で混合してもよい。
具体的には、特に限定されないが、イソシアネート液剤と、ポリオール液剤とを2つの容器に別々に収容して、それらをコーキングガンなどにて混合して、その混合物をコーキングガンから吐出させリブ内部に注入するとよい。
ウレタン樹脂組成物は、各成分を混合すると反応が開始し、時間の経過と共に粘度が上昇し、硬化及び発泡が進行し、流動性を失い、ポリウレタンフォームとなる。ウレタン樹脂組成物は、通常、常温付近(例えば、10~40℃程度)に放置することで硬化及び発泡をさせるとよいが、必要に応じて、加熱等してもよい。
ウレタンフォームに含有される難燃剤は、赤リンを含むことが好ましく、赤リンに加えて、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。ウレタンフォームは、これら難燃剤を含有することで、不燃性を付与することができる。
ウレタンフォームに使用される難燃剤は、不燃性、取り扱い性などの観点から、赤リンとリン酸エステルを含むことがさらに好ましい。また、難燃剤は、赤リンとリン酸エステルと、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物から選ばれる少なくとも1種とからなるものも好ましい。
上記難燃剤の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記の(a)~(n)のいずれか等が挙げられ、これらの中では赤リンとリン酸エステルとを少なくとも含む組み合わせが好ましい。
(a)赤リンおよびリン酸エステル
(b)赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤
(c)赤リンおよび臭素含有難燃剤
(d)赤リンおよびホウ素含有難燃剤
(e)赤リンおよびアンチモン含有難燃剤
(f)赤リンおよび金属水酸化物
(g)赤リン、リン酸エステルおよびリン酸塩含有難燃剤
(h)赤リン、リン酸エステルおよび臭素含有難燃剤
(i)赤リン、リン酸エステルおよびホウ素含有難燃剤
(j)赤リン、リン酸塩含有難燃剤および臭素含有難燃剤
(k)赤リン、リン酸塩含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
(l)赤リン、臭素含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
(m)赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤および臭素含有難燃剤
(n)赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
耐火材40は、図1に示すように、フラット部11Fの下面11D、及び、リブ12の外面(側面12S、底面12D)と区画材20との隙間を充填する。
型枠材11を区画材20に配置した場合、一般的に、リブ12の高さのばらつき、リブ12の変形、区画材20の型枠材11を配置する面のばらつき等により、型枠材11と区画材20との間には隙間が生じる。耐火材40は、型枠材11を区画材20に配置することで生じる型枠材11と区画材20との間の隙間、特に、リブ12に起因するリブ12の底面12Dと区画材20との隙間を充填することで、火災等により生じる炎および煙等に対するシーリング性を発揮し、区画構造10における耐火性及び密閉性を確保する。
耐火材40は、防火性を高める観点から、耐火材料であるとよい。耐火材料は、建築基準法及び建築基準法施行令において定められる難燃材料相当の性能を示す材料(以下、「難燃材料」という。)のことを意味するが、準不燃材料相当の性能を示す材料(以下、「準不燃材料」という。)であることが好ましく、不燃材料相当の性能を示す材料(以下、「不燃材料」という。)であることがより好ましい。難燃材料相当の性能とは、ISO5660-1に準拠し、コーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものをいう。また、準不燃材料相当の性能とは、同様にして10分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものをいう。また、不燃材料相当の性能とは、同様にして20分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものをいう。
耐火材40としては、無機系耐火材、有機系耐火材が挙げられ、具体的には、耐火パテ、耐火性繊維材料及び難燃性発泡体等が挙げられる。
耐火パテとしては、無機系であってもよく、有機系であってもよく、公知の熱膨張性又は非熱膨張性の粘土状の耐火材を用いることができる。また、有機バインダーに熱膨張性材料や、難燃剤などを含有させたものであってもよい。
耐火性繊維材料としては、ロックウール及びグラスウール等が挙げられる。
難燃性発泡体としては、例えば、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム、PVCフォーム及びポリエチレンフォーム等のポリオレフィンフォームが挙げられ、好ましくはウレタンフォームである。なお、難燃性発泡体としてのウレタンフォームは、リブ12の内部を充填するウレタンフォームと同じものを用いることができる。
<ウレタンフォーム>
本発明の区画構造10で難燃材料30として採用するウレタンフォームについてより詳細に説明する。
ウレタンフォームの密度は、特に限定されないが、20~200kg/mの範囲であることが好ましい。密度を200kg/m以下とすることで、ウレタンフォームが軽量となり、リブ12の内部にウレタンフォームが充填された型枠材11を建築物に施工しやすくなる。また、20kg/m以上とすることで、所望の難燃性、不燃性を発現しやすくなる。これら観点から、ウレタンフォームの密度は、25~100kg/mの範囲であることがより好ましく、30~80kg/mの範囲であることがさらに好ましい。ウレタンフォームの密度は、JIS K7222に準拠して測定できる。
ウレタンフォームは、難燃性、準不燃性、不燃性の少なくともいずれかを付与することもできる。より具体的には、ウレタンフォームは、ISO5660-1の試験方法により準拠して、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものが好ましく使用される。より好ましくは、10分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものが使用され、20分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものがさらに好ましく使用される。
ウレタンフォームを形成するウレタン樹脂組成物は、一般的にポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含有するものである。
ウレタンフォームは、フィラーを含有するウレタン樹脂組成物により形成されることが好ましく、フィラーを含有することでフィラーの有する特性をウレタンフォームに付与することができる。例えば、難燃性を有するフィラーを含有させることで、ウレタンフォームは、難燃性を向上させることができる。
《ポリイソシアネート化合物》
ウレタンフォームに使用するポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDIなどが好ましい。
《ポリオール化合物》
ポリオール化合物としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。また、ヒマシ油などのヒドロキシカルボン酸も使用できる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε-カプロラクトン、α-メチル-ε-カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6-ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記した芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
変性ポリオールに使用する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四~八価のアルコール、フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1-ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8-テトラヒドロキシアントラセン、1-ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体又は共重合体、及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2~100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2~6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2-プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3-プロピレオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2-ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
ポリエーテルポリオールにおいて使用する活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
上記ポリオール化合物は、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールから選択される少なくとも1種を使用することが好ましく、ポリエステルポリオールがより好ましい。その中でも分子量200~800のポリエステルポリオールを用いることが好ましく、分子量300~500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
なお、ウレタン樹脂組成物は、水酸基を1つのみ有するモノオール化合物を含有してもよい。モノオール化合物としては、3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロパン-1-オールなどが挙げられる。
ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスは、120~1,000の範囲であることが好ましく、200~800の範囲であればより好ましく、300~600の範囲であればさらに好ましい。イソシアネートインデックスが120以上となると、イソシアネート基が水酸基より過剰となり、三量化されやすくなる。また、300以上とすると不燃性を付与しやすくなる。また、1,000以下となると、不燃性と製造コストとのバランスが良好になる。なお、イソシアネートインデックスは、従来公知の方法により計算できる。
《フィラー》
ウレタンフォームに含有するフィラーは、ウレタン樹脂組成物において固体分として含まれるものであり、一般的にウレタン樹脂組成物において粒状、粉状として存在する成分である。
ウレタンフォームに含有するフィラーは、固形難燃剤であることが好ましい。本発明では、固形難燃剤を使用することで、ウレタンフォームの難燃性を効果的に高めることができる。また、固形難燃剤は、通常、粉体成分としてポリオール液剤、ウレタン樹脂組成物などに分散した状態にある。なお、固形難燃剤は、常温(23℃)、常圧(1気圧)において、固体となる難燃剤である。
固形難燃剤の具体例としては、赤燐系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、塩素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、金属水酸化物、及び針状フィラーが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
〈赤燐系難燃剤〉
赤燐系難燃剤は、赤燐単体からなるものでもよいが、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物などを被膜したものでもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物などと混合したものでもよい。赤燐を被膜し、または赤燐と混合する樹脂は、特に限定されないがフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、及びシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。被膜ないし混合する化合物としては、難燃性の観点から、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物は、後述するものを適宜選択して使用するとよい。
〈リン酸塩含有難燃剤〉
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族~IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、環中に窒素を含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩が挙げられる。
リン酸としては、は特に限定されないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
周期律表IA族~IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、アニリン、o-トリイジン、2,4,6-トリメチルアニリン、アニシジン、3-(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。環中に窒素を含む複素環式化合物として、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。ここで、ポリリン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。リン酸塩含有難燃剤は、上記したものから一種もしくは二種以上を使用することができる。
〈臭素含有難燃剤〉
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有し、常温、常圧で固体となる化合物であれば特に限定されないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等が挙げられる。
臭素化芳香環含有芳香族化合物としては、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物が挙げられる。
また、臭素化芳香環含有芳香族化合物は、臭素化合物ポリマーであってもよい。具体的には、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、このポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物などが挙げられる。さらには、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテルと臭素化ビスフェノールAと塩化シアヌールとの臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(-メチルスチレン)等が挙げられる。
また、ヘキサブロモシクロドデカンなどの臭素化芳香環含有芳香族化合物以外の化合物であってもよい。
これら臭素含有難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
〈塩素含有難燃剤〉
塩素含有難燃剤は、難燃性樹脂組成物に通常用いられるものが挙げられ、例えば、ポリ塩化ナフタレン、クロレンド酸、「デクロランプラス」の商品名で販売されるドデカクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオクテンなどが挙げられる。
〈アンチモン含有難燃剤〉
アンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
〈ホウ素含有難燃剤〉
ホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
ホウ素含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛がより好ましい。
〈金属水酸化物〉
金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ、タルク等が挙げられる。これらのなかでは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、タルクが好ましい。金属水酸化物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
〈針状フィラー〉
針状フィラーとしては、例えば、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、珪素含有ウィスカー、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、ベーマイト、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、スラグ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、ステンレス繊維などが挙げられる。これらの中では、ウォラストナイトが好ましい。針状フィラーのアスペクト比(長さ/直径)の範囲は、5~50の範囲であることが好ましく、10~40の範囲であればより好ましい。
〈無機充填材〉
ウレタンフォームに含有するフィラーとして、上記した固形難燃剤以外の無機充填材を含有してもよい。無機充填材を含有することでウレタンフォームの機械強度を向上させるなど、ウレタンフォームに種々の機能を付与できる。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、各種磁性粉、フライアッシュ等が挙げられる。
無機充填材は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。また、無機充填材は、上記した固形難燃剤と併用してもよいが、必ずしも併用する必要もない。
〈フィラーの含有量〉
本発明では、ウレタンフォーム(すなわち、ウレタン樹脂組成物)におけるフィラーの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、4質量部以上であることが好ましく、6質量部以上であることがより好ましく、12質量部以上であることがさらに好ましい。フィラーの含有量をこれら下限値以上とすることで、難燃性、機械強度などのフィラーの種類に応じた各種性能をウレタンフォームに付与しやすくなる。
また、フィラーの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることがさらに好ましい。フィラーの含有量をこれら上限値以上とすることで、ウレタン樹脂組成物の粘度が適切になり、吹き付けなどによりウレタンフォームを形成しやすくなる。
なお、ウレタンフォームは、ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール成分とポリイソシアネート成分とが反応することで形成される。よって、本明細書のウレタン樹脂組成物における「ウレタン樹脂100質量部」とは、ウレタン樹脂組成物におけるポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計量100質量部を意味する。ただし、ウレタン樹脂組成物にポリオール成分とポリイソシアネート成分とを予め反応したプレポリマー、及び、モノオール成分の少なくとも1種が含まれる場合には、ウレタン樹脂100質量部とは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とプレポリマーとモノオール成分の合計量を100質量部とする。
また、ウレタンフォームにおけるフィラーは、上記のとおり、難燃性を付与する観点から、固形難燃剤が好ましく、固形難燃剤はフィラーとして単独で使用してもよいし、無機充填材などの他のフィラーと併用してもよい。難燃性を向上させる観点から、固形難燃剤は、フィラー全量に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85~100質量%であることがさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。
《液状難燃剤》
ウレタンフォーム(すなわち、ウレタン樹脂組成物)は、液状難燃剤をさらに含有することが好ましい。液状難燃剤を使用すると、ウレタン樹脂組成物の粘度をそれほど大きくすることなく、ウレタンフォームの難燃性を向上できる。また、液状難燃剤は上記した固形難燃剤と併用することがより好ましい。なお、液状難燃剤は、常温、常圧にて液体となる難燃剤である。液状難燃剤の具体例としては、リン酸エステルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用できる。モノリン酸エステルとは、分子中にリン原子を1つ有するリン酸エステルである。モノリン酸エステルとしては、常温、常圧で液体のものであれば限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有リン酸エステル、トリブトキシエチルホスフェートなどのトリアルコキシホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどの芳香環含有リン酸エステル、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェートなどの酸性リン酸エステル等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ビスフェノールAポリフェニルホスフェートなどの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
縮合リン酸エステルの市販品としては、例えば、大八化学工業株式会社製の「CR-733S」、「CR-741」、「CR747」、ADEKA社製の「アデカスタブPFR」、「FP-600」等が挙げられる。
液状難燃剤は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以を併用してもよい。これらの中でも、ウレタン樹脂組成物の粘度を適切にしやすくする観点、及びウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、モノリン酸エステルが好ましく、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートなどのハロゲン含有リン酸エステルがより好ましい。
ウレタンフォーム(すなわち、ウレタン樹脂組成物)における液状難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1~40質量部であることが好ましく、2~30質量部であることがより好ましく、4~20質量部であることがさらに好ましい。液状難燃剤の配合量をこれら下限値以上とすることで、液状難燃剤を含有させる効果を発揮しやすくなる。また、上限値以下とすることで、液状難燃剤によって、ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害さたりすることもない。
ウレタンフォームは、上記したとおり、ウレタン樹脂組成物を硬化し発泡して形成される。ウレタン樹脂組成物は、上記したとおり、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とフィラー含むが、一般的にはさらに、触媒、発泡剤などを含む。
《触媒》
本発明のウレタン樹脂組成物は、触媒として、例えば三量化触媒、樹脂化触媒、又はこの両方を含有するとよいが、両方を含有することが好ましい。
三量化触媒は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する触媒である。三量化触媒を使用することで、ウレタンフォームの難燃性がより一層向上する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の窒素含有芳香族化合物、酢酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩、トリエチルモノメチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用できる。アンモニウム塩としては、2,2-ジメチルプロパン酸などカルボン酸のアンモニウム塩が挙げられ、より具体的にはカルボン酸4級アンモニウム塩が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、カルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸4級アンモニウム塩から選択される1種又は2種以上が好ましく、これら両方を使用する態様も好ましい。
三量化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6~10質量部であることが好ましく、0.8~8質量部であることがより好ましく、1.0~6質量部であることがさらに好ましい。これら下限値以上とすると、イソシアネートの三量化が適切に進行し難燃性が付与しやすくなる。また、上限値以下とすると、適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
樹脂化触媒は、ポリオール化合物とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、ピペラジン化合物などのアミン系触媒、金属系触媒などが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール環の1位の第2級アミンをアルキル基、アルケニル基などで置換し3級アミンが挙げられる。具体的には、N-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-2-エチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾール、及び1-イソブチル-2-メチルイミダゾールなどが挙げられる。また、イミダゾール環中の第2級アミンをシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物などでもよい。
また、ピペラジン化合物として、N-メチル-N’N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジンなどの3級アミンが挙げられる。
また、樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、ピペラジン化合物以外にも、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリプロピルアミン等の各種の3級アミンなどが挙げられる。
金属系触媒としては、鉛、錫、ビスマス、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルなどからなる金属塩が挙げられ、好ましくは鉛、錫、ビスマス、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルなどからなる有機酸金属塩である。より好ましくはジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫バーサテート、ビスマストリオクテート、ビスマストリス(2-エチルへキサノエート)、ジオクチル酸スズ、ジオクチル酸鉛などが挙げられ、中でも有機酸ビスマス塩がさらに好ましい。
樹脂化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6~10質量部であることが好ましく、0.8~8質量部であることがより好ましく、1.0~6質量部であることがさらに好ましい。樹脂化触媒の配合量がこれら下限値以上であるとウレタン結合が形成しやすくなり、反応が速やかに進行する。一方、これら上限値以下であると、反応速度が制御しやすくなる。
《発泡剤》
ウレタン樹脂組成物に含有される発泡剤は、ウレタン樹脂を発泡させる。発泡剤の具体例としては、例えば、水、有機系物理発泡剤、無機系物理発泡剤等が挙げられる。
有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物などが挙げられる。
また、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィンも挙げられる。ハイドロフルオロカーボンとしては、例えば炭素数1~4の化合物が挙げられ、CHF、CH、CHF等のフルオロアルカンでもよいし、塩素原子を有するハイドロクロロフルオロカーボン化合物でもよい。ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)などのジクロロモノフルオロエタン、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン)などのモノクロロジフルオロエタン、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、炭素数が3~6個程度であるフルオロアルケンなどを挙げることができる。ハイドロフルオロオレフィンは塩素原子を有するハイドロクロロフルオロオレフィンであってもよく、したがって、炭素数が3~6個程度であるクロロフルオロアルケンなどであってもよい。
より具体的には、トリフルオロプロペン、HFO-1234などのテトラフルオロプロペン、HFO-1225などのペンタフルオロプロペン、HFO-1233などのクロロトリフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、及びクロロテトラフルオロプロペンなどが挙げられる。更に具体的には、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yez)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd)、及び1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzzZ)などが挙げられる。
また、無機系物理発泡剤としては、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
これらのなかでは、発泡性、取扱い性などの観点から、水、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィンが好ましく、環境負荷が小さく、かつ発泡性も良好である点から、ハイドロフルオロオレフィン、水がより好ましく、ハイドロフルオロオレフィンがさらに好ましい。また、水とハイドロフルオロカーボン、又は水とハイドロフルオロオレフィンを併用することも好ましい。
ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部であることが好ましく、0.5~20質量部であることがより好ましく、1~15質量部であることがさらに好ましい。発泡剤の含有量を上記下限値以上とすると、発泡が促進され、得られるウレタンフォームの密度を低減することができる。また、上記上限値以下とすると、発泡体が破泡せず、発泡体が形成されないことなどを防ぐことができる。
《整泡剤》
ウレタン樹脂組成物は、さらに整泡剤を含有することが好ましい。ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤は、ウレタン樹脂組成物の発泡性を向上させるものであって、発泡安定性が高いものが好ましい。発泡安定性が高い整泡剤を用いることによって、独立気泡率の高いウレタン発泡体を得ることができる。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
これらの中では、シリコーン系整泡剤が好ましい。シリコーン系整泡剤としては、例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの重合体であるポリオキシアルキレングリコールとポリジメチルシロキサンとのグラフト共重合体が挙げられる。また、ポリジメチルシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体の化学構造をもつものも使用できる。
ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤の市販品としては、東レ・ダウコーニング社製の「SH-193」、「SZ-1671」及び「SZ-1642」等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂に対する整泡剤の配合量は、例えば、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部であることが好ましく、0.3~3質量部であることがより好ましく、0.5~2質量部であることがさらに好ましい。
樹脂化触媒、三量化触媒、発泡剤及び整泡剤はそれぞれ一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
さらにウレタン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、沈降防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、粘着付与樹脂等の添加剤を含むことができる。
ウレタン樹脂組成物は、2液硬化型であることが好ましく、ウレタンフォーム形成前においては、1液と2液に分割しておくとよい。2液硬化型を使用することで発泡性が良好となり独立気泡率を高くしやすくなる。具体的には、ポリオール化合物を含むポリオール液剤(1液)と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液剤(2液)に分割しておくとよい。この際、ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分は、適宜、ポリオール液剤又はイソシアネート液剤のいずれかに配合しておくとよいが、好ましくはポリオール液剤に配合する。ポリオール化合物は、反応性が低く、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分と混合させても、副反応が生じにくいためである。
ウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物を含む1液と、ポリオール化合物を含む2液とを別の収納室に収納して、各収納室から供給された1液と2液とを、混合部などで混合させることで反応が開始し、時間の経過と共に粘度が上昇し、硬化及び発泡が進行し、流動性を失い、ウレタンフォームとなる。各収納室は、別々の容器に設けられてもよいし、1つの容器内に2つの収納室が設けられてもよい。
ウレタン樹脂組成物は、通常、常温付近(例えば、10~40℃程度)に放置することで硬化及び発泡をさせるとよいが、必要に応じて、加熱等してもよい。
[区画構造の施工方法]
本実施形態に係る区画構造の施工方法は、以下の工程(A)~(C)を含む。
(A)フラット部、及び、フラット部の一方の面に突設され、内部に空洞がある複数のリブを有し、かつリブの内部に難燃剤を含有するウレタンフォームが充填された型枠材を、建築構造物に敷設する工程
(B)型枠材のリブが設けられた一方の面に区画材を配置する工程
(C)フラット部、及び、リブの外面と区画材との隙間を耐火材で充填する工程
本実施形態においては、工程(A)として、まず、リブ12の内部に難燃材料30としてウレタンフォームが充填された型枠材11を用意する。具体的には、例えば公知の方法で型枠材11を作製し、その型枠材11のリブ12に注入口13を形成し、その注入口13より液状のウレタン樹脂組成物をリブ12の内部の空洞に注入し、ウレタン樹脂組成物を内部で発泡及び硬化させるとよい。
そして、リブ12の内部にウレタンフォームが充填された型枠材11は、建築構造物に敷設する。例えば、型枠材11は、図2に示すように、梁などの支持材14、14の間に架け渡して敷設するとよい。
工程(B)として、区画材20を、型枠材11のリブ12が設けられた一方の面に配置させる。具体的には、面材21を、その上端面21Uが型枠材11のリブ12の底面12Dと対向するように配置する。そして、その状態で、建築構造物の内部に据え付けられた支持枠体26に面材21をビスなどの固定部材により取り付けるとよい。
工程(C)として、フラット部11Fの下面11D、及び、リブ12の外面(側面12S、底面12D)と面材21(区画材20)との隙間23を耐火材40で充填することで、図1及び図2に示すような区画構造10が得られる。
なお、耐火材40が耐火パテである場合は、フラット部11Fの下面11D、リブの外面(側面12S、底面12D)、及び、区画材20の少なくともいずれかに、隙間23を充填させる適量の耐火パテを設けた後に、区画材20を、型枠材11のリブ12が設けられた一方の面に近接するように配置することで、耐火パテが押し広げられ、隙間23を耐火材40で充填させることができる。また、耐火材40が耐火性繊維材料又は難燃性発泡体である場合は、型枠材11のリブ12が設けられた一方の面に配置された後に、形成された隙間23に耐火性繊維材料又は難燃性発泡体を充填させることで、隙間23を耐火材40で充填させることができる。
以上のように、本実施形態においては、型枠材11が使用される区画構造10において、リブ12の内部の隙間が難燃材料30としてのウレタンフォームで充填され、かつ、リブ12に起因する区画材20との隙間23が耐火材40で充填されることで、耐火性及び密閉性を良好にすることができる。
また、本実施形態においては、リブ12の外面と区画材20の上端面21Uとの隙間23を耐火材40で充填するので、リブ12の外面(特に、底面12D)と区画材20の上端面21Uとの形状が不一致であっても密閉性を良好にすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と相違する点は、図3に示すように、面材21(区画材20)の上端面21Uに複数の切り欠き22が設けられており、切り欠き22のそれぞれの内部にリブ12が配置される構成である点である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。また、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
面材21は、図3に示すように、上端面21Uに複数の切り欠き22が設けられており、切り欠き22のそれぞれの内部にリブ12が配置されるように、上端面21Uが、型枠材11の一方の面を構成する下面11Dに突き合わされる。
そして、型枠材11のリブ12の外面(側面12S、底面12D)と切り欠き22の間には、隙間23が設けられ、その隙間23は耐火材40によって充填される。
なお、リブ12の側面12Sと底面12Dからなる頂点は、図3に示すように、切り欠き22と接する構成であってもよいが、切り欠き22と接していない構成であってもよい。リブ12の側面12Sと底面12Dからなる頂点が切り欠き22と接していない構成である場合は、リブ12の側面12Sと底面12Dからなる頂点と切り欠き22との隙間は、耐火材40で充填するとよい。
以上のように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、区画材20の端面21Uに複数の切り欠き22が設けられ、切り欠き22の内部にリブ12が配置されることで、リブ12に起因する区画材20との隙間23を狭くすることができ、耐火材40の使用量を抑制し、かつ、耐火材40での充填施工が容易となる。
(その他の実施形態)
本発明は、以上の実施形態の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない限りいかなる改良、変更を行ってもよい。
例えば、第2の実施形態においては、面材21(区画材20)上端面21Uが、型枠材11の一方の面を構成する下面11Dに突き合わされていたが、図4に示すように、上端面21Uと下面11Dとは耐火材40を介して配置される形態であってもよい。当該形態においては、型枠材11の一方の面を構成する下面11Dと区画材20の上端面21Uとの隙間23を耐火材40で充填するので、型枠材11の一方の面を構成する下面11Dと区画材20の上端面21Uとの形状が不一致であっても密閉性を良好にすることができる。
なお、リブ12の側面12Sと底面12Dからなる頂点は、図4に示すように、切り欠き22と接する構成であってもよいが、切り欠き22と接していない構成であってもよい。リブ12の側面12Sと底面12Dからなる頂点が切り欠き22と接していない構成である場合は、リブ12の側面12Sと底面12Dからなる頂点と切り欠き22との隙間は、耐火材40で充填するとよい。
また、第1及び第2の実施形態において、耐火材40は、耐火パテ、耐火性繊維材料及び難燃性発泡体等を単独で用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
10 区画構造
11 型枠材
11F フラット部
11D 下面(一方の面)
11U 上面
12 リブ
13 注入口
14 支持材
20 区画材
21 石膏ボード
21U 上端面
22 切り欠き
23 隙間
25 壁
26 支持枠体
30 難燃材料
40 耐火材

Claims (12)

  1. フラット部、及び、前記フラット部の一方の面に突設され、内部に空洞がある複数のリブを有する型枠材と、
    前記型枠材の前記一方の面側に配置される区画材と、
    前記リブ内部に充填される難燃材料と、
    前記フラット部、及び、前記リブの外面と前記区画材との隙間を充填する耐火材と、を備える区画構造。
  2. 前記耐火材が、前記リブの底面と前記区画材の間の隙間を充填する、請求項1に記載の区画構造。
  3. 前記耐火材が、前記フラット部の下面と前記区画材の間の隙間を充填する、請求項1又は2に記載の区画構造。
  4. 前記耐火材が、耐火パテである、請求項1~3のいずれか1項に記載の区画構造。
  5. 前記耐火材が、耐火性繊維材料である、請求項1~3のいずれか1項に記載の区画構造。
  6. 前記耐火材が、難燃性発泡体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の区画構造。
  7. 前記区画材の端面に複数の切り欠きが設けられ、前記切り欠きの内部に前記リブが配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の区画構造。
  8. 前記区画材が、石膏ボード、押出成形セメント板、軽量気泡コンクリート、プレキャストコンクリート板及びガラス繊維強化コンクリート板からなる群から選択される1種である、請求項1~7のいずれか1項に記載の区画構造。
  9. 前記難燃材料が、難燃剤を含有するウレタンフォームである、請求項1~8のいずれか1項に記載の区画構造。
  10. 前記難燃剤が、赤リンを含む、請求項9に記載の区画構造。
  11. 前記難燃剤が、さらにリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項9又は10に記載の区画構造。
  12. フラット部、及び、前記フラット部の一方の面に突設され、内部に空洞がある複数のリブを有し、かつ前記リブの内部に難燃材料が充填された型枠材を、建築構造物に敷設する工程と、
    前記型枠材の前記リブが設けられた前記一方の面に区画材を配置する工程と、
    前記フラット部、及び、前記リブの外面と前記区画材との隙間を耐火材で充填する工程と、を含む区画構造の施工方法。
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