JP2018103451A - ハニカム構造体 - Google Patents

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悠 名嘉眞
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俊隆 吉武
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倫男 島本
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Abstract

【課題】難燃性、断熱性、強度に優れたハニカム構造体を提供すること。【解決手段】ハニカム構造体100は、ハニカム体2と、ハニカム体2のセル内の少なくとも一部に充填された充填物20とからなるハニカム芯材10と、外装材1とを備え、外装材1およびハニカム体2の少なくとも一方が金属材料からなり、充填物20が、難燃剤を含む難燃性ウレタン樹脂組成物であり、前記難燃性ウレタン樹脂組成物が、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂を含み、難燃剤が、赤リン、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも1つである。【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性、断熱性、強度に優れたハニカム構造体に関する。
従来から、建築物や航空機等の構造物の天井材、側壁等の補強及び断熱を目的として、ハニカム構造体や樹脂ボードなどが使用されている。
ハニカム体を金属材料等の剛性のある外装材でサンドイッチしたハニカム構造体は、軽量性、剛性等の特性が良好であることが知られている。例えば、特許文献1にはハニカムサンドイッチ構造体がドアや間仕切り等の建築材料の内装又は外装パネルや航空機、鉄道車両、自動車、船舶等の構造用材料として広く使用されていることが開示されている。
例えば、特許文献2には、これら構造体の諸特性のうち、吸音性や断熱性、難燃性を向上させるために、ハニカム体のセル内に、有機発泡体の充填物を充填したハニカム芯材が開示されている。
また、断熱性に優れるウレタン樹脂組成物をボードとして使用する事も可能であり、例えば、特許文献3には、ウレタンフォームの製造方法が開示されている。
特公平8−23004号 特開2008−36891号 特開平9−169863号
特許文献1に開示されているハニカム芯材はアルミニウムであるため、強度はあるが断熱性が低いという問題があった。特許文献2に開示されているハニカム体はペーパーハニカムであるため金属材料からなるハニカム体を使用した場合と比較して難燃性が不十分という問題があった。
また、特許文献3に開示されているウレタンフォームを単体でボードにした時に断熱性はあるが、難燃性が不充分という問題があった。
本発明の目的は、難燃性、断熱性、強度に優れたハニカム構造体を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、外装材と、ハニカム体と、そのセル内の少なくとも一部に充填された充填物とからなるハニカム芯材であって、前記外装材およびハニカム体の少なくとも一方が金属材料からなり、前記充填物が、難燃剤を含むウレタン樹脂組成物であり、前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂を含み、前記難燃剤が、赤リン、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、ハニカム構造体が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]ハニカム体と、ハニカム体のセル内の少なくとも一部に充填された充填物とからなるハニカム芯材と、外装材とを備え、前記外装材およびハニカム体の少なくとも一方が金属材料からなり、前記充填物が、難燃剤を含むウレタン樹脂組成物であり、前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂を含み、前記難燃剤が、赤リン、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、ハニカム構造体を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リンに加えて、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つを含み、前記赤リンが、前記ウレタン樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲であることを特徴とする、上記[1]に記載のハニカム構造体を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記難燃性ウレタン樹脂組成物が、前記ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含み、前記三量化触媒が前記ウレタン樹脂100質量部に対して、0.001質量部〜10質量部の範囲である、上記[1]または[2]に記載のハニカム構造体を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記外装材が互いに対向するように二枚設けられ、前記対向する二枚の外装材の外周に枠材が設置されている、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記外装材および前記ハニカム体がアルミニウム、ステンレスおよび鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記外装材、前記ハニカム体および前記枠材がアルミニウム、ステンレスおよび鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、上記[4]に記載のハニカム構造体を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]建築物、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の構造物に使用することを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体を提供するものである。
本発明に係るハニカム構造体は、ハニカム体および外装材からなる構造体に特有の軽量性および剛性を有し、さらに難燃性ウレタン樹脂組成物を充填するため断熱性および難燃性に優れる。
第1実施形態の難燃断熱パネル構造を説明するための略断面図である。 図1の難燃断熱パネルの製造工程を説明するための略断面図である。 図1の難燃断熱パネルの製造工程を説明するための略断面図である。 第2の実施形態に係る難燃断熱パネルの構造を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係る難燃断熱パネルの構造を説明するための断面図である。 実施例に係るハニカム体の構造を説明するための図である。
本発明に係るハニカム構造体は、ハニカム体と、ハニカム体のセル内の少なくとも一部に充填された充填物からなるハニカム芯材と、外装材とを備え、外装材とハニカム芯材を積層してなるものである。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態のハニカム構造体の略断面図である。第1実施形態のハニカム構造体100は、二枚の外装材1,1と、外装材1,1の間に挟まれたハニカム芯材10を積層してなり、ハニカム芯材10はハニカム体2のセル空間に充填物20を充填してなる。充填物20は、後述する難燃剤を含むウレタン樹脂組成物を硬化および成形してなる層である。
図2および図3を参照しながら、図1のハニカム構造体100の製造工程を説明する。まず、図2に示すように、一枚の外装材1の周囲に枠材3を設置し、外装材1と枠材3から構成される容器内にハニカム体2を設置する。次に、硬化前の難燃剤を含む難燃性ウレタン樹脂組成物4を収容した低圧発泡機のウレタン発泡装置に接続されたノズル5を介し、外装材1、枠材3およびハニカム体2から区画形成された空間であるハニカム体2のセル空間に硬化前の難燃剤を含む難燃性ウレタン樹脂組成物4を矢印の方向に注入する。なお、前記ウレタン発泡装置内で、通常はポリイソシアネート化合物とポリオール化合物は硬化が開始しないよう別々に分割して収容しておき、ノズル5を通るときに分割した液が混合されるが、前記ウレタン発泡装置内で一つの液に混合されるようにしてもよい。
難燃性ウレタン樹脂組成物4を、充填物20を構成するのに必要な量注入した後、非加圧下にて難燃性ウレタン樹脂組成物4を発泡、硬化させ、充填物20を形成する。このとき、外部からプレス機により圧力をかけて難燃性ウレタン樹脂組成物4を硬化させてもよい。
難燃性ウレタン樹脂組成物4の硬化温度は特に限定されないが、通常は硬化温度を20〜120℃の範囲に設定して行い、30℃以上100℃以下とすることが好ましく、40℃以上90℃以下にすることがより好ましく、50℃以上80℃以下にすることが更に好ましく、60℃以上80℃未満にすることが最も好ましい。40℃以上の温度で硬化させると、外装材1、枠材3およびハニカム体2から区画形成された空間内での難燃性ウレタン樹脂組成物4の均一な充填が可能となる。
難燃性ウレタン樹脂組成物4の硬化後、外装材1および枠材3のサイズに合わせて難燃性ウレタン樹脂組成物4の硬化物を糸鋸等により切断し、図3に示すように、一枚の外装材1を矢印の向きに接着剤によって接着させることで、ハニカム構造体100が完成する。
上記のハニカム構造体100の製造方法によれば、難燃性ウレタン樹脂組成物4を外装材1、枠材3およびハニカム体2から区画形成された空間内で発泡、硬化させることにより、製造されたハニカム構造体100は難燃性を有するだけでなく、難燃性ウレタン樹脂組成物4の硬化物である充填物20と、外装材1、枠材3およびハニカム体2との間の接着強度が良好となり、充填物20の断熱性および曲げ強度も増大する。
なお、ハニカム構造体としては、上述の第1実施形態のハニカム構造体100のように外装材1と、ハニカム体2のセル空間に充填物20を充填したハニカム芯材10と、外装材1との三層を、外装材−ハニカム芯材−外装材の順に積層した三層構造のものの他、例えば、図4の第2実施形態のハニカム構造体110のようにハニカム芯材10と、外装材1とを一層ずつ積層した二層構造のもの、図5の第3実施形態のハニカム構造体120のように、外装材1と外装材1との間に、ハニカム芯材10に加えて断熱層30等を加えた四層構造のもの、もしくは他に任意の追加の層を含む五層以上の積層構造のものなどを挙げることができる。これらのハニカム構造体110,120も、外装材1および枠材3から区画形成された空間内に、断熱層30を構成する材料を設置し、その上にハニカム体2を設置し、難燃性ウレタン樹脂組成物4をハニカム体2のセル空間に流し込んで硬化、成形することにより、第1実施形態のハニカム構造体100と同様に製造することができる。
本発明に使用する構成部材について説明する。
本発明のハニカム芯材に用いることのできるハニカム体としては、連続する部材からなる隔壁によって仕切られた、六角形、四角形、三角形等の多角形、円形、不等辺多角形等の実質上連続的な幾何学的なセル(貫通孔)の形態を有するものである。
ハニカム体の材質としては、金属材料、ペーパー類、難燃化ペーパー類、繊維と樹脂との複合材、プラスチック、セラミックス、セラミックスペーパー等が挙げられる。
上記金属材料としては、アルミニウム、ステンレス、鉄、亜鉛メッキ鋼、アルミ亜鉛合金メッキ鋼、ガルバリウム鋼(登録商標)等の、任意の金属およびメッキ鋼、アルミクラフト等が挙げられる。
上記ペーパー類としては、クラフト紙、パルプ等の植物繊維もしくはポリアミド、ポリエステル、レーヨン、ポリビニルアルコール等の合成繊維からなるペーパー、アラミドペーパー、ガラスペーパー、グラファイトペーパー等の有機質もしくは無機質繊維からなるペーパーが挙げられる。
上記難燃化ペーパー類としては、上記ペーパーに使用される繊維質原料に、水酸化アルミニウム、珪酸マグネシウム、酸化アンチモン、リン化合物、ホウ素化合物、ハロゲン化合物等をペーパー化の際に混合、添加するか、ハニカム化した後あるいはペーパー化した後に、含浸して得られた難燃化ペーパー等が挙げられる。
上記繊維と樹脂との複合材としては、前述した各種ペーパー、及びグラファイト、ガラス、アラミド、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、レーヨン、ポリビニルアルコール、パルプ等の無機および有機繊維の織布、または不織布に、フェノール、ポリイミド、ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、またはポリイミド、ナイロン等の熱可塑性樹脂を含浸させた繊維と樹脂との樹脂含浸物が挙げられる。
上記プラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートが挙げられる。
上記セラミックスとしては、コージェライト、ムライト等が挙げられる。
上記セラミックスペーパーとしては、アルミナ、アルミナシリカ繊維等が挙げられる。
このうち、本発明では、耐熱性及び難燃性に優れ、かつ、軽量である点から、ハニカム体は金属材料が好ましく、アルミニウム、ステンレスおよび鉄がより好ましく、アルミニウムが更に好ましい。
本発明に使用する外装材としては、例えば、金属材料、有機材料、無機材料等の一種または二種以上を組み合わせてなるもの等が挙げられる。
前記外装材は、板材に限定されず、例えばシート材、フィルム材のように薄いものであってもよい。
なお本発明に使用する板材は、一端を持って保持したときに保持している箇所で折れ曲がらずに一定形状を保つものをいう。
また前記シート材は、一端を持って保持したときに保持している箇所で折れ曲がるものをいう。
前記シート材のうち、厚みが100μm未満のものをフィルム材という。
本発明においては、前記外装材は、板材、シート材、フィルム材等の少なくとも一つ、もしくは二以上を積層したものを使用することができる。
前記金属材料としては、例えば、鉄、ステンレス、亜鉛メッキ鋼、アルミ亜鉛合金メッキ鋼、アルミニウム、ガルバリウム鋼(登録商標)等の任意の金属およびメッキ鋼、アルミクラフト、アルミ箔、銅箔、金箔等の金属箔等が挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、合成樹脂、紙、織布、不織布、木材等が挙げられる。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。
前記紙としては、段ボール紙、クラフト紙等が挙げられる。
前記織布としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース繊維等を使用して織り上げた布等が挙げられる。
前記不織布としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース繊維等からなる湿式不織布、長繊維不織布等が挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、セメント系パネル、無機セラミック系パネル等が挙げられる。
前記セメント系パネルとしては、例えば、無機繊維含有スレート板、硬質木片セメント板、モルタル板、軽量気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等が挙げられる。
前記無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、珪酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、窯業系板、ミネラルウール板等が挙げられる。
ここで前記石膏ボードとしては、具体的には焼石膏に鋸屑やパーライト等の軽量材を混入し、両面に厚紙を貼って成形したもので、例えば、普通石膏ボード(JIS A 6901準拠:GB−R)、強化石膏ボード(JIS A6911準拠:GB−D)、防水石膏ボード(JISA6912準拠:GB−S)、強化石膏ボード(JIS A6913準拠:GB−F)、吸音石膏ボード(JISA6301準拠:GB−P)等が挙げられる。
一種もしくは二種以上の金属材料、前記合成樹脂、紙、織布、不織布、木材等の一種もしくは二種以上の有機材料、一種もしくは二種以上の無機材料を、適宜一種もしくは二種積層することにより、本発明に使用する外装材が得られる。
前記外装材は通常は厚みのある長方形の形状を有するが、目的、用途に応じて、その形状、厚みを適宜調整することができる。
本発明に使用する枠材としては、先に説明した前記外装材と同様のものを使用することができる。
このうち、本発明にかかる外装材および枠材は、耐熱性及び難燃性に優れ、かつ、軽量である点から、金属材料が好ましく、アルミニウム、ステンレスおよび鉄がより好ましく、アルミニウムが更に好ましい。
次に本発明にかかる難燃剤を含む難燃性ウレタン樹脂組成物について説明する。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、主剤としてのポリイソシアネート化合物、硬化剤としてのポリオール化合物等を含むものが挙げられる。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが好ましい。
前記ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオール化合物としては、例えば、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
前記ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリプロピオラクトングリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
前記芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
前記脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで前記多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また前記ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
前記ポリマーポリオールとしては、例えば、前記芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
前記多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四〜八価のアルコ−ル、フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロ−ル、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノ−ルポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
前記多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
前記AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2-ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
前記活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明に使用するポリオールは、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
その中でも分子量300〜500のポリエステルポリオールを用いることがより好ましい。
またイソシアネートインデックスは、ポリオール化合物および水の水酸基に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比を百分率で表したものであるが、その値が100を越えるということはイソシアネート基が水酸基より過剰であることを意味する。
本発明に使用するイソシアネートインデックスの範囲は、120〜1000の範囲であることが好ましく、200〜800の範囲であればより好ましく、200〜600の範囲であればさらに好ましい。
イソシアネートインデックスが120以上ではウレタン樹脂の粘度が高くなりすぎることを防ぐことができ、1000以下では良好な接着強度を保つことができる。イソシアネートインデックス(INDEX)は、以下の方法にて算出される。
INDEX=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、
イソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用部数×NCO含有率(%)÷100/NCOの分子量、
ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸基価(mg KOH/g)、
水の当量数=水の使用部数×水のOH基の数/水の分子量
である。なお上記式において、使用部数の単位は質量(g)であり、NCO基の分子量は42、NCO含有率はポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合を質量%で表したものであり、
上記式の単位換算の都合上KOHの分子量は56100とし、水の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
また本発明では前記ウレタン樹脂以外に、ウレタン樹脂硬化触媒を使用することができる。
前記ウレタン樹脂硬化触媒としては、例えばアミノ化合物、錫化合物、アセチルアセトン金属塩等が挙げられる。
前記アミノ化合物としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル,N´−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記錫化合物としては、例えば、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
前記アセチルアセトン金属塩としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンベリリウム、アセチルアセトンクロム、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトンマンガン、アセチルアセトンモリブデン、アセチルアセトンチタン、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセトンジルコニウム等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂硬化触媒は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に使用するウレタン樹脂硬化触媒の添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.01〜8.0質量部の範囲であることがより好ましく、0.01〜6.0質量部の範囲であることが更に好ましく、0.01〜1.5質量部の範囲であることが最も好ましい。
0.01質量部以上10質量部以下の場合には取り扱い易く反応の制御が容易となる。
次に本発明に使用する三量化触媒について説明する。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含む。
この三量化触媒を使用することにより、本発明に使用するポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進することができる。
イソシアヌレート環の生成を促進するためには、例えば、三量化触媒として、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸の4級アンモニウム塩等を使用すればよい。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する三量化触媒の添加量は特に限定されないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.001質量部〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.001質量部〜8部の範囲であることがより好ましく、0.001質量部〜6質量部の範囲であることが更に好ましく、0.001質量部〜5質量部の範囲であることが最も好ましい。
0.001質量部以上の場合にイソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じず、10質量部以下の場合にウレタン結合が阻害される不具合を軽減することができる。
また本発明に使用する、上記ウレタン樹脂硬化触媒及び上記三量化触媒以外の触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル,N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等のアミン系触媒等が挙げられる。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する上記ウレタン樹脂硬化触媒及び上記三量化触媒以外の触媒の添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.001質量部〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.001質量部〜8質量部の範囲であることがより好ましく、0.001質量部〜6質量部の範囲であることが更に好ましく、0.001質量部〜5質量部の範囲であることが最も好ましい。
0.001質量部以上の場合はウレタン結合の形成が阻害される不具合が生じず、10質量部以下の場合は三量化が阻害される不具合を軽減することができる。
また本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に含まれるウレタン樹脂の発泡を促進するために、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に対して発泡剤を添加することができる。
前記発泡剤としては、例えば、水、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、CHF3、CH22、CH3F、例えばトランス−1クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン等のハイドロフルオロオレフィン(HFO)等のフッ素化合物、ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1クロロ−1,1−ジフルオロエタン)等のハイドロフルオロカーボン化合物、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等のハイドロフルオロカーボン化合物、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
本発明に使用する発泡剤は、シクロペンタン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、水が好ましく、中でも水と、ハイドロフルオロカーボンまたはハイドロフルオロオレフィンを併用することがより好ましい。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に前記発泡剤として使用する水の添加量は特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜18質量部の範囲であることがより好ましく、0.1質量部〜15質量部の範囲であることが更に好ましく、0.5質量部〜2.0質量部の範囲であることが最も好ましい。
前記水の範囲が0.1質量部以上の場合は発泡が促進され、得られる成形体の比重を低下することができ、20質量部以下の場合は、発泡体が破泡せず、発泡体が形成されないことを防ぐことができる。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する水を除く発泡剤の添加量は特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜40質量部の範囲であることがより好ましく、0.1質量部〜20質量部の範囲であることが更に好ましく、3.0質量部〜7.0質量部の範囲であることが最も好ましい。
使用する水以外の発泡促進剤が0.1質量部以上の場合には発泡が促進され、得られる成形体の比重を低下することができ、50質量部以下の場合にウレタン発泡体が破泡せず、発泡体を形成が形成されないことを防ぐことができる。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物には整泡剤を使用することもできる。
前記整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
前記化学反応により硬化するウレタン樹脂に対する整泡剤の使用量は、使用する前記化学反応により硬化するウレタン樹脂により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記ウレタン樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部の範囲であれば好ましい。
前記触媒、前記発泡剤および前記整泡剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する難燃剤について説明する。
本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は難燃剤を含む。
前記難燃剤は、赤リン、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つを組み合わせることができる。
本発明に使用する赤リンは特に限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。
また本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物に使用する赤リンの添加量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部の範囲であることが好ましい。
前記赤リンの範囲が0.1質量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消化性が保持され、また30質量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
また本発明に使用するリン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。
前記モノリン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レジルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ホスファフェナンスレン、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
前記縮合リン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、ならびにトリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(大八化学工業社製、商品名PX−200)、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げられる。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR−733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR−741)、芳香族縮合リ酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名FP−600、FP−700)等を挙げることができる。
上記の中でも、硬化前の組成物中の粘度を低下させる効果と初期の発熱量を低減させる効果が高いためモノリン酸エステルを使用することが好ましく、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートを使用することがより好ましい。
前記リン酸エステルは一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用するリン酸エステルの添加量に特に限定はないが、前記ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜60質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜50質量部の範囲であることがより好ましく、0.1質量部〜40質量部の範囲であることが更に好ましく、5部〜15部の範囲であることが最も好ましい。
前記リン酸エステルの範囲が0.1質量部以上の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体が火災の熱により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、60質量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
また本発明に使用する臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等を挙げることができる。
前記臭素化芳香環含有芳香族化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA、等のモノマー系有機臭素化合物、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
燃焼初期の発熱量を制御する観点から、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、ヘキサブロモベンゼン等が好ましく、ヘキサブロモベンゼンがより好ましい。
前記臭素含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する臭素含有難燃剤の添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜60質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜50質量部の範囲であることがより好ましく、0.1質量部〜40質量部の範囲であることが更に好ましく、3.0質量部〜5.0質量部の範囲であることが最も好ましい。
前記臭素含有難燃剤の範囲が0.1質量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60質量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
また本発明に使用する金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、水酸化カルシウム等が挙げられる。
本発明に使用する金属水酸化物は水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
前記金属水酸化物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する金属水酸化物の添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部対して、1.5質量部〜20質量部の範囲であることが好ましく、1.5質量部〜10質量部の範囲であることがより好ましく、3.0質量部〜10質量部の範囲であることが更に好ましく、3.0質量部〜8.0質量部の範囲であることが最も好ましい。
前記金属水酸化物の範囲が1.5質量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消化性が保持され、また20質量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
また本発明に使用するホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。
前記酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
前記ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。
具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛がより好ましい。
前記ホウ素含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤の添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜60質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜50質量部の範囲であることがより好ましく、0.1質量部〜40質量部の範囲であることが更に好ましく、1質量部〜10質量部の範囲であることが最も好ましい。
前記ホウ素含有難燃剤の範囲が0.1質量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60質量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
また本発明に使用する針状フィラーとしては、例えば、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マグネシウム含有ウィスカー、珪素含有ウィスカー、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、ベーマイト、棒状ヒドロキシアパタイト、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、スラグ繊維、石膏繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニウム繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
本発明に使用する針状フィラーのアスペクト比(長さ/直径)の範囲は、5.0〜50の範囲であることが好ましく、10〜40の範囲であればより好ましい。
前記針状フィラーは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する針状フィラーの添加量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部対して、3.0質量部〜30質量部の範囲であることが好ましく、3.0質量部〜20質量部の範囲であることがより好ましく、3.0質量部〜18質量部の範囲であることが更に好ましく、4.0質量部〜18質量部の範囲であることが最も好ましい。
前記針状フィラーの範囲が3.0質量部以上の場合は、本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の燃焼後の形状が保持され、また30質量部以下の場合には本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
また本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は、無機充填剤を併用することができる。
前記無機充填剤としては、特に限定はないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、三酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、フライアッシュ、無機系リン化合物、等が挙げられる。
前記無機充填剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
さらに本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
本発明に使用する難燃剤は、例えば、下記の(a)〜(j)のいずれかが難燃性に優れるため好ましい。
(a)赤リン
(b)赤リンおよびリン酸エステル
(c)赤リンおよび臭素含有難燃剤
(d)赤リンおよび金属水酸化物
(e)赤リンおよびホウ素含有難燃剤
(f)赤リンおよび針状フィラー
(g)赤リン、リン酸エステルおよび臭素含有難燃剤
(h)赤リン、リン酸エステルおよび金属水酸化物
(i)赤リン、リン酸エステルおよびホウ素含有難燃剤
(j)赤リン、リン酸エステルおよび針状フィラー
上記組み合わせのうち、(g)〜(j)がより好ましい。
ウレタン樹脂組成物は反応して硬化するため、その粘度は時間の経過と共に変化する。
そこでウレタン樹脂組成物を使用する前は、ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止しておく。そしてウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいたウレタン樹脂組成物を一つにまとめることにより、ウレタン樹脂組成物が得られる。
なおウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割されたウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独は硬化が始まらず、ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。
ウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂組成物の各成分を混合する、ウレタン樹脂組成物を有機溶剤に懸濁する、加温して溶融させたりして塗料状とする、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法により得ることができる。
また、ウレタン樹脂の主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除くウレタン樹脂組成物の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。
難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合すると反応が始まり時間の経過と共に粘度が上昇し、流動性を失う。
難燃性ウレタン樹脂組成物の比重は特に限定はないが、0.02〜0.20の範囲であることが好ましく、0.02〜0.10の範囲であることがより好ましく、0.03〜0.08の範囲が更に好ましく、0.03〜0.06の範囲が最も好ましい。
かかる難燃性ウレタン樹脂組成物は比重が小さいことから取り扱い易い。難燃性ウレタン樹脂組成物の硬化物はポリウレタンフォームからなり、内部に気泡を有する。
難燃性ウレタン樹脂組成物を、硬化、ハニカム体へ充填させることにより難燃性ウレタン樹脂組成物を含むハニカム芯材を得ることができる。
本発明に係るハニカム構造体の製造方法は特に限定されず、例えば、通常ウレタンを発泡するときに用いられる低圧発泡機、高圧発泡機等の任意の装置を使用して撹拌し、ノズルなどを使用して難燃性ウレタン樹脂組成物をハニカム体に直接注入して硬化させた後、外装材を接着させる方法、前記方法により攪拌された難燃性ウレタン樹脂組成物を、外装材および枠材からなる容器に注入し、硬化前にハニカム体を該容器内に設置する方法等がある。注入方法としては、ノズルを介して直接注入する代わりに、一度難燃性ウレタン樹脂組成物をカップに取ったものを硬化する前に流し込んでもよい。
装置で発泡しない場合も注入方法は特に限定されないが、例えば、メカニカル撹拌機を使用する方法や、カップ内で撹拌したものを手動で流し込む方法が挙げられる。
また、前記低圧発泡機、高圧発泡機等の任意の装置で攪拌した難燃性ウレタン樹脂組成物、または前記メカニカル撹拌機を使用し、カップ内で撹拌した難燃性ウレタン樹脂組成物を、金型等に注入して硬化物を得た後、ハニカム体のセルに合わせて切り出し、それを前記ハニカム体に充填させた後、外装材を設置する方法、前記硬化物をハニカム体と重ねて加圧プレスにより荷重をかけながらハニカム体のセル空間に前記難燃性ウレタン樹脂組成物を充填させた後、外装材を設置する等の方法によっても前記ハニカム構造体を得ることができる。また、前記難燃性ウレタン樹脂組成物は硬化させる際に外部からプレス機により圧力をかけて硬化させてもよい。
以上説明した方法により、ハニカム構造体を得ることができる。
本発明に係るハニカム構造体は難燃性、断熱性、圧縮強度に優れることから、建築物、家具、電子機器、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の構造物等に広く応用することができる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。なお本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
表1に示した配合により、ウレタン樹脂組成物を作成した。表1に示した各成分の詳細は次の通りである。
1.ポリオール化合物
A−1:p−フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK−505、水酸基価=250mgKOH/g)
A−2:p−フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRLK−087、水酸基価:200mgKOH/g)
2.整泡剤
ポリアルキレングリコール系整泡剤(東レ・ダウコーニング社製、製品名:SH−193、表1の整泡剤)
3.触媒
B−1:三量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−TR20)
B−2:ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−DT)
B−3:2−エチルヘキサン酸カリウム(エアープロダクツ社製、製品コード:Dabco K−15)
4.発泡剤
C−1:水
C−2:HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、日本ソルベイ社製)HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、セントラル硝子社製)
混合比率 HFC−365mfc:HFC−245fa = 7:3(質量比)
C−3:HFO1233Zd(ハネウェル社製、製品名:ソルティスLBA)
5.イソシアネート化合物(「ポリイソシアネート」ともいう)
MDI(東ソー社製、製品名:ミリオネートMR−200)粘度:167mPa・s、NCO含有量=32.1%)
6.難燃剤
D−1:赤リン(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
D−2:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(大八化学工業社製、製品名:TMCPP)
D−3: ヘキサブロモベンゼン(マナック社製、製品名:HBB−B)
D−4:水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製、製品名:キスマ5A)
D−5: ホウ酸亜鉛(早川商事社製、製品名:Firebrake ZB)
D−6:ウォラストナイト(SiO2・CaO;針状フィラー)(キンセイマテック社製、製品名:SH−1250)
ポリオールプレミックスの作成
実施例1〜11及び比較例1〜2は表1の配合に従ってポリオール化合物、触媒、整泡剤、発泡剤、および難燃剤を全量が10kgになるように計量し、10分間撹拌し、ポリオールプレミックスを作成した。
上記で作成したポリオールプレミックスとポリイソシアネート化合物を低圧発泡機(東邦機械工業社製、A310型低圧発泡機)の別々のタンクに投入し、下記条件で温調した。
ポリオールプレミックス液温:25℃
イソシアネート液温:25℃
室温:25℃
実施例1〜11
1.総発熱量測定用サンプルの製造
下記のハニカム体の下に外装材を設置し、その外周に枠材を設置して片面貼りハニカムパネルとした。なお、ハニカム体サイズにおけるセルサイズとは、図6における点線部の長さのことをいう。
ハニカム体・外装材・枠材の材質:アルミニウム
ハニカム体サイズ:100mm×100mm×15mm
セルサイズ:1.27mm、高さ15mm、厚さ76μm
外装材サイズ:100mm×100mm×1mm
枠材サイズ:100mm×15mm×1mm
低圧ウレタン発泡機を使用し、ポリオールプレミックスとイソシアネートとを流量1kg/min、回転数:3000rpm/min、表1の配合に従って所定の部数を吐出して目的の比重になるように混合し、片面貼りハニカムパネルに難燃性ウレタン樹脂組成物を非加圧下、室温25℃で注型し、発泡後5分間静置し、70℃、30分間恒温槽内で養生・硬化させ、ウレタン樹脂組成物の硬化物を得た。枠内からはみ出たウレタン樹脂組成物の硬化物をカットし、後述する試験方法1の総発熱量の測定用の片面貼りハニカムパネル注型物を得た。
2.熱伝導率測定用サンプルの製造
ハニカム体の下に外装材を設置し、その外周に枠材を設置した片面貼りハニカムパネルとした。
ハニカム体・外装材・枠材の材質:アルミニウム
ハニカム体サイズ:300mm×300mm×15mm
セルサイズ:1.27mm、高さ15mm、厚さ76μm
外装材サイズ:300mm×300mm×1mm
枠材サイズ:300mm×15mm×1mm
低圧ウレタン発泡機を使用し、ポリオールプレミックスとイソシアネートとを流量1kg/min、回転数:3000rpm/min、表1の配合に従って所定の部数を吐出して目的の比重になるように混合し、片面貼りハニカムパネルに難燃性ウレタン樹脂組成物を非加圧下、室温25℃で注型し、発泡後5分間静置し、70℃、30分間恒温槽内で養生・硬化させ、ウレタン樹脂組成物の硬化物を得た。枠内からはみ出たウレタン樹脂組成物の硬化物をカットし、片面貼りハニカムパネル注型物を得た。
前記片面貼りハニカムパネル硬化物に接着剤(ウルトラ多用途S・U プレミアム ソフト、コニシ株式会社)を用いて、前記外装材を前記硬化難燃性ウレタン樹脂組成物面に貼り付け、後述する試験方法2の熱伝導率測定用のハニカム構造体を得た。
3.曲げ強度測定用サンプルの製造
ハニカム体の下に外装材を設置し、その外周に枠材を設置した片面貼りハニカムパネルとした。
ハニカム体・外装材・枠材の材質:アルミニウム
ハニカム体サイズ:500mm×120mm×15mm
セルサイズ:1.27mm、高さ15mm、厚さ76μm
外装材サイズ:500mm×120mm×1mm
枠材サイズ:500mm×15mm×1mm 、120mm×15mm×1mm
低圧ウレタン発泡機を使用し、ポリオールプレミックスとイソシアネートとを流量1kg/min、回転数:3000rpm/min、表1の配合に従って所定の部数を吐出して目的の比重になるように混合し、片面貼りハニカムパネルに難燃性ウレタン樹脂組成物を非加圧下、室温25℃で注型し、発泡後5分間静置し、70℃、30分間恒温槽内で養生・硬化させ、ウレタン樹脂組成物の硬化物を得た。枠内からはみ出たウレタン樹脂組成物の硬化物をカットし、片面貼りハニカムパネル注型物を得た。
前記片面貼りハニカムパネル硬化物に接着剤(ウルトラ多用途S・U プレミアム ソフト、コニシ株式会社)を用いて、前記外装材を前記硬化難燃性ウレタン樹脂組成物面に貼り付け、後述する試験方法3の曲げ強度測定用のハニカム構造体を得た。
比較例1〜3
比較例1
ウレタン樹脂組成物を充填せず、片面貼りハニカムパネル自体とし、上記の1.〜3.の3つの試験用のサンプルを製造した。
比較例2
表1の配合に従って難燃性ウレタン樹脂組成物を調製し、上記の1.〜3.の3つの試験用のサンプルを製造した。
比較例3
低圧ウレタン発泡機を使用し、ポリオールプレミックスとイソシアネートとを流量1kg/min、回転数:3000rpm/min、所定の部数を表1の量を吐出して目的の比重になるように混合し、800mm×500mm×500mmの80℃に温調した金型にウレタン樹脂組成物を注入した。発泡後5分間静置し、70℃、30分間恒温槽内で養生・硬化させ、ウレタン樹脂組成物の硬化物を得た。総発熱量測定用サンプルは100mm×100mm×17mmに、熱伝導率測定用サンプルは300mm×300mm×17mmに、曲げ強度測定用サンプルは500mm×120mm×17mmに、それぞれ切出した。
試験方法1. 総発熱量の測定
実施例1〜11、比較例1、2のハニカム構造体および比較例3の難燃性ウレタン樹脂組成物(サイズ:100mm×100mm×17mm)に対し、ISO−5660に準拠し、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの総発熱量を測定した。
総発熱量が14MJ/m以下の場合を合格とした。結果を表1に示す。
実施例1〜11および比較例1のハニカム構造体、および比較例3の難燃性ウレタン樹脂組成物は合格であったが、比較例2のハニカム構造体は不合格であった。
試験方法2.熱伝導率の測定
実施例1〜11および比較例1、2のハニカム構造体および比較例3の難燃性ウレタン樹脂組成物(サイズ:300mm×300mm×17mm)に対し、JIS A 1412に準拠し、熱流計法(HFM法)にて熱伝導率を測定した。
熱伝導率が0.05W/(m・K)以下の場合を合格とした。結果を表1に示す。
実施例1〜11および比較例2のハニカム構造体、および比較例3の難燃性ウレタン樹脂組成物は合格であったが、比較例1のハニカム構造体は不合格であった。
試験方法3.曲げ強度の測定
実施例1〜11および比較例1、2のハニカム構造体および比較例3の難燃性ウレタン樹脂組成物(サイズ:500mm×120mm×17mm)に対し、JIS K 7221に準拠し、25℃、試験速度20mm/min、支点間距離400mmにて、曲げ強度を測定した。
曲げ強度は変形を抑制するために15MPa以上の場合を合格とした。結果を表1に示す。
実施例1〜11および比較例1、2のハニカム構造体は合格であったが、比較例3の難燃性ウレタン樹脂組成物は不合格であった。
本発明に係るハニカム構造体は難燃性、断熱性、圧縮強度に優れることから、建築物、家具、電子機器、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の構造物等に広く応用することができる。
1 外装材
2 ハニカム体
3 枠材
4 難燃剤を含むウレタン樹脂組成物
5 ノズル
10 ハニカム芯材
20 充填物
30 断熱層
100、110、120 ハニカム構造体

Claims (7)

  1. ハニカム体と、前記ハニカム体のセル内の少なくとも一部に充填された充填物とからなるハニカム芯材と、外装材とを備え、
    前記外装材およびハニカム体の少なくとも一方が金属材料からなり、前記充填物が、難燃剤を含む難燃性ウレタン樹脂組成物であり、前記難燃性ウレタン樹脂組成物が、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とからなるウレタン樹脂を含み、前記難燃剤が、赤リン、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、ハニカム構造体。
  2. 前記難燃剤が、赤リンを必須成分とし、前記赤リンに加えて、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、金属水酸化物、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一つを含み、前記赤リンが、前記ウレタン樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記難燃性ウレタン樹脂組成物が、前記ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含み、前記三量化触媒が前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.001重量部〜10重量部の範囲である、請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記外装材が互いに対向するように二枚設けられ、前記対向する二枚の外装材の外周に枠材が設置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  5. 前記外装材および前記ハニカム体がアルミニウム、ステンレスおよび鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  6. 前記外装材、前記ハニカム体および前記枠材がアルミニウム、ステンレスおよび鉄からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、請求項4に記載のハニカム構造体。
  7. 建築物、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の構造物に使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
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