JP2023112945A - フラットデッキ、防火区画構造及びフラットデッキの製造方法 - Google Patents

フラットデッキ、防火区画構造及びフラットデッキの製造方法 Download PDF

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倫男 島本
Tomoo Shimamoto
智也 佐々木
Tomoya Sasaki
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Abstract

【課題】リブを利用して連結することが可能であり、かつ、防火性に優れるフラットデッキ、防火区画構造及びフラットデッキの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のフラットデッキ1は、フラット部11と、フラット部11の一方の面11Dに突設されるリブ12(121,122)と、リブ12の内部に設けられた充填物13とを備え、リブ12が、内部に空洞を有する空洞部12aと、空洞部12aと一方の面11Dを連結する連結部12bとを有し、充填物13が、連結部12bの少なくとも一部に充填されないように空洞部12aの内部に充填される。【選択図】図1

Description

本発明は、建築構造物において使用されるフラットデッキ、防火区画構造及びフラットデッキの製造方法に関する。
従来、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートなどの建築構造物の床又は屋根構造を築造するために、フラットデッキが使用されることがある。フラットデッキは、長手方向に沿って延び、内部に空洞を有する複数のリブがフラット部の下面に形成され、上面が平坦に形成される(例えば、特許文献1参照)。フラットデッキは、床又は屋根構造において、例えば、フラット部の上面にコンクリートが打設されるための型枠材として使用される。
建築構造物においては、石膏ボードなどの面材によって防火区画構造が形成されることがある。防火区画構造は、火災時に火炎が燃え広がることを防ぐために、防火区画構造以外の区画は遮音や断熱を確保するために、床構造や、屋根構造との間に隙間が形成されないようにする必要がある。例えば、床構造にフラットデッキが設けられた場合、その下面に防火区画構造などの区画を形成するための区画材が突き合わせられると、リブ内部の空洞により、床構造と区画材の間に隙間ができる。そのため、区画材が突き合わされる部分では、フラットデッキを切断するなどしてリブを取り除く必要がある。リブを取り除く作業は、例えばコンクリートを打設した後、現場で行うことになる。建築現場においてリブを取り除く作業を行うと、施工が手間であり、かつ、安全面で問題があった。
この問題を解決するために、リブ内部に充填物を充填されたフラットデッキが提案されている。フラットデッキの内部に充填物が充填されると、リブ内部の空洞により、床構造と区画材の間に隙間ができることが防止され、リブを取り除く作業を省略することができる。
また、フラットデッキを複数並べて施工する場合には、フラットデッキの端部に設けられた爪部を、隣接するフラットデッキのリブに差し込んで連結することが知られている。
特開2017-110453号公報
しかしながら、リブ内部に充填物が充填されたフラットデッキは、充填物により爪部の差し込みが阻害され、リブを利用してフラットデッキを連結することができなくなり、施工性に難があった。
そこで、本発明は、リブを利用して連結することが可能であり、かつ、防火性に優れるフラットデッキ、防火区画構造及びフラットデッキの製造方法を提供することができる。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]フラット部と、前記フラット部の一方の面に突設されるリブと、前記リブの内部に設けられた充填物とを備え、前記リブが、内部に空洞を有する空洞部と、前記空洞部と前記一方の面を連結する連結部とを有し、前記充填物が、前記連結部の少なくとも一部に充填されないように前記空洞部の内部に充填される、フラットデッキ。
[2]前記連結部には、隣接して配置されるフラットデッキの爪部が嵌合可能である[1]に記載のフラットデッキ。
[3]前記充填物が発泡体である、[1]又は[2]に記載のフラットデッキ。
[4]前記充填物が有機発泡体である、[1]~[3]のいずれかに記載のフラットデッキ。
[5]前記有機発泡体は、ウレタンフォームである、[4]に記載のフラットデッキ。
[6]前記充填物の密度が10kg/m以上200kg/m以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のフラットデッキ。
[7]前記充填物は、ISO5660-1に準拠し、コーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、放射熱強度50kW/mにて加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下である、[1]~[6]のいずれかに記載のフラットデッキ。
[8]前記リブは、前記充填物を注入するための注入口を底面部分に有する、[1]~[7]のいずれかに記載のフラットデッキ。
[9][1]~[8]のいずれかに記載のフラットデッキと、前記フラットデッキのフラット部の一方の面における前記リブ間を充填する不燃材料とを備える、防火区画構造。
[10]フラット部と、前記フラット部の一方の面に突設されるリブと、前記リブの内部に設けられた充填物とを備え、前記リブが、内部に空洞を有する空洞部と、前記空洞部と前記一方の面を連結する連結部とを有するフラットデッキの製造方法であって、前記連結部の少なくとも一部の隙間をなくして、前記充填物を前記リブの内部に充填させる工程を備えるフラットデッキの製造方法。
本発明によれば、リブを利用して連結することが可能であり、かつ、防火性に優れるフラットデッキ、防火区画構造及びフラットデッキの製造方法を提供することができる。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るフラットデッキを示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA-A方向における断面図である。 本発明の実施形態に係るフラットデッキの連結状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るフラットデッキの第1の製造方法を示す工程斜視図である。 本発明の実施形態に係るフラットデッキの第2の製造方法を示す工程斜視図である。 本発明の実施形態に係る防火区画構造を示す断面図である。
本発明の実施形態に係るフラットデッキ1は、図1(a)及び(b)に示すように、フラット部11と、フラット部11の一方の面11Dに突設され、内部に空洞があるリブ12(12,12)と、リブ12の内部に設けられた充填物13とを備える。
フラットデッキ1は、フラット部11の上面11Uが平坦面、又は平坦面に微小な凹凸が形成され、フラット部11の下面11Dに複数のリブ12,12が突設されている。複数のリブ12,12は、横方向(図1のX軸方向)に沿って並べられる。なお、図1において、リブは2つ設けられる例を代表的に示すが、リブの数は特に限定されない。各リブ12,12は、内部に空洞がある突条であり、縦方向(図1のY軸方向)に沿って延在する。各リブ12の長手方向における両端部は、閉塞する構成となっており、圧潰することで閉塞し、又は、閉塞部材を用いる構成とすることができる。なお、フラットデッキ1は、例えば、鋼板などの金属板やその他の材料をロール成形やプレス成形などすることで得ることができる。
フラットデッキ1のリブ12の断面形状は、図1(b)に示すように、内部に空洞が形成された空洞部12aと、下面11D及び空洞部12aを連結する連結部12bとを備える。空洞部12aが形成する空洞の断面形状は、特に限定されず、内部に空洞が形成される限り、三角形、四角形及び円形などの種々の形状を取り得る。連結部12bは、空洞部12aから幅が狭められて一対の板状部が合わされるように配置されており、各板状部が、空洞部12aの上端を下面11Dに連結する。
フラットデッキは、フラット部11の一方の面11Dに突設され、隣接して配置されるフラットデッキのリブ12と連結させる爪部14を備える。爪部14は、フラット部11の側端部18Aに設けられる。爪部14は、例えば、フラット部11が折り曲げられて形成される。爪部14は、隣接して配置されるフラットデッキ1の連結部12bに嵌合可能である。そして、フラットデッキ1は、図2に示すように、爪部14が隣接して配置されるフラットデッキ1の連結部12bに差し込んで嵌合されることで、隣接して配置されるフラットデッキ1同士を接続させることが可能である。なお、爪部14は、図2に示す通り、連結部12bを構成する一対の板状部の間の上方の開口より、一対の板状部の間の隙間に差し込まれて嵌合される。
本実施形態において、充填物13は、発泡体である。充填物13として発泡体を使用することで、比重が軽く建材全体の軽量化が図れることができる。充填物13に使用される発泡体としては、有機発泡体が好ましい。充填物13の有機発泡体としては、例えば、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム、PVCフォーム及びポリエチレンフォームなどのポリオレフィンフォームからなる群から選ばれる1種であることが好ましく、中でもウレタンフォーム及びフェノールフォームのいずれかであることがより好ましく、ウレタンフォームがさらに好ましい。また、有機発泡体以外の発泡体(無機発泡体)としては、水ガラス、発泡コンクリートなどが挙げられる。
充填物13は、リブ12の連結部12bの少なくとも一部に充填されないように空洞部12aの内部に充填される。充填物13としての発泡体は、後述する通り、リブ12の空洞部12aに注入して発泡させて充填させることが一般的である。したがって、充填物13として発泡体を使用すると、空洞部12aの空洞のみならず、連結部12bの隙間にも発泡体が充填されていたが、本実施形態では、例えば後述する製造方法で説明するとおり、連結部12bの隙間の一部に充填物13が充填されないようにして、連結部12bに未充填部分15を設ける。したがって、その未充填部分15に爪部14を嵌合させることで、リブ12の空洞部12aに充填物13を充填させつつ、一対のフラットデッキを連結させることが可能になる。そのため、フラットデッキは、リブを利用して他のフラットデッキを連結することが可能であり、かつ、防火性も優れたものにできる。
ここで、充填物13は、図1(b)のリブ12に示すとおり、連結部12bの隙間全体に充填されず、連結部12bの隙間全体が未充填部分15であることが好ましいが、爪部14が連結部12bに嵌合可能である限り、未充填部分15は、リブ12の連結部12bの隙間の一部であってもよい。例えば、連結部12bの上側の隙間が未充填部分とされ、下側の隙間には充填物13が充填され充填部分とされてもよい。
また、一般的に図1に示すとおり、爪部14は、フラット部11の側端部18Aの一部(すなわち、Y軸方向における一部)に設けられるが、爪部14が嵌合できるように、爪部14の位置に合わせてY軸方向における連結部12bの一部が未充填部分とされてもよい。したがって、例えば、爪部14が嵌合できる限り、連結部12bの上側の隙間のうちのさらに一部のみが未充填部分とされ、他の部分が充填部分とされてもよい。
また、フラットデッキは、複数のリブ12、12が設けられるが、図1に示すとおり、空洞部に充填物が充填された複数のリブ12、12のうち、少なくとも1つのリブ12の連結部12bに充填物が充填されない未填部部分15が設けられるとよい。ただし、製造の容易性などの観点から、全てのリブ12、12に充填物が充填されない未填部部分15が設けられてもよい。
また、未填部部分15が設けられるリブ12は、爪部14が嵌合されるように、フラットデッキのX軸方向に並べられた複数のリブのうち、最も側端部18B側に設けられたリブであるとよい。最も側端部18B側に設けられたリブは、爪部14が容易に嵌合できる。また、複数のフラットデッキ1を連結する際に、X軸方向においてフラットデッキ同士が重なる部分を少なくすることができる。
また、各リブ12、12は、充填物を注入するための注入口16(図3参照)を底面部分に有する。リブ12、12は、底面部分に注入口16を有することで、充填物13を底面部分から注入させて、リブの空洞部12aの空洞全体に行き渡らせることができるとともに、注入時に連結部12bの隙間に充填物が浸入しにくくなる。
なお、底面部分とは、図1に示す三角形や、四角形では、リブの底面を構成する面であるとよいが、円形などの三角形、四角形以外の構造では、底面側から見て視認できる部分を底面部分とする。
また、注入口16は、各リブにおいて1つ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。
充填物13は、防火性を高める観点から、耐火材料であるとよい。耐火材料は、建築基準法及び建築基準法施行令において定められる難燃材料相当の性能を示す材料(以下、「難燃材料」という。)のことを意味するが、準不燃材料相当の性能を示す材料(以下、「準不燃材料」という。)であることが好ましく、不燃材料相当の性能を示す材料(以下、「不燃材料」という。)であることがより好ましい。難燃材料相当の性能とは、ISO5660-1に準拠し、コーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものをいう。また、準不燃材料相当の性能とは、同様にして10分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものをいう。また、不燃材料相当の性能とは、同様にして20分経過時の総発熱量が8MJ/m以下となるものをいう。
充填物13としてのウレタンフォームなどの有機発泡体は、難燃材料、準不燃材料及び不燃材料の少なくともいずれかに相当する性能を有していればよく、不燃材料相当の性能を有していることが好ましい。なお、有機発泡体は、ISO-5660の試験方法に準拠した測定を行う際は、有機発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み5cmに切断した試験用サンプルを準備し、試験用サンプル用いてコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験を行う。
充填物13の密度は、特に限定されないが、10kg/m以上200kg/m以下であることが好ましく、20kg/m以上175kg/m以下であることがより好ましく、30kg/m以上150kg/m以下であることがさらに好ましい。充填物13の密度を上記上限値以下とすることで、充填物13が軽量となり、建築構造物に対する負荷を軽減することができる。また、充填物13の密度を上記下限値以上とすることで、所望の難燃性、不燃性を発現しやすくなる。なお、充填物13の密度とは、充填物13のコア密度をいい、充填物13のリブ12の内部表面との界面であるスキン層を除いた部分の密度をいう。
<フラットデッキの製造方法>
以下、本実施形態に係るフラットデッキの製造方法を説明する。
本実施形態に係るフラットデッキの製造方法は、フラット部11と、フラット部11の一方の面11Dに突設されるリブ12と、充填物13とを備え、リブ12が、内部に空洞を有する空洞部12aと、空洞部12aと一方の面11Dを連結する連結部12bとを有するフラットデッキの製造方法である。本実施形態に係るフラットデッキの製造方法は、連結部12bの少なくとも一部の隙間をなくして、充填物13をリブ12の内部に充填させる工程を備える。
以上の製造方法によれば、充填物13を、連結部12bの少なくとも一部に充填されないように空洞部12aの内部に充填させることができる。
以下、本実施形態に係るフラットデッキの製造方法を第1及び第2の製造方法としてより具体的に説明する。
本実施形態に係るフラットデッキの第1の製造方法について、図3を参照して説明する。
第1の製造方法では、まず、フラット部11の一方の面11Dに突設され、内部に空洞があるリブ12(空洞部12a,連結部12b)が形成されるように材料を曲げ加工する(図3(a)参照)。次いで、未充填部分15を形成するリブ12の連結部12bを両側から圧迫して隙間をなくす(図3(b)参照)。次いで、連結部12bを両側から圧迫して隙間をなくした状態で、リブ12の空洞部12aの底面部分に形成された注入口16から充填物13の材料を導入し、充填物13で空洞部12aを充填する。上記工程を経て形成されたフラットデッキ1は、充填物13で空洞部12aを充填した後に、連結部12bの両側からの圧迫を解除することで、連結部12bに充填物13が充填されず、連結部12bが爪部14と嵌合可能な未充填部分15が形成される(図3(c)参照)。
本実施形態に係るフラットデッキの第2の製造方法について、図4を参照して説明する。
第2の製造方法では、まず、フラット部11の一方の面11Dに突設され、内部に空洞があるリブ12(空洞部12a,連結部12b)が形成されるように材料を曲げ加工する。次いで、未充填部分15を形成するリブ12の連結部12bに、連結部12bの隙間をなくすためのスペーサ17を配置する(図4(a)参照)。次いで、スペーサ17により連結部12bの隙間をなくした状態で、リブ12の空洞部12aの底面部分に形成された注入口16から充填物13の材料を注入し、充填物13で空洞部12aを充填する。上記工程を経て形成されたフラットデッキ1は、充填物13で空洞部12aを充填した後に、スペーサ17を排除することで、連結部12bに充填物13が充填されず、連結部12bが爪部14と嵌合可能な未充填部分15が形成される(図4(b)参照)。
また、第2の製造方法によれば、スペーサ17の配置する位置を調整することで、リブ12の連結部12bの一部を未充填部分15とすることができる。
<ウレタンフォーム>
充填物13を構成するウレタンフォームについてより詳細に説明する。本実施形態で使用するウレタンフォームは、ウレタン樹脂組成物を硬化させ、発泡させることで形成されるものである。ウレタンフォームに含まれるウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを混合させ反応させることで得られる反応生成物である。ウレタン樹脂組成物は、リブ12の内部に容易に注入でき、かつリブ12の空洞部12aにおいて隙間なく充填できるように、各種成分を混合して作製した直後においては液状である。
リブ12の空洞部12aを充填して閉塞させるウレタンフォームの施工方法としては、液状のウレタン樹脂組成物を吐出する吐出装置を用いた吐出充填が好適である。なお、吐出装置としては、例えばウレタン樹脂組成物が2液硬化型である場合には、1液と2液とを混合する混合部と、混合されて得られたウレタン樹脂組成物を吐出する吐出口とを備えるものを使用する。このような吐出装置としては、高圧式発泡機、低圧式発泡機、その他混合・吐出システム、スプレーガン及びコーキングガンなどと呼ばれるものを使用すればよい。
ウレタンフォームを形成するウレタン樹脂組成物は、一般的にポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含有するものである。
ウレタンフォームに使用するポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましい。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリプロピオラクトングリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε-カプロラクトン、α-メチル-ε-カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6-ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記した芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
変性ポリオールに使用する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四~八価のアルコール、 フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1-ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8-テトラヒドロキシアントラセン、1-ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体又は共重合体、及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2~100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2~6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2-プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3-プロピレオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2-ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
ポリエーテルポリオールにおいて使用する活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
ウレタンフォームにおいて使用するポリオールは、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールを使用することが好ましく、ポリエステルポリオールがより好ましい。その中でも分子量200~800のポリエステルポリオールを用いることが好ましく、分子量300~500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
ウレタン樹脂のイソシアネートインデックスは、120~1,000の範囲であることが好ましく、200~800の範囲であればより好ましく、300~600の範囲であればさらに好ましい。イソシアネートインデックスが120以上となると、イソシアネート基が水酸基より過剰となり、三量化されやすくなり、不燃性を付与しやすくなる。また、1,000以下となると、不燃性と製造コストとのバランスが良好になる。
なお、イソシアネートインデックスは、以下の方法により計算することができる。
イソシアネートインデックス
=ポリイソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、各当量数は以下のとおり計算することができる。
・ポリイソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用量(g)×NCO含有量(質量%)/NCOの分子量(モル)×100
・ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用量(g)÷KOHの分子量(ミリモル)
OHVはポリオールの水酸基価(mgKOH/g)である。
・水の当量数=水の使用量(g)/水の分子量(モル)×水のOH基の数
上記各式において、NCOの分子量は42(モル)、KOHの分子量は56100(ミリモル)、水の分子量は18(モル)、水のOH基の数は2とする。
《難燃剤》
ウレタンフォームには難燃作用を付与するために、難燃剤を含有させることが好ましく、リン酸エステル等の液状難燃剤の使用が挙げられる。さらに難燃性を向上させるために、赤リン、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
ウレタンフォームに使用される難燃剤は、不燃性、取り扱い性などの観点から、赤リンとリン酸エステルを含むことがさらに好ましい。また、難燃剤は、赤リンとリン酸エステルと、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤および金属水酸化物から選ばれる少なくとも1種とからなるものも好ましい。
〈赤リン〉
本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。赤リンは、赤リン単体で配合される必要はなく、適宜、表面処理などがされていてもよい。
ウレタンフォームにおける赤リンの配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、3.0~18質量部の範囲であることが好ましく、4.0~12質量部であることがより好ましい。赤リンの配合量を上記下限値以上とすることで、ウレタンフォームの自己消火性が保持され、ウレタンフォームに不燃性を付与しやすくなる。また赤リンの配合量を上記上限値以下とすることでウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。なお、ウレタン樹脂は、上記したように、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応生成物であり、ウレタン樹脂100質量部とは、ウレタン樹脂組成物におけるポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の合計100質量部を意味する。
〈リン酸エステル〉
上記リン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。モノリン酸エステルは、分子中にリン原子を1つ有する化合物である。
モノリン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2-エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2-アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル-2-アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ-2,6-キシリル)ホスフェート(大八化学工業社製、商品名PX-200)、ハイドロキノンポリ(2,6-キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げられる。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR-733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR-741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名FP-600、FP-700)等を挙げることができる。
上記の中でも、硬化前の組成物中の粘度の低下させる効果と初期の発熱量を低減させる効果が高いためモノリン酸エステルを使用することが好ましく、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートを使用することがより好ましい。リン酸エステルは一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
リン酸エステルの配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1.5~50質量部の範囲であることが好ましく、1.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、2.0~15質量部の範囲であることがさらに好ましく、2.0~10質量部の範囲であることが最も好ましい。
リン酸エステルの配合量を上記下限値以上とすることで、火災時にウレタンフォームから形成される緻密残渣が割れることを防止できる。また、リン酸エステルの配合量を上記上限値以下とすることでウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。また、上記範囲内とすることで不燃性を付与しやすくなる。
〈リン酸塩含有難燃剤〉
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族~IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。
リン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等の各種リン酸が挙げられる。
周期律表IA族~IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。また芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン、アンモニウム等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよい。
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素ニアンモニウム等のアンモニウム塩、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩等が挙げられる。
またポリリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
これらの中でも、リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウムを使用することがより好ましい。
リン酸塩含有難燃剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
リン酸塩含有難燃剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1.5~50質量部の範囲であることが好ましく、1.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、2.0~15質量部の範囲であることがさらに好ましく、2.0~10質量部の範囲であることが最も好ましい。
リン酸塩含有難燃剤の配合量が上記下限値以上であると、ウレタンフォームの自己消火性が保持され、耐火性が付与されやすくなる。また、リン酸塩含有難燃剤の配合量が上記上限値以下とするとウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
〈臭素含有難燃剤〉
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。
芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン-ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー有機臭素化合物が挙げられる。
また、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、 架橋または非架橋臭素化ポリ(-メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
燃焼初期の発熱量を制御する観点から、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン等が好ましく、ヘキサブロモベンゼンがより好ましい。
臭素含有難燃剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
本発明に使用する臭素含有難燃剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1.5~50質量部の範囲であることが好ましく、1.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、2.0~15質量部の範囲であることがさらに好ましく、2.0~10質量部の範囲であることが最も好ましい。
臭素含有難燃剤の配合量を上記下限値以上とすると、ウレタンフォームの自己消火性が保持され、耐火性が付与されやすくなる。また臭素含有難燃剤の配合量を上記上限値以下とすると、ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
〈ホウ素含有難燃剤〉
ホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。
酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。
具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
ホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛であればより好ましい。
ホウ素含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ホウ素含有難燃剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1.5~50質量部の範囲であることが好ましく、1.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、2.0~15質量部の範囲であることがさらに好ましく、2.0~10質量部の範囲であることが最も好ましい。
ホウ素含有難燃剤の配合量が上記下限値以上であると、ウレタンフォームの自己消火性が保持され、耐火性が付与されやすくなる。またホウ素含有難燃剤の配合量が上記上限値以下とするとウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
〈アンチモン含有難燃剤〉
また本発明に使用するアンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
アンチモン含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
アンチモン含有難燃剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1.5~50質量部の範囲であることが好ましく、1.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、2.0~15質量部の範囲であることがさらに好ましく、2.0~10質量部の範囲であることが最も好ましい。アンチモン含有難燃剤の配合量が上記下限値以上であることで、ウレタンフォームの自己消火性が保持され、耐火性が付与されやすくなる。またアンチモン含有難燃剤の配合量が上記上限値以下とするとウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
〈金属水酸化物〉
金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ等が挙げられる。金属水酸化物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することもできる。
金属水酸化物の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1.5~50質量部の範囲であることが好ましく、1.5~20質量部の範囲であることがより好ましく、2.0~15質量部の範囲であることがさらに好ましく、2.0~10質量部の範囲であることが最も好ましい。金属水酸化物の配合量が上記下限値以上であることで、ウレタンフォームの自己消火性が保持され、耐火性が付与されやすくなる。また金属水酸化物の配合量が上記上限値以下であることでウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
上記難燃剤の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記の(a)~(n)のいずれか等が挙げられ、これらの中では赤リンとリン酸エステルとを少なくとも含む組み合わせが好ましい。
(a)赤リンおよびリン酸エステル
(b)赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤
(c)赤リンおよび臭素含有難燃剤
(d)赤リンおよびホウ素含有難燃剤
(e)赤リンおよびアンチモン含有難燃剤
(f)赤リンおよび金属水酸化物
(g)赤リン、リン酸エステルおよびリン酸塩含有難燃剤
(h)赤リン、リン酸エステルおよび臭素含有難燃剤
(i)赤リン、リン酸エステルおよびホウ素含有難燃剤
(j)赤リン、リン酸塩含有難燃剤および臭素含有難燃剤
(k)赤リン、リン酸塩含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
(l)赤リン、臭素含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
(m)赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤および臭素含有難燃剤
(n)赤リン、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤およびホウ素含有難燃剤
難燃剤の合計配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、4.5~70質量部の範囲であることが好ましく、4.5~40質量部の範囲であることがより好ましく、4.5~30質量部の範囲であることがさらに好ましく、4.5~20質量部の範囲であることが最も好ましい。
難燃剤の配合量を上記下限値以上とすると、ウレタンフォームに不燃性を付与しやすくなる。また、火災時に、ウレタンフォームから形成される緻密残渣が割れることを防止できる。難燃剤の配合量を上記上限値以下とすると、ウレタン樹脂組成物の発泡が難燃剤により阻害されない。
本発明のウレタンフォームは、上記したとおり、ウレタン樹脂組成物を硬化し発泡して形成される。ウレタン樹脂組成物は、上記したポリオール化合物とイソシアネート化合物と難燃剤を含み、かつ一般的にはさらに、触媒、発泡剤、及び整泡剤を含む。
《触媒》
ウレタン樹脂組成物は、触媒として、例えば樹脂化触媒、三量化触媒、又はこの両方を含有するとよいが、両方を含有することが好ましい。樹脂化触媒は、ポリオール化合物とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。
樹脂化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチル,N´-ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等の窒素原子含有触媒等が挙げられる。
樹脂化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.02~5質量部の範囲であることが好ましく、0.04~3質量部の範囲であることがより好ましく、0.04~2質量部の範囲であることがさらに好ましく、0.06~1質量部の範囲であることが最も好ましい。
樹脂化触媒の配合量を上記下限値以上とすることで、ウレタン結合の形成が促進され、硬化性が良好となる。また、樹脂化触媒の配合量を上記上限値以下とすることで適切な発泡速度を維持することができ取扱いやすい。
三量化触媒は、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する触媒である。三量化触媒を使用することで、不燃性を向上させやすくなる。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の窒素含有芳香族化合物、酢酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができる。
三量化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.6~10質量部の範囲であることが好ましく、0.6~8質量部の範囲であることがより好ましく、0.6~6質量部の範囲であることがさらに好ましく、0.6~3.0質量部の範囲であることが最も好ましい。
三量化触媒の配合量を上記下限値以上とすると、イソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じない。また、三量化触媒の配合量を上記上限値以下とすると、適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
《発泡剤》
ウレタン樹脂組成物に含有される発泡剤は、ウレタン樹脂の発泡を促進する。発泡剤の具体例としては、例えば、水、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、CHF、CH 、CHF等のハイドロフルオロカーボン、ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン))、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物、HFO-1233zd(E)(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)、HFO-1336mzz(Z)(シス―1,1,1,4,4,4、-ヘキサフルオロブタ-2-エン)、HFO-1224yd(Z)等のハイドロオレフィン化合物、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤の配合量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部の範囲であることが好ましい。また、発泡剤は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~18質量部の範囲であることがより好ましく、0.5~18質量部の範囲であることがさらに好ましく、1~10質量部の範囲であることが最も好ましい。
発泡剤の含有量を上記下限値以上とすると、発泡が促進され、得られるウレタンフォームの密度を低減することができる。また、発泡剤の含有量を上記上限値以下とすると、発泡体が破泡せず、発泡体が形成されないことを防ぐことができる。
《整泡剤》
ウレタン樹脂組成物に含有される整泡剤は、ウレタン樹脂組成物の発泡性を向上させる。
整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
ウレタン樹脂に対する整泡剤の配合量は、例えば、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~10質量部の範囲であれば好ましい。
樹脂化触媒、三量化触媒、発泡剤及び整泡剤はそれぞれ一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
ウレタン樹脂組成物は、さらに無機充填材を含有してもよい。無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
無機充填材は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
さらにウレタン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
さらにウレタン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、沈降防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、粘着付与樹脂等の添加剤を含むことができる。
ウレタン樹脂組成物は反応して硬化するため、ウレタンフォーム成形前においては、2液に分割しておくとよい。具体的には、ポリオール化合物を含むポリオール液剤と、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート液剤に分割しておくとよい。この際、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分は、適宜、ポリオール液剤又はイソシアネート液剤に配合しておくとよいが、好ましくはポリオール液剤に配合する。ポリオール化合物は、反応性が低く、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の成分と混合させても、副反応が生じにくいためである。
ウレタン樹脂組成物は、リブ12の空洞部12aに注入して、空洞部12aで硬化かつ発泡させることで、ウレタンフォームにすることができる。リブ12の空洞部12aにウレタン樹脂組成物を注入する方法は、特に限定されないが、ポリオール液剤とイソシアネート液剤とを、リブ12の空洞部12aに注入する前に混合して混合物を得て、その混合物をリブ12の空洞部12aに注入してもよいし、ポリオール液剤とイソシアネート液剤を、リブ12の空洞部12aに別々で注入して、空洞部12aで混合してもよい。
具体的には、特に限定されないが、イソシアネート液剤と、ポリオール液剤とを2つの容器に別々に収容して、それらをコーキングガンなどにて混合して、その混合物をコーキングガンから吐出させリブ内部に注入するとよい。
ウレタン樹脂組成物は、各成分を混合すると反応が開始し、時間の経過と共に粘度が上昇し、硬化及び発泡が進行し、流動性を失い、ポリウレタンフォームとなる。ウレタン樹脂組成物は、通常、常温付近(例えば、10~40℃程度)に放置することで硬化及び発泡をさせるとよいが、必要に応じて、加熱等してもよい。
<防火区画構造>
以下、本実施形態に係る防火区画構造を説明する。
本実施形態に係る防火区画構造は、図5に示すように、上記フラットデッキ1と、フラットデッキ1のフラット部11の一方の面11Dにおけるリブ間30を充填する不燃材料20とを備える。フラットデッキ1は、フラット部11の一方の面11D側と石膏ボード等の区画材31とを突き合わせて配置される。具体的には、例えば、区画材31の上端面がリブ12の底面に突き合わされるように配置される。その状態で、フラットデッキ1と区画材31とをビスなどにより取り付けるとよい。そして、フラットデッキ1と区画材31との隙間であるリブ間30は、不燃材料20によって充填され、図5に示すような防火区画構造が得られる。不燃材料20でリブ間30の隙間を充填することで、防火性能を確保できる。
さらに、リブ12の外側においても、区画材31とフラットデッキ1の下面11Dの間には必要に応じて不燃材料(図示しない)を設けてもよい。
不燃材料20としては、ロックウール、グラスウールなど公知の隙間を埋めることが可能な不燃の材料を使用できる。
本実施形態に係る防火区画構造において、フラットデッキ1は、建築構造物の梁などの支持材の間に架け渡して敷設され、床構造、屋根構造などを構成する。フラットデッキ1は、例えば、型枠材などとして使用され、型枠材として使用される場合には、上面11U上にコンクリート(図示しない)が打設される。
以上のように、本実施形態においては、リブ12の空洞部12aに充填物13が充填されることで、リブ12の内部に形成された空洞により、区画に隙間ができることが防止され、良好な防火性、遮音性、断熱性などを有する区画を形成することができる。また、上記のように、充填物13を不燃性とすることで、防火性がより良好となる。さらに、リブ間30の隙間も、不燃材料20によって埋めることで防火性能をさらに向上させることができる。
また、本実施形態においては、フラットデッキ1のリブ12の内部に設けられた未充填部分15に、隣接して配置される別のフラットデッキ1の爪部14を差し込んで嵌合することで、互いに隣接して配置されるフラットデッキ1同士を連結させることが可能となり、施工性が良好となる。
(その他の実施形態)
以上では、充填物13が発泡体である例を参考に説明したが、発泡体以外の充填材を使用してもよく、例えば、セメント、モルタル、パテ等が挙げられる。なお、発泡体以外を使用する場合には、上記の製造方法で示した通りに、連結部12bの隙間をなくしてフラットデッキを製造してもよいが、連結部12bの隙間をなくさずに充填物13を充填してフラットデッキを製造してもよい。充填物は、発泡体以外を使用する場合、内部に充填されてから発泡することはないので、連結部12bの隙間をなくさなくても、連結部12bの隙間に充填物13を浸入させずに空洞部12aに充填物を充填させることができる。
また、リブ12には注入口16を設けなくてもよい。リブ12に注入口16を設けない場合には、注入口以外から充填物13をリブ12の内部に充填させるとよく、例えば、図3(a)に示す通りに、リブ12の上方がある程度の大きさで開口される状態で、リブ12の上方から充填材をリブ12の内部に充填させてもよい。また、リブ12の注入口16は、底面部分以外に設けられてもよい。
1 フラットデッキ
11 フラット部
11D 下面(一方の面)
11U 上面
12 リブ
12a 空洞部
12b 連結部
13 充填物
14 爪部
15 未充填部分
16 注入口
17 スペーサ
20 不燃材料
30 リブ間
31 区画材

Claims (10)

  1. フラット部と、前記フラット部の一方の面に突設されるリブと、前記リブの内部に設けられた充填物とを備え、
    前記リブが、内部に空洞を有する空洞部と、前記空洞部と前記一方の面を連結する連結部とを有し、
    前記充填物が、前記連結部の少なくとも一部に充填されないように前記空洞部の内部に充填される、フラットデッキ。
  2. 前記連結部には、隣接して配置されるフラットデッキの爪部が嵌合可能である請求項1に記載のフラットデッキ。
  3. 前記充填物が発泡体である、請求項1又は2に記載のフラットデッキ。
  4. 前記充填物が有機発泡体である、請求項1~3のいずれか1項に記載のフラットデッキ。
  5. 前記有機発泡体は、ウレタンフォームである、請求項4に記載のフラットデッキ。
  6. 前記充填物の密度が10kg/m以上200kg/m以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のフラットデッキ。
  7. 前記充填物は、ISO5660-1に準拠し、コーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、放射熱強度50kW/mにて加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のフラットデッキ。
  8. 前記リブは、前記充填物を注入するための注入口を底面部分に有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のフラットデッキ。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のフラットデッキと、
    前記フラットデッキのフラット部の一方の面における前記リブ間を充填する不燃材料とを備える、防火区画構造。
  10. フラット部と、前記フラット部の一方の面に突設されるリブと、充填物とを備え、前記リブが、内部に空洞を有する空洞部と、前記空洞部と前記一方の面を連結する連結部とを有するフラットデッキの製造方法であって、
    前記連結部の少なくとも一部の隙間をなくして、前記充填物を前記リブの内部に充填させる工程を備えるフラットデッキの製造方法。
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