JP2021109630A - 車載用回動式ホルダ装置 - Google Patents
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車載用ホルダ装置のなかには、アウタ部材とリッド部材とを有するものがある。アウタ部材は開口を有し、リッド部材は当該アウタ部材に対して回動することでアウタ部材の開口を開閉する。この種の車載用ホルダ装置においては、リッド部材によりアウタ部材の開口を開くことでホルダ部と外界とを連絡し、リッド部材によりアウタ部材の開口を閉じることでホルダ部を外界から遮蔽することができる(例えば、特許文献1参照)。この種の車載用ホルダ装置を車載用回動式ホルダ装置と称する。
開口を有するアウタ部材と、
物品を収容保持するためのホルダ部を有し、前記アウタ部材に対して回動し、前記開口を開き前記ホルダ部と外界とを連絡する開位置と、前記開口を閉じ前記ホルダ部を外界から遮蔽する閉位置と、の間を位置変化するリッド部材と、
前記リッド部材を前記開位置にロックするロック要素と、を具備し、
前記ロック要素は、前記リッド部材に設けられているリッド側ロック部と、前記アウタ部材に設けられているアウタ側ロック部と、解除駆動要素とを具備し、
前記リッド側ロック部は、前記ホルダ部の外部に突出し前記アウタ側ロック部と係合するロック位置と、前記ホルダ部の外部から退避し前記ホルダ部の内部に突出して前記アウタ側ロック部とのロックが解除される解除位置と、の間を前記リッド部材に対して位置変化可能であり、
前記解除駆動要素は、前記リッド部材が前記開位置にあるときに、前記リッド側ロック部を前記解除位置に向けて駆動し、
前記リッド部材が前記開位置にあるときに、前記ホルダ部に収容保持された前記物品に駆動された前記リッド側ロック部が前記ロック位置に位置変化し前記アウタ側ロック部に係合することで、前記リッド部材を前記開位置にロックする、車載用回動式ホルダ装置である。
また、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
何れの場合にも、リッド部材はアウタ部材の開口よりも奥側において当該開口を開閉するとともに、アウタ部材はリッド部材よりも手前側、すなわち、本発明のホルダ装置における表面に露出し、本発明のホルダ装置に意匠性を付与する意匠部材としても機能し得る。
本発明の車載用回動式ホルダ装置におけるリッド側ロック部は、リッド部材とともに位置変化し、さらに、リッド部材に対してもロック位置と解除位置との間を位置変化可能であるといい得る。
つまり、本発明のホルダ装置においては、ユーザーがホルダ部に物品を収容保持することにより、ロック要素が駆動されてリッド部材を開位置にロックするといい得る。これにより、ホルダ部における物品は安定して収容保持される。
また、解除駆動要素により、ホルダ部に物品が収容保持されていない場合にはロック要素によるロックが解除され、リッド部材は閉位置に向けて位置変化可能となる。
リッド側ロック部は、リッド部材に対して、ロック位置と解除位置との間を位置変化可能である。リッド側ロック部における位置変化の様式は特に問わず、例えば、回動やスライド等を例示することができる。リッド側ロック部は、既述したように、リッド部材とともに位置変化する。したがって、リッド側ロック部はリッド部材に対して位置変化するだけでなく、アウタ部材に対しても位置変化するといい得る。
または、解除駆動要素として上記の付勢要素を用い、当該付勢要素をアウタ側ロック部に設けることで、リッド側ロック部を解除位置に駆動しても良い。
または、解除駆動要素として錘を用い、当該錘をリッド側ロック部に設けることで、リッド側ロック部を解除位置に駆動しても良い。
さらには、解除駆動要素として磁石を用いても良い。この場合、リッド側ロック部およびアウタ側ロック部の両方に磁石を設け、リッド側ロック部からアウタ側ロック部に向ける磁極と、アウタ側ロック部からリッド側ロック部に向ける磁極とを同じ磁極にすることで、磁石の反発力によって、リッド側ロック部を解除位置に駆動することが可能である。解除駆動要素は、ここに例示したものに限定されず、種々の機構によるものを用い得る。
また、例えば、物品の外形寸法がホルダ部に対して小さい場合には、ホルダ部に収容した物品によってリッド側ロック部を解除位置からロック位置にまで十分に位置変化させ難い場合がある。この場合、リッド側ロック部とアウタ側ロック部とが十分に係合せず、ロック要素によるリッド部材の開位置へのロックを安定して維持し難い可能性がある。
さらに、ここでいう「補助ロック位置にある補助ロック部と解除位置にあるリッド側ロック部との距離」は、「ホルダ部内部への突出長さが最大となったときの補助ロック部と、ホルダ部内部への突出長さが最大となったときのリッド側ロック部との距離」と言い換えることも可能である。
なお、ここでいう「リッド側ロック部の正面に対する補助ロック部の交差角」とは、リッド側ロック部の中央線をホルダ部内部に向けて延長した直線と、補助ロック部の中央線をホルダ部内部に向けて延長した直線と、の交差角(劣角)を意味する。当該交差角が上記の範囲内であれば、小型の補助ロック部により、効果的にリッド側ロック部を駆動することが可能である。
実施例1のホルダ装置は、車両室内に搭載されるコンソールボックスの一部であり、より具体的には、ドリンクホルダである。
図1は実施例1のホルダ装置における各部品を説明する説明図である。図2〜図7は実施例1のホルダ装置の動作を説明する説明図である。詳しくは、図1は実施例1のホルダ装置を表す分解斜視図であり、図2〜図6は、実施例1のホルダ装置を図1中の上下方向及び前後方向に沿って切断した様子を模式的に表す断面図である。このうち図2、4〜6はリッド部材が開位置にあるときの実施例1のホルダ装置を表し、図3はリッド部材が閉位置にあるときの実施例1のホルダ装置を表す。図7は実施例1のホルダ装置を上面視した様子を模式的に表す説明図である。
以下、上、下、左、右、前、後とは、図1における上、下、左、右、前、後を指す。
図1に示すように、実施例1のホルダ装置は、アウタ部材1、リッド部材2、ロック要素4、開付勢要素80および異物回収要素81を具備する。
このうちアウタアッパ10は、板状をなし、表面を上に向け背面を下に向けている。アウタアッパ10の表面は、実施例1のホルダ装置における表面の一部を構成する。アウタアッパ10には開口11が設けられている。開口11は略円形をなし、アウタアッパ10を上下すなわち表−裏方向に貫通する。
このうちリッド部20は、湾曲した略板状をなし、後述するようにリッド部材2が閉位置に配置されたときに、アウタアッパ10の裏側において開口11の内部に配置され、当該開口11を閉じる。
ホルダアッパ30は略枠状をなし、ホルダロア35は略箱状をなす。ホルダアッパ30とホルダロア35とは互いに組み付けられてホルダ部21を形成する。
なお、図7は、実施例1のホルダ装置の上面図であるが、実施例1のホルダ装置をホルダ部21の底面37方向に投影した投影図と概略同じである。図7に示される、補助ロック位置にある補助ロック部51と解除位置にあるリッド側ロック部40との距離は、50mm以下である。
さらに、実施例1のホルダ装置において、リッド側ロック部40の正面に対する補助ロック部51の交差角θ1、θ2は35°〜45°程度である。
回収凸部82は、リッド部20およびホルダロア35に各々設けられている。回収凸部82は、間隔をおいて配置された複数の歯部83を有する櫛歯状をなす。
回収凹部84は、アウタ部材1のアウタロア15に設けられ、各回収凸部82に対面する。回収凹部84は、各回収凸部82の各歯部83に噛み合う凹溝部85を複数有する。各凹溝部85は、ホルダ枢支孔16を中心とした円弧状に延び、各回収凸部82の歯部83は各回収凹部84の凹溝部85内を移動可能である。異物回収要素81は、レシート等の薄型の物品がアウタ部材1とリッド部材2との隙間に侵入することを抑制したり、当該隙間に入り込んだ薄型の物品を掻き出したりする機能を有する。
またこのとき、サポート本体23およびリッド側ロック部40は、収容空間25に突出する。図7に示すように、このとき補助ロック部51もまた収容空間25に突出する。
詳しくは、アウタ側ロック部45の第1係合壁部46は、ホルダ枢支部38を中心とする反時計回り方向において、リッド側ロック部40における第1係合面43の先側に位置する。また、アウタ側ロック部45の第2係合壁部47は、ホルダ枢支部38を中心とする時計回り方向において、リッド側ロック部40における第2係合面44の先側に位置する。
しかしこのとき、ホルダ枢支部38を中心とする反時計回り方向において、リッド側ロック部40における第1係合面43の先側には、アウタ側ロック部45における第1係合壁部46が配置されている。このため、リッド部材2が開位置よりもさらに開方向に回動しようとすると、リッド側ロック部40の第1係合面43およびアウタ側ロック部45の第1係合壁部46が係合して、開位置にあるリッド部材2の更なる開方向への位置変化を阻害する。
しかし、実施例1のホルダ装置では、ホルダ枢支部38を中心とする時計回り方向において、リッド側ロック部40における第2係合面44の先側には、アウタ側ロック部45の第2係合壁部47が配置されている。このため、リッド部材2が開位置から時計回り方向すなわち閉方向に回動しようとすると、リッド側ロック部40の第2係合面44およびアウタ側ロック部45の第2係合壁部47が係合して、リッド部材2の閉方向への位置変化を阻害する。
実施例1のホルダ装置においては、上記したように、リッド部材2が開位置にあるときに、ロック位置に配置されたリッド側ロック部40がアウタ側ロック部45に係合することで、リッド部材2が開位置にロックされる。これにより、実施例1のホルダ装置によると、リッド部材2を安定して開位置に維持でき、リッド部材2のホルダ部21に物品を安定して収容保持することが可能である。
また、サポート22は、飲料容器90を押圧することで、ホルダ部21内での当該飲料容器90の位置変化を阻害する。これにより、実施例1のホルダ装置によると、飲料容器90をより安定してホルダ部21に収容保持することが可能である。
しかし、実施例1のホルダ装置は、サポート22以外にも補助ロック機構50を具備する。図7に示すように、補助ロック機構50の補助ロック部51は、サポート22のサポート本体23よりもやや後側に配置されており、補助ロック位置における補助ロック部51と解除位置にあるリッド側ロック部40との距離は、サポート位置におけるサポート本体23と解除位置にあるリッド側ロック部40との距離よりも短い。このため、飲料容器90が小型でありサポート本体23が当該小型の飲料容器90に当接しない場合にも、補助ロック部51は小型の飲料容器90に当接し当該飲料容器90を押圧し得る。補助ロック部51はリッド側ロック部40と略対向する位置関係にあるため、補助ロック部51は小型の飲料容器90をリッド側ロック部40に向けて押圧し、小型の飲料容器90に押圧されたリッド側ロック部40はロック位置に位置変化し得る。これにより、実施例1のホルダ装置においては、飲料容器90が小型である場合にも、リッド部材2を安定して開位置にロックすることが可能である。
ユーザーが開付勢要素80の付勢力に抗してリッド部材2を押圧し、当該リッド部材2を時計回りに回動させると、リッド部材2は図3に示す閉位置に位置変化する。なお、図示しないが、実施例1のホルダ装置は図略のハートカムを有するプッシュロック機構を具備する。閉位置にあるリッド部材2は、当該プッシュロック機構によって閉位置にロックされる。
実施例2のホルダ装置は、ロック要素4以外は実施例1のホルダ装置と概略同じものである。実施例2のホルダ装置の動作を説明する説明図を図8に示す。なお、図8は実施例2のホルダ装置を図2と同位置で切断した様子を模式的に表す断面図であり、より具体的には、リッド部材2が開位置にあるときの実施例2のホルダ装置を表す。
以下、実施例1のホルダ装置との相違点を中心に、実施例2のホルダ装置について説明する。
実施例2のホルダ装置において、アウタ側ロック部45の周壁のうち図8における後側部分、すなわち、ホルダ枢支部38を中心とする反時計回り方向の先側に位置する部分が、第1係合壁部46である。また、アウタ側ロック部45の周壁のうち図8における前側部分、すなわち、ホルダ枢支部38を中心とする時計回り方向の先側に位置する部分が、第2係合壁部47である。
また、リッド側ロック部40のうち図8における後側面が第1係合面43であり、図8における前側面が第2係合面44である。
リッド側ロック部40はホルダ部21の底壁36に配置されているため、開位置に位置変化したリッド部材2におけるホルダ部21の収容空間25に飲料容器90を収容保持すると、リッド側ロック部40は飲料容器90によって下方に押圧される。このためリッド側ロック部40は、解除駆動要素48の付勢力に抗してロック位置に位置変化し、アウタ側ロック部45に係合する。これにより、実施例2のホルダ装置においても、開位置にあるリッド部材2は開方向にも閉方向にも位置変化できなくなり、開位置にロックされる。
よって、実施例2のホルダ装置によっても、実施例1のホルダ装置と同様に、リッド部材2を安定して開位置にロックすることが可能である。
このため、実施例のホルダ装置では、補助ロック部51を要さずに、飲料容器90が大型の場合にも、小型の場合にも、リッド部材2を安定して開位置にロックすることが可能であり、ホルダ部21に物品を安定して収容保持することが可能である。
実施例3のホルダ装置は、ロック要素4以外は実施例2のホルダ装置と概略同じものである。実施例3のホルダ装置の動作を説明する説明図を図9に示す。なお、図9は実施例3のホルダ装置を図2と同位置で切断した様子を模式的に表す断面図であり、より具体的には、リッド部材2が開位置にあるときの実施例3のホルダ装置を表す。
以下、実施例2のホルダ装置との相違点を中心に、実施例3のホルダ装置について説明する。
解除駆動要素48は、リッド側ロック部40とホルダ部21との間に介在し、リッド側ロック部40を図9に示す解除位置に向けて付勢する。
実施例4のホルダ装置は、ロック要素4以外は実施例1のホルダ装置と概略同じものである。実施例4のホルダ装置の動作を説明する説明図を図10〜図12に示す。なお、図10〜図12は実施例4のホルダ装置を図2と同位置で切断した様子を模式的に表す断面図であり、より具体的には、図10および図11はリッド部材2が開位置にあるときの実施例4のホルダ装置を表し、図12はリッド部材2が閉位置にあるときの実施例4のホルダ装置を表す。
以下、実施例1のホルダ装置との相違点を中心に、実施例4のホルダ装置について説明する。
このため、ホルダ部21に飲料容器90を収容保持していないときには、図10に示す開位置においても、図12に示す閉位置においても、リッド側ロック部40はホルダ部21の内部に突出して、ホルダ部21の外部からは退避する。
2:リッド部材 21:ホルダ部
4:ロック要素 40:リッド側ロック部
45:アウタ側ロック部 48:解除駆動要素
51:補助ロック部 55:補助駆動要素
80:開付勢要素 90:飲料容器(物品)
Claims (3)
- 開口を有するアウタ部材と、
物品を収容保持するためのホルダ部を有し、前記アウタ部材に対して回動し、前記開口を開き前記ホルダ部と外界とを連絡する開位置と、前記開口を閉じ前記ホルダ部を外界から遮蔽する閉位置と、の間を位置変化するリッド部材と、
前記リッド部材を前記開位置にロックするロック要素と、を具備し、
前記ロック要素は、前記リッド部材に設けられているリッド側ロック部と、前記アウタ部材に設けられているアウタ側ロック部と、解除駆動要素とを具備し、
前記リッド側ロック部は、前記ホルダ部の外部に突出し前記アウタ側ロック部と係合するロック位置と、前記ホルダ部の外部から退避し前記ホルダ部の内部に突出して前記アウタ側ロック部とのロックが解除される解除位置と、の間を前記リッド部材に対して位置変化可能であり、
前記解除駆動要素は、前記リッド部材が前記開位置にあるときに、前記リッド側ロック部を前記解除位置に向けて駆動し、
前記リッド部材が前記開位置にあるときに、前記ホルダ部に収容保持された前記物品に駆動された前記リッド側ロック部が前記ロック位置に位置変化し前記アウタ側ロック部に係合することで、前記リッド部材を前記開位置にロックする、車載用回動式ホルダ装置。 - 前記リッド部材を前記開位置に付勢する開付勢要素を有する、請求項1に記載の車載用回動式ホルダ装置。
- 前記ロック要素は、さらに、前記リッド部材に対して位置変化可能な補助ロック部と、前記補助ロック部を前記ホルダ部の内部に突出する方向に駆動する補助駆動要素と、を有し、
前記補助駆動要素の駆動力は、前記解除駆動要素の駆動力よりも大きい、請求項1または請求項2に記載の車載用回動式ホルダ装置。
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