JP2021109484A - 乗物用内装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】軟質層を有する表皮材が貼着された部材と他の部材との見切り部分において表皮材の触感を損なうことなく、高い意匠性を有する乗物用内装材を提供する。【解決手段】本体部22aと立壁部22bとを有する形状の第1部材22と、基材28と弾性を有する軟質層32の上層に表層31が積層されてなる表皮材30とを備えた第2部材20と、を含み、表皮材30には、端末の少なくとも一部に、下面からの高さが他の部分30bより低い状態に塑性変形させられた塑性変形部30aが形成されており、第2部材20は、塑性変形部30aが基材28の端末28aを巻き込む状態で、表皮材30が基材28に貼着されたものとされ、第1部材22と第2部材20とが組み付けられた状態において、立壁部22bと基材28の端末28aとの間に表皮材30における塑性変形部30aが挟み込まれた構成とする。【選択図】図8
Description
本発明は、乗物用内装材に関する。
下記特許文献1には、板状をなす基材と、表層とその表層の下層に積層された軟質層(クッション層)とからなり基材の表面に貼着された表皮材と、を備える乗物用内装材(インストゥルメントパネル)が記載されている。その下記特許文献1に記載の乗物用内装材は、基材の端末部が、本体部と、その本体部よりも表側へ突出した状態で本体部を取り囲むフランジ部とを備え、クッション層の端末部が、押潰された状態に塑性変形させられていない一般部と、その一般部の周囲に位置して押し潰された状態に塑性変形させられた周縁部とを備え、表皮材が、一般部において本体部に貼着され、周縁部においてフランジ部の少なくとも表面および側面に沿って折り曲げられた状態でフランジ部に貼着された構成とされている。
上記特許文献1に記載の乗物用内装材は、基材の端末がフランジ部によって厚くされて、そのフランジ部の表面に押し潰された表皮材が貼着されているため、乗物用内装材の端末は、他の部分と比較して、硬くなり、触感が大きく異なることとなる。また、乗物用内装材は、複数の部材を組み付けた構成とされる場合がある。そして、軟質層を有する表皮材が貼着された部材と他の部材とが接する状態で組み付けられる場合には、それらの見切り部分において、他の部材が表皮材に接するため、表皮材の膨らみが均一になりにくく、意匠性が悪化する虞がある。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、軟質層を有する表皮材が貼着された部材と他の部材との見切り部分において表皮材が貼着された部材の触感を損なうことなく、高い意匠性を有する乗物用内装材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の乗物用内装材は、
第1部材と第2部材とを含んで構成される乗物用内装材であって、
前記第1部材は、本体部とその本体部の外縁から立設された立壁部とを有する形状のものとされ、
前記第2部材は、板状をなす基材と、弾性を有する軟質層の上層に表層が積層されてなり前記基材の表面に貼着された表皮材と、を備え、
前記表皮材には、端末の少なくとも一部に、下面からの高さが他の部分より低い状態に塑性変形させられた塑性変形部が形成されており、
前記第2部材は、前記塑性変形部が前記基材の端末を巻き込む状態で、前記表皮材が前記基材に貼着されたものとされ、
前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられた状態において、前記第1部材の前記立壁部と前記基材の端末との間に前記表皮材における前記塑性変形部が挟み込まれた構成とされていることを特徴とする。
第1部材と第2部材とを含んで構成される乗物用内装材であって、
前記第1部材は、本体部とその本体部の外縁から立設された立壁部とを有する形状のものとされ、
前記第2部材は、板状をなす基材と、弾性を有する軟質層の上層に表層が積層されてなり前記基材の表面に貼着された表皮材と、を備え、
前記表皮材には、端末の少なくとも一部に、下面からの高さが他の部分より低い状態に塑性変形させられた塑性変形部が形成されており、
前記第2部材は、前記塑性変形部が前記基材の端末を巻き込む状態で、前記表皮材が前記基材に貼着されたものとされ、
前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられた状態において、前記第1部材の前記立壁部と前記基材の端末との間に前記表皮材における前記塑性変形部が挟み込まれた構成とされていることを特徴とする。
この構成の乗物用内装材においては、表皮材の端末の一部あるいは全体が、表側から潰された状態に塑性変形させられている。例えば、上記塑性変形部が存在しない表皮材を用いた場合、第2部材(それが備える表皮材)が第1部材の立壁部に押し付けられ、その見切り部分の形状等に応じて膨らみが変化して均一になりにくい。また、その表皮材の膨らみが第1部材に重なることになるため、表皮材の外縁の凹凸は乗物室内からの視点において目立ちやすい状態となる。それに対して、この構成の乗物用内装材は、塑性変形部と塑性変形させられていない部分との境界を基材の外縁に沿わせるように基材に対して表皮材を貼着すること、具体的には、例えば、境界を、基材の側面に沿って貼着すること、あるいは、基材の表面側における外縁から内側に僅かに入った位置で外縁と平行になるように貼着することで、第1部材に対する見切り部分における表皮材の膨らみを均一化することができる。つまり、この構成の乗物用内装材によれば、表皮材の膨らみを均一化するととともに、第1部材に対する見切り部分まで触感を損なうことがない。
なお、この構成の乗物用内装材において、表皮材の軟質層には、樹脂(ウレタン樹脂,ポリ塩化ビニル等)製のシート,編物,不織布等、種々のものを採用可能である。また、軟質層が編物である場合には、編布だけでなく、立体編物(立体編布)とすることもできる。
上記の構成において、前記第1部材は、前記立壁部から前記第2部材の裏面側に延び出した延出部を備え、前記表皮材の前記塑性変形部における外縁部が、前記基材の裏面と前記延出部とによって挟み込まれている構成とすることができる。
この構成の乗物用内装材は、表皮材における基材の裏面に巻き返された部分が、その基材の裏面と第1部材の延出部とによって挟まれるように構成されているが、その表皮材の巻き返された部分は、潰された状態に塑性変形させられているため、第1部材の意匠面(乗物室内側面)と第2部材の意匠面との間において、ズレ(乗物室内外方向におけるズレ)が生じるような事態を回避することができる。
また、上記の構成において、前記基材には、裏面に取付ボスが設けられ、前記延出部には、前記取付ボスを挿通させるボス挿通孔が設けられ、前記第1部材と前記第2部材とは、前記取付ボスと前記ボス挿通孔とを利用し、前記表皮材の前記塑性変形部における外縁部を前記基材の裏面と前記延出部とによって挟み込んだ状態で締結されている構成とすることができる。
この構成の乗物用内装材は、第1部材と第2部材との締結箇所付近に表皮材が挟まれることになるが、その挟み込まれる部分は、厚みが小さくされているため、それら第1部材と第2部材との締結作業を容易に行うことができる。なお、このような構成の乗物用内装材において、例えば、塑性変形部の存在しない表皮材を用いた場合、表皮材は、締結箇所近傍を中心として弾性変形量が大きくなるため、第1部材に対する見切り部分においても、表皮材の膨らみがより均一になり難いと考えられる。つまり、この構成の乗物用内装材には、塑性変形部を有する表皮材を用いた上記の構成が、特に有効である。
また、上記構成において、前記軟質層は、繊維材料が編み込まれてシート状に形成されたものであり、2枚の基布が連結糸で繋がれた構造の立体編物である構成とすることができる。
この構成の乗物用内装材において、軟質層が、例えばダブルラッセルと呼ばれる編物からなる。このような立体編物は、例えばウレタンフォーム(スラブウレタン等)に比較して、大きな弾力性を有している。そのため、第1部材と第2部材との見切り部分において、表皮材の膨らみを均一化することが困難である。したがって、表皮材が立体編物からなる軟質層を有する、この構成の乗物用内装材には、塑性変形部を有する表皮材を用いた上記の構成が、特に有効である。
本発明によれば、軟質層を有する表皮材が貼着された部材と他の部材との見切り部分において表皮材が貼着された部材の触感を損なうことなく、高い意匠性を有する乗物用内装材を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
本発明の実施例の乗物用内装材は、図1に示す車両用ドアトリム10である。本ドアトリム10は、車両のサイドドアの車室内側部分を構成するものであり、ドアインナパネルに対して車室内側から取り付けられるものである。本ドアトリム10は、概して矩形状をなすトリムボード11を主体として構成され、そのトリムボード11に加えて、トリムボード11上に設けられたインサイドハンドル12、スイッチベース13、アームレスト14,ドアポケット15、スピーカーグリル16等の各種機能部品を含んで構成される。
トリムボード11は、複数のボード部材が互いに組み付けられたものであり、主として、アッパボード20、ロアボード21、オーナメントボード22、および、アームレストボード23によって構成される。なお、上記のインサイドハンドル12は、オーナメントボード22に設けられている。アームレスト14は、アームレストボード23が、ロアボード21の上方側、オーナメントボード22の下方側(トリムボード11のほぼ中央)に締結されることによって形成され、スイッチベース13は、そのアームレスト14の前方側に設けられている。また、ドアポケット15およびスピーカーグリル16は、ロアボード21の下方側に設けられている。
上記のアッパボード20は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって形成された板状の基材28(図8参照)に、表皮材30が貼り付けられて構成されたものである。なお、基材28は、合成材料に限定されず、例えば、木質系材料(ケナフ、ヘンプ、フラックス、サイザルなど)と合成樹脂を混合したものなどを用いてもよい。
表皮材30は、図2に示す、2種の素材の異なるシートが積層された積層シートSから作製される。詳しく言えば、積層シートSは、アッパボード20およびアームレストボード23の意匠面をなす表層31と、その下層側の弾性を有する軟質層としてのクッション層32と、が積層されたものである。そのクッション層32は、繊維材料が編み込まれてシート状に形成された編物からなる。詳しく言えば、クッション層32は、2枚の基布32a,32bが連結糸32cによって繋がれた構造の立体編物(立体編布)であり、ダブルラッセルと呼ばれる編物である。
なお、表層31およびクッション層32の両者は、熱可塑性樹脂によって形成されたものである。具体的に言えば、表層31は、ウレタン樹脂(例えば、ポリウレタン)によって形成されたものであり、クッション層32は、エステル樹脂(例えば、ポリエステル)によって形成されたものである。そして、積層シートSは、表層31を形成する過程でウレタン樹脂をシート状に拡げたものに対し、そのウレタン樹脂が完全に凝固する前にクッション層32を重ねることで、表層31とクッション層32とが一体的に形成されたものとなっている。したがって、この積層シートSから製造された表皮材30は、基材に対して一度の貼着作業ですむため、本ドアトリム10の製造時のサイクルタイムの短縮を図ることができる。
表皮材30は、上記のようにクッション層32が立体編物とされているため、クッション性に優れており触感もよく、表皮材として好適なものとなっている。しかしながら、そのクッション層32が編物であるために、積層シートSから表皮材30の形状に裁断する際に問題が生じる。詳しく言えば、編物を裁断すると、図3に示すように、裁断した箇所において繊維がほつれて、多量の繊維くず35が発生することになる。例えば、上記のように単に裁断しただけの表皮材を基材に貼着してしまうと、ドアトリム10を組み上げた後においても、繊維くずが発生して、ドアトリム10の意匠面に付着してしまう虞がある。そこで、本ドアトリム10に用いられる表皮材30は、そのような繊維くず35の発生を抑えるべく、以下に説明する製造方法によって作製される。
まず、図2に示す積層シートSをトムソン刃41によって裁断し、図4に示す概して表皮材30形状に裁断された積層シートSCが成形される。次いで、その裁断された積層シートSCに対して熱プレス加工が行われる。熱プレス加工を施す熱プレス装置50は、図4に示すように、装置本体51と、裁断された積層シートSCを保持して装置本体51内にセットされるシート固定用治具52と、からなる。装置本体51は、シート固定用治具52がセットされる定盤53と、その定盤53の上方に対向して配される押し型54と、を含んで構成される。定盤53には、一対のガイドレール55が設けられており、上記のシート固定用治具52は、それら一対のガイドレール55によって案内され、定盤53上の所定位置にセットされる。
シート固定用治具52は、裁断された積層シートSCの形状の凹所60を有しており、その凹所60内において積層シートSCを保持する構成とされている。その凹所60の中央部分には、開口61が形成されており、シート固定用治具52は、凹所60と開口61とにより形成された段差部62によって、裁断された積層シートSCを端末部において保持するものとなっている。なお、図5に示すように、シート固定用治具52には、裁断された積層シートSCをクッション層32が下側に位置する状態で保持させる。そして、段差部62には、熱線ヒータ63が配されており、その熱線ヒータ63によって、クッション層32を融点以上に加熱するようになっている。
一方、押し型54は、定盤53に対して接近離間可能に配されており、押し型本体部80と、その押し型本体部80の下面側に下方に突出して設けられた端末部溶着リブ81と、を有しいている。その端末部溶着リブ81は、所定位置にセットされたシート固定用治具52の段差部62に対応する箇所、つまり、裁断された積層シートSCの端末部に沿う形状とされている。押し型54を下降させると、図6に示すように、端末部溶着リブ81による押圧が行われる。積層シートSCの端末部は、シート固定用治具52に配された熱線ヒータ63によってクッション層32側から加熱されているため、積層シートSCの端末部は、端末部溶着リブ81によって押圧されて、図7に示すように、表層31側から押し潰されたような状態で溶着させられるのである。つまり、上記の製造方法で作製された表皮材30においては、端末部30aの全体が、下面からの高さが他の部分30bより低い状態に塑性変形させられた塑性変形部とされているのである。なお、以下の説明において、端末部30a以外の部分を、表皮本体部30bと呼ぶ場合がある。
また、表層31を形成するポリウレタンは、融点が180℃程度である。一方、クッション層32を形成するポリエステルは、融点が260℃程度である。つまり、表層31は、融点がクッション層32の融点より低いものとなっており、表層31がクッション層32より溶融し易く、例えば、表層31側から加熱して、表層31が溶融してしまうと、表皮材30の裁断端末の見栄えが悪くなってしまう。それに対して、上記の製造方法によれば、クッション層32側から加熱を行うため、表層31への熱の伝達を抑えることができ、表皮材30の裁断端末の見栄えの悪化を抑えることができる。
さらに、表皮材30は、クッション層32が、2枚の基布32a,32bが連結糸32cで繋がれた構造の立体編物とされている。そのため、通常の編布より多くの繊維くずが発生しやすい。したがって、立体編物からなるクッション層32を有する積層シートSを用いて表皮材30を作製する場合には、上記の製造方法によって表皮材30の端末部30aが溶着させられることが、特に有効である。
そして、上記製造方法で作製された表皮材30が基材28に貼着されることで、第2部材としてのアッパボード20が成形されている。詳しく言えば、図8に示すように、表皮材30は、端末部30aと表皮本体部30bとの境界Lを、基材28の下側の端末28a、つまり、オーナメントボード22側の縁部に合わせるようにして、表皮本体部30bが貼着されている。また、表皮材30の端末部30aは、基材28の裏面側(室外側)において基材28の中央側に向かって巻き返された状態で貼着されている。なお、アッパボード20の上端側においては、表皮材30を引っ張って、余った表皮本体部30bを基材28の裏面側に巻き込むようにして貼着されている。つまり、アッパボード20は、塑性変形部である端末部30aが基材28の端末28aを巻き込む状態で、表皮材30が基材28に貼着されたものとなっている。
アッパボード20は、オーナメントボード22に隣接し、その第1部材としてのオーナメントボード22に組み付けられる。そのオーナメントボード22は、図8に示すように、表皮材は貼着されておらず、ポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって成形された板状の部材である。また、オーナメントボード22は、車室内の意匠面を構成する本体部22aと、その本体部22aの上縁から車室外側に向かって立設する立壁部22bと、その立壁部22bの先端から上方に向かって延び出した延出部22cと、を有している。
また、図8に示すように、アッパボード20の基材28には、裏面における下縁側の部分に複数の取付ボス90が設けられている。一方、オーナメントボード22の延出部22cには、それら取付ボス90を挿通させるボス挿通孔91が設けられている。なお、表皮材30の端末部30aにおける下縁において折り返された部分には、複数の取付ボス90に対応する貫通孔92が設けられており、アッパボード20は、表皮材30が、貫通孔92を取付ボス90に挿通させた状態で基材28の裏面に貼着されたものとなっている。そして、アッパボード20とオーナメントボード22とは、複数の取付ボス90と複数のボス挿通孔91とを利用して締結されている。具体的には、複数の取付ボス90を複数のボス挿通孔91に挿通させた状態で、複数の取付ボス90の先端を加熱軟化させてかしめること(熱カシメ)によって、アッパボード20とオーナメントボード22とが締結されている。つまり、本実施例のドアトリム10においては、アッパボード20とオーナメントボード22とが、表皮材30の端末部30aにおける外縁部を基材28の裏面と延出部22cとによって挟み込んだ状態で締結されている。
また、アッパボード20とオーナメントボード22とは、上記のように締結された状態において、図8に示すように、アッパボード20の表面、つまり、表皮材30の表面(詳しく言えば、表皮本体部30b)と、オーナメントボード22の表面(詳しく言えば、本体部22aの表面)とが、ほぼ同じ高さで連続するように組み付けられている。換言すれば、アッパボード20の下縁側の外周面がオーナメントボード22の立壁部22bに接する状態で組み付けられている。そして、基材28の端末(下縁)28aには、表皮材30の端末部30aが貼着されているため、本実施例のドアトリム10においては、立壁部22bと基材28の端末28aとの間に表皮材30における端末部30aが挟み込まれた状態となっている。
以上のように構成された本実施例のドアトリム10は、表皮材30が塑性変形部である端末部30aと塑性変形させられていない表皮本体部30bとの境界Lが基材28の外縁に沿わせるように貼着されているため、詳しく言えば、端末部30aと表皮本体部30bとの境界Lが基材28の側面に沿って貼着されているため、オーナメントボード22に対する見切り部分における表皮材30の膨らみが均一化されるとともに、そのオーナメントボード22との見切り部分まで表皮材30の触感を損なうことがないのである。
また、本実施例のドアトリム10は、表皮材30の端末部30aにおける基材28の裏面に巻き返された部分が、その基材28の裏面とオーナメントボード22の延出部22cとによって挟まれるように構成されているが、その表皮材30の巻き返された部分は、潰された状態に塑性変形させられているため、オーナメントボード22の意匠面(乗物室内側面)に対してアッパボード20の意匠面が室内側にずれるような事態を回避することができる。
また、本実施例のドアトリム10は、オーナメントボード22とアッパボード20との締結箇所に表皮材30の端末部30aが挟まれることになるが、その挟み込まれる部分は、潰された状態に塑性変形させられて厚みが小さくされているため、それらオーナメントボード22とアッパボード20との締結作業を容易に行うことができる。なお、上記のような締結構造を用いた乗物用内装材において、例えば、塑性変形部の存在しない表皮材を用いた場合、表皮材は、締結箇所近傍を中心として弾性変形量が大きくなるため、表皮材の見切り部分における膨らみが均一になりにくいと考えられる。つまり、上記のような2部材の締結構造を用いた本実施例のドアトリム10には、塑性変形部を有する表皮材30を用いた上記の構成が、特に有効である。
なお、上記実施例のドアトリム10においては、端末部30aと表皮本体部30bとの境界Lが基材28の側面に沿って貼着されていたが、図9に示すように、端末部30aと表皮本体部30bとの境界Lが、基材28の上面側において基材28の端末(外縁)28aから内側に僅かに入った位置で、基材28の端末28aと平行になるように貼着することもできる。このような構成のドアトリム100は、オーナメントボード22の立壁部22cから表皮材30の表皮本体部30bまでの隙間を均一化して、木目込みを入れたような意匠を有するものとなる。
上記実施例のドアトリム10および変形例のドアトリム100は、いずれも、表皮材30の軟質層であるクッション層32が立体編物とされていたが、それに限定されず、編布,不織布,樹脂(ウレタン樹脂,ポリ塩化ビニル等)製のシート等も採用可能である。
また、本発明の乗物用内装材は、ドアトリムに限定されず、ピラートリムやインストゥルメントパネル等の種々の車両用の内装材に採用することができる。また、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるもの、例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても、本発明の乗物用内装材を適用することができる。
10…車両用ドアトリム〔乗物用内装材〕、20…アッパボード〔第2部材〕、22…オーナメントボード〔第1部材〕、22a…本体部、22b…立壁部、22c…延出部、28…基材、30…表皮材、30a…端末部〔塑性変形部〕、30b…表皮本体部、31…表層、32…クッション層〔軟質層,立体編物〕、32a…基布(上層側)、32b…基布(下層側)、32c…連結糸、90…取付ボス、91…ボス挿通孔、92…貫通孔
Claims (4)
- 第1部材と第2部材とを含んで構成される乗物用内装材であって、
前記第1部材は、本体部とその本体部の外縁から立設された立壁部とを有する形状のものとされ、
前記第2部材は、板状をなす基材と、弾性を有する軟質層の上層に表層が積層されてなり前記基材の表面に貼着された表皮材と、を備え、
前記表皮材には、端末の少なくとも一部に、下面からの高さが他の部分より低い状態に塑性変形させられた塑性変形部が形成されており、
前記第2部材は、前記塑性変形部が前記基材の端末を巻き込む状態で、前記表皮材が前記基材に貼着されたものとされ、
前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられた状態において、前記第1部材の前記立壁部と前記基材の端末との間に前記表皮材における前記塑性変形部が挟み込まれた構成とされている乗物用内装材。 - 前記第1部材は、前記立壁部から前記第2部材の裏面側に延び出した延出部を備え、
前記表皮材の前記塑性変形部における外縁部が、前記基材の裏面と前記延出部とによって挟み込まれている請求項1に記載の乗物用内装材。 - 前記基材には、裏面に取付ボスが設けられ、
前記延出部には、前記取付ボスを挿通させるボス挿通孔が設けられ、
前記第1部材と前記第2部材とは、前記取付ボスと前記ボス挿通孔とを利用し、前記表皮材の前記塑性変形部における外縁部を前記基材の裏面と前記延出部とによって挟み込んだ状態で締結されている請求項2に記載の乗物用内装材。 - 前記軟質層は、繊維材料が編み込まれてシート状に形成されたものであり、2枚の基布が連結糸で繋がれた構造の立体編物である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用内装材。
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DE102021133518A1 (de) | 2021-12-16 | 2023-06-22 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Oberflächenbezug für ein Interieurbauteil und Verfahren zu dessen Herstellung |
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2020
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