JP6930470B2 - インストルメントパネル用表皮材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エアバッグドアを有するインストルメントパネルにおいて基材の表面に貼着されるインストルメントパネル用表皮材の製造方法及びインストルメントパネル用表皮材に関する。
従来、自動車には、助手席の乗員を保護する手段として助手席用エアバッグ装置が搭載されている。この助手席用エアバッグ装置では、自動車の助手席の前方に配置されたインストルメントパネルの一部がエアバッグドアとして用いられる。エアバッグドアは、芯材としての基材と、基材の表面に貼着された表皮材とを有している。表皮材は、基材の表面に貼着されるクッション層と同クッション層の表面に貼着された表皮とを有する。
こうしたエアバッグドアにおいては、エアバッグドアに弾力性を付与して触感を向上させるために、上記クッション層として例えばダブルラッセル編物などからなる立体編クッション層が用いられているものがある(例えば特許文献1参照)。このダブルラッセル織物は、表側と裏側の平坦な編地層と、これらを連結糸で連結することによって形成された連結層とを備えて構成され、形態安定性を向上させ且つ良好なクッション性を得るために、少なくとも2本の連結糸が両編地層を互いに逆方向の斜めに傾斜してクロス状(X状)又はトラス状に連結されている。
特開2017−52401号公報
ここで、ダブルラッセル編物からなる立体編クッション層は、製造過程で連結糸が切断される際に糸屑が発生する場合があり、糸屑を取り除くための清掃作業に工数を要するという課題がある。また、完成した表皮材の運搬時や組み付け時に、立体編クッション層内に糸屑が残存している場合、糸屑が周囲に落下するおそれがあるという課題もある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、糸屑の発生を防止することができるインストルメントパネル用表皮材の製造方法及びインストルメントパネル用表皮材を提供することを目的とする。
本発明のインストルメントパネル用表皮材の製造方法は、エアバッグドアを有するインストルメントパネルにおいて基材の表面に貼着される表皮材の製造方法であって、表編地層、前記基材の表面に接着される裏編地層、及び前記表編地層と前記裏編地層とを連結糸によって連結する連結層を有する立体編クッション層と、前記立体編クッション層の表面に貼着される表皮とを備える表皮材原反を準備する準備工程と、前記表皮材原反を切断予定線に沿って少なくとも前記表編地層及び前記裏編地層同士を溶着させつつ切断する溶着切断工程と、を有する。
本発明のインストルメントパネル用表皮材は、エアバッグドアを有するインストルメントパネルにおいて基材の表面に貼着される表皮材であって、表編地層、前記基材の表面に接着される裏編地層、及び前記表編地層と前記裏編地層とを連結糸によって連結する連結層を有する立体編クッション層と、前記立体編クッション層の表面に貼着される表皮とを備えるインストルメントパネル用表皮材において、前記立体編クッション層は、その端縁部の少なくとも一部に前記表編地層及び前記裏編地層同士が溶着された溶着部を備える。
本発明のインストルメントパネル用表皮材の製造方法によれば、表編地層及び裏編地層同士の溶着と表皮材原反の切断とを一工程で行うことができると共に、製造時における糸屑の発生を防止し、清掃作業に要する工数の低減を図ることができるという効果を奏する。
本発明のインストルメントパネル用表皮材によれば、運搬時や基材への取付け時における糸屑の発生を防止できるという効果を奏する。
実施形態のインストルメントパネル用表皮材が取り付けられた自動車のインストルメントパネルを示す斜視図である。 図1におけるII−II線矢視方向断面を示す拡大断面図である。 表皮材の外観を示す斜視図である。 図3におけるIV−IV線矢視方向断面を示す拡大断面図である。 実施形態の表皮材の製造方法における準備工程を示す説明図である。 実施形態の表皮材の製造方法における溶着切断工程において熱刃を押圧する前の状態を示す説明図である。 実施形態の表皮材の製造方法における溶着切断工程において熱刃を押圧した後の状態を示す説明図である。 比較例の表皮材の製造方法におけるトムソン刃を押圧する工程を示す説明図である。 比較例の表皮材の製造方法におけるトムソン刃による切断後の状態を示す説明図である。 変形例の表皮材の製造方法における準備工程を示す説明図である。 変形例の表皮材の製造方法における溶着切断工程においてレーザ光照射の様子を示す説明図である。
以下、具体例を挙げて本発明のインストルメントパネル用表皮材及びその製造方法の実施形態を説明する。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで新たな数値範囲を構成し得る。さらにこれらの数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
自動車の運転席D及び助手席Pの前方には、図1に示すように、車幅方向に延びるインストルメントパネル10が配置されており、その表面部分が基材11の表面に貼着されたインストルメントパネル用表皮材1(以下、表皮材1とも称する)によって構成されている。自動車には、前方から衝撃が加わった場合に、助手席Pに着座している乗員の前方でエアバッグ62を展開膨張させて乗員を衝撃から保護する助手席用エアバッグ装置(以下、エアバッグ装置61)が設けられている。
エアバッグ装置61は、図2に示すように、インストルメントパネル10のうち助手席Pの前方部分の一部に形成された自動車用エアバッグドア(以下、エアバッグドア50)と、そのエアバッグドア50の裏面側に設けられたエアバッグモジュールAMとを備えている。エアバッグドア50は、エアバッグ装置61の作動時に展開膨張するエアバッグ62によって押圧されて助手席P側へ開き、エアバッグ62の展開を許容する開口を画成する。
エアバッグドア50の裏面側には、前後方向に間隔をおいて互いに対向して配置される一対の壁部(図示せず)を備えてなるリテーナ40が設けられている。リテーナ40の両壁部には、エアバッグ62が折り畳まれた状態で保持されるとともに、膨張用ガスを発生してエアバッグ62に供給するインフレータ(図示せず)が保持されている。これらのリテーナ40、エアバッグ62及びインフレータによってエアバッグモジュールAMが構成されている。
上記構成のリテーナ40は、例えばサーモプラスチックオレフィン(TPO)からなり、射出成形法によって成形されている。また、リテーナ40の各表面には、複数の突部41が形成されている。これら突部41がエアバッグドア50における基材11の裏面に対して振動溶着法等により固着されている。
次に、エアバッグドア50の基本構造について説明する。図2に示すように、エアバッグドア50は、芯材としての基材11と、表皮材1とを備えている。
基材11は、例えばサーモプラスチックオレフィン(TPO)やポリプロピレンなどの樹脂材料からなり、射出成形法によって成形されている。基材11は、例えば2.5〜3.5mmの厚みを有している。また、図2に示すように、基材11の裏面には、開裂溝からなるテアラインTLが形成されている。
表皮材1は、シート状の部材であって、図3に示すように、インストルメントパネル10の外形に適合する外周形状を形成する端縁部16と、メータクラスタ、エアコンディショナーのレジスタ及びデフロスタ等、インストルメントパネル10に配設される各種車両用内装品のための取り付け開口を形成する端縁部17と有している。また、表皮材1は、図2に示すように、基材11の表面に接着剤により貼着された立体編クッション層20と、立体編クッション層20の表面に貼着された表皮30とを備えている。尚、本実施形態の表皮材1には、開裂溝が形成されていない。
立体編クッション層20は、エアバッグドア50に必要なクッション性(弾力性)を付与して触感を向上させるために用いられている。立体編クッション層20は、ダブルラッセル編物からなり、基材11の表面に貼着されている。
立体編クッション層20は、表編地層21、裏編地層22及び連結層24を備えており、ダブルラッセル編機などを用いて形成されている。表編地層21は、単一種類の糸を複数本縒った縒り糸で構成されており、平面的で規則正しい編目で形成されている。
裏編地層22は、単一種類の糸を複数本縒った縒り糸で構成されており、平面的で規則正しい編目で形成されている。表編地層21及び裏編地層22を構成する糸としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維などの合成繊維からなるものが用いられている。
表編地層21及び裏編地層22の編地の編み組織は、平坦な組織(例えば、経編みの三原組織であるトリコット編、コード編、アトラス編)とされている。表編地層21及び裏編地層22の編組織の組み合わせとしては、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
連結層24は、表編地層21及び裏編地層22を連結糸23で連結することによって形成されている。連結糸23は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維などによって形成されている。なお、繰り返しや長時間圧縮後のクッション性の耐久性を良好にするために、連結糸23の少なくとも一部に、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いることが好ましい。また、繊維の断面形状については、クッション性の耐久性を良好にする観点からは、丸型断面が好ましい。さらに、連結糸23は、ずれ力の緩和の観点からモノフィラメント糸とされている。
連結糸23は、表編地層21及び裏編地層22の編地中にループ状の編目を形成してもよい。また、連結糸23は、両編地層21,22に挿入状態やタック状態で引っ掛けられてもよい。なかでも、少なくとも2本の連結糸23が両編地層21,22を互いに逆方向の斜めに傾斜してクロス状(X状)又はトラス状に連結することが、立体編クッション層20の形態安定性を向上させ、良好なクッション性を得るうえで好ましい。トラスは、三角形を基本単位としてその集合体で構成する構造形式であり、連結糸23と表編地層21とによって、又は連結糸23と裏編地層22とによって略三角形状を形成する。この場合、クロス状についてもトラス状についても、連結糸23が、2本の糸によって構成されてもよいし、1本の同一の連結糸23が表編地層21及び裏編地層22で折り返され、見かけ上2本となっていてもよい。また、立体編クッション層20の自己開裂性を高めるために、連結糸23の両編地層21,22に対する傾斜を垂直に近い角度に設定する構成としてもよい。
このような立体編クッション層20は、通気性、クッション性などの点で優れている。立体編クッション層20の厚みは、連結糸23の長さを調整することで変更可能である。本実施形態では、立体編クッション層20は1.5mm〜3.5mmの厚みに形成されていることが好ましい。上記厚みが1.5mmよりも小さいとクッション性の確保が困難となり、3.5mmよりも大きいと手巻き性が損なわれて取付け作業が困難となるからである。
立体編クッション層20の原反は、その面に沿った方向の引張強度に関して異方性を有している。すなわち、立体編クッション層20の原反は、その面に沿った所定の方向において引張強度が最小とされる一方、同方向に対して直交する方向において引張強度が最大とされている。
基材11及び表皮30の間の層(クッション層)を立体編クッション層20によって構成したのは、次の理由による。すなわち、クッション層が織物によって形成されたものに比べて立体編クッション層20、ひいては表皮材1の伸縮性や柔軟性を高めることができる。また、立体編クッション層20に代えて、発泡ウレタンなどによりクッション層を形成した場合よりもクッション性能を高め、エアバッグドア50の触感を向上させることができる。さらに、立体編クッション層20が経編みされた原反により形成されれば、編地を安定させることができる。
表皮30は、図2に示すように、主にエアバッグドア50の質感向上、触感向上などを図る目的で設けられており、本実施形態では合皮によって構成されている。合皮は、基布層31と、その基布層31の表面に貼着された表皮層32とからなる二層構造をなしている。尚、表皮30は、合皮に代えて、スエード調表皮を用いてもよい。また、表皮30の溶融温度は、立体編クッション層20の溶融温度よりも高い。
基布層31は、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成樹脂繊維の編物または織物からなり、その生地を加工することによって形成されている。基布層31の原反は、その面に沿った方向の引張強度に関して異方性を有している。すなわち、基布層31の原反は、その面に沿った所定の方向において引張強度が最小とされる一方、同方向に対して直交する方向において引張強度が最大とされている。
表皮層32は、図2に示すように、エアバッグドア50の外表面(意匠面)を構成するものであり、例えばポリウレタンによって形成されていて、基布層31に接着されている。
表皮30(基布層31及び表皮層32)は、0.4mm〜0.75mmの厚みを有していることが好ましい。上記厚みが0.4mmよりも小さいと、外観及び手巻き作業性の点で性能を満足することが難しくなり、0.75mmよりも大きいと、表皮30をエアバッグ62の展開により破断させることが難しくなるからである。
また、表皮30の厚みを上記の範囲内に設定することで、表皮30の破断荷重を従来よりも小さくすることができる。基布層31と立体編クッション層20とは、それらの引張強度が最小となる方向が一致するように、向きを合わせられた状態で互いに貼着されている。従って、基布層31及び立体編クッション層20の引張強度は上記方向において最小となっている。
ここで、表皮材1は、外周を形成する端縁部16又は取付け開口を形成する端縁部17付近の断面形状は、図4に示すようになっている。すなわち、端縁部16、17の全体に亘って、立体編クッション層20には表編地層21及び裏編地層22同士が溶着された溶着部25が形成されている。従って、立体編クッション層20は、連結層24における連結糸23同士の隙間からなる空間が、端縁部16、17の溶着部25において閉塞され、連結層24内に残存する連結糸23の糸屑が外部へこぼれ出すことが防止される。
次に、実施形態の表皮材1の製造方法について、図5乃至図7を参照しつつ説明する。
(準備工程)
まず、図5に示すように、表皮材1を切断するための準備として、表皮30側を押さえ部材101に当接させるように、表皮材1の原反1A(以下、表皮材原反1Aと称する)を配置する。
(溶着切断工程)
次に、図6に示すように、表皮材原反1Aの切断予定部分(切断予定線CLにて示す)に対して、立体編クッション層20の裏編地層22側から熱刃102の先端部を押圧する。熱刃102の温度は、表編地層21及び裏編地層22の溶融温度以上、且つ表皮30の溶融温度未満であり、例えば、250℃〜350℃に設定されることが好ましい。表皮材原反1Aの切断予定部分に熱刃102の先端部が押圧されると、切断予定部分に存する表編地層21及び裏編地層22の形成材料は、熱刃102の先端部の押し付け又は熱刃102からの熱によって溶融し切断され、切断予定部分の近傍に存する形成材料は、熱刃102によって間接的に熱せされて溶融する。そして、熱刃102の先端部が、さらに押さえ部材101側へ押圧されることにより、表皮30が機械的に切断される。
その結果、図7に示すように、表皮材原反1Aの切断予定部分において、表皮材原反1Aから1枚の表皮材1が切り分けられる形で、表皮材原反1Aが切断されるとともに、その切断によって生じた表皮材1の表編地層21及び裏編地層22の切断縁部同士、及び、切り分けられた表皮材原反1Aの表編地層21及び裏編地層22の切断縁部同士が、それぞれ溶着する。
(比較例)
ここで、比較例の製造方法として、トムソン刃112により表皮材原反1Aを切断する場合について、図8及び図9を参照しつつ説明する。まず、表皮材原反1Aを加工台111上に載置する。次に、切断予定線CLで示される表皮材原反1Aの切断予定部分にトムソン刃112の先端部が押圧されると、切断予定部分に存する表皮材原反1Aの形成材料は、トムソン刃112の先端部の押圧によって切断される。この時、トムソン刃112の先端部の押圧によって連結糸23が撓み、この状態でさらにトムソン刃112が押圧されることにより、連結糸23の一部分が切り落とされて糸屑となる場合がある。そして、製造過程で糸屑が落下した場合は、途中で加工台111の清掃作業が必要となり、或は、糸屑が落下せずに連結糸23や表編地層21、裏編地層22に付着した場合は、運搬時や基材11への取付け時に糸屑が落下するという問題がある。上述した実施形態の製造方法によれば、このような問題が生じる可能性は大幅に低減される。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態のインストルメントパネル用表皮材1は、エアバッグドア50における基材11の表面に貼着される表皮材において、表編地層21、基材11の表面に接着される裏編地層22、及び表編地層21と裏編地層22とを連結糸23によって連結する連結層24を有する立体編クッション層20と、立体編クッション層20の表面に貼着される表皮30とを備え、立体編クッション層20は、その端縁部16,17の少なくとも一部に表編地層21及び裏編地層22同士が溶着された溶着部25を備える。
この構成によれば、端縁部16,17の少なくとも一部において、表編地層21及び裏編地層22同士が溶着された溶着部25によって、連結層24における連結糸23どうしの隙間からなる空間が閉塞されている。このため、表皮材1の運搬時や基材11への取付け時に、連結層24から連結糸23の糸屑が落下することを防止できる。
よって、実施形態の表皮材1によれば、運搬時や取付け時における糸屑の発生を効果的に防止できるという効果を奏する。
特に、立体編クッション層20がダブルラッセル編物からなり、連結糸23の傾斜角度等によっては切断時に糸屑が発生しやすい場合でも、溶着部25を備えることによって糸屑の発生が防止される。
また、本実施形態では、特に溶着部25が、立体編クッション層20の端縁部16,17の全体に亘って形成されている。従って、立体編クッション層20は、連結層24における連結糸23同士の隙間からなる空間が、端縁部16、17の溶着部25において閉塞され、連結層24内に残存する連結糸23の糸屑が外部へこぼれ出すことがより確実に防止される。
また、本実施形態のインストルメントパネル用表皮材1の製造方法は、エアバッグドア50における基材11の表面に貼着される表皮材の製造方法であって、表編地層21、基材11の表面に接着される裏編地層22、及び表編地層21と裏編地層22とを連結糸23によって連結する連結層24を有する立体編クッション層20と、立体編クッション層20の表面に貼着される表皮30とを備える表皮材原反1Aを準備する準備工程と、表皮材原反1Aを切断予定線CLに沿って表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させつつ切断する溶着切断工程とを有する。
この方法によれば、溶着切断工程において、表皮材原反1Aを切断予定線CLに沿って表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させつつ切断することにより、表編地層21及び裏編地層22同士の溶着と表皮材原反1Aの切断とを一工程で行うことができる。また、溶着切断工程において、連結糸23の一部が切り落とされることにより生じた糸屑は、他の連結糸23や表編地層21、裏編地層22に溶着したり、連結層24内に閉じ込められたりするので、糸屑が周囲に落下することを効果的に防止できる。
よって、実施形態のインストルメントパネル用表皮材1の製造方法によれば、表編地層21及び裏編地層22同士の溶着と表皮材原反1Aの切断とを一工程で行うことができると共に、製造時における糸屑の発生を防止し、清掃作業に要する工数の低減を図ることができるという効果を奏する。
また、溶着切断工程は、表皮材原反1Aを熱刃102によって溶着及び切断する。この方法によれば、簡単な装置を用いて確実に表皮材原反1Aを切断予定線CLに沿って溶着及び切断することができる。
特に、溶着切断工程は、立体編クッション層20の裏編地層側22から熱刃102を押圧することにより表皮材原反1Aを溶着及び切断する。この方法によれば、表皮30よりも溶融温度の低い裏編地層側22及び表編地層21に熱刃102が先に当接して溶融させるので、表編地層21及び裏編地層22同士の溶着をより確実に行うことができる。
また、熱刃102の温度は、表編地層21及び裏編地層22の溶融温度以上、且つ表皮30の溶融温度未満に設定されているので、表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させて溶着部25を形成しつつ、表皮30を溶融させることなく熱刃102の押圧により機械的に切断することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。
上記実施形態では、端縁部16、17の全体に亘って、立体編クッション層20に表編地層21及び裏編地層22同士が溶着された溶着部25が形成される構成を示したがこれには限られない。立体編クッション層20の端縁部16,17の少なくとも一部に溶着部25が形成される構成であればよい。端縁部16,17の少なくとも一部に溶着部25が設けられていれば、立体編クッション層20は連結層24における連結糸23同士の隙間からなる空間が溶着部25において閉塞されるため、連結層24から糸屑がこぼれ出すのを防止する効果が期待できるからである。尚、溶着部25は、端縁部16、17に沿う周方向において、50%以上に亘って設けられることが好ましく、80%以上に亘って設けられることがより好ましい。つまり、端縁部16、17に沿う周方向において、溶着部25が設けられる割合が大きいほど連結層24の密閉度が増すことになり、連結層24内に残存する連結糸23の糸屑が外部へこぼれ出しにくくなる。
上記実施形態では、熱刃102の温度を、表編地層21及び裏編地層22の溶融温度以上、且つ表皮30の溶融温度未満に設定する例を示したがこれには限られない。熱刃102の温度を、表編地層21、裏編地層22及び表皮30の溶融温度以上に設定してもよい。この場合、切断予定部分及びその近傍に存する表皮30の形成材料も、切断時に表編地層21及び裏編地層22と同様に熱せられて溶着する。
また、上記実施形態では、熱刃102の押圧により表皮材原反1Aを溶着及び切断する例、すなわち表皮材原反1Aの切断と表編地層21及び裏編地層22の溶着とを同時に実施する例を示したが、これには限られない。例えば、最初に表皮材原反1Aの切断予定部分を加熱押圧して表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させ、次にこの溶着部分をカッター等の切断治具の刃で切断することにより、立体編クッション層20の端縁部16,17の少なくとも一部に溶着部25を形成するようにしてもよい。或いは、最初に表皮材原反1Aの切断予定部分を切断治具の刃で切断し、次に切断縁部を加熱押圧して表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させることにより、立体編クッション層20の端縁部16,17の少なくとも一部に溶着部25を形成するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、立体編クッション層20の表面に表皮30が予め貼着された表皮材原反1Aを準備し、表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させる例を示したが、これには限られない。表皮30が貼着されていない立体編クッション層20の原反を準備し、まず表編地層21及び裏編地層22同士を溶着させつつ切断し、その後、立体編クッション層20の表面に表皮30を貼着して表皮材1として完成させるようにしてもよい。
或いは、レーザ光の照射によって表皮材原反1Aを溶着及び切断するようにしてもよい。以下、変形例における表皮材1の製造方法について、図10及び図11を参照しつつ説明する。尚、上記実施形態と同一部材には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
(準備工程)
まず、図10に示すように、表皮材1を切断するための準備として、表皮30側をレーザ照射器202に対向させるように、表皮材原反1Aを加工台201上に配置する。
(溶着切断工程)
次に、図11に示すように、表皮材原反1Aの切断予定部分に対して、レーザ照射器202より表皮30へレーザ光を照射する。レーザ光としては、表皮30に吸収されて、表皮30を発熱させる波長のレーザ光を用いる。表皮材原反1Aの切断予定部分にレーザ光が照射されると、切断予定線CLにて示される切断予定部分に存する表皮材原反1Aの表皮30と表編地層21及び裏編地層22とは、レーザ光の照射熱によって溶融し切断(レーザ溶断)される。
その結果、図11に示すように、表皮材原反1Aの切断予定部分において、表皮材原反1Aから1枚の表皮材1が切り分けられる形で、表皮材原反1Aの表皮30と表編地層21及び裏編地層22とが切断されるのと同時に、その切断によって生じた表皮材1の表編地層21及び裏編地層22の切断縁部同士、及び、切り分けられた表皮材原反1Aの表編地層21及び裏編地層22の切断縁部同士が、それぞれ溶着する。
本変形例によれば、溶着切断工程において、表皮材原反1Aをレーザ光によって溶着及び切断するので、レーザ照射器202を用いて表皮材原反1Aを所望形状に溶着及び切断して表皮材1を製造することができる。
1…インストルメントパネル用表皮材、1A…表皮材原反、10…インストルメントパネル、11…基材、16、17…端縁部、20…立体編クッション層、21…表編地層、22…裏編地層、23…連結糸、24…連結層、25…溶着部、30…表皮、50…エアバッグドア、102…熱刃。

Claims (2)

  1. エアバッグドアを有するインストルメントパネルにおいて基材の表面に貼着される表皮材の製造方法であって、
    表編地層、前記基材の表面に接着される裏編地層、及び前記表編地層と前記裏編地層とを連結糸によって連結する連結層を有する立体編クッション層と、前記立体編クッション層の表面に貼着される表皮とを備える表皮材原反を準備する準備工程と、
    前記表皮材原反を切断予定線に沿って少なくとも前記表編地層及び前記裏編地層同士を溶着させつつ切断する溶着切断工程と、
    を有し、
    前記溶着切断工程は、前記表皮材原反を熱刃によって溶着及び切断する工程であって、
    前記熱刃の温度は、前記表編地層及び前記裏編地層の溶融温度以上、且つ前記表皮の溶融温度未満に設定されている、インストルメントパネル用表皮材の製造方法。
  2. 前記溶着切断工程は、前記立体編クッション層の前記裏編地層側から前記熱刃を押圧することにより前記表皮材原反を溶着及び切断する請求項に記載のインストルメントパネル用表皮材の製造方法。
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