JP2021106092A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルク型全固体電池において、正極層とセパレータ層との接着力を向上させる。【解決手段】全固体電池は、正極層10、セパレータ層30および負極層20を含む。正極層10、セパレータ層30および負極層20は、この順に積層されている。正極層10は、セパレータ層30に接着されている。正極層10およびセパレータ層30の各々は、フッ素樹脂バインダを含む。正極層10およびセパレータ層30において、「0.6≦Mp」かつ「0.7≦Mp/Ms」の関係が満たされている。「Mp」は、正極層10におけるフッ素樹脂バインダの分布の指標である。「Ms」は、セパレータ層30におけるフッ素樹脂バインダの分布の指標である。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体電池に関する。
特開2016−134254号公報は、熱可塑性樹脂により、固体電解質層と電極層とを接着することを開示している。
特開2016−134254号公報
バルク型全固体電池は、例えば、正極層、セパレータ層および負極層が、この順に積層されることにより形成され得る。各層は、例えば、プレス加工により接着され得る。ただし、正極層とセパレータ層との界面において接着不良が発生する可能性がある。
本開示の目的は、バルク型全固体電池において、正極層とセパレータ層との接着力を向上させることである。
以下、本開示における技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示における作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否は、特許請求の範囲を限定しない。
全固体電池は、正極層、セパレータ層および負極層を含む。正極層、セパレータ層および負極層は、この順に積層されている。正極層は、セパレータ層に接着されている。正極層およびセパレータ層の各々は、フッ素樹脂バインダを含む。
正極層およびセパレータ層において、
0.6≦Mp、かつ
0.7≦Mp/Ms
の関係が満たされている。
「Mp」は、正極層におけるフッ素樹脂バインダの分布の指標である。
「Ms」は、セパレータ層におけるフッ素樹脂バインダの分布の指標である。
「Mp」および「Ms」の各々は、下記手順(a)から(d)により算出される。
(a)対象層の厚さ方向断面が取得される。
(b)厚さ方向断面が上下に2等分されることにより、該厚さ方向断面が上層と下層とに区分される。負極層に近い方が上層と定義される。
(c)上層および下層の各々において、SEM−EDXによりフッ素を対象とする面分析が実施される。
(d)上層におけるフッ素の特性X線のカウント数が、下層におけるフッ素の特性X線のカウント数で除される。
正極層およびセパレータ層は、スラリーの塗布、乾燥により形成され得る。スラリーの乾燥時、「マイグレーション」と称される現象が発生することがある。すなわち、塗膜内の対流により、バインダが塗膜の表層に浮き上がることがある。マイグレーションにより、正極層およびセパレータ層において、厚さ方向にバインダの分布が生じ得る。
本開示においては、正極層およびセパレータ層の両方で、フッ素樹脂バインダが使用されている。各層の厚さ方向断面において、SEM−EDX(Scanning Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)によって、フッ素(F)を対象とする面分析が実施される。これにより、各層におけるバインダの分布が把握され得る。本実施形態においては、面分析の結果に基づいて、「Mp」および「Ms」が算出される。「Mp」および「Ms」は、「マイグレーション指数」とも称され得る。
図1は、本実施形態における全固体電池を示す断面概念図である。
「Mp」は、正極層10におけるマイグレーションの指標である。「Mp」が大きい程、正極層10において、バインダがセパレータ層30側に偏って分布していると考えられる。正極層10において、バインダが均一に分布している時、「Mp」は1に近い値になると考えられる。
「Ms」は、セパレータ層30におけるマイグレーションの指標である。「Ms」が大きい程、セパレータ層30において、バインダが負極層20側に偏って分布していると考えられる。セパレータ層30において、バインダが均一に分布している時、「Ms」は1に近い値になると考えられる。
一般に、バインダが均一に分布するように、塗膜の乾燥条件が選択されている。すなわち、「Mp=1、Ms=1」に近づくように、塗膜の乾燥条件が選択されている。
本開示における新知見によると、正極層10におけるバインダの分布が、正極層10とセパレータ層30との接着力に、大きく影響する。さらに、正極層10およびセパレータ層30において、バインダが特定の分布を有することにより、正極層10とセパレータ層30との接着力が向上する傾向がある。すなわち、本開示においては、「0.6≦Mp、かつ0.7≦Mp/Ms」の関係が満たされる。これにより、正極層10とセパレータ層30との接着力が向上する傾向がある。
「0.6>Mp」または「0.7>Mp/Ms」の関係が満たされる時、所期の接着力が得られない可能性がある。
図1は、本実施形態における全固体電池を示す断面概念図である。 図2は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第1断面概念図である。 図3は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第2断面概念図である。 図4は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第3断面概念図である。 図5は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第4断面概念図である。
以下、本開示の実施形態(「本実施形態」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定しない。
本実施形態において、例えば「1質量部から10質量部」等の記載は、特に断りのない限り、境界値を含む範囲を示す。すなわち、例えば「1質量部から10質量部」は、「1質量部以上10質量部以下」の範囲を示す。
本実施形態においては、電流レートの高さが「C」により表現される。「1C」は、満充電容量が1時間で放電される電流レートと定義される。例えば、0.1Cの電流レートは、1Cの0.1倍の電流レートを示す。0.1Cの電流レートによれば、満充電容量が10時間で放電される。
<全固体電池>
図1は、本実施形態における全固体電池を示す断面概念図である。
電池100は、バルク型全固体電池である。電池100は、蓄電要素50を含む。蓄電要素50は、正極層10、セパレータ層30および負極層20を含む。電池100は、1個の蓄電要素50を単独で含んでいてもよい。電池100は、複数個の蓄電要素50を含んでいてもよい。複数個の蓄電要素50は、例えば、z軸方向に積層されていてもよい。複数個の蓄電要素50は、電気的に直列接続されていてもよい。複数個の蓄電要素50は、電気的に並列接続されていてもよい。
電池100は、外装材(不図示)をさらに含んでいてもよい。外装材に、蓄電要素50が収納されていてもよい。外装材は、密閉されていてもよい。外装材は、例えば、金属製の容器等であってもよい。外装材は、例えば、アルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。
電池100は、正極集電体11をさらに含んでいてもよい。正極集電体11は、正極層10に接着されていてもよい。正極集電体11は、例えば、アルミニウム(Al)箔等を含んでいてもよい。正極集電体11は、例えば、5μmから50μmの厚さを有していてもよい。
電池100は、負極集電体21をさらに含んでいてもよい。負極集電体21は、負極層20に接着されていてもよい。負極集電体21は、例えば、ニッケル(Ni)箔、銅(Cu)箔等を含んでいてもよい。負極集電体21は、例えば、5μmから50μmの厚さを有していてもよい。
《マイグレーション指数》
正極層10、セパレータ層30および負極層20は、この順に積層されている。正極層10は、セパレータ層30に接着されている。
正極層10およびセパレータ層30において、
0.6≦Mp、かつ
0.7≦Mp/Ms
の関係が満たされている。
上記関係が満たされることにより、正極層10とセパレータ層30との接着力が向上する傾向がある。上記関係が満たされる限り、下記関係が満たされていてもよい。下記関係が満たされることにより、接着力が向上する可能性もある。
「Mp」は、例えば、1.0以上であってもよいし、1.5以上であってもよい。「Mp」は、例えば、2.5以下であってもよいし、2.0以下であってもよい。
「Ms」は、例えば、0.4以上であってもよいし、0.6以上であってもよいし、1.0以上であってもよいし、1.5以上であってもよい。「Ms」は、例えば、2.5以下であってもよいし、2.0以下であってもよい。
「Mp/Ms」は、例えば、0.8以上であってもよいし、1.0以上であってもよいし、1.3以上であってもよいし、1.5以上であってもよいし、1.7以上であってもよいし、2.0以上であってもよいし、2.5以上であってもよい。「Mp/Ms」は、例えば、6.3以下であってもよいし、5.0以下であってもよいし、4.2以下であってもよいし、3.8以下であってもよいし、3.3以下であってもよい。
《マイグレーション指数の測定方法》
「Mp」および「Ms」は、下記手順(a)から(d)により算出される。
(a) まず、0.2Cの電流レートにより、電池100が完全放電される。完全放電後、電池100が解体される。電池100から蓄電要素50が回収される。蓄電要素50が切断されることにより、断面試料が取得される。断面試料は、正極層10またはセパレータ層30の厚さ方向断面を含む。本実施形態における「厚さ方向断面」は、図1のxz平面に平行な断面を示す。ただし、本実施形態における「平行」は、幾何学的に完全な平行のみを示すものではない。本実施形態における「平行」は、実質的に平行とみなせる関係も含む。厚さ方向断面と、xz平面とのなす角は、例えば、0°±5°であってもよい。FIB(Focused Ion Beam)またはCP(Cross section Polisher)により、断面試料の表面が平坦化される。
(b) 平坦化後、SEMにより、断面試料が観察される。観察視野に対象層(正極層10またはセパレータ層30)の厚さ方向の全体が含まれるように、観察倍率が調整される。対象層が厚さ方向に2等分される。これにより対象層の厚さ方向断面が上層ULと下層LLとに区分される。本実施形態においては、z軸方向において、負極層20に近い方が上層ULと定義される。
(c) 上層ULおよび下層LLの各々において、EDXによりFを対象とする面分析が実施される。Fは、フッ素樹脂バインダに含まれている。分析エリアAEのサイズは、上層ULと下層LLとで同一である。分析エリアAEは、一辺の長さが上層UL(または下層LL)の厚さと等しい正方形である。
(d) 分析エリアAEにおいて、Fの特性X線がカウントされる。上層ULおよび下層LLの各々において、特性X線のカウント数(検出強度)が取得される。上層ULにおける特性X線のカウント数が、下層LLにおける特性X線のカウント数で除されることにより、対象層のマイグレーション指数が算出される。すなわち、対象層が正極層10である時、「Mp」が算出される。対象層がセパレータ層30である時、「Ms」が算出される。
「Mp」および「Ms」は、それぞれ5個の断面試料において測定される。本実施形態においては、5回測定の算術平均が採用される。
《セパレータ層》
セパレータ層30は、正極層10と負極層20との間に介在している。セパレータ層30は、正極層10と負極層20とを物理的に分離している。セパレータ層30は、例えば、1μmから100μmの厚さを有していてもよい。セパレータ層30は、例えば、10μmから50μmの厚さを有していてもよい。
セパレータ層30は、「固体電解質層」とも称され得る。セパレータ層30は、固体電解質とフッ素樹脂バインダとを含む。セパレータ層30は、実質的に、固体電解質とフッ素樹脂バインダとからなっていてもよい。
(固体電解質)
本実施形態において、固体電解質は、セパレータ層30、正極層10および負極層20の3層に、共通して含まれ得る。各層に含まれる固体電解質は、すべて同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
例えば、100質量部のセパレータ層30は、80質量部から99.9質量部の固体電解質を含んでいてもよい。例えば、100質量部のセパレータ層30は、95質量部から99.9質量部の固体電解質を含んでいてもよい。
固体電解質は、例えば、粒子群であってもよい。固体電解質は、例えば、0.1μmから10μmの平均粒子径を有していてもよい。固体電解質は、例えば、0.1μmから1μmの平均粒子径を有していてもよい。本実施形態において、「固体電解質の平均粒子径」は、一次粒子の定方向径の平均値である。一次粒子の定方向径は、顕微鏡法により測定され得る。平均粒子径は、例えば100個の定方向径の算術平均であり得る。
固体電解質は、Liイオン伝導体である。本実施形態における固体電解質は、硫化物固体電解質であってもよいし、酸化物固体電解質であってもよい。硫化物固体電解質は、高いイオン伝導度を有する傾向がある。硫化物固体電解質は、例えば、ガラスであってもよい。硫化物固体電解質は、例えば、ガラスセラミックス(「結晶化ガラス」とも称される)であってもよい。硫化物固体電解質は、硫黄(S)およびリチウム(Li)を含む。硫化物固体電解質は、例えば、リン(P)をさらに含んでいてもよい。すなわち、硫化物固体電解質は、硫化リンリチウムであってもよい。硫化物固体電解質は、例えば、ハロゲン元素をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えば、ヨウ素(I)、臭素(Br)等をさらに含んでいてもよい。硫化物固体電解質は、例えば、酸素(O)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)等をさらに含んでいてもよい。
硫化物固体電解質は、例えば、Li2S−P25、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Si2S−P25、LiI−LiBr−Li2S−P25、LiI−Li2S−P25、LiI−Li2O−Li2S−P25、LiI−Li2S−P25、LiI−Li3PO4−P25、Li3PO4−Li2S−SiS2、およびLi2S−P25−GeS2からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
硫化物固体電解質の組成は、原材料によって表され得る。例えば、「Li2S−P25」は、硫化物固体電解質が、Li2Sに由来する成分と、P25に由来する成分とからなることを示す。Li2S−P25は、例えば、Li2SとP25とのメカノケミカル反応により生成され得る。Li2SとP25との混合比は、任意である。Li2SとP25とは、例えば、モル比で「Li2S/P25=50/50」から「Li2S/P25=90/10」の関係を満たしていてもよい。Li2SとP25とは、例えば、モル比で「Li2S/P25=60/40」から「Li2S/P25=80/20」の関係を満たしていてもよい。
(フッ素樹脂バインダ)
フッ素樹脂バインダは、セパレータ層30および正極層10の2層に共通して含まれる。フッ素樹脂バインダは、セパレータ層30、正極層10および負極層20の3層に共通して含まれていてもよい。各層に含まれるフッ素樹脂バインダは、すべて同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
例えば、100質量部のセパレータ層30は、0.1質量部から10質量部のフッ素樹脂バインダを含んでいてもよい。例えば、100質量部のセパレータ層30は、0.5質量部から5質量部のフッ素樹脂バインダを含んでいてもよい。
フッ素樹脂バインダは、固体同士を結合する。フッ素樹脂バインダは、フッ素樹脂からなる。フッ素樹脂は、分子構造内にフッ素(F)を含む。SEM−EDXの面分析において、Fの分布は、フッ素樹脂バインダの分布を示すと考えられる。Fの分布は、前述のマイグレーション指数(Mp、Ms)により評価され得る。フッ素樹脂バインダの分布は、例えば、スラリーのバインダ配合量、スラリーの固形分濃度、スラリーの乾燥条件等により調整され得る。
フッ素樹脂バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
《正極層》
正極層10は、負極層20に比して高い電位を有する。正極層10は、セパレータ層30に接着されている。正極層10は、例えば、1μmから200μmの厚さを有していてもよい。正極層10は、例えば、10μmから100μmの厚さを有していてもよい。
正極層10は、正極活物質、固体電解質およびフッ素樹脂バインダを含む。正極層10は、実質的に、正極活物質、固体電解質およびフッ素樹脂バインダからなっていてもよい。正極層10は、例えば、導電材等をさらに含んでいてもよい。
(正極活物質)
正極活物質は、例えば、粒子群であってもよい。正極活物質は、例えば、1μmから30μmの平均粒子径を有していてもよい。本実施形態において、「正極活物質の平均粒子径」は、二次粒子のメジアン径を示す。メジアン径は、体積基準の粒度分布において微粒側からの累積粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径を示す。メジアン径は、レーザ回折法により測定され得る。
正極活物質は、Liを吸蔵放出し得る。正極活物質は、任意の成分を含み得る。正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、および、リン酸鉄リチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
正極活物質に表面処理が施されていてもよい。表面処理により、正極活物質の表面に緩衝層が形成されてもよい。緩衝層は、例えば、ニオブ酸リチウム等を含んでいてもよい。緩衝層は、硫化物固体電解質と正極活物質との直接接触を阻害し得る。硫化物固体電解質と正極活物質とが直接接触すると、Li空乏層が形成され、抵抗が増加する可能性もある。
例えば、100質量部の正極層10は、50質量部から99質量部の正極活物質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の正極層10は、70質量部から95質量部の正極活物質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の正極層10は、80質量部から90質量部の正極活物質を含んでいてもよい。
(固体電解質)
固体電解質の詳細は、前述のとおりである。例えば、100質量部の正極層10は、1質量部から50質量部の固体電解質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の正極層10は、5質量部から30質量部の固体電解質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の正極層10は、10質量部から20質量部の固体電解質を含んでいてもよい。
(フッ素樹脂バインダ)
フッ素樹脂バインダの詳細は、前述のとおりである。例えば、100質量部の正極層10は、0.1質量部から10質量部のフッ素樹脂バインダを含んでいてもよい。例えば、100質量部の正極層10は、0.5質量部から5質量部のフッ素樹脂バインダを含んでいてもよい。
(導電材)
導電材は、正極層10および負極層20の2層に、共通して含まれ得る。各層に含まれる導電材は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
導電材は、電子伝導体である。導電材は、任意の成分を含み得る。導電材は、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、およびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。炭素繊維は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維(VGCF)、およびカーボンナノチューブ(CNT)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。炭素繊維は、例えば、0.01μmから1μmの平均繊維径を有していてもよい。
例えば、100質量部の正極層10は、0.1質量部から10質量部の導電材を含んでいてもよい。例えば、100質量部の正極層10は、0.5質量部から5質量部の導電材を含んでいてもよい。
《負極層》
負極層20は、正極層10に比して低い電位を有する。負極層20は、セパレータ層30に接着されていてもよい。負極層20は、例えば、1μmから200μmの厚さを有していてもよい。負極層20は、例えば、10μmから100μmの厚さを有していてもよい。
負極層20は、負極活物質、固体電解質およびバインダを含む。負極層20は、実質的に、負極活物質、固体電解質およびバインダからなっていてもよい。負極層20は、例えば、導電材等をさらに含んでいてもよい。
(負極活物質)
負極活物質は、例えば、粒子群であってもよい。負極活物質は、例えば、0.1μmから10μmの平均粒子径を有していてもよい。本実施形態において、「負極活物質の平均粒子径」は、一次粒子の定方向径の平均値である。一次粒子の定方向径は、顕微鏡法により測定され得る。平均粒子径は、例えば100個の定方向径の算術平均であり得る。
負極活物質は、Liを吸蔵放出し得る。負極活物質は、任意の成分を含み得る。負極活物質は、例えば、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、珪素、酸化珪素、珪素基合金、錫、酸化錫、錫基合金、およびチタン酸リチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
例えば、100質量部の負極層20は、50質量部から99質量部の負極活物質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の負極層20は、60質量部から90質量部の正極活物質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の負極層20は、60質量部から80質量部の負極活物質を含んでいてもよい。
(固体電解質)
固体電解質の詳細は、前述のとおりである。例えば、100質量部の負極層20は、1質量部から50質量部の固体電解質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の負極層20は、10質量部から40質量部の固体電解質を含んでいてもよい。例えば、100質量部の負極層20は、20質量部から40質量部の固体電解質を含んでいてもよい。
(バインダ)
負極層20も、前述のフッ素樹脂バインダを含んでいてもよい。負極層20は、フッ素樹脂バインダ以外のバインダを含んでいてもよい。負極層20におけるバインダは、例えば、PVdF、PTFE、PVdF−HFP、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリル樹脂、ポリアクリル酸(PAA)、およびポリイミド(PI)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
例えば、100質量部の負極層20は、0.1質量部から10質量部のバインダを含んでいてもよい。例えば、100質量部の負極層20は、0.5質量部から5質量部のフッ素樹脂バインダを含んでいてもよい。
以下、本開示の実施例(「本実施例」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定しない。
<全固体電池の製造>
下記手順により、各種の電池100が製造された。
《負極層の形成》
下記材料が準備された。
負極活物質 :チタン酸リチウム(平均粒子径 0.8μm)
固体電解質 :硫化リンリチウム(平均粒子径 0.5μm)
導電材 :炭素繊維(平均繊維径 0.15μm)
バインダ :PVdF
分散媒 :酪酸ブチル
負極集電体 :Ni箔
図2は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第1断面概念図である。
71質量部の負極活物質と、23.9質量部の固体電解質と、1.7質量部の導電材と、3.4質量部のバインダと、89質量部の分散媒とが混合されることにより、負極スラリーが調製された。負極スラリーが、負極集電体21の表面に塗布され、乾燥されることにより、負極層20が形成された。
《セパレータ層の形成》
下記材料が準備された。
固体電解質 :硫化リンリチウム(平均粒子径 0.5μm)
バインダ :PVdF
分散媒 :酪酸ブチル
第1仮支持体:Al箔
99質量部の固体電解質と、1質量部のバインダと、75.4質量部の分散媒とが混合されることにより、セパレータスラリーが調製された。セパレータスラリーが第1仮支持体91の表面に塗布され、乾燥されることにより、セパレータ層30が形成された。
図3は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第2断面概念図である。
負極層20に、セパレータ層30および第1仮支持体91が積層された。プレス加工により、セパレータ層30と負極層20と接着された。接着後、第1仮支持体91がセパレータ層30から剥離された。
《正極層の形成》
下記材料が準備された。
正極活物質 :ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニオブ酸リチウム
固体電解質 :硫化リンリチウム(平均粒子径 0.5μm)
導電材 :炭素繊維(平均繊維径 0.15μm)
バインダ :PVdF
分散媒 :酪酸ブチル
第2仮支持体:Al箔
正極集電体 :Al箔
ニッケルコバルトマンガン酸リチウムの表面に緩衝層が形成された。緩衝層は、ニオブ酸リチウムからなっていた。
図4は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第3断面概念図である。
81質量部の正極活物質と、16.5質量部の固体電解質と、1.9質量部の導電材と、0.6質量部のバインダと、37質量部の分散媒とが混合されることにより、正極スラリーが調製された。正極スラリーが、第2仮支持体92の表面に塗布され、乾燥されることにより、正極層10が形成された。
セパレータ層30に、正極層10および第2仮支持体92が積層された。プレス加工により、セパレータ層30と正極層10と接着された。
図5は、本実施例における全固体電池の製造過程を示す第4断面概念図である。
接着後、第2仮支持体92が正極層10から剥離された。第2仮支持体92の剥離後、セパレータ層30と正極層10との間において、接着不良の有無が確認された。
正極層10に正極集電体11が接着されることにより、蓄電要素50(図1)が形成された。外装材として、アルミラミネートフィルム製のパウチが準備された。蓄電要素50が外装材に封入されることにより、電池100が製造された。
<評価>
《マイグレーション指数》
上記手順(a)から(d)により、「Mp」および「Ms」が測定された。
本実施例においては、スラリーのバインダ配合量、スラリーの固形分濃度、およびスラリーの乾燥条件が変更されることにより、「Mp」が互いに異なる6種の正極層10がそれぞれ作製された。
また、本実施例においては、スラリーのバインダ配合量、スラリーの固形分濃度、およびスラリーの乾燥条件が変更されることにより、「Ms」が互いに異なる6種のセパレータ層30がそれぞれ作製された。
本実施例においては、下記表1−1に示されるように、6種の正極層10と、6種のセパレータ層30とが組み合わされることにより、36種の電池100が製造された。36種の各仕様について、電池100は5個ずつ製造された。下記表1−1において、「Mp」の列と、「Ms」の行との交点に相当するセルに示される値は、「Mp/Ms」である。例えば、「Mp=0.4」である列と、「Ms=0.4」である行との交点に相当するセルには、「Mp/Ms=0.4/0.4=1.0」の計算結果が示されている。
《接着力》
電池100の製造過程における接着不良の確認結果が、下記表1−2に示される。本実施例においては、評価が「A」であれば、所期の接着力が得られているとみなされる。
Figure 2021106092
<結果>
上記表1−1および表1−2に示されるように、
0.6≦Mp、かつ
0.7≦Mp/Ms
の関係が満たされる時、接着力が向上する傾向がみられる。
本実施形態および本実施例は、すべての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味におけるすべての変更を包含する。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の範囲内におけるすべての変更も包含する。
10 正極層、11 正極集電体、20 負極層、21 負極集電体、30 セパレータ層、50 蓄電要素、91 第1仮支持体、92 第2仮支持体、100 電池、AE 分析エリア、LL 下層、UL 上層。

Claims (1)

  1. 正極層、セパレータ層および負極層を含み、
    前記正極層、前記セパレータ層および前記負極層は、この順に積層されており、
    前記正極層は、前記セパレータ層に接着されており、
    前記正極層および前記セパレータ層の各々は、フッ素樹脂バインダを含み、
    前記正極層および前記セパレータ層において、
    0.6≦Mp、かつ
    0.7≦Mp/Ms
    の関係が満たされており、
    前記Mpは、前記正極層における前記フッ素樹脂バインダの分布の指標であり、
    前記Msは、前記セパレータ層における前記フッ素樹脂バインダの分布の指標であり、
    前記Mpおよび前記Msの各々は、下記手順(a)から(d):
    (a)対象層の厚さ方向断面が取得され、
    (b)前記厚さ方向断面が上下に2等分されることにより、前記厚さ方向断面が上層と下層とに区分され、前記負極層に近い方が前記上層と定義され、
    (c)前記上層および前記下層の各々において、SEM−EDXによりフッ素を対象とする面分析が実施され、
    (d)前記上層におけるフッ素の特性X線のカウント数が、前記下層におけるフッ素の特性X線のカウント数で除される、
    により算出される、
    全固体電池。
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