JP2021105100A - 硬化性組成物、硬化膜、有機el素子の製造方法及び化合物 - Google Patents

硬化性組成物、硬化膜、有機el素子の製造方法及び化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、硬化性組成物に関して、塗布対象基板上での濡れ広がり性に優れ、膜ムラが少なく、かつ硬化後にアウトガスの発生が少なく、透明性が高い硬化膜を形成することができる硬化性組成物、硬化性組成物から形成された硬化膜、当該硬化膜を有する有機EL素子を提供することを目的とする。【解決手段】(A)一分子中に一つ以上の重合性基を有する化合物、(B)感光剤、(C)上記(A)以外の分子量が100から5000以下である式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、硬化膜、有機EL素子の製造方法及び化合物に関する。
対象物を硬化膜により保護する等の目的で、硬化膜を形成するための硬化性組成物として、現在までに種々の硬化性材料が提案されている。例えば、近年開発が進められている電子デバイス用素子の一つとして、陽極、有機発光層および陰極からなる積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子が知られている。しかしながら、有機発光層に含まれる発光材料は水分および酸素により劣化しやすいため、有機EL素子の封止を行う必要がある(例えば、特許文献1参照)。そこで、有機発光層を保護するため、硬化性組成物を用いた素子封止が知られている。
特開2014−225380号公報
硬化性組成物には、塗布対象上での濡れ広がり性が良好で薄膜塗布時の膜ムラ(厚みムラ等)が発生しにくいことが求められている。塗布時の濡れ広がり性および膜ムラを改善するためには、揮発性溶剤で硬化性組成物を希釈し、成膜から硬化までの間に揮発性溶剤を蒸発除去し、薄膜化する方法が考えられる。
しかしながら、一定量の揮発性溶剤が硬化膜中に残留し、硬化膜からのアウトガスの発生要因となり、その結果、硬化膜の性能に悪影響を与えることがある。したがって、本発明の解決課題は、塗布対象上での濡れ広がり性に優れ、したがって膜ムラが少なく、かつ硬化後にアウトガスの発生が少ない硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する硬化性組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、例えば以下の[1]〜[11]に関する。
[1](A)一分子中に一つ以上の重合性基を有する化合物、
(B)感光剤
(C)上記(A)以外の分子量が100から5000以下である下記式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物によって達成される。
Figure 2021105100

(式(1)中、Rは水素原子もしくはメチル基、Rは炭素数1から12のアルカンジイル基、フェニレン基を示す。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子もしくは炭素数1から6のアルキル基を示し、Rは独立して、1価の有機基を示す。nは1から6の整数であり、Xは、nが1以上のn価の連結基を示す。)
[2] 前記(A)化合物の重合性基が、(メタ)アクリロイル基である硬化性組成物によって達成される。
[3] 前記式(1)のXが、シリコーン骨格を含む連結基である硬化性組成物によって達成される。
[4]前記感光剤が、光ラジカル発生剤である硬化性組成物によって達成される。
[5]前記式(1)が、下記式(1−1)で示される化合物である硬化性組成物によって達成される。
Figure 2021105100

(式(1−1)中、、Rは独立して、1価の有機基を示す。Rは2価の有機基、Rは水素原子、炭素数1から12の炭化水素基である。R、R,Rは上記式(1)と同義である。mは0〜100の整数である。)
[6]前記感光剤(B)の含有量が、前記(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部である硬化性組成物によって達成される。
[7]E型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定した粘度が2.5〜30.0mPa・sである硬化性組成物によって達成される。
[8]硬化性組成物中の有機溶剤の含有量が、3質量%以下である硬化性組成物によって達成される。
[9]インクジェット用組成物で、有機EL素子封止用組成物である硬化性組成物によって達成される。
[10]硬化性組成物より形成された硬化膜を有する有機EL素子によって達成される。
[11]発光層が形成された基材の形成面に、前記発光層を封止するように硬化性組成物を塗布して硬化することにより、前記発行層を封止する工程を有する、有機EL素子の製造方法によって達成される。
本発明によれば、塗布対象上での濡れ広がり性に優れ、したがって膜ムラが少なく、かつ硬化後にアウトガスの発生が少なく、透明性が高い硬化膜を形成できる硬化性組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、好適態様も含めて詳細に説明する。本明細書で例示する各成分は、特に言及しない限り、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、
(A)一分子中に一つ以上の重合性基を有する化合物、
(B)感光剤
(C)上記(A)以外の分子量が100から5000以下である下記式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物である。
Figure 2021105100

上記各成分をそれぞれ成分(A)、成分(B)、成分(C)について記載する。
(A)一分子中に一つ以上の重合性基を有する化合物(以下成分(A)ともいう。)について
成分(A)としては、重合性基を有する化合物であれば特に限定されない。重合性基としては、例えば、エポキシ基およびオキセタニル基等の環状エーテル基、炭素−炭素重合性二重結合等の重合性二重結合が挙げられる。前記(A)としては、例えば、エポキシ化合物およびオキセタン化合物等の環状エーテル化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物およびそれ以外のビニル基含有化合物(例:ビニルエーテル化合物)等の重合性二重結合含有化合物が挙げられる。成分(A)の種類は、硬化性組成物の重合形態(例:カチオン重合、ラジカル重合)に応じて適宜選択することができる。
成分(A)は、20℃における蒸気圧が0.1kPa未満であり、すなわち、20℃における蒸気圧を有さないか、0kPaを超えて0.1kPa未満である。このような態様であれば、硬化性組成物を塗布・硬化させて、硬化膜を良好に形成することができる。重合性化合物の蒸気圧測定には、例えば静止法を用いることができる。20℃に保たれ、真空に引いたチャンバ内に上記測定対象の化合物を投入し、蒸発平衡状態に達した時のチャンバの圧力を測定することで、前記化合物の蒸気圧を計測することができる。
成分(A)の、E型粘度計を用いた、25℃、100rpmの条件で測定した粘度は、好ましくは通常は3mPa・s以上、好ましくは3〜100000mPa・s、より好ましくは3〜1000mPa・s、さらに好ましくは3〜500mPa・sである。このような態様であれば、塗布性が良好であり、特に、インクジェット塗布において吐出性が良好である。
エポキシ化合物としては、例えば、1分子当り2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールO型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等であって、前記蒸気圧の要件を満たす樹脂;3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)等の1分子当り2個以上の3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する化合物であって、前記蒸気圧の要件を満たす化合物が挙げられる。
オキセタン基を有する化合物としては、例えば、1分子当り2個以上のオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロパン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ビフェニル、3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕プロピルトリアルコキシシランの加水分解縮合物、3−エチルオキセタン−3−イルメタノールとシランテトラオール重縮合物の縮合反応生成物等であって、前記蒸気圧の要件を満たす化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、好ましくは、1分子当り2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、1分子当り2〜6個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートである。
1の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−o−フェニルヘノールプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等の他、直鎖アルキレン基及び脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上のヒドロキシ基とを有し、かつ3個、4個又は5個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート系化合物等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル;シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の、モノまたはポリシクロアルカンジメタノールの(メタ)アクリル酸ジエステル;トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の、3価以上の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ポリエステル;ペンタエリスリトールAO変性ポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンAO変性ポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールAO変性ポリ(メタ)アクリレート等の、3価以上の多価アルコールのAO変性またはカプロラクトン変性物の(メタ)アクリル酸ポリエステル等であって、前記蒸気圧の要件を満たす化合物が挙げられる。ここでのポリは、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサまたはそれ以上を意味する。本明細書において、AO変性とは、エチレンオキシド(EO)変性およびプロピレンオキシド(PO)変性等のアルキレンオキシド変性を意味する。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、アルカンジオールジビニルエーテル、シクロアルカンジオールジビニルエーテル、シクロアルカンジメタノールジビニルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の、ビニルエーテル基を複数有する化合物、これらのAO変性またはカプロラクトン変性物等であって、前記蒸気圧の要件を満たす化合物が挙げられる。
本発明の硬化性組成物中、前記成分(A)の含有量は、通常は90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。このような態様であれば、薄膜塗布時の濡れ広がり性に優れる。
感光剤(B)について、
感光剤(B)(以下、成分(B)ともいう)としては、例えば、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤、光塩基発生剤が挙げられる。感光剤(B)の種類は、成分(A)等の重合形態に応じて適宜選択することができる。本発明の硬化性組成物としては、素子の劣化を防ぐという観点から、光硬化型が好ましい。
カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸またはルイス酸を発生するものであれば特に限定されない。例えば、イオン性光酸発生型、非イオン性光酸発生型の開始剤が挙げられる(以下、光酸発生剤ともいう)。
イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族アンモニウム塩、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩等のオニウム塩化合物が挙げられ、その他、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物が挙げられる。オニウム塩としては、具体的には、カチオン部分が芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、または(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分がBF 、PF 、SbF 、[BX(Xは、2つ以上のフッ素またはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基である)、または[PRf](Rfは、フッ素化アルキルフルオロ基である)で構成されるオニウム塩が挙げられる。
非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナートが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始するものであれば特に限定されない。例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物などを挙げることができる。
上記O−アシルオキシム化合物の具体例としては、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセテート、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)を好ましいものとして挙げることができる。
これらO−アシルオキシム化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記アセトフェノン化合物としては、例えばα−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物およびその他のアセトフェノン化合物を挙げることができる。
これらの具体例としては、α−アミノケトン化合物として、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなど;
α−ヒドロキシケトン化合物として、α−アミノケトン化合物が好ましく、特に2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンまたは2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンが好ましい。
上記ビイミダゾール化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、特に2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光塩基発生剤としては、光又はその他の放射線の照射によって塩基を発生する化合物をいう。光塩基発生剤を用いることで、当該硬化性組成物においては、放射線の照射により、通常[A]化合物のアニオン重合が生じる。光塩基発生剤としては、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、1−(アントラキノン−2−イル)エチルイミダゾールカルボキシレート等の複素環基含有光塩基発生剤;
2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン−1,6−ジアミン、トリフェニルメタノール、o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)等を挙げることができる。
光塩基発生剤の中では、非イオン性の光塩基発生剤が好ましく、硬化膜の硬度をより向上させることができるなどの観点から、複素環基含有光塩基発生剤がより好ましい。
または、本初美においては、感光剤として増感剤を使用することもできる。増感剤の具体例としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、UVS(UVS1331(川崎化成社製))等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物中、成分(B)の含有量は、成分(A)100質量部に対して、通常は0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.1〜10質量部である。このような態様であれば、硬化性および透明性に優れた硬化膜を形成することができる。
(C)成分について、
(C)成分は、上記(A)以外の化合物で、分子量が100から5000以下であり、下記式(1)で表される化合物である。式(1)で示される化合物は、ウレア結合を分子中に有する。このウレア結合部分が下地基板の構成する原子と特異的に相互作用し、硬化膜との密着性を向上させることができる。
さらに式(1)の化合物は、(メタ)アクリロイル基を有するため、膜中の他の重合性化合物と架橋構造を形成する。そのため、硬化膜からアウトガスとして発生すること防止することが可能となる。
Figure 2021105100

(式(1)中、Rは水素原子もしくはメチル基、Rは炭素数1から12のアルカンジイル基、フェニレン基を示す。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子もしくは炭素数1から6のアルキル基を示し、Rは独立して、1価の有機基を示す。す。nは1から6の整数であり、Xは、nが2以上の2価の有機基を示す。)
ここで、Rは水素原子もしくはメチル基を示す。Rは炭素数1から12のアルカンジイル基、フェニレン基を示し、アルカンジイル基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基。ブチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基等を示す。
、Rはそれぞれ独立して、水素原子もしくは炭素数1から6のアルキル基を示す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、スチリル基等を示す。nは1から6の整数であり、Xは、nが2以上の2価の有機基を示す。
Xの有機基としては、エチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに由来する構造、シリココーン構造、多価アミンに由来する構造等が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物の具体例として、下記式(1−1)式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2021105100

(式(1−1)中、Rは2価の有機基、Rは水素原子、炭素数1から12の炭化水素基である。R、R,Rは上記式(1)と同義である。mは0〜100の整数である。)
は、炭素数1から12のアルカンジイル基、フェニレン基、ナフチレン基を示し、アルカンジイル基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基。ブチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基等を示す。フェニレン基を示す。
は2価の有機基であり、具体的には、炭素数1から12のアルカンジイル基、フェニレン基、ナフチレン基を示し、アルカンジイル基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基。ブチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基等を示す。フェニレン基を示す。
は水素原子、炭素数1から12の炭化水素基であり、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、ベンジル基、スチリル基等を示す。
上記式(1−1)は、さらに式(1−2)、式(1−3)で示される構造の化合物である。
Figure 2021105100

Figure 2021105100
式(1−2)中は、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数2から6のアルキレン基を示す。アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を示す。mは0から10の整数を示す。
式(1−3)中は、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数2から6のアルキレン基を示す。アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を示す。mは0から10の整数を示す。rは1から15の整数を示す。
成分(C)の組成物中の含有量は、成分(A)100質量部に対して、0.01〜50質量部、好ましくは0.1〜20質量部である。さらに好ましくは0.1〜10質量部である。この範囲より少ないと十分な密着性を得られない。また、多いと高粘度化するためインクジェット塗布性に不具合を生じる。
本発明の硬化性組成物は必要に応じて、有機溶剤を含有することができるが、通常は有機溶剤を含有しない。硬化性組成物の有機溶剤の含有量は、3質量%以下であり、そのときの粘度が2.5〜30.0mPa・sであることが好ましい。なお、この場合の粘度はE型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定したときの値である。このような態様であれば、インクジェット塗布性が良好である。
任意成分について
本発明の硬化性組成物は、さらに任意成分として、添加剤を含有してもよい。添加剤としては従来公知の成分が挙げられ、例えば、酸化防止剤、増感剤、シランカップリング剤、熱硬化剤、硬化遅延剤、揮発性化合物、界面活性剤、レベリング剤、イオン交換樹脂、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
当該硬化性組成物において、ラジカル又は過酸化物による化合物の結合の解裂を防止するために、酸化防止剤を含有することができる。このような化合物として、ヒンダードフェノール構造を有する化合物及びヒンダードアミン構造を有する化合物等のラジカル捕捉剤、及びアルキルホスファイト構造を有する化合物及びチオエーテル構造を有する化合物等の過酸化物分解剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤を含有することにより、露光時又は加熱時に発生したラジカルの捕捉や、あるいは酸化によって生成した過酸化物の分解が可能となるため、このラジカルや過酸化物による重合体分子の結合の解裂を防止することができる。その結果、当該組成物から得られる硬化膜は、優れた耐光性及び耐熱性を発揮することができる。また、当該組成物は、酸化防止剤として上記特定構造を有するラジカル捕捉剤又は過酸化物分解剤を用いているため、これらを添加しても、当該組成物の放射線感度を高いレベルに保ちつつ、当該組成物から得られる硬化膜の透過率性の低下を防ぐことができる。
上記ヒンダードフェノール構造を有する化合物としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、3,3’,3’,5’,5’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリン)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノール等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール構造を有する化合物としては、市販されているものとして、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、住友化学(株)製のsumilizerGM、sumilizerGS、sumilizerMDP−S、sumilizerBBM−S、sumilizerWX−R、sumilizerGA−80、BASF社製のIRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1330、IRGANOX1726、IRGANOX1425WL、IRGANOX1520L、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX3114、IRGANOX565、IRGAMOD295、(株)エーピーアイコーポレーション製のヨシノックスBHT、ヨシノックスBB、ヨシノックス2246G、ヨシノックス425、ヨシノックス250、ヨシノックス930、ヨシノックスSS、ヨシノックスTT、ヨシノックス917、ヨシノックス314等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン構造を有する化合物としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の化合物;
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−[4,6−ビス−〔ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ〕−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]等の、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物等の、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した化合物等の重合体タイプが挙げられる。
上記ヒンダードアミン構造を有する化合物としては、市販されているものとして、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブLA−52、アデカスタブLA57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−63P、アデカスタブLA−68LD、アデカスタブLA−77、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87、住友化学(株)製のsumilizer9A、BASF社製のCHIMASSORB119FL、CHIMASSORB2020FDL、CHIMASSORB944FDL、TINUVIN622LD、TINUVIN144、TINUVIN765、TINUVIN770DF等が挙げられる。
アルキルホスファイト構造を有する化合物としては、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(p−tert―オクチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2,4,6−トリス(α−フェニルエチル)〕ホスファイト、トリス(p−2−ブテニルフェニル)ホスファイト、ビス(p−ノニルフェニル)シクロヘキシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、2,2´−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、4,4′−イソプロピリデ−ジフェノールアルキルホスファイト、テトラトリデシル−4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンホスファイト、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
アルキルホスファイトとして構造を有する化合物としては、市販されているものとして、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、BASF社製のIRGAFOS168等が挙げられる。
チオエーテル構造を有する化合物としては、例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる
チオエーテル構造を有する化合物としては、市販されているものとして、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、住友化学(株)製のsumilizerTPL−R、sumilizerTPM、sumilizerTPS、sumilizerTP−D、sumilizerMB、BASF社製のIRGANOXPS800FD、IRGANOXPS802FD、(株)エーピーアイコーポレーション製のDLTP、DSTP、DMTP、DTTP等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の硬化性組成物において、酸化防止剤の含有量は、前記重合性化合物(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部含有する。、酸化防止剤の含有量が上記範囲内にあることによって、当該組成物の放射線感度を保ちつつ、組成物から得られた硬化膜の透過性をさらに向上することができる。
本発明の硬化性組成物は、アウトガスの観点から、重合性基、および成分(A)と反応する基をいずれも有さない非反応性有機溶剤を含有しないか、含有量が組成物中10質量%以下であることが好ましい。非反応性有機溶剤としては、重合性化合物(A)の種類にもよるが、例えば、例えば、ケトン溶剤、酢酸エステル溶剤、カルビトール溶剤、エーテル溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素溶剤が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物は、保存安定性の観点からエポキシ硬化系、アクリル硬化系に関わらず酸化防止剤を含むことが好ましい。これは酸化防止剤が系中に微量発生するラジカルを捕捉することで、光開始剤の分解を抑制し、エポキシやアクリルの重合反応を抑制するためと考えられる。
当該硬化性組成物は揮発性化合物を含有することができる。揮発性化合物は、硬化性組成物を含の濡れ広がり性を向上させることができる。 揮発性化合物の、20℃における蒸気圧は、0.1〜20kPaであり、好ましくは0.1〜15kPa、より好ましくは0.1〜10kPa、さらに好ましくは0.2〜10kPaである。蒸気圧は、前記静止法を用いて測定することができる。このような態様であると、硬化性組成物を塗布後、揮発性化合物を速やかに蒸発除去することができ、したがって硬化膜中での揮発性化合物の残留量を低減でき、また薄膜形成が可能である。例えば、インクジェット装置を用いて硬化性組成物を吐出後に揮発性化合物を蒸発除去することができ、封止層等の硬化膜をさらに薄膜化することが可能である。蒸気圧が前記上限を超えると、濡れ広がり性が不足し塗布性が不良になる、インクジェットヘッドからの吐出安定性が悪化する等の傾向にある。
揮発性化合物は、重合性基、および前記重合性化合物(A)と反応する基から選ばれる少なくとも1種の基を有する。揮発性化合物は、例えば、重合性基を有する化合物、成分(A)と反応する基を有する化合物、重合性基、および成分(A)と反応する基を有する化合物である。重合性基を有する化合物において、前記重合性基は、成分(A)と反応する基でもあることが好ましく、具体的には成分(A)の重合性基と重合反応可能な基であることが好ましい。
この様な態様であると、一定量の揮発性化合物が塗膜中に残留する場合でも、硬化時に成分(A)と揮発性化合物とが反応し、あるいは揮発性化合物同士が反応し、揮発性化合物が硬化膜の骨格の一部として取り込まれる。このため、揮発性化合物が硬化膜からアウトガスとして発生することを低減することができる。例えば、有機EL素子の封止層において、良好な性能が得られ、有機EL素子の信頼性に悪影響を与えることがない。揮発性化合物は、カチオン重合、ラジカル重合等の反応により成分(A)とともに共重合体を形成することが好ましい。
例えば本発明の硬化性組成物をインクジェット用組成物として用いると、インクジェットから吐出された前記組成物が対象基材上に着弾して濡れ広がると同時に揮発性化合物が揮発する。また、揮発できなかった揮発性化合物は硬化膜形成時に成分(A)と反応する、あるいは揮発性化合物同士で反応することで、アウトガス化が防止される。
揮発性化合物の、E型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定した粘度は、好ましくは10mPa・s以下、より好ましくは0.5〜10mPa・s、さらに好ましくは0.5〜5mPa・sである。このような態様であれば、塗布性が良好である。
揮発性化合物において重合性基としては、例えば、エポキシ基およびオキセタニル基等の環状エーテル基、炭素−炭素重合性二重結合等の重合性二重結合が挙げられる。揮発性化合物において重合性基以外の、成分(A)と反応する基としては、例えば、チオール基が挙げられる。
具体的には、エポキシ化合物およびオキセタン化合物等の環状エーテル化合物、揮発性化合物において重合性基は、成分(A)の重合性基と重合反応可能な基であることが好ましく、このような基としては、例えば、成分(A)が環状エーテル化合物、ビニルエーテル化合物である場合は、エポキシ基およびオキセタニル基等の環状エーテル基、ビニルエーテル基が挙げられ、成分(A)が(メタ)アクリロイル基含有化合物、ビニル基含有化合物等の重合性二重結合含有化合物の場合は、重合性二重結合が挙げられる。ビニルエーテル化合物および(メタ)アクリロイル基含有化合物等の重合性二重結合含有化合物が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、シクロヘキセンオキサイド、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等であって、蒸気圧が前記範囲にある化合物が挙げられ;オキセタン化合物としては、例えば、2,2−ジメチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジエチルオキセタン、プロピルメチルオキセタン、プロピルエチルオキセタン、ブチルメチルオキセタン、2−エチルヘキシルオキセタン、3−エチル−3−[(ビニロキシ)メチル]−オキセタン等であって、蒸気圧が前記範囲にある化合物が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル等であって、蒸気圧が前記範囲にある化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸C2〜4アルキルエステル等であって、蒸気圧が前記範囲にある化合物が挙げられる。
なお、複数種の官能基を有する化合物については、例えば(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基を有する化合物を例にとると、(メタ)アクリロイル基含有化合物およびエポキシ化合物のいずれにも分類する。
本発明の硬化性組成物中、揮発性化合物の含有量は、成分(A)100質量部に対して、35〜1200質量部であり、好ましくは35〜900お質量部であり、より好ましくは35〜150質量部、さらに好ましくは40〜130質量部である。このような態様であれば、薄膜塗布時の濡れ広がり性に優れる。揮発性化合物の含有量が前記範囲を下回ると、膜ムラが大きくなる傾向にあり、揮発性化合物の含有量が前記範囲を上回ると、塗布性が不良になる傾向にある。
当該硬化性組成物の塗膜形成性をより向上させ、界面活性剤を加えることが好ましい。このような界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びその他の界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基及び/又はフルオロアルキレン基を有する化合物が好ましい。フッ素系界面活性剤の例としては、1,1,2,2−テトラフルオロ−n−オクチル(1,1,2,2−テトラフルオロn−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロn−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロn−ペンチル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロn−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロn−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロn−ブチル)エーテル、パーフルオロn−ドデカンスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロn−デカン、1,1,2,2,3,3,9,9,10,10−デカフルオロn−ドデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルリン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、他のフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、カルボン酸フルオロアルキルエステル等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471、同F476、同F544、同F563(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−170C、同−171、同−430、同−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同−113、同−131、同−141、同−145、同−382、サーフロンSC−101、同−102、同−103、同−104、同−105、同−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成(株)製)、フタージェントFT−100、同−110、同−140A、同−150、同−250、同−251、同−300、同−310、同−400S、フタージェントFTX−218、同−251(以上、(株)ネオス製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190、SH 8400 FLUID」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。界面活性剤の使用量は、(A)成分100質量部に対して、0.01質量部〜2質量部であり、より好ましくは0.05質量部〜1質量部である。界面活性剤の使用量が0.01質量部〜2質量部の時、塗布膜ムラを低減することができる。
硬化性組成物の製造方法について
本発明の硬化性組成物は、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、上記各成分を混合することにより製造することができる。
硬化性組成物および硬化膜の物性について
本発明の硬化性組成物は、(1)対象基材上での濡れ広がり性が良好であり、したがって薄膜塗布時の膜ムラを抑制でき、(2)硬化後のアウトガス発生量が少なく、また、(3)硬化後の対象基材に対する密着性に優れている。また、前記組成物は、(4)大気中での紫外線硬化性等の硬化性を担保しつつ、常温でインクジェット吐出可能である。
本発明の硬化性組成物は、E型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定した粘度が、通常は12.5〜30.0mPa・s、好ましくは12.5〜20.0mPa・s、より好ましくは32.5〜15mPa・sである。このような組成物は、塗布性に優れている。
一実施態様において、本発明の硬化性組成物より形成された硬化膜の、波長380〜800nmにおける光の全光線透過率の下限は、好ましくは80%、より好ましくは85%である。このような態様であると、例えば硬化性組成物を有機EL素子封止材料として用いる場合、良好な光学特性を有する有機EL装置を得ることができる。
一実施態様において、本発明の硬化性組成物より形成された厚さ10μmの硬化膜の透湿度は、好ましくは200g/m2・24hr未満である。前記透湿度の下限値は低いほどよいが、例えば10g/m2・24hrであってもよい。測定条件の詳細は実施例に記載する。このような態様であると、例えば硬化性組成物を有機EL素子封止材料として用いる場合、有機発光層に水分が到達してダークスポットが発生することを抑制することができる。
本発明の硬化性組成物は、例えば、有機EL素子用素子の封止材料として用いることができる。有機EL素子とは、有機層を含む積層構造を備えた電子デバイスであり、有機EL、有機トランジスタ、有機薄膜太陽電池等の総称として用いる。本発明の硬化性組成物は、特に有機EL素子の封止材料として好適に使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、例えば、スピンコーター、ロールコーター、スプレーコーター、バーコーター、ディスペンサー、インクジェット装置を用いて、対象基材上に塗布することができる。塗布の態様としては、対象基材全面でも一部でもよく、形成箇所に応じて適宜変更すればよい。本発明の硬化性組成物は、インクジェット用組成物として特に好適である。インクジェット法は、所望する箇所にインクを着弾することができパターン形成の自由度が高く、低コストであり、また薄膜の有機層を形成することができる。
本発明では、対象基材上に硬化性組成物を塗布後、揮発性化合物を除去する工程を行わなくとも、硬化膜からのアウトガスの発生は少ないが、必要に応じて揮発性化合物を除去する工程を行ってもよい。例えば、前記工程の実施温度が、好ましくは20〜200℃、より好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは20〜100℃であり、実施時間が、好ましくは10秒〜60分間、より好ましくは10秒〜10分間、さらに好ましくは10秒〜3分間である。また、減圧下にて1秒〜30分間保持することによって、揮発性化合物を除去する行程を行ってもよい。
硬化性組成物が光硬化型材料である場合、硬化のための光照射には、例えば紫外光および可視光が用いられ、波長300〜450nmの紫外光または可視光がより好ましい。照射量は、好ましくは100〜2000mJ/cm、より好ましくは500〜1500mJ/cmである。
光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置が挙げられる。これらの光源は、重合開始剤(B)の吸収波長に合わせて適宜選択する。
また、光硬化型の硬化性組成物の硬化を促進させるため、したがって重合性化合物(A)の重合を促進させるため、光照射と同時にまたは光照射後に加熱を行ってもよい。また、熱硬化型の硬化性組成物は、加熱により硬化させる。例えば、これらの加熱温度としては、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜150℃であり;加熱時間としては、好ましくは1〜120分間、より好ましくは1〜60分間である。
本発明の硬化性組成物は、そのまま有機EL素子用素子の封止材料として用いることができ、有機EL素子の封止材料として特に好ましく用いることができる。
本発明の硬化性組成物より形成される硬化膜としては例えば硬化膜が挙げられ、その厚さは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜15μmである。例えばフレキシブル性が求められる用途において、硬化膜の薄膜化を達成することができる。
本発明の硬化性組成物は、シート状に加工して用いてもよい。封止用シートは、本発明の硬化性組成物からなる封止用層を有し、封止用層の厚さは、通常は1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。封止用層は支持体上に形成することができ、支持体としては、例えば、樹脂製フィルム、金属箔、これらの積層フィルムが挙げられる。
有機EL素子およびその製造方法について
本発明の有機EL素子は、本発明の硬化性組成物より形成された硬化膜(硬化層または有機封止層)により封止された素子を有する。すなわち、本発明の有機EL素子は、有機EL素子用素子と、本発明の硬化性組成物より形成された、前記素子を封止している硬化膜(硬化層または有機封止層)とを有する。前記素子は、有機EL素子であることが好ましい。
前記素子の封止層は、本発明の硬化性組成物より形成された有機封止層と、無機封止層とを有する有機無機封止層であってもよく、例えば、2つの無機封止層の間に前記有機封止層を有する有機無機封止層であってもよい。前記有機封止層は、上層および下層の無機封止層に対する密着性に優れており、前記有機封止層の厚さは、硬化膜の厚さとして上述したとおりである。無機封止層としては、例えば、特開2010−160906号公報、特開2016−012433号公報、特開2016−143605号等に記載された層、具体的には窒化シリコン層や酸窒化シリコン層が挙げられ、厚さは例えば10〜500nmである。
例えば、有機EL素子用素子が形成された基材(以下「素子基材」ともいう)の素子形成面に、前記素子を封止するように本発明の硬化性組成物を塗布して硬化することにより、前記素子を封止してもよい。
また、素子基材と有機EL素子用素子が形成されていない基材(以下「非素子基材」ともいう)とを貼り合わせた際に前記素子を封止できるように、非素子基材上に本発明の硬化性組成物を塗布し、素子基材と非素子基材とを貼り合わせることにより、前記硬化性組成物により前記素子を封止してもよい。
硬化性組成物は、対象基材の全面に塗布してもよく、対象基材の一部に塗布してもよい。硬化性組成物よりなる封止部の形状としては、有機発光層を含む素子を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、前記素子を完全に被覆する形状であってもよく、前記素子の周辺部に閉じたパターンを形成してもよい。
硬化性組成物の硬化は、その可使時間を考慮して、素子基材および非素子基材の貼合せ工程の前に行なってもよいし、前記貼合せ工程の後に行なってもよい。貼合せ工程は、例えば、減圧雰囲気下で行うことが好ましい。
硬化性組成物の塗布方法および硬化方法は〈硬化性組成物および硬化膜の物性〉に記載したとおりであるが、本発明ではインクジェット法により硬化性組成物を塗布することが特に好ましい。
有機EL素子としては、例えば、有機EL、有機トランジスタ、有機薄膜太陽電池が挙げられる。有機ELとしては、例えば、有機EL照明装置、有機EL表示装置が挙げられる。
以下、一実施態様である有機EL装置について説明する。有機EL装置は、例えば、基材と、前記基材に設けられた有機EL素子と、本発明の硬化性組成物より形成された、前記素子を封止している硬化層と、封止用基材とを有する。
有機EL装置は、ボトムエミッション構造またはトップエミッション構造とすることができ、各構成材料の材質は、前記構造に応じて適宜選択することができる。
基材としてはガラス基材および樹脂基材等が挙げられ、基材の構成材料としては、例えば、無アルカリガラス等のガラス;ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。
有機EL素子は、その構造の詳細な説明は省略するが、発光材料を含む有機発光層が互いに対向する一対の電極の間に挟持されてなる構造であればよく、すなわち有機発光層が互いに対向する陽極と陰極との間に挟持されてなる構造であればよく、例えば、陽極/有機発光層/陰極を有する公知の構造をとることができる。
有機発光層は、有機材料である発光材料、すなわち、有機発光材料を含有する。有機発光層に含まれる有機発光材料は低分子有機発光材料であっても、高分子有機発光材料であってもよい。例えば、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)、BeBq3(ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリネート)ベリリウム)等の基材母体にキナクリドンやクマリンをドープした材料を用いることができる。高分子有機発光材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンエチレンおよびその誘導体、ポリ3−ヘキシルチオフェンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体等を選択して用いることができる。
有機EL素子の陽極および陰極は、それぞれ導電性の材料からなる。陽極の材料としては、例えば、Al、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)、酸化スズ等が選択される。陰極の材料としては、例えば、ITO、IZOおよび酸化スズ等を選択することができる。また、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)およびこれらの1種または2種以上を含む合金等を選択することも可能である。
なお、陽極と有機発光層との間に、正孔注入層および/または正孔輸送層が配置されていてもよい。陽極と有機発光層との間に、正孔注入層および正孔輸送層が配置される場合、陽極上に正孔注入層が配置され、正孔注入層上に正孔輸送層が配置され、そして正孔輸送層上に有機発光層が配置される。また、陽極から有機発光層へ効率的に正孔を輸送できる限り、正孔注入層および正孔輸送層は省略されてもよい。また、陰極と有機発光層との間に、例えば、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(Li2O)、酸化バリウム(BaO)等からなる電子注入層が配置されていてもよい。
有機EL素子は、硬化層により封止されている。
封止用基材としては、上述した基材が挙げられる。
以上の有機EL装置は、硬化層により有機EL素子が封止されていることで、素子内に水分が侵入することを低減することができる。このため、有機EL装置は、水分に起因する、ダークスポットの発生や、輝度および発光効率等の発光特性の低下を抑制することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を意味する。以下に、表1の実施例および比較例に記載した、各成分について記載する。
成分(A)重合性化合物
単官能(メタ)アクリレート
・LA:ラウリルアクリレート
・TDA:テトラデシルアクリレート
・IBA:イソボロニルアクリレート
・NFHA:1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシルアクリレート
2官能(メタ)アクリレート
・DDDM:1,12−ドデカンジオールジメタクリレート
・DDA:1,10−デカンジオールジアクリレート
・NDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
・TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
・OFDA:1,6−ビス(アクリロキシ)−2,2,3,3,4,4,5,5、−オクタフルオロヘキサン
3官能以上の(メタ)アクリレート
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
・E−TMTPA:エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート
成分(B)感光剤
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
・OXE−01:Irg.OXE−01(BASF社製)
・増感剤 TX:チオキサントン
・増感剤 UVS:UVS1331(川崎化成社製)
任意成分として
界面活性剤
・F554:界面活性剤(DIC社製「F554」)
[合成例1]
窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた1L三口フラスコに2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズAOI)28.2gおよびテトラヒドロフラン100gを仕込み、10℃以下に氷冷した。つづいて、滴下ロートにKF8010(信越化学社製)を86.0gおよびテトラヒドロフラン357gを仕込みゆっくり滴下し、室温に戻して1時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮することで(1−2)の透明粘調液を110g得た。
Figure 2021105100
[合成例2]
窒素導入管、撹拌機、温度計を備えた1Lの三口フラスコにKF8010を86.0g、テトラヒドロフラン526gおよびトリエチルアミン20.2加えて、10℃以下に氷冷した。次に、ライトアクリレート130A(共栄社製r≒9)45.7gをゆっくり加えた後、室温に戻して4時間反応させた。次に、10℃以下に氷冷し、テトラヒドロフラン113gに溶かした2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズAOI)28.2gをゆっくり加えた後、室温に戻して12時間反応させた。反応終了後、減圧濃縮することで(1−3)の透明粘調液を150g得た。
Figure 2021105100
[実施例1〜18および比較例1〜3]
実施例1では、大気環境下で、10部のTDA、80部のDDA、10部のTMPTA、5部のTPO、5部の(1−1−1)、および0.5部のF554を混合し、硬化性組成物A1を調製した。表1に示す種類および配合量の各成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、硬化性組成物A2〜A18およびR1〜R3を調製した。なお、比較例3では密着助剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MCTMS)を用いた。
比較例4(カチオン重合)
大気環境下で、80部のOXT221(東亜合成社製)、20部のCE2021(ダイセル化学社製)、2部のCPI410B(サンアプロ社製)および0.5部のF554を混合し、硬化性組成物R4を調製した。
評価結果について
<有機EL素子の作製>
アレイ状にITO透明電極が形成されたガラス基材(日本電気硝子社製「OA−10」)と、前記ITO透明電極の一部のみが露出したコンタクトホールを有する、膜厚3μmの平坦化層とを有するアレイ基材を複数用意した。
Alターゲットを用いてDCスパッタ法により、平坦化層上に膜厚100nmのAl膜を形成した。ITOターゲットを用いてDCマグネトロンリアクティブスパッタリング法により、Al膜上に膜厚20nmのITO膜を形成した。この様にしてAl膜とITO膜とからなる陽極層を形成した基材を用いた。
感光材料(JSR製「オプトマーNN803」)を用いて陽極層上に塗膜を形成し、i線(波長365nm)照射、現像、流水洗浄、風乾および加熱処理を含む一連の処理を行い、陽極層の一部を開口領域として持つ画素規定層を形成した。
陽極および画素規定層が形成された基材を真空成膜室へ移動し、成膜室を1E−4Paまで排気した後、前記基材上に、所定のパターンの蒸着マスクを用いて、正孔注入性を有する酸化モリブデン(MoOx)を抵抗加熱蒸着法により成膜速度0.004〜0.005nm/secの条件で成膜し、膜厚1nmの正孔注入層を形成した。
正孔注入層上に、所定のパターンの蒸着マスクを用いて、正孔輸送性を有する4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で成膜し、膜厚35nmの正孔輸送層を形成した。成膜速度は、0.2〜0.3nm/secの条件であった。
正孔輸送層上に、所定のパターンの蒸着マスクを用いて、緑色の発光材料としてアルキレート錯体であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを抵抗加熱蒸着法により正孔輸送層と同様の成膜条件で成膜し、膜厚35nmの発光層を形成した。成膜速度は、0.5nm/sec以下の条件であった。
発光層上に、フッ化リチウムを抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で成膜し、膜厚0.8nmの電子注入層を形成した。成膜速度は、0.004nm/sec以下の条件であった。
続いて電子注入層上に、マグネシウムおよびAgを抵抗加熱蒸着法により正孔注入層と同様の排気条件で同時に成膜し、膜厚5nmの第1陰極層を形成した。成膜速度は、0.5nm/sec以下の条件であった。
続いて、別の成膜室(スパッタ室)に上記基材を移送し、第1陰極層上に、ITOターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの第2陰極層を形成した。 以上のようにして、評価用有機EL素子を得た。
<有機EL素子の薄膜封止>
得られた有機EL素子に対して、以下の手順にて薄膜封止層を形成した。成膜室(スパッタ室)に前記有機EL素子を移送し、陰極層上に、SiNxターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの無機封止層(SiNx膜)を形成した。続いて、前記有機EL素子をN2置換されたグローブボックス中に移送し、ピエゾ方式インクジェットプリンタによって、硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4を所定のパターンに吐出し、続いて照度25mWの高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を窒素気流下で照射し、製膜された硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4を硬化させ、膜厚約8μmの有機封止層を形成した。成膜室(スパッタ室)に前記有機EL素子を移送し、有機封止層上に、SiNxターゲットを用いてRFスパッタリング法により、膜厚100nmの無機封止層(SiNx膜)を形成した。以上のようにして、有機ELデバイスを得た。
[測定方法・評価方法]
各種測定方法・評価方法について説明する。
<硬化性の評価>
前記薄膜封止において硬化性組成物A1〜A18およびR1、R2を成膜後、前記高圧水銀ランプを用いてタックが無くなるまで硬化する露光量を測定した。
◎:2000mJ/cm2以下で硬化
〇:3000mJ/cm2以下で硬化
×:3000mJ/cm2以上でも硬化しない
<硬化後の透明性の評価>
ガラス基板上に硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4をスピンコートして膜厚8μmの塗膜を形成し、前記高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を照射した際の相溶性につき、目視で確認した。
〇:透明
×:着色、濁りが見られる
<硬化後の密着性の評価>
SiNx蒸着Siウエハ上に硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4をスピンコートして膜厚8μmの塗膜を形成し、前記高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を照射し、硬化させた後、85℃、85%の湿熱環境下に3日間保管した。この基板について1mm×1mm間隔に碁盤目状に100マス作成後、セロハンテープ試験により密着性測定を行った。
◎:100/100残存している場合
〇:80/100以上残存している場合
△:1/00〜79/100残存している場合
×:0/100と残存しない
<誘電率の評価>
ITOを蒸着したガラス基板上に硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4をスピンコートして膜厚8μmの塗膜を形成し、前記高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を照射し、硬化させた後、マスクを用いてアルミニウムを蒸着することで硬化膜上にアルミニウム電極を形成した。この基板の100kHzでの電気容量をLCRメーターにより測定することで誘電率を算出した。
◎:2.7未満
〇:2.7以上、3.0未満
△:3.0以上、3.3未満
×:3.3以上
<硬化後のバリア性(透湿性)の評価>
膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム上に硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4をスピンコートして膜厚8μmの塗膜を形成し、前記高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を照射し、耐透湿性評価サンプルを作成した。等圧法(MOCON法)により、JIS K7129Bに準じて、透湿度を測定した。測定条件は温度40℃、相対湿度100%、24時間で行った。
〇:透湿度が200g/m2・24hr未満
×:200g/m2・24hr以上
<塗布膜ムラの評価>
ガラス基板上にSiNxを膜厚100nmで成膜した評価基板に対して、50μm×50μmピッチで、ピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4のインクジェット吐出を行い、10cm角の塗布膜を作製した。さらに5分後に前記高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を照射し、塗布膜を硬化させた。その際、硬化膜の膜厚が8μmとなる様にインクジェットヘッドに印可する電圧を変化させ、吐出されるインクドット1滴の量を調整した。得られた硬化膜に対して以下の基準で評価を行った。
・◎ :目視にて塗布膜ムラが観察されない。
・〇 :目視にて部分的な膜厚変化による塗布膜ムラが観察される。
・× :目視にて未塗布箇所が観察される。
<硬化膜のアウトガス>
硬化物のアウトガスはTDS−GC/MS法により測定した。
Siウエハ上に硬化性組成物A1〜18およびR1〜R4をスピンコートして膜厚8μmの塗膜を形成し、前記高圧水銀ランプを用いて露光量3000mJ/cm2を照射し、硬化させた。その後、得られた試験片を一定の大きさに切断した基板片をガラスチューブ内に封入し、230℃に加熱し、発生ガスをGC/MS装置により分析した。発生したガスの総量を計測し、以下の基準で評価を行った。
・〇:発生したガスの総量が、硬化膜の重量に対し0.5%未満である。
・×:発生したガスの総量が、硬化膜の重量に対し0.5%以上である。
<有機ELデバイスの信頼性>
上記で得られたそれぞれの有機ELデバイスについて、85℃85%湿熱条件下で100h保管した後 、順方向電流を10mA/cm2で通電し、発光外観(ダークスポット)を観察した。下記基準に基づき、評価した。
・〇:ダークスポットが観察されない。
・×:ダークスポットが1箇所以上観察される。
Figure 2021105100

Claims (13)

  1. (A)一分子中に一つ以上の重合性基を有する化合物、
    (B)感光剤
    (C)上記(A)以外の分子量が100から5000以下である下記式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物。
    Figure 2021105100

    (式(1)中、Rは水素原子もしくはメチル基、Rは炭素数1から12のアルカンジイル基、フェニレン基を示す。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子もしくは炭素数1から6のアルキル基を示し、Rは独立して、1価の有機基を示す。nは1から6の整数であり、Xは、nが2以上の2価の有機基を示す。)
  2. 前記(A)化合物の重合性基が、(メタ)アクリロイル基である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記式(1)のXが、シリコーン骨格を含む連結基である請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  4. 前記感光剤が、光ラジカル発生剤である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記式(1)が、下記式(1−1)で示される化合物である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
    Figure 2021105100

    (式(1−1)中、、Rは、1価の有機基を示す。Rは2価の有機基、Rは水素原子、炭素数1から12の炭化水素基である。R、R,Rは上記式(1)と同義である。mは0〜100の整数である。)
  6. 前記感光剤(B)の含有量が、前記(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. E型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定した粘度が2.5〜30.0mPa・sである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項1から請求項7に記載の硬化性組成物中の有機溶剤の含有量が、3質量%以下である硬化性組成物。
  9. インクジェット用組成物である請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の硬化性組成物
  10. 有機EL素子封止用組成物である請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項1から請求項10に記載の硬化性組成物より形成された硬化膜。
  12. 請求項11の硬化膜を有する有機EL素子。
  13. 発光層が形成された基材の形成面に、前記発光層を封止するように請求項10に記載の硬化性組成物を塗布して硬化することにより、前記発行層を封止する工程を有する、有機EL素子の製造方法。
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