JP2021099148A - 変速装置および車両 - Google Patents

変速装置および車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2021099148A
JP2021099148A JP2019231907A JP2019231907A JP2021099148A JP 2021099148 A JP2021099148 A JP 2021099148A JP 2019231907 A JP2019231907 A JP 2019231907A JP 2019231907 A JP2019231907 A JP 2019231907A JP 2021099148 A JP2021099148 A JP 2021099148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift fork
shaft
recess
fork shaft
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019231907A
Other languages
English (en)
Inventor
拓磨 七星
Takuma Nanahoshi
拓磨 七星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2019231907A priority Critical patent/JP2021099148A/ja
Priority to EP20205984.6A priority patent/EP3842662B1/en
Publication of JP2021099148A publication Critical patent/JP2021099148A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/0432Lubricant guiding means on or inside shift rods or shift forks
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/02Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion
    • F16H3/08Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts
    • F16H3/087Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts characterised by the disposition of the gears
    • F16H3/089Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts characterised by the disposition of the gears all of the meshing gears being supported by a pair of parallel shafts, one being the input shaft and the other the output shaft, there being no countershaft involved
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0467Elements of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0468Shift rods or shift forks
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/02Final output mechanisms therefor; Actuating means for the final output mechanisms
    • F16H63/30Constructional features of the final output mechanisms
    • F16H63/32Gear shift yokes, e.g. shift forks
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/02Final output mechanisms therefor; Actuating means for the final output mechanisms
    • F16H63/08Multiple final output mechanisms being moved by a single common final actuating mechanism
    • F16H63/16Multiple final output mechanisms being moved by a single common final actuating mechanism the final output mechanisms being successively actuated by progressive movement of the final actuating mechanism
    • F16H63/18Multiple final output mechanisms being moved by a single common final actuating mechanism the final output mechanisms being successively actuated by progressive movement of the final actuating mechanism the final actuating mechanism comprising cams

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)

Abstract

【課題】シフトフォーク軸からシフトフォークの摺動部に油を供給することができ、シフトフォークのボス部の内周面に対する加工の手間およびコストを削減することができる変速装置を提供する。【解決手段】シフトフォーク軸100には、軸方向に延びる給油路103と、シフトフォーク軸100の外部に形成された周回溝104と、給油路103と周回溝104とをつなぐ径方向に延びる給油孔103aとが形成されている。シフトフォーク90のボス部91には、径方向に延びる油孔97が形成されている。ボス部91は、油孔97とつながる凹部91dが形成された内周面91aを有している。凹部91dは、内周面91aの周方向の180°以下の範囲にわたって形成され、かつ、シフトフォーク軸100の周回溝104に重なっている。【選択図】図14

Description

本発明は、変速装置および車両に関する。
従来から、例えば自動二輪車等の車両において、いわゆるドグクラッチ式の有段変速装置が用いられている。ドグクラッチ式の有段変速装置は、内燃機関等の駆動源によって駆動される駆動軸と、従動軸と、駆動軸に設けられた複数の駆動ギヤと、従動軸に設けられ、それぞれ駆動ギヤと噛み合う複数の従動ギヤとを備えている。ドグクラッチ式の有段変速装置では、互いに動力を伝達する駆動ギヤおよび従動ギヤの組み合わせを変えることにより、変速比が変更される。
ドグクラッチ式の有段変速装置の一例では、従動ギヤの少なくとも一つは、従動軸に対して回転不能かつ従動軸の軸方向に移動可能な可動ギヤにより構成され、当該可動ギヤと隣り合う従動ギヤは、従動軸に対して回転可能かつ従動軸の軸方向に移動不能な固定ギヤにより構成されている。可動ギヤには固定ギヤの方に突出する凸部が形成され、固定ギヤには上記凸部と係合する凹部が形成されている。それらの凸部および凹部はドグと呼ばれる。この変速装置は、更に、可動ギヤを軸方向に移動させるシフトフォークと、シフトフォークを軸方向に移動可能に支持するシフトフォーク軸と、シフトフォークを軸方向に移動させるシフトドラムと、を備えている。固定ギヤは、当該固定ギヤと噛み合う駆動ギヤから駆動力を受ける。ところが、固定ギヤは従動軸に対して回転可能である。可動ギヤのドグと固定ギヤのドグとが噛み合っていない場合、固定ギヤが空転するため、上記駆動ギヤの駆動力は従動軸に伝達されない。一方、シフトフォークが可動ギヤを固定ギヤの方に移動させると、可動ギヤのドグと固定ギヤのドグとが噛み合う。この場合、上記駆動ギヤの駆動力は、固定ギヤおよび可動ギヤを介して従動軸に伝達される。
ドグクラッチ式の有段変速装置の他の一例(例えば、特許文献1参照)では、駆動ギヤは、駆動軸に対して軸方向に移動不能および回転不能に支持されている。従動ギヤは、従動軸に対して軸方向に移動不能および回転可能に支持されている。この変速装置は、従動軸に対して軸方向に移動可能および回転不能に取り付けられたスライドリングと、スライドリングを軸方向に移動させるシフトフォークと、シフトフォークを軸方向に移動可能に支持するシフトフォーク軸と、シフトフォークを軸方向に移動させるシフトドラムと、を備えている。従動ギヤには、軸方向に突出するドグが設けられている。スライドリングには、ドグが挿入される係合孔が形成されている。スライドリングを従動ギヤに向けて移動させると、スライドリングの係合孔が従動ギヤのドグに係合し、従動ギヤとスライドリングとは動力伝達可能となる。すると、駆動軸、駆動ギヤ、従動ギヤ、スライドリング、従動軸の順番に動力が伝達される。
前記の一例では、可動ギヤの回転時、可動ギヤはシフトフォークに対して摺動する。シフトフォークは、可動ギヤに対して摺動する摺動部を有している。前記の他の一例では、スライドリングはシフトフォークに対して摺動する。シフトフォークは、スライドリングに対して摺動する摺動部を有している。いずれの例においても、シフトフォークの摺動部に、油を供給する必要がある。
例えば特許文献2には、シフトフォーク軸とは別に給油管を設け、給油管からシフトフォークの摺動部に油を噴霧することが記載されている。しかし、シフトフォークの摺動部に油を直接的に供給できないため、給油量が不足しがちである。また、給油管の加工が難しく、部品点数が多くなったり、変速機が大型化し易い。
一方、特許文献3には、シフトフォークの摺動部に油を直接的に供給するようにした変速装置が開示されている。図17に示すように、特許文献3に開示された変速装置では、シフトフォーク軸400の内部に、油の供給路402が形成されている。また、シフトフォーク軸400に、径方向に延びる通油口401が形成されている。シフトフォーク410は、シフトフォーク軸400が挿入されたボス部411と、ボス部411から径方向の外方に延びるプレート部412と、ボス部411およびプレート部412に形成された油路413と、を有している。
ボス部411の内周面には、凹部414が形成されている。凹部414は、シフトフォーク軸400の通油口401およびシフトフォーク410の油路413に連通している。凹部414は、通油口401から油路413に油を導く役割を果たす。油は、通油口401、凹部414、油路413の順に流れ、シフトフォーク410の摺動部(図示せず)に直接的に供給される。
ところで、シフトフォーク410はシフトフォーク軸400の軸方向(図17の左右方向)に移動する。シフトフォーク410の軸方向の位置が変わっても凹部414と通油口401とが常に連通するよう、凹部414の上記軸方向の寸法414Lは大きくなっている。また、シフトフォーク410をシフトフォーク軸400に組み立てるときに、シフトフォーク410のシフトフォーク軸400上の周方向の位置がずれてしまう場合がある。シフトフォーク410の周方向の位置がずれても凹部414と通油口401とが常に連通するよう、凹部414は、ボス部411の内周面の周方向の全体に渡って形成されている。
特開2011−112197号公報 特開2007−139070号公報 特開2007−32649号公報
上述したように、上記変速装置では、凹部414はボス部411の内周面に形成されている。加えて、凹部414は、軸方向の比較的広い範囲に渡って形成され、かつ、周方向の全体に渡って形成されている。凹部414の加工は容易ではない。凹部414の加工には、シフトフォーク軸400の他の部分の加工方法とは異なる加工方法(例えば、中ぐり加工)が用いられる。凹部414を加工するときには、工作機械を変更する必要があった。そのため、上記変速装置では、凹部414を加工するために、比較的多くの手間とコストが必要であった。
本発明の目的は、シフトフォーク軸からシフトフォークの摺動部に油を供給することができ、シフトフォークのボス部の内周面に対する加工の手間およびコストを削減することができる変速装置およびそれを備えた車両を提供することである。
ここで開示される変速装置は、第1回転軸と、前記第1回転軸と平行に配置された第2回転軸と、前記第1回転軸に対して回転不能に取り付けられた第1ギヤと、前記第2回転軸に対して回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられ、前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、前記第2回転軸に対して回転不能かつ軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第2ギヤと軸方向に隣り合う可動体と、前記第1回転軸および前記第2回転軸に平行に配置されたシフトフォーク軸と、前記シフトフォーク軸が挿入された円筒状のボス部を有し、前記シフトフォーク軸に軸方向に移動可能に取り付けられ、前記可動体を軸方向に移動させるシフトフォークと、を備える。前記第2ギヤおよび前記可動体のうちの一方には、軸方向に突出する係合凸部が形成され、前記第2ギヤおよび前記可動体のうちの他方には、前記係合凸部と着脱自在に係合する係合凹部が形成されている。前記シフトフォーク軸には、前記シフトフォーク軸の内部に形成されかつ軸方向に延びる給油路と、前記シフトフォーク軸の外部に形成されかつ前記シフトフォーク軸を一周する周回溝と、前記給油路と前記周回溝とをつなぐ径方向に延びる給油孔とが形成されている。前記シフトフォークの前記ボス部には、径方向に延びる油孔が形成されている。前記ボス部は、前記油孔とつながる凹部が形成された内周面を有している。前記凹部は、前記内周面の周方向の180°以下の範囲にわたって形成され、かつ、前記シフトフォーク軸の前記周回溝に重なっている。
上記変速装置によれば、シフトフォークのボス部の凹部は、周方向の180°以下の範囲に形成されているだけなので、凹部が全周にわたって形成されている場合に比べて、凹部を容易に加工することができる。例えば、回転するバイトをボス部の内周面に押し当てることにより、シフトフォークを回転させなくても凹部を形成することができる。ところで、凹部が周方向の一部にしか形成されていない場合、シフトフォークのシフトフォーク軸上の周方向の位置がずれると、凹部がシフトフォーク軸の給油孔からずれてしまうおそれがある。シフトフォーク軸の給油孔からボス部の油孔に対して、油を導くことができなくなることが懸念される。しかし、上記変速装置によれば、シフトフォーク軸の外部に、給油孔とつながった周回溝が形成されている。シフトフォークのシフトフォーク軸上の周方向の位置がずれたとしても、凹部は周回溝と常に重なっている。そのため、凹部は、周回溝を介して、シフトフォーク軸の給油孔とボス部の油孔とを連通させることができる。よって、ボス部の凹部は周方向の一部にしか形成されていないが、シフトフォーク軸の給油孔からボス部の油孔に対して油を良好に導くことができる。その結果、シフトフォークの摺動部に油を良好に供給することができる。以上より、上記変速装置によれば、シフトフォーク軸からシフトフォークの摺動部に油を直接的に供給することができると共に、シフトフォークのボス部の内周面に対する加工の手間およびコストを削減することができる。
好ましい一態様によれば、前記ボス部における軸方向に垂直な断面において、前記凹部は三日月型に形成されている。
上記態様によれば、Tスロットカッター等で凹部を加工することができる。凹部の加工が容易である。
好ましい一態様によれば、前記凹部の周方向の寸法は、前記シフトフォーク軸の前記給油孔の直径よりも大きい。
上記態様によれば、凹部の寸法が比較的大きいので、シフトフォーク軸の給油孔からボス部の油孔に油を円滑に供給することができる。
好ましい一態様によれば、前記ボス部における軸方向に垂直な断面において、前記凹部は、前記ボス部の中心周りの45°〜90°の範囲にわたって形成されている。
上記態様によれば、凹部の範囲が小さすぎないので、シフトフォーク軸の給油孔からボス部の油孔に油を円滑に供給することができる。また、凹部の範囲が大きすぎないので、凹部の加工が容易である。
好ましい一態様によれば、前記凹部の深さは前記周回溝の深さよりも深い。
上記態様によれば、凹部の深さが比較的深いので、シフトフォーク軸の給油孔からボス部の油孔に油を円滑に供給することができる。
好ましい一態様によれば、前記シフトフォーク軸の軸線を含む断面において、前記周回溝は、前記シフトフォーク軸の軸線と平行な底面と、前記シフトフォーク軸の径方向の外方に行くほど前記底面から離れるように前記底面に対して傾斜した傾斜面と、を含む。前記給油孔は前記底面において開口している。
上記態様によれば、給油孔はシフトフォーク軸の軸線と平行な底面に形成されているので、給油孔の加工が容易である。また、周回溝は傾斜面を有しているので、給油孔からシフトフォークの凹部に油が円滑に導かれる。
好ましい一態様によれば、前記シフトフォーク軸には、前記シフトフォーク軸の軸線に対し前記給油孔と反対側に形成され、前記給油路と前記周回溝とをつなぐ径方向に延びる他の給油孔が形成されている。
上記態様によれば、シフトフォーク軸には給油孔に加えて他の給油孔が形成されているので、シフトフォーク軸の内部の給油路から十分な量の油を供給することができる。
好ましい一態様によれば、前記シフトフォーク軸の前記給油孔の直径は、前記ボス部の前記油孔の直径よりも小さい。
シフトフォーク軸の給油孔から供給される油は、いったん周回溝に導かれ、ボス部の凹部および油孔に供給される。油は周回溝に一時的に溜められる。そのため、上記態様のように、シフトフォーク軸の給油孔の直径がボス部の油孔の直径よりも小さくても、ボス部の油孔に油を良好に供給することができる。
好ましい一態様によれば、前記可動体は、前記第2回転軸と同心状に配置された環状部材により構成されている。前記環状部材は、前記第1回転軸に取り付けられた前記第1ギヤと噛み合っていない。
上記態様によれば、環状部材には、第1回転軸に取り付けられた第1ギヤと噛み合う歯が不要である。そのため、可動体が第1回転軸に取り付けられた第1ギヤと噛み合うギヤである場合に比べて、可動体を薄型化することができる。よって、変速装置を小型化することができる。
好ましい一態様によれば、前記係合凸部は、前記第2ギヤに形成されている。前記係合凹部は、前記環状部材に形成された貫通孔により構成されている。
上記態様によれば、環状部材を薄型化することができる。よって、変速装置を小型化することができる。
ここに開示される車両は、前記変速装置と、前記第1回転軸に連結され、前記第1回転軸を駆動する駆動源と、前記第2回転軸に連結された動力伝達部材と、前記動力伝達部材に連結された駆動輪と、を備える。
本発明によれば、シフトフォーク軸からシフトフォークの摺動部に油を供給することができ、シフトフォークのボス部の内周面に対する加工の手間およびコストを削減することができる変速装置およびそれを備えた車両を提供することができる。
実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 前記自動二輪車の内燃機関の断面図である。 変速装置の一部の断面図である。 変速装置の一部の正面図である。 (a)はスライドリングの正面図であり、(b)は(a)のVb−Vb線断面図である。 (a)はカラーの正面図であり、(b)は(a)のVIb−VIb線断面図である。 スライドリングおよび従動ギヤを軸方向に沿って見た図である。 変速装置の他の一部の断面図である。 シフトフォーク軸の平面図である。 シフトフォーク軸の第1端部の近傍の断面図である。 シフトフォーク軸の第2端部の近傍の断面図である。 シフトフォークの正面図である。 図12のXIII−XIII線断面図である。 シフトフォーク軸およびシフトフォークの一部の拡大断面図である。 図14のXV−XV線断面図である。 シフトフォークの一部の斜視図である。 従来の変速装置の一部の断面図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。図1は、車両の一例である自動二輪車1の側面図である。自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、内燃機関(以下、エンジンという)10と、ハンドル4と、燃料タンク5と、シート6とを備えている。エンジン10は、チェーン7によって後輪3と連結されている。後輪3はエンジン10によって駆動される。エンジン10、後輪3、チェーン7は、それぞれ「駆動源」、「駆動輪」、「動力伝達部材」の一例である。
図2に示すように、エンジン10は、クランクケース11と、クランクケース11に接続されたシリンダボディ12と、シリンダボディ12に接続されたシリンダヘッド13と、シリンダヘッド13に接続されたシリンダヘッドカバー14とを備えている。エンジン10は複数のシリンダ15を備えた多気筒エンジンである。ここでは、エンジン10は3気筒エンジンである。ただし、限定されない。エンジン10はシリンダ15を一つだけ備える単気筒エンジンであってもよい。エンジン10は水冷式エンジンであってもよく、空冷式エンジンであってもよい。
シリンダヘッド13には、点火装置17、吸気バルブ(図示せず)、および排気バルブ18が設けられている。シリンダ15はシリンダボディ12の内部に設けられている。シリンダ15の内部には、ピストン16が収容されている。ピストン16はコンロッド19を介してクランク軸20に連結されている。クランク軸20は、クランクケース11の内部に配置されている。クランク軸20は、車幅方向に延びている。ここでは、クランク軸20は左方および右方に延びている。クランク軸20の左端部には、発電機21が取り付けられている。クランク軸20の右端部には、スプロケット22が取り付けられている。スプロケット22にはカムチェーン23が巻かれている。また、カムチェーン23は、カム軸24に取り付けられたスプロケット25に巻かれている。
自動二輪車1はクラッチ30を備えている。クラッチ30は、駆動軸41に取り付けられている。ここでは、クラッチ30は駆動軸41の右端部に取り付けられている。クラッチ30は、駆動軸41に対して回転可能に取り付けられたクラッチハウジング31と、駆動軸41に対して回転不能に取り付けられたクラッチボス32と、クラッチハウジング31に設けられた複数の第1クラッチプレート33と、クラッチボス32に設けられた複数の第2クラッチプレート34と、第1クラッチプレート33および第2クラッチプレート34の右方に配置されたプレッシャプレート35とを備えている。プレッシャプレート35は、駆動軸41の軸方向に移動可能に構成されており、ばね36により左方に付勢されている。
クラッチハウジング31は、クランク軸20に設けられたギヤ37と噛み合っている。クラッチハウジング31は、クランク軸20と共に回転する。クラッチ30が接続されると、クランク軸20の回転力が駆動軸41に伝達され、駆動軸41はクランク軸20によって駆動される。クラッチ30が切断されると、クランク軸20から駆動軸41への回転力の伝達は遮断される。
自動二輪車1は変速装置40を備えている。図3および図4に示すように、変速装置40は、変速機ケース38と、駆動軸41と、従動軸42と、複数の駆動ギヤ71〜76と、複数の従動ギヤ81〜86と、複数のスライドリング50とを備えている。変速機ケース38はクランクケース11と一体的に形成されている。駆動軸41および従動軸42は、クランク軸20と平行に配置されている。駆動軸41および従動軸42は互いに平行に配置されている。以下の説明では、駆動軸41および従動軸42の軸方向のことを単に「軸方向」と言うことがある。図3に示すように、従動軸42には、チェーン7が巻かれたスプロケット7Aが取り付けられている。
本実施形態では、駆動軸41が「第1回転軸」に対応し、従動軸42が「第2回転軸」に対応する。駆動ギヤ71〜76が「第1ギヤ」に対応し、従動ギヤ81〜86が「第2ギヤ」に対応する。スライドリング50は、「環状部材」に対応する。スライドリング50は、従動軸42と同心状に配置されている。スライドリング50は、駆動軸41に取り付けられた第1ギヤ71〜76と噛み合っていない。また、スライドリング50は、従動軸42に取り付けられた第2ギヤ81〜86と噛み合っていない。
図3に示すように、駆動軸41は軸受77および軸受78に回転自在に支持されている。従動軸42は軸受87および軸受89に回転自在に支持されている。軸受77、78、87、および89は、変速機ケース38に固定されている。
本実施形態では、変速装置40は6つの段を有する有段式変速装置である。ただし、変速装置40の段数は6に限定されない。変速装置40は、第1速〜第6速の駆動ギヤ71〜76を有している。駆動ギヤ71〜76は、駆動軸41に対して回転不能かつ軸方向に移動不能に取り付けられている。駆動ギヤ71〜76は、駆動軸41と共に回転するように構成されている。駆動ギヤ71〜76は、この順に直径が大きくなっている。すなわち、第1速の駆動ギヤ71の直径<第2速の駆動ギヤ72の直径<第3速の駆動ギヤ73の直径<第4速の駆動ギヤ74の直径<第5速の駆動ギヤ75の直径<第6速の駆動ギヤ76の直径である。
変速装置40は、第1速〜第6速の従動ギヤ81〜86を有している。従動ギヤ81〜86は、従動軸42に対して回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられている。従動ギヤ81〜86は、従動軸42に対して空転可能に構成されている。従動ギヤ81〜86は、この順に直径が小さくなっている。すなわち、第1速の従動ギヤ81の直径>第2速の従動ギヤ82の直径>第3速の従動ギヤ83の直径>第4速の従動ギヤ84の直径>第5速の従動ギヤ85の直径>第6速の従動ギヤ86の直径である。
第1速〜第6速の駆動ギヤ71〜76と第1速〜第6速の従動ギヤ81〜86とはそれぞれ噛み合っており、それぞれ第1速〜第6速の変速ギヤ対61〜66を構成している。第1速〜第6速の変速ギヤ対61〜66の減速比は、この順に小さくなっている。すなわち、第1変速ギヤ対61の減速比>第2変速ギヤ対62の減速比>第3変速ギヤ対63の減速比>第4変速ギヤ対64の減速比>第5変速ギヤ対65の減速比>第6変速ギヤ対66の減速比である。
スライドリング50は、従動軸42に対して回転不能かつ軸方向に移動可能に取り付けられている。スライドリング50は、従動軸42と共に回転するように構成されている。本実施形態では、従動軸42に3つのスライドリング50が取り付けられている。左のスライドリング50は、第2速の従動ギヤ82と第4速の従動ギヤ84との間に配置されている。中央のスライドリング50は、第6速の従動ギヤ86と第5速の従動ギヤ85との間に配置されている。右のスライドリング50は、第3速の従動ギヤ83と第1速の従動ギヤ81との間に配置されている。
図3に示すように、駆動ギヤ71〜76にはドグが設けられていないが、従動ギヤ81〜86には軸方向に突出するドグ88が設けられている。従動ギヤ81〜86のドグ88は、スライドリング50に向けて突出している。ドグ88は、「係合凸部」の一例である。
3つのスライドリング50の構成は互いに相違していてもよいが、ここでは同一である。次に、図5(a)および図5(b)を参照しながら、スライドリング50の構成について説明する。
図5(a)はスライドリング50の正面図であり、図5(b)は図5(a)のVb−Vb線断面図である。図5(a)に示すように、スライドリング50は、従動軸42と同心円状の環状部55と、環状部55から径方向の内方に延びる複数の凸部56とを有している。凸部56は周方向に並んでいる。スライドリング50には、環状部55と凸部56とにより、ドグ88が挿入される係合孔58が仕切られている。ここでは、スライドリング50に6つの係合孔58が形成されている。係合孔58の径方向の外方は、環状部55によって仕切られている。係合孔58の周方向の一方および他方は、凸部56によって仕切られている。係合孔58の径方向の内方は開放されている。係合孔58は、スライドリング50の軸方向に延びる貫通孔により構成されている。係合孔58は、「係合凹部」の一例である。
図5(b)に示すように、スライドリング50の外周面には溝59が形成されている。溝59は、径方向の内方に凹んでおり、周方向に延びている。
図3に示すように、スライドリング50と従動軸42との間には、円筒状のカラー110が介在している。スライドリング50は、カラー110を介して従動軸42に取り付けられている。図6(a)はカラー110の正面図であり、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb線断面図である。カラー110は、従動軸42に回転不能かつ軸方向に移動不能に係合する内周部110aと、複数の凹部111が形成された外周部110bとを有している。
図7に示すように、スライドリング50の凸部56の先端部は、カラー110の凹部111に挿入されている。凸部56は、カラー110の外周部110bに係合している。スライドリング50は、カラー110に対して、軸方向に摺動可能かつ周方向に摺動不能に係合している。カラー110は従動軸42と共に回転するように従動軸42に固定されている。そのため、スライドリング50は、従動軸42およびカラー110と共に回転する。
図8に示すように、変速装置40は、3つのシフトフォーク90と、シフトフォーク90を支持するシフトフォーク軸100と、シフトフォーク90と係合するシフトドラム120と、シフトドラム120を段階的に回転させる回転機構130とを備えている。
シフトドラム120およびシフトフォーク軸100は、駆動軸41および従動軸42と平行に配置されている。シフトドラム120には、シフトフォーク90の凸部96に係合する溝121が形成されている。回転機構130は、シフトドラム120と平行に配置されたシフトシャフト131と、シフトシャフト131の回転をシフトドラム120に伝達するアーム132とを有している。なお、シフトドラム120および回転機構130には、従来から周知のものを好適に用いることができる。シフトドラム120および回転機構130の構成は周知であるので、それらの説明は省略する。
詳細は後述するが、シフトフォーク90はスライドリング50の溝59に係合している。シフトドラム120が回転すると、シフトフォーク90はシフトドラム120の溝121に沿って左方または右方に移動する。これに伴い、シフトフォーク90に係合するスライドリング50は、左方または右方に移動する。シフトフォーク90は、シフトフォーク軸100に軸方向に移動可能に取り付けられ、スライドリング50を軸方向に移動させるように構成されている。
図3に示すように、右のスライドリング50は、第1速の従動ギヤ81の左方に配置されている。このスライドリング50が右方に移動すると、従動ギヤ81のドグ88はスライドリング50の係合孔58に挿入される。従動ギヤ81は駆動ギヤ71と噛み合っているので、常に回転している。そのため、図7に示すように、ドグ88は従動軸42の中心周りに旋回し、スライドリング50の凸部56に接触する。凸部56がドグ88に押されることにより、従動ギヤ81からスライドリング50に動力が伝達され、スライドリング50は従動ギヤ81と共に回転する。ドグ88と係合孔58とが係合することにより、第1速の変速ギヤ対61を介して駆動軸41から従動軸42に動力が伝達され、従動軸42は駆動される。詳細な説明は省略するが、第2速〜第6速の変速ギヤ対62〜66についても同様である。
本実施形態に係る変速装置40は、シフトフォーク軸100およびシフトフォーク90を通じて、シフトフォーク90のスライドリング50との摺動部に油を直接的に供給することができる。次に、シフトフォーク軸100およびシフトフォーク90の詳細な構成について説明する。
まず、シフトフォーク軸100について説明する。図8に示すように、シフトフォーク軸100の両端部は開放されている。詳しくは、シフトフォーク軸100の第1端部101には、左方に開いた第1開口101aが形成されている。シフトフォーク軸100の第2端部102には、右方に開いた第2開口102aが形成されている。第1開口101aおよび第2開口102aは、シフトフォーク軸100の軸方向に開口している。第2開口102aは第1開口101aと逆向きに開口している。シフトフォーク軸100の内部には、第1開口101aから第2開口102aにわたって軸方向に延びる給油路103が形成されている。
図9はシフトフォーク軸100の平面図である。シフトフォーク軸100には、シフトフォーク軸100の外部を一周する周回溝104が形成されている。周回溝104は、シフトフォーク軸100の径方向の外方100rに行くほど幅が広い形状に形成されている。シフトフォーク軸100の軸線100cを含む断面において、周回溝104は、シフトフォーク軸100の軸線100cと平行な底面104bと、シフトフォーク軸100の径方向の外方100rに行くほど底面104bから離れるように底面104bに対して傾斜した傾斜面104aとを含んでいる。周回溝104は、シフトフォーク90と同じ数だけ設けられている。本実施形態では、変速装置40は3つのシフトフォーク90を備えているので、シフトフォーク軸100には3つの周回溝104が形成されている。
図8に示すように、シフトフォーク軸100には、径方向に延びる給油孔103aが形成されている。給油孔103aは、周回溝104の底面104bにおいて開口している(図9参照)。給油孔103aは、給油路103と周回溝104とをつないでいる。また、シフトフォーク軸100には、軸線100cに対し給油孔103aと反対側に位置する他の給油孔103bが形成されている。他の給油孔103bも径方向に延びており、給油路103と周回溝104とをつないでいる。
シフトフォーク軸100は変速機ケース38に支持されている。変速機ケース38は、第1孔部141と第2孔部142とを有している。シフトフォーク軸100の第1端部101は、第1孔部141に挿入されている。シフトフォーク軸100の第2端部102は、第2孔部142に挿入されている。
第1孔部141は、第1開口101aを通じて、シフトフォーク軸100の内部の給油路103と連通している。また、第1孔部141は、油を供給するオイルポンプ69に連通している。図示は省略するが、クランクケース11の底部には、油を貯留するオイルパンが設けられている。オイルパンに貯留された油は、オイルポンプ69により第1孔部141に供給される。第2孔部142は、第2開口102aを通じて給油路103と連通している。
図10に示すように、第1孔部141は、シフトフォーク軸100の軸方向に垂直な第1奥壁部141aと、第1奥壁部141aから軸方向に延びる第1周壁部141bとを有している。
図8に示すように、変速機ケース38は、ケース本体38Aおよび蓋部材38Bを有している。ケース本体38Aには、変速機ケース38の内部と外部とをつなぐ貫通孔39が形成されている。蓋部材38Bはケース本体38Aに固定されており、貫通孔39を塞いでいる。ケース本体38Aに蓋部材38Bを固定する方法は特に限定されないが、例えば溶接により固定することができる。第2孔部142は、貫通孔39および蓋部材38Bにより構成されている。図11に示すように、第2孔部142は、シフトフォーク軸100の軸方向に垂直な第2奥壁部142aと、第2奥壁部142aから軸方向に延びる第2周壁部142bとを有している。第2奥壁部142aは蓋部材38Bの内面により構成されている。第2周壁部142bは、ケース本体38Aの貫通孔39の内周面により構成されている。
図10に示すように、第1孔部141の内部には、第1ばね151の少なくとも一部が配置されている。第1ばね151の少なくとも一部は、第1奥壁部141aとシフトフォーク軸100の第1端部101との間に介在する。本実施形態では、シフトフォーク軸100の第1端部101の内部に、第1ばね151の右端部を支持する段差面101bが形成されている。第1ばね151の右端部は、この段差面101bに支持されている。第1ばね151の左端部は、第1奥壁部141aに支持されている。本実施形態では、第1ばね151は圧縮コイルばねである。第1ばね151は、シフトフォーク軸100を右方に付勢している。ただし、第1ばね151はシフトフォーク軸100を第2孔部142の方に付勢するものであれば足りる。第1ばね151は圧縮コイルばねに限定されない。
図11に示すように、第2孔部142の内部には、第2ばね152の少なくとも一部が配置されている。第2ばね152の少なくとも一部は、第2奥壁部142aとシフトフォーク軸100の第2端部102との間に介在する。本実施形態では、シフトフォーク軸100の第2端部102の内部に、第2ばね152の左端部を支持する段差面102bが形成されている。第2ばね152の左端部は、この段差面102bに支持されている。第2ばね152の右端部は、第2奥壁部142aに支持されている。本実施形態では、第2ばね152は圧縮コイルばねである。第2ばね152は、シフトフォーク軸100を左方に付勢している。ただし、第2ばね152はシフトフォーク軸100を第1孔部141の方に付勢するものであれば足りる。第2ばね152は圧縮コイルばねに限定されない。
第1ばね151および第2ばね152は、シフトフォーク軸100を第1奥壁部141aおよび第2奥壁部142aから離間した中立位置に保つ付勢部材の一例である。図8は、シフトフォーク軸100が中立位置にある状態を表している。中立位置にあるシフトフォーク軸100は、左方および右方のいずれにも移動可能である。第1ばね151および第2ばね152は、シフトフォーク軸100が左方に移動するとシフトフォーク軸100を右方に付勢し、シフトフォーク軸100が右方に移動するとシフトフォーク軸100を左方に付勢する。言い換えると。第1ばね151および第2ばね152は、シフトフォーク軸100が中立位置から第1孔部141の方に移動すると、シフトフォーク軸100を第2孔部142の方に付勢し、シフトフォーク軸100が中立位置から第2孔部142の方に移動すると、シフトフォーク軸100を第1孔部141の方に付勢する。
次に、シフトフォーク90の構成を説明する。図12はシフトフォーク90の正面図である。図13は、図12のXIII−XIII線断面図である。図14は、シフトフォーク軸100およびシフトフォーク90の一部を拡大した断面図である。図15は、図14のXV−XV線断面図である。図12に示すように、シフトフォーク90は、シフトフォーク軸100が挿入される円筒状のボス部91と、ボス部91からスライドリング50に向けて延びるベースプレート部92と、ベースプレート部92からスライドリング50の側方に向かって延びる第1アーム部93および第2アーム部94と、ベースプレート部92からボス部91の径方向の外方に延びる摺動部95と、を有している。また、シフトフォーク90は、シフトドラム120の溝121と係合する凸部96を有している。第2アーム部94は、スライドリング50に対して第1アーム部93と反対側に位置している。摺動部95は、ベースプレート部92の第1アーム部93と第2アーム部94との間の部分に設けられている。
図13に示すように、ボス部91の軸方向の寸法9L1は、ベースプレート部92におけるボス部91の軸方向の寸法92Lよりも大きい。91L>92Lである。
ボス部91の軸線はシフトフォーク軸100の軸線100cと一致する。以下の説明では、ボス部91の軸線も符号100cで表すこととする。ボス部91は、内周面91aおよび外周面91bを有している。ボス部91には、ボス部91の径方向に延びる油孔97が形成されている。油孔97は、内周面91aから外周面91bにかけてボス部91を貫通している。図12に示すように、外周面91bのうち油孔97が形成された部分91baは、ボス部91の径方向に垂直な垂直面である。図15に示すように、油孔97は、シフトフォーク軸100の給油路103と連通している。
ボス部91の内周面91aには、凹部91dが形成されている。図13に示すように、凹部91dはボス部91の軸方向に延びている。図16に示すように、凹部91dは周方向の180°以下の範囲にわたって形成されている。ここでは、凹部91dは、ボス部91の内周面91aの周方向の90°以下の範囲にわたって形成されている。ただし、凹部91dの周方向の範囲は特に限定されない。凹部91dは、ボス部91の中心周りに45°〜90°の範囲にわたって形成されていてもよく、30°〜90°の範囲にわたって形成されていてもよい。図15に示すように、ボス部91の軸方向に垂直な断面において、凹部91dは三日月型に形成されている。なお、符号θは、凹部91dのボス部91の中心周りの角度を表している。
図14に示すように、凹部91dは、シフトフォーク軸100の周回溝104と重なっている。言い換えると、凹部91dの少なくとも一部は、周回溝104の左端部よりも右方、かつ、周回溝104の右端部よりも左方に位置している。
凹部91dの周方向の寸法91dL(図16参照)は、シフトフォーク軸100の給油孔103aの直径103aD(図15参照)よりも大きい。凹部91dの周方向の寸法91dLは、ボス部91の油孔97の直径97Dよりも大きい。ボス部91の油孔97の直径97Dは、シフトフォーク軸100の給油孔103aの直径103aDよりも大きい。図14に示すように、凹部91dの深さ91dHは、シフトフォーク軸100の周回溝104の深さ104Hよりも深い。ただし、上記の各寸法は一例に過ぎず、特に限定される訳ではない。
図12および図13に示すように、ベースプレート部92には、ボス部91の軸方向に凹んだ凹部160が形成されている。図12に示すように、凹部160は、油孔97よりもボス部91の径方向の外方に位置している。凹部160は、油孔97から摺動部95に向かって延びている。凹部160は油孔97からスライドリング50に向かって延びている。
凹部160は、油孔97に対してボス部91の径方向の外方に位置する第1凹部161と、第1凹部161から摺動部95に向かって延びる第2凹部162とを含んでいる。第1凹部161は半球状に形成されている。第2凹部162は、ボス部91の径方向に直線状に延びている。第2凹部162は、ボス部91の中心91cとスライドリング50の中心50cとを結ぶ直線(図示せず)に沿って延びている。第2凹部162の断面形状は特に限定されないが、本実施形態では、第2凹部162の輪郭(詳しくは、ボス部91の中心91cとスライドリング50の中心50cとを結ぶ直線に対して垂直な断面における輪郭)は円弧状に形成されている。
図13に示すように、第1凹部161は第2凹部162よりも深くなっている。第1凹部161の深さ161Hは第2凹部162の深さ162Hよりも深い。161H>162Hである。第1凹部161の深さ161Hは、凹部160の最大深さである。凹部160の最大深さ161Hは、ボス部91の油孔97の半径の3倍以上である。言い換えると、凹部160の最大深さ161Hは、油孔97の直径97D(図12参照)の1.5倍以上である。161H≧1.5×97Dである。
図12に示すように、第1凹部161におけるボス部91の径方向の寸法161Lは、第2凹部162におけるボス部91の径方向の寸法162Lよりも大きい。161L>162Lである。第1凹部161におけるボス部91の径方向の寸法161Lは、ボス部91の油孔97の直径97Dの2倍以上である。161L≧2×97Dである。本実施形態では、第1凹部161の寸法161Lと第2凹部162の寸法162Lとを加算した寸法は、凹部160におけるボス部91の径方向の寸法に該当する。凹部160におけるボス部91の径方向の寸法161L+162Lは、ボス部91の油孔97の中心97cから第1アーム部93の先端93tまでの寸法93Lの半分よりも小さい。161L+162L<0.5×93Lである。
凹部160におけるボス部91の径方向および軸方向に垂直な方向の最大寸法160Aは、ボス部91の油孔97の直径97Dの2倍以上である。160A≧2×97Dである。また、凹部160におけるボス部91の径方向および軸方向に垂直な方向の最小寸法160Bは、油孔97の直径97Dよりも大きい。160B>97Dである。
図14に示すように、シフトフォーク90の摺動部95は板状に形成されている。摺動部95は、ベースプレート部92からスライドリング50に向けて延びる板状の係合プレート部95Pを有している。係合プレート部95Pは、スライドリング50の溝59に係合している。図12に示すように、係合プレート部95Pには、ボス部91の軸方向に凹んだ他の凹部163が形成されている。凹部163は、凹部160からボス部91の径方向の外方に延びている。凹部163は凹部160からスライドリング50に向けて延びている。第2凹部162および凹部163は、同一直線上に真っ直ぐに延びている。ただし、特に限定される訳ではない。
係合プレート部95Pに加え、第1アーム部93の先端部93Pおよび第2アーム部94の先端部94Pもスライドリング50の溝59に係合している。第1アーム部93の先端部93Pおよび第2アーム部94の先端部94Pは、スライドリング50と係合する他の摺動部である。
以上が変速装置40の構成である。次に、変速装置40の動作の一例について説明する。ここでは、第2速から第3速への変速動作について説明する。
第2速の状態では、図3および図4の左のスライドリング50(以下、左スライドリング50という)の係合孔58に、第2速の従動ギヤ82のドグ88が係合している。まず、クラッチ30が切断されると共に、シフトシャフト131が操作され、回転機構130がシフトドラム120を回転させる。
この回転に伴い、始めに図8の左のシフトフォーク90(以下、左シフトフォーク90という)に右向きの力が加わり、左シフトフォーク90は右方に移動する。この際、シフトフォーク軸100が右方に移動不能の場合、左シフトフォーク90に十分大きな力が加わるまで、左シフトフォーク90は移動を開始しない。そして、左シフトフォーク90に十分大きな力が加わってから、左シフトフォーク90はシフトフォーク軸100上を勢いよく右方に移動し始めることになる。そのため、変速動作が滑らかでなく、シフトフィーリングは良好とはならない。
ところが、本実施形態に係る変速装置40では、シフトフォーク軸100は左方および右方に移動可能である。左シフトフォーク90に加わる力が十分大きくなくても、左シフトフォーク90はシフトフォーク軸100と一緒に右方に移動を開始することができる。左シフトフォーク90は、シフトフォーク軸100と一緒に右方に移動した後、シフトフォーク軸100に対して右方に移動することができる。左シフトフォーク90は、動き始めのときにシフトフォーク軸100と一緒に移動することができ、勢いが付いてからは、シフトフォーク軸100上を移動することができる。そのため、シフトドラム120の回転に伴って左シフトフォーク90は円滑に移動することができ、変速動作は滑らかとなる。良好なシフトフィーリングが得られる。
左シフトフォーク90は右方に移動することにより、左スライドリング50を右方に移動させる。これにより、第2速の従動ギヤ82のドグ88は、左スライドリング50の係合孔58から抜ける。第2速の従動ギヤ82と左スライドリング50との係合が解除される。
シフトフォーク軸100は第2ばね102から左向きの力を受けている。そのため、シフトフォーク軸100は、中立位置から左シフトフォーク90と共に右方に移動した後、第2ばね102の付勢力を受けて中立位置に戻る。
シフトドラム120が更に回転すると、図8の右のシフトフォーク90(以下、右シフトフォーク90という)に左向きの力が加わり、右シフトフォーク90は左方に移動する。シフトフォーク軸100は中立位置にあるので、左方および右方に移動可能である。右シフトフォーク90は、シフトフォーク軸100と一緒に左方に移動を開始した後、シフトフォーク軸100に対して左方に移動することができる。右シフトフォーク90は、動き始めのときにシフトフォーク軸100と一緒に左方に移動した後、シフトフォーク軸100に対して左方に移動することができる。そのため、シフトドラム120の回転に伴って右シフトフォーク90は円滑に移動することができ、変速動作が滑らかとなる。良好なシフトフィーリングが得られる。右シフトフォーク90は左方に移動することにより、図3および図4の右のスライドリング50(以下、右スライドリング50という)を左方に移動させる。これにより、右スライドリング50の係合孔58に第3速の従動ギヤ83のドグ88が入り込む。第3速の従動ギヤ83と右スライドリング50とが係合する。
その後、クラッチ30が接続される。これにより、第3速の変速ギヤ対63を介して、駆動軸41から従動軸42に動力が伝達される。以上が第2速から第3速への変速動作である。説明は省略するが、他の変速動作も同様にして行われる。
なお、シフトフォーク軸100の中立位置から左方および右方への移動可能量は特に限定されないが、シフトフォーク軸100は、係合しているドグ88が係合孔58から完全に抜けるまで移動可能であってもよく、係合していないドグ88が係合孔58に完全に挿入されるまで移動可能であってもよい。例えば、シフトフォーク軸100が中立位置にあるときに、シフトフォーク軸100の第1端部101と第1孔部141の第1奥壁部141aとの間隔を101L(図10参照)とし、第2端部102と第2孔部142の第2奥壁部142aとの間隔を102L(図11参照)とする。ドグ88の突出長さを88L(図4参照)とする。この場合、シフトフォーク軸100の第1端部101と第1奥壁部141aとの間隔101Lはドグ88の突出長さ88Lよりも大きくてもよく、シフトフォーク軸100の第2端部102と第2奥壁部142aとの間隔102Lはドグ88の突出長さ88Lよりも大きくてもよい。これにより、変速時のシフトフィーリングが更に向上する。
前述したように、本実施形態に係る変速装置40は、シフトフォーク軸100およびシフトフォーク90を通じて、シフトフォーク90のスライドリング50との摺動部に油を直接的に供給することができる。次に、油の供給について説明する。
図8に示すように、変速機ケース38の第1孔部141には、オイルポンプ69から油が供給されている。第1孔部141からシフトフォーク軸100の内部の給油路103に油が供給される。図14に示すように、シフトフォーク軸100の給油路103の油は、給油孔103aおよび給油孔103bを通じて、周回溝104に流入する。
シフトフォーク軸100の周回溝104は、シフトフォーク90のボス部91の凹部91dと重なっている。また、凹部91dは、ボス部91の油孔97と繋がっている。そのため、周回溝104の油は、凹部91dを通じて油孔97に流入する。
シフトフォーク90の油孔97の隣には、油孔97から摺動部95に向かって延びる凹部160が設けられている。油孔97を通過した油は、凹部160により摺動部95に導かれる。すなわち、油孔97を通過した油は凹部160に流入し、凹部160を流れて摺動部95に至る。
摺動部95には凹部163が形成されている。摺動部95に供給された油は、凹部163を通じて、スライドリング50の外周面の溝59の奥部に導かれる。摺動部95に供給された油は、スライドリング50の回転に伴って、スライドリング50の外周面の溝59の全体に拡散する。これにより、第1アーム部93の先端部93Pおよび第2アーム部94の先端部94P(図12参照)に、油が供給される。すなわち、シフトフォーク90の他の摺動部にも油が供給される。
本実施形態では図14に示すように、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bと、シフトフォーク90の油孔97とは、軸方向にずれている。シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bおよび周回溝104は、シフトフォーク軸100の給油路103から油を径方向の外方に導く役割を果たす。シフトフォーク90のボス部91の凹部91dは、油を軸方向に導く役割を果たす。
以上のようにして、シフトフォーク90の摺動部に油が直接的に供給され、シフトフォーク90およびスライドリング50は油により潤滑される。
以上のように、本実施形態に係る変速装置40によれば、シフトフォーク軸100に給油路103、給油孔103aおよび給油孔103bが形成されている。シフトフォーク90のボス部91に、凹部91dと、凹部91dにつながる油孔97とが形成されている。これにより、シフトフォーク軸100の給油路103からシフトフォーク90の摺動部95に、油を直接的に供給することができる。
本実施形態によれば、ボス部91の凹部91dは、周方向の180°以下の範囲にわたって形成されているだけである。そのため、凹部91dが全周にわたって形成されている場合に比べて、凹部91dを容易に加工することができる。例えば、回転するバイトをボス部91の内周面91aに押し当てることにより、シフトフォーク90を回転させなくても凹部91dを加工することができる。
ところで、凹部91dが周方向の一部にしか形成されていない場合、シフトフォーク90のシフトフォーク軸100上の周方向の位置がずれると、凹部91dがシフトフォーク軸100の給油孔103a,103bからずれてしまうおそれがある。凹部91dと給油孔103a,103bとがずれてしまうと、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bからシフトフォーク90のボス部91の油孔97に対して、油を導くことができなくなることが懸念される。
しかし、本実施形態によれば、シフトフォーク軸100の外部に、給油孔103a,103bとつながった周回溝104が形成されている。シフトフォーク90のシフトフォーク軸100上の周方向の位置がずれたとしても、凹部91dは周回溝104と常に重なっている。そのため、凹部91dは、周回溝104を介して、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bとボス部91の油孔97とを連通させることができる。よって、凹部91dは周方向の一部にしか形成されていないが、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bからボス部91の油孔97に対して油を良好に導くことができる。その結果、シフトフォーク90の摺動部95に油を良好に供給することができる。
上述の通り、本実施形態によれば、シフトフォーク90のシフトフォーク軸100上の周方向の位置がずれても、ボス部91の凹部91dとシフトフォーク軸100の給油孔103a,103bとは連通する。そのため、シフトフォーク軸100にシフトフォーク90を組み立てるときに、必ずしもシフトフォーク90の位置決めを高精度に行わなくてもよい。よって、シフトフォーク90の組み立てに要する手間およびコストを低減することができる。
このように、本実施形態に係る変速装置40によれば、シフトフォーク軸100からシフトフォーク90の摺動部95に油を直接的に供給することができると共に、シフトフォーク90のボス部91の内周面91aに対する加工の手間およびコストを削減することができる。
ボス部91の凹部91dの形状は限定されないが、本実施形態では図15に示すように、ボス部91における軸方向に垂直な断面において、凹部91dは三日月型に形成されている。本実施形態によれば、Tスロットカッター等で凹部91dを加工することができる。凹部91dの加工が容易である。
凹部91dの寸法は特に限定されないが、本実施形態では、凹部91dの周方向の寸法91dL(図16参照)は、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bの直径103aD(図15参照)よりも大きい。このように、凹部91dの寸法が比較的大きいので、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bからボス部91の油孔97に油を円滑に供給することができる。
また、本実施形態では、図15に示すように、ボス部91における軸方向に垂直な断面において、凹部91dは、ボス部91の中心周りに45°〜90°の範囲の角度θにわたって形成されている。本実施形態によれば、凹部91dの周方向の寸法が小さすぎないので、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bからボス部91の油孔97に油を円滑に供給することができる。また、凹部91dの周方向の寸法が大きすぎないので、凹部91dの加工が容易である。
凹部91dの深さ91dHは特に限定されないが、本実施形態によれば図14に示すように、凹部91dの深さ91dHは、シフトフォーク軸100の周回溝104の深さ104Hよりも深い。凹部91dが比較的深いので、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bからボス部91の油孔97に油を円滑に供給することができる。
シフトフォーク軸100の周回溝104の形状は特に限定されないが、本実施形態では周回溝104は、シフトフォーク軸100の軸線100cを含む断面において、シフトフォーク軸100の軸線100cと平行な底面104bと、底面104bに対して傾斜した傾斜面104aとを含んでいる。給油孔103a,103bは、シフトフォーク軸100の軸線100cと平行な底面104bに形成されている。そのため、給油孔103a,103bの加工が容易である。また、周回溝104は、シフトフォーク軸100の径方向の外方に行くほど底面104bから離れる傾斜面104aを有しているので、給油孔103a,103bからシフトフォーク90の凹部91dに油が円滑に導かれる。
シフトフォーク軸100の周回溝104に設けられる給油孔の数は1つでもよいが、本実施形態では、2つの給油孔103a,103bが設けられている。給油孔103aと給油孔103bとは、互いに反対の位置に形成されている。本実施形態によれば、シフトフォーク軸100の内部の給油路103から十分な量の油を供給することができる。
シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bの大きさは特に限定されないが、本実施形態では図15に示すように、給油孔103a,103bの直径103aDは、ボス部91の油孔97の直径97Dよりも小さい。シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bは比較的小さい。本実施形態では、シフトフォーク軸100の給油孔103a,103bから供給される油は、いったん周回溝104に導かれ、その後、ボス部91の凹部91dおよび油孔97に供給される。周回溝104に油が一時的に溜められるので、給油孔103a,103bの直径103aDがボス部91の油孔97の直径97Dよりも小さくても、ボス部91の油孔97に油を良好に供給することができる。
本実施形態によれば、従動ギヤ81〜86と着脱自在に係合する可動体はスライドリング50により構成され、スライドリング50は駆動軸41に取り付けられた駆動ギヤ71〜76と噛み合っていない。本実施形態によれば、スライドリング50には、駆動ギヤ71〜76と噛み合う歯は不要である。そのため、可動体が駆動ギヤ71〜76と噛み合うギヤである場合に比べて、可動体を薄型化することができる。よって、変速装置40を小型化することができる。
本実施形態では、係合凸部は従動ギヤ81〜86に設けられたドグ88であり、係合凹部は、スライドリング50に形成された貫通孔からなる係合孔58である。ただし、係合凹部は必ずしも貫通孔でなくてもよい。係合凹部は底を有する孔であってもよい。しかし、本実施形態によれば、係合凹部は貫通孔からなる係合孔58であるので、スライドリング50を薄型化することができる。よって、変速装置40を小型化することができる。
以上、一実施形態について説明した。ただし、上述の実施形態は一例に過ぎず、他にも様々な実施形態が可能である。
前記実施形態では、全てのドグ88が従動ギヤ81〜86に設けられ、全てのスライドリング50が従動軸42に支持されている。しかし、全てのドグ88が駆動ギヤ71〜76に設けられ、全てのスライドリング50が駆動軸41に支持されていてもよい。この場合、従動軸42が「第1回転軸」に対応し、駆動軸41が「第2回転軸」に対応し、従動ギヤ81〜86が「第1ギヤ」に対応し、駆動ギヤ71〜76が「第2ギヤ」に対応する。
駆動ギヤ71〜76の少なくとも一つおよび従動ギヤ81〜86の少なくとも一つにドグ88が設けられ、駆動軸41および従動軸42のそれぞれに少なくとも一つのスライドリング50が支持されていてもよい。すなわち、複数のスライドリング50は、駆動軸41および従動軸42に分けて配置されていてもよい。
スライドリング50は、必ずしも溝59を備えていなくてもよい。例えば、シフトフォーク90がスライドリング50の側面を軸方向に押すように構成されていてもよい。
前記実施形態では、シフトフォーク90はスライドリング50を軸方向に移動させるように構成されている。シフトフォーク90が移動させる「可動体」は、スライドリング50である。しかし、「可動体」はスライドリング50に限定されない。スライドリング50はなくてもよい。例えば、従動ギヤ81〜86の少なくとも一つが軸方向に移動可能に構成され(以下、軸方向に移動可能なギヤを移動ギヤと呼ぶ)、移動ギヤにドグ88と係合する係合凹部が形成されていてもよい。あるいは、駆動ギヤ71〜76の少なくとも一つにドグ88が設けられ、ドグ88が設けられた駆動ギヤの隣の駆動ギヤが移動ギヤにより構成され、この移動ギヤにドグ88と係合する係合凹部が形成されていてもよい。このような場合、シフトフォーク90は移動ギヤを軸方向に移動させるように構成される。移動ギヤが「可動体」に対応する。
前記実施形態では、「第2ギヤ」に対応する従動ギヤ81〜86に、「係合凸部」に対応するドグ88が設けられている。「可動体」に対応するスライドリング50に、「係合凹部」に対応する係合孔58が形成されている。ただし、限定されない。例えば、スライドリング50にドグ88が設けられ、従動ギヤ81〜86に係合孔58が形成されていてもよい。このように、可動体に係合凸部が設けられ、第2ギヤに係合凹部が形成されていてもよい。
前記実施形態では、ボス部91の軸方向に垂直な断面において、凹部91dは三日月型に形成されている。ただし、特に限定されない。上記断面における凹部91dの形状は、三日月型に限られない。また、前述した凹部91dの寸法は一例に過ぎない。凹部91dの寸法は特に限定されない。
給油孔103a,103bとつながる溝は、必ずしもシフトフォーク軸100の全周にわたって形成されている必要はない。周回溝104に代えて、シフトフォーク軸100の周方向の一部にのみ溝を形成するようにしてもよい。また、ボス部91の凹部91dと給油孔103aの少なくとも一部または給油孔103bの少なくとも一部とが重なる限り、シフトフォーク軸100の溝は必ずしも必要ではない。
給油孔103aおよび給油孔103は、必ずしも互いに反対側に形成されている必要はない。シフトフォーク軸100の周回溝104に設けられる給油孔の数は2つに限定されない。周回溝104に設けられる給油孔の数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。周回溝104に形成される複数の給油孔の内径は互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。
車両は自動二輪車1に限定されない。車両は、自動二輪車以外の鞍乗型車両であってもよい。なお、鞍乗型車両とは、乗員が跨がって乗車する車両のことである。また、車両は鞍乗型車両に限らず、他の形態の車両であってもよい。車両は、例えば、自動三輪車、自動四輪車、ATV(All Terrain Vehicle)、スノーモービルであってもよい。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1…自動二輪車(車両)、3…後輪(駆動輪)、7…チェーン(動力伝達部材)、10…内燃機関(駆動源)、40…変速装置、41…駆動軸(第1回転軸)、42…従動軸(第2回転軸)、50…スライドリング(可動体)、58…係合孔(係合凹部)、71〜76…駆動ギヤ(第1ギヤ)、81〜86…従動ギヤ(第2ギヤ)、88…ドグ(係合凸部)、90…シフトフォーク、91…ボス部、91b…ボス部の内周面、91d…凹部、92…ベースプレート部、93…第1アーム部、94…第2アーム部、95…摺動部、97…油孔、100…シフトフォーク軸、103…給油路、103a…給油孔、104…周回溝

Claims (11)

  1. 第1回転軸と、
    前記第1回転軸と平行に配置された第2回転軸と、
    前記第1回転軸に対して回転不能に取り付けられた第1ギヤと、
    前記第2回転軸に対して回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられ、前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、
    前記第2回転軸に対して回転不能かつ軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第2ギヤと軸方向に隣り合う可動体と、
    前記第1回転軸および前記第2回転軸に平行に配置されたシフトフォーク軸と、
    前記シフトフォーク軸が挿入された円筒状のボス部を有し、前記シフトフォーク軸に軸方向に移動可能に取り付けられ、前記可動体を軸方向に移動させるシフトフォークと、を備え、
    前記第2ギヤおよび前記可動体のうちの一方には、軸方向に突出する係合凸部が形成され、
    前記第2ギヤおよび前記可動体のうちの他方には、前記係合凸部と着脱自在に係合する係合凹部が形成され、
    前記シフトフォーク軸には、前記シフトフォーク軸の内部に形成されかつ軸方向に延びる給油路と、前記シフトフォーク軸の外部に形成されかつ前記シフトフォーク軸を一周する周回溝と、前記給油路と前記周回溝とをつなぐ径方向に延びる給油孔とが形成され、
    前記シフトフォークの前記ボス部には、径方向に延びる油孔が形成され、
    前記ボス部は、前記油孔とつながる凹部が形成された内周面を有し、
    前記凹部は、前記内周面の周方向の180°以下の範囲にわたって形成され、かつ、前記シフトフォーク軸の前記周回溝に重なっている、変速装置。
  2. 前記ボス部における軸方向に垂直な断面において、前記凹部は三日月型に形成されている、請求項1に記載の変速装置。
  3. 前記凹部の周方向の寸法は、前記シフトフォーク軸の前記給油孔の直径よりも大きい、請求項1または2に記載の変速装置。
  4. 前記ボス部における軸方向に垂直な断面において、前記凹部は、前記ボス部の中心周りの45°〜90°の範囲にわたって形成されている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の変速装置。
  5. 前記凹部の深さは、前記周回溝の深さよりも深い、請求項1〜4のいずれか一つに記載の変速装置。
  6. 前記シフトフォーク軸の軸線を含む断面において、前記周回溝は、前記シフトフォーク軸の軸線と平行な底面と、前記シフトフォーク軸の径方向の外方に行くほど前記底面から離れるように前記底面に対して傾斜した傾斜面と、を含み、
    前記給油孔は、前記底面において開口している、請求項1〜5のいずれか一つに記載の変速装置。
  7. 前記シフトフォーク軸には、前記シフトフォーク軸の軸線に対し前記給油孔と反対側に形成され、前記給油路と前記周回溝とをつなぐ径方向に延びる他の給油孔が形成されている、請求項1〜6のいずれか一つに記載の変速装置。
  8. 前記シフトフォーク軸の前記給油孔の直径は、前記ボス部の前記油孔の直径よりも小さい、請求項1〜7のいずれか一つに記載の変速装置。
  9. 前記可動体は、前記第2回転軸と同心状に配置された環状部材により構成され、
    前記環状部材は、前記第1回転軸に取り付けられた前記第1ギヤと噛み合っていない、請求項1〜8のいずれか一つに記載の変速装置。
  10. 前記係合凸部は、前記第2ギヤに形成され、
    前記係合凹部は、前記環状部材に形成された貫通孔により構成されている、請求項9に記載の変速装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の変速装置と、
    前記第1回転軸に連結され、前記第1回転軸を駆動する駆動源と、
    前記第2回転軸に連結された動力伝達部材と、
    前記動力伝達部材に連結された駆動輪と、
    を備えた車両。
JP2019231907A 2019-12-23 2019-12-23 変速装置および車両 Pending JP2021099148A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019231907A JP2021099148A (ja) 2019-12-23 2019-12-23 変速装置および車両
EP20205984.6A EP3842662B1 (en) 2019-12-23 2020-11-05 Transmission and vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019231907A JP2021099148A (ja) 2019-12-23 2019-12-23 変速装置および車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021099148A true JP2021099148A (ja) 2021-07-01

Family

ID=73138736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019231907A Pending JP2021099148A (ja) 2019-12-23 2019-12-23 変速装置および車両

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3842662B1 (ja)
JP (1) JP2021099148A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113404824B (zh) * 2021-07-14 2024-05-17 重庆宗王动力发动机有限公司 一种多档动力输出系统

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01203759A (ja) * 1988-02-05 1989-08-16 Honda Motor Co Ltd スプライン
US7285052B1 (en) * 2002-08-19 2007-10-23 Sennax Industries, Inc. Intermediate shaft assembly
JP2007032649A (ja) 2005-07-25 2007-02-08 Honda Motor Co Ltd 変速機用シフトフォーク
JP4624910B2 (ja) 2005-11-17 2011-02-02 愛知機械工業株式会社 変速機
DE102009028383A1 (de) * 2009-08-10 2011-02-17 Zf Friedrichshafen Ag Lageranordnung für ein Kraftfahrzeuggetriebe, mit verbesserter Schmiermittelversorgung
JP5364544B2 (ja) 2009-11-30 2013-12-11 川崎重工業株式会社 自動二輪車用変速装置
CN205937794U (zh) * 2016-08-12 2017-02-08 温岭市恒动机械有限公司 一种拔叉轴

Also Published As

Publication number Publication date
EP3842662B1 (en) 2023-04-12
EP3842662A1 (en) 2021-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7093569B2 (en) Power unit for saddle-ride type vehicle
JP2008019877A (ja) エンジン
US7258031B2 (en) Transmission
US8662253B2 (en) Lubricating oil feeding structure
CA2576629C (en) Gear transmission
EP3842662B1 (en) Transmission and vehicle
EP3842665B1 (en) Transmission and vehicle
EP3842664B1 (en) Transmission and vehicle
JP2013024398A (ja) 軸受部の潤滑構造
JP5497508B2 (ja) エンジンの油圧クラッチ用油路構造
US6805026B2 (en) Automatic transmission
JP5711064B2 (ja) バランサ付き内燃機関
JP2008087604A (ja) 動力伝達装置
JP4181051B2 (ja) エンジン
JP4878853B2 (ja) 内燃機関
TWI636210B (zh) Engine unit
JP2006037989A (ja) 小型車両用エンジンの無段変速機および小型車両用エンジン
EP3792526B1 (en) Transmission and vehicle
JP2005090644A (ja) 変速機の潤滑装置
JP4212172B2 (ja) トルク伝達装置
EP3792522B1 (en) Transmission and vehicle
JP6708051B2 (ja) エンジンのベアリング支持構造
JP2007315200A (ja) エンジン用オイルポンプ