JP2007315200A - エンジン用オイルポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータを駆動するポンプ軸を回転自在に支承してクランクケース内に収容されるポンプケースに、ロータを収容してポンプケース内に形成されるポンプ室に通じる吸入路および吐出路が上下に延びて設けられるとともに、吐出路に接続される調圧弁が付設されるエンジン用オイルポンプにおいて、ポンプ軸の軸線に直交する平面内でポンプケースが占めるスペースを小さくする。ようにしたエンジン用オイルポンプを提供することを目的とする。
【解決手段】吸入路131および吐出路132が、ポンプ軸104よりも下方で上下に平行に延びてポンプケース103に設けられ、調圧弁144が、ポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上では吸入路131および吐出路132の軸線に直交しつつ吸入路131および吐出路132の少なくとも一方に一部が重なるようにして、ポンプケース103に配設される。
【選択図】 図6
【解決手段】吸入路131および吐出路132が、ポンプ軸104よりも下方で上下に平行に延びてポンプケース103に設けられ、調圧弁144が、ポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上では吸入路131および吐出路132の軸線に直交しつつ吸入路131および吐出路132の少なくとも一方に一部が重なるようにして、ポンプケース103に配設される。
【選択図】 図6
Description
本発明は、ロータを駆動するポンプ軸を回転自在に支承してクランクケース内に収容されるポンプケースに、前記ロータを収容してポンプケース内に形成されるポンプ室に通じる吸入路および吐出路が上下に延びて設けられるとともに、前記吐出路に接続される調圧弁が付設されるエンジン用オイルポンプに関する。
ポンプケースに、上下に延びる吸入路および吐出路が設けられるとともに、吸入路および吐出路と並列に調圧弁が配設されたエンジン用オイルポンプが、特許文献1で知られている。
特開2002−213221号公報
ところが上記特許文献1で開示されたものでは、ポンプ軸の軸線に沿う方向から見て、吸入路、吐出路および調圧弁が並列してポンプケースに設けられており、前記ポンプ軸の軸線に直交する平面内でポンプケースが大型化している。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ポンプ軸の軸線に直交する平面内でポンプケースが占めるスペースを小さくし得るようにしたエンジン用オイルポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ロータを駆動するポンプ軸を回転自在に支承してクランクケース内に収容されるポンプケースに、前記ロータを収容してポンプケース内に形成されるポンプ室に通じる吸入路および吐出路が上下に延びて設けられるとともに、前記吐出路に接続される調圧弁が付設されるエンジン用オイルポンプにおいて、前記吸入路および前記吐出路が、前記ポンプ軸よりも下方で上下に平行に延びて前記ポンプケースに設けられ、前記調圧弁が、前記ポンプ軸の軸線に直交する平面への投影図上では前記吸入路および前記吐出路の軸線に直交しつつ前記吸入路および前記吐出路の少なくとも一方に一部が重なるようにして、前記ポンプケースに配設されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ポンプ軸の軸線に直交する平面への投影図上で前記ロータおよび前記調圧弁の一部が重なることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記調圧弁が、前記ロータと、クランク軸からの動力を受けるべく前記ポンプ軸に固定される被動輪との間に配置されることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記調圧弁が、前記吸入路および前記吐出路の少なくとも一部を直角に横切って前記ポンプケースに設けられた有底の装着孔に挿入、固定され、前記装着孔の内面および前記調圧弁間に、前記調圧弁および前記吐出路間を結ぶ調圧用入口油路ならびに前記調圧弁および前記吸入路間を結ぶ調圧用出口油路が形成されることを特徴とする。
なお実施例のフィードポンプ101が本発明の「オイルポンプ」に対応し、実施例の被動スプロケット106が本発明の「被動輪」に対応する。
請求項1記載の発明によれば、ポンプ軸の軸線に直交する平面への投影図上で吸入路および吐出路の軸線に直交する調圧弁の一部が、前記投影図上で吸入路および吐出路の少なくとも一方に重なるので、ポンプ軸の軸線に直交する平面内でポンプケースが占めるスペースを小さくすることができる。
また請求項2記載の発明によれば、ロータおよび調圧弁の一部が、ポンプ軸の軸線に直交する平面への投影図上で重なるようにすることで、調圧弁をポンプ軸に近接配置し、ポンプ軸の軸線に直交する平面内でポンプケースが占めるスペースをより小さくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、調圧弁をロータおよび被動輪間に配置してオイルポンプの小型化を図ることができる。
さらに請求項4記載の発明によれば、調圧弁の調圧作動によって吐出路から調圧弁を経て吸入路にオイルを短距離で流通せしめ、調圧弁から吸入路にオイルを直接戻すことによりオイルポンプの負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図9は本発明の一実施例を示すものであり、図1は鞍乗り型車両の側面図、図2はエンジン本体の左側面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5はエンジン本体の下部を右側から見た一部切欠き側面図、図6は図5の6−6線拡大断面図、図7は図5の7−7線拡大断面図、図8は図7の8−8線断面図、図9は図5の9矢視拡大図である。
先ず図1において、この鞍乗り型車両が備える車体フレームFの前部には左右一対の前輪WF…が懸架され、前記車体フレームFの後部には左右一対の後輪WR…が懸架される。両前輪WF…および両後輪WR…間で前記車体フレームFにはたとえば2気筒であるエンジンEのエンジン本体11が搭載されており、前記エンジンEからの動力を両前輪WF…および両後輪WR…に伝達するための前後輪駆動軸12が、車体フレームFの前後方向に沿う軸線を有して前記エンジン本体11の下部を貫通し、前後輪駆動軸12の前端から出力される動力が前部駆動軸13、ユニバーサルジョイント14および前部差動装置15を介して両前輪WF…に伝達され、前後輪駆動軸12の後端から出力される動力がユニバーサルジョイント16、後部駆動軸17および前部差動装置18を介して両後輪WR…に伝達される。
前記車体フレームFには、該車体フレームFの大部分および前記エンジンEを覆う車体カバー19が取付けられており、この車体カバー19上に乗車用シート20が設けられる。またエンジン本体11におけるシリンダヘッド31の後部側壁に各気筒毎のスロットルボディ21…が接続され、両スロットルボディ21…の上流端は、エンジン本体11の上方かつ乗車用シート20の前方に配置されて前記車体カバー19で覆われるエアクリーナ22に共通に接続される。しかも両スロットルボディ21…には燃料噴射弁23…が付設される。一方、シリンダヘッドの前部側壁には各気筒毎の排気管24,25の上流端が接続されており、それらの排気管24,25は、鞍乗り型車両の進行方向前方を向いた状態で前記エンジン本体11の右側方を通過するように湾曲して形成されており、両排気管24,25の下流端は、それらの排気管24,25に共通な共通排気管26を介して排気マフラー27に接続され、排気マフラー27はエンジン本体11の後方に配置される。
図2および図3において、エンジン本体11は、軸線を車幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿わせたクランク軸28を回転自在に支承するクランクケース29と、該クランクケース29の上部に結合されるシリンダブロック30と、該シリンダブロック30の上部に結合されるシリンダヘッド31と、シリンダヘッド31の上部に結合されるヘッドカバー32とを備える。
シリンダブロック30には、エンジン本体11を車両に搭載した状態では左右に並ぶ一対のシリンダボア33,33が前上がりとなるように傾斜した軸線を有して設けられており、それらのシリンダボア33…に摺動可能に嵌合されるピストン34,34が、コネクティングロッド42,42およびクランクピン28a,28aを介してクランク軸28に連接される。
前記クランクケース29は、エンジン本体11の車両搭載状態で後上がりに傾斜して配置される割り面50で上下に分割することを可能として上部および下部ケース半体29a,29bが相互に結合されて成るものであり、前記シリンダブロック30および上部ケース29aは一体に形成される。また鞍乗り型車両の進行方向前方を向いた状態でクランクケース29の左側には、図2で示すように、第1クランクケースカバー35が複数のボルト38…,130…で締結されるとともに、第2クランクケースカバー36が複数のボルト39…(図2参照)でそれぞれ締結されており、鞍乗り型車両の進行方向前方を向いた状態でクランクケース29の右側には、第3クランクケースカバー37が複数のボルト40…(図3参照)で締結される。また前記クランクケース29の下部にはオイルパン41が締結される。
クランクケース29の左側壁を回転自在に貫通するクランク軸28の一端には、第1クランクケースカバー35で覆われる発電機44が連結されるものであり、該発電機44は前記クランク軸28の一端に固定されるアウターロータ45と、該アウターロータ45で囲繞されるようにして第1クランクケースカバー35に固定されるインナーステータ46とを備える。
またクランクケース29の上部には、図2で示すように始動用モータ47が取付けられており、この始動用モータ47から動力が伝達される歯車48が一方向クラッチ49を介して前記アウターロータ45に連結される。
クランクケース29の右側壁を回転自在に貫通するクランク軸28の他端は第3クランクケースカバー37で回転自在に支承されており、このクランク軸28の他端部にはトルクコンバータ51が装着される。
前記クランク軸28の後方でクランクケース29には、クランク軸28と平行な軸線を有する第1メイン軸52が回転可能に支承されており、第1メイン軸52を相対回転可能に同軸に貫通する第2メイン軸53の両端がクランクケース29および第3クランクケースカバー37で回転自在に支承される。しかも第1および第2メイン軸53,54の軸線はクランクケース29における割り面50すなわち上部および下部ケース半体29a,29bの結合面上に配置される。また第1および第2メイン軸52,53の後方斜め下には、第1および第2メイン軸52,53と平行な軸線を有するカウンタ軸54が配置されており、このカウンタ軸54は、第2クランクケースカバー36およびクランクケース29で回転自在に支承される。
クランクケース29および第3クランクケースカバー37間で、第1メイン軸52には伝動筒軸55が相対回転可能に装着されており、該伝動筒軸55には、クランク軸28からの回転動力が、前記トルクコンバータ51、該トルクコンバータ51を介してクランク軸28に連結される駆動ギヤ56、該駆動ギヤ56に噛合する被動ギヤ57およびダンパばね58を介して動力が伝達される。また伝動筒軸55および第1メイン軸52間には油圧の作用に応じて接続状態となる第1の油圧クラッチ59が設けられ、伝動筒軸55および第2メイン軸53間には、被動ギヤ57を第1の油圧クラッチ59との間に挟む位置に配置される第2の油圧クラッチ60が、油圧の作用に応じて接続状態となるようにして設けられる。
第1および第2の油圧クラッチ59,60とともに油圧式自動変速機63を構成する歯車変速機構64は、第1および第2メイン軸52,53とカウンタ軸54との間に、択一的な確立を可能とした複数変速段の歯車列が設けられて成るものであり、この実施例では、第1メイン軸52およびカウンタ軸54間に、第1速用歯車列G1、第3速用歯車列G3および後進用歯車列GRが設けられ、第2メイン軸53およびカウンタ軸54間に、第2速用歯車列G2および第4速用歯車列G4が設けられる。
図4を併せて参照して、第1速用歯車列G1は、第1メイン軸52に一体に設けられる第1速用駆動歯車65と、第1速用駆動歯車65に噛合するとともに軸方向位置を一定としてカウンタ軸54に相対回転自在に支承される第1速用被動歯車66とから成り、第3速用歯車列G3は、第1メイン軸52に一体に設けられる第3速用駆動歯車67と、第3速用駆動歯車67に噛合するとともに軸方向位置を一定として前記カウンタ軸54に相対回転自在に支承される第3速用被動歯車68とから成る。後進用歯車列GRは、第1速用駆動歯車65と、第1速用駆動歯車65に噛合する第1後進アイドル歯車69と、第1後進アイドル歯車69と一体に形成される第2後進アイドル歯車70と、第2後進アイドル歯車70に噛合するとともに軸方向位置を一定としてカウンタ軸54に相対回転自在に支承される後進用被動歯車71とから成り、一体の第1および第2後進アイドル歯車69,70は、第1メイン軸52、第2メイン軸53およびカウンタ軸54と平行な軸線を有してクランクケース29に両端部が支持された後進アイドル軸72で回転自在に支承されている。しかも第1および第2後進アイドル歯車69,70の軸線すなわち後進アイドル軸72の軸線は、図2で示すように、カウンタ軸54よりも前方に配置される。
また第2速用歯車列G2は、軸方向位置を一定として第2メイン軸53に相対回転自在に支承される第2速用駆動歯車73と、制限された範囲での軸方向スライド作動を可能としつつ相対回転不能として前記カウンタ軸54に支承されるとともに第2速用駆動歯車73に噛合する第2速用被動歯車74とから成り、第4速用歯車列G4は、軸方向位置を一定として第2メイン軸53に相対回転自在に支承される第4速用駆動歯車75と、第4速用駆動歯車75に噛合するとともに軸方向位置を一定として前記カウンタ軸54に相対回転自在に支承される第4速用被動歯車76とから成る。
第1および第3速用被動歯車66,68間でカウンタ軸54には、第1シフタ77がスプライン結合されており、この第1シフタ77は、第1速用被動歯車66に係合して第1速用歯車列G1を確立する位置と、第3速用被動歯車68に係合して第3速用歯車列G3を確立する位置と、第1および第3速用被動66,68のいずれにも係合しない中間位置とを切換えてカウンタ軸54の軸方向に移動可能である。また第2速用駆動歯車73および第4速用駆動歯車75間で第2メイン軸53には、第2シフタ78がスプライン結合されており、この第2シフタ78は、第2速用駆動歯車73に係合して第2速用歯車列G2を確立する位置と、第4速用駆動歯車75に係合して第4速用歯車列G4を確立する位置と、第2および第4速用駆動歯車73,75のいずれにも係合しない中間位置とを切換えて第2メイン軸53の軸方向に移動可能である。さらに第2速用歯車列G2の第2速用被動歯車74は、第2速用駆動歯車73との噛合状態を保持しつつ、後進用被動歯車71に係合する位置ならびに後進用被動歯車97との係合を解除する位置間で軸方向に移動可能であり、第2シフタ78が第2および第4速用駆動歯車73,75のいずれにも係合しない中間位置にあるときに第2速用被動歯車74を後進用被動歯車71に係合する位置まで移動させることにより後進用歯車列GRが確立する。
而して第1の油圧クラッチ89が動力伝達状態にあって第1メイン軸52にクランク軸28から動力が伝達されているときには、第1速用歯車列G1、第3速用歯車列G3および後進用歯車列GRのうち択一的に確立した歯車列を介して第1メイン軸52からカウンタ軸54に動力が伝達され、第2の油圧クラッチ60が動力伝達状態にあって第2メイン軸53にクランク軸28から動力が伝達されているときには、第2変速用歯車列G2および第4変速用歯車列G4のうち択一的に確立した歯車列を介して第2メイン軸53からカウンタ軸54に動力が伝達される。
ところで前記第1シフタ77、第2シフタ78および第2速用被動歯車74を軸方向に駆動する動力は、クランクケース29の上部に取付けられるシフト用モータ80(図2参照)によって得られる。
図2で明示するように、前記カウンタ軸54の下後方にはカウンタ軸54と平行な軸線を有する伝動軸81が配置されており、この伝動軸81は、第2クランクケースカバー36と、クランクケース29に取付けられた支持筒82とで回転自在に支承される。しかもクランクケース29および第2クランクケースカバー36間でカウンタ軸54に固定された駆動歯車83が前記伝動軸81に固定された被動歯車84に噛合しており、伝動軸81がカウンタ軸54に連動、連結される。
前記伝動軸81には駆動傘歯車85が一体に設けられ、クランクケース29の下部を前後に貫通する前後輪駆動軸12に固定される被動傘歯車86が、前記伝動軸81の軸線よりも後方で前記駆動傘歯車85に噛合する。
ところで、前記前駆輪駆動軸12の前部は、図2で示すように、ボールベアリング89を介してクランクケース29に支承され、前記ボールベアリング89の外方で前後輪駆動軸12およびクランクケース29間には環状のシール部材90が介装される。
一方、クランクケース29の後端には、前記被動傘歯車86よりも大径である開口部91が前後輪駆動軸12を挿入せしめるべく設けられる。一方、前後輪駆動軸12の後部を貫通せしめる円筒部93aを有する軸受け保持部材93が複数のボルト95でクランクケース29に締結される。
しかも被動傘歯車86は、前後輪駆動軸12の後端から相対回転不能として前後輪駆動軸12に嵌装されるものであり、前記保持部材93で保持されるボールベアリング92の内輪92aと、前後輪駆動軸12の外周に設けられて後方に臨む環状の受け段部12aとの間に被動傘歯車86が挟持される。さらに前記ボールベアリング92の外方で軸受保持部材93の円筒部93aおよび前後輪駆動軸12間には環状のシール部材94が介装される。
前記油圧式自動変速機63における第1および第2の油圧クラッチ59,60の油圧は、電気的に制御される制御弁を含む複数の制御弁から成る油圧制御ユニット98で制御されるものであり、この油圧制御ユニット98は、クランクケース29の上部すなわち上部ケース半体29の上部に取付けられる。
図5〜図8において、クランクケース29内の下部には、本発明のオイルポンプであるフィードポンプ101と、スカベンジングポンプ102とがポンプケース103を共通にして同軸に結合されて成るポンプユニット100が収容されており、フィードポンプ101およびスカベンジングポンプ102に共通であるポンプ軸104にクランク軸28から動力が伝達される。すなわちクランクケース29およびトルクコンバータ51間でクランク軸28に設けられた駆動スプロケット105と、前記ポンプ軸104に設けられる被動輪としての被動スプロケット106とに無端状のチェーン107が巻きかけられる。
前記ポンプケース103は、第2ケース部材109を第1および第3ケース部材108,110で挟むようにして相互に重なる第1〜第3ケース部材108〜110が、ポンプ軸104と平行な複数たとえば3つのボルト111…で結合されて成るものであり、クランクケース29における下部ケース半体29bの下部に、第1ケース部材108が一対のボルト112,112によって締結される。またクランク軸28と平行な軸線を有するポンプ軸104は、その一端を第1ケース部材108から突出させるようにして第1〜第3ケース部材108〜110で回転自在に支承され、前記被動スプロケット106はポンプ軸104の一端部に固定される。
スカベンジングポンプ102は、トロコイドポンプであり、第2および第3ケース部材109,110間に形成されるポンプ室113に、ポンプ軸104で駆動されるロータ114が収容されて成り、該ロータ114は、ポンプ軸104に固定されるインナーロータ115と、該インナーロータ115に噛合するアウターロータ116とで構成される。
前記スカベンジングポンプ102の吸入路121は、ポンプ室113から下方に延びて第3ケース部材110に設けられており、この吸入路121の下端はオイルパン41に設けられた複数の支持突部123…で支持されるオイルストレーナ124に接続される。またスカベンジングポンプ102の吐出路122は、前記ポンプ軸104に関して前記吸入路121とは反対側で第2ケース部材109に設けられ、前記ポンプ室113から下方に延びるものであり、この吐出路122の下端は、前記オイルパン41に設けられて前記ポンプ軸104と平行に延びる第1油路125に接続される。而して第1油路125は、鞍乗り型車両の前後方向に沿って延びるものであり、第1油路125の後端に前記吐出路122の下端が接続される。
図9を併せて参照して、第1油路125の前端はオイルパン41の前部側壁に開口される。一方、図1で示すように、エンジンEの前方で車体フレームFにはラジエータ126およびオイルクーラ127が支持されており、オイルパン41の前部側壁に開口した第1油路125は図示しない管路を介して前記オイルクーラ127に接続され、前記ラジエータ126および前記エンジンE間に配置されて前記車体フレームFに支持されるオイルタンク128に前記オイルクーラ127が接続される。すなわちオイルパン41内のオイルはオイルストレーナ124を介してスカベンジングポンプ102に吸引され、スカベンジングポンプ102から吐出されたオイルはオイルクーラ127を経てオイルタンク128に導かれる。
またフィードポンプ101は、スカベンジングポンプ102と同様にトロコイドポンプであり、第1および第2ケース部材108,109間に形成されるポンプ室117に、ポンプ軸104で駆動されるロータ118が収容されて成り、該ロータ118はポンプ軸104に固定されるインナーロータ119と、インナーロータ119に噛合するアウターロータ120とで構成される。
前記フィードポンプ101の吸入路131および吐出路132は、前記ポンプ軸104の両側に配置されるものであり、ポンプ軸104よりも下方で上下に平行に延びて前記ポンプケース103の第1ケース部材108に設けられる。
前記フィードポンプ101における吸入路131の下端は、ポンプ軸104と平行にしてオイルパン41に設けられる第2油路133の内端に接続されており、オイルパン41の右側面に開口した第2油路133の外端はキャップ134で液密に閉じられる。またオイルパン41には、第1油路125と平行に延びる第3油路135が設けられており、この第3油路135の後端が前記第2油路133の途中に連通され、オイルパン41の前部側壁に開口される第3油路135の前端は図示しない管路を介して前記オイルタンク128に接続される。すなわちオイルタンク128に貯留されたオイルは、フィードポンプ101に吸入される。
前記フィードポンプ101における吐出路132の下端は、第1および第3油路125,135と平行にして前記オイルパン41に設けられた第4油路136に接続される。この第4油路136は、鞍乗り型車両の前後方向に沿って延びるものであり、第4油路136の後端に前記吐出路132の下端が接続される。またオイルパン41の前部側壁に開口される第4油路136の前端はキャップ137で液密に閉じられる。
ところでクランクケース29における下部ケース29bの前面には、図5で示すようにオイルフィルタ138(図5参照)が取付けられており、前記第4油路136の前端寄りの部分が第5油路140を介してオイルフィルタ138に接続される。またクランクケース29に、クランク軸28と平行に延びるメインギャラリ139が設けられており、前記オイルフィルタ138で濾過されたオイルの一部は前記メインギャラリ139に導かれ、残余のオイルはエンジン本体11が備える他の複数の被潤滑部に導かれる。
ところで前記フィードポンプ101には、吐出圧を調圧するための調圧弁144が付設されるものであり、この調圧弁144は、前記ポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上では前記吸入路131および前記吐出路132の軸線に直交して、前記ポンプケース103の第1ケース部材108に配設される。すなわち第1ケース部材108には、ポンプ軸104の軸線に直交する平面に軸線を配置した有底の装着孔145が、エンジン本体11の車両搭載状態では後方側を開放するようにして設けられており、調圧弁144は、該装着孔145内に挿入、固定される。
図8に注目して、前記装着孔145は、一端を閉じた有底の第1孔部145aと、第1孔部145aよりも大径にして第1孔部145aの他端に一端が連なる第2孔部145bと、第2孔部145bよりも大径にして第2孔部145bの他端に一端が連なる第3孔部145cと、第3孔部145cよりも大径にして第3孔部145cの他端に一端が連なるとともに他端を開放したねじ孔部145dとが同軸に連なって成るものである。
一方、調圧弁144は、第1および第2孔部145a,145b間に形成される環状段部145eに一端を当接させるようにして第2孔部145bに嵌合されるとともに他端をねじ孔部145dの軸方向中間部に配置する円筒状の弁ハウジング146と、該弁ハウジング146の一直径線に沿う軸線を有して弁ハウジング146の一端寄りの部分に挿通されるストッパピン147と、該ストッパピン147に当接可能な端壁148aを一端に有して有底円筒状に形成されるとともに弁ハウジング146に摺動可能に嵌合される弁体148と、前記弁ハウジング146の他端寄り内面に装着された止め輪149で支持されるリテーナ150と、前記弁体148およびリテーナ150間に縮設される弁ばね151とを備える。
前記弁ハウジング146の一端は、前記弁体148の端壁148aを臨ませる入口通路152を形成するものであり、前記弁ハウジング146の一端寄り側壁には、前記弁体148が前記弁ばね151を収縮する側にスライドするのに応じて前記入口通路152に連通する複数の出口孔153…が設けられる。また前記ねじ孔部145dには蓋部材154が液密に螺合されるものであり、この蓋部材154と、前記環状段部145eとの間に弁ハウジング146が挟持、固定される。さらに前記ストッパピン147は、前記装着孔145の第2孔部145bに嵌合される部分で弁ハウジング146に挿通されており、弁ハウジング146を第2孔部145bに嵌合した状態でストッパピン147の弁ハウジング146からの離脱は阻止される。
ところで、前記装着孔145は、前記吸入路131および前記吐出路132の少なくとも一部を直角に横切って第1ケース部材108に設けられるものであり、装着孔145における第1孔部145aの内面および調圧弁144間に、調圧弁144の前記入口通路152および吐出路132間を結ぶ調圧用入口油路155が形成され、装着孔145における第3孔部の内面および調圧弁144における弁ハウジング146の外周間に、調圧弁144の前記出口孔および吸入路131間を結ぶ環状の調圧用出口油路156が形成される。
而して前記調圧弁144の弁体148には、吐出路132から調圧用入口通路155を経て入口通路152に導かれる液圧が、弁ばね151のばね力に対抗して弁体148を押圧する方向の液圧力を発揮することになり、弁ばね151のばね荷重に応じて定まる設定圧以上に前記吐出路132の液圧が増大すると、弁体148は前記入口通路152を出口孔153…に連通するようにスライド作動し、吐出路132の液圧が設定圧に調圧されることになる。
しかも前記調圧弁144は、ポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上では、前記吸入路131および前記吐出路132の少なくとも一方、この実施例では吸入路131に一部が重なるようにして、装着孔145に挿入、固定されており、またポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上ではフィードポンプ101のロータ118および調圧弁144の一部が重なるように調圧弁144が配置される。
しかも前記調圧弁144は、フィードポンプ101の前記ロータ118と、ポンプ軸104の一端に固定される被動スプロケット106との間に配置される。
次にこの実施例の作用について説明すると、クランクケース29内に収容されるポンプユニット100は、フィードポンプ101およびスカベンジングポンプ102がポンプケース103を共通にして同軸に結合されて成るものであり、フィードポンプ101およびスカベンジングポンプ102に共通であるポンプ軸104を回転自在に支承するポンプケース103の第1ケース部材108には、フィードポンプ101のロータ118を収容するポンプ室117に通じる吸入路131および吐出路132が上下に延びて設けられるとともに、吐出路132に接続される調圧弁144が付設されるのであるが、第1ケース部材108に設けられる前記吸入路131および前記吐出路132は、前記ポンプ軸104よりも下方で上下に平行に延びるものであり、調圧弁144は、ポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上では前記吸入路131および前記吐出路132の軸線に直交しつつ前記吸入路131および前記吐出路132の少なくとも一方に一部が重なるようにして、前記ポンプケース103の第1ケース部材108に配設されている。
したがってポンプ軸104の軸線に直交する平面内で第1ケース部材108が占めるスペースひいてはポンプケース103が占めるスペースを小さくすることができる。
またポンプ軸104の軸線に直交する平面への投影図上でフィードポンプ101のロータ118および前記調圧弁144の一部が重なるので、調圧弁144をポンプ軸104に近接配置し、ポンプ軸104の軸線に直交する平面内でポンプケース103が占めるスペースをより小さくすることができる。
さらに調圧弁144が、フィードポンプ101の前記ロータ118と、クランク軸28からの動力を受けるべくポンプ軸104に固定される被動スプロケット106との間に配置されので、フィードポンプ101の小型化を図ることができる。
しかも調圧弁144が、吸入路131および吐出路132の少なくとも一部を直角に横切ってポンプケース103の第1ケース部材108に設けられた有底の装着孔145に挿入、固定され、装着孔145の内面および調圧弁144間に、調圧弁144の入口通路152および吐出路132間を結ぶ調圧用入口油路155と、調圧弁144の出口孔153…および吸入路131間を結ぶ環状の調圧用出口油路156とが形成されるので、調圧弁144の調圧作動によって吐出路132から調圧弁144を経て吸入路131にオイルを短距離で流通せしめ、調圧弁144から吸入路131にオイルを直接戻すことによりフィードポンプ101ひいてはポンプユニット100の負担を軽減することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
28・・・クランク軸
29・・・クランクケース
102・・・オイルポンプであるフィードポンプ
103・・・ポンプケース
104・・・ポンプ軸
106・・・被動輪である被動スプロケット
117・・・ポンプ室
118・・・ロータ
131・・・吸入路
132・・・吐出路
144・・・調圧弁
145・・・装着孔
155・・・調圧用入口油路
156・・・調圧用出口油路
29・・・クランクケース
102・・・オイルポンプであるフィードポンプ
103・・・ポンプケース
104・・・ポンプ軸
106・・・被動輪である被動スプロケット
117・・・ポンプ室
118・・・ロータ
131・・・吸入路
132・・・吐出路
144・・・調圧弁
145・・・装着孔
155・・・調圧用入口油路
156・・・調圧用出口油路
Claims (4)
- ロータ(118)を駆動するポンプ軸(104)を回転自在に支承してクランクケース(29)内に収容されるポンプケース(103)に、前記ロータ(118)を収容してポンプケース(103)内に形成されるポンプ室(117)に通じる吸入路(131)および吐出路(132)が上下に延びて設けられるとともに、前記吐出路(132)に接続される調圧弁(144)が付設されるエンジン用オイルポンプにおいて、前記吸入路(131)および前記吐出路(132)が、前記ポンプ軸(104)よりも下方で上下に平行に延びて前記ポンプケース(103)に設けられ、前記調圧弁(144)が、前記ポンプ軸(104)の軸線に直交する平面への投影図上では前記吸入路(131)および前記吐出路(132)の軸線に直交しつつ前記吸入路(131)および前記吐出路(132)の少なくとも一方に一部が重なるようにして、前記ポンプケース(103)に配設されることを特徴とするエンジン用オイルポンプ。
- 前記ポンプ軸(104)の軸線に直交する平面への投影図上で前記ロータ(118)および前記調圧弁(144)の一部が重なることを特徴とする請求項1記載のエンジン用オイルポンプ。
- 前記調圧弁(144)が、前記ロータ(118)と、クランク軸(28)からの動力を受けるべく前記ポンプ軸(104)に固定される被動輪(106)との間に配置されることを特徴とする請求項1または2記載のエンジン用オイルポンプ。
- 前記調圧弁(144)が、前記吸入路(131)および前記吐出路(132)の少なくとも一部を直角に横切って前記ポンプケース(103)に設けられた有底の装着孔(145)に挿入、固定され、前記装着孔(145)の内面および前記調圧弁(144)間に、前記調圧弁(144)および前記吐出路(132)間を結ぶ調圧用入口油路(155)ならびに前記調圧弁(144)および前記吸入路(131)間を結ぶ調圧用出口油路(156)が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン用オイルポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006143147A JP2007315200A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | エンジン用オイルポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006143147A JP2007315200A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | エンジン用オイルポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007315200A true JP2007315200A (ja) | 2007-12-06 |
Family
ID=38849306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006143147A Pending JP2007315200A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | エンジン用オイルポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007315200A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114899974A (zh) * | 2017-12-28 | 2022-08-12 | 日本电产株式会社 | 马达单元 |
-
2006
- 2006-05-23 JP JP2006143147A patent/JP2007315200A/ja active Pending
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CN114899974A (zh) * | 2017-12-28 | 2022-08-12 | 日本电产株式会社 | 马达单元 |
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