以下、実施形態の冷蔵庫管理システム、冷蔵庫及びサーバシステムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。また本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
本明細書で「所定条件が満たされた場合、ダンパを開く(または閉じる)」とは、所定条件が成立した瞬間にダンパを開く(または閉じる)場合に限定されず、所定条件が成立している間の任意のタイミングでダンパを開く(または閉じる)場合も含む。本明細書で「AまたはB」とは、AとBのうちいずれか一方の場合に限定されず、AとBの両方の場合を含む。
また本明細書で「ダンパAを閉じ、ダンパBを開く」とは、ダンパAを閉じるタイミングとダンパBを開くタイミングとが同じである場合に限定されず、ダンパAを閉じた後にダンパBを開く場合や、ダンパBを開いた後にダンパAを閉じる場合なども含む。「ダンパA」および「ダンパB」は、例えば、後述する第1ダンパ71および第2ダンパ72のうち任意のダンパである。
(第1の実施形態)
[1.全体構成]
まず、第1の実施形態における冷蔵庫管理システムの全体構成について説明する。図1は、第1の実施形態における冷蔵庫管理システム1000のシステム構成を示す図である。冷蔵庫管理システム1000は、1以上の冷蔵庫を管理するシステムである。冷蔵庫管理システム1000は、例えば、冷蔵庫1、サーバシステム200及び端末機器300を含む。冷蔵庫1、サーバシステム200及び端末機器300は、ネットワーク400を介して通信可能に接続される。ネットワーク400は、例えば、インターネットやWAN(Wide Area Network)、各家庭内のLAN(Local Area Network)などを含む。ネットワーク400における一部または全部の通信は、無線で実現されてもよい。冷蔵庫管理システム1000は、1以上の冷蔵庫1及び端末機器300を含む。
冷蔵庫1は、各家庭に設置された冷蔵庫である。冷蔵庫1は、例えば冷蔵温度帯室と、冷凍温度帯室とに用途が切り替え可能な機能を有する。冷蔵温度帯室とは、例えば設定温度帯の中心温度が−3℃から+7℃の間にある貯蔵室である。冷蔵温度帯室は、いわゆる冷蔵室、チルド室、または野菜室などである。冷凍温度帯室は、例えば設定温度帯の中心温度が−10℃以下(例えば−18℃以下)である貯蔵室である。冷凍温度帯室は、いわゆる冷凍室である。さらに、冷蔵庫1は、通信機能を有し、ネットワーク400を介してサーバシステム200との間で通信を行う。冷蔵庫1は、1つの家庭に2台以上備えられてもよい。
サーバシステム200は、例えば1つまたは複数のサーバ装置により構成され、ネットワーク400を介して冷蔵庫1及び端末機器300と通信可能である。サーバ装置は、例えばネットワーク400に接続されたクラウドサーバである。サーバシステム200は、ネットワーク400を介して冷蔵庫1及び端末機器300と間で通信を行う。サーバシステム200は、冷蔵庫1から得られる情報を蓄積し、蓄積した情報を端末機器300に送信する。なお、サーバシステム200は、冷蔵庫1と同じ家屋に設置されたルータに含まれる情報処理部、および/またはネットワーク400中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。また、サーバシステム200に含まれる後述する各種機能部は、2つ以上の装置に分かれて存在してもよい。
端末機器300は、ネットワーク400を介してサーバシステム200との間で通信を行う。端末機器300は、例えば、サーバシステム200に蓄積されている冷蔵庫に関する情報を表示する。端末機器300は、冷蔵庫1を保有するユーザが所有する端末機器である。端末機器300は、例えば、スマートフォンやタブレット端末のような携帯端末機器、またはパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。端末機器300は、通信部(不図示)、表示装置310と、操作部320とを有する。
表示装置310は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、画像や文字を表示可能な表示画面311を有する。操作部320は、例えば、タッチパネル式の入力装置であり、表示装置310の表示画面311に対して重ねて設けられている。ユーザは、操作部320を操作することで、所定の入力や選択を行うことができる。なお、操作部320は、タッチパネル式の入力装置に限定されず、端末機器300に設けられたボタンやキーなどでもよい。
以下、冷蔵庫管理システム1000に含まれる冷蔵庫1及びサーバシステム200について詳しく説明する。
[2.冷蔵庫の全体構成]
図2から図6を参照し、実施形態の冷蔵庫1の全体構成について説明する。
図2は、冷蔵庫1を示す正面図である。図3は、図2中に示された冷蔵庫1のF2−F2線に沿う断面図である。図2及び図3に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉20、複数の棚30、複数の容器40、流路形成部品50、冷却ユニット60、および制御基板100を備えている。
筐体10は、上壁11、下壁12、左右の側壁13,14、および後壁15を有する。上壁11および下壁12は、略水平に広がっている。左右の側壁13,14は、下壁12の左右の端部から上方に起立し、上壁11の左右の端部に繋がっている。後壁15は、下壁12の後端部から上方に起立し、上壁11の後端部に繋がっている。
筐体10は、例えば、内箱10a、外箱10b、および断熱部10cを有する(図3参照)。内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材である。外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。内箱10aと外箱10bとの間には、発泡ウレタンのような発泡断熱材を含む断熱部10cが設けられている。
筐体10の内部には、複数の貯蔵室17と、第1および第2冷却室18A,18Bが設けられている。複数の貯蔵室17は、例えば、冷蔵室17A、製氷室17B、小冷凍室17C、第1切り替え室17D、および第2切り替え室17Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室17Aが配置され、冷蔵室17Aの下方に製氷室17Bおよび小冷凍室17Cが配置され、製氷室17Bおよび小冷凍室17Cの下方に第1切り替え室17Dが配置され、第1切り替え室17Dの下方に第2切り替え室17Eが配置されている。ただし、貯蔵室17の配置は、上記例に限定されない。筐体10は、各貯蔵室17の前面側に、各貯蔵室17に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
第1切り替え室17Dと第2切り替え室17Eとは、例えばそれぞれ互いに独立して、冷蔵温度帯室と、冷凍温度帯室とに用途が切り替え可能である。以降の実施形態では、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの各々は、冷蔵温度帯室として使用される場合、設定温度帯が切り替えられることで、冷蔵室、チルド室、および野菜室の間で用途が切り替え可能である。これについては詳しく後述する。このように、冷蔵庫1は、冷蔵温度帯室と冷凍温度帯室とに切り替え可能な1以上の切り替え室を含む筐体10を備える。以下の説明では、第1切り替え室17Dと第2切り替え室17Eを特に区別しない場合には単に切り替え室と記載する。
第1冷却室18Aは、冷蔵室17Aの背後に設けられた空間である。第1冷却室18Aは、後述する第1冷却器81および第1送風機82を収容している。一方で、第2冷却室18Bは、製氷室17B、小冷凍室17C、第1および第2の切り替え室17D,17Eの背後に設けられた空間である。第2冷却室18Bは、後述する第2冷却器83および第2送風機84を収容している。なお、第1および第2冷却室18A,18Bについては詳しく後述する。
筐体10は、第1から第3の仕切部19A,19B,19Cを有する。第1から第3の仕切部19A,19B,19Cは、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部19Aは、冷蔵室17Aと、製氷室17Bおよび小冷凍室17Cとの間に位置し、冷蔵室17Aと、製氷室17Bおよび小冷凍室17Cとの間を仕切っている。第2仕切部19Bは、製氷室17Bおよび小冷凍室17Cと、第1切り替え室17Dとの間に位置し、製氷室17Bおよび小冷凍室17Cと、第1切り替え室17Dとの間を仕切っている。第3仕切部19Cは、第1切り替え室17Dと第2切り替え室17Eとの間に位置し、第1切り替え室17Dと第2切り替え室17Eとの間を仕切っている。第1から第3の仕切り部19A,19B,19Cの各々は、例えば発泡断熱材を含み、断熱性を有する。
複数の貯蔵室17の開口は、複数の扉20によって開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、例えば、冷蔵室17Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉20Aa,20Ab、製氷室17Bの開口を閉じる製氷室扉20B、小冷凍室17Cの開口を閉じる小冷凍室扉20C、第1切り替え室17Dの開口を閉じる第1切り替え室扉20D、および第2切り替え室17Eの開口を閉じる第2切り替え室扉20Eを含む。
複数の棚30は、冷蔵室17Aに設けられている。
複数の容器40、冷蔵室17Aに設けられたチルド室容器40A、製氷室17Bに設けられた製氷室容器(不図示)、小冷凍室17Cに設けられた小冷凍室容器40C、第1切り替え室17Dに設けられた第1および第2の切り替え室容器40Da,40Db、および第2切り替え室17Eに設けられた第3および第4の切り替え室容器40Ea,40Ebを含む。
流路形成部品50は、筐体10内に配置されている。流路形成部品50は、第1ダクト部品(第1冷却器カバー)51と、第2ダクト部品(第2冷却器カバー)52とを含む。
第1ダクト部品51は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第1ダクト部品51は、例えば、冷蔵室17Aの下端部の後方から冷蔵室17Aの上端部の後方まで延びている。第1ダクト部品51と筐体10の後壁15との間には、第1冷却室18Aが形成されている。第1ダクト部品51は、冷気吹出口51aと、冷気戻り口51bとを有する。冷気吹出口51aは、冷蔵室17Aに開口している。第1冷却室18Aを流れる冷気(空気)は、冷気吹出口51aから冷蔵室17Aに吹き出される。冷気戻り口51bは、例えば冷蔵室17Aの下端部に開口している。冷蔵室17Aを通った冷気は、冷気戻り口51bから第1冷却室18Aに戻る。
第2ダクト部品52は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第2ダクト部品52は、例えば、第2切り替え室17Eの後方から製氷室17Bおよび小冷凍室17Cの後方まで延びている。第2ダクト部品52と筐体10の後壁15との間には、第2冷却室18Bが形成されている。第2ダクト部品52は、複数の冷気吹出口52aと、複数の冷気戻り口52b(図3参照)とを有する。複数の冷気吹出口52aは、第1切り替え室17Dに開口した第1冷気吹出口52aa、第2切り替え室17Eに開口した第2冷気吹出口52ab、および製氷室17Bまたは小冷凍室17Cに開口した第3冷気吹出口52acを含む。複数の冷気戻り口52bは、第1切り替え室17Dに開口した第1冷気戻り口52ba(図3参照)、第2切り替え室17Eに開口した第2冷気戻り口52bb(図3参照)、および製氷室17Bまたは小冷凍室17Cに開口した第3冷気戻り口(不図示)を含む。
第2冷却室18Bを流れる冷気(空気)は、後述する第1ダンパ71が開かれた場合、第1冷気吹出口52aaから第1切り替え室17Dに吹き出される。第1切り替え室17Dに吹き出された冷気は、第1冷気戻り口52baを通じて第2冷却室18Bに戻る。第2冷却室18Bを流れる冷気は、例えば、後述する第2ダンパ72が開かれた場合、第2冷気吹出口52abから第2切り替え室17Eに吹き出される。第2切り替え室17Eに吹き出された冷気は、第2冷気戻り口52bbを通じて第2冷却室18Bに戻る。第2冷却室18Bを流れる冷気は、後述する第3ダンパ73が開かれた場合、第3冷気吹出口52acから製氷室17Bおよび小冷凍室17Cに吹き出される。製氷室17Bおよび小冷凍室17Cに吹き出された冷気は、第3冷気戻り口および不図示の冷気流路を通じて第2冷却室18Bに戻る。
冷却ユニット60は、複数の貯蔵室17(冷蔵室17A、製氷室17B、小冷凍室17C、第1切り替え室17D、および第2切り替え室17E)を冷却する。冷却ユニット60は、例えば、第1冷却モジュール61、第2冷却モジュール62、第1から第3のダンパ71,72,73、圧縮器75、および冷凍サイクル装置76(図4参照)を含む。
第1冷却モジュール61は、例えば、第1冷却器(第1蒸発器)81と、第1送風機82とを含む。第1冷却器81および第1送風機82は、第1冷却室18Aに配置されている。第1冷却器81は、後述する冷凍サイクル装置76により液冷媒が供給され、液冷媒の気化熱により第1冷却室18Aを流れる冷気を冷却する。第1送風機82が駆動されると、冷蔵室17Aの冷気が冷気戻り口51bから第1冷却室18Aに流入する。第1冷却室18Aに流入した冷気は、第1冷却器81によって冷却される。第1冷却器81によって冷却された冷気は、冷気吹出口51aから冷蔵室17Aに吹き出される。これにより、冷蔵室17Aを流れる冷気が冷蔵庫1内で循環され、冷蔵室17Aの冷却が行われる。
第2冷却モジュール62は、例えば、第2冷却器(第2蒸発器)83と、第2送風機84とを含む。第2冷却器83および第2送風機84は、第2冷却室18Bに配置されている。第2冷却器83は、後述する冷凍サイクル装置76により液冷媒が供給され、液冷媒の気化熱により第2冷却室18Bを流れる冷気を冷却する。第2送風機84が駆動されると、製氷室17B、小冷凍室17C、第1切り替え室17D、または第2切り替え室17Eの冷気が対応する第1から第3の冷気戻り口52ba,52bbから第2冷却室18Bに流入する。第2冷却室18Bに流入した空気は、第2冷却器83によって冷却される。第2冷却器83によって冷却された冷気は、第1から第3の冷気吹出口52aa,52aab,52acから製氷室17B、小冷凍室17C、第1切り替え室17D、および第2切り替え室17Eに流入する。これにより、製氷室17B、小冷凍室17C、第1切り替え室17D、および第2切り替え室17Eを流れる冷気が冷蔵庫1内で循環され、製氷室17B、小冷凍室17C、第1切り替え室17D、および第2切り替え室17Eの冷却が行われる。
第1ダンパ71は、第1切り替え室17Dと第2冷却室18Bとの間に設けられている。第1ダンパ71は、例えば第1冷気吹出口52aaを開閉することで、第2冷却室18Bから第1切り替え室17Dへの冷気の供給を制御する。例えば、第1ダンパ71が開かれると、第1切り替え室17Dと第2冷却室18Bとが連通し、第2冷却室18Bから第1切り替え室17Dへ冷気が供給可能になる。一方で、第1ダンパ71が閉じられると、第1切り替え室17Dと第2冷却室18Bとの間が遮断され、第2冷却室18Bから第1切り替え室17Dへ冷気が供給されなくなる。
第2ダンパ72は、第2切り替え室17Eと第2冷却室18Bとの間に設けられている。第2ダンパ72は、例えば第2冷気吹出口52abを開閉することで、第2冷却室18Bから第2切り替え室17Eへの冷気の供給を制御する。例えば、第2ダンパ72が開かれると、第2切り替え室17Eと第2冷却室18Bとが連通し、第2冷却室18Bから第2切り替え室17Eへ冷気が供給可能になる。一方で、第2ダンパ72が閉じられると、第2切り替え室17Eと第2冷却室18Bとの間が遮断され、第2冷却室18Bから第2切り替え室17Eへ冷気が供給されなくなる。
第3ダンパ73は、製氷室17Bまたは小冷凍室17Cと、第2冷却室18Bとの間に設けられている。第3ダンパ73は、例えば第3冷気吹出口52acを開閉することで、第2冷却室18Bから製氷室17Bおよび小冷凍室17Cへの冷気の供給を制御する。例えば、第3ダンパ73が開かれると、製氷室17Bまたは小冷凍室17Cと第2冷却室18Bとが連通し、第2冷却室18Bから製氷室17Bまたは小冷凍室17Cへの冷気が供給可能になる。一方で、第3ダンパ73が閉じられると、製氷室17Bまたは小冷凍室17Cと、第2冷却室18Bとの間が遮断され、第2冷却室18Bから製氷室17Bまたは小冷凍室17Cへ冷気が供給されなくなる。
図4は、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eを示す正面図である。第2冷却器83は、冷蔵庫1を正面から見た場合、第1切り替え室17Dと重なる第1部分83aと、第2切り替え室17Eと重なる第2部分83bとを有する。本実施形態では、冷蔵庫1を正面から見た場合、第2部分83bの大きさは、第1部分83aの大きさよりも小さい。なお、第2冷却器83は、第2部分83bを有しなくてもよい。例えば、第2冷却器83の全体が第1切り替え室17Dと重なっていてもよい。本実施形態では、第2冷却器83は、冷蔵庫1の左右方向の中心に対して、右側に偏心して配置されている。第2送風機84は、例えば、比較的大型の遠心ファンである。第2送風機84は、第2冷却器83の上方に配置されている。
第1冷気吹出口52aaは、第1切り替え室17Dの上端部に設けられている。第1冷気吹出口52aaは、例えば冷蔵庫1の左右方向の中心に対して、左側に偏心して配置されている。一方で、第1冷気戻り口52baは、第1切り替え室17Dの下端部に設けられている。第1冷気戻り口52baは、例えば冷蔵庫1の左右方向の中心に対して、右側に偏心して配置されている。
第1ダンパ71は、例えば、第1冷気吹出口52aaを覆う第1フラップ71aと、第1フラップ71aを駆動する第1駆動機構71bとを有する。第1駆動機構71bは、例えばモータまたはソレノイドのような駆動源を含む。第1駆動機構71bは、例えば第1フラップ71aを回動またはスライド移動させることで第1冷気吹出口52aaを開放する。ここで、「第1ダンパ71の開き量」とは、第1ダンパ71の開き度合(第1冷気吹出口52aaに対する冷気の流れやすさ度合)を意味する。例えば、第1フラップ71aにより第1冷気吹出口52aaが閉じられた状態を基準とすると、第1駆動機構71bによる第1フラップ71aの駆動量(回動量またはスライド移動量など)が大きくなるほど、第1ダンパ71の開き量は大きくなる。
第2冷気吹出口52abは、第2切り替え室17Eの上端部に設けられている。第2冷気吹出口52abは、例えば冷蔵庫1の左右方向の中心に対して、左側に偏心して配置されている。一方で、第2冷気戻り口52bbは、第2切り替え室17Eの上端部に設けられている。第2冷気戻り口52bbは、例えば冷蔵庫1の左右方向の中心に対して、右側に偏心して配置されている。
第2ダンパ72は、例えば、第2冷気吹出口52abを覆う第2フラップ72aと、第2フラップ72aを駆動する第2駆動機構72bとを有する。第2駆動機構72bは、例えばモータまたはソレノイドのような駆動源を含む。第2駆動機構72bは、例えば第2フラップ72aを回動またはスライド移動させることで第2冷気吹出口52abを開放する。ここで、「第2ダンパ72の開き量」とは、第2ダンパ72の開き度合(第2冷気吹出口52abに対する冷気の流れやすさ度合)を意味する。例えば、第2フラップ72aにより第2冷気吹出口52abが閉じられた状態を基準とすると、第2駆動機構72bによる第2フラップ72aの駆動量(回動量またはスライド移動量など)が大きくなるほど、第2ダンパ72の開き量は大きくなる。
圧縮器75(図3参照)は、例えば、冷蔵庫1の底部の機械室に設けられている。圧縮器75は、貯蔵室17の冷却に用いられるガス冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を後述する凝縮器91などを介して第1冷却器81および第2冷却器83に供給する。
制御基板100(図3参照)は、例えば、筐体10の上壁11に設けられている。本実施形態では、筐体10の上壁11の上面は、下方に向けて窪んだ凹部を有する。制御基板100は、凹部に配置されている。制御基板100は、例えばマイクロコンピュータやタイマなどにより構成される制御部101(図6参照)を有する。制御部101は、冷蔵庫1の全体を制御する。制御部101については詳しく後述する。
図5は、冷凍サイクル装置76の構成を示す図である。冷凍サイクル装置76は、凝縮器91、ドライヤ92、三方弁93、キャピラリーチューブ94A,94B、サクションパイプ95A,95B、および逆止弁96を含む。これら構成要素は、冷媒の流れ順に、圧縮器75、凝縮器91、ドライヤ92、三方弁93、キャピラリーチューブ94A,94B、冷却器81,83、およびサクションパイプ95A,95Bの順に環状に接続されている。詳しく述べると、圧縮器75の高圧吐出口には、凝縮器91とドライヤ92とが順に接続されている。ドライヤ92の吐出側には、三方弁93が接続されている。三方弁93は、ドライヤ92が接続される1つの入口と、2つの出口とを有している。
三方弁93の2つの出口のうち、一方の出口には第1キャピラリーチューブ94Aと第1冷却器81とが順に接続されている。第1冷却器81は、接続配管である第1サクションパイプ95Aを介して圧縮器75に接続されている。三方弁93の2つの出口のうち、他方の出口には、第2キャピラリーチューブ94Bと第2冷却器83とが順に接続されている。第2冷却器83は、接続配管である第2サクションパイプ95Bを介して圧縮器75に接続されている。第2冷却器83と圧縮器75との間には、第1冷却器81からの冷媒が第2冷却器83側に逆流しないための逆止弁96が設けられている。
次に、冷凍サイクル装置76の冷媒の流れを説明する。まず、冷凍サイクル装置76を循環する冷媒は、圧縮器75により圧縮されて、高温、高圧のガス冷媒となり、流路Aを流れる。このガス冷媒は、凝縮器91により放熱されて、中温、高圧の液冷媒となる。その後、ドライヤ92を通ることで汚れや水分などの不純物が取り除かれた液冷媒は、三方弁93により絞り制御されながら、第1キャピラリーチューブ94A(または第2キャピラリーチューブ94B)に入る。このとき、第1キャピラリーチューブ94A(または第2キャピラリーチューブ94B)内の中温、高圧の液冷媒は、第1サクションパイプ95A(または第2サクションパイプ95B)内の冷媒と熱交換されながら減圧される。そして、減圧された液冷媒は、第1冷却器81(または第2冷却器83)を通過しながら蒸発することで、第1冷却器81(または第2冷却器83)が冷却される。
その後、低温、低圧のガス冷媒は、第1サクションパイプ95A(または第2サクションパイプ95B)に流入する。第1サクションパイプ95A(または第2サクションパイプ95B)に流入した直後のガス冷媒の温度は、−10℃前後と低温である。このガス冷媒は、第1サクションパイプ95A(または第2サクションパイプ95B)を通る間に、第1キャピラリーチューブ94A(または第2キャピラリーチューブ94B)内の冷媒と熱交換されて、最終的には室温程度にまで昇温される。そして、このガス冷媒が、圧縮器75に再び吸入されて、冷媒の循環が完了する。
上記の冷凍サイクル装置76において、三方弁93は、制御部101によって制御され、流路Bおよび流路Cのうち例えば一方または両方を選択する。流路Bは、冷媒を第1冷却器81に供給する流路である。流路Cは、冷媒を第2冷却器83に供給する流路である。これら2つの流路B,Cは、合流点Dにおいて合流する。冷媒は、合流点Dから矢印Eの方向に流れて圧縮器75へと戻る。本実施形態では、第1切り替え室17Dと第2切り替え室17Eとのうち少なくとも一方が冷凍温度帯室として使用される場合、第2冷却器83には、冷凍温度帯室の冷却に適した量および温度の液冷媒が供給される。
図6は、第1の実施形態における冷蔵庫1の機能構成の一部を示すブロック図である。制御部101には、操作パネル部111、記憶部112、冷蔵室温度センサ113、第1切り替え室温度センサ114、第2切り替え室温度センサ115、無線通信部116、カメラ117、第1ダンパ71、第2ダンパ72、第1送風機82、第2送風機84、圧縮器75、および三方弁93が電気的に接続されている。
操作パネル部111は、例えばボタンやダイヤル、または静電容量式のタッチセンサなどにより実現され、冷蔵庫1の動作に関するユーザの操作を受け付ける。例えば、操作パネル部111は、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのそれぞれ設定の状態を冷蔵温度帯室と冷凍温度帯室との間で切り替えるユーザの操作を受け付ける。
例えば、ユーザは、操作パネル部111を操作し、第1切り替え室17Dの動作モードを「冷蔵運転モード」に設定することで、第1切り替え室17Dを冷蔵温度帯室として使用することができる。本実施形態では、第1切り替え室17Dが冷蔵温度帯室として使用される場合、操作パネル部111は、冷蔵温度室帯の動作モードとして「強冷蔵設定」、「中冷蔵設定」、および「弱冷蔵設定」の選択を受け付け可能である。「強冷蔵設定」の設定温度帯の中心温度は、「中冷蔵設定」の設定温度帯の中心温度よりも低い。「中冷蔵設定」の設定温度帯の中心温度は、「弱冷蔵設定」の設定温度帯の中心温度よりも低い。
例えば、ユーザは、操作パネル部111を操作し、第1切り替え室17Dの動作モードを「中冷蔵設定」または「強冷蔵設定」に設定することで、第1切り替え室17Dをいわゆる「冷蔵室」として使用することができる。一方で、ユーザは、操作パネル部111を操作し、第1切り替え室17Dの動作モードを「弱冷蔵設定」に設定することで、第1切り替え室17Dをいわゆる「野菜室」として使用することができる。なお、第1切り替え室17Dの動作モードが「強冷蔵設定」に設定されることで、第1切り替え室17Dはいわゆる「チルド室」として使用可能であってもよい。
一方で、ユーザは、操作パネル部111を操作し、第1切り替え室17Dの動作モードを「冷凍運転モード」に設定することで、第1切り替え室17Dを冷凍温度帯室(いわゆる「冷凍室」)として使用することができる。本実施形態では、第1切り替え室17Dが冷凍温度帯室として使用される場合、操作パネル部111は、冷凍温度室帯の動作モードとして「強冷凍設定」、「中冷凍設定」、および「弱冷凍設定」の選択を受け付け可能である。「強冷凍設定」の設定温度帯の中心温度は、「中冷凍設定」の設定温度帯の中心温度よりも低い。「中冷凍モード」の設定温度帯の中心温度は、「弱冷凍設定」の設定温度帯の中心温度よりも低い。
同様に、操作パネル部111は、第2切り替え室17Eを冷蔵温度帯室と冷凍温度帯室との間で切り替えるユーザの操作を受け付ける。なお、第2切り替え室17Eの動作モードの切り替えに関する内容は、第1切り替え室17Dの動作モードの切り替えに関する内容と同様である。このため、第2切り替え室17Eに関する説明は、上述した第1切り替え室17Dに関する説明において「第1切り替え室17D」を「第2切り替え室17E」と読み替えればよい。本実施形態の冷蔵庫1は、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの各々が、ユーザの好みによって冷蔵室、冷凍室、または野菜室などから選択された任意の貯蔵室に設定可能である。
記憶部112は、例えば不揮発性の半導体メモリなどで実現され、冷蔵庫1の運転に必要な情報及び切り替え室の切り替え履歴情報を記憶する。記憶部112には、例えば、各種動作モードにおける第1ダンパ71、第2ダンパ72、第1送風機82、第2送風機84、および圧縮器75の制御量および駆動タイミングなどが冷蔵庫1の運転に必要な情報として記憶されている。記憶部112には、例えば、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの各々が設定された過去所定の期間(例えば、数時間、数日等)の間の温度帯の切り替えに関する情報を切り替え室の切り替え履歴情報として記憶されている。
冷蔵室温度センサ113は、冷蔵室17Aに設けられ、冷蔵室17Aの空気温度を検出する。第1切り替え室温度センサ114は、第1切り替え室17Dに設けられ、第1切り替え室17Dの空気温度を検出する。第2切り替え室温度センサ115は、第2切り替え室17Eに設けられ、第2切り替え室17Eの空気温度を検出する。
無線通信部116は、高周波回路およびアンテナなどを含み、無線によりネットワーク400と接続可能である。例えば、無線通信部116は、冷蔵庫1が設置された家庭に設けられた無線LANルータおよびモデムを介してネットワーク400に接続される。無線通信部116は、ネットワーク400を介して外部と通信を行う通信インタフェースである。無線通信部116は、各種情報をサーバシステム200に送信する。例えば、無線通信部116は、1以上の切り替え室の状態を判定可能な第1情報をサーバシステム200に送信する。状態を判定可能な第1情報とは、第1情報に基づくことで貯蔵室の現在の状態、例えば(温度帯の)設定を判定することができる情報を広く意味し、(温度帯の)設定そのものを示す情報でもよいし、冷蔵庫1内の温度センサ(第1切り替え室温度センサ114及び第2切り替え室温度センサ115)によって計測された切り替え室内の温度値(−3℃とか、−18℃とか)でもよいし、冷蔵庫1で切り替えに関する履歴情報が一時的に蓄積される場合は一時的に蓄積された切り替え履歴情報でもよい。切り替え履歴情報には、切替履歴、切替頻度及び切替回数が含まれる。切替履歴は、冷蔵庫1の各切り替え室の状態の切り替え履歴を表す。例えば、切替履歴には、どの温度からどの温度へ切り替えたのかを示す履歴が含まれる。切替頻度は、切り替え室の状態が切り替えられる頻度を表す。切替回数は、所定の期間(例えば、一週間、一か月等)の間に切り替え室の状態が切り替えられた回数を表す。切替頻度及び切替回数は、冷蔵庫1においてカウントされる。
カメラ117は、冷蔵庫1の貯蔵室内部を撮影する。カメラ117は、冷蔵庫1の貯蔵室内部の天井面や側面などに設けられる。カメラ117は、例えば第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの天井面や側面などに設けられる。以下、カメラ117第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの天井面や側面などに設けられる場合を例に説明する。この場合、カメラ117は、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのそれぞれに1台以上設けられる。カメラ117は、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの内部を撮影する。カメラ117は、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eの内部を撮影することによって、貯蔵されている食品を撮影した撮影画像を取得する。カメラ117は、撮影画像に撮影した時刻情報を対応付けて撮影画像情報として制御部101に出力する。すなわち、撮影画像情報には、切り替え室に貯蔵されている食品の画像及びカメラ117によって撮影された時刻情報が含まれる。
制御部101は、冷蔵庫1の全体を制御する。例えば、制御部101は、操作パネル部111、記憶部112、冷蔵室温度センサ113、第1切り替え室温度センサ114、第2切り替え室温度センサ115、無線通信部116、カメラ117、第1ダンパ71、第2ダンパ72、第1送風機82、第2送風機84、圧縮器75、および三方弁93の動作を統括的に制御する。制御部101は、無線通信部116を制御して、サーバシステム200との間で情報の送受信を実行させる。制御部101は、例えば、無線通信部116を制御して、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれか一方の切り替え室の状態が変更される度または所定の期間が経過する度に、第1情報を生成して、生成した第1情報をサーバシステム200に送信する。切り替え室の状態が変更されるとは、切り替え室の設定が変更されることである。制御部101は、1つの切り替え室の状態の変更指示がなされた時点から所定の期間(第2の期間)経過した後に、変更指示により状態の変更対象となった切り替え室の状態の切り替えを実行する。所定の期間は、変更指示がなされてから切り替え室の状態の切り替え動作を行うまでのリードタイムであり、例えば、状態の変更対象となった切り替え室の内容量に応じて決定されてもよいし、状態の変更対象となった切り替え室の扉の開放がなくなった時点(扉が閉じられた時点)からある一定期間(例えば、1分等)が経過した時点であってもよい。
[3.サーバシステムの全体構成]
次に、第1の実施形態におけるサーバシステム200について説明する。
図7は、第1の実施形態におけるサーバシステム200のシステム構成を示す図である。サーバシステム200は、通信部210、制御部220及び記憶部230を備える。
通信部210は、ネットワーク400を介して冷蔵庫1及び端末機器300との間で通信を行う通信インタフェースである。
制御部220は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部220は、プログラムを実行することによって、情報取得部221、情報生成部222、出力制御部223、判定部224及び状態制御部225の機能を実現する。これらの機能部のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
情報取得部221は、外部からサーバシステム200に入力された情報を取得する。情報取得部221は、例えば、1以上の冷蔵庫1から第1情報を取得する。情報取得部221は、取得した第1情報に基づき、1以上の切り替え室の状態に関する履歴情報を冷蔵庫1毎に記憶部230に蓄積する。情報取得部221は、例えば、冷蔵庫1の切り替え室に貯蔵されている食品(以下「貯蔵食品」という。)に関する貯蔵食品情報を取得する。貯蔵食品情報は、冷蔵庫1から送信された撮影画像情報、ユーザが端末機器300を操作(例えば、手入力、端末機器300のカメラ機能)してサーバシステム200に入力した貯蔵食品に関する情報(例えば、食品名)、ユーザがAIスピーカーでサーバシステム200に入力した貯蔵食品に関する情報(例えば、食品名)、ユーザが冷蔵庫1の操作パネル部111を操作(例えば、手入力)して冷蔵庫1に入力した貯蔵食品に関する情報(例えば、食品名)、冷蔵庫1から送信された撮影画像情報に含まれる撮影画像を解析して特定された食品に関する情報(例えば、食品名)のいずれかである。情報取得部221は、取得した貯蔵食品情報を冷蔵庫1毎に記憶部230に蓄積する。
情報取得部221は、例えば、冷蔵庫1の切り替え室に新たに入庫される食品(以下「入庫食品」という。)に関する入庫食品情報を取得する。入庫食品情報は、ユーザが端末機器300を操作(例えば、手入力、端末機器300のカメラ機能)してサーバシステム200に入力した入庫食品に関する情報(例えば、食品名)、ユーザがAIスピーカーでサーバシステム200に入力した入庫食品に関する情報(例えば、食品名)、ユーザが冷蔵庫1の操作パネル部111を操作(例えば、手入力)して冷蔵庫1に入力した入庫食品に関する情報(例えば、食品名)のいずれかである。情報取得部221は、取得した入庫食品情報を冷蔵庫1毎に記憶部230に蓄積する。
情報生成部222は、記憶部230に記憶されている情報を用いて、外部に出力するための情報を生成する。以下、情報生成部222が生成する情報について具体的に説明する。情報生成部222は、例えば、記憶部230に記憶されている履歴情報に基づき、外部に出力するための情報を生成する。情報生成部222は、例えば、貯蔵食品と、当該貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合に、関係が適切ではないことを示す判定結果を含む情報を生成する。ここで、貯蔵食品と、当該貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合とは、貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の温度帯が、貯蔵食品を保存するのに適する温度帯ではない場合である。一方で、貯蔵食品と、当該貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切である場合とは、貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の温度帯が、貯蔵食品を保存するのに適する温度帯となっている場合である。
情報生成部222は、例えば、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合に、関係が適切ではないことを示す判定結果を含む情報をさらに生成する。ここで、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合とは、入庫食品が入庫される1つの切り替え室の温度帯が、入庫食品を保存するのに適する温度帯ではない場合である。一方で、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切である場合とは、入庫食品が貯蔵されている1つの切り替え室の温度帯が、入庫食品を保存するのに適する温度帯となっている場合である。情報生成部222は、例えば、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合に、当該入庫食品が入庫される1以上の切り替え室の状態の変更を促す変更情報を生成する。情報生成部222は、例えば、状態制御部225による制御に応じて、1以上の切り替え室の状態が変更されたことを示す状態情報を生成する。情報生成部222は、例えば、変更指示がなされた後に1以上の切り替え室の状態を確認し、所定の条件を満たす1以上の切り替え室の状態の組み合わせに関する組み合わせ情報を生成する。
出力制御部223は、通信部210を制御して、情報生成部222により生成された情報を外部に出力させる。
判定部224は、食品と、冷蔵庫1の切り替え室の温度帯との関係が適切であるか否かを判定する。判定部224は、例えば、記憶部230に記憶されている貯蔵食品情報に基づき、貯蔵食品と、当該貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する。判定部224は、例えば、記憶部230に記憶されている入庫食品情報に基づき、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する。
状態制御部225は、冷蔵庫1の切り替え室の状態を制御する。状態制御部225は、例えば、変更情報に対する応答が得られた場合には、応答に従って、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を制御する。状態制御部225は、例えば、変更情報に対する応答が第1の期間の間に得られなかった場合には、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を、入庫食品に適する状態となるように制御する。第1の期間は、ユーザによって予め設定される。状態制御部225は、例えば、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を、入庫食品を保存するのに適する温度帯となるように切り替える。
記憶部230は、ユーザ情報DB231、履歴情報DB232、食品情報DB233及び判定情報DB234を記憶する。記憶部230は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などのうち1つ以上により構成されている。
ユーザ情報DB231は、例えば図8に示すような構成であり、冷蔵庫1のユーザに関する情報が登録されたデータベースである。冷蔵庫1のユーザに関する情報は、冷蔵庫1のユーザを識別するための情報、冷蔵庫1を識別するための情報、冷蔵庫1のユーザが所有する端末機器300のアドレス情報及びユーザ属性の情報を含む。冷蔵庫1のユーザに関する情報は、例えばユーザが冷蔵庫の購入時に登録した登録情報から取得されて登録されていてもよいし、端末機器300から登録されてもよいし、冷蔵庫1から登録されてもよい。端末機器300から冷蔵庫1のユーザに関する情報を登録する場合には、情報取得部221は端末機器300から送信された冷蔵庫1のユーザに関する情報を取得する。その後、情報取得部221は、取得した冷蔵庫1のユーザに関する情報をユーザ情報DB231に登録する。冷蔵庫1から冷蔵庫1のユーザに関する情報を登録する場合には、情報取得部221は冷蔵庫1から送信された冷蔵庫1のユーザに関する情報を取得する。その後、情報取得部221は、取得した冷蔵庫1のユーザに関する情報をユーザ情報DB231に登録する。
履歴情報DB232は、例えば図9に示すような構成であり、冷蔵庫1の状態を判別可能な情報が登録されたデータベースである。例えば、履歴情報DB232には、各冷蔵庫1の切り替え室(第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17E)毎に、切り替え室の状態、切り替え室内の温度値及び切り替え室の切替履歴の各値が対応付けられて登録されている。履歴情報DB232に登録されている情報が、第1情報に基づく切り替え室の状態に関する第2情報の一態様である。
食品情報DB233は、貯蔵食品及び入庫食品に関する情報が登録されたデータベースである。例えば、食品情報DB233には、切り替え室に対応付けて貯蔵食品及び入庫食品に関する情報が登録される。
判定情報DB234は、食品が保存されるのに適した温度帯に関する情報が登録されたデータベースである。例えば、判定情報DB234は、食品と、食品が保存されるのに適した温度帯に関する情報との各値が対応付けられて登録されている。一般的に、食品毎に、冷蔵温度帯で保存されることが好ましい食品、冷凍温度帯で保存されることが好ましい食品、冷蔵温度帯または冷凍温度帯のどちらで保存されてもよい食品がある。例えば、アイスやチルド食品は、冷蔵温度帯で保存すると溶けてしまう可能性がある。そのため、アイスやチルド食品は、冷凍温度帯で保存されることが好ましい。また、一部の野菜においては、冷凍温度帯で保存されると鮮度が低下してしまう野菜もあるため、冷凍温度帯で保存されることが好ましくない食品もある。判定情報DB234は、このような、各食品を保存するのに温度帯として適した温度帯を判定するために用いられるデータベースである。
図8は、ユーザ情報DB231の具体例を示す図である。
ユーザ情報DB231は、ユーザID、冷蔵庫ID、アドレス情報及びユーザ属性の各値が対応付けられた複数のレコードで構成される。ユーザIDは、冷蔵庫1のユーザを識別するための識別情報を表す。冷蔵庫IDは、冷蔵庫1を識別するための識別情報を表す。冷蔵庫IDは、例えば、冷蔵庫1に備えられている無線通信部116のMACアドレスや冷蔵庫1が設置されている家庭のルータ等のMACアドレスや冷蔵庫の製造番号等の冷蔵庫1を一意に識別できる情報であればどのような情報であってもよい。ユーザ属性は、ユーザの属性に関する情報を表す。アドレス情報は、冷蔵庫1のユーザが所有している端末機器300のアドレス情報を表す。例えば、アドレス情報は、メールアドレスであってもよい。ユーザ属性は、例えば、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザが住んでいる地域、ユーザの世帯情報及びユーザが所持している端末機器300のアドレス等である。なお、ユーザの年齢は、厳密な数字である必要はなく、例えば、10代、20代、といったような大まかなあたいであってもよい。ユーザの世帯情報としては、ユーザの家族構成、ユーザの住まい(例えば、マンション、アパート及び持ち家)、夫婦の場合には共働きであるか、専業主婦であるか等の情報が含まれる。
図9は、履歴情報DB232の具体例を示す図である。
履歴情報DB232は、ユーザID、冷蔵庫ID、切り替え室、状態、温度値及び切替履歴の各値が対応付けられた複数のレコードで構成される。ユーザIDは、冷蔵庫1のユーザを識別するための識別情報を表す。冷蔵庫IDは、冷蔵庫1を識別するための識別情報を表す。切り替え室は、冷蔵庫1に備えられている切り替え室を表す。本実施形態では、切り替え室として、冷蔵庫1が第1切り替え室17Dと第2切り替え室17Eとを有している例を示しているが、冷蔵庫1が有する切り替え室の数は3つ以上であってもよい。状態は、各切り替え室の最新の状態を表す。状態は、切り替え室の温度帯を示し、例えば冷蔵温度帯又は冷凍温度帯のいずれかである。温度値は、切り替え室内の温度を表す。例えば、第1切り替え室17Dにおける温度値は第1切り替え室温度センサ114によって計測された温度が登録され、第2切り替え室17Eにおける温度値は第2切り替え室温度センサ115によって計測された温度が登録される。切替履歴は、冷蔵庫1の各切り替え室の状態の切り替え履歴を表す。切替履歴には、切り替え室の状態の切り替えが行われた時刻の情報が対応付けられて登録されてもよい。切替履歴には、切替頻度及び切替回数の情報が対応付けられて登録されてもよい。切り替え室の状態の切り替えが行われた時刻は、冷蔵庫1の切り替え室の状態の切り替えが完了した時刻であってもよいし、切り替え室の状態の変更指示がなされた時刻であってもよい。
図9において、履歴情報DB232に登録されているユーザID“AAA”のユーザの冷蔵庫1における第1切り替え室17Dの状態が“冷蔵温度帯”、第1切り替え室17D内の温度が“−3℃”、第1切り替え室17Dが“冷凍温度帯から冷蔵温度帯”に切り替えられたことが示されている。履歴情報DB232に登録されているユーザID“AAA”のユーザの冷蔵庫1における第2切り替え室17Eの状態が“冷凍温度帯”、第2切り替え室17E内の温度が“−14℃”、第2切り替え室17Eが“冷蔵温度帯から冷凍温度帯”に切り替えられたことが示されている。このように、ユーザID“AAA”のユーザは、切り替え室を“冷蔵温度帯”と“冷凍温度帯”のそれぞれとして利用していることが示されている。
図9において、履歴情報DB232に登録されているユーザID“BBB”のユーザの冷蔵庫1における第1切り替え室17Dの状態が“冷凍温度帯”、第1切り替え室17D内の温度が“−18℃”、第1切り替え室17Dが“冷蔵温度帯から冷凍温度帯”に切り替えられたことが示されている。履歴情報DB232に登録されているユーザID“BBB”のユーザの冷蔵庫1における第2切り替え室17Eの状態が“冷凍温度帯”、第2切り替え室17E内の温度が“−18℃”、第2切り替え室17Eが“冷蔵温度帯から冷凍温度帯”に切り替えられたことが示されている。このように、ユーザID“BBB”のユーザは、全ての切り替え室を“冷凍温度帯”として利用していることが示されている。
[4.第1の実施形態のサーバシステムによる処理]
次に、サーバシステム200が実行可能ないくつかの処理について説明する。
<冷蔵庫管理処理>
冷蔵庫管理処理は、サーバシステム200が、冷蔵庫1から送信された第1情報に基づく履歴情報を蓄積することによって冷蔵庫1の状態を管理する処理である。
<貯蔵食品判定処理>
貯蔵食品判定処理は、貯蔵食品と、当該貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する処理である。
<入庫食品判定処理>
入庫食品判定処理は、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する処理である。サーバシステム200が行う入庫食品判定処理では、入庫食品と、当該入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合に、ユーザに状態変更の問い合わせを行うパターンと、ユーザに状態変更の問い合わせを行わないパターンの2種類がある。以下の説明では、ユーザに状態変更の問い合わせを行うパターンを入庫食品判定処理(その1)と記載し、ユーザに状態変更の問い合わせを行わないパターンを入庫食品判定処理(その2)と記載する。なお、サーバシステム200は、入庫食品判定処理(その1)または入庫食品判定処理(その2)のどちらで入庫食品判定処理を実行するのかについてはユーザが適宜状態してもよい。
<切替判定処理>
切替判定処理は、ユーザによって冷蔵庫1の切り替え室の状態の切り替え操作がなされた際に、状態の適切な切り替えを判定する処理である。
以下、各処理について具体的に説明する。
[4−1.冷蔵庫管理処理]
図10は、第1の実施形態の冷蔵庫管理システム1000における冷蔵庫管理処理の流れを示すシーケンス図である。冷蔵庫管理処理では、サーバシステム200が、冷蔵庫1から送信された第1情報に基づく履歴情報を蓄積することによって冷蔵庫1の状態を管理することが行われる。
冷蔵庫1は、第1情報を取得する(ステップS101)。具体的には、第1切り替え室温度センサ114は、第1切り替え室17Dの温度を検出する。第1切り替え室温度センサ114は、検出した温度値を制御部101に出力する。第2切り替え室温度センサ115は、第2切り替え室17Eの温度を検出する。第2切り替え室温度センサ115は、検出した温度値を制御部101に出力する。制御部101は、第1切り替え室17D内の温度値、第2切り替え室17E内の温度値、第1切り替え室17D及び第2切り替え室17Eの状態及び切り替え履歴情報のいずれか1つ以上を取得する。第1切り替え室17D及び第2切り替え室17Eの状態は、切り替え履歴情報で判定されてもよい。例えば、制御部101は、切り替え履歴情報で示される最新の状態を、第1切り替え室17D及び第2切り替え室17Eの状態として取得してもよい。制御部101は、取得した情報を含む第1情報を生成し、無線通信部116を制御して、生成した第1情報をサーバシステム200に送信させる。この際、制御部101は、冷蔵庫IDを含めて第1情報を生成する。冷蔵庫1の無線通信部116は、第1情報をサーバシステム200に送信する(ステップS102)。
サーバシステム200の通信部210は、冷蔵庫1から送信された第1情報を受信する。情報取得部221は、通信部210によって受信された第1情報を取得する(ステップS103)。情報取得部221は、取得した第1情報に基づく履歴情報を履歴情報DB232に蓄積する(ステップS104)。具体的には、まず情報取得部221は、記憶部230に記憶されている履歴情報DB232を読み出す。次に、情報取得部221は、読み出した履歴情報DB232の冷蔵庫IDの項目を参照し、第1情報に含まれる冷蔵庫IDに対応するレコードを取得する。そして、情報取得部221は、取得したレコードに、取得した第1情報に基づく履歴情報を登録する。情報取得部221は、第1情報に対して加工を行って履歴情報として登録してもよいし、取得したそのままの第1情報を履歴情報として登録してもよい。情報取得部221は、履歴情報DB232における状態及び温度値の項目においては、第1情報に含まれる温度値及び状態の情報で上書きすることによって情報を登録する。一方で、情報取得部221は、履歴情報DB232における切替履歴においては、第1情報に含まれる切り替え履歴情報を追加することによって情報を登録する。
出力制御部223は、情報出力の条件が満たされたか否かを判定する(ステップS105)。情報出力の条件とは、情報を外部に出力する条件であり、例えば端末機器300から情報出力の要求がなされたことであってもよいし、所定時刻になったことであってもよい。出力制御部223は、例えば、情報出力の条件が満たされると、通信部210を制御して、履歴情報を端末機器300に出力させる。情報出力の条件が満たされていない場合(ステップS105−NO)、サーバシステム200は情報を出力しない。その後、図10の処理が終了する。
一方、情報出力の条件、例えば、ユーザから情報出力の要求がなされたことが満たされた場合(ステップS105−YES)、まず出力制御部223は、情報出力を要求している端末機器300のユーザの冷蔵庫1に関する情報を履歴情報DB232から取得する。例えば、出力制御部223は、端末機器300のアドレス情報を元にユーザIDをユーザ情報DB231から取得し、情報出力を要求している端末機器300のユーザの冷蔵庫1に関する情報が登録されているレコードを特定する。出力制御部223は、特定したレコードに登録されている情報から、端末機器300のユーザによって要求されている情報を取得する。
例えば、端末機器300のユーザによって“切替履歴”の情報が要求されている場合、出力制御部223は特定したレコードに登録されている情報から、各切り替え室の切替履歴の情報を取得する。出力制御部223は、端末機器300のユーザによって出力する情報の指定がなされていない場合や所定時刻になったことにより情報出力の条件が満たされた場合には、各切り替え室の状態、温度値及び切替履歴の情報を取得してもよいし、予め設定されている情報を取得してよい。出力制御部223は、通信部210を制御して、取得した情報を端末機器300に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、情報を端末機器300に送信する(ステップS106)。
端末機器300は、サーバシステム200から送信された情報を受信する。端末機器300の表示装置310は、受信した情報を表示画面311に表示する(ステップS107)。表示装置310は、ユーザから表示指示がなされたことに応じて、履歴情報を表示画面311に表示してもよいし、受信したタイミングで履歴情報を表示画面311に表示してもよい。
[4−2.貯蔵食品判定処理]
図11は、第1の実施形態の冷蔵庫管理システム1000における貯蔵食品判定処理の流れを示すシーケンス図である。図11の処理では、サーバシステム200が、撮影画像情報を冷蔵庫1から取得する場合を例に説明する。図11の処理は、冷蔵庫1に備えられるカメラ117によって切り替え室内部の撮影が行われた場合に実行される。
カメラ117は、切り替え室内を撮影する(ステップS201)。例えば、カメラ117は、常時切り替え室内を撮影していてもよいし、制御部101から撮影の指示がなされたタイミングで撮影してもよい。カメラ117は、常時切り替え室内を撮影している場合には、予め設定された時刻に撮影された撮影画像を制御部101に出力する。
制御部101は、無線通信部116を制御して、カメラ117から得られた撮影画像情報をサーバシステム200に送信する(ステップS202)。制御部101は、カメラ117から撮影画像を取得する度に、撮影画像情報をサーバシステム200に送信させてもよいし、予め定められた時刻に、撮影画像情報をサーバシステム200に送信させてもよい。
サーバシステム200の通信部210は、冷蔵庫1から送信された撮影画像情報を受信する。情報取得部221は、通信部210によって受信された撮影画像情報を取得する(ステップS203)。情報取得部221は、取得した撮影画像情報を食品情報として、食品情報DB233に冷蔵庫1毎に蓄積する。この際、情報取得部221は、撮影画像情報が第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれの切り替え室の情報であるかを判別し、対応する切り替え室の情報として蓄積する。第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれの切り替え室の情報であるかは、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれの切り替え室の情報であるかが撮影画像情報に含まれていてもよいし、撮影画像情報の撮影元のカメラ117により判別してもよい。
判定部224は、食品情報DB233に記憶されている貯蔵食品に対応する食品情報(貯蔵食品情報、図11では撮影画像情報)と、履歴情報DB232と、判定情報DB234とを用いて、貯蔵食品と、貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する(ステップS205)。具体的には、まず判定部224は、撮影画像情報を用いて、パターンマッチングなどにより貯蔵食品を識別する。次に、判定部224は、履歴情報DB232を参照し、判定対象の貯蔵食品が貯蔵されている切り替え室の状態の情報を取得する。ここで、判定対象の冷蔵庫1が冷蔵庫ID“EEE”であり、判定対象の貯蔵食品が貯蔵されている切り替え室が“第1切り替え室17D”であるとする。この場合、判定部224は、切り替え室の状態の情報として“冷蔵温度帯”の情報を取得する。次に、判定部224は、判定情報DB234を参照し、識別した貯蔵食品それぞれが、“冷蔵温度帯”に保存することが適切であるか否かによって貯蔵食品と、貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する。
ここで1つの貯蔵食品を例に説明すると、例えば、判定部224は、判定情報DB234に登録されている貯蔵食品のうち、識別した1つの貯蔵食品に対応付けられている、適した温度帯に関する情報を取得する。判定部224は、適した温度帯に関する情報で特定される温度帯と、切り替え室の状態の情報として取得した“冷蔵温度帯”とが一致するか否かを判定する。適した温度帯に関する情報で特定される温度帯と、切り替え室の状態の情報として取得した“冷蔵温度帯”とが一致する場合、判定部224は貯蔵食品を保存するのに適する温度帯であると判定する。すなわち、判定部224は、貯蔵食品と、貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切であると判定する。
一方、適した温度帯に関する情報で特定される温度帯と、切り替え室の状態の情報として取得した“冷蔵温度帯”とが一致しない場合、判定部224は貯蔵食品を保存するのに適する温度帯ではないと判定する。すなわち、判定部224は、貯蔵食品と、貯蔵食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切ではないと判定する。貯蔵食品が複数の場合、判定部224は、貯蔵食品の1つでも“冷蔵温度帯”に保存することが適切ではない場合に関係が適切ではないと判定してもよいし、適切ではない貯蔵食品が所定の数あった場合に関係が適切ではないと判定してもよい。判定部224は、判定結果を情報生成部222に出力する。
情報生成部222は、判定部224から出力された判定結果を含む判定情報を生成する(ステップS206)。この際、情報生成部222は、どの貯蔵食品が適切でないのかを示す情報を判定結果に含めて判定情報を生成してもよい。情報生成部222は、生成した判定情報を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して、判定情報を端末機器300に出力させる(ステップS207)。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、判定情報を端末機器300に送信する。
端末機器300は、サーバシステム200から送信された判定情報を受信する。端末機器300の表示装置310は、受信した判定情報を表示画面311に表示する(ステップS208)。表示装置310は、ユーザから表示指示がなされたことに応じて、判定情報を表示画面311に表示してもよいし、受信したタイミングで判定情報を表示画面311に表示してもよい。
[4−3.入庫食品判定処理(その1)]
図12は、第1の実施形態のサーバシステム200が行う入庫食品判定処理(その1)の流れを示すフローチャートである。図12の処理では、サーバシステム200が、入庫食品情報を端末機器300から取得する場合を例に説明する。図12の処理は、入庫食品情報が端末機器300から受信された場合に実行される。
サーバシステム200の通信部210は、端末機器300から送信された入庫食品情報を受信する。情報取得部221は、通信部210によって受信された入庫食品情報を取得する(ステップS301)。情報取得部221は、取得した入庫食品情報を食品情報として、食品情報DB233に冷蔵庫1毎に蓄積する(ステップS302)。この際、情報取得部221は、入庫食品情報が第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれの切り替え室の情報であるかを判別し、対応する切り替え室の情報として蓄積する。第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれの切り替え室の情報であるかは、第1切り替え室17Dおよび第2切り替え室17Eのいずれの切り替え室の情報であるかが入庫食品情報に含まれていてもよい。
判定部224は、食品情報DB233に記憶されている入庫食品に対応する食品情報(入庫食品情報)と、履歴情報DB232と、判定情報DB234とを用いて、入庫食品と、入庫食品が新たに貯蔵される1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、まず判定部224は、入庫食品情報に基づいて入庫食品を識別する。入庫食品情報が端末機器300によって撮影された撮影画像情報である場合には、撮影画像情報を用いて、パターンマッチングなどにより入庫食品を識別する。入庫食品情報が入庫食品を特定可能な情報(例えば、食品名)である場合には、入庫食品を特定可能な情報に従って入庫食品を識別する。次に、判定部224は、履歴情報DB232を参照し、判定対象の入庫食品が入庫される切り替え室の状態の情報を取得する。ここで、判定対象の冷蔵庫1が冷蔵庫ID“EEE”であり、判定対象の入庫食品が入庫される切り替え室が“第1切り替え室17D”であるとする。この場合、判定部224は、切り替え室の状態の情報として“冷蔵温度帯”の情報を取得する。次に、判定部224は、判定情報DB234を参照し、識別した入庫食品が、“冷蔵温度帯”に保存することが適切であるか否かによって入庫食品と、入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定する。判定部224は、判定結果を情報生成部222に出力する。
情報生成部222は、判定部224から得られた判定結果が入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切であることを示しているか否かを判定する(ステップS304)。判定結果が入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切であることを示している場合(ステップS304−YES)、サーバシステム200は入庫食品判定処理(その1)を終了する。
一方、判定結果が入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではないことを示している場合(ステップS304−NO)、情報生成部222は入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態の変更を促す変更情報を生成する。例えば、入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態が“冷蔵温度帯”である場合、情報生成部222は入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態を“冷凍温度帯”に変更させることを促す変更情報を生成する。情報生成部222は、生成した変更情報を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して、変更情報を端末機器300に出力させる(ステップS305)。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、変更情報を端末機器300に送信する。
変更情報が端末機器300に送信されることによって、端末機器300のユーザは表示画面311を見ることによって、切り替え室の状態を変更するか否かを選択することができる。ユーザは、端末機器300を操作して、切り替え室の状態を変更するか否かをサーバシステム200に応答する。この場合、サーバシステム200は、端末機器300から変更情報に対応する応答を得ることができる。一方で、ユーザが、端末機器300を見ていない場合には、サーバシステム200は端末機器300から応答を得られないことになる。
状態制御部225は、端末機器300から変更情報に対する応答が得られたか否かを判定する(ステップS305)。端末機器300から変更情報に対する応答が得られた場合(ステップS305−YES)、状態制御部225は得られた応答に従って、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を制御する(ステップS307)。具体的には、応答として状態を変更する指示が得られた場合、状態制御部225はその旨を情報生成部222に出力する。情報生成部222は、状態を変更することを示す変更指示を生成する。この際、情報生成部222は、どの切り替え室をどの温度帯に変更するのかを示す情報を含めて変更指示を生成する。情報生成部222は、生成した変更指示を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して変更指示を冷蔵庫1に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、変更指示を冷蔵庫1に送信する。これにより、冷蔵庫1の制御部101は、サーバシステム200から送信された変更指示に応じて、対応する切り替え室の状態を変更することができる。
応答として状態を変更しない指示が得られた場合、状態制御部225は特に状態を制御する必要がないため入庫食品判定処理(その1)の処理を終了する。
ステップS306の処理において、端末機器300から変更情報に対する応答が得られていない場合(ステップS305−NO)、状態制御部225は第1の期間が経過したか否かを判定する(ステップS308)。例えば、状態制御部225は、変更情報が端末機器300に送信されたタイミングを基準として、第1の期間が経過したか否かを判定してもよいし、その他のタイミングを基準として第1の期間が経過したか否かを判定してもよい。第1の期間が経過していない場合(ステップS308−NO)、状態制御部225は応答が得られるか、第1の期間経過するまで待機する。
第1の期間が経過した場合(ステップS308−YES)、状態制御部225は入庫食品に応じて、入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態を、入庫食品に適する状態となるように制御する(ステップS309)。具体的には、状態制御部225は、第1の期間が経過したことと、入庫食品の情報を情報生成部222に出力する。情報生成部222は、得られた情報に基づいて、状態を変更することを示す変更指示を生成する。この際、情報生成部222は、判定情報DB234を参照し、入庫食品に適する温度帯の情報を取得する。そして、情報生成部222は、取得した温度帯の情報を用いて、状態の変更対象となる切り替え室を、取得した温度帯に変更することを示す情報を含めて変更指示を生成する。情報生成部222は、生成した変更指示を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して変更指示を冷蔵庫1に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、変更指示を冷蔵庫1に送信する。これにより、冷蔵庫1の制御部101は、サーバシステム200から送信された変更指示に応じて、対応する切り替え室の状態を変更することができる。
[4−4.入庫食品判定処理(その2)]
図13は、第1の実施形態のサーバシステム200が行う入庫食品判定処理(その2)の流れを示すフローチャートである。図13において、図12と同様の処理については図13と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS304の処理において、判定結果が入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではないことを示している場合(ステップS304−NO)、状態制御部225は入庫食品に応じて、入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態を、入庫食品に適する状態となるように制御する(ステップS309)。具体的には、状態制御部225は、情報生成部222に対して変更指示を生成させ、生成された変更指示を冷蔵庫1に送信させることによって入庫食品が入庫される1つの切り替え室の状態を、入庫食品に適する状態となるように制御する。この場合、状態制御部225は、入庫食品の情報を情報生成部222に出力する。
情報生成部222は、得られた情報に基づいて、状態を変更することを示す変更指示を生成する。この際、情報生成部222は、判定情報DB234を参照し、入庫食品に適する温度帯の状態の情報を取得する。そして、情報生成部222は、取得した温度帯の情報を用いて、状態の変更対象となる切り替え室を、取得した温度帯に変更することを示す情報を含めて変更指示を生成する。情報生成部222は、生成した変更指示を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して変更指示を冷蔵庫1に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、変更指示を冷蔵庫1に送信する。これにより、冷蔵庫1の制御部101は、サーバシステム200から送信された変更指示に応じて、対応する切り替え室の状態を変更することができる。その後、情報生成部222は、冷蔵庫1から切り替え室の状態が変更されたことを示す情報が得られた場合に、切り替え室の状態が変更されたことを示す状態情報を生成する。情報生成部222は、生成した状態情報を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して状態情報を端末機器300に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、状態情報を端末機器300に送信する(ステップS402)。
[4−5.切替判定処理]
図14は、第1の実施形態の冷蔵庫管理システム1000における切替判定処理の流れを示すシーケンス図である。
冷蔵庫1は、ユーザの操作に応じて、切り替え室の状態の変更指示を受け付ける(ステップS501)。制御部101は、切り替え室の状態の変更指示がなされると、切り替え室の状態の変更の指示がなされたことを示す状態変更情報を生成する。状態変更情報には、状態変更の対象となる切り替え室の特定するための情報と、どの状態に変更するのかを示す情報とが含まれる。制御部101は、無線通信部116を制御して、生成した状態変更情報をサーバシステム200に送信させる。無線通信部116は、状態変更情報をサーバシステム200に送信する(ステップS502)。その後、冷蔵庫1は、切り替え室の状態を変更するまで所定の期間待機する(ステップS503)。
サーバシステム200の通信部210は、冷蔵庫1から送信された状態変更情報を受信する。情報生成部222は、通信部210によって受信された状態変更情報を取得する(ステップS504)。情報生成部222は、取得した状態変更情報に基づいて、組み合わせ情報を生成する(ステップS505)。具体的には、まず情報生成部222は、履歴情報DB232を参照し、状態変更情報の送信元の冷蔵庫1に対応するレコードを取得する。次に、情報生成部222は、取得したレコードの切り替え室と、状態の項目の値を取得する。情報生成部222は、取得した切り替え室と、状態の項目の値を参照し、所定の条件を満たす切り替え室の状態の組み合わせ情報を生成する。所定の条件は、例えばより消費電力が低くなる組み合わせである。一般的に、“冷凍温度帯”から“冷蔵温度帯”に状態を変更する場合、“冷蔵温度帯”から“冷凍温度帯”に変更する場合に比べて消費電力が高くなる。そこで、情報生成部222は、可能限り消費電力が低くなるような組み合わせとなるように、組み合わせ情報を生成する。なお、情報生成部222は、組み合わせ情報を生成する際に、切り替え室内の食品を加味してもよい。切り替え室内に貯蔵されている食品が多い場合、食品の入れ替えに時間を要してしまう。そこで、情報生成部222は、切り替え室内に貯蔵されている食品の数に応じて、一部の切り替え室を状態の変更対象から除外し、残りの切り替え室の組み合わせで組み合わせ情報を生成する。
情報生成部222は、生成した組み合わせ情報を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して、組み合わせ情報を端末機器300に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、組み合わせ情報を端末機器300に送信する(ステップS506)。
端末機器300は、サーバシステム200から送信された組み合わせ情報を表示する(ステップS507)。端末機器300のユーザは、表示された組み合わせ情報を見ることによって、より推奨される切り替え室の状態の組み合わせを把握することができる。
冷蔵庫1の制御部101は、所定の期間が経過した場合、又は、所定の期間の間にユーザから状態の変更指示が入力された場合、状態の切り替えを実施する(ステップS508)。所定の期間が経過した場合、制御部101はステップS501の処理で受け付けた変更指示に従って、切り替え室の状態の変更を実施する。所定の期間の間にユーザから状態の変更指示が入力された場合、制御部101は入力された変更指示に従って、切り替え室の状態の変更を実施する。
以上のように構成された第1の実施形態における冷蔵庫管理システム1000によれば、冷蔵庫1が第1情報を外部に送信し、サーバシステム200が冷蔵庫1から送信された第1情報に基づく履歴情報を蓄積している。これにより、冷蔵庫1のユーザは、サーバシステム200にアクセスすること又は定期的にサーバシステム200から情報が送信されることによって、冷蔵庫1の切り替え室の状態の情報を取得することができる。そのため、簡便に切り替え室の状態を把握することが可能になる。
サーバシステム200は、1以上の切り替え室が、互いに独立して冷蔵温度帯室と冷凍温度帯室とに切り替え可能な複数の切り替え室を含み、履歴情報に複数の切り替え室の状態の組み合わせに関する履歴が含まれる。これにより、ユーザは、各切り替え室の状態を容易に把握することができる。
サーバシステム200の情報取得部221は、貯蔵食品情報又は入庫食品情報をさらに取得し、記憶部230が貯蔵食品情報又は入庫食品情報をさらに蓄積する。これにより、貯蔵食品情報に基づく判定及び入庫食品情報に基づく判定を区別して行うことができる。
サーバシステム200の情報生成部222は、貯蔵食品情報に基づき、1以上の切り替え室のうち1つの切り替え室に貯蔵されている食品と、食品が貯蔵されている1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合に、関係が適切ではないことを示す判定結果を含む判定情報をさらに生成する。これにより、関係が適切ではないことを外部に通知することができる。その結果、ユーザは、通知に応じて、切り替え室の状態を変更することができる。
サーバシステム200の情報生成部222は、入庫食品情報に基づき、1以上の切り替え室のうち1つの切り替え室に新たに入庫される食品と、食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合に、関係が適切ではないことを示す判定結果を含む判定情報をさらに生成する。これにより、関係が適切ではないことを外部に通知することができる。その結果、ユーザは、通知に応じて、新たに入庫しようとしている食品を別の場所に入れるか否かを判断することができる。その結果、誤って状態が適切でない切り替え室に入庫してしまうことを軽減することができる。
サーバシステム200の情報生成部222は、関係が適切ではない場合に、前食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態の変更を促す変更情報をさらに生成し、サーバシステム200は、変更情報に対する応答が得られた場合には、応答に従って、食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を制御する状態制御部225を備える。このように、ユーザに切り替え室の状態を変更することを促す通知を送ることで、ユーザは現在の切り替え室の状態の状況を把握することができる。そして、ユーザが切り替える指示を入力することで、装置側で自動的に状態を切り替える。これにより、ユーザの負担を軽減することができる。
サーバシステム200の状態制御部225は、変更情報に対する応答が第1の期間の間に得られなかった場合には、食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を、新たに入庫される食品に適する状態となるように制御する。これにより、新たに入庫された食品を温度帯が適切な切り替え室に入庫することができる。また、切り替え室の状態の変更に対してユーザの操作が不要であるため、ユーザの負担を軽減することができる。
サーバシステム200は、関係が適切ではない場合、食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態を、新たに入庫される食品に適する状態に制御する状態制御部225をさらに備え、情報生成部222が、状態制御部225による状態の制御に応じて、1以上の切り替え室の状態が変更されたことを示す状態情報をさらに生成する。これにより、ユーザに対して切り替え室の状態を変更するか否かの問い合わせが行われず、自動的に切り替え室の状態が変更される。そして、変更の制御がなされた後に、ユーザに対して切り替え室の状態を変更に関する情報が通知される。したがって、ユーザからの応答を待つ時間を削減して、状態を変更することができる。そのため、状態の変更までに要する時間を削減することができる。
冷蔵庫1は、1つの切り替え室の状態の変更指示がなされた時点から第2の期間経過した後に、変更指示により状態の変更対象となった切り替え室の状態の切り替えを実行し、情報生成部222は、変更指示がなされた後に1以上の切り替え室の状態を確認し、所定の条件を満たす1以上の切り替え室の状態の組み合わせに関する組み合わせ情報を生成する。これにより、より適切な組み合わせがある場合には、その組み合わせに関する情報を生成することができる。これにより、ユーザに対してより適切な組み合わせを提供することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、サーバシステムが蓄積している情報を用いて統計情報を生成し、生成した統計情報を外部に提供する実施形態である。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図15は、第2の実施形態における冷蔵庫管理システム1000aのシステム構成を示す図である。冷蔵庫管理システム1000aは、例えば、冷蔵庫1、サーバシステム200a、端末機器300及び外部装置500を含む。冷蔵庫1、サーバシステム200a、端末機器300及び外部装置500は、ネットワーク400を介して通信可能に接続される。冷蔵庫管理システム1000aは、1以上の冷蔵庫1、端末機器300及び外部装置500を含む。第2の実施形態における冷蔵庫管理システム1000aでは、外部装置500が新たに備えられている。
サーバシステム200aは、蓄積しているユーザ情報DB231及び履歴情報DB232を用いて、1以上の切り替え室の状態パターンをユーザに関する属性毎に分類した統計情報を生成し、生成した統計情報を外部装置500に送信する。
外部装置500は、例えば、企業等で利用される通信装置である。外部装置500は、例えば、サーバシステム200から送信された統計情報を表示する。
図16は、第2の実施形態におけるサーバシステム200aのシステム構成を示す図である。サーバシステム200aは、通信部210、制御部220a及び記憶部230を備える。
制御部220aは、CPU又はGPU等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部220aは、プログラムを実行することによって、情報取得部221、情報生成部222a、出力制御部223、判定部224及び状態制御部225の機能を実現する。これらの機能部のうち一部または全部は、ASICやPLD、FPGAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
情報生成部222aは、第1の実施形態における同名の機能部と同様の処理を行う。また、情報生成部222aは、複数の冷蔵庫1に含まれる各冷蔵庫に関して、冷蔵庫1の履歴情報と、冷蔵庫1のユーザに関する情報とが対応付けられた対応情報に基づき、1以上の切り替え室の状態パターンをユーザに関する属性毎に分類した統計情報をさらに生成する。
[5.第2の実施形態のサーバシステムによる処理]
次に、サーバシステム200aが実行可能な処理について説明する。
サーバシステム200aは、<冷蔵庫管理処理>、<貯蔵食品判定処理>、<入庫食品判定処理>、<切替判定処理>の他に以下の処理を実行する。
<統計処理>
統計処理は、各家庭に設置される冷蔵庫1の切り替え室の状態に基づいて、統計を求める処理である。
図17は、第2の実施形態における冷蔵庫管理システム1000aの統計処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図17の説明では、冷蔵庫管理システム1000aに冷蔵庫1が2つ(第1の冷蔵庫1及び第2の冷蔵庫1)ある場合を例に説明する。
第1の冷蔵庫1は、第1情報を取得する(ステップS601)。この処理は、ステップS101の処理と同様であるため、具体的な説明は省略する。第1の冷蔵庫1の制御部101は、取得した情報を含む第1情報を生成し、無線通信部116を制御して、生成した第1情報をサーバシステム200aに送信させる。この際、第1の冷蔵庫1の制御部101は、冷蔵庫IDを含めて第1情報を生成する。第1の冷蔵庫1の無線通信部116は、第1情報をサーバシステム200aに送信する(ステップS602)。
第2の冷蔵庫1は、第1情報を取得する(ステップS603)。この処理は、ステップS101の処理と同様であるため、具体的な説明は省略する。第2の冷蔵庫1の制御部101は、取得した情報を含む第1情報を生成し、無線通信部116を制御して、生成した第1情報をサーバシステム200aに送信させる。この際、第2の冷蔵庫1の制御部101は、冷蔵庫IDを含めて第1情報を生成する。第2の冷蔵庫1の無線通信部116は、第1情報をサーバシステム200aに送信する(ステップS604)。
サーバシステム200aの通信部210は、第1の冷蔵庫1及び第2の冷蔵庫1から送信された第1情報を受信する。情報取得部221は、通信部210によって受信された第1情報を取得する(ステップS605)。情報取得部221は、取得した第1情報に基づく履歴情報を履歴情報DB232に蓄積する(ステップS606)。情報生成部222aは、外部装置500によって情報の要求がなされた場合に、履歴情報DB232に蓄積されている履歴情報を用いて、統計情報を生成する(ステップS607)。具体的には、まず情報生成部222aは、ユーザ情報DB231からユーザID、冷蔵庫ID及びユーザ属性の情報を対応付けて取得する。次に、情報生成部222aは、履歴情報DB232を参照し、ユーザID及び冷蔵庫IDに対応するレコードを取得する。情報生成部222aは、取得したレコードの切り替え室及び状態の項目に登録されている情報を取得する。情報生成部222aは、この処理を、例えばユーザ情報DB231に登録されている全てのユーザや指定された地区に住んでいるユーザに対して行う。これにより、情報生成部222aは、複数のユーザの冷蔵庫1の切り替え室の状態の組み合わせの情報(状態パターンの情報)を取得する。
情報生成部222aは、取得した切り替え室の状態の組み合わせの情報と、ユーザの世帯情報(例えば、一人暮らし、夫婦のみで夫婦共働き、夫婦のみで専業主婦、夫婦+子供ありで夫婦共働き、夫婦+子供ありで専業主婦及び二世帯暮らしで夫婦共働き)とに基づく統計情報を生成する。図18は、統計情報の一例を示す図である。図18には示すように、統計情報には、ユーザの世帯に応じた切り替え室の状態の組み合わせの統計結果が含まれる。情報生成部222aは、生成した統計情報を出力制御部223に出力する。出力制御部223は、通信部210を制御して、統計情報を外部装置500に出力させる。通信部210は、出力制御部223の制御に従って、統計情報を外部装置500に送信する(ステップS608)。
外部装置500は、サーバシステム200aから送信された統計情報を受信する。外部装置500は、受信した統計情報を表示する(ステップS609)。
以上のように構成された冷蔵庫管理システム1000aによれば、世帯に応じた統計情報を取得することができる。これにより、マーケティングを行うために有益な情報を取得することができる。
(第2の実施形態における変形例)
情報取得部221は、小売店(例えば、スーパーマーケットやディスカウントショップ)等の特売情報やユーザの住んでいる地域のイベント情報を取得してもよい。このように構成される場合、情報生成部222aは、情報取得部221によって取得された特売情報と、ユーザ情報DB231とに基づいて、特売のイベントが行われる地域に住んでいるユーザに対して特売のイベントがあることを示す情報を生成する。また、情報生成部222aは、情報取得部221によって取得されたイベント情報と、ユーザ情報DB231とに基づいて、イベントが行われる地域及び周辺に住んでいるユーザに対してイベントがあることを示す情報を生成する。
情報生成部222aは、図18に示した統計情報以外の統計情報を生成してもよい。例えば、情報生成部222aは、世帯の他に、年齢や性別を加味した統計情報を生成してもよいし、履歴情報DB232に登録されている履歴情報を用いて切替頻度や切替回数を加味した統計情報を生成してもよい。以下、一具体例の処理について説明する。
[切り替え室の状態の組み合わせの情報と、世帯及び年齢との組み合わせの統計情報]
まず情報生成部222aは、ユーザ情報DB231からユーザID、冷蔵庫ID及びユーザ属性の情報を対応付けて取得する。ここで、情報生成部222aは、ユーザ属性の情報として年齢及び世帯情報を取得する。次に、情報生成部222aは、履歴情報DB232を参照し、ユーザID及び冷蔵庫IDに対応するレコードを取得する。情報生成部222aは、取得したレコードの切り替え室及び状態の項目に登録されている情報を取得する。情報生成部222aは、この処理を、例えばユーザ情報DB231に登録されている全てのユーザや指定された地区に住んでいるユーザに対して行う。これにより、情報生成部222aは、複数のユーザの冷蔵庫1の切り替え室の状態の組み合わせの情報(状態パターンの情報)を取得する。情報生成部222aは、取得した切り替え室の状態の組み合わせの情報と、ユーザの世帯情報と、ユーザの年齢とに基づく統計情報を生成する。このように生成される統計情報には、ユーザの世帯と年齢との組み合わせに応じた切り替え室の状態の組み合わせの統計結果が含まれる。一例として、夫婦のみで夫婦共働きの20代,30代・・・、夫婦のみで専業主婦の20代,30代・・・、夫婦+子供ありで夫婦共働きの20代,30代・・・、夫婦+子供ありで専業主婦及び二世帯暮らしで夫婦共働きの20代,30代・・・毎の切り替え室の状態の組み合わせの統計結果を含む統計情報が生成される。
[切り替え室の状態の組み合わせの情報と、世帯及び性別との組み合わせの統計情報]
まず情報生成部222aは、ユーザ情報DB231からユーザID、冷蔵庫ID及びユーザ属性の情報を対応付けて取得する。ここで、情報生成部222aは、ユーザ属性の情報として性別及び世帯情報を取得する。次に、情報生成部222aは、履歴情報DB232を参照し、ユーザID及び冷蔵庫IDに対応するレコードを取得する。情報生成部222aは、取得したレコードの切り替え室及び状態の項目に登録されている情報を取得する。情報生成部222aは、この処理を、例えばユーザ情報DB231に登録されている全てのユーザや指定された地区に住んでいるユーザに対して行う。情報生成部222aは、取得した切り替え室の状態の組み合わせの情報と、ユーザの世帯情報と、ユーザの性別とに基づく統計情報を生成する。このように生成される統計情報には、ユーザの世帯と性別との組み合わせに応じた切り替え室の状態の組み合わせの統計結果が含まれる。一例として、一人暮らしの男性、一人暮らしの女性毎の切り替え室の状態の組み合わせの統計結果を含む統計情報が生成される。
[切り替え室の状態の組み合わせの情報と、世帯及び切替頻度との組み合わせの統計情報]
まず情報生成部222aは、ユーザ情報DB231からユーザID、冷蔵庫ID及びユーザ属性の情報を対応付けて取得する。ここで、情報生成部222aは、ユーザ属性の情報として世帯情報を取得する。次に、情報生成部222aは、履歴情報DB232を参照し、ユーザID及び冷蔵庫IDに対応するレコードを取得する。情報生成部222aは、取得したレコードの切り替え室、状態及び切替履歴の項目に登録されている情報を取得する。情報生成部222aは、この処理を、例えばユーザ情報DB231に登録されている全てのユーザや指定された地区に住んでいるユーザに対して行う。情報生成部222aは、取得した切り替え室の状態の組み合わせの情報と、切替履歴の項目に登録されている切り替え室毎の切替頻度の情報と、ユーザの世帯情報とに基づく統計情報を生成する。
[切り替え室の状態の組み合わせの情報と、世帯及び切替回数との組み合わせの統計情報]
まず情報生成部222aは、ユーザ情報DB231からユーザID、冷蔵庫ID及びユーザ属性の情報を対応付けて取得する。ここで、情報生成部222aは、ユーザ属性の情報として世帯情報を取得する。次に、情報生成部222aは、履歴情報DB232を参照し、ユーザID及び冷蔵庫IDに対応するレコードを取得する。情報生成部222aは、取得したレコードの切り替え室、状態及び切替履歴の項目に登録されている情報を取得する。情報生成部222aは、この処理を、例えばユーザ情報DB231に登録されている全てのユーザや指定された地区に住んでいるユーザに対して行う。情報生成部222aは、取得した切り替え室の状態の組み合わせの情報と、切替履歴の項目に登録されている切り替え室毎の切替回数の情報と、ユーザの世帯情報とに基づく統計情報を生成する。
(第1の実施形態及び第2の実施形態に共通する変形例)
サーバシステム200,200aは、貯蔵食品に対しても、図12または図13に示す処理を実行してもよい。具体的には、サーバシステム200,200aは、貯蔵食品に対しても、関係が適切ではないと判定された場合に、図12におけるステップS305からステップS309の処理や図13におけるステップS401からステップS402の処理を実行するように構成されてもよい。具体的には処理は、入庫食品を貯蔵食品に置き換えれば同じである。
判定部224は、冷蔵庫1に備えられてもよい。このように構成される場合、1つの冷蔵庫1には、当該冷蔵庫1のユーザに関するユーザ情報及び当該冷蔵庫1の第1情報に基づく履歴情報(第2情報の一態様)が蓄積され、食品情報DB233及び判定情報DB234が記憶される。そして、冷蔵庫1が備える判定部224において、<貯蔵食品判定処理>及び<入庫食品判定処理>が行われる。そして、サーバシステム200,200aは、判定部224から得られる判定結果に基づいて動作を行う。この場合、サーバシステム200,200aは、判定部224を備えなくてもよい。
冷蔵庫1が切り替え室の状態を切り替えている間(切り替え室の状態の移行中)に、ユーザが新たに食品を入庫する場合がある。このような場合、冷蔵庫管理システム1000は以下のような処理を行ってもよい。冷蔵庫1は、入庫食品に関する入庫食品情報をサーバシステム200に送信する。サーバシステム200の制御部220は、入庫食品判定処理(その1)または入庫食品判定処理(その2)を行う。ここでは、入庫食品判定処理(その1)が実行された場合を例に説明する。この際、制御部220は、入庫食品が新たに入庫される切り替え室の状態を、状態の切り替えが行われた時点からの経過時間を元に決定する。冷凍温度帯室から冷蔵温度帯室に切り替えている場合、切り替え開始直後に食品が入庫されたとしても切り替え室の内部は冷凍温度帯室の温度になっている可能性が高い。これは、切り替え室の温度は、すぐに切り替えられるわけではなく、徐々に温度が上昇また低下させるためである。そのため、冷凍温度帯室から冷蔵温度帯室への切り替え開始直後にユーザが野菜を切り替え室に入れた場合には、まだ野菜を保存するのに適する温度帯ではないことも想定される。
そこで、制御部220は、経過時間が所定の時間以上である場合には切り替え後の温度帯を、入庫食品が新たに入庫される切り替え室の状態として決定する。一方、制御部220は、経過時間が所定の時間未満である場合には切り替え前の温度帯を、入庫食品が新たに入庫される切り替え室の状態として決定する。なお、冷凍温度帯室から冷蔵温度帯室への切り替えと、冷蔵温度帯室から冷凍温度帯室への切り替えとでは、切り替えに要する時間が異なる。そのため、冷凍温度帯室から冷蔵温度帯室への切り替えと、冷蔵温度帯室から冷凍温度帯室への切り替えとで判定時間が異なってもよいし、同じであってもよい。制御部220は、入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切である場合には、特に処理を行わない。一方で、入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される1つの切り替え室の状態との関係が適切ではない場合、情報生成部222は入庫食品を切り替え室に入れることが好ましくない旨を示す情報を生成する。サーバシステム200は、生成した情報を端末機器300に送信する。これにより、端末機器300のユーザは、切り替え室に入れた食品が正しくないことを把握することができる。そして、サーバシステム200は、切り替え室の状態の切替が完了して、入庫食品を保存するのに適する温度帯になった場合に、入庫食品を切り替え室に入れてもよいことを端末機器300に通知してもよい。
このように構成されることによって、切り替え室の状態の移行中においても、入庫食品と、入庫食品が新たに入庫される切り替え室の状態との関係が適切であるか否かを判定することができる。そのため、ユーザは、簡便に貯蔵室の状態を把握することができる。
冷蔵庫管理システム1000,1000aでは、サーバシステム200,200aが冷蔵庫1の切り替え室の状態に関する情報を蓄積する構成を示したが、サーバシステム200,200aは他の貯蔵室の状態に関する情報を蓄積してもよい。ここで、他の貯蔵室とは、用途が固定された貯蔵室である。他の貯蔵室は、例えば17A、製氷室17B、小冷凍室17C、野菜室及び冷凍室である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。