JP2021095951A - 転がり軸受 - Google Patents

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【課題】樹脂製の保持器を使用した転がり軸受において、高速で回転したときに保持器の破損を低減する。【解決手段】転がり軸受10は、内輪12と、外輪11と、複数のころ13と、ころ13を軌道面に沿って所定の間隔で保持する樹脂製の保持器14と、を有し、保持器14は、複数のころ13に沿って配置される環状体22と、環状体22から互いに隣り合うころ13の間に向けて軸方向に突出する複数のつの21を有する。保持器14は、複数のつの21のうち少なくとも一のつの21の位置にウエルド部を有しており、環状体22は、周方向のウエルド部を有するつの21の位置で、外周面及び内周面のうち少なくともいずれか一方に径方向に突出する補強部を有し、補強部は環状体22からつの21にかけて軸方向に延在している。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受に関し、特に樹脂製の保持器を使用した転がり軸受に関する。
転がり軸受は、外輪及び内輪と、複数の転動体とを備えており、転動体は、保持器によって内外輪の軌道面に沿って等しい間隔で保持されている。従来、研削盤などの工作機械の主軸を回転支持する転がり軸受では、加工精度を高くするため主軸の剛性を高くする必要があり、主軸を支持する転がり軸受には、二列のころが組込まれた複列ころ軸受が使用されている。工作機械用の転がり軸受は、転動体のピッチ円径が比較的大径であり、また、高い回転速度で使用される等の理由により、青銅や黄銅を用いて、強度が高くかつ潤滑性に優れた金属製の保持器が使用されていた。
しかしながら、近年、軽量で、低コストで製造できる樹脂製の保持器が使用されるようになってきている(特許文献1)。樹脂材料としては、ガラス繊維や炭素繊維を含有させた、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性の合成樹脂が使用され、樹脂製の保持器は、これらの合成樹脂を金型内に射出成形することによって製造することができる。
特開2008−8370号公報
工作機械は、被切削面の加工精度を向上させるとともに、生産性を向上させることを目的として、主軸の回転速度がますます増加している。しかしながら、主軸が高速で回転すると保持器の回転速度が上昇する。このため、保持器の振動が増大して内部に大きな応力が発生するので、樹脂製の保持器を使用すると、保持器が破損する恐れがある。
そこで、本発明は、樹脂製の保持器を使用した転がり軸受において、高速で回転したときに保持器の破損を低減することを目的としている。
本発明の一形態は、外周に内側軌道面を有する内輪と、内周に外側軌道面を有する外輪と、前記内側軌道面と前記外側軌道面との間に転動可能に配置される複数のころと、前記ころを前記各軌道面に沿って所定の間隔で保持する樹脂製の保持器と、を有し、前記保持器は、前記複数のころに沿って配置される環状体と、前記環状体から互いに隣り合う前記ころの間に向けて軸方向に突出する複数のつのを有する転がり軸受であって、前記保持器は、前記複数のつののうち少なくとも一のつのの位置にウエルド部を有しており、前記環状体は、周方向の前記ウエルド部を有するつのの位置で、外周面及び内周面のうち少なくともいずれか一方に径方向に突出する補強部を有し、前記補強部は前記環状体から前記つのにかけて軸方向に延在していることを特徴としている。
本発明によると、樹脂製の保持器を使用した転がり軸受において、ウエルド部の面積が増大するので、転がり軸受が高速で回転するときに発生する応力を低減して、保持器の破損を低減することができる。
本実施形態の転がり軸受の軸方向断面図である。 保持器の斜視図である。 図2の保持器を軸方向他方から軸方向一方に向かって軸方向に見たときの、周方向の一部の断面を示す部分断面図である。 保持器を成形する金型の構造を説明するための模式図である。 第1実施形態の保持器における補強部の斜視図である。 第2実施形態の保持器における補強部の斜視図である。 第3実施形態の保持器における補強部の斜視図である。 第4実施形態の保持器における補強部の斜視図である。
本発明の一実施形態(以下、「第1実施形態」という)である転がり軸受10について、図を用いて詳細に説明する。図1は、転がり軸受10の軸方向断面図である。転がり軸受10は、汎用旋盤、CNC旋盤、マシニングセンタ、フライス盤等の工作機械の主軸を回転支持する用途で使用され、高い回転数で、かつ、ラジアル方向に高い剛性で支持することが可能である。主軸は、直径が50〜150ミリメートル程度であり、最大10000〜15000rpm程度の回転速度で回転する。
以下の説明では、転がり軸受10の回転中心である中心軸mの方向を軸方向といい、中心軸mと直交する方向を径方向、中心軸mの周りを周回する方向を周方向という。また、説明の便宜上、図1の左方を軸方向一方側といい、右方を軸方向他方側という。
転がり軸受10は、外輪11、内輪12、複数の転動体としてのころ13、二つの保持器14、14を備えている。
外輪11は、環状で、SUJ2等の高炭素クロム鋼やSNCM等のニッケルクロムモリブデン鋼などの鋼材で製造されている。外周面11aは中心軸mと同軸の円筒形状である。軸方向両側にそれぞれ中心軸mと直交する向きに延在する側面が形成されている。内周面は、中心軸mを軸とする円筒面であり、二列の外側軌道面15a、15bが形成されている。二列の外側軌道面15a、15bは、それぞれころ13が転動する軌道面であって、互いに軸方向に離れて形成されており、直径寸法は互いに同一である。
内輪12は、環状で、SUJ2等の高炭素クロム鋼やSNCM等のニッケルクロムモリブデン鋼などの鋼材で製造されている。内周面12aは中心軸mと同軸の円筒形状である。軸方向両側にそれぞれ中心軸mと直交する向きに延在する側面が形成されている。外周には、二列の内側軌道面16a、16bが、互いに軸方向に離れて全周にわたって形成されている。内側軌道面16a、16bは、それぞれころ13が転動する軌道面である。以下の説明では、軸方向一方の内側軌道面16aを「第1内側軌道面」、軸方向他方側の内側軌道面16bを「第2内側軌道面」という。各内側軌道面16a、16bは、いずれも中心軸mと同軸の円筒形状で、直径は互いに同一である。
第1内側軌道面16aの軸方向一方に第1つば17aが形成され、第1内側軌道面16aと第2内側軌道面16bとの間に第2つば17bが形成され、第2内側軌道面16bの軸方向他方に第3つば17cが形成されている。各つば17a,17b,17cの外周面はいずれも中心軸mを中心とする円筒面であり、その外径寸法は互いに等しく、各内側軌道面16a,16bより大径である。
つば17aの軸方向他方側の側面18aと、つば17bの軸方向一方側の側面18bは、第1内側軌道面16aを挟んで互いに軸方向に対向している。側面18aと側面18bは、いずれも中心軸mと直交する向きに延在し、互いに平行である。第2内側軌道面16bを挟んで互いに軸方向に対向するつば17bの側面18cとつば17cの側面18dは、いずれも中心軸mと直交する向きに延在しており、互いに平行である。
ころ13は、SUJ2等の高炭素クロム鋼やSNCM等のニッケルクロムモリブデン鋼、或いは窒化ケイ素などのセラミック材で製造されている。ころ13は、円筒ころであって、外周面は円筒形状である。以下の説明では、ころ13の中心軸を転がり軸受10の中心軸mと区別して「中心軸n」とする。ころ13の両端に、それぞれ中心軸nと直交する向きの端面が形成されている。
転がり軸受10は、外輪11と内輪12がそれぞれの中心軸を一致させて組み合わされ、複数のころ13が、それぞれ中心軸nを転がり軸受10の中心軸mの方向に向けて、第1内側軌道面16a及び第2内側軌道面16bに沿って配置されている。各列のころ13は、後述する保持器14によって周方向に等しい間隔で保持されている。
ころ13の中心軸nの方向の両端面間の寸法は、内輪12に形成されたつば17aと17bの内幅及び17cと17dの内幅よりわずかに小さい。このため各内側軌道面16a,16bに配置されたころ13は、転がり軸受10の回転時につば17a、17b、17c、17dで案内されて、各軌道面15a,15b,16a、16bに沿って周方向に転動することができる。
図2及び図3によって、保持器14について説明する。
図2は、保持器14の斜視図である。図1の転がり軸受10では、同一形状の二つの保持器14、14が、互いに軸方向で逆向きに組み込まれており、図2は、軸方向他方側に組み込まれた保持器14を、図1と同じ向きで示している。以下、軸方向他方側の保持器14を例にして詳細に説明し、軸方向一方側に組み込まれている保持器14については説明を省略する。図2においても図1と同様に、図の左方を軸方向一方側といい右方を軸方向他方側という。
図3は、図2の保持器14において、つの21の軸方向中央を通って、中心軸pと直交する向きの断面図である。図3では、本発明にかかる補強部(リブ32等をいう)が形成されたつの21を含む周方向の一部分の形態を示している。また、保持器14が転がり軸受10に組み込まれたときのころ13の位置を二点鎖線で示している。
図2に示すように、保持器14は、中心軸pを中心とする環状であって、環状体22と、複数のつの21が一体に形成されている。保持器14は、ガラス繊維や炭素繊維を10〜30重量%程度含有するポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性の合成樹脂を金型内で射出成形することによって製造されている。
環状体22は円板状であって、中心軸pを含む軸方向断面の形状は略長方形である。環状体22の外周面23と内周面24は、それぞれ中心軸pを中心とする円筒面である。軸方向両側の側面25a,25bは、それぞれ中心軸pと直交する向きに延在しており、互いに平行な面となっている。
複数のつの21は、環状体22の軸方向他方の側面25bから軸方向他方に向けて突出しており、互いに周方向に等しい間隔で配置されている。
つの21の外周面27は、中心軸pを中心とする円筒形状であって、環状体22の外周面23とつながって単一の円筒面となっている。つの21の内周面28は、環状体22の内周面24の軸方向他方側の端部とつながっており、中心軸pを中心とする円錐面で形成されて、環状体22から離れるにしたがって内径が拡大する向きに傾斜している。
図3に示すように、各つの21の周方向両側にころ案内面29、29が形成されている。各ころ案内面29は、ころ13の外周面に沿って湾曲した曲面である。図3において、ころ13の中心軸nを中心とするころ案内面29の曲率半径は、ころ13の外周面の曲率半径よりわずかに大きい。
互いに隣接するつの21とつの21とで周方向に挟まれた空間を「ポケット30」という。転がり軸受10では、二列の外側軌道面15a、15bと二列の内側軌道面16a、16bとの間に配置された複数のころ13が、その中心軸nを保持器14の中心軸pと平行に向けて、各ポケット30に一つずつ組み込まれている。言い換えれば、各つの21が、互いに周方向に隣り合うころ13ところ13との間に向けて軸方向に突出している。ころ案内面29は、ころ13の中心より径方向外方に寄った位置で、ころ13の外周面とわずかなすき間をもって対向している。これにより保持器14は、ころ13に案内されて径方向に位置決めされており、中心軸pと転がり軸受10の中心軸mとが一致するように組込まれている。
転がり軸受10は、複数のころ13を介して、外輪11と内輪12とがそれぞれの中心軸を互いに一致させて組み合わされている。ころ13は、外側軌道面15a,15bと内側軌道面16a,16bとの間で転動自在であり、外輪11と内輪12が相対的に回転すると、ころ13は中心軸mの周りで公転する。保持器14は、各つの21が、互いに周方向に隣り合うころ13ところ13との間に向けて突出しているので、ころ13が公転すると、保持器14は、ころ13とともに中心軸mの周りで回転する。
図2を参照する。図2では、周方向に互いに等しい距離だけ離れた三つのつの21の位置をそれぞれA,B,Cと表示している。第1実施形態の保持器14では、A,B,Cの位置において、射出成形にともなってウエルド部が形成されており、保持器14の内周側に補強部としてのリブ32が形成されている。
図4によってウエルド部について説明する。図4は、保持器14を成形する金型41の構造を説明するための模式図である。
金型41は、溶融した樹脂材料が充填されて保持器14が成形される空間(以下、キャビティ42という)と、キャビティ42に向けて溶融した樹脂材料が流動する1本のスプルー43及び三本のランナー44を備えている。スプルー43は、金型41の中心に設けられた円筒形状の通路で、保持器14を成形するための溶融した樹脂材料が供給される通路である。スプルー43内の樹脂材料は、3つのランナー44に分岐して流動し、各ランナー44の端部に設けられた射出口45からキャビティ42内に射出される。
図4に示すように、三カ所の射出口45を、それぞれ第1射出口45a、第2射出口45b、第3射出口45cとする。各射出口45a,45b,45cは、周方向に等間隔に設けられている。射出口45からキャビティ42内に射出された樹脂材料は、それぞれ互いに周方向の反対向きにキャビティ42の中を流動する。第1射出口45aから射出された樹脂材料は、矢印1aと矢印1bの向きに分かれて流動する。第2射出口45b及び第3射出口45cにおいても同様に、樹脂材料が、矢印2aと矢印2b、矢印3aと矢印3bで示す向きにそれぞれ分かれて流動する。
矢印1aの向きに流動する樹脂材料と矢印3bの向きに流動する樹脂材料は、第1射出口45aと第3射出口45cとの中央の位置で当接する。同様に、矢印2aの向きに流動する樹脂材料と矢印1bの向きに流動する樹脂材料は、第1射出口45aと第2射出口45bの中央の位置で当接し、矢印3aの向きに流動する樹脂材料と矢印2bの向きに流動する樹脂材料は、第2射出口45bと第3射出口45cの中央の位置で当接する。このように、射出成形においては、スプルー43から供給された樹脂材料が分岐して、複数の射出口(45a等)からキャビティ42に流入しており、この溶融した樹脂材料が再びキャビティ42内で当接する部分をウエルド部という。ウエルド部では、樹脂の流れの向きが不規則となるため、その他の部位に比較して強度が低下する。
第1実施形態の保持器14は、27個のつの21を有している。図4では、図の上部におけるつの21の配置のみを例示し、その他のつの21の表示を省略している。金型41では、図2におけるAの部分が、第1射出口45aと第3射出口45cとの中央に配置され、Bの部分が、第1射出口45aと第2射出口45bとの中央に配置され、Cの部分が、第2射出口45bと第3射出口45cとの中央に配置されている。この状態で各射出口45a,45b,45cから同時に樹脂材料が射出されると、図2の保持器14では、A、B,Cの位置にウエルド部が形成される。
次に、第1実施形態の保持器14に形成されたリブ32(補強部)の形態について説明する。A、B、Cのそれぞれの位置におけるリブ32の形態は互いに同等である。このため、Aの位置に形成されたリブ32の形態について詳細に説明して、その他の位置にあるリブ32の説明を省略する。
図5は、Aの位置において保持器14の内周側に形成されたリブ32の形態を示す斜視図である。リブ32は、Aの位置に形成されたつの21の周方向の中央の位置で、環状体22の内周面24の軸方向一方の端部からつの21の内周面28の軸方向他方の端部にかけて軸方向に延在するとともに、環状体22の内周面24及びつの21の内周面28から径方向内方に突出している。
また、図3に示すように、中心軸pと直交する向きの断面では、リブ32の表面形状は、軸方向の全域において径方向内方に凸の円弧形状となっている。リブ32は、軸方向一方から軸方向他方に向かうにしたがって、つの21の内周面28から径方向内方に向けて突出する高さhiが減少するとともに、周方向の寸法wiが減少している。すなわち、リブ32は、環状体22から軸方向に離れるにしたがって中心軸pと直交する向きの断面の大きさが減少している。なお、リブ32の内径寸法の最小値は、第2つば17bの外径寸法より大きい。
図3及び図4を参照しつつ、リブ32の効果について説明する。
転がり軸受10が高速で回転すると、保持器14は、遠心力やころ13の進み遅れによってつの21を付勢する力、その他の外力によって振動し、変形する。通常、保持器14の全体の形状は、自由状態では円形である。このため、例えば、保持器14が外力によって楕円形に変形すると、保持器14には中心軸pに直交する平面内で曲げモーメントが作用し、保持器14の内周及び外周に引張応力や圧縮応力が生じる。この応力が過大でかつ繰り返し作用すると、保持器14が破損する恐れがある。
Aの位置では、図4の矢印1aの向きに流動した樹脂材料と矢印3bの向きに流動した樹脂材料とが当接してウエルド部が形成され、その樹脂材料の当接面は、おおむねつの21の周方向中央において、中心軸pを含む平面状に形成される。図3では、ウエルド部を破線Qで示している。保持器14の内周側では、ウエルド部は軸方向に延在する線状に露出している。
リブ32は、Aの位置に形成されたつの21の周方向の中央の位置で、軸方向に延在しており、ウエルド部に沿って形成されている。
矢印1aの向きに流動した樹脂材料と矢印3bの向きに流動した樹脂材料とが当接する部分の面積をウエルド部の面積Sとすると、ウエルド部の面積Sは、中心軸pを含みつの21の周方向中央を通る断面の面積にほぼ等しい。
第1実施形態の保持器14ではリブ32が形成されているため、Aの位置でのウエルド部の面積Sは、リブ32が形成されていないときの面積に比べて増大している。このため、転がり軸受10が回転して保持器14が変形するときの応力を低減することができる。
また、リブ32は、環状体22から軸方向に離れるにしたがって中心軸pと直交する向きの断面の大きさが減少している。これによって、つの21は、軸方向の先端に近づくにしたがって質量を低減することができる。このため、保持器14が高速で回転したときに、つの21の先端部に作用する遠心力を低減できるので、つの21の径方向外方に向かう変位を防止して、保持器14に生じる応力を低減することができる。
こうして、第1実施形態の転がり軸受10は、樹脂製の保持器14におけるウエルド部の面積Sを増大して、内部応力を低減できるので、高速で回転したときに保持器14の破損を低減することができる。
次に、図6によって、保持器14の第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態の保持器14に形成されたリブ32a(補強部)についての図5と同様の斜視図である。リブ32aは、第1実施形態のリブ32と比較して軸方向長さを縮小した点に特徴がある。
リブ32aは、Aの位置に形成されたつの21の周方向の中央の位置で、環状体22の内周面24の軸方向一方の端部からつの21の内周面28の一部にかけて軸方向に延在している。中心軸pと直交する向きの断面の形状は、第1実施形態のリブ32と同様で、径方向内方に凸の円弧形状である。
リブ32aは、環状体22から軸方向に離れるにしたがって、中心軸pと直交する向きの断面の大きさが減少している。
更に、つの21の内周面28において、リブ32aは、軸方向一方側(環状体22に近い側)に形成されているに過ぎず、軸方向他方側(つの21の先端に近い側)には形成されていない。このため、第1実施形態の保持器14に比べて、つの21の先端に近づくにしたがって質量を更に低減することができるので、つの21の先端部に作用する遠心力を更に低減できる。
こうして、つの21の径方向外方に向かう変位を抑制して、環状体22に生じる応力を更に低減することができる。
第2実施形態では、リブ32aが、環状体22の内周面24の軸方向一方の端部からつの21の内周面28の一部にかけて延在していることにより、次の利点がある。
先に述べたように、転がり軸受10が高速で回転するときに保持器14が変形して、保持器14の内周及び外周に曲げ応力が生じる。このとき、保持器14に生じる応力は、つの21の先端部では比較的小さく、環状体22の内周部及び外周部で大きくなる。
このため、第2実施形態の保持器14では、リブ32aを環状体22の内周に形成することによって、応力が大きい環状体22においてウエルド部の面積Sを増大しているので、保持器14が変形したときの応力を効果的に低減することができる。
また、第2実施形態のリブ32aは、環状体22の内周のみに形成されるものではなく、環状体22からつの21にかけて軸方向に延在する点に特徴がある。
仮に、環状体22の内周のみにリブ32を形成した場合には、環状体22とつの21との境界部において、保持器14の内周の形状が大きく変化するので、応力集中が生じることによって、かえって強度が低下する恐れがある。
これに対し、第2実施形態の保持器14では、リブ32aが、環状体22からつの21にかけて軸方向になめらかに延在することによって、応力集中を抑制し、保持器14に生じる応力を低減している。
こうして、第2実施形態の保持器14は、転がり軸受10が高速で回転したときに、保持器14の破損を更に確実に低減することができる。
なお、つの21の内周面28に沿って延在するリブ32aの軸方向長さは、転がり軸受10の使用条件や保持器14の材質等によって適宜選択することができる。
次に、図7によって、保持器14の第3実施形態について説明する。
図7は、第3実施形態の保持器14に形成されたリブ32b(補強部)の形態を示す斜視図である。リブ32bは、第1実施形態のリブ32が保持器14の内周側に形成されていたのに対し、外周側に形成されている点が異なっている。
リブ32bは、図2におけるAの位置に形成されたつの21の周方向の中央の位置で、環状体22の外周面23の軸方向一方の端部からつの21の外周面27の軸方向他方の端部にかけて軸方向に延在するとともに、環状体22の外周面23及びつの21の外周面27から径方向外方に突出している。
また、図示を省略するが、中心軸pと直交する向きの断面では、リブ32bの表面形状は、軸方向の全域において径方向外方に凸の円弧形状となっている。リブ32bは、第1実施形態と同様に、環状体22から軸方向に離れるにしたがって中心軸pと直交する向きの断面の大きさが減少している。なお、リブ32bの外径寸法の最大値は、外輪11の内径寸法より小さい。
Aの位置では、ウエルド部は、おおむねつの21の周方向中央において、中心軸pを含む平面状に形成されている。保持器14の外周においても、ウエルド部は軸方向に延在する線状に露出しており、第3実施形態のリブ32bは、ウエルド部に沿って形成されている。
このため、第3実施形態の保持器14においても、Aの位置でのウエルド部の面積Sは、リブ32bが形成されていないときの面積に比べて増大している。このため、転がり軸受10が高速で回転して、保持器14が変形したときの応力を低減することができる。
また、リブ32bは、環状体22から軸方向に離れるにしたがって中心軸pと直交する向きの断面の大きさが減少している。このため、保持器14が高速で回転したときに、つの21の先端部に作用する遠心力を低減できるので、つの21の径方向外方に向かう変位を抑制して、保持器14に生じる応力を低減することができる。
次に、図8によって、保持器14の第4実施形態について説明する。
図8は、第4実施形態の保持器14に形成されたリブ32c(補強部)についての図7と同様の斜視図である。リブ32cは、第3実施形態のリブ32bと比較して軸方向長さを縮小した点が異なっている。
リブ32cは、Aの位置に形成されたつの21の周方向の中央の位置で、環状体22の外周面23の軸方向一方の端部からつの21の外周面27の一部にかけて軸方向に延在している。中心軸pと直交する向きの断面の形状は、径方向外方に凸の円弧形状である。
また、リブ32cは、環状体22から軸方向に離れるにしたがって、中心軸pと直交する向きの断面の大きさが減少している。更に、リブ32cは、つの21の外周面27の軸方向他方側(つの21の先端に近い側)に形成されていないので、つの21の先端部の質量を低減して、つの21の先端部に作用する遠心力を更に低減できる。こうして、つの21の径方向外方に向かう変位を防止して、環状体22に生じる応力を低減することができる。
更に、第4実施形態では、リブ32cが、環状体22の外周面23の軸方向一方の端部からつの21の外周面27の一部にかけて軸方向に延在している。こうして、応力が大きい環状体22においてウエルド部の面積Sを増大しているので、保持器14が変形したときの応力を効果的に低減することができる。あわせて、リブ32cが、環状体22からつの21にかけてなめらかに延在することによって、応力集中を抑制し、保持器14に生じる応力を低減することができる。
こうして、第4実施形態の保持器14は、転がり軸受10が高速で回転したときに、保持器14の破損を更に確実に低減することができる。
なお、保持器14の外周側においても、リブ32cの軸方向長さは、転がり軸受10の使用条件や保持器14の材質等によって適宜選択することができる。
上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。例えば、上記の説明では、保持器14の内周及び外周のいずれか一方にリブ32,32a,32b,32c(リブ32等)が形成されている場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、内周及び外周に同時にリブ32等が形成されていてもよい。両方に形成することによってウエルド部の面積Sが更に増大するので、保持器14に生じる応力が更に低減し、保持器14の破損を更に確実に防止することができる。
また、射出成形における射出口45の数が3の場合を例に説明したが、射出口45の数が1以上の任意の数の場合に適用できる。例えば、射出口45の数が1のときは保持器14には一つのウエルド部が形成されるので、保持器14の内周及び/又は外周に当該ウエルド部に沿ってリブ32等を形成すればよい。
10:転がり軸受、11:外輪、12:内輪、13:ころ、14:保持器、15:外側軌道面、16a:第1内側軌道面、16b:第2内側軌道面、17a:第1つば、17b:第2つば、17c:第3つば、21:つの、22:環状体、23:外周面(環状体)、24:内周面(環状体)、25a:側面(環状体)、25b:側面(環状体)、27:外周面(つの)、28:内周面(つの)、29:ころ案内面、30:ポケット、32:リブ(第1実施形態)、32a:リブ(第2実施形態)、32b:リブ(第3実施形態)、32c:リブ(第4実施形態)、41:金型、42:キャビティ、43:スプルー、44:ランナー、45:射出口、45a:第1射出口、45b:第2射出口、45c:第3射出口

Claims (2)

  1. 外周に内側軌道面を有する内輪と、
    内周に外側軌道面を有する外輪と、
    前記内側軌道面と前記外側軌道面との間に転動可能に配置される複数のころと、
    前記ころを前記各軌道面に沿って所定の間隔で保持する樹脂製の保持器と、を有し、
    前記保持器は、前記複数のころに沿って配置される環状体と、前記環状体から互いに隣り合う前記ころの間に向けて軸方向に突出する複数のつのを有する転がり軸受であって、
    前記保持器は、前記複数のつののうち少なくとも一のつのの位置にウエルド部を有しており、
    前記環状体は、周方向の前記ウエルド部を有するつのの位置で、外周面及び内周面のうち少なくともいずれか一方に径方向に突出する補強部を有し、前記補強部は前記環状体から前記つのにかけて軸方向に延在していることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記補強部は、前記環状体から軸方向に離れるにしたがって、保持器の中心軸と直交する向きの断面の大きさが減少することを特徴とする請求項1に記載する転がり軸受。
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