JP2021095848A - スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の製造方法 - Google Patents

スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定スクロールの変形を抑えるとともに気密を確保することにより、性能、品質に優れたスクロール圧縮機を提供する。【解決手段】第1渦巻体312を有する固定スクロール31と、第1渦巻体312と互いに噛み合わせられることにより圧縮室400を形成する第2渦巻体322を有する揺動スクロール32と、固定スクロール31、揺動スクロール32を内側に収容するシェル1を備えたスクロール圧縮機であって、固定スクロール31の第1基板311の外周面3111とシェル1の第1内壁面111を溶接により固定する。【選択図】図10

Description

本願はスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の製造方法に関するものである。
例えば特許文献1には、回転軸と、回転軸を軸支する軸受を有する回転機構を備え、シェル内面と軸受の対抗する面を対向させ、対面部分の少なくとも一部に、シェル内面に沿うようにレーザ光を照射してシェルと内部部品をレーザ溶接する工程を備えたスクロール圧縮機の製造方法が記載されている。
又特許文献2には、フレームには、その上部に固定スクロールの台板を固定配置する円環部と、その外周部に段付部と、その内側に位置決め部位とが設けられているスクロール圧縮機が開示されている。
特開2007−291972号公報 特許第2712777号
上記特許文献2のスクロール圧縮機では、固定スクロールの外周に、軸方向に伸びる円環を形成し、円環の先端で固定スクロールとフレームをボルトにより固定している。固定スクロールおよび揺動スクロールからなる圧縮機構を円環の内側で構成する必要があるため、揺動スクロールの外径サイズが制約され、圧縮機の出力が抑制されてしまうという課題があった。
この課題に対して、フレームに固定するための周壁を固定スクロールから削除するために、固定スクロールをシェルに固定する構造が考えられる。この構造では、固定スクロールをフレームにボルトによって固定する従来の固定方法と同等の固定強度が求められる。そこで固定スクロールをシェルに焼嵌め、スポット溶接、更にはシェル外側から溶接等により固定することが考えられるが、これらの固定方法では、固定工程による応力で固定スクロールが歪んで、固定スクロールの渦巻体が変形したり、更には固定部から気体の漏れが発生して圧縮の効率が低下するという問題がある。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、固定スクロールの変形を抑えるとともに気密を確保することにより、性能、品質に優れたスクロール圧縮機を提供することを目的としている。
本願に開示されるスクロール圧縮機は、第1基板に設けられた第1渦巻体を有する固定スクロールと、前記第1渦巻体と互いに噛み合わせられることにより圧縮室を形成する第2渦巻体を有する揺動スクロールと、前記固定スクロール、前記揺動スクロールを内側に収容するシェルを備えたものであって、前記固定スクロールの前記第1基板の外周面と前記シェルの内周面との接触部に溶接部を設けたものである。
又本願に開示される別のスクロール圧縮機は、第1基板に設けられた第1渦巻体を有する固定スクロールと、前記第1渦巻体と互いに噛み合わせられることにより圧縮室を形成する第2渦巻体を有する揺動スクロールと、前記固定スクロール、前記揺動スクロールを内側に収容するシェルを備えたものであって、前記固定スクロールの前記第1基板に保持されると共に前記固定スクロールの前記第1基板と前記シェルとの間に介在する仲介リングを設け、前記仲介リングの外周面と前記シェルの内周面との接触部に溶接部を設けたものである。
本願に開示されるスクロール圧縮機の製造方法は、シェルの一端側から固定スクロールを挿入する工程と、前記固定スクロールの前記第1基板の外周面と前記シェルの内周面とを接触させる工程と、前記固定スクロールの前記第1基板の外周面と前記シェルの内周面を溶接固定する工程とを有するものである。
又本願に開示される別のスクロール圧縮機の製造方法は、固定スクロールと仲介リングとを組立、固定する工程と、シェルの一端側から前記仲介リングが装着された前記固定スクロールを挿入する工程と、前記シェルの内周面と前記仲介リングの外周面とを接触させる工程と、前記シェルの内周面と前記仲介リングの外周面を溶接固定する工程とを有するものである。
本願に開示されるスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の製造方法によれば、固定スクロールの変形を抑えるとともに気密を確保することにより、性能、品質に優れたスクロール圧縮機を得ることができる。
実施の形態1によるスクロール圧縮機を示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機を示す断面図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のメインシェル部分を示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のメインフレームを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の固定スクロールを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の揺動スクロールを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の揺動スクロールを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のオルダムリングを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のクランクシャフトを示す斜視図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機のブッシュを示す斜視図である。 図2における点線Pで囲まれた領域の拡大図である。 図10におけるA部拡大図である。 図10におけるB部拡大図である。 実施の形態1によるスクロール圧縮機の製造工程を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る仲介リングを示す斜視図である。 実施の形態2に係るスクロール圧縮機の概略断面図である。 図15の点線Qで囲まれた領域を示す拡大図である。 実施の形態2によるスクロール圧縮機の製造工程を示すフローチャートである。 実施の形態3に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図である。 実施の形態3に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図である。 実施の形態3に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図である。 実施の形態4に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図である。 実施の形態4に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図である。 実施の形態5に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図である。
実施の形態1.
本実施形態は、空調機、冷凍機等に利用されるスクロール圧縮機に関するものであり、特に構成部品のひとつである固定スクロールのひずみを小さくするための固定構造及び固定工法に関するものである。
以下、実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は実施の形態1によるスクロール圧縮機を示す斜視図、図2はスクロール圧縮機を示す断面図、図3はメインシェル部分を示す斜視図、図4はメインフレームを示す斜視図、図5は固定スクロールを示す斜視図、図6A、図6Bは揺動スクロールを示す斜視図、図7はオルダムリングを示す斜視図、図8はクランクシャフトを示す斜視図、図9はブッシュを示す斜視図、図10は図2における点線Pで囲まれた領域の拡大図である。なお、図1に示すスクロール圧縮機はクランクシャフトの中心軸が地面に対して略垂直の状態で使用される、いわゆる縦型のスクロール圧縮機である。
スクロール圧縮機は、シェル1と、メインフレーム2と、圧縮機構部3と、駆動機構部4と、サブフレーム5と、クランクシャフト6と、ブッシュ7と、給電部8とを備えている。以下では、メインフレーム2を基準として、圧縮機構部3が設けられている側を一端側(上側)、駆動機構部4が設けられている側を他端側(下側)と方向づけて説明する。
シェル1は、金属からなる両端が閉塞された筐体であり、メインシェル11と、アッパーシェル12と、ロアシェル13を備えている。メインシェル11は、円筒状をなし、その側壁に吸入管14が溶接等により接続されている。吸入管14は、冷媒をシェル1内に導入する管であり、メインシェル11内と連通している。
アッパーシェル12は、略半球状に形成されており、その側壁の一部がメインシェル11の上端部において溶接等により接続され、メインシェル11の上側の開口を覆っている。アッパーシェル12の上部には、吐出管15が溶接等により接続されている。吐出管15は、冷媒をシェル1外に吐出する管であり、メインシェル11の内部空間と連通している。ロアシェル13は、略半球状に形成されており、その側壁の一部がメインシェル11の下端部において溶接等により接続され、メインシェル11の下側の開口を覆っている。なおシェル1は、複数のネジ穴16Aを備える固定台16によって支持されている。固定台16には、複数のネジ穴16Aが形成されており、それらのネジ穴16Aにネジをねじ込むことによって、スクロール圧縮機を室外機の筐体等の他の部材に固定可能になっている。
図4に示すように、メインフレーム2は、例えば鋳鉄等の金属からなり、空洞が形成された中空形状のフレームである。そしてメインフレーム2は、シェル1の内部に設けられている。メインフレーム2は、本体部21と、主軸受部22と、返油管23を備えている。本体部21は、メインシェル11の一端側(上側)の内壁面に固定されており、その中央にはシェル1の長手方向に沿って収容空間211が形成されている。収容空間211は、一端側(上側)が開口しているとともに、他端側(下側)に向かって空間が狭くなる段差状になっている。本体部21の一端側(上側)には、収容空間211を囲むように環状の平坦面212が形成されている。平坦面212には、バルブ鋼などの鋼板系材料からなるリング状のスラストプレート24(図10参照)が配置されている。よって、本実施の形態では、スラストプレート24がスラスト軸受として機能する。
なおスラストプレート24がスラスト軸受として機能するため、回転を抑制する回り止めが必要になる。ここでは図示しないが、例えばメインフレーム2の平坦面212に、スラストプレート24の厚みよりも薄い突起を設け、スラストプレート24の回転を抑制することが考えられる。又メインフレーム2に溝、スラストプレート24に突起を形成し、両部品を嵌合させる構造も考えられる。メインフレーム2の平坦面212の外端側であって、スラストプレート24と重ならない位置には、吸入ポート213が形成されている。吸入ポート213は、本体部21の上下方向、すなわちアッパーシェル12側とロアシェル13側を貫通する空間である。図4において、吸入ポート213を2箇所、返油管23を2本設けている例を示しているが、数はこれに限定するものではない。また吸入ポート213を切欠きで構成しているが、貫通孔形状であってもよい。
メインフレーム2の平坦面212よりも他端側(下側)の段差部分には、オルダム収容部214が形成されている。オルダム収容部214には、第1オルダム溝215が形成されている。第1オルダム溝215は、外端側の一部が平坦面212の内端側を削るように形成されている。そのためメインフレーム2を一端側(上側)から見たときに、第1オルダム溝215の一部は、スラストプレート24と重なる。一対の2つの第1オルダム溝215は、それぞれが対向するように形成されている。主軸受部22は、本体部21の他端側(下側)に連続して形成され、その内部には軸孔221が形成されている。軸孔221は主軸受部22の上下方向を貫通し、その一端側(上側)が収容空間211と連通している。返油管23は、収容空間211に溜まった潤滑油をロアシェル13の内側に設けられた油溜めに戻すための管であり、メインフレーム2に内外に貫通して形成された排油孔に挿入固定されている。
潤滑油は、例えばエステル系合成油を含む冷凍機油である。潤滑油はシェル1の下部、すなわちロアシェル13に貯留されており、オイルポンプ52で吸い上げられて、クランクシャフト6内の通油路63を通って送られ、圧縮機構部3等の機械的に接触する部品同士の摩耗を低減し、摺動部の温度を調節し、更にはシール性を改善する。潤滑油としては、潤滑特性、電気絶縁性、安定性、冷媒溶解性、低温流動性などに優れるとともに、適度な粘度の油が好適である。
圧縮機構部3は、冷媒を圧縮する圧縮機構である。圧縮機構部3は、固定スクロール31と、揺動スクロール32を備えたスクロール圧縮機構である。図5は固定スクロールを示す斜視図であり、下側から見た斜視図である。固定スクロール31は、鋳鉄等の金属からなり、第1基板311と、第1渦巻体312を備えている。第1基板311は円板状をなしており、その中央には上下方向に貫通して吐出ポート313が形成されている。第1渦巻体312は、第1基板311の他端側(下側)の面から突出して渦巻状の壁を形成しており、その先端は他端側(下側)に突出している。
図6A、図6Bは揺動スクロールを示す斜視図であり、図6Aは揺動スクロールを上側から見た図、図6Bは揺動スクロールを下側から見た図である。揺動スクロール32は、アルミニウム等の金属からなり、第2基板321と、第2渦巻体322と、筒状部323と、第2オルダム溝324を備えている。第2基板321は、第2渦巻体322が形成された一方の面と、外周領域の少なくとも一部が摺動面3211となる他方の面と、径方向の最外部に位置し、一方の面と他方の面とを接続する側面3212を備えた円板状をなし、その摺動面3211がスラストプレート24に摺動可能に、メインフレーム2に支持(支承)されている。第2渦巻体322は、第2基板321の一方の面から突出して渦巻状の壁を形成しており、その先端は一端側(上側)に突出している。
なお固定スクロール31の第1渦巻体312と、揺動スクロール32の第2渦巻体322の先端部には、冷媒の漏れを抑制するためのシール部材(図示せず)が設けられている。筒状部323は、第2基板321の他方の面(下面)の略中央から他端側(下側)に突出して形成された円筒状のボスである。筒状部323の内周面には、後述するスライダ71を回転自在に支持する揺動軸受、いわゆるジャーナル軸受が、その中心軸がクランクシャフト6の中心軸と平行になるように設けられている。第2オルダム溝324は、第2基板321の他方の面(下面)に形成された長方形状であり、かつ端部が円弧状に形成された溝である。2つの第2オルダム溝324は、一対が対向するように設けられている。一対の第2オルダム溝324を結ぶ線は、一対の第1オルダム溝215を結ぶ線に対して、直交するように設けられている。
メインフレーム2のオルダム収容部214には、オルダムリング33が設けられている。図7に示すように、オルダムリング33は、リング部331と、第1キー部332と、第2キー部333とを備えている。2つの第1キー部332は、リング部331の他端側(下側)の面に一対が対向するように形成されており、メインフレーム2の一対の第1オルダム溝215に収容される。2つの第2キー部333は、リング部331の一端側(上側)の面に一対が対向するように形成されており、揺動スクロール32の一対の第2オルダム溝324に収容される。クランクシャフト6の回転によって揺動スクロール32が公転旋回する際に、第1キー部332は第1オルダム溝215内でスライドし、第2キー部333は第2オルダム溝324内でスライドすることにより、オルダムリング33は、揺動スクロール32が自転することを防止する。
これら固定スクロール31の第1渦巻体312と、揺動スクロール32の第2渦巻体322を互いに噛み合わせることにより圧縮室400が形成される。圧縮室400は半径方向において、外側から内側へ向かうに従って容積が縮小するものであるため、冷媒を渦巻体の外端側から取り入れて、中央側に移動させることで徐々に圧縮される。図2に示すように、圧縮室400は、固定スクロール31の中央部において、吐出ポート313と連通する。固定スクロール31の一端側(上側)の面には、吐出孔351を有するマフラー35が設けられているとともに、吐出孔351を所定の場合に開閉し、冷媒の逆流を防止する吐出弁36が設けられている。
冷媒は、例えば組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、炭素の二重結合を有しないハロゲン化炭化水素、炭化水素、又はそれらを含む混合物からなる。炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素としては、オゾン層破壊係数がゼロであるHFC冷媒、フロン系低GWP冷媒であり、化学式がC3H2F4で表されるHFO1234yf、HFO1234ze、HFO1243zf等のテトラフルオロプロペンが例として挙げられる。炭素の二重結合を有しないハロゲン化炭化水素としては、CH2F2で表されるR32(ジフルオロメタン)、R41等が混合された冷媒が例として挙げられる。炭化水素としては、自然冷媒であるプロパンまたはプロピレン等が例として挙げられる。混合物としては、HFO1234yf、HFO1234ze、HFO1243zf等に、R32、R41等を混合した混合冷媒が例として挙げられる。
駆動機構部4は、シェル1内部のメインフレーム2の他端側(下側)に設けられている。駆動機構部4はステータ41と、ロータ42を備えている。ステータ41は例えば電磁鋼板を複数積層してなる鉄心に、絶縁層を介して巻線を巻回して形成されており、リング状に形成されている。ステータ41は焼き嵌め等によりメインシェル11の内部に固着支持されている。ロータ42は電磁鋼板を複数積層してなる鉄心の内部に永久磁石を内蔵するとともに、中央に上下方向に貫通する貫通穴を有する円筒状のものであり、ステータ41の内部空間に配置されている。
サブフレーム5は例えば鋳鉄等の金属からなるフレームであり、シェル1内部の駆動機構部4の他端側(下側)に設けられている。サブフレーム5は、焼き嵌め、または溶接等によってメインシェル11の他端側(下側)の内周面に固着支持されている。サブフレーム5は、副軸受部51とオイルポンプ52を備えている。副軸受部51はサブフレーム5の中央部上側に設けられたボールベアリングであり、中央に上下方向に貫通する孔を有している。オイルポンプ52はサブフレーム5の中央部下側に設けられており、シェル1の油溜めに貯留された潤滑油に少なくとも一部が浸漬するように配置されている。なお、図2において副軸受部51としてボールベアリングを用いた場合を示しているが、これが例えばジャーナル軸受であってもよい。
図8に示すように、クランクシャフト6は、長尺状に形成された金属製の棒状部材であり、シェル1の内部に設けられている。クランクシャフト6は、主軸部61と、偏心軸部62と、通油路63とを備えている。主軸部61は、クランクシャフト6の主要部を構成する軸であり、その中心軸がメインシェル11の中心軸と一致するように配置されている。主軸部61は、その外表面にはロータ42が接触固定されている。偏心軸部62は、その中心軸が主軸部61の中心軸に対して偏心するように主軸部61の一端側(上側)に設けられている。通油路63は主軸部61および偏心軸部62の内部に上下に貫通して設けられている。このクランクシャフト6は、主軸部61の一端側(上側)がメインフレーム2の主軸受部22内に挿入され、他端側(下側)がサブフレーム5の副軸受部51に挿入固定される。これにより偏心軸部62は揺動スクロール32の筒状部323の筒内に配置される。又ロータ42はその外周面がステータ41の内周面と所定の隙間を保って配置される。また主軸部61の一端側(上側)には第1バランサ64、他端側(下側)には第2バランサ65が設けられ、揺動スクロール32の搖動によるアンバランスを相殺している。
図9に示すように、ブッシュ7は鉄等の金属からなり、揺動スクロール32とクランクシャフト6を接続する接続部材である。ブッシュ7は本実施形態では2つの部品で構成され、即ちスライダ71と、バランスウエイト72を備える。スライダ71は鍔71Aが形成された筒状の部材であり、クランクシャフト6の偏心軸部62および揺動スクロール32の筒状部323のそれぞれに嵌入されている。バランスウエイト72は、一端側(上側)から見た形状が略C形状を有するウエイト部721を備えたドーナツ状の部材であり、揺動スクロール32の遠心力を相殺するために、回転中心に対して偏芯して設けられている。バランスウエイト72は例えばスライダ71の鍔71Aに焼嵌め等の方法により嵌合されている。
なおブッシュ7については、例えば機械加工により、スライダ71とバランスウエイト72を一体で削りだした1部品として形成してもよい。
図1〜図3に示すように、給電部8はスクロール圧縮機に給電する給電部材であり、シェル1のメインシェル11の外周面に形成されている。給電部8はカバー81と、給電端子82と、配線83とを備えている。カバー81は、有底開口のカバー部材である。給電端子82は金属部材からなり、一方がカバー81の内部に設けられ、他方がシェル1の内部に設けられている。配線83は一方が給電端子82と接続され、他方がステータ41と接続されている。
次に、メインフレーム2、固定スクロール31をメインシェル11に保持する保持構造を図2〜図10を用いて説明する。メインシェル11とメインフレーム2、および圧縮機構部3の関係について、図2〜図10を用いて詳細に説明する。なお図10は図2の点線Pで囲まれた領域の拡大図である。ただし、説明を容易にするために形状を修正しており、現物と寸法関係が異なっている。又図11は図10におけるA部拡大図、図12はB部拡大図である。図2、図3、図10に示すように、メインシェル11は第1内壁面111(内周面)から径方向内側に突出する第1突出部112と、第1突出部112のアッパーシェル12の側(一端側)に向いた端面であって、固定スクロール31の第1基板311と接触して固定スクロール31の軸方向位置を決める第1位置決め面113を有している。
更にメインシェル11は第1突出部112の内壁面となる第2内壁面114と、第1突出部112からさらに径方向内側に突出する第2突出部115を有しており、第2突出部115のアッパーシェル12の側に向いた端面であって、メインフレーム2の本体部21と接触して、メインフレーム2の軸方向位置を決める第2位置決め面116が設けられ、更に第2突出部115の内壁面となる第3内壁面117を有している。即ち、メインシェル11は、他端側(下側)に向かって内径が小さくなる段状に形成されている。そして第1位置決め面113と第2位置決め面116は、クランクシャフト6の中心軸に対して略垂直な面であり、かつ両位置決め面の法線ベクトルが同一方向を向くように形成されている。第1位置決め面113と第1内壁面111が交差した角部、および第2位置決め面116と第2内壁面114が交差した角部には、それぞれ凹み1131及び凹み1161を設けている。これにより各位置決め面に固定スクロール31、メインフレーム2を確実に接触させることができる。
図4に示すように、メインフレーム2には、本体部21の外径から径方向に突出する突起216を複数個所に形成している。メインフレーム2の突起216の軸方向端面をメインシェル11に形成した第2位置決め面116に接触させることで、メインフレーム2の軸方向位置を決めている。さらにこの状態で、メインシェル11の第2内壁面114に圧入、焼嵌め等で固定することで、中心位置を決めている。この際突起216の設置範囲がメインフレーム2の全周でなく一部であるため、メインシェル11から受ける保持力を下げ、メインフレーム2の変形を抑えることができる。これにより高性能、高品質のスクロール圧縮機を得ることができる。なお保持力が足りない場合に、メインシェル11と突起216の接触面にさらにアークスポット溶接等を施してもよい。以上によりメインフレーム2を中心位置、軸方向高さ位置を決めた状態でメインシェル11に保持することができる。
なお突起216をメインフレーム2の平坦面212(揺動スクロール32の摺動面3211とスラストプレート24を介して設置する面)よりもロアシェル13側に形成している。これにより平坦面212が保持力を受けて変形することを抑制することができるため、機械的損失の少ない高性能のスクロール圧縮機を得ることができる。
次に図4において、メインフレーム2の突起216と1対の第1オルダム溝215の位置関係を説明する。1対の第1オルダム溝215の中心を結ぶ直線をオルダム中心軸X、オルダム中心軸Xと直交し、かつ1対の第1オルダム溝215との距離が等しくなる直線をオルダム対称軸Yとする。1対の第1オルダム溝215に、オルダムリング33の第1キー部332が挿入され、第1オルダム溝215に沿って摺動する。4つの突起216をオルダム中心軸X、およびオルダム対称軸Yに対して軸対称に配置することで、メインフレーム2が保持力を受ける際に、1対の第1オルダム溝215にも荷重が均等に負荷される。これにより1対の第1オルダム溝215に軸ずれ及び溝幅の相違が生じないため、オルダムリング33の摺動抵抗を下げた高効率のスクロール圧縮機を得ることができる。さらに図4に示すように、突起216をオルダム中心軸Xとオルダム対称軸Y上に配置すると、オルダム中心軸X上に負荷される荷重により、第1オルダム溝215の溝幅が広がり、オルダム対称軸Y上に負荷される荷重により第1オルダム溝215の溝幅が狭まるため、第1オルダム溝215の変形そのものを抑えることができるので、高性能のスクロール圧縮機を得ることができる。
図2、図10、図11に示すように、固定スクロール31の第1基板311の第1渦巻体312を形成する側の面を、メインシェル11に形成した第1位置決め面113に接触させることで、固定スクロール31の軸方向の位置を決めている。この状態で、メインシェル11の第1内壁面111に第1基板311の外周面3111を接触させるように嵌め合わせて中心位置を決める。さらにメインシェル11の第1内壁面111と第1基板311の外周面3111の対面部に対し、一端側(上側)から全周にわたってレーザを照射し、メインシェル11の第1内壁面111と第1基板311の外周面3111をレーザ溶接固定する。レーザはレーザ溶接機(本体は図示せず)のレーザ光発射部91から照射され、レーザ光発射部91からメインシェル11の第1内壁面111に対して、図10に示す光路92をとり、メインシェル11の第1内壁面111に内周に沿うように照射される。そして溶接部93により固定スクロール31がメインシェル11に固定されることとなる。以上により、固定スクロール31を中心位置、軸方向高さ位置を決めた状態で、メインシェル11に保持することができる。なお、本実施の形態においては、シェル1内部の高圧と低圧の分離機能は固定スクロール31により行われている。
次にスクロール圧縮機の動作について説明する。給電部8の給電端子82に通電すると、ステータ41とロータ42にトルクが発生し、これに伴ってクランクシャフト6が回転する。クランクシャフト6の回転は、偏心軸部62およびブッシュ7を介して揺動スクロール32に伝えられる。回転駆動力が伝達された揺動スクロール32は、オルダムリング33により自転を規制され、固定スクロール31に対して偏心しながら公転する。その際揺動スクロール32の他方の面が、スラストプレート24と摺動する。
揺動スクロール32の揺動運動に伴い、吸入管14からシェル1の内部に吸入された冷媒は、メインフレーム2の吸入ポート213を通って冷媒取込空間37に到達し、固定スクロール31と揺動スクロール32とで形成される圧縮室400に取り込まれる。そして冷媒は、揺動スクロール32の偏心公転運動に伴い、外周部から中心方向に移動しながら体積を減じられて圧縮される。揺動スクロール32の偏心公転運動時、揺動スクロール32は自身の遠心力によりブッシュ7と共に径方向に移動し、第2渦巻体322と第1渦巻体312の側壁面同士が密接する。圧縮された冷媒は、固定スクロール31の吐出ポート313から固定スクロール31の吐出孔351に至り、吐出弁36に逆らってシェル1の外部に吐出される。
次に本実施の形態のスクロール圧縮機の製造方法を説明する。
まず板状鋼材をロールあるいはプレスによって管状に成形後、継目を溶接で接続して鋼管とした溶接鋼管を製作し、これに吸入管14を溶接し、更に給電部8を取り付けて図3に示すようなメインシェル11を製作する。続いてメインシェル11の内壁面を厚み方向に所定の深さだけ切削加工することで、図10に示すように、第2内壁面114および第3内壁面117による段差を形成する。メインシェル11の厚みは、例えば4〜6mmであり、突出部の高さ、すなわち切削加工による削り深さは、例えば約0.5mmである。即ち第2突出部115からアッパーシェル12の方向に所定距離離れた内壁面を厚み方向に所定の深さだけ切削加工することで、第1内壁面111および第2内壁面114による段差を形成する。このため第1内壁面111の内径は、第2内壁面114の内径よりも大きくなる。また第1突出部112は、第2突出部115よりもアッパーシェル12の方向(一端側)に形成され、その内壁面は第2内壁面114となる。なお第1突出部112を形成した後で、第2突出部115を形成するようにしても良い。
続いて第1突出部112における第1内壁面111との接続部分(第1位置決め面113の第1内壁面111の側)、および第2突出部115における第2内壁面114との接続部分(第2位置決め面116の第2内壁面114の側)を加工することにより、ロアシェル13の方向(他端側)に凹んだ形状の凹み1131、1161をそれぞれ形成する。凹み1131、1161は切削加工によって接続部分に生じやすい曲面を除去する、いわゆるヌスミである。すなわち切削加工の結果、第1内壁面111と第1位置決め面113との接続部分が直角ではなく、円弧状に形成されることがある。当該部分に円弧状部分が形成されると、固定スクロール31を第1突出部112(第1位置決め面)に配置しても、第1位置決め面113に接触せずに浮いてしまい、位置決めの精度が悪くなる。これに対して凹み1131を形成することで、固定スクロール31が第1位置決め面113に確実に接触するため、位置決め精度を高めることができる。このことは第2内壁面114と第2位置決め面116との接続部分についても同様で、メインフレーム2の位置決め精度を高めることができる。
次に上記のように形成されたメインシェル11の一端側(上側)から、メインフレーム2を挿入する。メインフレーム2は第2突出部115の第2位置決め面116に面接触し、高さ方向の位置決めがされる。その状態でメインフレーム2の突起216を第2内壁面114に焼嵌め又はアークスポット溶接等により固定する。そしてメインフレーム2の軸孔221にクランクシャフト6を挿入したのち、偏心軸部62にブッシュ7を取り付け、さらにオルダムリング33及び揺動スクロール32等を配置する。次いでメインシェル11の一端側(上側)から固定スクロール31を挿入する。固定スクロール31は第1突出部112の第1位置決め面113に面接触し、高さ方向に位置決めされる。その状態で固定スクロール31の第1基板311の外周面3111と第1内壁面111の対面部をレーザで溶接する。レーザで溶接することにより他の溶接の比べ、下記のような特徴及び効果がある。即ちエネルギー密度が大きく局所入熱が可能となり、接合部以外への入熱が低減でき、品質、および性能を向上させることができる。更に真空状態にするなど、接合物を特定の環境下に置く必要がなくなるので、組立が容易になり、低いコストで生産することができる。なお溶接はアークスポット溶接等他の溶接方法でも良い。
最後にメインシェル11の一端側(上側)からアッパーシェル12を挿入したのち、メインシェル11とアッパーシェル12を溶接又はアークスポット溶接等により固定する。
以上のようなスクロール圧縮機の製造工程について図13に示すフローチャートに基づいて説明する。メインシェル11の一端側から固定スクロール31を挿入する(ステップS131)。次に固定スクロール31の第1基板311の側面とメインシェル11の内周面とを接触させる(ステップS132)。次に固定スクロール31の第1基板311の側面とメインシェル11の内周面を溶接固定する(ステップS133)。
以上のような製造方法により、メインフレーム2と固定スクロール31をネジ等で接続する方法と同等に、メインフレーム2、固定スクロール31および揺動スクロール32を組み立てながら、冷媒取込空間37を拡大することができる。またネジ等を使わないため、部品を削減し、かつ製造を容易化することができる。
以下に本実施の形態の効果について説明する。本実施の形態では、揺動スクロール32を摺動自在に保持するメインフレーム2と、揺動スクロール32とともに圧縮室400を形成する固定スクロール31と、メインフレーム2、固定スクロール31、揺動スクロール32を収容したメインシェル11を備えている。そしてメインシェル11は、第1内壁面111から径方向内側に突出する第1突出部112と、第1突出部112のアッパーシェル12の側(上側)に向いた端面であって、固定スクロール31の第1基板311と接触して固定スクロール31の軸方向位置を決める第1位置決め面113を有している。
更にメインシェル11は第1突出部112の内壁面となる第2内壁面114と、第1突出部112からさらに径方向内側に突出する第2突出部115を有している。そしてメインシェル11は第2突出部115のアッパーシェル12の側(上側)に向いた端面であって、メインフレーム2の突起216と接触して、メインフレーム2の軸方向位置を決める第2位置決め面116と、第2突出部115の内壁面となる第3内壁面117を有している。これによりメインシェル11の第1内壁面111に固定スクロール31の第1基板311の外周面3111をレーザ溶接で固定することで、ボルト等の締結部材を使用せずに固定スクロール31を保持することができる。従って組立が簡易になり、かつ部品点数が低減するため、スクロール圧縮機を低コストで生産することができる。
また、溶接による入熱量が多くなるため、溶接時に固定スクロール31が変形してしまうという問題があるが、本実施の形態においては、内周側から固定スクロール31を溶接するので、外側からシェルを貫通させる形で溶接する場合に比べ、入熱領域が少なくなる。従って接合強度を確保でき、更には固定スクロール31が変形することを抑制することができる。これにより、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。
また第1内壁面111に固定スクロール31をレーザ溶接することで、第1基板311の外周面3111を全周封止することができるため、Oリング等のシール材を使用することなく、シェル1内部を高圧空間と低圧空間に分けることができる。従ってスクロール圧縮機を低コストで生産することができ、さらにスクロール圧縮機の性能を向上させることができる。
また固定スクロール31は、第1内壁面111に固定されているため、揺動スクロール32の径方向の最外部に位置する側面3212とメインシェル11の内壁面とが対向し、メインフレーム2が第2基板321の側面3212とメインシェル11の内壁面との間に介在しない構造となる。従って上記特許文献2に示すように、固定スクロール31を固定するための周壁をメインフレーム2に形成することなく、固定スクロール31をシェル1内へ配置し、揺動スクロール32を配置することにより形成される冷媒取込空間37を拡大することができる。従って例えば固定スクロール31の第1渦巻体312と揺動スクロール32の第2渦巻体322を径方向に拡大することで、スクロール圧縮機の体格に対する吐出容量を増やすことができる。
また揺動スクロール32の拡大とともに、スラストプレート24の直径を大きくすることで、摺動面積を大きくし、スラスト荷重による単位面積あたりにかかる圧力を低減することが可能となる。これによりスクロール圧縮機の信頼性を向上することができる。即ち単位面積あたりにかかる圧力を低減することで、摺動によって受ける摩擦力を低減することができる。これにより、焼付による固着を抑制することができるため、スクロール圧縮機の信頼性を向上することができる。
またスラスト荷重を下げることで、環境負荷が低いが、スラスト軸受にかかる負担が大きくなる高圧冷媒(例えばR32など)を使用することが可能となり、スクロール圧縮機の環境負荷を低減させることができる。
またメインフレーム2に固定スクロール31を固定するための壁が必要なくなるため、メインフレーム2の加工時間を短縮化することができるとともに、軽量化を図ることもできる。従ってスクロール圧縮機を低コストで生産することができる。
また固定スクロール31を、第1基板311の第1渦巻体312を形成する側の面で、メインシェル11の第1位置決め面113に接触させている。これにより固定スクロール31の第1基板311に高圧がかかった場合であっても、第1位置決め面113により押さえつけられるため、固定スクロール31がより強固に保持され、固定スクロール31の径方向における並進移動を抑制できる。またメインシェル11の第1位置決め面113と第2位置決め面116の向きを同一としているため、メインフレーム2が揺動スクロール32からスラスト荷重をうけても、第2位置決め面116に押さえつけられる。従ってメインフレーム2がより強固に保持され、メインフレーム2の径方向における並進移動を抑制できる。これによりスクロール圧縮機の信頼性を向上することができる。
またメインシェル11の第1位置決め面113と第2位置決め面116の加工を同じ方向(上側)から連続して行うことができる。これにより両面の平行度を向上させることができるので、メインフレーム2と固定スクロール31の組立精度、位置精度が向上し、スクロール圧縮機の性能を向上させることができる。また同じ方向からの加工のため、加工が容易になり、加工時間が短縮するため、スクロール圧縮機を低コストで生産することができる。さらにメインフレーム2を一端側(上側)からメインシェル11に挿入固定後、メインシェル11をそのままの状態で順次、揺動スクロール32、固定スクロール31を挿入固定することができる。すなわち同じ方向からの組立が可能となるため、組立が容易となり、スクロール圧縮機を低コストで生産することができる。更にシェル1の内周で固定スクロール31をレーザ溶接で接合することで、シェル1の内周を全周に亘って封止することができる。
また本実施形態のスクロール圧縮機を、凝縮器、膨張弁、および蒸発器を備え、冷媒を循環させる冷凍サイクル装置に使用することで、大容量、高効率及び低コストの冷凍サイクル装置を提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るスクロール圧縮機の構造を、図14、図15、図16を用いて説明する。実施の形態1と実質的に同じ構成部品に対しては同じ符号を付し、説明を省略する。図14は実施の形態2に係る仲介リングを示す斜視図、図15は実施の形態2に係るスクロール圧縮機の概略断面図、図16は図15の点線Qで囲まれた領域を示す拡大図である。実施の形態2に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部3は、固定スクロール31、揺動スクロール32に加え、固定スクロール31の第1基板311に保持されると共に固定スクロール31の第1基板311とメインシェル11との間に介在する仲介リング34を備えたものである。
仲介リング34は、固定スクロールの素材よりも炭素量の少ない材質でできた金属からなり、中空の円環状を有している。このように固定スクロールの素材よりも仲介リングの炭素量を少なくすることで、溶接接合部の靭性を向上させることができ、レーザ溶接による割れなどの溶接欠陥を少なくすることができる。これにより、固定スクロール31とメインシェル11を直接接合させるよりも溶接の品質を向上させることができる。
図16に示すように、仲介リング34は、内周側面342と外周側面341および一端側(上側)に形成する面344と他端側(下側)に形成する面343を有する。
固定スクロール31は、第1基板311の他端側(下側)に形成する面3112と、第1基板311の一端側(上側)に形成する面3113から一端側(上側)へ突出する端面3116と、面3113と端面3116とをつなぐ面であって、メインシェル11と対向する端面3115を有する。
仲介リング34の他端側(下側)に形成する面343を、固定スクロール31の第1基板311の一端側(上側)に形成する面3113に接触させることで、固定スクロール31の仲介リング34に対する軸方向の位置を決める。
又固定スクロール31の第1基板311のメインシェル11と対向する端面3115と仲介リング34の内周側面342を接触させるように圧入もしくは焼嵌めして、固定スクロール31の仲介リング34に対する中心位置を決める。また、メインシェル11の第1内壁面111と仲介リング34の外周側面341を接触させるように嵌め合わせて、メインシェル11に対する仲介リング34の中心位置を決める。
また、図15、図16に示すように、固定スクロール31の第1基板311の第1渦巻体312を形成する側の面3112を、メインシェル11に形成した第1位置決め面113に接触させることにより、固定スクロール31の軸方向の位置を決めている。
さらに、メインシェル11の第1内壁面111の内周と仲介リング34の外周側面341の対面部に対し、一端側(上側)から全周に亘ってレーザを照射し、メインシェル11の第1内壁面111と仲介リング34の外周側面341をレーザ溶接固定する。これにより溶接部94が設けられる。溶接はレーザ溶接だけでなく、アークスポット溶接等他の溶接方法でもよい。
なお本実施の形態においては、シェル1内部の高圧と低圧の分離機能は、仲介リング34により行っている。
本実施形態によるスクロール圧縮機の製造方法を図17に示すフローチャートにより説明する。固定スクロール31と仲介リング34とを圧入又は焼嵌めにより組立、固定する(ステップS171)。次にメインシェル11の一端側から仲介リング34が装着された固定スクロール31を挿入する(ステップS172)。次にメインシェル11の第1内壁面111と仲介リング34の外周側面341を接触させるように嵌め合わせる(ステップS173)。次にメインシェル11の第1内壁面111と仲介リング34の外周側面341をレーザ溶接固定する(ステップS174)。
図15、図16に示すように、仲介リング34の内周側面342は固定スクロール31に保持され、仲介リング34の外周側面341でシェル1と溶接固定される。シェル1と仲介リング34を溶接固定することにより、溶接による固定スクロール31への熱の流入量が減少し、熱による固定スクロール31の変形を抑制することができるため、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係るスクロール圧縮機の構造を、図18、図19、図20を用いて説明する。実施の形態2と実質的に同じ構成部品に対しては同じ符号を付し、説明を省略する。図18、図19、図20は実施の形態3に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図であり、図16に相当する拡大断面図である。図18、図19、図20に示すように、仲介リング34の他端側(下側)に形成する面343を、固定スクロール31の第1基板311の一端側(上側)に形成する面3113と対面させる。また、固定スクロール31の一端側(上側)へ突出する突出部におけるメインシェル11と対向する端面3115と仲介リング34の内周側面342を対面させる。
そして図18に示すように、端面3115と仲介リング34の内周側面342を対面させた状態で、仲介リング34の一端側(上側)からボルト391で固定する。又は図19に示すように、端面3115と仲介リング34の内周側面342の間、及び面343と面3113の間に接着剤392を塗布して位置を固定し、固定スクロール31の仲介リング34に対する軸方向の位置および中心位置を決める。さらに図20に示すように、図18と同様ボルト391で固定するとともに、端面3115と仲介リング34の内周側面342の間にOリング393を装着してもよい。Oリング393を装着することで、気密を確保することができる。
なお、本実施形態においては、シェル1内部の高圧と低圧の分離機能は、仲介リング34により行っている。
図18、図19、図20に示すように、仲介リング34と固定スクロール31との対面部をボルト391、または接着剤392で固定することで、位置精度を確保することができるため、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。
さらに仲介リング34と固定スクロール31との対面部においてOリング393を装着することで、気密を確保することができるため、スクロール圧縮機の性能を向上させることができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係るスクロール圧縮機の構造を、図21、図22を用いて説明する。実施の形態2と実質的に同じ構成部品に対しては同じ符号を付し、説明を省略する。図21、図22は実施の形態4に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図であり、図16に相当する拡大断面図である。図21において、仲介リング34の一端側(上側)に形成する面344に突起401を設けている。又図22において、仲介リング34の一端側(上側)に形成する面344に突起401と溝402を設けている。そして突起401とメインシェル11の第1内壁面111との対面部に対して溶接を実施し、これにより溶接部94が形成されることとなる。溶接はレーザ溶接だけでなく、アークスポット溶接等他の溶接方法でもよい。その他の構成は実施の形態2の構成と同じである。
レーザ照射部に突起、もしくは溝を設けない場合、メインシェル11の第1内壁面111と仲介リング34の外周面の対面部の一端側(上側)に向いた箇所を溶接しなければならない。これに対して、図21、図22に示すように、レーザ照射部に突起401、もしくは溝402を設けることにより、溶接することのできるメインシェル11の第1内壁面111と仲介リング34の外周面の対面部が長くなる。従ってレーザ照射位置の裕度が拡大し、即ちレーザ照射で狙う事ができる面積が大きくなる。よってレーザ溶接の溶接品質が確保できるため、スクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。なお図21、図22においては、図16に示した仲介リング34に突起401並びに溝402を設けた例を示したが、図18〜図20に示した構成において突起401並びに溝402を設けるようにしても良い。
実施の形態5.
実施の形態5に係るスクロール圧縮機の構造を、図23を用いて説明する。実施の形態2と実質的に同じ構成部品に対しては同じ符号を付し、説明を省略する。図23は実施の形態5に係るスクロール圧縮機の一部拡大断面図であり、図16に相当する拡大断面図である。図23において、仲介リング34の他端側(下側)に形成する面343に空洞部403を設けている。他の構成は実施の形態2と同様である。図23に示すように、固定スクロール31と仲介リング34の軸方向接触部における接触面積を減少させることができる。従って溶接による固定スクロール31への熱の流入量が減少し、熱による変形を抑制することができる。よってスクロール圧縮機の品質、および性能を向上させることができる。なお図23においては、図16に示した仲介リング34に空洞部403を設けた例を示したが、図18〜図22に示した構成において空洞部403を設けるようにしても良い。
その他上記した構成部品の数、寸法及び材料等について適宜変更することができる。
更に本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 シェル、34 仲介リング、93,94 溶接部、112 突出部、
31 固定スクロール、32 揺動スクロール、311 第1基板、3111 外周面、
312 第1渦巻体、322 第2渦巻体、342 内周側面、344 面、
400 圧縮室、391 ボルト、392 接着剤、393 Oリング、401 突起、402 溝、403 空洞部。

Claims (16)

  1. 第1基板に設けられた第1渦巻体を有する固定スクロールと、前記第1渦巻体と互いに噛み合わせられることにより圧縮室を形成する第2渦巻体を有する揺動スクロールと、前記固定スクロール、前記揺動スクロールを内側に収容するシェルを備えたスクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロールの前記第1基板の外周面と前記シェルの内周面との接触部に溶接部を設けたスクロール圧縮機。
  2. 前記シェルの内周面から径方向内側に突出した突出部における一端側に向いた端面に前記固定スクロールを接触させた請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 第1基板に設けられた第1渦巻体を有する固定スクロールと、前記第1渦巻体と互いに噛み合わせられることにより圧縮室を形成する第2渦巻体を有する揺動スクロールと、前記固定スクロール、前記揺動スクロールを内側に収容するシェルを備えたスクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロールの前記第1基板に保持されると共に前記固定スクロールの前記第1基板と前記シェルとの間に介在する仲介リングを設け、
    前記仲介リングの外周面と前記シェルの内周面との接触部に溶接部を設けたスクロール圧縮機。
  4. 前記シェルの内周面から径方向内側に突出した突出部における一端側に向いた端面に前記固定スクロールを接触させた請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記仲介リングは、前記固定スクロールの素材よりも炭素量の少ない材質で構成された請求項3又は請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記固定スクロールの前記第1基板と前記仲介リングとを圧入又は焼嵌めにより固定した請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記固定スクロールの前記第1基板と前記仲介リングとをボルトにより固定した請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記固定スクロールの前記第1基板における一端側へ突出する突出部における前記シェルと対向する端面と、前記仲介リングの内周側面との間にOリングを設けた請求項7に記載のスクロール圧縮機。
  9. 前記固定スクロールの前記第1基板と前記仲介リングとを接着剤により固定した請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  10. 前記仲介リングの一端側に形成する面に前記溶接部が形成された突起を設けた請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  11. 前記仲介リングの一端側に形成する面に前記溶接部が形成された突起及び溝を設けた請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  12. 前記仲介リングの他端側に形成する面に空洞部を設けた請求項3から請求項11のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  13. 請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機の製造方法であって、
    前記シェルの一端側から前記固定スクロールを挿入する工程と、
    前記固定スクロールの前記第1基板の外周面と前記シェルの内周面とを接触させる工程と、
    前記固定スクロールの前記第1基板の外周面と前記シェルの内周面を溶接固定する工程とを有するスクロール圧縮機の製造方法。
  14. 請求項3又は請求項4に記載のスクロール圧縮機の製造方法であって、
    前記固定スクロールと前記仲介リングとを組立、固定する工程と、
    前記シェルの一端側から前記仲介リングが装着された前記固定スクロールを挿入する工程と、
    前記シェルの内周面と前記仲介リングの外周面とを接触させる工程と、
    前記シェルの内周面と前記仲介リングの外周面を溶接固定する工程とを有するスクロール圧縮機の製造方法。
  15. 前記固定スクロールの前記第1基板と前記仲介リングとを圧入又は焼嵌めにより組立、固定する請求項14記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  16. 前記溶接はレーザ溶接である請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
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