JP2021088899A - 組立建物及び組立建物の構成部材 - Google Patents

組立建物及び組立建物の構成部材 Download PDF

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Abstract

【課題】組立ての作業が容易な組立建物を提供する。【解決手段】フレームに壁材が保持されている三以上の壁パネル10が、嵌め合わせによって連結されて多角形の周壁部が形成されている組立建物であり、フレームの一対の縦枠材20それぞれにおいて、一対の側面部のうち一方の側面部が壁材保持部を備えている一方、他方の側面部に、少なくとも上端で開放し長手方向に凹設されていると共にその深さが連結用ロッド51の厚さの略半分である溝部32を備えており、隣接する壁パネルは互いの溝部を突き合わせて並設されており、突き合わされた溝部により形成された空間に連結用ロッドが挿入されていることによって、隣接する前記壁パネルが連結されている。【選択図】図1

Description

本発明は、組立建物、及び、該組立建物の構成部材に関するものである。
分離して搬送できる組立建物は、仮設小屋やイベントブースなど一時的に使用される建物として便利である。従来の組立建物は、通常の家屋の構成を踏襲して、柱材と桁材を構成部材とするのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の組立建物は、六角形に枠組みした下桁と、下桁の角から立設させた柱によって本体ユニットを形成しておくと共に、下桁と同形に枠組みした軒桁に垂木を取り付けて屋根ユニットを形成しておき、屋根ユニットを吊り上げて本体ユニットの上に載せ、軒桁を柱に固定するものである。
しかしながら、特許文献1の組立建物は、分離できる構成が本体ユニット及び屋根ユニットであり、大きい。つまり、組立建物の構成単位が大きいため、組立ての作業負担が大きいという問題があった。また、特許文献1の組立建物は、組立てに際してボルトとナットを多用しているため、組立ての作業が煩雑であるという問題があった。
特開昭63−147034号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、組立ての作業が容易な組立建物、及び、該組立建物の構成部材の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる組立建物は、
「フレームに壁材が保持されている三以上の壁パネルが、嵌め合わせによって連結されていることにより、多角形の周壁部が形成されている」ものである。
本発明の組立建物は、柱や桁を使用することなく、壁パネルのみを連結することによって多角形の周壁部が形成される。壁パネルは、「嵌め合わせ」によって連結されるため、ボルトやナットを使用することなく、周壁部を組立てることができる。従って、極めて容易な作業で、周壁部を組立てることができる。
本発明にかかる組立建物は、上記構成に加え、
「前記壁パネルと同数の連結用ロッドを具備すると共に、
前記フレームは一対の縦枠材を備えており、
それぞれの該縦枠材において、一対の側面部のうち一方が前記壁材を保持する壁材保持部を備えている一方、一対の前記側面部のうちの他方に、少なくとも上端で開放し長手方向に凹設されていると共に、その深さが前記連結用ロッドの厚さの略半分である溝部を備えており、
隣接する前記壁パネルは互いの前記溝部を突き合わせて並設されており、突き合わされた前記溝部により形成された空間に前記連結用ロッドが挿入されていることによって、隣接する前記壁パネルが連結されている」ものとすることができる。
一般的に、嵌め合わせによって部材と部材とを連結するとき、一方の部材が“凹状”に形成される一方で、他方の部材が“凸状”に形成される。そのため、一対の縦枠材で壁材が保持された壁パネルを、嵌め合わせによって連結しようとした場合、連結される二つの壁パネルそれぞれに属し、互いに当接させられる二つの縦枠材のうち、一方の縦枠材を凹状部材とすると共に、他方の縦枠材を凸状部材とする構成が、当業者が普通に想到し得る構成である。
これに対し、本構成では、縦枠材の一対の側面部のうち、壁材保持部が設けられている側ではない方の側面部、すなわち、連結される二つの壁パネルそれぞれに属し、互いに当接させられる側面部に長手方向に延びる溝部が、縦枠材の少なくとも上端で開放するように凹設されている。そして、この溝部の深さは、連結用ロッドの厚さの略半分である。従って、隣接する壁パネルを、それぞれの縦枠材における溝部を突き合わせて並設し、突き合わされた溝部によって形成された空間に連結ロッドを挿入することにより、隣接する壁パネルを連結することができる。すなわち、凸状部材としての縦枠材を製造しなくても、溝部にその深さの略二倍の厚さの連結用ロッドを挿入することにより、一方の縦枠材が凹状部材となり、他方の縦枠材が凸状部材となったのと同様に、両者を嵌め合わせることができる。従って、凸状部材としての縦枠材を製造しなくても、嵌め合わせによる容易な作業で組立建物を組立てることができる。
本発明にかかる組立建物は、上記構成に加え、
「前記周壁部の上方開口を被覆している屋根部を具備し、
該屋根部は、
前記壁パネルの数と同数の第一突出部を、前記屋根部の中心に対して等角度間隔で、且つ、下方に向かって傾斜するように突出させている天頂部材と、
隣接する前記壁パネルの連結部に上方から嵌め込まれている上嵌入部、及び、該上嵌入部から前記屋根部の中心に向かって前記第一突出部と同じ傾斜角度で突出している第二突出部を、それぞれ備える前記壁パネルと同数の上保持部材と、
それぞれ長棒状で、対向している前記第一突出部と前記第二突出部とを嵌め合わせによって連結している、前記壁パネルと同数の屋根桟材と、を具備する」ものとすることができる。
本構成では、壁パネルと同数の第一突出部を備える天頂部材と、それぞれ第二突出部を備える壁パネルと同数の上保持部材と、壁パネルと同数の屋根桟材によって屋根部が組立てられる。第一突出部は、屋根部の中心に対して等角度間隔で設けられている。第二突出部は、複数の壁パネルの連結部に、それぞれ上方から嵌め込まれる上嵌入部から屋根の中心に向かって突出しているため、当然ながら屋根部の中心に対して等角度間隔で設けられている。そして、第一突出部は下方に向かって傾斜している一方、第二突出部は上方に向かって(屋根の中心に向かって)、第一突出部と同じ傾斜角度で突出している。
従って、第一突出部と第二突出部は、対向する組み合わせを壁パネルの数だけ、すなわち、多角形の角の数だけ有しており、組み合わされた第一突出部と第二突出部がそれぞれ屋根桟材によって連結される。この屋根桟材による連結は「嵌め合わせ」によるものである。従って、嵌め合わせによる容易な作業で、組立建物の屋根部を組立てることができる。ここで、嵌め合わせの態様としては、屋根桟材が筒状であって第一突出部及び第二突出部がそれぞれ筒状の屋根桟材に嵌め込まれる態様、或いは、第一突出部及び第二突出部が共に筒状であって、屋根桟材の一端が第一突出部に嵌め込まれる一方で屋根桟材の他端が第二突出部に嵌め込まれる態様、を例示することができる。
本発明にかかる組立建物は、上記構成に加え、
「前記縦枠材は角筒状であり、前記溝部は前記縦枠材の内部空間において凸部を構成していると共に、
前記縦枠材には、前記溝部が形成されている前記側面部において前記溝部を除く部分の一部を貫通し、前記縦枠材の長手方向に所定長さで延びていると共に上端で開放しているスリットが形成されており、
隣接する前記壁パネルは互いの前記スリットを突き合わせて並設されており、
突き合わされた前記スリットに前記上端から挿入されて前記凸部を囲むように嵌め込まれている連結用チャンネル材を、更に具備する」ものとすることができる。
本構成では、隣接する壁パネルが連結される際にそれぞれの縦枠材において当接される側面部に、上端に開放するスリットが形成されている。また、連結用ロッドを挿入するための溝部は、角筒状の縦枠材の内部空間側では凸部を構成している。そして、隣接する壁パネルを互いのスリットを突き合わせるように並設させた状態で、連結用チャンネル部材がスリットを介して縦枠材の上端から縦枠材の内部空間に落とし込まれ、凸部を囲むように嵌め込まれる。従って、嵌め合わせによる容易な作業で、隣接する壁パネルを連結することができる。
次に、本発明にかかる組立建物の構成部材は、
「一対の縦枠材を備えるフレームに壁材が保持されている一以上の壁パネルと、
該壁パネルと同数の連結用ロッドと、を具備し、
前記縦枠材は、一対の側面部のうち一方に前記壁材を保持している壁材保持部を備えている一方、一対の前記側面部のうちの他方に、少なくとも上端で開放し長手方向に凹設されていると共に、その深さが前記連結用ロッドの厚さの略半分である溝部を備えている」ものである。
本構成部材は、上記の組立建物において、周壁部を組立てる単位となる部材である。このような部材を単位として販売すれば、例えば、壁材の種類の異なる壁パネルをユーザが自由に選択し、多様なデザインの組立建物を構築することができる。なお、本構成部材は、上記の組立建物を組立てる際には、多角形の周壁部となる数が使用されるが、それより少ない数を連結することにより、つい立て(パーテーション)として使用することもできる。
以上のように、本発明によれば、段組立ての作業が容易な組立建物、及び、該組立建物の構成部材を、提供することができる。
本発明の一実施形態である組立建物の要部分解斜視図である。 実施形態の組立建物の斜視図(壁パネルの壁材の図示を省略)である。 図2の組立建物の(a)正面図,(b)平面図である。 図2の組立建物の要部の組立てを説明する図である。 A−A範囲及びB−B範囲におけるX−X線切断部端面図である。 A−A範囲及びB−B範囲におけるY−Y線断面図である。 図2の組立建物の屋根部の一部の分解斜視図である。 図2の組立建物における選択的構成の説明図である。 図2の組立建物の使用状態を例示する斜視図である。 (a)〜(c)壁パネルの変更例を示す図である。 図9の組立建物の屋根部の(a)要部分解斜視図,(b)要部断面図である。 (a)〜(c)図2の組立建物の配置例を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態である組立建物1、及び、その構成部材について、図面を用いて説明する。組立建物1は、筒状をなす周壁部1a、及び、周壁部1aの上方開口を被覆する屋根部1bを備えるものである。周壁部1aは、壁パネル10が側方に連結されることにより形成されるものであり、本実施形態では周壁部1aの横断面の外形は八角形である。
組立建物1は構成部材として、壁パネル10に加えて、連結用ロッド51、連結用チャンネル52、下保持部材60、上保持部材80、天頂部材70、屋根桟材90を備えている。なお、本書面において、建物及び構成部材についての「上、下」、「縦、横」は、建物が組立てられて設置面に設置された状態における「上、下」、「縦、横」を指している。また、「側方」は、周壁部1aにおける周方向を指している。
壁パネル10は、壁材11の周縁がフレームに保持されているものである。フレームは、一対の縦枠材20及び一対の横枠材40からなる
縦枠材20は、図4に示すように、内面部25、外面部26、及び、一対の側面部21,22からなる角筒状である。ここで、内面部25は筒状をなす周壁部1aの内部空間側の面部であり、外面部26は外部空間側の面部である。一対の側面部21,22のうち一方の側面部21からは、二つの壁材保持部31が平行に延出している。二つの壁材保持部31は、それぞれ内面部25及び外面部26の延長面上にあり、側面部21とコ字形の横断面を形成している。この二つの壁材保持部31の間に、壁材11が保持される。壁材保持部31を備える側面部21は、外面部26及び内面部25と直角をなしている。角筒状の縦枠材20の内部空間において、側面部21と外面部26とがなす角部、及び側面部21と内面部25とがなす角部には、それぞれビス等を通すためのC字孔39が設けられている。
一対の側面部21,22のうち他方の側面部22においては、長手方向に溝部32が凹設されている。溝部32は、少なくとも縦枠材20の上端に開放するよう設けられるが、本実施形態では縦枠材20の全長にわたり設けられている。溝部32は、縦枠材20の内部空間においては凸部33を構成している。この凸部33は、外面部26側で肉厚となっている。
一対の側面部21,22は平行ではなく、溝部32が形成されている側面部22は外面部26側から内面部25側に向かって他方の側面部21に近付くように傾斜している。本実施形態では、側面部22と外面部26とがなす角度は67.5度である。この角度は、八角形の内角である135度の二分の一に相当する。
側面部22には、溝部32より内面部25側において、側面部22を貫通するスリット34が形成されている。スリット34は、縦枠材20の上端で開放しており、長手方向に所定長さで延びている。この長さは、例えば、4cm〜10cmとすることができる。本実施形態では、同一のスリット34が、縦枠材20の下端で開放するように設けられている。
連結用ロッド51は、壁パネル10と同数ある。連結用ロッド51の長さは溝部32の長さ以下に設定されるが、本実施形態では溝部32と同様に縦枠材20の全長と同じ長さである。連結用ロッド51は四角筒であり、断面の外形である四角形の二対の辺のうち、一対は溝部32の幅長さより僅かに短い。これにより、連結用ロッド51を溝部32に挿入すると、縦枠材20の長手方向にスライド可能に溝部32に嵌め込まれる。また、連結用ロッド51の断面の外形である四角形の二対の辺のうち、他の一対の長さは溝部32の深さの二倍である。これにより、連結用ロッド51が溝部32に挿入されたとき、連結用ロッド51において厚さ方向の半分の部分が溝部32から露出する。なお、本実施形態では、連結用ロッド51の断面の外形は正方形に設定されており、溝部32の幅方向及び深さ方向に対して挿入する向きを問わない。
二つの縦枠材20の一方の溝部32に、このようにして連結用ロッド51を挿入することにより、二つの縦枠材20を連結することができる。つまり、図4の上図から、中図、下図に順に示すように、二つの縦枠材20を、互いの溝部32を突き合わせるようにそれぞれの側面部22を当接させ、突き合わされた二つの溝部32によって形成された空間に連結用ロッド51を挿入することにより、二つの縦枠材20を連結することができる。上記のように、本実施形態では、溝部32が縦枠材20の全長にわたり設けられていると共に、同一のスリット34が縦枠材20の上端及び下端の双方に設けられている。従って、連結される縦枠材は全く同じ形状の一種類であるが、連結用ロッド51が溝部32に挿入されている縦枠材20を凸状部材とすると共に、他方の縦枠材20を凹状部材とし、互いに嵌め合わせることができる。
連結用チャンネル材52は、壁パネル10と同数ある。連結用チャンネル材52は略四角筒状で、図4の下図に示すように、四つの側壁52a,52b,52c,52dのうち、一つの側壁52aの中央において軸方向に貫通する開口52sが形成されている。連結用チャンネル材52の長さ(軸方向の長さ)は、縦枠材20におけるスリット34の長さ以下に設定される。開口52sを有する側壁52aと対向する側壁52bとの間の距離は、凸部33における外面部26側の端部とスリット34との間の距離より僅かに大きい。残る二つの側壁52c,52d間の距離は、凸部33の肉厚部分の表面と側面部22の延長線との間の距離の二倍より僅かに大きい。また、側壁52bが両側で隣接している側壁52c,52dそれぞれとなす角部の内側には、凸部33の肉厚部分と同程度の大きさの肉厚部分が形成されている。
このような構成により、スリット34を介して連結用チャンネル材52を縦枠材20の上端から嵌め込むことにより、互いの側壁部22を当接させている二つの縦枠材20を連結することができる。具体的には、図4の下図から図5に順に示すように、連結用チャンネル材52において開口52sがない側壁52bをスリット34の上方に位置させ、二つの縦枠材20それぞれの凸部33を連結用チャンネル材52で囲むようにして、縦枠材20の上端から連結用チャンネル材52を落とし込むように、縦枠材20の内部空間に挿入する。これにより、連結用ロッド51で連結されている二つの縦枠材20が、更に連結用チャンネル材52によって強固に連結される。凸部33には肉厚部分が形成されているため、このような部分がない場合と比べて、凸部33において連結用チャンネル材52と係合する部分が大きく、しっかりと連結される。また、連結用チャンネル材52にも同程度の大きさの肉厚部分があるため、連結用チャンネル材52を挿入する際のガイドとなると共に、縦枠材20に対する連結用チャンネル材52のがたつきが低減される。連結用チャンネル材52によって連結されるのは、縦枠材20の上端側であるが、上記のように、スリット34は縦枠材20の上端と下端との双方に設けられているため、連結される縦枠材を全く同じ形状の一種類とすることができる。
一対の縦枠材20と共にフレームを構成する一対の横枠材40は、それぞれ断面がコ字形の長尺部材であり、中間の面部が他の二つの面部より長く形成されている。
フレームに壁材11を保持させる際は、二つの縦枠材20それぞれの壁材保持部31を対面させ、これらの間に壁材11を挟み込む。更に、一対の横枠材40の一方における断面コ字の開口を下方に向けて壁材11の上端縁を挟み込ませ、他方の横枠材40における断面コ字の開口を上方に向けて壁材11の下端縁を挟み込ませる。そして、それぞれの横枠材40において、他の二つの面部より長い中間の面部の両端を、それぞれ縦枠材20の端部に重ね合わせ、縦枠材20のC字孔39を使用してビスで留め付ける。これにより、フレームに壁材11が保持されて壁パネル10となる。
天頂部材70は、図7に示すように、円板状のベース部71の下面から角棒状の第一突出部72が、壁パネル10の数と同数突出している形状である(ここでは、八本)。それぞれの第一突出部72は、ベース部71の中心点に対して等角度間隔で放射状に延びていると共に、ベース部71から下方に向かって傾斜している。この傾斜角度は、屋根部1bの傾斜角度に相当する。
上保持部材80は壁パネル10と同数あり、図7に示すように、それぞれ上嵌入部81と第二突出部82とからなる。上嵌入部81は135度の角度をなすV字形部81bの二つが、間隔をあけた状態で平板状のベース部81aの下面から垂下している形状である。二つのV字形部81bの間隔は、縦枠材20における外面部26と内面部25との間隔より僅かに大きい。第二突出部82は第一突出部72と同じ断面サイズの角棒状であり、ベース部81aの上面から斜め上方に突出している。第二突出部82がベース部81aとなす角度は、天頂部材70において第一突出部72がベース部71となす角度と等しい。
屋根桟材90は壁パネル10と同数ある。屋根桟材90は長尺の角筒状であり、そのサイズは角棒状の第一突出部72及び第二突出部82が嵌入されるサイズである。また、屋根桟材90の両端のうち一方の端部においては、四つの面部のうちの一つの面部の長さが他の三つの面部より、第一突出部72または第二突出部82の長さ分以上短く形成されている。
下保持部材60は、壁パネル10と同数ある。下保持部材60の形状は、上保持部材80の上嵌入部81のみを上下反転させた形状に相当する。
次に、上記構成の構成部材を使用して組立建物1を組立てる手順について説明する。壁パネル10は、上述したようにフレームに壁材11を保持させることにより、予め形成しておくことができる。複数の壁パネル10を側方に連結する際は、隣接する壁パネル10それぞれの縦枠材20の側面部22を当接させ、互いの溝部32を突き合わせる。そして、上述したように、突き合わされた溝部32により形成された空間に、連結用ロッド51を挿入する。或いは、一方の壁パネル10の縦枠材20の溝部32に連結用ロッド51を挿入しておき、連結用ロッド51の露出部分を他方の壁パネル10の縦枠材20の溝部32に挿入してもよい。これにより、隣接する壁パネル10が連結され、周壁部1aが形成される。
更に、壁パネル10の連結部である二つの縦枠材20の当接部において、上述したように、連結用チャンネル材52を縦枠材20の上端からスリット34を介して内部空間に落とし込む。これにより、隣接する壁パネル10がより強固に連結される。
そして、壁パネル10の連結部それぞれの下端に、下保持部材60を下方から嵌め込めば、連結された壁パネル10が下端側でずれることなく、周壁部1aが安定して設置面に立設される。
壁パネル10の連結部それぞれの上端には、上保持部材80の上嵌入部81を上方から嵌め込む。そして、図7に示すように、上保持部材80の一つから上方に向かって斜めに突出している第二突出部82を、屋根桟材90の一端に挿入し、その屋根桟材90の他端を天頂部材70の第一突出部72の一つに挿入する。これにより、この組み合わせの第一突出部72と第二突出部82とが一つの屋根桟材90によって連結されると共に、他の第一突出部72もそれぞれ第二突出部82の一つと対面する向きとなる。対面する第一突出部72と第二突出部82の組み合わせの全てを、同様に屋根桟材90で連結すると、図2に示すように、周壁部1aの上方開口に屋根部1bが取り付けられた状態となる。ここで、屋根桟材90の一端では、四つの面部のうちの一つの長さが短く形成されているため、ある屋根桟材90が既に取り付けられている状態で、他の屋根桟材90を引き続いて取り付けることができる。なお、図2は、骨組みを明確に示すために、壁材11の図示を省略している。
屋根部1bには、図9に示すように、テント生地のような屋根カバー91を被せることができる。或いは、屋根桟材90に屋根パネルを支持させてもよい。
また、天頂部材70のベース部71には孔部75が貫設されているため、この孔部75を介して換気することができる。例えば、図11に示すように、孔部75と連通するようにパイプ95を固定し、パイプ95の上端との間に空隙が生じる状態で笠96を取り付けることができる。
複数の壁パネル10のうち一以上の壁パネル10については、壁材11に開口部15を設け、出入り口とすることができる。開口部15には、図10(a)に示すようにドア17を取り付け、或いは、横開きやロールアップ型のカーテン・ブラインドを取り付けることができる。また、開口部15を出入り口とする他に、図10(b)に示すように窓18とすることもできる。
また、壁材11は、木目調、煉瓦調、タイル調など、種々のデザインとすることができ、図10(c)に示すように、壁材11の一部または全部を、透光性を有する樹脂やガラスで形成された採光部19とすることもできる。また、一つの建物を構成する複数の壁パネル10において、壁材11のデザインをそれぞれ異ならせることもできる。
本実施形態の組立建物1は、単独で使用される他、出入り口となる壁パネル10が対面するように複数を連設することにより、図12(a)〜(c)に示すように、種々の形状及び大きさの建物とすることができる。従って、組立建物1は、イベントブース、市場など出張式の店舗、工事現場等における仮設小屋、災害時の簡易宿泊施設、サウナ、隠れ家的な趣味のスペースなど、種々の用途に使用することができる。
以上のように、本実施形態の組立建物1は、柱や桁を使用せず、壁パネル10のみで周壁部1aを構成させるものである。縦枠材20の溝部32に挿入される連結用ロッド51で壁パネル10を連結するため、嵌め込みによって容易に連結することができる。また、縦枠材20のスリット34に挿入される連結用チャンネル材52によっても、嵌め込みによって壁パネル10を容易に連結することができる。そして、溝部32は縦枠材20の全長にわたって形成されており、スリット34は縦枠材20の上端及び下端の双方に設けられているため、縦枠材20として一種類を用意するだけで足り、部品点数を少なくすることができる。
壁パネル10の連結が嵌め込み式であることに加え、壁パネル10の連結部に取り付けられる上保持部材80及び下保持部材60も嵌め込み式であり、屋根桟材90による上保持部材80と天頂部材70との連結も嵌め込み式である。そのため、ボルトとナットとの留め付け作業を要することなく、簡易な作業で建物を組立てることができる。
また、隣接する壁パネル10を連結している連結用ロッド51が双方の縦枠材20の溝部32に挿入されており、且つ、本実施形態では連結用ロッド51の長さが縦枠材20の全長(すなわち、壁パネル10の全長)にわたる長さである。そのため、本来であれば隣接する壁パネル10の間に不可避に生じる僅かな隙間による光漏れがなく、気密性も高い利点がある。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、周壁部1aが八角形である場合を例示したが、これに限定されず、三角形、四角形、六角形など他の多角形とすることができる。この場合、縦枠材20において外面部26と側面部22とがなす角度は、多角形の内角の二分の一とし、上保持部材80及び下保持部材60においてV字形部のなす角度は多角形の内角と等しく設定すると共に、天頂部70における第一突出部72の数及び角度間隔は多角形の角の数に応じたものとする。
また、図4の上図に示したように、縦枠材20は内面部25において長手方向に凹設された第二溝部35を有している。ここには、図8に示すように、ナット部材65を挿入することができる。このナット部材65の雌ネジを利用して、建物の内壁に建具や装飾品を取り付けることができる。
更に、第二溝部35は、隣接する壁パネル10に当接させる側面部22に近い位置に設けられている。そのため、第二溝部35に挿入したナット部材65にヒンジ(図示を省略)を取り付けることにより、二つの壁パネル10を折り畳み可能に連結することができる。このようにすることにより、組立建物1を搬送する際に二枚を単位として運搬しやすい。加えて、組立建物1を組立てる作業の際に二枚を単位として壁パネル10を自立させることができるため、作業性が高められる。なお、壁パネル10の下端近くにヒンジを取り付ければ、壁パネル10の連結部の下端に下保持部材60を嵌め込まなくても、周壁部1aを安定的に立設させることができる。
1 組立建物
1a 周壁部
1b 屋根部
10 壁パネル
11 壁材
20 縦枠材
21,22 側面部
31 壁材保持部
32 溝部
33 凸部
34 スリット
51 連結用ロッド
52 連結用チャンネル材
70 天頂部材
72 第一突出部
80 上保持部材
81 上嵌入部
82 第二突出部
90 屋根桟材

Claims (5)

  1. フレームに壁材が保持されている三以上の壁パネルが、嵌め合わせによって連結されていることにより、多角形の周壁部が形成されている
    ことを特徴とする組立建物。
  2. 前記壁パネルと同数の連結用ロッドを具備すると共に、
    前記フレームは一対の縦枠材を備えており、
    それぞれの該縦枠材において、一対の側面部のうち一方が前記壁材を保持する壁材保持部を備えている一方、一対の前記側面部のうちの他方に、少なくとも上端で開放し長手方向に凹設されていると共に、その深さが前記連結用ロッドの厚さの略半分である溝部を備えており、
    隣接する前記壁パネルは互いの前記溝部を突き合わせて並設されており、突き合わされた前記溝部により形成された空間に前記連結用ロッドが挿入されていることによって、隣接する前記壁パネルが連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の組立建物。
  3. 前記周壁部の上方開口を被覆している屋根部を具備し、
    該屋根部は、
    前記壁パネルの数と同数の第一突出部を、前記屋根部の中心に対して等角度間隔で、且つ、下方に向かって傾斜するように突出させている天頂部材と、
    隣接する前記壁パネルの連結部に上方から嵌め込まれている上嵌入部、及び、該上嵌入部から前記屋根部の中心に向かって前記第一突出部と同じ傾斜角度で突出している第二突出部を、それぞれ備える前記壁パネルと同数の上保持部材と、
    それぞれ長棒状で、対向している前記第一突出部と前記第二突出部とを嵌め合わせによって連結している、前記壁パネルと同数の屋根桟材と、を具備する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組立建物。
  4. 前記縦枠材は角筒状であり、前記溝部は前記縦枠材の内部空間において凸部を構成していると共に、
    前記縦枠材には、前記溝部が形成されている前記側面部において前記溝部を除く部分の一部を貫通し、前記縦枠材の長手方向に所定長さで延びていると共に上端で開放しているスリットが形成されており、
    隣接する前記壁パネルは互いの前記スリットを突き合わせて並設されており、
    突き合わされた前記スリットに前記上端から挿入されて前記凸部を囲むように嵌め込まれている連結用チャンネル材を、更に具備する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の組立建物。
  5. 一対の縦枠材を備えるフレームに壁材が保持されている一以上の壁パネルと、
    該壁パネルと同数の連結用ロッドと、を具備し、
    前記縦枠材は、一対の側面部のうち一方に前記壁材を保持している壁材保持部を備えている一方、一対の前記側面部のうちの他方に、少なくとも上端で開放し長手方向に凹設されていると共に、その深さが前記連結用ロッドの厚さの略半分である溝部を備えている
    ことを特徴とする組立建物の構成部材。
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