以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の斜視図である。特に、図1、図2、図3、図4ではそれぞれ、撮像装置100を、右前方、左前方、左後方、右後方から見ている。また、図4では、表示部104を展開した状態が示されている。
なお、以降、撮像装置100の上下左右前後方向を、各図に示すXYZ座標系を用いて定義する。Z軸は撮像装置100の撮影光軸方向であり、Z軸が正(+Z)となる方向を前方とする。従って、被写体側が前側となる。また、Z軸が負(−Z)となる方向を後方とする。従って、撮影者側が後側となる。Z軸に直交するX−Y平面において、X軸を撮像装置100の幅方向(左右方向)、Y軸を高さ方向とし、Y軸が正(+Y)となる側を上方、Y軸が負(−Y)となる側を下方とする。またX軸が正(+X)となる側を右方、X軸が負(−X)となる側を左方と定義する。従って、左右方向については、被写体側から見た方向を基準とする。
撮像装置100は、本体100a、撮像レンズ101、ハンドル部103、表示部104およびグリップ部109を有する。撮像装置100の本体100aは、撮像レンズ101、ハンドル部103、表示部104およびグリップ部109のうち、少なくとも1つは本体100aに対して着脱可能に構成されてもよい。着脱可能な構成要素の少なくとも1つを装着したものを撮像装置システムと呼称し、着脱可能な構成要素の少なくとも1つを取り外したものを撮像装置と呼称してもよい。
図1〜図4に示すように、撮像レンズ101が、その対物面を被写体に向ける形で露出して配置されている。撮像レンズ101の周囲には操作リング102が配置されている。撮像レンズ101は、複数枚のレンズ群、絞り等の可動可能な複数の光学要素、およびこれらの光学要素を駆動させるアクチュエータを有している。撮像装置100は、アクチュエータを動作させることにより、所定のレンズ群を移動させ、撮影画像の画角を変化させるズームや、被写体にピントを合わせるフォーカス、絞り機構による撮像装置が受光する光量の調節などを行うことができる。
操作リング102は撮像レンズ101の光軸184を中心として回動自在に構成される輪状の操作部であり、3本の操作環から構成されている。これらの操作環は、それぞれ撮像レンズ101のズーム、フォーカス、絞りの調整に対応した操作部であり、撮影者は、各操作部を回転させることにより、ズーム、フォーカス、絞りの調整が可能である。
撮像装置100の上面側にはハンドル部103が配置されている。ハンドル部103は、撮像装置100の上面に対して一体に構成されている輪状の部位である。ハンドル部103は、例えば、撮影者の腹の位置、若しくは体を屈めて床に近い位置など、撮影者の目線よりも低いローアングルでの撮影時に把持されるほか、撮像装置100を持ち運ぶ際に把持される。
撮像装置100の右側面には、撮像装置100に対して回動自在に表示部104が配置されている。表示部104は、液晶などの平面モニタであり、撮像済みの画像や撮影中の画像を表示するほか、撮像装置100の各種設定を確認するための表示装置である。撮像装置100の後面側には、後方に開口する凹状のバッテリ室105が設けられている(図3)。バッテリ室105は撮像装置100に電源を供給するバッテリ106(図6)を着脱自在に構成されている。
図5は、バッテリ106を取り付けた状態の撮像装置100の右側面図である。バッテリ室105は、光軸184に対して上側が前側に傾斜する方向に所定の角度だけ傾いて設けられている。そのため、バッテリ106が取り付けられた状態では、バッテリ106の下面位置および上面位置が、後方にいくにつれて高くなっている。従って、バッテリ106の下側には、後方に行くに従い徐々に隙間が広がるバッテリ下空間107が生じる。これにより、例えば撮像装置100を三脚や床に置いた状態で使用したとしても、撮影者は、バッテリ下空間107に指を入れることでバッテリ106を上下方向にスライドさせて着脱することが可能となる。すなわち、撮像装置100の下側に障害物がある状況下においても、撮影者は、バッテリ106を容易に交換可能であり使い勝手が良い。
バッテリ室105の左側には外部接続端子108が設けられている(図3)。外部接続端子108の端子は、左後方に張り出すように設けられている。撮像装置100の左側面の中央付近には、グリップ部109が設けられている。グリップ部109は、撮影者が撮影時に握りこむことにより、撮像装置100を撮影者の目線の高さに片手で把持するための部位である。なお、片手で把持して使用する際には利き手を用いて把持する方が安定性は高い。多数である右利きの人が右手で容易に把持できるように、グリップ部109は撮像装置100の左側面に対して一体となるよう構成されている。
図6は、グリップ部109およびその周辺の斜視図である。図6では、グリップ部109を撮影者が把持している様子を示している。グリップ部109の後ろ側には第二吸気口116が設けられている(図3、図6)。グリップ部109の後面には各種操作部が配置される操作部配置面110が備えられ、操作部配置面110の上方に吸気口配置面118が備えられている。
操作部配置面110には、撮影開始ボタン111、拡大表示ボタン112、十字キー113が備えられている。撮影者は、撮影したいタイミングで撮影開始ボタン111を押下することによって撮影を開始し、再度、撮影開始ボタン111を押下することで撮影を終了することができる。また、撮影者は、拡大表示ボタン112を押下することによって、表示部104に表示されている映像を拡大表示することができる。撮影者は、撮影前もしくは撮影中に表示部104に表示されている映像を拡大表示させることで、映像の合焦状態の詳細を確認することができる。
また、撮影者は、十字キー113を倒すことによって、表示部104に表示されているカーソルを上方、下方、左方、右方へ移動させることができ、押下することによって設定項目を選択することができる。これにより、撮影者は、撮影前に撮像装置100の露光状態や感光感度などの設定を任意に選択し変更することが可能となる。これらの一連の操作部を、撮影者がグリップを右手で把持した状態において親指で操作できるように、操作部配置面110はグリップ部109の後方の下部に配置されている。
撮像装置100の左側部において、グリップ部109と外部接続端子108とに挟まれた谷部にはUSBコネクタ114が設けられている。USBコネクタ114は後述するUSB基板257(図49)に実装されたコネクタである。USBコネクタ114は、USB規格に準拠したUSB−Type−Cコネクタであって、撮像装置100の外部インターフェースコネクタの1つである。USBコネクタ114は、USB規格に準拠したUSB通信が可能な外部機器と電気的に接続可能に構成されている。そのため、撮像装置100はUSBコネクタ114を介してLTE(Long Term Evolution)以上の通信速度を持つ移動通信機器と接続可能であり、公衆通信網を利用して遠隔地へのデータの送信が可能となっている。
撮像装置100は、機器内部で発生した熱を効率的に冷却するために、ファンおよびダクトを用いた強制空冷構造を有している。撮像装置100には、グリップ部109の前方で且つ操作リング102の後方位置に第一吸気口115が設けられている(図2)。この位置は撮影者がグリップ部109を右手で把持しながら左手で操作リング102を操作したとしても塞がれることの無い位置であり、安定的に吸気をすることができるようになっている。
吸気口配置面118(図6)は、操作部配置面110と比べて撮像装置100後方へ凸となるように配置されており、壁面117によって操作部配置面110と繋がれている。つまり、吸気口配置面118は、操作部配置面110から所定の高さを有した段差部として、グリップ部109の後面に形成されている。吸気口配置面118には第二吸気口116が後方に開口を向ける形で設けられている。これにより、撮影者がグリップ部109を右手で把持し、右手親指で各操作部の操作を行っても、右手親指が移動できる範囲を壁面117によって操作部配置面110内に制限することができる。そのため、吸気口配置面118に右手親指が乗り上げることがなくなり、第二吸気口116は撮影者の手によって塞がれることは無い。
さらに、バッテリ室105の傾斜に沿っている底面部の斜面の途中に第三吸気口119が設けられている(図4)。第三吸気口119は、撮像装置100の底面よりも高い位置で開口するので、例えば撮像装置100を床に置いたとしても床と第三吸気口119との間には隙間が確保される。これにより第三吸気口119が塞がれることがなく、安定して空気を取り入れることができる。
また、表示部104を開くことで露出する本体100aの右側面には、第四吸気口120が縦に並んだ形で2か所設けられている(図4)。また、外部接続端子108の左側壁には排気口121が左斜め後ろ側に開口を向けて設けられている(図3)。排気口121はグリップ部109よりも後方に設けられ、なおかつ後方と右方との中間方向に向けて開口している。これにより、使用時に撮影者の右手や顔に排気風が当たらない。
図7は、撮像装置100における強制空冷構造を示す分解斜視図である。撮像装置100の内部には、撮像レンズ101のほか、センサ基板122、メイン制御基板123、メインダクト124、カード基板125、センサダクト126、グリップ部吸気ダクト127が配置される。撮像レンズ101の光学系はセンサ基板122上に実装されている撮像素子128上に結像する。センサ基板122、メイン制御基板123、カード基板125には、冷却が必要なほど発熱する素子が実装されている。
図8は、センサ基板122およびその周辺の構成要素の分解斜視図である。特に、図8(a)、(b)ではそれぞれ、センサ基板122を右前方、右後方から見ている。撮像素子128は、センサ基板122の前面に実装されている。光電変換によりデジタル映像信号が生成される際に撮像素子128が発熱し、センサ基板122が高温になる。センサ基板122の前側にはセンサ固定板金129が配されている。センサ固定板金129の矩形開口部130から、撮像素子128の撮像面保護部材131が露出する。
センサ固定板金129は、撮像素子128との相対位置を精度よく調整された後、非図示の接着剤にて固定されている。非実装面132(撮像素子128が実装された面とは反対側の面)における撮像素子128の投影領域にはセンサ放熱面133が設けられている。センサ放熱面133は、基板表面の導電絶縁保護膜を除去してセンサ基板122の導体を露出させた面であり、センサ放熱面133には他の電気部品が配置されない。
ところで、撮像レンズ101の焦点位置および光軸184の傾きは個体ばらつきを含んでいるため、撮像素子128は撮像レンズ101の個体ばらつきに応じて適切な位置および傾きに配置される必要がある。センサ固定板金129は、撮像レンズ101と互いに離間する付勢力を発生するコイルバネ134と位置調整ビス135とによってフローティング支持される。位置調整ビス135を適切に締め付けることによって、撮像素子128の前後位置と光軸184に対する傾きとを調整して、撮像レンズ101を所望の位置に配置することができる。撮像素子128が実装されたセンサ基板122はこのように個別に調整して固定されるので、撮像レンズ101に対するセンサ基板122の位置および傾きは、撮像装置100の個体毎に異なる。
図9は、メイン制御基板123を示す図であり、特に、発熱素子が実装されている面を示している。メイン制御基板123は、多くのICを実装し撮像装置100全体の制御を司る制御処理基板である。
メイン制御基板123には、撮像素子128からの信号を処理する映像信号処理素子などの、消費電力が大きく発熱を伴うICが同一面上に実装されている。具体的には、発熱を伴う主なICは、発熱素子136、137、138の3つである。メインダクト124は、内部に空洞を有する部材であり、後述する回転ファン148(図13)を内蔵する。メインダクト124は、回転ファン148による強制空冷を行うことで、撮像装置100内で発生した熱を冷却する放熱ダクトである。
図10(a)、(b)はそれぞれ、カード基板125を前側、後側から見た斜視図である。カード基板125には、記録メディア139をそれぞれ着脱可能な2つのカード保持部140a、140bが実装されている。記録メディア139は、画像や音声を記録するためのSDカード等の脱着式のフラッシュメモリである。カード保持部140a、140bの実装面の反対側の面である非実装面141では、熱の拡散効率を向上させるために信号パターンが外部に露出している。
図11(a)、(b)は、センサダクト126の斜視図である。センサダクト126は内部に空洞を有する部品であり、上部に第一開口部142を備え、下部に第二開口部143を備え、上部右部に第三開口部144を備える。第一開口部142はメインダクト124に隙間なく連通している。第二開口部143は、撮像装置100の下面に設けられた第三吸気口119(図4)に隙間なく連通している。第三開口部144は撮像装置100の右側面に設けられた第四吸気口120(図4)に隙間なく連通している。回転ファン148(図13)による強制空冷時には、回転ファン148の吸気作用によって、第三吸気口119および第四吸気口120から第一開口部142に至る空気の流れが生じる。
センサダクト126は、センサ基板122とカード基板125との間に配置され(図7)、センサ基板122およびカード基板125を空冷する。また、センサダクト126は、第一開口部142の近傍において上方に露出したセンサダクト平面部145を介して、ハンドル部103(図4)に対して熱交換可能に接続されている。なお、センサダクト126を用いた冷却構造の詳細は後述する。
グリップ部吸気ダクト127(図7)は、空洞を持つ筒状の部品であり、グリップ部109の内部に配置される。グリップ部吸気ダクト127の一端はメインダクト124と隙間なく連通し、他端は第二吸気口116(図3)と隙間なく連通している。回転ファン148による強制空冷時には、回転ファン148の吸気作用によって、第二吸気口116からメインダクト124に至る空気の流れが生じる。なお、その詳細に関しては後述する。
図12は、撮像装置100の映像処理に関するブロック図である。図12を用いて撮像装置100の映像処理の流れを説明する。撮像装置100は、バッテリ106から電力が供給されることによって動作する。撮影が始まると、撮像レンズ101に入った光は撮像素子128上に光学像として結像する。センサ基板122は、撮像素子128からの出力に応じたデジタル映像信号を生成する。生成されたデジタル映像信号は、メイン制御基板123上の映像信号処理部146に出力される。映像信号処理部146は、入力されたデジタル映像信号に対して所定の処理を行い、さらに別途取り込んだ音声信号や各種メタデータと合わせることで映像データを生成する。また、このときに生成される映像データは、例えば、4K画質24fps以上の映像である。なお、映像信号処理部146は、発熱素子136、137、138の3つの素子から構成されている。
映像信号処理部146で生成された映像データは、表示部104に送られて映像として表示される。この際、必要に応じて撮像装置100の動作状況がオンスクリーン・ディスプレイ情報として表示される。また、撮影者によって記録が選択された際には、映像信号処理部146にて生成された映像データは、所定の処理が加えられることでRAWやMP4などの各種フォーマットに変換された後にカード基板125に送られ、記録メディア139に映像として保存される。一方、外部接続端子108に所定のコネクタが接続されている際には、映像信号処理部146から外部接続端子108に対して映像信号を出力し外部機器に送信することが可能となっている。なお、撮像装置100においては、記録メディア139に保存されている記録データを映像信号処理部146に読み込ませることで元の映像データを再生成することができる。そして、再生成された映像データは表示部104や外部接続端子108に対して出力することが可能である。
図13、図14はそれぞれ、メインダクト124およびその周辺の斜視図、分解斜視図である。メインダクト124は、主にダクトベース147(ベース部)、回転ファン148、フロントダクトカバー156およびリアダクトカバー159から構成されている。撮像装置100の内部では、メインダクト124は、メイン制御基板123と接する形で撮像レンズ101の左方に配置されている。
ダクトベース147は、熱伝導率の高いアルミダイカストで形成されている。ダクトベース147は、隣接するメイン制御基板123とで不図示の放熱ゴムを圧縮して挟み込む形で配置されている。この放熱ゴムは、シリコンゴムなどの非常に柔らかく弾力性に富んだ材質の内部に金属フィラーなどを練りこんだ部材であり、大きな反力を発生させることなく部品間での熱の移動をスムーズに行うことが可能な部材である。
メイン制御基板123上の発熱素子136、137、138(図9)は全てダクトベース147側の同一面上に実装され、且つ、放熱ゴムは3つの発熱素子すべての上に配置されている。これにより、メイン制御基板123の熱を効率よくダクトベース147に伝え、効率的に放熱することが可能になっている。
フロントダクトカバー156は、ダクトベース147の蓋となる部材であり、回転ファン148が取り付く取付面を有している。フロントダクトカバー156には、表裏を貫通するファン開口157が設けられている。また、フロントダクトカバー156には、回転ファン148の取付面に対して傾いている傾斜壁158が設けられている。リアダクトカバー159も、フロントダクトカバー156と同様にダクトベース147の蓋となる部材である。ダクトベース147とリアダクトカバー159とによって、排気開口167が形成されている(図13)。排気開口167は排気口121(図3)と隙間なく連通している。
図15は、回転ファン148を示す図である。図15では、回転ファン148における空気の流量分布の大まかな状態を、矢印により示している。図中の矢印の大きさが回転ファン148の排気風の流量の多さを表している。回転ファン148は遠心ファンであり、回転軸149を中心として複数枚の放射状の翼を持つ羽根車152を有する。羽根車152は、不図示のモータからの駆動力によって回転軸149を中心に回転可能に構成されている。
また、回転ファン148の筐体外形の一面には、略円形の開口部である吸引口150が設けられている。吸引口150の中心は回転軸149と略同軸である。筐体の側壁には吐出口151が設けられている。羽根車152が回転すると羽根車152の中央に負圧が生じ、吸引口150から周囲の空気が回転ファン148内部に吸引される。回転ファン148内部に取り込まれた空気は、回転する羽根車152の遠心力により内側から外側に押し出され、ファン内壁153に沿って流れた後に吐出口151から排気風として吐出される。
回転ファン148の内部では、空気は内側から外側へ押し出されながら運ばれる。そのため、吐出口151における排気風の流量分布としては、第1外壁155側が少なく、吐出口151の第2外壁154側が多いという、偏った不均一なものとなる。従って、吐出口151からの吐出方向に直交する方向における吐出口151の下端151a(第1の端部)から上端151b(第2の端部)にかけて、吐出口151からの空気の吐出量が多くなるように構成されている。
ところで、図14に示す、フロントダクトカバー156のファン開口157、および、ダクトベース147のファン吸気エリア160の各位置は、回転ファン148の吸引口150(図15)に対応している。従って、ファン吸気エリア160から回転ファン148まで、空気がスムーズに流れることができる。
図16は、メインダクト124のX―Z断面図である。図17は、ダクトベース147の斜視図である。図17に示すように、ダクトベース147は、前側の立壁に、貫通穴である吸気開口163を有している。ダクトベース147の中央部には、ファン吸気エリア160が設けられており、その上方には、側壁および底面の一部を切り欠いた連通開口168が形成されている。メインダクト124として組み立てられた際に、連通開口168は、センサダクト126の第一開口部142(図11)と隙間なく連通する。
ダクトベース147、フロントダクトカバー156、リアダクトカバー159等の各部品を組み合わせることで、メインダクト124の内部に複数の中空部が形成される。図16に示すように、流路を形成する部分として、メインダクト124の主に前半部に吸気ダクト161(吸気側ダクト部)が形成され、メインダクト124の主に後半部で、回転ファン148よりも後方に排気ダクト162(排気側ダクト部)が形成される。吸気ダクト161は、主にダクトベース147とフロントダクトカバー156とに挟まれたエリアである。吸気ダクト161は、内部空間として、ファン吸気エリア160と迂回エリア164とを有する。
迂回エリア164は、フロントダクトカバー156の傾斜壁158とダクトベース147とに囲まれ、吸気の流れを迂回させるための空間である。迂回エリア164は、回転ファン148よりも後方の範囲に形成されている。従って、吸気ダクト161は、吸気開口163から、迂回エリア164の一部を介して、回転ファン148の吸引口150(図15)までの流路を形成する。なお、吸気開口163と第一吸気口115(図2)と隙間なく連通している。
排気ダクト162は、主にダクトベース147と、フロントダクトカバー156の傾斜壁158と、リアダクトカバー159とに囲まれたエリアであり、回転ファン148の下流側に設けられている。排気ダクト162は、内部空間として、スロープ部165と排気側放熱部166とを有する。排気ダクト162は、排気開口167を有する。排気開口167は排気口121(図3)と隙間なく連通している。
図17に示すように、ダクトベース147において、迂回エリア164の上下方向における略中央部には第1の遮蔽壁169が設けられている。第1の遮蔽壁169が境界となって、迂回エリア164は上側迂回エリア171と下側迂回エリア170(所定空間)とに仕切られている。下側迂回エリア170および上側迂回エリア171はいずれもファン吸気エリア160と連通している。吸気ダクト161において、吸気開口163と回転ファン148の吸引口150とは下側迂回エリア170を介して連通している。
ダクトベース147には、放熱フィンとして、下方放熱フィン172(吸気側フィン)、上方放熱フィン173および排気側放熱フィン175(排気側フィン)が、それぞれダクトベース147と一体に形成されている。下方放熱フィン172は、略前後方向に延伸した複数本のリブ形状であり、ファン吸気エリア160の下方に設けられている。上方放熱フィン173は、略前後方向に延伸した複数本のリブ形状であり、ファン吸気エリア160の前方から上方にかけて設けられている。排気側放熱フィン175は、略前後方向に延伸した複数本のリブ形状であり、迂回エリア164の後方に設けられている。連通開口168と上方放熱フィン173の間には、第2の遮蔽壁174が設けられている。また、ダクトベース147には、USB接続面183が一体に設けられている。
ここで、図18は、ダクトベース147に回転ファン148を重ねて示した図である。回転ファン148と下方放熱フィン172との位置関係を説明する。回転軸149を通り吐出口151に対して直交する直線を中心線176とする。中心線176は、吐出口151からの空気の吐出方向と平行である。下方放熱フィン172は、上下方向において中心線176よりも第1外壁155側の領域に配置される。下方放熱フィン172は、回転軸149の軸線方向視で(左右方向から見て)、回転ファン148と投影上で重なる位置に配置されている。
中心線176に平行な方向において、下方放熱フィン172の、吸気開口163側(吸気開口側)の端位置を第1の端位置P1とする。また、中心線176に平行な方向において、下方放熱フィン172の、排気開口167側(排気開口側)の端位置を第2の端位置P2とする。また、回転ファン148の、吸気開口163側の端位置を端位置Q1とし、回転ファン148の、排気開口167側の端位置を端位置Q2とする。中心線176に平行な方向において、第1の端位置P1は端位置Q1よりも吸気開口163側に位置する。下側迂回エリア170は、第2の端位置P2に隣接している。すなわち、下方放熱フィン172は、排気口121側の下側迂回エリア170まで伸びている。さらに、第2の端位置P2は、端位置Q2よりも排気開口167側に位置している。つまり、中心線176に平行な方向において、下方放熱フィン172は、回転ファン148の全長を含む範囲に形成されている。
なお、中心線176に平行な方向において、端位置P1、P2、Q1、Q2が上記位置関係となるとした。しかし、吸気開口163と排気開口167とを通る直線方向において、端位置P1、P2、Q1、Q2が上記の位置関係となるように構成してもよい。あるいは、光軸184方向において、端位置P1、P2、Q1、Q2が上記の位置関係となるように構成してもよい。
図19は、メインダクト124の内部における空気の流れを示す図である。吸気開口163から、下方放熱フィン172を経由してファン吸気エリア160の下方を通り、下側迂回エリア170を経てファン吸気エリア160に流入する吸気の流れを第1の吸気の流れ178と呼ぶ。下側迂回エリア170はファン吸気エリア160よりも後方に位置するので、第1の吸気の流れ178の経路は、Uターンしてファン吸気エリア160に到達する形となっている。
また、吸気開口163から上方放熱フィン173を経由してファン吸気エリア160の上方を通り、ファン吸気エリア160に流入する吸気の流れを第2の吸気の流れ179とする。また、センサダクト126の第一開口部142(図11(a)、(b))を介して連通開口168から流入し、ファン吸気エリア160に至る吸気の流れを第3の吸気の流れ180とする。回転ファン148から吐出された排気風は全て排気側放熱フィン175を通過する。
図20は、排気側放熱フィン175および回転ファン148を示す図である。図中、矢印の大きさは排気風の流量の多さを表す。排気側放熱フィン175と回転ファン148との関係を説明する。排気側放熱フィン175は、排気ダクト162内に、回転ファン148の吐出方向に略平行に複数本、配されているが、その長さは全数が同じではない。排気側放熱フィン175の各々の長さは、吐出口151の下端151aに近いものより、上端151bに近いものの方が長い。
例えば、排気側放熱フィン175は、回転ファン148の排気風の流量が多い第2外壁154の近傍には、全長が相対的に長い第1放熱フィン181が配置されている。一方、回転ファン148の排気風の流量が少ない第1外壁155の近傍には、全長が相対的に短い第2放熱フィン182が配置されている。排気側放熱フィン175の各フィンをこのような配置とすることにより、流量の少ない部位においては通風抵抗が少なく放熱効率が高いダクトを実現することができる。USB接続面183は、第1放熱フィン181の近傍に形成されている。USB接続面183は平面形状で、排気側放熱フィン175と略平行になっている。
図21は、ダクトベース147およびメイン制御基板123の斜視図である。図21で、ダクトベース147の各リブとメイン制御基板123の発熱素子との位置関係を説明する。メイン制御基板123の厚み方向において、前方下発熱素子136と下方放熱フィン172とは投影上重なり、前方上発熱素子137と上方放熱フィン173とは投影上重なり、後方発熱素子138と排気側放熱フィン175とは投影上重なっている。このような関係により、各発熱素子で発生した熱を対応する各フィンに効率よく伝え、回転ファン148による強制冷却によって効率的に排熱することが可能になっている。
次に、吸気ダクト161と排気ダクト162との2層構造の関係を説明する。図16に示すように、メインダクト124は、傾斜壁158によって、回転ファン148の吐出口151の下流側で厚み方向において吸気ダクト161と排気ダクト162との2層に分離されている。つまり、吸気ダクト161と排気ダクト162とは積み重なった形態となっている。
これにより、迂回エリア164を回転ファン148より後方(−Z側)に配置することができる。その結果、第1の吸気の流れ178については、回転ファン148の下流側まで行った後にUターンしてから回転ファン148に吸引される経路をたどる(図19)。従って、装置を大型化することなく、下側迂回エリア170まで続く下方放熱フィン172の長さを充分に長く確保することが可能になり、前方下発熱素子136の放熱に有利となっている。
なお、装置の大型化の回避の観点からは、吸気ダクト161の少なくとも一部と排気ダクト162の少なくとも一部とが、吐出口151より下流側の位置で、回転軸149の軸線方向視(回転軸方向視)において投影上重なっていてもよい。また、装置の大型化の回避の観点からは、下方放熱フィン172の少なくとも一部と、回転ファン148の少なくとも一部とが、回転軸149の軸線方向視において投影上重なっていてもよい。
図22は、傾斜壁158の断面を示すダクトベース147の斜視図である。図22では、迂回エリア164とスロープ部165とが重なった部分の断面が示されている。図中、矢印の大きさは排気風の流量の多さを表す。傾斜壁158は、Y軸とZ軸の双方に対して傾きを有する斜面である(図16も参照)。そのため、吸気ダクト161と排気ダクト162とが回転軸149の軸線方向視において投影上重なる範囲において、吸気ダクト161の流路断面積および排気ダクト162の流路断面積は上下方向になだらかに変化している。つまり、迂回エリア164およびスロープ部165の各流路断面積が上下方向に徐々に変化している。
具体的には、迂回エリア164の流路断面積は、吐出口151の下端151aから上端151bにかけて小さくなり、スロープ部165の流路断面積は、下端151aから上端151bにかけて大きくなっている。回転ファン148の排気風量が多い第2外壁154側においては、スロープ部165の流路断面積の方が迂回エリア164の流路断面積に対して大きいことで、通風抵抗を下げ、効率的な排気が可能になっている。一方、排気風量が少ない第1外壁155側においては、迂回エリア164の流路断面積の方がスロープ部165の流路断面積に対して大きいことで、通風抵抗を下げ、効率的な吸気が可能になっている。従って、2層の合計の厚みを一定に保ったまま効率的な吸排気を実現している。
また、第3の吸気の流れ180(図19)の流路も、回転ファン148の下流側で傾斜壁158によって吸気ダクト161と排気ダクト162の2層状態に分離されて積み重なった形をしている。これにより第3の吸気の流れ180はメインダクト124に入った後に上側迂回エリア171を介して短距離で回転ファン148に導かれる経路をとる。従って、センサダクト126からの流路を短くしてセンサダクト126からの吸気を効率的に吸引口150まで導くことができる。
図23は、光軸184を通るメインダクト124のX―Z断面図である。グリップ部109の把持性について説明する。図16に示すように、排気ダクト162において、回転ファン148からの排気風がスロープ部165に沿って流れるため、排気側放熱部166と迂回エリア164とは略同一高さに位置する。図23に示すように、排気ダクト162の流路は光軸184側に向かって曲がった流路となる。グリップ部109の後方の外観面は、撮影開始ボタン111を右手親指185で操作するときに邪魔にならない外観形状となっている。さらに、左右方向において、メインダクト124の最も凹んだ位置に右手親指185が位置するようにグリップ部109は配置されている。
メインダクト124は、グリップ部109の外郭(主把持面)よりも本体100a側(本体側)に配置されている。また、排気ダクト162が光軸184側に近く、グリップ部109の内側にメインダクト124の一部が配置されることで、左右方向において光軸184からグリップ部109の主把持面までの距離L1が短くなっている。これにより、左右方向において撮像装置100が小型化されている。
また、上述のように、下方放熱フィン172を回転ファン148の投影上に配置することで(図18)、メインダクト124の上下方向の大きさを回転ファン148と略同一にしている。従って、小型のグリップ部109が実現され、メインダクト124を握りこむように把持することが可能になっている。グリップ部109が小さくなることで握りやすくなる。また、撮像レンズ101やバッテリ106の重量によりグリップ部109を把持する右手にかかるモーメント力が小さくなり、把持安定性が良好である。
図24は、グリップ部109およびグリップ部吸気ダクト127の分解斜視図である。グリップ部109の後面側はグリップカバー186により覆われている。第二吸気口116(図6)はグリップカバー186に設けられている。第二吸気口116の内側がグリップ部吸気ダクト127と接続されている。グリップ部吸気ダクト127は、グリップダクトベース187およびグリップダクト板金190を有する。グリップダクトベース187は、例えばプラスチック樹脂材などの熱伝導率の低い材質にて構成されている。例えば、グリップダクトベース187は、ダクトベース147よりも熱伝導性の低い部材で形成される。そのため、グリップダクトベース187の内と外とでの熱交換は少ない。
グリップダクトベース187は、グリップダクト形成部188とグリップダクト延長部189とから構成されている。グリップカバー186側から見て、グリップダクト形成部188はコの字形状(チャンネル状)に形成されており、コの字形状の開口側がグリップダクト板金190によって蓋をされることによって内部空洞が形成される。また、グリップダクト形成部188とグリップダクト板金190とで形成される内部空洞の開口部は、第二吸気口116から空気が流入した際にグリップ部吸気ダクト127内に空気が通るように、第二吸気口116の内側と当接するように配されている。グリップダクト延長部189は、グリップダクト形成部188とグリップダクト板金190とで形成される内部空洞と連通している。グリップダクト延長部189のダクト開放面191は、断面コの字形状である。
図25(a)、(b)は、センサダクト126およびその周辺の分解斜視図である。図26、図27は、センサダクト126およびその周辺の断面図である。センサダクト126(図11)がセンサ基板122(図7)とカード基板125(図7)を冷却する仕組みを説明する。図27は、板形状200の無い比較例を示している。
センサダクト126には、センサダクトベース192とカード基板固定板金193とが一体化することで内部空洞194が形成される(図26)。カード基板固定板金193には、カード基板125のカードスロット非実装面195が対向するようにカード基板125が固定される。カード基板固定板金193は板金開口部196を有する。カード基板固定板金193とカードスロット非実装面195との間には、環状で矩形形状のカード側クッション部材197が配置される(図25)。カードスロット非実装面195の一部がカード側クッション部材197によって周辺空間から遮蔽されて、板金開口部196から内部空洞194に露出する。
センサ基板122は、センサ基板122のセンサ放熱面133がセンサダクトベース192に対向するように配置される。センサダクトベース192は、板金開口部196と対向する位置にセンサダクト開口部198を有する。センサダクトベース192とセンサ基板122との間には、環状で矩形形状のセンサ側クッション部材199が配置される(図25、図26)。センサ放熱面133の一部がセンサ側クッション部材199によって周辺空間から遮蔽されて、センサダクト開口部198から内部空洞194に露出する。撮像レンズ101の個体ばらつきに起因するセンサ基板122の位置および傾きのばらつきはセンサ側クッション部材199によって吸収され、センサ放熱面133の内部空洞194への露出部は、周辺空間からの遮蔽が保たれる。センサダクトベース192は、板金開口部196とセンサダクト開口部198との中間に位置する板形状200を備える。
図26に示すように、第二開口部143から第一開口部142に向けて空気の流れ180’が形成されている。なお、空気の流れ180’は、流路下流において第3の吸気の流れ180となる。板形状200の主面は空気の流れ180’に直交する。空気は板形状200を迂回して、板形状200とセンサ放熱面133との間と、板形状200とカードスロット非実装面195との間を通過して、第一開口部142へ流れていく。図27に示すように、板形状200を設けない場合、空気の流れ180’はセンサ放熱面133の近傍とカードスロット非実装面195の近傍を通らないため、冷却効率が低下する。
本実施の形態では、図26に示すように、センサ基板122およびカード基板125の熱を受け取り温まった空気は、カード基板固定板金193で形成されるセンサダクト平面部145の直下を通り、第一開口部142からメインダクト124へ流入する。上述のように、連通開口168(図17、図19)と第一開口部142とは隙間なく連結されている。従って、センサ基板122およびカード基板125の冷却に使用された空気は、センサダクト126の内部を通り第一開口部142および連通開口168を経てメインダクト124へ流入し、第3の吸気の流れ180となる(図19)。
図19に示すように、センサダクト126から流入した第3の吸気の流れ180は、上側迂回エリア171に流入する。一方、第一吸気口115(図2)から吸入される第1の吸気の流れ178は下側迂回エリア170に流入する。下側迂回エリア170と上側迂回エリア171とは第1の遮蔽壁169にて分離されているため、両者はファン吸気エリア160に至るまで合流しない。
センサダクト126内の空気の流れ180’を含めた第3の吸気の流れ180の全体の経路は長く、経路の途中で屈曲部も多いため、空気が流れにくい。一方、第1の吸気の流れ178は第3の吸気の流れ180と比べて流れやすい。第1の遮蔽壁169があることにより、第3の吸気の流れ180が回転ファン148の吐出口151に吸入されるときに、第1の吸気の流れ178の影響を受けて第3の吸気の流れ180の吸入が阻害されることが防がれる。同様に、第2の吸気の流れ179と第3の吸気の流れ180とは、第2の遮蔽壁174によって回転ファン148の吐出口151に吸入される直前まで分離・遮蔽されている。これにより、第2の吸気の流れ179の影響を受けて第3の吸気の流れ180の吸入が阻害されることが防がれる。
図28(a)、(b)はそれぞれ、グリップ部吸気ダクト127およびセンサダクト126のX−Z断面図、X−Y断面図である。図28(a)、(b)では特に、第3の吸気の流れ180(流れ180’)と第4の吸気の流れ201の合流部を示している。
まず、第二吸気口116からグリップ部吸気ダクト127の内部を通り、グリップダクト延長部189を経由してメインダクト124のファン吸気エリア160に流入する吸気の流れを第4の吸気の流れ201とする。グリップダクト延長部189は、メインダクト124との合流箇所においては、第一開口部142と対面する位置に配されている。メインダクト124の外部にグリップダクト形成部188(図24)が露出し、メインダクト124の内部にグリップダクト延長部189が格納されている。メインダクト124の内部では、グリップダクト延長部189はフロントダクトカバー156(図14も参照)と協働して中空のダクト形状を形成する。これにより、第4の吸気の流れ201はその周囲を熱伝導率の低いプラスチック部材で全周を取り囲まれ、周囲とほとんど熱交換することなくファン吸気エリア160(図14、図19も参照)まで到達する。
グリップダクト延長部189とフロントダクトカバー156とによって形成される中空のダクト形状の出口は、回転ファン148の吸引口150の+X側に近接して配されている。これにより、第二吸気口116から流入した第4の吸気の流れ201の空気は、回転ファン148に吸気される直前までは、メインダクト124や、既に熱交換された第3の吸気の流れ180の空気に対して触れない。そのため、第4の吸気の流れ201を、熱交換されることなく外気とほぼ同じ温度のまま回転ファン148の吸引口150(図15)まで導くことが可能である。
第4の吸気の流れ201は、吸引口150より上流側の位置であるファン吸気エリア160において、第1の吸気の流れ178と第2の吸気の流れ179と第3の吸気の流れ180と合流する。その後、合流した空気は回転ファン148に吸引され、排気ダクト162に吐出される(図19、図20)。前述のように、第4の吸気の流れ201は外気温度を保ったまま回転ファン148に到達する。つまり、他の風の流れに比べて相対的に温度が低い第4の吸気の流れ201を混ぜることによって、回転ファン148の排気風温度を下げることができるため、排気ダクト162内の冷却効率を上げることが可能になる。
図29は、グリップ部109を外した状態の、撮像装置100の側面図である。図30は、ズームユニット202の配置箇所における、撮像装置100のX−Y断面図である。ズームユニット202は、ハンドル部103とグリップ部109の外形頂点とを結ぶライン203よりも、撮像レンズ101側(光軸184に近い側)に配置されている。これにより、落下等で床等から外力が撮像装置100に加わった際にも、ズームユニット202に直接の衝撃がかかることがない。また、ズームユニット202はメインダクト124および回転ファン148を避けた位置(正面から見て重ならない位置)に配置される。これにより、本体100aの放熱が妨げられにくい。
図31(a)、(b)は、表示部104を開状態にした撮像装置100の斜視図である。図31(a)に示すように、表示部104は、ヒンジユニット204のヒンジ回転軸205を中心に開閉自在に取り付けられている。表示部104を開いたときに露出する本体100aの右側面には、Rカバー206が取り付けられている。Rカバー206には、開閉可能なカードカバー207が設けられている。図31(a)、(b)はそれぞれ、カードカバー207の閉状態、開状態を示している。撮影者は、カードカバー207の指掛け部208に指を掛けて引き出す操作をすることで、カードカバー207を閉状態から開状態へと移行させることができる。撮影者は、カードカバー207を開くことで、ホルダ209のカード開口210a、210bを露出させ、記録メディア139(図12)の着脱が可能となる。
図32は、カードカバー207およびその周辺の構成要素の分解斜視図である。カード開口210a、210bの内部において、カード保持部140a、140bが、カード基板125に実装されている。カードカバー207は、カード開口210a、210bを保護する閉位置とカード開口210a、210bを露出させる開位置との間でカバー回転軸211(ヒンジ回転軸205と略平行)を中心に回転可能に設けられている。ロック部材214は、ロック回転軸213を中心に回転可能に設けられている。
図33(a)、(b)は、+Y側から見たカードカバー機構の要部を示す図である。図33(c)は、図31(a)のB平面による断面図である。図33(a)に示すように、ねじりコイルバネ212は、ロック部材214を+Y側から見て時計回りに付勢する。付勢されたロック部材214のカードロック先端部215は、カードカバー207の切り欠き部217を付勢することによって、カードカバー207を閉位置に維持するようになっている。
カードカバー207が、閉状態(図33(a))から開状態へと移行すると、カードカバー207の扇形状216はロック部材214を+Y側から見てロック回転軸213を中心に反時計回りに付勢する(図33(b))。付勢されたロック部材214は、カードカバー207が開状態であることを検出する検出SW218の検出レバー片219を押し上げる。これによって、撮像装置100はカードカバー207が開状態となったことを検出できる。また、付勢されたロック部材214のカードロック先端部215は、反力によって扇形状216を押し下げ、カードカバー207を開位置に維持する。
図33(c)に示すように、ねじりコイルバネ220は、カードカバー207の開き角αが閾値である45°を超えると、カードカバー207を+Y側から見て反時計回りに付勢する。これにより、カードカバー207の開き角が45°を超える状態は一時的であり、開き角45°が維持されるようになっている。なお、閾値となる開き角45°は一例である。また、カードカバー207が閉じた状態では、ロック部材214による検出レバー片219が押し上げられないため、撮像装置100は、カードカバー207の開閉状態を電気的に識別することが可能となっている。
図31(b)に示すように、表示部104には、撮像レンズ101が捉えた被写体像を表示する表示パネル部221と、表示パネル部221の周りを覆い、かつパネル面よりも突出するパネルカバー222とが設けられている。+Y側から見て、カードカバー207の上部先端と下部先端には、それぞれ面取り形状を有した当接部223a、223bが設けられている。カードカバー207のY軸における全長は、表示パネル部221のY軸における全長よりも大きく設けられている。表示部104が開状態で且つカードカバー207が開状態のときに、表示部104が閉じられると、パネルカバー222はカードカバー207の当接部223a、223bに当接した後、カードカバー207を付勢する。
付勢されたカードカバー207は、表示部104と共に閉じた状態へと移行する。このように、表示部104を閉じたときに、カードカバー207は表示パネル部221と接触することがなく、表示パネル部221が傷つくことを防止することができる。また、カードカバー207が、本体100aと表示部104との間に挟まれて表示部104の閉じる動作を妨げることを回避できる。
図34は、カードカバー207およびその周辺の要部断面図である。記録メディア139周囲の放熱構造を説明する。図34に示す矢印は、回転ファン148により発生する空気の流れを示している。+Y側から見てカードカバー207の上部先端と下部先端(当接部223a、223b近傍)には、第四吸気口120が設けられている。第四吸気口120は、カードカバー207の裏側に形成された2つの凹部(図32)とRカバー206との間の2つの隙間である。
図34に示すように、ホルダ209には、カードカバー207が開いた状態のときにカードカバー207と干渉しないように、空間であるカバー退避部224が設けられている。カバー退避部224には、センサダクト126の第三開口部144に連結するようにカード側開口部225が設けられている。これら、センサダクト126、ホルダ209およびカードカバー207は、空気が他の部分に漏れないように通風路を構成している。Z軸方向において、+Z側から、センサ基板122、センサダクト126、カバー回転軸211、記録メディア139、第四吸気口120の順に位置している。
これにより、回転ファン148によって第四吸気口120から流入した空気は、ホルダ209とカードカバー207とにより形成された通風路にある記録メディア139の把持部226の熱を効率的に放熱することができる。また、デットスペースとなるカバー退避部224を通風路として活用することによって、撮像装置100の大型化を抑制することができる。
図35、図36は、ハンドル部103の斜視図である。ハンドル部103のハンドル把持部227の前方(+Z方向)にはオーディオ部228が配置される。オーディオ部228は、内蔵マイク部229、録音レベルを調整する調整つまみ230を含む。また、オーディオカバー231の内側には、外部マイク端子232に接続される外部マイク用の各種切り替えスイッチが配置されている。この他、オーディオ部228は、撮影に関するスタート/ストップボタン233、ズーム切り替えレバー234等を含み、これらは撮影時に使用される。
ハンドル把持部227の後方(−Z方向)には、回動可能なファインダ部235が配置され、撮影者はこのファインダ部235を使用して撮影画像や各種情報を確認することができる。ハンドル把持部227は、ハンドル下カバー236とハンドル上カバー237とで構成されており、ハンドル下カバー236は本体100aの外装の一部も兼ねている。図36に示すように、ハンドル下カバー236の内部には金属製のハンドルプレート238が固定されている。ハンドルプレート238は、本体100a側である下方(−Y側)にハンドル平面部239を有する。ハンドル平面部239に熱伝導性素材の熱伝導シート240が配置されている。
図37は、ハンドルプレート238およびその周辺の分解斜視図である。図37では、ハンドルプレート238の取り付けに関連の無い部品を不図示としている。ハンドルプレート238は、ハンドル平面部239の前後方向(Z方向)の両端からハンドル下カバー236に沿うように上方(+Y側)へ複数回の曲げを有しながら伸びる形状となっている。ハンドルプレート238のそれぞれの前側(+Z側)、後側(−Z側)の各端部を、前端部243、後端部244とする。ハンドルプレート238は、ビスによりジャック基板241およびハンドル基板242と共にハンドル下カバー236に固定され、ハンドル下カバー236と一体となってハンドル部103の剛性を保つ役割を果たしている。
図38は、本体100aおよびハンドル部103の分解斜視図である。ハンドル部103と本体100aとの取り付き関係を説明する。なお、説明に不要な部品は不図示としてある。ハンドル部103は、ハンドル下カバー236により、本体100aに固定される。その際、熱伝導シート240は、カード基板固定板金193のセンサダクト平面部145(図26も参照)と、ハンドルプレート238のハンドル平面部239(図36)とに挟持される。従って、センサダクト126は、ハンドル部103に対して熱的に係合されている。
前述のように、撮像装置100は、ダクトを通る空気が複数の熱源の熱を受け取ることで、各熱源の熱を放熱する構成を有する。センサダクト126では、センサ基板122およびカード基板125の熱を受け取った空気が、カード基板固定板金193のセンサダクト平面部145の直下を通る。その空気は、その後、第一開口部142からメインダクト124側へ移動し、第3の吸気の流れ180(図19)となる。そして第3の吸気の流れ180は、第1の吸気の流れ178および第2の吸気の流れ179と混ざって、回転ファン148により排気ダクト162へ排気される。その際、排気風は、排気側放熱部166(図16)を通過し、後方発熱素子138(図14)からの熱を受け取ることになる。
メイン制御基板123の放熱効率を考えると、センサ基板122の熱とカード基板125の熱による空気の温度上昇をできるだけ抑えておくことが望ましい。本実施の形態では、センサ基板122とカード基板125から熱を受け取った空気は、カード基板固定板金193のセンサダクト平面部145から熱伝導シート240を介して、ハンドルプレート238のハンドル平面部239へ熱を伝える。従って、センサ基板122とカード基板125により一旦上昇した空気の温度を、空気がメインダクト124側へ移動する前に低下させることが可能となっている。
図39は、ハンドル部103の上面図である。図40は、図39のC−C線に沿う断面図である。センサダクト平面部145からハンドル部103への伝熱について説明する。図40において、説明に不要な部品は不図示としている。また、図中矢印は熱の伝わり方を示している。
図40に示すように、本体100aから伝わった熱は、熱伝導シート240を介してハンドルプレート238のハンドル平面部239に伝わり、その熱はハンドルプレート238の前端部243、後端部244へと伝わる。その後、その熱は、ビス固定部や内部の空気によりハンドル下カバー236、ハンドル上カバー237へと伝わり、最後は外部の空気に拡散される。金属製のハンドルプレート238により、ハンドル部103の内部に効率良く熱を伝え、拡散させている。しかし、ハンドルプレート238の前端部243、後端部244共に、ハンドル部103のハンドル把持部227に至る位置までは配置されていない。そのため、ハンドル把持部227の温度上昇を抑えることが可能となっている。
このように、ダクト構成による複数ある熱源の放熱において、熱源を通過する空気が受け取った熱を、次の熱源に移動する前にハンドル部103へ伝えることで、その後の熱源の放熱効果を高めることが可能となっている。また、ハンドル部103へと伝わった熱は、効率よくハンドル部103内部に拡散させることができ、その一方、ハンドル把持部227へ熱が伝わることを抑えることが可能となっている。なお、本実施の形態では、ハンドル把持部227の温度上昇を抑えるためにハンドルプレート238の端部はハンドル把持部227の位置まで配置していない。しかし、熱の伝わり方や温度上昇の状況次第ではハンドルプレート238をハンドル把持部227の位置まで配置してもよい。
本実施の形態によれば、メインダクト124の下方放熱フィン172は、回転軸149方向視で回転ファン148と投影上で重なる(図18)。また、中心線176に平行な方向において、下方放熱フィン172の第1の端位置P1は回転ファン148の端位置Q1よりも吸気開口163側に位置する。また、下方放熱フィン172の第2の端位置P2は、回転ファン148の端位置Q2よりも排気開口167側に位置する。従って、下方放熱フィン172は、回転ファン148の全長を含む範囲に形成されている(図18)。さらに、吸気ダクト161において、吸気開口163と回転ファン148の吸引口150とは、第2の端位置P2に隣接する下側迂回エリア170を介して連通している。これらにより、撮像装置100の大型化を回避しつつ放熱効率を高めることができる。
また、吸気ダクト161と排気ダクト162とが、吐出口151より下流側の位置で、回転軸149の軸線方向視において投影上重なるので、装置の小型化に寄与する。
また、回転ファン148は、吐出口151の下端151aから上端151bにかけて、吐出口151からの空気の吐出量が多くなるように構成されている。さらに、迂回エリア164の流路断面積は、吐出口151の下端151aから上端151bにかけて小さくなり、スロープ部165の流路断面積は、下端151aから上端151bにかけて大きくなっている。これにより、風量の差を考慮して、効率的な吸気と排気を可能にすることができる。
また、第1の遮蔽壁169によって、迂回エリア164は上側迂回エリア171と下側迂回エリア170(所定空間)とに仕切られたので、第1の吸気の流れ178の影響を受けて第3の吸気の流れ180の吸入が阻害されることを防止することができる。
また、センサダクト126は、熱伝導シート240を介してハンドル部103に対して熱的に係合されているので、センサダクト126内で温度上昇した空気がメインダクト124側へ移動する前に、その空気の温度を低下させ、放熱効率の向上に寄与する。
また、グリップダクトベース187は、熱伝導率の低い材質にて構成されるので、空気が冷たいままファン吸気エリア160まで到達し、放熱効率の向上に寄与する。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、ハンドル部103の構成が異なり、その他の構成は共通する。ハンドル部103について、第1の実施の形態と異なる形状、部品、機能を主に説明し、同一の部品、形状、機能についての説明を省略する。
図41、図42は、ハンドル部103の外観斜視図である。ハンドル下カバー245のハンドル把持部227の下方(−Y側)に、細長い貫通穴であるスリット形状249を複数配置した放熱開口250が設けられている。また、図42に示すように、ハンドル下カバー245の内部には、金属製のハンドルプレート248、金属製のヒートシンク形状246が固定されている。さらに、ヒートシンク形状246の下方(−Y側)には、ハンドル下平面部251が設けられ、ハンドル下平面部251に熱伝導シート240が配置されている。
図43は、ハンドルプレート248およびその周辺の分解斜視図である。図43では、ハンドル下カバー245へのハンドルプレート248の取り付けに関連の無い部品を不図示としている。ヒートシンク形状246には、表面積が大きくなるように、フィン形状部252を複数配置したハンドル放熱部253が設けられている。このハンドル放熱部253は、ハンドル下カバー245の放熱開口250と対応している。このハンドルプレート248およびヒートシンク形状246は、ビスによりジャック基板241、ハンドル基板242と共にハンドル下カバー245に固定され、ハンドル下カバー245と一体となってハンドル部103の剛性を保つ。ヒートシンク形状246とハンドルプレート248とは熱的にも接続されている。
図44は、ハンドル部103の上面図である。図45は、図44のD−D線に沿う断面図である。図46は、図44のE−E線に沿う断面図である。図45、図46において、説明に不要な部品を不図示としている。
図45に示すように、本体100aからの熱は、主に熱伝導シート240を介してヒートシンク形状246のハンドル下平面部251に伝わり、複数あるフィン形状部252へと伝わる。ハンドル下カバー245には、フィン形状部252の谷部に対応するようにスリット形状249が形成されている。フィン形状部252は直接外気に触れることが可能となっており、複数のスリット形状249で構成された放熱開口250を通して効率よく熱を外気に逃がすことができる。すなわち、本体100aに対して熱的に結合されたヒートシンク形状246が有するフィン形状部252から、放熱開口250を通じて放熱される。
なお、放熱開口250はできるだけユーザに触れにくい位置に配置することが望ましい。図41に示すように、放熱開口250はハンドル把持部227の下方(−Y方向)に配置され、Y方向においてハンドル把持部227の影になっているため、ユーザが放熱開口250に触れにくい構成となっている。なお、図41に示すように、ヒートシンク形状246のフィン形状部252の上にハンドル下カバー245の放熱開口250が外観面として配置される。これにより、ハンドル放熱部253が直接外気に触れつつ、ユーザがハンドル放熱部253に触れないようにしている。しかし、温度状況によってはハンドル下カバー245のスリット形状249を開口形状とし、ヒートシンク形状246が直接外観面となるような構成としてもよい。
なお、ハンドル把持部227の温度上昇を抑えるために、ハンドルプレート248のハンドル前側端部254やハンドル後側端部255(図43)、ヒートシンク形状246の端部は、ハンドル把持部227まで配置していない。しかし、熱の伝わり方や温度上昇の状況次第ではハンドルプレート248、ヒートシンク形状246を、ハンドル把持部227の位置まで配置してもよい。
図47は、図48は、それぞれ、移動通信機器256を接続した状態の撮像装置100の斜視図、正面図である。USBコネクタ114の配置について図47、図48を用いて説明する。撮像装置100のUSBコネクタ114には、移動通信機器256が接続可能である。
移動通信機器256は、例えば、5G規格の高速データ通信が可能なドングルである。移動通信機器256を撮像装置100に接続することで、撮像装置100は記録メディア139に記録した映像や撮影中の映像を公衆通信網を介して外部のPCなどに転送可能となる。なお、図中の移動通信機器256では、受信感度を向上させるためにアンテナ部を上側に向け角度調整されているが、角度調整を行わずに撮像装置100の左側に真っ直ぐ延出しても構わない。
USBコネクタ114は、図47に示すようにグリップ部109と外部接続端子108とに挟まれた谷部の中に開口を左側に向けて、吸気口配置面118の後ろ側に隣接する形で配置されている。また、前述のとおり、操作時に右手親指が吸気口配置面118にかかることは無い。つまり、移動通信機器256も吸気口配置面118と同様に、操作時に右手親指がかかることが無いため、使い勝手が良い。
また、前述のとおりUSBコネクタ114はグリップ部109と外部接続端子108に挟まれた谷部に配置されている。すなわち、光軸184に直交する方向において光軸184に近い位置にUSBコネクタ114は配置されている。その一方、USBコネクタ114は、ハンドル部103からは左方向に離れた位置に設けられているため、接続された移動通信機器256は、ハンドル部103から距離L2だけ離れた位置に取り付けられる。そのため、ハンドル部103を把持した際に移動通信機器256との間には空間が生まれる。移動通信機器256を使用しながらハンドル部103を把持しても移動通信機器256と手は当たらないため、使い勝手が良い。
図49(a)、(b)はそれぞれ、USB基板257の表側、裏側の斜視図である。USB基板257の基材258の表側の面上に、USBコネクタ114および接続用コネクタ259が実装されている。接続用コネクタ259には不図示のワイヤが接続され、メイン制御基板123と電気的な信号の送受信を可能にしている。USB基板257の裏側の面には、電気部品を配置せずにUSB基板257の導体絶縁保護膜を除去することで内部の導体を露出させた導体露出部260が設けられている。
図50は、USB基板257およびメインダクト124の斜視図である。USB基板257とメインダクト124との電気的および熱的な接続を説明する。撮像装置100の内部で、USB基板257はメインダクト124の一部であるUSB接続面183に対向して配置されている。USB基板257とUSB接続面183との間には、導電性弾性部材261および熱伝導性弾性部材262が圧縮される形で挟まれて存在している。
導電性弾性部材261は、発泡性EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などの非常に柔らかく弾力性に富んだ材質を芯材とし、その外周を導電性繊維で取り囲むように構成されている。従って、大きな反力を発生させることなく部品間を電気的に接続することが可能である。熱伝導性弾性部材262は、上述した放熱ゴムと略同一の材質で構成され、効率よく伝熱する弾性を有する部材である。導電性弾性部材261および熱伝導性弾性部材262は、USB基板257の裏側の導体露出部260と密接に接触しており、USB基板257は電気的、熱的にメインダクト124に接続されている。
一般的に、高速信号を送受信する基板からは撮像装置100の外部に対して強力な不要輻射を発しやすい。不要輻射発生源となる基板から主な電気的グランドまでの経路が長くループ経路ができる場合には、ダイポールアンテナの理論特性により、より多くの不要輻射が発生してしまう。そこで、撮像装置100では、主な電気的グランドであるメインダクト124に対してUSB基板257を最短で接続することで不要輻射の低減を図っている。
また、USB接続面183は、排気側放熱部166(図16)の上部近傍(吐出口151の上端151b近傍)に配置されている。この位置は、回転ファン148の第2外壁154側、すなわち排気風の流量が多い側の位置である。従って、排気側放熱部166の中で最も放熱効率が高いエリアに配置されることになるため、冷却効果が高い。
外部接続端子108の配置について、図51、図52(a)、(b)を用いて説明する。図51、図52(a)は、比較例の撮像装置1000の斜視図である。図52(b)は、比較例の撮像装置1000の右側面図である。図52(a)、(b)では、外部接続端子に接続ケーブルが取り付けられた状態を示している。
撮像装置1000の後部において、X−Y平面と平行に設けられた端子配置面3100に、複数の外部接続端子であるコネクタが設けられている。具体的には、オーディオコネクタ3200、LANコネクタ3201、HDMI(登録商標)コネクタ3202、電源コネクタ3203が設けられている。また、撮像装置1000の後部には、X軸に対して傾斜した第2端子配置面3405が設けられている。第2端子配置面3405は後方斜め左方を向いている。第2端子配置面3405にも、複数のコネクタが設けられている。具体的には、SDIコネクタ3400、3401、3402、3403が設けられている。
ユーザは、使用時には、各コネクタにケーブルが接続された状態で撮像装置1000を肩に乗せ、手持ちで移動しながら撮影したり、3脚に乗せて撮影を行ったりする。そのため、撮像装置1000は、取り回しサイズが小さいことが重要となる。図52(a)、(b)に示すように、各コネクタ3200、3201、3202、3203に、接続ケーブル3300、3301、3302、3303が接続される。この接続状態では、各ケーブルは、重力で垂れ下がる位置よりも根本側の領域で、自身が有するコシにより背面側に向けて大きく飛び出す。その結果、ケーブルを含む撮像装置1000の取り回しサイズが大きくなってしまう。
図53、図54(a)は、本発明の撮像装置100の斜視図である。図54(b)は、本発明の撮像装置100の右側面図である。なお、外部接続端子108の配置に関しては、第1、第2の実施の形態で共通であるので、ここで説明に用いる撮像装置100として、第1の実施の形態のものを採用する。図54(a)、(b)では、外部接続端子108に接続ケーブルが取り付けられた状態を示している。
撮像装置100の後部において、コネクタ配置面310a、311a、312a、313aが設けられている。コネクタ配置面310a〜313aは、X−Y平面に対しX軸周りに回転し、斜め下方を向いた面である。コネクタ配置面310a〜313aは、Y方向に並んで配置され、それぞれの面は互いに略平行である。コネクタ配置面310a〜313aにはそれぞれ、オーディオコネクタ320、LANコネクタ321、HDMIコネクタ322、電源コネクタ323が設けられている。
また、撮像装置100の後部には、X軸に対して傾斜した第2端子配置面345が設けられている。第2端子配置面345は後方斜め左方を向いている。第2端子配置面345にも、複数のコネクタが設けられている。具体的には、SDIコネクタ340a、341a、342a、343aが設けられている。外部接続端子としてコネクタの種類や順番は、例示したものに限定されるものではない。
図55は、各ケーブルを接続した撮像装置100の後部のY−Z断面図である。コネクタ配置面310a〜313aは、斜め下方を向いているので、接続ケーブル330、331、332、333は、斜め下方に突出し、その延長上の位置で、重力によって垂れ下がる形状となる。
図56は、それぞれケーブル接続状態とした比較例の撮像装置1000と本発明の撮像装置100とを重ねた断面図である。ある高さ位置における、撮像装置100の背面からの接続ケーブル330〜333の飛び出し量をL3、比較例の撮像装置1000の背面からの接続ケーブル3300〜3303の飛び出し量をL4とすると、L3<L4となっている。すなわち、本発明の方が比較例よりもケーブルの飛び出し量が少なくて済む。これにより、取り回しサイズが小さくなる。
また、図54に示すように、撮像装置100には、端子周辺リブ370がコネクタ配置面310a〜313aの上側に設けられ、それにより落下や雨の侵入を防止する構造となっている。これに加えて、コネクタ配置面310a〜313aが下方に向けて傾いていることにより、雨天使用時等、水滴等が上方からかかる場合にも、水滴等が接続ケーブル330〜333を伝って下に垂れていくため、撮像装置100への水滴等の侵入を防ぐことができる。
図57は、本発明の撮像装置100の外部接続端子の実装基板周辺の側面図である。オーディオコネクタ320、LANコネクタ321、HDMIコネクタ322、電源コネクタ323は、同一のコネクタ基板360に実装される。これにより、コストアップすることなく実使用時の取り回しサイズを小型化できる。
図58、図59で変形例を説明する。図58、図59は、変形例のコネクタ配置面310a〜313aを採用した撮像装置100の後部のY−Z断面図、斜視図である。図58に示すように、コネクタ配置面310a〜313aを略同一角度にするのではなく、下方の配置面ほど徐々に傾斜角度を大きくしてもよい。このようにすることにより、接続ケーブル330〜333をより外しやすい構成にすることができる。また、図59に示すように、最底辺のコネクタ配置面313には、テーブル等に置いた際にも取り回ししやすいL型の差し込みを持つ接続ケーブル333b等を使用してもよい。
図60〜図64で変形例を説明する。図60、図62は、図53で説明した本発明の撮像装置100の後部の左側面図である。図61、図63は、変形例の撮像装置2000の後部の左側面図である。図62、図63では、接続ケーブル350、351、352、353が取り付いた状態を示している。
図61に示すように、第2端子配置面345に代えて、第2コネクタ配置面346、347、348、349を設けてもよい。第2コネクタ配置面346〜349は、後方斜め左方を向くだけでなく、コネクタ配置面310a〜313aと同様に、X−Y平面に対しX軸周りに回転し、斜め下方を向いている。第2コネクタ配置面346〜349は、Y方向に並んで配置され、それぞれの面は互いに略平行である。
図64は、それぞれケーブル接続状態とした撮像装置2000と撮像装置100とを重ねた断面図である。ある高さ位置における、撮像装置2000の背面からの接続ケーブル350〜353の飛び出し量をL5、撮像装置100の背面からの接続ケーブル350〜353の飛び出し量をL6とすると、L5<L6となっている。すなわち、図61、図63に示した変形例の撮像装置2000の方が、図60、図62に示す撮像装置100よりも、ケーブルの飛び出し量が少なくて済む。これにより、取り回しサイズが小さくなる。
なお、本実施の形態において、「略」を付したものは完全を除外する趣旨ではない。例えば、「略平行」、「略同一」は、それぞれ完全な平行、同一を含む趣旨である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。