JP2021085257A - 床下用排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】基礎コンクリートの立ち上がり部分に排水管を配設する場合に、立ち上がり部分の厚みの変化に容易に対応できるようにする。【解決手段】床下用排水管10は、延長部材30を接続することが可能に構成されている。延長部材30の中心線方向の長さは、床下用排水管10の中心線方向の長さよりも短く設定されている。延長部材30には、別の延長部材20が接続可能になっている。【選択図】図16

Description

本発明は、住宅の基礎に設けられる床下用排水構造に関する。
従来より、住宅の床下構造として、例えば布基礎工法やベタ基礎工法等によって形成された基礎コンクリートの立ち上がり部分(立ち基礎ともいう)に排水管を設けた構造が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の排水管は、基礎コンクリートの立ち上がり部分を貫通するように、当該立ち上がり部分に埋め込まれた状態で保持されている。排水管の一端部は、基礎コンクリートの立ち上がり部分で囲まれた空間に連通し、また、排水管の他端部は、基礎コンクリートの外面で開口している。
このような排水管を設けておくことで、例えば基礎コンクリートの立ち上がり部分で囲まれた空間に水が溜まった際に、その水を排水管によって外部へ排水することが可能になる。なお、通常時、排水管には蓋を取り付けておくことができるようになっている。
特開2012−207499号公報
ところで、特許文献1の排水管のように基礎コンクリートの立ち上がり部分を貫通させる場合、排水管に必要な最低限の長さは立ち上がり部分の厚みに相当する長さであるが、立ち上がり部分の厚みは一定であるとは限らず、例えば住宅の規模や仕様、施工会社等によって異なっており、一定の厚みではない。このため、基礎コンクリートの立ち上がり部分の厚みに応じて長さが異なる複数種の排水管を用意しておく必要があった。
すなわち、例えば基礎コンクリートの立ち上がり部分の厚みが150mm、170mm、200mm等である場合、150mmの排水管、170mmの排水管、200mmの排水管が必要であるため、排水管の製造現場では、150mmの排水管を製造した後、段取り替えして170mmの排水管を製造し、その後、段取り替えして200mmの排水管を製造するといったように、作業が煩雑であった。しかも、150mmの排水管、170mmの排水管、200mmの排水管のそれぞれをある程度の個数製造し、在庫として保管しておかなければならず、保管スペースの確保も問題であった。排水管の長さの種類は3種類であるとは限らず、その種類が増えれば増えるほど上述した問題が顕著なものになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基礎コンクリートの立ち上がり部分に排水管を配設する場合に、立ち上がり部分の厚みの変化に容易に対応できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、排水管に延長部材を接続可能にし、想定される立ち上がり部分の厚みのうち、最も薄い厚みに対応した排水管を製造しておき、立ち上がり部分が厚い場合にはその厚みに応じて延長部材を接続して対応できるようにした。
第1の発明は、住宅の基礎コンクリートの立ち上がり部分を厚み方向に貫通するように配設され、前記立ち上がり部分で囲まれた空間に溜まった水を前記基礎コンクリートの外へ排水するための床下用排水管を備えた床下用排水構造において、前記床下用排水管の一端部には、前記立ち上がり部分の外に向けて開口する排水口が形成され、前記床下用排水管の他端部には、当該床下用排水管よりも短く形成されるとともに、当該床下用排水管を延長するための筒状の延長部材が接続可能な接続部が設けられていることを特徴とする。
すなわち、基礎コンクリートの立ち上がり部分の様々な厚みのうち、想定される最も薄い厚みの立ち上がり部分に対応した長さの床下用排水管と、複数の延長部材とを用意しておく。そして、施工時、最も薄い厚みの立ち上がり部分に対しては、床下用排水管のみを配設することで、立ち上がり部分で囲まれた空間に溜まった水を排水することができる。立ち上がり部分が厚い場合には、延長部材を床下用排水管の接続部に接続することで、立ち上がり部分の厚みに対応した長さにすることが可能になる。例えば、床下用排水管の接続部に延長部材を接続することで長さを変化させることができるので、立ち上がり部分の厚みが多様であっても、床下用排水管と延長部材を用意しておくだけで対応できる。
第2の発明は、前記延長部材における前記床下用排水管との接続側と反対側は、別の延長部材が接続可能に構成されている。
この構成によれば、複数の延長部材を使用して排水経路を構成することができる。
第3の発明は、前記基礎コンクリートはベタ基礎であり、前記床下用排水管はベタ基礎の立ち上がり部分に配設されることを特徴とする。
この構成によれば、ベタ基礎の立ち上がり部分に、延長部材が接続可能な床下用排水管を配設することで、ベタ基礎の様々な厚みの立ち上がり部分に対して排水構造を設けることができる。
第4の発明は、前記床下用排水管の前記接続部は、前記延長部材の内周面に嵌まる排水管側嵌合筒部で構成され、前記排水管側嵌合筒部の外周面には、前記延長部材に係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、延長部材を床下用排水管に接続する際、排水管側嵌合筒部を延長部材の内周面に嵌めることで容易に接続できる。このとき、嵌合筒部の係合部を延長部材に係合させることで、施工時や施工後において延長部材が床下用排水管から外れ難くなる。
第5の発明は、前記延長部材における前記床下用排水管との接続側と反対側は、別の延長部材の内周面に嵌まる延長部材側嵌合筒部で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、延長部材に別の延長部材を接続する際、延長部材側嵌合筒部を別の延長部材の内周面に嵌めることで容易に接続できる。
第6の発明は、前記床下用排水管の下部は、水平方向に延びるように形成された底板部で構成されていることを特徴とする。
すなわち、施工時には、床下用排水管を底盤コンクリートに載置した後、型枠内にコンクリートを打設して立ち上がり部分を形成することになるが、床下用排水管を底盤コンクリートに載置する際、床下用排水管の底板部が水平方向に延びているので、床下用排水管が傾き難くなり、床下用排水管を狙い通りに設置することができる。
第7の発明は、前記床下用排水管の下部の外面は、下方へ膨出するように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、施工時、床下用排水管を底盤コンクリートに載置したとき、床下用排水管の下面が下方へ膨出する形状となっているので、床下用排水管の下面を底盤コンクリートに押しつけることにより、床下用排水管の下面と底盤コンクリートとの間の空気を抜くことができる。
第8の発明は、前記延長部材は、中心線方向の一端部が他端部よりも上に位置するように曲がった屈曲管を含んでいることを特徴とする。
この構成によれば、床下用排水管を直管とした場合に、その床下用排水管の接続部に屈曲管を接続することで、全体として屈曲した排水経路を形成することができるので、現場の状況に応じた施工が可能になり、例えば鉄筋を避けるように排水経路を形成できる。
本発明によれば、床下用排水管と延長部材とを用意しておき、床下用排水管に延長部材を接続することによって基礎コンクリートの立ち上がり部分の厚みの変化に容易に対応することができる。
本発明の実施形態に係る床下用排水構造の断面図である。 蓋部材、床下用排水管及び延長部材の側面図である。 床下用排水の断面図である。 図3におけるIV−IV線に相当する断面図である。 延長部材の断面図である。 図5におけるVI−VI線に相当する断面図である。 図5におけるVII−VII線に相当する断面図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例を示す床下用排水管及び延長部材の断面図である。 変形例1に係る床下用排水管を示す図4相当図である。 変形例2に係る床下用排水管を示す図4相当図である。 配筋及び型枠の設置が完了し、コンクリートを打設する前の状態を示す断面図である。 底盤コンクリートの打設が完了し、床下用排水管を載置した状態を示す断面図である。 立ち上がり部分の型枠を設置してコンクリートを打設した状態を示す断面図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例の図12相当図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例の図13相当図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例の図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る床下用排水構造Aの断面図である。この実施形態では、床下用排水構造Aが住宅の基礎コンクリート1に適用されている場合について説明する。基礎コンクリート1は、ベタ基礎である。
基礎コンクリート1は、底盤コンクリート2と、底盤コンクリート2の周縁部から立ち上がる立ち上がり部分(立ち基礎)3とを有している。底盤コンクリート2及び立ち上がり部分3には、複数の鉄筋4が縦横に交差するように配設されている。立ち上がり部分3は平面視で環状に設けられることになるので、例えば豪雨の際には、立ち上がり部分3で囲まれた空間に水が溜まることがある。この立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を排水するための構造が床下用排水構造Aである。
図2に示すように、床下用排水構造Aは、立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を基礎コンクリート1の外へ排水するための排水経路を構成する床下用排水管10と、通常時に床下用排水管10を閉じておくための蓋部材11とを備えている。また、床下用排水構造Aは、床下用排水管10と蓋部材11の他に、1つまたは複数の延長部材20を備えていてもよい。延長部材20は必要に応じて床下用排水管10に接続される部材であり、延長部材20を床下用排水管10に接続することで、排水経路を延長することが可能になる。
図1に示すように延長部材20が無い状態で床下用排水構造Aを構成することもできる。さらに、図8に示すように、床下用排水構造Aは、屈曲管からなる延長部材30を備えていてもよく、この延長部材30を床下用排水管10に接続することによっても、排水経路を延長することが可能になる。
上述したように、本実施形態の延長部材には、直管状の延長部材20と、屈曲管からなる延長部材30とが含まれており、必要に応じて一方のみまたは両方を組み合わせて使用することができる。延長部材30は、1つだけ使用してもよいし、複数使用してもよい。延長部材30の屈曲方向は上下方向に限定されるものではなく、水平方向に屈曲していてもよい。
床下用排水管10は、例えば樹脂材で構成されており、射出成形法を利用して製造することができる。床下用排水管10は、基礎コンクリート1の立ち上がり部分3を厚み方向に貫通するように配設され、立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を基礎コンクリート1の外へ排水するための部材である。
床下用排水管10は直管状に形成されている。床下用排水管10の中心線方向の長さは、基礎コンクリート1の立ち上がり部分3の様々な厚みのうち、想定される最も薄い厚みの立ち上がり部分3に対応した長さとされている。すなわち、立ち上がり部分3の厚みは一定であるとは限らず、例えば住宅の規模や仕様、施工会社等によって異なっていることがあるが、その中でも最も薄い厚みの立ち上がり部分3は事前に想定しておくことができ、この最も薄い厚みの立ち上がり部分3の厚み寸法と、床下用排水管10の中心線方向の寸法とを略一致させておく。なお、床下用排水管10の中心線方向の寸法が、最も薄い厚みの立ち上がり部分3の厚み寸法より若干長くてもよい。
図3に示すように、床下用排水管10の長手方向(中心線方向)一端部には、床下用排水管10が立ち上がり部分2に配設された状態で当該立ち上がり部分2の外に向けて開口する略円形の排水口10aが形成されている。床下用排水管10の一端部は、立ち上がり部分2の外面と面一となるように配置されていてもよいし、立ち上がり部分2の外面から窪むように配置されていてもよい。
通常時、即ち非排水時には、排水口10aが図2に示す蓋部材11によって閉塞される。すなわち、図3に示すように、床下用排水管10の一端部寄りの内周面には、蓋部材11が嵌まる一端側段部10eが形成されている。床下用排水管10の内周面における一端側端部10eの近傍には、径方向内方へ突出する突起部10gが形成されている。床下用排水管10の排水口10aが形成されている部分から突起部10gが形成されている部分に亘る断面形状は略円形である。
一方、図2に示すように、蓋部材11は、閉塞板部11aと、筒状部11bとを備えており、これら閉塞板部11a及び筒状部11bは例えば射出成形法によって一体成形されている。閉塞板部11aは、床下用排水管10の排水口10aを覆うことが可能な大きさの円形板状に成形されている。筒状部11bは、床下用排水管10の一端側段部10eよりも奥まで挿入することが可能な円筒状に成形されている。筒状部11bの外側には、弾性材からなるパッキン12が配設されている。
筒状部11bには、床下用排水管10の突起部10gが挿入される溝部11cが形成されている。溝部11cは、筒状部11bの中心線方向に延びた後、周方向に延びるように屈曲した形状になっている。
蓋部材11で床下用排水管10の排水口10aを閉塞する場合には、まず、蓋部材11の筒状部11bを床下用排水管10に差し込むとともに、床下用排水管10の突起部10gを溝部11cに挿入する。所定量挿入すると、パッキン12が床下用排水管10の一端側段部10eに当たり、一端側段部10eと閉塞板部11aとによって押圧された状態になる。そして、蓋部材11を中心線周りに回動させることにより、床下用排水管10の突起部10gを溝部11cの奥側(周方向に延びる部分の奥側)に配置する。これにより、床下用排水管10の突起部10gが溝部11cの周縁部に係合して蓋部材11が床下用排水管10に取り付けられた状態で保持される。このとき、パッキン12によって蓋部材11と床下用排水管10との間がシールされる。蓋部材11を床下用排水管10から取り外す際には、蓋部材11を取付時とは反対方向に回動させればよい。
図4に示すように、床下用排水管10の断面形状は、排水口10a側が略円形状であるのに対し、その反対側は下部が直線状をなす形状となっており、排水口10a側からその反対側へ向かって断面形状が徐々に変化している。図3に示すように、床下用排水管10の排水口10a側とは反対側、即ち、床下用排水管10の長手方向他端部には、当該床下用排水管10を延長するための筒状の延長部材20が接続可能な接続部としての排水管側嵌合筒部10bが設けられている。
排水管側嵌合筒部10bの下部は、水平方向に延びるように形成された水平部とされている。排水管側嵌合筒部10bの水平部よりも上側部分は、上方へ向けて湾曲した形状とされている。排水管側嵌合筒部10bの水平部の下方には、水平方向に連続する下側段部10dが形成されている。
図4に示すように、排水管側嵌合筒部10bの外周面には、複数の係合部10cが周方向に互いに間隔をあけて設けられている。各係合部10cは、排水管側嵌合筒部10bの径方向外方へ向けて突出する凸部で構成されている。この実施形態では、係合部10cの数を4つとしているが、係合部10cの数は特に限られるものではなく、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
床下用排水管10の下部は、水平方向に延びるように形成された底板部10fで構成されている。底板部10fは水平方向に延びる形状でなくてもよく、例えば図9に示す変形例1や図10に示す変形例2のように、底板部10fの外面が下方へ膨出するように形成されていてもよい。図9に示す変形例1では、底板部10fの外面が湾曲面で構成されており、幅方向の中央部が最も下に位置し、その中央部から両端に近づくにつれて上に位置するように湾曲している。一方、図10に示す変形例2では、底板部10fの外面が傾斜面で構成されており、幅方向の中央部が最も下に位置し、その中央部から両端に近づくにつれて上に位置するように傾斜している。
(止水用シート)
図12等に示すように、床下用排水管10の外周面には止水用のゴムからなるシート10Aを巻き付けておくことができる。このシート10Aは、コンクリートに埋設されるように配置しておく。シート10Aには、防蟻剤としてのホウ酸またはホウ酸誘導体(ホウ酸銅、ホウ酸亜鉛、ホウ砂等)が配合されており、これにより防蟻処理を施すことができる。防蟻剤の配合量は、特に限定されるものではないが、例えば0.1質量%以上5質量%以下の範囲で設定することができる。シート10Aは、例えば、ブチル再生ゴム等で構成することができ、これ単独もしくは天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等を混合したものであってもよい。シート10Aを構成する材料には、補強剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、粘着剤、加工助剤、着色剤、架橋剤等を適宜配合してもよい。
(延長部材の構成)
図2や図5〜7に示すように、延長部材20は筒状に形成されており、延長部材20の中心線方向の長さは、床下用排水管10の中心線方向の長さよりも短く設定されている。具体的には、床下用排水管10の中心線方向の長さを150mm程度とした場合、延長部材20の中心線方向の長さは、10mm〜30mmの範囲内で設定することができる。延長部材20の長さは、例えば10mmピッチで排水経路を延長できるように設定するのが好ましい。
延長部材20における床下用排水管10との接続側に位置する接続側内周面20aは、排水管側嵌合筒部10bが嵌まるように形成されている。具体的には、延長部材20の接続側内周面20aは、床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bの外周面に沿うように形成されている。接続側内周面20aには、排水管側嵌合筒部10bの係合部10cが係合する凹部20dが当該係合部10cの形成位置に対応するように形成されている。また、延長部材20の内周面には、接続側内周面20aよりも奥に位置するように段部20eが形成されている。
床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bを延長部材20の接続側内周面20aに嵌めると、床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bの先端部が延長部材20の段部20eに当たることによって段部20eがストッパとなり、排水管側嵌合筒部10bの挿入量が規制される。このとき、延長部材20や排水管側嵌合筒部10bが弾性変形しながら、係合部10cも挿入されていき、係合部10cが凹部20dの形成部分に達した瞬間に、凹部20dに入って係合する。これにより、延長部材20が床下用排水管10から外れ難くなる。
延長部材20の床下用排水管10との接続側と反対側は、延長部材側嵌合筒部20bとされている。延長部材側嵌合筒部20bは、床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bと同形状とされており、延長部材側嵌合筒部20bの外周面には、係合部10cと同様な係合部20cが設けられている。延長部材側嵌合筒部20bは、別の延長部材20との接続が可能な部分であり、別の延長部材20の接続側内周面20aに嵌まるようになっている。延長部材側嵌合筒部20bを別の延長部材20の接続側内周面20aに嵌めると、係合部20cが凹部20dに入って係合するので、延長部材20同士を一体化することができる。
図8に示す屈曲管からなる延長部材30は、中心線方向の一端部が他端部よりも上に位置するように曲がっている。延長部材30の床下用排水管10との接続側は、直管状の延長部材20と同様に構成されており、また、延長部材30の床下用排水管10との接続側と反対側も、直管状の延長部材20と同様に構成されている。したがって、直管状の延長部材20の代わりに屈曲管からなる延長部材30を使用することもでき、屈曲管からなる延長部材30を床下用排水管10に接続したり、屈曲管からなる延長部材30に直管状の延長部材20を接続することもできる。
(施工要領)
次に、床下用排水構造Aの施工要領について説明する。まず、図11に示すように、底盤コンクリート2が打設される部分と立ち上がり部分3のコンクリートが打設される分部に鉄筋4を配置する。この工程において型枠100も設置しておく。
その後、図12に示すように、底盤コンクリート2を打設する。底盤コンクリート2が半硬化状態になった時に、床下用排水管10を載置する。例えば床下用排水管10を底盤コンクリート2に押しつけることにより、床下用排水管10の下側部分を底盤コンクリート2に埋め込んでおくことができる。このとき、床下用排水管10の底板部10fが水平方向に延びているので、床下用排水管10が傾き難くなり、床下用排水管10を狙い通りに設置することができる。
なお、図9に示す変形例1や図10に示す変形例2のように底板部10fが膨出した形状となっている場合には、床下用排水管10の下面を硬化前の底盤コンクリート2に押しつけることにより、床下用排水管10の下面と底盤コンクリート2との間の空気を抜くことができる。
次いで、図13に示すように、内側の型枠101を設置する。これにより、床下用排水管10は中心線方向両側から型枠100、101によって挟まれた状態になる。その後、立ち上がり部分3のコンクリートを打設する。立ち上がり部分3のコンクリートが硬化して型枠100、101を撤去すると、図1に示すように、床下用排水管10が立ち上がり部分3を厚み方向に貫通するように配設された床下用排水構造Aが得られる。
図1に示す例は、延長部材20、30を設けることなく、床下用排水管10によって排水経路を構成した例であり、最も薄い厚みの立ち上がり部分3に適用した場合である。立ち上がり部分3の厚みが図1に示す例よりも厚い例を図14〜図16に示す。
図14は、底盤コンクリート2の打設後、床下用排水管10を設置した状態を示しており、立ち上がり部分3が厚くなる分、直管状の延長部材20と屈曲管からなる延長部材30とを接続して使用している。また、この例では、床下用排水管10の排水口10aを下に位置付けながら、内側の開口10Bを上に配置するために、屈曲管からなる延長部材30を使用しているが、単に立ち上がり部分3を厚くすればよい場合には、屈曲管からなる延長部材30を省略して直管状の延長部材20のみ接続すればよい。屈曲管からなる延長部材30を用いることで、鉄筋4を避けながら排水経路を構成することができる。
図15は、床下用排水管10及び延長部材20、30を設置した後に、型枠101を設置し、立ち上がり部分3のコンクリートを打設した状態を示している。その後、立ち上がり部分3のコンクリートが硬化して型枠100、101を撤去すると、図16に示すように、床下用排水管10及び延長部材20、30が立ち上がり部分3を厚み方向に貫通するように配設された床下用排水構造Aが得られる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る床下用排水構造Aによれば、基礎コンクリート1の立ち上がり部分3の様々な厚みのうち、想定される最も薄い厚みの立ち上がり部分3に対応した長さの床下用排水管10と、複数の延長部材20、30とを用意しておき、施工時、最も薄い厚みの立ち上がり部分3に対しては、床下用排水管10のみを配設することで、立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を排水することができる。立ち上がり部分3が厚い場合には、必要に応じて延長部材20、30を床下用排水管10に接続することで、立ち上がり部分3の厚みに対応した長さにすることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
なお、床下用排水管10の係合部10cを凹部とし、延長部材20に凸部を形成し、延長部材20の凸部を床下用排水管10の凹部に係合させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る床下用排水構造は、例えば住宅の基礎に設けることができる。
1 基礎コンクリート
2 底盤コンクリート
3 立ち上がり部分
10 床下用排水管
10a 排水口
10b 排水管側嵌合筒部(接続部)
10c 係合部
10f 底板部
20 延長部材
20b 延長部材側嵌合筒部
30 延長部材(屈曲管)
A 床下用排水構造
本発明は、住宅の基礎に設けられる床下用排水構造に関する。
従来より、住宅の床下構造として、例えば布基礎工法やベタ基礎工法等によって形成された基礎コンクリートの立ち上がり部分(立ち基礎ともいう)に排水管を設けた構造が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の排水管は、基礎コンクリートの立ち上がり部分を貫通するように、当該立ち上がり部分に埋め込まれた状態で保持されている。排水管の一端部は、基礎コンクリートの立ち上がり部分で囲まれた空間に連通し、また、排水管の他端部は、基礎コンクリートの外面で開口している。
このような排水管を設けておくことで、例えば基礎コンクリートの立ち上がり部分で囲まれた空間に水が溜まった際に、その水を排水管によって外部へ排水することが可能になる。なお、通常時、排水管には蓋を取り付けておくことができるようになっている。
特開2012−207499号公報
ところで、特許文献1の排水管のように基礎コンクリートの立ち上がり部分を貫通させる場合、排水管に必要な最低限の長さは立ち上がり部分の厚みに相当する長さであるが、立ち上がり部分の厚みは一定であるとは限らず、例えば住宅の規模や仕様、施工会社等によって異なっており、一定の厚みではない。このため、基礎コンクリートの立ち上がり部分の厚みに応じて長さが異なる複数種の排水管を用意しておく必要があった。
すなわち、例えば基礎コンクリートの立ち上がり部分の厚みが150mm、170mm、200mm等である場合、150mmの排水管、170mmの排水管、200mmの排水管が必要であるため、排水管の製造現場では、150mmの排水管を製造した後、段取り替えして170mmの排水管を製造し、その後、段取り替えして200mmの排水管を製造するといったように、作業が煩雑であった。しかも、150mmの排水管、170mmの排水管、200mmの排水管のそれぞれをある程度の個数製造し、在庫として保管しておかなければならず、保管スペースの確保も問題であった。排水管の長さの種類は3種類であるとは限らず、その種類が増えれば増えるほど上述した問題が顕著なものになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基礎コンクリートの立ち上がり部分に排水管を配設する場合に、立ち上がり部分の厚みの変化に容易に対応できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、排水管に延長部材を接続可能にし、想定される立ち上がり部分の厚みのうち、最も薄い厚みに対応した排水管を製造しておき、立ち上がり部分が厚い場合にはその厚みに応じて延長部材を接続して対応できるようにした。
第1の発明は、住宅の基礎コンクリートの立ち上がり部分を厚み方向に貫通するように配設され、前記立ち上がり部分で囲まれた空間に溜まった水を前記基礎コンクリートの外へ排水するための床下用排水管を備えた床下用排水構造において、前記床下用排水管の一端部には、前記立ち上がり部分の外に向けて開口する排水口が形成され、前記床下用排水管の他端部には、当該床下用排水管よりも短く形成されるとともに、当該床下用排水管を前記基礎コンクリート内で延長するための筒状の延長部材が接続可能な接続部が設けられ、前記床下用排水管の前記接続部は、前記延長部材の内周面に嵌まる排水管側嵌合筒部で構成され、前記排水管側嵌合筒部の外周面には、前記排水管側嵌合筒部の径方向外方へ突出する凸部からなり、前記延長部材に係合する複数の係合部が前記排水管側嵌合筒部の周方向に互いに間隔をあけて設けられ、前記延長部材における前記床下用排水管との接続側には、前記排水管側嵌合筒部の外周面に沿うように形成された接続側内周面が設けられ、前記接続側内周面には、前記係合部が入って係合する凹部が形成されていることを特徴とする。
すなわち、基礎コンクリートの立ち上がり部分の様々な厚みのうち、想定される最も薄い厚みの立ち上がり部分に対応した長さの床下用排水管と、複数の延長部材とを用意しておく。そして、施工時、最も薄い厚みの立ち上がり部分に対しては、床下用排水管のみを配設することで、立ち上がり部分で囲まれた空間に溜まった水を排水することができる。立ち上がり部分が厚い場合には、延長部材を床下用排水管の接続部に接続することで、立ち上がり部分の厚みに対応した長さにすることが可能になる。例えば、床下用排水管の接続部に延長部材を接続することで長さを変化させることができるので、立ち上がり部分の厚みが多様であっても、床下用排水管と延長部材を用意しておくだけで対応できる。
また、延長部材を床下用排水管に接続する際、排水管側嵌合筒部を延長部材の内周面に嵌めることで容易に接続できる。このとき、嵌合筒部の係合部を延長部材に係合させることで、施工時や施工後において延長部材が床下用排水管から外れ難くなる。
第2の発明は、前記延長部材における前記床下用排水管との接続側と反対側は、別の延長部材が接続可能に構成されている。
この構成によれば、複数の延長部材を使用して排水経路を構成することができる。
第3の発明は、前記基礎コンクリートはベタ基礎であり、前記床下用排水管はベタ基礎の立ち上がり部分に配設されることを特徴とする。
この構成によれば、ベタ基礎の立ち上がり部分に、延長部材が接続可能な床下用排水管を配設することで、ベタ基礎の様々な厚みの立ち上がり部分に対して排水構造を設けることができる
の発明は、前記延長部材における前記床下用排水管との接続側と反対側は、別の延長部材の内周面に嵌まる延長部材側嵌合筒部で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、延長部材に別の延長部材を接続する際、延長部材側嵌合筒部を別の延長部材の内周面に嵌めることで容易に接続できる。
の発明は、前記床下用排水管の下部は、水平方向に延びるように形成された底板部で構成されていることを特徴とする。
すなわち、施工時には、床下用排水管を底盤コンクリートに載置した後、型枠内にコンクリートを打設して立ち上がり部分を形成することになるが、床下用排水管を底盤コンクリートに載置する際、床下用排水管の底板部が水平方向に延びているので、床下用排水管が傾き難くなり、床下用排水管を狙い通りに設置することができる。
の発明は、前記床下用排水管の下部の外面は、下方へ膨出するように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、施工時、床下用排水管を底盤コンクリートに載置したとき、床下用排水管の下面が下方へ膨出する形状となっているので、床下用排水管の下面を底盤コンクリートに押しつけることにより、床下用排水管の下面と底盤コンクリートとの間の空気を抜くことができる。
の発明は、前記延長部材は、中心線方向の一端部が他端部よりも上に位置するように曲がった屈曲管を含んでいることを特徴とする。
この構成によれば、床下用排水管を直管とした場合に、その床下用排水管の接続部に屈曲管を接続することで、全体として屈曲した排水経路を形成することができるので、現場の状況に応じた施工が可能になり、例えば鉄筋を避けるように排水経路を形成できる。
本発明によれば、床下用排水管と延長部材とを用意しておき、床下用排水管に延長部材を接続することによって基礎コンクリートの立ち上がり部分の厚みの変化に容易に対応することができる。
本発明の実施形態に係る床下用排水構造の断面図である。 蓋部材、床下用排水管及び延長部材の側面図である。 床下用排水の断面図である。 図3におけるIV−IV線に相当する断面図である。 延長部材の断面図である。 図5におけるVI−VI線に相当する断面図である。 図5におけるVII−VII線に相当する断面図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例を示す床下用排水管及び延長部材の断面図である。 変形例1に係る床下用排水管を示す図4相当図である。 変形例2に係る床下用排水管を示す図4相当図である。 配筋及び型枠の設置が完了し、コンクリートを打設する前の状態を示す断面図である。 底盤コンクリートの打設が完了し、床下用排水管を載置した状態を示す断面図である。 立ち上がり部分の型枠を設置してコンクリートを打設した状態を示す断面図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例の図12相当図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例の図13相当図である。 屈曲管からなる延長部材を使用した例の図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る床下用排水構造Aの断面図である。この実施形態では、床下用排水構造Aが住宅の基礎コンクリート1に適用されている場合について説明する。基礎コンクリート1は、ベタ基礎である。
基礎コンクリート1は、底盤コンクリート2と、底盤コンクリート2の周縁部から立ち上がる立ち上がり部分(立ち基礎)3とを有している。底盤コンクリート2及び立ち上がり部分3には、複数の鉄筋4が縦横に交差するように配設されている。立ち上がり部分3は平面視で環状に設けられることになるので、例えば豪雨の際には、立ち上がり部分3で囲まれた空間に水が溜まることがある。この立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を排水するための構造が床下用排水構造Aである。
図2に示すように、床下用排水構造Aは、立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を基礎コンクリート1の外へ排水するための排水経路を構成する床下用排水管10と、通常時に床下用排水管10を閉じておくための蓋部材11とを備えている。また、床下用排水構造Aは、床下用排水管10と蓋部材11の他に、1つまたは複数の延長部材20を備えていてもよい。延長部材20は必要に応じて床下用排水管10に接続される部材であり、延長部材20を床下用排水管10に接続することで、排水経路を延長することが可能になる。
図1に示すように延長部材20が無い状態で床下用排水構造Aを構成することもできる。さらに、図8に示すように、床下用排水構造Aは、屈曲管からなる延長部材30を備えていてもよく、この延長部材30を床下用排水管10に接続することによっても、排水経路を延長することが可能になる。
上述したように、本実施形態の延長部材には、直管状の延長部材20と、屈曲管からなる延長部材30とが含まれており、必要に応じて一方のみまたは両方を組み合わせて使用することができる。延長部材30は、1つだけ使用してもよいし、複数使用してもよい。延長部材30の屈曲方向は上下方向に限定されるものではなく、水平方向に屈曲していてもよい。
床下用排水管10は、例えば樹脂材で構成されており、射出成形法を利用して製造することができる。床下用排水管10は、基礎コンクリート1の立ち上がり部分3を厚み方向に貫通するように配設され、立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を基礎コンクリート1の外へ排水するための部材である。
床下用排水管10は直管状に形成されている。床下用排水管10の中心線方向の長さは、基礎コンクリート1の立ち上がり部分3の様々な厚みのうち、想定される最も薄い厚みの立ち上がり部分3に対応した長さとされている。すなわち、立ち上がり部分3の厚みは一定であるとは限らず、例えば住宅の規模や仕様、施工会社等によって異なっていることがあるが、その中でも最も薄い厚みの立ち上がり部分3は事前に想定しておくことができ、この最も薄い厚みの立ち上がり部分3の厚み寸法と、床下用排水管10の中心線方向の寸法とを略一致させておく。なお、床下用排水管10の中心線方向の寸法が、最も薄い厚みの立ち上がり部分3の厚み寸法より若干長くてもよい。
図3に示すように、床下用排水管10の長手方向(中心線方向)一端部には、床下用排水管10が立ち上がり部分2に配設された状態で当該立ち上がり部分2の外に向けて開口する略円形の排水口10aが形成されている。床下用排水管10の一端部は、立ち上がり部分2の外面と面一となるように配置されていてもよいし、立ち上がり部分2の外面から窪むように配置されていてもよい。
通常時、即ち非排水時には、排水口10aが図2に示す蓋部材11によって閉塞される。すなわち、図3に示すように、床下用排水管10の一端部寄りの内周面には、蓋部材11が嵌まる一端側段部10eが形成されている。床下用排水管10の内周面における一端側端部10eの近傍には、径方向内方へ突出する突起部10gが形成されている。床下用排水管10の排水口10aが形成されている部分から突起部10gが形成されている部分に亘る断面形状は略円形である。
一方、図2に示すように、蓋部材11は、閉塞板部11aと、筒状部11bとを備えており、これら閉塞板部11a及び筒状部11bは例えば射出成形法によって一体成形されている。閉塞板部11aは、床下用排水管10の排水口10aを覆うことが可能な大きさの円形板状に成形されている。筒状部11bは、床下用排水管10の一端側段部10eよりも奥まで挿入することが可能な円筒状に成形されている。筒状部11bの外側には、弾性材からなるパッキン12が配設されている。
筒状部11bには、床下用排水管10の突起部10gが挿入される溝部11cが形成されている。溝部11cは、筒状部11bの中心線方向に延びた後、周方向に延びるように屈曲した形状になっている。
蓋部材11で床下用排水管10の排水口10aを閉塞する場合には、まず、蓋部材11の筒状部11bを床下用排水管10に差し込むとともに、床下用排水管10の突起部10gを溝部11cに挿入する。所定量挿入すると、パッキン12が床下用排水管10の一端側段部10eに当たり、一端側段部10eと閉塞板部11aとによって押圧された状態になる。そして、蓋部材11を中心線周りに回動させることにより、床下用排水管10の突起部10gを溝部11cの奥側(周方向に延びる部分の奥側)に配置する。これにより、床下用排水管10の突起部10gが溝部11cの周縁部に係合して蓋部材11が床下用排水管10に取り付けられた状態で保持される。このとき、パッキン12によって蓋部材11と床下用排水管10との間がシールされる。蓋部材11を床下用排水管10から取り外す際には、蓋部材11を取付時とは反対方向に回動させればよい。
図4に示すように、床下用排水管10の断面形状は、排水口10a側が略円形状であるのに対し、その反対側は下部が直線状をなす形状となっており、排水口10a側からその反対側へ向かって断面形状が徐々に変化している。図3に示すように、床下用排水管10の排水口10a側とは反対側、即ち、床下用排水管10の長手方向他端部には、当該床下用排水管10を延長するための筒状の延長部材20が接続可能な接続部としての排水管側嵌合筒部10bが設けられている。
排水管側嵌合筒部10bの下部は、水平方向に延びるように形成された水平部とされている。排水管側嵌合筒部10bの水平部よりも上側部分は、上方へ向けて湾曲した形状とされている。排水管側嵌合筒部10bの水平部の下方には、水平方向に連続する下側段部10dが形成されている。
図4に示すように、排水管側嵌合筒部10bの外周面には、複数の係合部10cが周方向に互いに間隔をあけて設けられている。各係合部10cは、排水管側嵌合筒部10bの径方向外方へ向けて突出する凸部で構成されている。この実施形態では、係合部10cの数を4つとしているが、係合部10cの数は特に限られるものではなく、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
床下用排水管10の下部は、水平方向に延びるように形成された底板部10fで構成されている。底板部10fは水平方向に延びる形状でなくてもよく、例えば図9に示す変形例1や図10に示す変形例2のように、底板部10fの外面が下方へ膨出するように形成されていてもよい。図9に示す変形例1では、底板部10fの外面が湾曲面で構成されており、幅方向の中央部が最も下に位置し、その中央部から両端に近づくにつれて上に位置するように湾曲している。一方、図10に示す変形例2では、底板部10fの外面が傾斜面で構成されており、幅方向の中央部が最も下に位置し、その中央部から両端に近づくにつれて上に位置するように傾斜している。
(止水用シート)
図12等に示すように、床下用排水管10の外周面には止水用のゴムからなるシート10Aを巻き付けておくことができる。このシート10Aは、コンクリートに埋設されるように配置しておく。シート10Aには、防蟻剤としてのホウ酸またはホウ酸誘導体(ホウ酸銅、ホウ酸亜鉛、ホウ砂等)が配合されており、これにより防蟻処理を施すことができる。防蟻剤の配合量は、特に限定されるものではないが、例えば0.1質量%以上5質量%以下の範囲で設定することができる。シート10Aは、例えば、ブチル再生ゴム等で構成することができ、これ単独もしくは天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等を混合したものであってもよい。シート10Aを構成する材料には、補強剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、粘着剤、加工助剤、着色剤、架橋剤等を適宜配合してもよい。
(延長部材の構成)
図2や図5〜7に示すように、延長部材20は筒状に形成されており、延長部材20の中心線方向の長さは、床下用排水管10の中心線方向の長さよりも短く設定されている。具体的には、床下用排水管10の中心線方向の長さを150mm程度とした場合、延長部材20の中心線方向の長さは、10mm〜30mmの範囲内で設定することができる。延長部材20の長さは、例えば10mmピッチで排水経路を延長できるように設定するのが好ましい。
延長部材20における床下用排水管10との接続側に位置する接続側内周面20aは、排水管側嵌合筒部10bが嵌まるように形成されている。具体的には、延長部材20の接続側内周面20aは、床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bの外周面に沿うように形成されている。接続側内周面20aには、排水管側嵌合筒部10bの係合部10cが係合する凹部20dが当該係合部10cの形成位置に対応するように形成されている。また、延長部材20の内周面には、接続側内周面20aよりも奥に位置するように段部20eが形成されている。
床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bを延長部材20の接続側内周面20aに嵌めると、床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bの先端部が延長部材20の段部20eに当たることによって段部20eがストッパとなり、排水管側嵌合筒部10bの挿入量が規制される。このとき、延長部材20や排水管側嵌合筒部10bが弾性変形しながら、係合部10cも挿入されていき、係合部10cが凹部20dの形成部分に達した瞬間に、凹部20dに入って係合する。これにより、延長部材20が床下用排水管10から外れ難くなる。
延長部材20の床下用排水管10との接続側と反対側は、延長部材側嵌合筒部20bとされている。延長部材側嵌合筒部20bは、床下用排水管10の排水管側嵌合筒部10bと同形状とされており、延長部材側嵌合筒部20bの外周面には、係合部10cと同様な係合部20cが設けられている。延長部材側嵌合筒部20bは、別の延長部材20との接続が可能な部分であり、別の延長部材20の接続側内周面20aに嵌まるようになっている。延長部材側嵌合筒部20bを別の延長部材20の接続側内周面20aに嵌めると、係合部20cが凹部20dに入って係合するので、延長部材20同士を一体化することができる。
図8に示す屈曲管からなる延長部材30は、中心線方向の一端部が他端部よりも上に位置するように曲がっている。延長部材30の床下用排水管10との接続側は、直管状の延長部材20と同様に構成されており、また、延長部材30の床下用排水管10との接続側と反対側も、直管状の延長部材20と同様に構成されている。したがって、直管状の延長部材20の代わりに屈曲管からなる延長部材30を使用することもでき、屈曲管からなる延長部材30を床下用排水管10に接続したり、屈曲管からなる延長部材30に直管状の延長部材20を接続することもできる。
(施工要領)
次に、床下用排水構造Aの施工要領について説明する。まず、図11に示すように、底盤コンクリート2が打設される部分と立ち上がり部分3のコンクリートが打設される分部に鉄筋4を配置する。この工程において型枠100も設置しておく。
その後、図12に示すように、底盤コンクリート2を打設する。底盤コンクリート2が半硬化状態になった時に、床下用排水管10を載置する。例えば床下用排水管10を底盤コンクリート2に押しつけることにより、床下用排水管10の下側部分を底盤コンクリート2に埋め込んでおくことができる。このとき、床下用排水管10の底板部10fが水平方向に延びているので、床下用排水管10が傾き難くなり、床下用排水管10を狙い通りに設置することができる。
なお、図9に示す変形例1や図10に示す変形例2のように底板部10fが膨出した形状となっている場合には、床下用排水管10の下面を硬化前の底盤コンクリート2に押しつけることにより、床下用排水管10の下面と底盤コンクリート2との間の空気を抜くことができる。
次いで、図13に示すように、内側の型枠101を設置する。これにより、床下用排水管10は中心線方向両側から型枠100、101によって挟まれた状態になる。その後、立ち上がり部分3のコンクリートを打設する。立ち上がり部分3のコンクリートが硬化して型枠100、101を撤去すると、図1に示すように、床下用排水管10が立ち上がり部分3を厚み方向に貫通するように配設された床下用排水構造Aが得られる。
図1に示す例は、延長部材20、30を設けることなく、床下用排水管10によって排水経路を構成した例であり、最も薄い厚みの立ち上がり部分3に適用した場合である。立ち上がり部分3の厚みが図1に示す例よりも厚い例を図14〜図16に示す。
図14は、底盤コンクリート2の打設後、床下用排水管10を設置した状態を示しており、立ち上がり部分3が厚くなる分、直管状の延長部材20と屈曲管からなる延長部材30とを接続して使用している。また、この例では、床下用排水管10の排水口10aを下に位置付けながら、内側の開口10Bを上に配置するために、屈曲管からなる延長部材30を使用しているが、単に立ち上がり部分3を厚くすればよい場合には、屈曲管からなる延長部材30を省略して直管状の延長部材20のみ接続すればよい。屈曲管からなる延長部材30を用いることで、鉄筋4を避けながら排水経路を構成することができる。
図15は、床下用排水管10及び延長部材20、30を設置した後に、型枠101を設置し、立ち上がり部分3のコンクリートを打設した状態を示している。その後、立ち上がり部分3のコンクリートが硬化して型枠100、101を撤去すると、図16に示すように、床下用排水管10及び延長部材20、30が立ち上がり部分3を厚み方向に貫通するように配設された床下用排水構造Aが得られる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る床下用排水構造Aによれば、基礎コンクリート1の立ち上がり部分3の様々な厚みのうち、想定される最も薄い厚みの立ち上がり部分3に対応した長さの床下用排水管10と、複数の延長部材20、30とを用意しておき、施工時、最も薄い厚みの立ち上がり部分3に対しては、床下用排水管10のみを配設することで、立ち上がり部分3で囲まれた空間に溜まった水を排水することができる。立ち上がり部分3が厚い場合には、必要に応じて延長部材20、30を床下用排水管10に接続することで、立ち上がり部分3の厚みに対応した長さにすることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
なお、床下用排水管10の係合部10cを凹部とし、延長部材20に凸部を形成し、延長部材20の凸部を床下用排水管10の凹部に係合させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る床下用排水構造は、例えば住宅の基礎に設けることができる。
1 基礎コンクリート
2 底盤コンクリート
3 立ち上がり部分
10 床下用排水管
10a 排水口
10b 排水管側嵌合筒部(接続部)
10c 係合部
10f 底板部
20 延長部材
20b 延長部材側嵌合筒部
30 延長部材(屈曲管)
A 床下用排水構造

Claims (8)

  1. 住宅の基礎コンクリートの立ち上がり部分を厚み方向に貫通するように配設され、前記立ち上がり部分で囲まれた空間に溜まった水を前記基礎コンクリートの外へ排水するための床下用排水管を備えた床下用排水構造において、
    前記床下用排水管の一端部には、前記立ち上がり部分の外に向けて開口する排水口が形成され、
    前記床下用排水管の他端部には、当該床下用排水管よりも短く形成されるとともに、当該床下用排水管を延長するための筒状の延長部材が接続可能な接続部が設けられていることを特徴とする床下用排水構造。
  2. 請求項1に記載の床下用排水構造において、
    前記延長部材における前記床下用排水管との接続側と反対側は、別の延長部材が接続可能に構成されていることを特徴とする床下用排水構造。
  3. 請求項1または2に記載の床下用排水構造において、
    前記基礎コンクリートはベタ基礎であり、前記床下用排水管はベタ基礎の立ち上がり部分に配設されることを特徴とする床下用排水構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の床下用排水構造において、
    前記床下用排水管の前記接続部は、前記延長部材の内周面に嵌まる排水管側嵌合筒部で構成され、
    前記排水管側嵌合筒部の外周面には、前記延長部材に係合する係合部が設けられていることを特徴とする床下用排水構造。
  5. 請求項4に記載の床下用排水構造において、
    前記延長部材における前記床下用排水管との接続側と反対側は、別の延長部材の内周面に嵌まる延長部材側嵌合筒部で構成されていることを特徴とする床下用排水構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の床下用排水構造において、
    前記床下用排水管の下部は、水平方向に延びるように形成された底板部で構成されていることを特徴とする床下用排水構造。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の床下用排水構造において、
    前記床下用排水管の下部の外面は、下方へ膨出するように形成されていることを特徴とする床下用排水構造。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の床下用排水構造において、
    前記延長部材は、中心線方向の一端部が他端部よりも上に位置するように曲がった屈曲管を含んでいることを特徴とする床下用排水構造。
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