本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。
<実施例に係る遊技情報管理システムの概要>
まず、本実施例に係る遊技情報管理システムの概要について説明する。図1は、本実施例に係る遊技情報管理システムの概要を説明するための説明図である。遊技店には複数の遊技機20が設置されており、各遊技機20には各台装置である台間カード処理機10が併設される。遊技情報管理システムは、かかる台間カード処理機10から履歴データを収集するとともに、遊技機20から稼働データを収集する(S1)。
ここで、従来の遊技情報管理システムでは、台間カード処理機10から収集した履歴データと遊技機20から収集した稼働データとが全て正しいとみなして、遊動データを生成していた。しかしながら、例えば、打込玉数(アウト)が0玉であるにも関わらず、賞出玉数(セーフ)が一定玉数以上存在するならば、アウト信号線が断線しており、正しい稼働データが取得できていないと考えられる。また、累計アウト(打込玉数)が理論上最大の打込可能玉数以上である場合にも、何らかのエラーが生じていると考えられる。このような場合に、これらのデータを有効であるとみなしたのでは、最大勝ち額/負け額が異常な値となってしまい、遊動データが不適正なものとなってしまう。
このため、本実施例に係る遊技情報管理システムでは、除外条件(例えば、「15分以上セーフなし」)により不完全な履歴データ及び稼働データを除外し(S2)、除外されない履歴データ及び稼働データに基づいて遊動データを生成する(S3)。
例えば、ある遊技客Aが、持玉数が関連付けられた一般カードを遊技機P001に挿入して遊技を開始し、一定期間後に遊技を終了したならば、遊技開始から遊技終了までの履歴データ及び稼働データに基づいて、この期間のデータを示す「期間遊動データ」を生成する。この遊技客Aが、遊技機P001での遊技終了後に台移動し、次の遊技機P002で遊技した場合には、新たな「期間遊動データ」が生成される。このようにして、遊技店では、一種の断片データのような期間遊動データが多数生成されることになる。
本実施例では、かかる期間遊動データに不完全な情報が含まれる場合に、この不完全な情報を含む期間遊動データについては、遊動データを生成する際に利用しない。ただし、不完全な情報を含む期間遊動データは、削除するわけではない。
なお、期間遊動データに含まれる情報が不完全であるか否かは、除外条件に基づいて判定される。かかる除外条件の詳細な説明については後述する。
このように、遊技情報管理システムは、一部の遊技機20の稼働データ及び台間カード処理機10の履歴データが不完全なものである場合に、かかる履歴データ及び稼働データを除外して遊動データを生成することにより、複数の遊技機20の稼働データ及び台間カード処理機10の履歴データに基づいて生成される遊技情報の精度の低下を低減することができる。
<システム構成>
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技情報管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、カード管理装置40、会員管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70が接続される。また、店舗外に設置された集中管理装置90は、外部ネットワークを介して会員管理装置50及び管理端末80と接続される。
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数(以下、「遊技球数」と言う)を示す遊技可能数メモリを有している。
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を会員管理装置50に送信する。
遊技機20は、遊技盤面から所定個数の遊技玉が排出される度にアウトパルスを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域の通過したこと(いわゆる入賞)に基づいて所定個数の賞玉を遊技球に加算する度にセーフパルスを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生した場合には、かかる状態の発生を示す特賞パルスを台間カード処理機10に送信する。
アウトパルスは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフパルスは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞パルスは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各パルスは、台間カード処理機10を介して会員管理装置50に送信され、会員管理装置50は、アウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信、会員管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信することで、入金額相当のプリペイド価値をカード管理装置40が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、カード管理装置40に対して持玉減算要求を送信することで、カード管理装置40が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、カード管理装置40から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
台間カード処理機10は、遊技機20の状態に基づいて各種表示制御を行なうとともに、遊技機20の状態を会員管理装置50に送信する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報をカード管理装置40に対して中継する装置である。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードの識別情報(以下、「カードID」と言う)と台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機20の状態に関する情報を収集し、集計する装置である。会員管理装置50は、台間カード処理機10による玉貸の状態をさらに取得し、各遊技機20のセーフ及びアウトと玉貸の状態から売上を算出することができる。遊技機20の状態や売上は、遊技機単位、島単位、遊技店単位で集計可能であり、また日付別に集計することが可能である。
また、会員管理装置50は、自装置で蓄積した遊技機20の動作の履歴(稼働データ)と、台間カード処理機10の動作の履歴(履歴データ)とを用い、期間遊動データ56iを生成し、該期間遊動データ56iを集中管理装置90に通知する。この期間遊動データ56iは、一つの継続した遊技における、開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、入金額、アウト、セーフ、勝ち負け額等を示すものである。
また、会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別情報を読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
精算機70は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
集中管理装置90は、会員管理装置50から通知された期間遊動データ95aから同一の遊技客による遊技であるか否かを判定し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データ95bを生成する。その詳細な説明については後述するが、同一のカードが使用された場合には、同一の遊技客による遊技であると判定する。また、継続して遊技がされている状態で複数のカードが使用された場合には、同一の遊技客による複数のカードを用いた遊技であると判定する。
また、集中管理装置90は、遊動データ95bを生成する場合に、不完全な期間遊動データ95aを除外する。その詳細な説明については後述するが、除外条件データ95cに基づき不完全な期間遊動データ95aを除外することにより、遊動データ95bの精度の低下を低減することができる。
また、集中管理装置90は、遊動データ95bを用いて遊技客ごとの使用実績を分析する。詳細については後述するが、遊技客の移動履歴を用いた分析や、所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析、あるいは遊技機20ごとの遊技人数を用いた分析が可能である。
管理端末80は、外部ネットワークを介して集中管理装置90と接続され、集中管理装置90に対して遊動データ95bに関する分析の指示及び分析結果の表示を行う。
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が100円である場合の500円分を示す5度数)を減算してカード管理データ45bを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
加算信号を受信した遊技機20は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技球数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
カード管理装置40は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求の電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データ45bの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉の残高に通知された持玉の残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13及びカードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14aが設けられている。
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。
計数ボタン22は、遊技機20の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
<台間カード処理機10の内部構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、島コントローラ30を介してカード管理装置40との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
認証処理部18aは、カード管理装置40から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、カード管理装置40を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17aを有する。実際には、データ管理部17aに対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求をカード管理装置40に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求をカード管理装置40に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
次に、図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図5は、図4に示した自装置状態データ16a及びカードデータ16bの一例を示す図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、プリペイド価値が「2000」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。
また、カードデータ16bは、持玉として、玉1の持玉の残高が「500」玉、玉2の持玉の残高が「0」玉、玉3の持玉の残高が「130」玉であり、貯玉として、玉1の貯玉の残高が「1000」玉、玉2の貯玉の残高が「0」玉、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
<遊技機20の内部構成>
次に、図2に示した遊技機20の内部構成について説明する。図6は、図2に示した遊技機20の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0〜65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
遊技玉制御部26は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
また、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
<カード管理装置40の内部構成>
次に、図2に示したカード管理装置40の内部構成について説明する。図7は、図2に示したカード管理装置40の内部構成を示すブロック図である。図7に示すように、カード管理装置40は、表示部41及び入力部42と接続され、店舗ネットワーク通信部43、制御部44及び記憶部45を有する。
表示部41は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部42は、キーボードやマウス等である。店舗ネットワーク通信部43は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、会員管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70とデータ通信するためのインタフェース部である。
制御部44は、カード管理装置40の全体制御を行う制御部であり、遊技種設定管理部44a、カード管理部44b及び装置管理部44cを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、遊技種設定管理部44a、カード管理部44b及び装置管理部44cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊技種設定管理部44aは、遊技店において使用される遊技種と、レートと、表示名と
を対応付けて遊技種設定データ45aとして管理する処理部である。
カード管理部44bは、カード管理データ45bの管理を行う処理部である。カード管理部44bは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。また、カード管理部44bは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
装置管理部44cは、装置管理データ45cの管理を行う処理部である。装置管理部44cは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ45cを生成及び更新する。
記憶部45は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ45a、カード管理データ45b及び装置管理データ45cを記憶する。
遊技種設定データ45aは、貸出レート及び表示名を遊技種に関連付けたデータである。カード管理データ45bは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ45cは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ45cは、台間カード処理機ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所、遊技機ID、遊技機20の機種データ等を含んでいる。
次に、図7に示したカード管理装置40の記憶部45が記憶するデータの具体例について説明する。図8は、図7に示した遊技種設定データ45a、カード管理データ45b及び装置管理データ45cの一例を示す図である。
図8(a)に示す遊技種設定データ45aでは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」をそれぞれ関連付けている。
図8(b)に示すカード管理データ45bでは、カードID「1001」にプリペイド価値「0」度数、各レートの持玉の残高「0」玉、使用先ID「A101」が関連付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロである。
また、図8(b)に示すカード管理データ45bでは、カードID「2001」にプリペイド価値「3000」度数、持玉として、玉1の持玉の残高「1500」玉、玉2の持玉の残高「2500」玉、玉3の持玉の残高「0」玉と関連付けられているが、使用先IDの関連付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理がカード管理装置40により行われている。
図8(c)に示す装置管理データ45cは、ID「A101」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.GH」、設置場所が「島1−1」、接続された遊技機20のIDが「B201」、遊技種が「玉1」、接続された遊技機20の機種が「EV01」、製造番号が「a」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
また、装置管理データ45cは、ID「A201」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.IJ」、設置場所が「島2−1」、接続された遊技機20のIDが「B506」、遊技種が「玉3」、接続された遊技機20の機種が「DK03」、製造番号が「g」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
<会員管理装置50の内部構成>
次に、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図9は、図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、制御部55及び記憶部56を有する。
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部52は、キーボードやマウス等である。外部ネットワーク通信部53は、店舗外の集中管理装置90と通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、カード管理装置40、賞品管理装置60及び精算機70とデータ通信するためのインタフェース部である。
制御部55は、会員管理装置50の全体制御を行う制御部であり、会員管理部55a、賞品マスタ管理部55b、稼働データ蓄積集計部55c、カード処理履歴管理部55d、遊技履歴データ生成部55e及び期間遊動データ生成部55fを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、会員管理部55a、賞品マスタ管理部55b、稼働データ蓄積集計部55c、カード処理履歴管理部55d、遊技履歴データ生成部55e及び期間遊動データ生成部55fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員管理部55aは、会員管理データ56aの管理を行う処理部である。会員管理部55aは、カード管理装置40及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。また、会員管理部55aは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ56aに会員を追加する更新を行う。
ここで、会員管理部55aによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部55aは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
賞品マスタ管理部55bは、賞品マスタ56cを管理する処理部である。賞品マスタ管理部55bは、賞品マスタ56cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ56cを配布する。
稼働データ蓄積集計部55cは、遊技機20のアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻、遊技機ID及びパルス種別を対応付けて稼働データ56dに登録することで、パルスデータの蓄積を行う処理部である。
また、稼働データ蓄積集計部55cは、稼働データ56dに基づいてパルスの集計を行うことで、遊技機20の動作の履歴を取得する処理部でもある。遊技機20の動作の履歴には、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生が含まれる。
カード処理履歴管理部55dは、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を蓄積する処理部である。
具体的には、カード処理履歴管理部55dは、カード管理装置40からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ56eに追加する。
また、カード処理履歴管理部55dは、カード管理装置40からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ56fに追加する。
また、カード処理履歴管理部55dは、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ56gに追加する。
遊技履歴データ生成部55eは、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ56d及び遊技関連カード処理履歴データ56eを用い、遊技履歴データ56hを生成し、記憶部56に格納する。
期間遊動データ生成部55fは、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ56f、計数精算処理履歴データ56g及び遊技履歴データ56hを用い、遊技履歴データ56hから一つの継続した遊技を示す期間遊動データ56iを生成し、記憶部56に格納する。
次に、図9に示した会員管理装置50の記憶部56に記憶されたデータについて説明する。図10は、図9に示した記憶部56に記憶された会員管理データ56a、遊技種設定データ56b、賞品マスタ56cの一例を示す図である。図11は、図9に示した記憶部56に記憶された稼働データ56d、遊技関連カード処理履歴データ56e、遊技外カード処理履歴データ56fの一例を示す図である。図12は、図9に示した記憶部56に記憶された計数精算処理履歴データ56g、遊技履歴データ56h及び期間遊動データ56iの一例を示す図である。
図10(a)に示す会員管理データ56aは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉の残高、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、ここでは図示省略したが、会員管理データ56aは、カードIDに対応付けて、会員のポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等を記憶することもできる。なお、上記の携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する場合に用いられる。
また、図10(a)では、「玉1」、「玉2」及び「玉3」の3つの遊技種の貯玉を記憶する場合を示している。ここでは、カードID「2002」の「玉1」の貯玉の残高は「250」玉であり、「玉2」の貯玉の残高は「1000」玉であり、「玉3」の貯玉の残高は「4000」玉である場合を示している。
図10(b)に示す遊技種設定データ56bは、遊技種名「玉1」に対して、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種名「玉2」に対して、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種名「玉3」に対して、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
図10(c)に示す賞品マスタ56cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対して、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは、賞品を分類して管理するための識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な交換賞品を示すコードである。群コード「02」以降の賞品は、交換賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ56cは、賞品コード「0001」に対して、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」玉、玉2の交換玉数「500」玉、玉3の交換玉数「1000」玉を関連付けている。
また、賞品マスタ56cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「500」、玉1の交換玉数「125」玉、玉2の交換玉数「250」玉、玉3の交換玉数「500」玉を関連付けている。
また、賞品マスタ56cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」玉、玉2の交換玉数「200」玉、玉3の交換玉数「400」玉を関連付けている。
また、賞品マスタ56cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」玉、玉2の交換玉数「210」玉、玉3の交換玉数「420」玉を関連付けている。
また、賞品マスタ56cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」玉、玉2の交換玉数「6」玉、玉3の交換玉数「12」玉を関連付けている。
図11(a)に示す稼働データ56dは、時刻、遊技機ID及びパルス種別を対応付けたデータである。具体的には、時刻「11:10:14」に遊技機ID「P001」の遊技機20がアウトパルスを出力したことを示している。同様に、時刻「11:10:16」に遊技機ID「P001」の遊技機20がアウトパルスを出力したことを示している。そして、時刻「11:11:30」に遊技機ID「P001」の遊技機20がセーフパルスを出力したことを示している。また、時刻「13:30:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20が特賞(大当り)パルスを出力したことを示している。なお、特賞が複数種類設けられている場合には、特賞の種類毎に異なるパルスが出力され、パルス種別には特賞の種類が登録される。
図11(b)に示す遊技関連カード処理履歴データ56eは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技関連カード処理履歴データ56eは、時刻「11:10:00」に遊技機ID「P001」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「カード挿入」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ56eは、時刻「12:35:30」に遊技機ID「P023」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「2005」のカードを用いて、「カード排出」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ56eは、時刻「13:20:20」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードを用いて、「入金」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ56eは、時刻「13:52:40」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1021」のカードを用いて、「各台計数」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ56eは、時刻「14:04:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードの「一般カード使い切り」の処理が発生したことを示している。
図11(c)に示す遊技外カード処理履歴データ56fは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技外カード処理履歴データ56fは、時刻「13:40:01」に遊技機ID「P011」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1003」のカードを用いて、「ワゴン賞品交換」の処理が行われたことを示している。
また、遊技外カード処理履歴データ56fは、時刻「15:00:50」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「持玉分割」の処理が行われたことを示している。
図12(a)に示す計数精算処理履歴データ56gは、時刻、装置ID、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。装置IDは、賞品管理装置60、精算機70などを一意に特定する識別情報である。遊技機IDは、遊技客が最後に使用した遊技機20を示す識別情報であり、賞品交換、精算、計数などを行う場合に遊技客に入力させることで特定する。若しくは、カード管理装置40や会員管理装置50が保持するカードの使用履歴を参照して特定してもよい。
具体的には、計数精算処理履歴データ56gは、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」、処理「賞品交換」を対応付けている。また、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「2013」、処理「賞品交換」を対応付けている。すなわち、カードID「1002」の一般カードとカードID「2013」の会員カードは同時に賞品交換に用いられている。
また、計数精算処理履歴データ56gは、時刻「16:08:08」、精算機70の装置ID「7011」、遊技機ID「P019」、カードID「1033」、処理「精算」を対応付けている。
図12(b)に示す遊技履歴データ56hは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示されている。
具体的には、遊技履歴データ56hには、時刻「11:10:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「カード挿入」が対応付けられている。また、遊技履歴データ56hには、時刻「11:11:20」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「打込玉数 100」が対応付けられている。さらに、遊技履歴データ56hには、時刻「11:12:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「賞出玉数 30」が対応付けられている。
また、遊技履歴データ56hには、時刻「12:35:30」、遊技機ID「P023」、カードID「2005」及び処理「カード排出」が対応付けられている。また、遊技履歴データ56hには、時刻「13:20:20」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「入金」が対応付けられている。さらに、遊技履歴データ56hには、時刻「13:30:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「特賞(大当り)」が対応付けられている。
図12(c)に示す期間遊動データ56iは、一つの継続した遊技を示し、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額が対応付けられている。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
具体的には、期間遊動データ56iは、開始時間「11:10:00」、終了時間「14:15:33」、遊技機ID「P001」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「3000」円、打込玉数(アウト)「0」玉、賞出玉数(セーフ)「6500」玉、大当り回数「10」、ワゴン賞品交換回数「0」、持玉分割回数「1」及び勝ち負け額「100000」円を対応付けている。
また、期間遊動データ56iは、開始時間「13:20:20」、終了時間「18:00:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1002」、顧客種別「一般」、入金額「12000」円、打込玉数(アウト)「13000」玉、賞出玉数(セーフ)「10150」玉、大当り回数「13」、ワゴン賞品交換回数「2」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「30000」円を対応付けている。
また、期間遊動データ56iは、開始時間「14:30:00」、終了時間「17:00:00」、遊技機ID「P020」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「15000」円、打込玉数(アウト)「10000」玉、賞出玉数(セーフ)「8000」玉、大当り回数「5」、ワゴン賞品交換回数「1」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「−10000」円を対応付けている。
<集中管理装置90の内部構成>
次に、図2に示した集中管理装置90の内部構成について説明する。図13は、図2に示した集中管理装置90の内部構成を示すブロック図である。図13に示すように、集中管理装置90は、表示部91及び入力部92と接続され、外部ネットワーク通信部93、制御部94及び記憶部95を有する。
表示部91は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部92は、キーボードやマウス等である。外部ネットワーク通信部93は、店舗内の会員管理装置50及び管理端末80と通信するためのインタフェース部である。
制御部94は、集中管理装置90の全体制御を行う制御部であり、遊動データ生成部94a、遊動データ管理部94b、除外判定部94c及び遊動データ分析部94dを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、遊動データ生成部94a、遊動データ管理部94b、除外判定部94c及び遊動データ分析部94dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊動データ生成部94aは、会員管理装置50から通知された期間遊動データ56iを期間遊動データ95aとして記憶部95に格納する。
また、遊動データ生成部94aは、期間遊動データ95aに不完全な情報が含まれているか否かを判定し、不完全な情報が含まれていた場合には、該期間遊動データ95aを用いて生成した遊動データから、該期間遊動データ95aに相当する情報を除外する。ただし、期間遊動データ95aに不完全な情報が含まれていたとしても、この期間遊動データ95aを記憶部95から削除しない。期間遊動データ95aに含まれる複数のデータのうちの不完全ではないデータは状況によって利用できるためである。
具体的には、除外判定部94cが判定条件に基づいて期間遊動データ95aに不完全な情報が含まれるか否かを判定し、遊動データ生成部94aは、除外判定部94cの判定により期間遊動データ95aに不完全な情報が含まれていた場合、不完全な情報(例えば、勝ち負け額)の値を0とする。
また、遊動データ生成部94aは、複数の期間遊動データ95aが同一の遊技客によるものであるか否かを判定し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データ95bを生成する。この際、不完全な情報を含む期間遊動データ95aは利用されない。なお、その詳細な説明については後述するが、同一のカードが使用された場合には、同一の遊技客による遊技であると判定する。また、継続して遊技されている状態で複数のカードが使用された場合には、同一の遊技客による遊技であると判定する。遊動データ生成部94aは、生成した遊動データ95bを記憶部95に格納する。
遊動データ管理部94bは、管理端末80から通知された遊動データ95bに対する分析指示を遊動データ分析部94dに通知する。遊動データ分析部94dから分析結果の通知を受けたならば、該分析結果を記憶部95に格納する。そして、管理端末80から分析結果に関する表示指示を受け付けたならば、記憶部95に格納された分析結果を管理端末80に通知する。
除外判定部94cは、遊動データ管理部94bから通知された遊動データ95bに対して、除外条件データ95cに該当するデータが含まれているか否かを判定し、該判定結果を遊動データ管理部94bに出力する。
遊動データ分析部94dは、遊動データ管理部94bからの分析指示を受け、遊動データ95bを用いて遊技客ごとの使用実績を分析し、分析結果を遊動データ管理部94bに出力する。その詳細な説明については後述するが、遊技客の移動履歴を用いた分析や、所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析、あるいは遊技機20ごとの遊技人数を用いた分析を行うことが可能である。
次に、図13に示した集中管理装置90の記憶部95に記憶されたデータについて説明する。図14は、図13に示した記憶部95に記憶された期間遊動データ95a、遊動データ95b及び除外条件データ95cの一例を示す図である。
図14(a)に示す期間遊動データ95aは、一つの継続した遊技を示し、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額が対応付けられている。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
図14(a)の1行目に示した期間遊動データ95aには、開始時間「11:10:00」、終了時間「14:15:33」、遊技機ID「P001」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「3000」円、打込玉数(アウト)「0」玉、賞出玉数(セーフ)「6500」玉、大当り回数「10」、ワゴン賞品交換回数「0」、持玉分割回数「1」及び勝ち負け額「100000」円が対応付けられている。
また、図14(a)の2行目に示した期間遊動データ95aには、開始時間「13:20:20」、終了時間「18:00:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1002」、顧客種別「一般」、入金額「12000」円、打込玉数(アウト)「13000」玉、賞出玉数(セーフ)「10150」玉、大当り回数「13」、ワゴン賞品交換回数「2」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「30000」円が対応付けられている。
また、図14(a)の3行目に示した期間遊動データ95aには、開始時間「14:30:00」、終了時間「17:00:00」、遊技機ID「P020」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「15000」円、打込玉数(アウト)「10000」玉、賞出玉数(セーフ)「8000」玉、大当り回数「5」、ワゴン賞品交換回数「1」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「−10000」円が対応付けられている。
図14(b)に示す遊動データ95bは、遊技客毎の遊技の履歴を示し、同一の遊技客による遊技の開始時間、終了時間、顧客ID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額が対応付けられている。ここで、顧客IDとは、同一の遊技客であると識別された遊技客に対して付与された識別情報である。顧客種別が会員遊技客である場合には、顧客IDに会員カードIDを用いてもよい。
具体的には、図14(b)の1行目に示した遊動データ95bには、開始時間「11:10:00」、終了時間「17:00:00」、顧客ID「U001」、顧客種別「会員」、入金額「18000」円、打込玉数(アウト)「10000」玉、賞出玉数(セーフ)「14500」玉、大当り回数「15」、ワゴン賞品交換回数「1」、持玉分割回数「1」及び勝ち負け額「−10000」円が対応付けられている。
また、図14(b)の2行目に示した遊動データ95bには、開始時間「13:20:20」、終了時間「18:00:00」、顧客ID「U002」、顧客種別「一般」、入金額「12000」円、打込玉数(アウト)「13000」玉、賞出玉数(セーフ)「10150」玉、大当り回数「13」、ワゴン賞品交換回数「2」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「30000」円が対応付けられている。
図14(c)の条件番号「1」に示す除外条件データ95cには、「(セーフが0)&(アウトが1以上)&(遊技時間が15分以上)」が登録されている。遊技時間が15分以上であり、かつ、賞出玉数(セーフ)が0玉であり、かつ、打込玉数(アウト)が1玉以上であるケースを除外条件としたものである。
また、条件番号「2」に示す除外条件データ95cには、「(アウトが0)&(セーフが1以上)&(遊技時間が15分以上)」が登録されている。遊技時間が15分以上であり、かつ、打込玉数(アウト)が0玉であり、かつ、賞出玉数(セーフ)が1玉以上であるケースを除外条件としたものである。
また、条件番号「3」に示す除外条件データ95cには、「(遊技時間(分)×100)≦累計アウト」が登録されている。累計アウト(打込玉数)が、遊技時間(分)に1分間に打出可能な打込玉数(アウト)を乗算した理論上最大の打込可能玉数以上であるケースを除外条件としたものである。
次に、図13に示した遊動データ生成部94aの処理について説明する。図15及び図16は、図13に示した遊動データ生成部94aの処理を説明するための説明図である。図15に示すように、遊動データ生成部94aは、期間遊動データ95aに基づいて、遊技開始、遊技継続、台移動、遊技終了を判定する。また、同一の遊技客により用いられた複数のカードの紐付けを行う。
具体的には、遊動データ生成部94aは、貨幣の入金に伴って台間カード処理機10の内部に貯留された一般カードにプリペイド価値が関連付けられた場合、計数処理により台間カード処理機10の内部に貯留された一般カードに持玉が関連付けられた場合、カードの挿入前に遊技球を用いた打込玉が発生した場合及び会員カードが当日初めて挿入された場合に遊技開始と判定する。
また、遊動データ生成部94aは、同一カードの再挿入が行われた場合に、遊技継続と判定する。台間カード処理機10が排出したカードが再び挿入された場合には、遊技客も同一であると考えられるためである。
また、遊動データ生成部94aは、他台(他の台間カード処理機10)で排出した一般カードが挿入された場合や、当日他台で使用履歴のある会員カードが挿入された場合に、台移動が行われたと判定する。
また、遊動データ生成部94aは、カード排出後、アウトパルスの出力が終了して所定時間が経過した場合に、遊技終了と判定する。また、一般カードの使い切りが発生した後、アウトパルスの出力が終了して所定時間が経過した場合に、遊技終了と判定する。また、排出したカードが賞品交換、精算に用いられた場合には、所定時間が経過していなくとも遊技終了と判定する。
また、遊動データ生成部94aは、カード排出後、遊技終了と判定される前に他のカードが挿入された場合には、排出したカードと挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
同様に、遊動データ生成部94aは、一般カードの使い切りが発生した後、遊技終了と判定される前に他のカードが挿入された場合には、使い切られた一般カードと挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部94aは、会員カード排出後、遊技終了と判定される前に入金が行われた場合には、排出した会員カードと入金によりプリペイド価値が加算された内部の一般カードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部94aは、一般カードの使用中に他のカードが挿入された場合には、使用していた一般カードと新たに挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部94aは、賞品交換時に同時に複数のカードが使用された場合には、使用された複数のカードを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部94aは、持玉分割が行われた場合には、分割元のカードと分割先のカードを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
さらに、遊動データ生成部94aは、図16に示したケースについても、同一の遊技客であると判定する。具体的には、アウトパルスが終了してから所定時間が経過したが、特賞パルスを受信している場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
同様に、アウトパルスが終了してから所定時間が経過したが、賞出玉数と打込玉数の比率から、特賞状態であると推定される場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
また、特賞状態中にカードが変更された場合、すなわち、使用中のカードが排出され、他のカードが挿入された場合には、排出したカードと挿入されたカードが同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、払出玉数と打込玉数の差分から、遊技機20に遊技可能な遊技球があると推定される場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
さらに、休憩モードなど、遊技客の操作などに基づいて遊技が一時的に休止された場合には、アウトパルスの終了からの所定時間が経過したとしても遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
また、遊技客の操作により休憩モードへの移行を可能とする場合には、台間カード処理機10の表示操作部13に休憩モード用のボタンを表示可能とし、休憩モード用のボタンが操作された場合に、台間カード処理機10を休憩モードに移行させる。休憩モードへの移行時には、例えばパスワードを設定させ、設定したパスワードが再度入力されるまで台間カード処理機10の操作を禁止する。若しくは、休憩モードへの移行時にカードを排出し、該カードが再度挿入されるまで台間カード処理機10の操作を禁止する。
店員の操作により休憩モードへの移行を行う場合には、遊技客が呼出ランプなどを用いて店員を呼び出し、店員が携行する端末から信号に基づいて台間カード処理機10が休憩モードに移行することになる。
なお、台間カード処理機10の休憩モードへの移行時と、休憩モードからの復帰時には、会員管理装置50及びカード管理装置40等に通知を行う。
図17は、遊技客の識別に関する具体例の説明図である。図17(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機20において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t01」まで遊技が行われ、その後、時刻「t02」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。時刻「t01」から時刻「t02」までが所定時間以上、すなわち時刻の差が閾値以上である場合には、遊動データ生成部94aは別の遊技客により遊技が行われたと判定し、異なる顧客IDを付与する。
一方、図17(b)では、遊技機ID「P001」の遊技機20において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t11」まで遊技が行われ、その後、時刻「t12」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。時刻「t11」から時刻「t12」までが所定時間未満、すなわち時刻の差が閾値未満である場合には、遊動データ生成部94aは同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与する。
また、図17(c)では、遊技機ID「P001」の遊技機20において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t21」まで遊技が行われ、その後、時刻「t22」からカードID「1001」のカードが遊技機ID「P002」の遊技機20で用いられている。このようにカードIDが同一であれば、同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与する。
ここで、時刻の差との比較に用いる閾値は、遊技機20の稼働状態に応じて変更することとしてもよい。閾値が小さすぎると同一の遊技客の遊技を別の遊技客であると誤判定する可能性がある。しかし、人気が高い機種の遊技機20や当日の賞出玉数が大きい遊技機20などは、1人の遊技客が遊技を終えてから次の遊技客が遊技を開始するまでの時間が短く、閾値を大きくすると、これらの遊技客を同一と識別してしまう。そのため、遊技客の入れ替わりが少ないとみなされる遊技機20については閾値を大きくし、遊技客の入れ替わりが多いとみなされる遊技機20については閾値を小さくすることで、同一の遊技客を精度よく識別することができる。
図18は、閾値の自動変更を説明するための説明図である。図18では、遊技機20の機種ごとに打込玉数の平均値を稼働状態として求め、当日の稼働状態を判定項目として閾値を随時変更している。
具体的には、図18の例では、機種「EV01」の10時から12時までの稼働が「6000玉」であり、閾値を「60秒」としている。そして、この10時から12時までの稼働に基づいて、12時から14時までの閾値を「60秒」のまま維持している。その後、12時から14時の稼働が「10000玉」となったため、この12時から14時までの稼働に基づいて14時から16時までの閾値を「30秒」まで小さくしている。
また、図18の例では、機種「EV02」の10時から12時までの稼働が「3000玉」であり、閾値を「60秒」としている。そして、この10時から12時までの稼働に基づいて、12時から14時までの閾値を「120秒」まで大きくしている。その後、12時から14時の稼働が「1000玉」となったため、この12時から14時までの稼働に基づいて14時から16時までの閾値を「150秒」まで大きくしている。
なお、閾値の変更は、このように事前に行うものに限らず、営業中や営業時間後に、店員が手動で行う場合もある。かかる修正では、変更された閾値を事後的に適用し、遊動データ95bの生成をやりなおすことが望まれる。
図19は、閾値の変更に基づく遊動データ95bの再生成についての説明図である。図19(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t01」まで遊技が行われ、時刻「t02」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。このとき、時刻「t01」から時刻「t02」までの時間差が閾値Th1以上であるため、遊動データ生成部94aは別の遊技客により遊技が行われたと判定し、異なる顧客IDを付与することになる。
その後、閾値Th1が閾値Th2に変更されると、遊動データ生成部94aは同一の期間遊動データ95aを用いて遊動データ95bを再生する。変更された閾値Th2が時刻「t01」から時刻「t02」までの時間差よりも大きければ、図19(b)に示すように、遊動データ生成部94aは同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与することになる。
次に、集中管理装置90の遊動データ分析部94dによる遊動データの分析について説明する。図20は、遊動データの分析についての説明図である。図20に示すように遊動データの分析には、遊技客に関する分析と、遊技機に関する分析とがある。遊技客に関する分析とは、遊技客の移動履歴を用いた分析や、所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析である。遊技機に関する分析とは、遊技機ごとの遊技人数を用いた分析である。
遊技客の移動履歴を用いた分析としては、遊動相関関係分析、会員別遊動参照、期間比較分析、初遊技分析などがある。遊動相関関係分析では、遊技客の台移動の傾向と、台移動に相関性の高い遊技機の確認が行われる。すなわち、遊技客がどのような遊技機をどのような順序で使用するか、また、台移動においてどのような遊技機が高い頻度で選択されるかなどが確認できる。
会員別遊動参照では、会員遊技客について個人別に遊技の動向を表示し、確認することができる。また、期間比較分析では、指定された日時からの台移動の傾向を確認することができる。初遊技分析では、遊技客の台移動の履歴から、遊技客が最初に遊技した遊技機を確認することができる。
所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析を行う遊動期間集計では、指定した期間における、遊技種、スペック、機種別に、遊技人数などの情報を確認することが可能である。
遊技機に関する分析のうち、遊技機分析では、遊技機の機種毎に、月別などで遊技客の人数、勝敗の推移状況を確認することが可能である。また、売上貢献分析では、遊技客1人あたりの投資金額と打込玉数から、遊技店の売上への貢献状況を分類することができる。
これらの分析結果の表示は、管理端末80が行う他、会員管理装置50、カード管理装置40等、遊技店内の他の装置で行うこともできる。
次に、分析の具体例について説明する。図21〜図23は、分析の具体例についての説明図である。図21(a)に示した遊動相関関係分析では、機種及び遊技種に対し、遊技を行った人数、遊技時間、総投資金額、勝敗金額を対応付けている。また、遊技を行った人数、遊技時間、総投資金額、勝敗金額については、合計、一般遊技客、会員遊技客、男性遊技客、女性遊技客について集計を行っている。
具体的には、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「6」人、そのうち一般遊技客は「4」人、会員遊技客は「2」人、男性遊技客は「5」人、女性遊技客は「1」人である。
また、遊技時間の合計は「2:55」であり、そのうち一般遊技客は「00:50」、会員遊技客は「02:05」、男性遊技客は「02:40」、女性遊技客は「00:15」である。
また、総投資金額の合計は「23000」円であり、そのうち一般遊技客は「7000」円、会員遊技客は「16000」円、男性遊技客は「20000」円、女性遊技客は「3000」円である。
また、勝敗金額の合計は「9000」円であり、そのうち一般遊技客は「10000」円、会員遊技客は「−1000」円、男性遊技客は「11000」円、女性遊技客は「−2000」円である。
図21(b)に示した会員別遊動参照では、遊技日付、開始時間、終了時間、顧客ID、顧客種別、カードID、遊技機ID及び機種を対応付けている。具体的には、遊技日付「2019/10/08」の開始時間「11:10:00」から終了時間「14:15:33」まで、顧客ID「U001」を付与した顧客種別が「会員」であり、かつカードIDが「2011」である遊技客が、遊技機ID「P001」で遊技し、この遊技機は機種「EV01」であったことを示している。
同様に、遊技日時「2019/10/08」の開始時間「13:20:20」から終了時間「18:00:00」まで、顧客ID「U007」を付与した顧客種別「会員」かつカードID「2009」の遊技客が、遊技機ID「P021」で遊技し、この遊技機は機種「EV22」であったことを示している。
図22に示した期間比較分析では、操作者から指定された出力条件及び検索条件に基づいて遊動データを集計して比較している。具体的には、出力条件としては、表示項目については「人数」、「遊技時間」、「総投資金額」及び「勝敗金額」のうち「人数」が指定されている。また、会員詳細については「表示しない」が指定されている。また、表示方法については「総数」、「平均」及び「中央値」のうち「平均」が指定されている。
また、検索条件としては、比較元の期間として「2019/09/01」|〜「2019/09/30」が指定され、比較先の期間として「2019/10/01」〜「2019/10/31」が指定されている。また、基準としては、「遊技種」、「機種」、「機種、遊技種」、「機種タイプ」、「機種タイプ、遊技種」のうち、「遊技種」が指定されている。また、遊技客については、一般遊技客と、会員遊技客の双方が指定されている。会員遊技客については、登録された会員情報に基づいて、性別、年代、月あたりの遊技日数を指定可能であるが、図22ではその全てを指定している。
これらの出力条件及び検索条件に基づく期間比較分析の結果では、基準として指定された遊技種毎に、設置台数、遊技を行った人数が集計される。また、遊技を行った人数は、合計、一般遊技客及び会員遊技客について集計し、比較表示している。
具体的には、遊技種「玉1」の設置台数は、比較元が「450」台であり、比較先が「350」台である。また、合計の人数は、比較元が「600」人であり、比較元先が「400」人であり、比率は「66%」である。一般遊技客の人数は、比較元が「400」人であり、比較元先が「200」人であり、比率は「50%」である。会員遊技客の人数は、比較元が「200」人であり、比較元先が「200」人であり、比率は「100%」である。
同様に、遊技種「玉2」の設置台数は、比較元が「100」台であり、比較先が「100」台である。また、合計の人数は、比較元が「120」人であり、比較元先が「115」人であり、比率は「95%」である。一般遊技客の人数は、比較元が「50」人であり、比較元先が「60」人であり、比率は「120%」である。会員遊技客の人数は、比較元が「70」人であり、比較元先が「55」人であり、比率は「78%」である。
図23(a)に示した初遊技分析では、遊技客が最初に遊技した回数の多い順に機種の順位を示している。具体的には、順位「1」は、機種「EV01」であり、遊技種は「玉3」である。また、順位「2」は、機種「EV08」であり、遊技種は「玉1」である。この初遊技分析では、各機種に遊動相関関係分析の結果を併せて表示している。
図23(b)に示した遊動期間分析では、機種、営業日数、設置台数、回転率、遊技時間、総投資金額、総投資金額平均、勝敗総額、勝敗平均、勝ち人数などを対応付けている。具体的には、機種「EV01」について、営業日数「29」日、設置台数「20」台、回転率「75.7%」、遊技時間「261:33」、総投資金額「3000000」円、総投資金額平均「20000」円、勝敗総額「−1200000」円、勝敗平均「−8000」円、勝ち人数「30」人などが対応付けられている。
図23(c)に示した遊技機分析では、機種タイプに対し、遊技回数と遊技時間を対応付けている。遊技回数については合計、日平均、割合が含まれ、遊技時間には合計、日平均、回平均、割合が含まれる。
具体的には、機種タイプ「MAXタイプ」について、遊技回数の合計が「123」回、遊技回数の日平均が「4.1」回、遊技回数の割合が「27.3%」であることが示され、遊技時間の合計が「215:00」、遊技時間の日平均が「7:10」、遊技時間の回平均が「2:15」、遊技時間の割合が「21.3%」であることが示されている。
同様に、機種タイプ「ハイミドルタイプ」について、遊技回数の合計が「345」回、遊技回数の日平均が「11.5」回、遊技回数の割合が「15.2%」であることが示され、遊技時間の合計が「255:00」、遊技時間の日平均が「8:30」、遊技時間の回平均が「0:45」、遊技時間の割合が「19.9%」であることが示されている。
次に、図2に示した管理端末80における表示例について説明する。図24は、図2に示した管理端末80における表示例について説明するための説明図である。「2019/10/01〜2019/10/31」の期間における遊動期間分析の表示例を示している。
機種「EV01」に関して、営業日数が「10日」、設置台数が「10台」、勝ち人数が「5人」、勝ち平均額が「5000円」、最大勝ち額が「30000円」、負け人数が「9人」、負け平均額が「6000円」、最大負け額が「50000円」であることが示されている。
同様に、機種「DK03」に関して、営業日数が「15日」、設置台数が「8台」、勝ち人数が「7人」、勝ち平均額が「3000円」、最大勝ち額が「20000円」、負け人数が「13人」、負け平均額が「4000円」、最大負け額が「40000円」であることが示されている。
次に、会員管理装置50の処理手順について説明する。図25は、会員管理装置50の処理手順を示すフローチャートである。まず、カード管理装置40からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信したならば(ステップS101;Yes)、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ56eに蓄積する(ステップS102)。
カード管理装置40からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信したならば(ステップS103;Yes)、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ56fに蓄積する(ステップS104)。
賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受信したならば(ステップS105;Yes)、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ56gに蓄積する(ステップS106)。
閉店処理開始の指示がない場合(ステップS107;No)、カード管理装置40などからのデータ受信待ちの状態に移行する(ステップS101)。閉店処理開始の指示を受けたならば(ステップS107;Yes)、稼働データ56d及び遊技関連カード処理履歴データ56eを用い、遊技履歴データ56hを生成する(ステップS108)。
次に、遊技外カード処理履歴データ56f、計数精算処理履歴データ56g及び遊技履歴データ56hを用い、遊技履歴データ56hから一つの継続した遊技を示す期間遊動データ56iを生成し(ステップS109)、集中管理装置90に期間遊動データ56iを通知する(ステップS110)。
次に、本実施例に係る集中管理装置90の処理手順について説明する。図26は、本実施例に係る集中管理装置90の処理手順を示すフローチャートである。まず、会員管理装置50から期間遊動データ56iを受信したならば(ステップS201;Yes)、該期間遊動データ56iを期間遊動データ95aとして記憶部95に格納し、期間遊動データ95a内のデータが同一遊技客とみなせるか否かを判定する(ステップS202)。
同一遊技客とみなせると判断された場合は(ステップS202;Yes)、該当データに対して同一の顧客IDを付与し(ステップS203)、遊動データ95bを生成する。同一遊技客とみなせないと判断された場合は(ステップS202;No)、各データに対して個別の顧客IDを付与し(ステップS204)、遊動データ95bを生成する。
遊動データ95bに含まれる期間遊動データ95aが、除外条件データ95cに合致していたならば(ステップS205;Yes)、遊動データ95bのうち期間遊動データ95aに該当するデータの「アウト」、「セーフ」及び「勝ち負け額」に「0」を設定する(ステップS206)。なお、期間遊動データ95aが、除外条件データ95cに合致していないたならば(ステップS205;No)、処理を終了する。
このように、本実施例に係る遊技情報管理システムでは、一部の遊技機において情報が不完全なものである場合に、これらを含む複数の遊技機の情報に基づいて生成される遊技情報の出力精度の低下を低減することができる。
なお、上記の実施例では、一部の遊技機において情報が不完全な場合に、該情報を除外することにより、遊技情報の出力精度の低下を低減する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該情報を除外せずに、別途、不完全情報として保持することにより、操作者の操作によって、不完全情報を含む又は含まない情報の表示を行うこともできる。
また、上記の実施例では、一部の遊技機に対応する期間遊動データにおいて情報が不完全な場合に、該期間遊動データを除外する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該期間遊動データを含む一連の遊動データそのものを除外することにより、遊技店の遊動データの信頼性向上を図ることもできる。
また、上記の実施例では、一部の遊技機に対応する期間遊動データにおいて情報が不完全と判断される場合に、該期間遊動データを除外する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、不完全と判断された期間遊動データに対応する遊技機で遊技した他の遊技客の遊動データのうち、当該遊技機に対応する部分の期間遊動データについて、同様に除外することもできる。
また、上記の実施例では、遊動データを基に各種の分析を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊動データに、天気や気温などの各種集計情報を組み合わせた分析を行うこともできる。
また、上記の実施例では、除外条件データを基に不完全情報を除外する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、不完全情報を生み出す異常事象についての学習機能を付加することにより、不完全情報の自動除外を行うこともできる。
<変形例>
上記一連の説明では、一部の遊技機において情報が不完全な場合に、該情報を除外した後に、初遊技分析を含む各種分析を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客の来店目的に合致しない初遊技が含まれるときにおいて、これらを含む複数の遊技機の情報に基づいて生成される遊技情報の初遊技分析精度の低下を低減するよう構成することもできる。本変形例では、期間遊動データ95aにおいて、遊技客の来店目的に合致しない初遊技を除外して遊動データ95bを生成する構成について説明する。
まず、図2に示した集中管理装置90に記憶される除外条件データ95cの具体例について説明する。図27は、図2に示した集中管理装置90に記憶される除外条件データ95cの具体例について説明するための説明図である。
図27に示す除外条件データは、条件番号「1」として、「入金したが、残額を使い切る前までに、又は、カード返却する前までに、アウトが未発生」が登録されている。また、条件番号「2」として、「アウトが発生しているが、売り上げ(玉貸、再プレイ)がない」が登録されている。さらに、条件番号「3」として、「遊技時間が1分以下」が登録されている。
次に、本変形例に係る集中管理装置90の処理手順について説明する。図28は、本変形例に係る集中管理装置90の処理手順を示すフローチャートである。まず、会員管理装置50から期間遊動データ56iを受信したならば(ステップS301;Yes)、該期間遊動データ56iを期間遊動データ95aとして記憶部95に格納し、期間遊動データ95a内のデータが除外条件データ95cに合致しているか否かを判定する(ステップS302)。
期間遊動データ95a内のデータが除外条件データ95cに合致していたならば(ステップS302;Yes)、該当データを期間遊動データ95aから除外する(ステップS303)。
次に、期間遊動データ95a内のデータが同一遊技客とみなせるか否かを判定する(ステップS304)。同一遊技客とみなせると判断された場合は(ステップS304;Yes)、該当データに対して同一の顧客IDを付与し(ステップS305)、遊動データ95bを生成する。同一遊技客とみなせないと判断された場合は(ステップS304;No)、各データに対して個別の顧客IDを付与し(ステップS306)、遊動データ95bを生成する。
遊動データ95bが、除外条件データ95cに合致していたならば(ステップS307;Yes)、該当データの「アウト」、「セーフ」及び「勝ち負け額」に「0」を設定する(ステップS308)。なお、遊動データ95bが、除外条件データ95cに合致していないならば(ステップS307;No)、処理を終了する。
このように、本変形例に係る遊技情報管理システムでは、遊技客の来店目的に合致しない初遊技が含まれるときにおいて、これらを含む複数の遊技機の情報に基づいて生成される遊技情報の初遊技分析精度の低下を低減することができる。
なお、上記の変形例では、遊技客の来店目的に合致しない初遊技の情報を除外する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該情報を除外せずに、別途、除外情報として保持することにより、操作者の操作によって、除外情報を含む又は含まない情報の表示を行うこともできる。
また、上記の各実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。