本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。
<実施例に係る遊技情報管理システムの概要>
まず、本実施例に係る遊技情報管理システムの概要について説明する。図1は、本実施例に係る遊技情報管理システムの概要を説明するための説明図である。ここでは、説明の便宜上、遊技店A、遊技店B、遊技店Cの3つの店舗の遊技店が存在する場合を示すこととする。図1では、遊技店Aにおける匿名遊動データの生成についてのみ図示したが、遊技店B及びCについても遊技店Aと同様に匿名遊動データを生成する。
遊技店Aには、店内管理装置60が設置されている。この店内管理装置60には、会員管理データ及び遊技機等の装置から収集した情報を用いて生成された遊動データが記憶されている。
店内管理装置60は、個人情報が含まれる会員管理データ及び遊動データから個人情報を消去する匿名加工を行い、匿名遊動データを生成する(S1)。例えば、会員管理データに含まれるカードID「2001」を「−」と匿名加工し、氏名「遊技太郎」を「−」に匿名加工し、生年月日「1970/01/01」を「40代」と匿名加工し、住所「東京都千代田区・・・」を「東京都」に匿名加工する。
そして、遊技店Aに設置された店内管理装置60は、匿名遊動データを外部管理装置90に送信する(S2)。なお、遊技店B及びCについても、遊技店Aと同様にして匿名遊動データを外部管理装置90に送信する(S2)。
外部管理装置90は、各遊技店A〜Cの店内管理装置60からそれぞれ受信した複数の匿名遊動データを用いて全体匿名遊動データを生成する(S3)。この全体匿名遊動データは、複数の遊技店からそれぞれ送信された匿名遊動データを集約したデータであり、一種のビッグデータとなる。
外部管理装置90は、全体匿名遊動データから全体匿名遊動分析データを生成し(S4)、該全体匿名遊動分析データを店内管理装置60に送信する(S5)。なお、全体匿名遊動分析データについての詳細な説明については後述する。
このように、本実施例に係る遊技情報管理システムは、各遊技店A〜Cにおいて生成された遊動データに対して匿名加工を行った匿名遊動データを外部管理装置90に送信し、外部管理装置90において全体匿名遊動データを生成するよう構成したので、全体匿名遊動データを多種多様な用途に使用することができる。
<システム構成>
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技情報管理システムのシステム構成を示す図である。なお、ここでは説明の便宜上、遊技店Aについての構成を説明するが、遊技店B及びCについても同様の構成となる。
図2に示すように、遊技店Aには、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、中継装置30を介してホール管理装置50と接続される。
また、台間カード処理機10は、島コントローラ40を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ40、ホール管理装置50、店内管理装置60、賞品管理装置70及び精算機80が接続される。また、店舗外に設置された外部管理装置90は、外部ネットワークを介して店内管理装置60及び表示端末100と通信可能に接続される。
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数(以下、「遊技球数」と言う)を示す遊技可能数メモリを有している。
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を店内管理装置60に送信する。
遊技機20は、遊技盤面から所定個数の遊技玉が排出される度にアウトパルスを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域の通過したこと(いわゆる入賞)に基づいて所定個数の賞玉を遊技球に加算する度にセーフパルスを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生した場合には、かかる状態の発生を示す特賞パルスを台間カード処理機10に送信する。
アウトパルスは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフパルスは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞パルスは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各パルスは、台間カード処理機10を介してホール管理装置50に送信され、ホール管理装置50は、アウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、店内管理装置60との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を店内管理装置60に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を店内管理装置60が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を店内管理装置60に送信し、店内管理装置60が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、店内管理装置60にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、店内管理装置60からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、店内管理装置60に対して持玉減算要求を送信することで、店内管理装置60が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、店内管理装置60に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、該店内管理装置60が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を店内管理装置60に送信し、店内管理装置60に持玉数を加算させた後、カード排出通知を店内管理装置60に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、店内管理装置60から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
台間カード処理機10は、遊技機20の状態に基づいて各種表示制御を行なうとともに、遊技機20の状態を店内管理装置60に送信する。
中継装置30は、遊技機20におけるアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスなどの遊技機20の状態に関する遊技情報を台間カード処理機10から受信し、ホール管理装置50に対して中継する装置である。島コントローラ40は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を店内管理装置60に対して中継する装置である。
ホール管理装置50は、各遊技機20からアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを受信して蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を管理する。ホール管理装置50は、各遊技機20の状態(「特賞中」、「空き台」、「遊技中」など)を管理しており、各遊技機のこれらの状態について、ホール内をマップ表示した画面で表示することもできる。また、ホール管理装置50は、台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品交換や精算の履歴を受信する。そして、遊技機20の動作の履歴、台間カード処理機10の動作の履歴、賞品交換や精算の履歴を用い、遊技履歴データの生成と遊動データの生成とを行う。
店内管理装置60は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードの識別情報(以下、「カードID」と言う)と台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を店内管理装置60に送信し、店内管理装置60から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、台間カード処理機10は、貸出ボタンが押下操作されたならば、貸出パルスをホール管理装置50に送信する。
また、店内管理装置60は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
また、店内管理装置60は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を店内管理装置60に送信し、店内管理装置60が貯玉再プレイデータを出力した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、店内管理装置60は、賞品管理装置70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた貯玉及び持玉の残高を賞品管理装置70に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
また、店内管理装置60は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
また、店内管理装置60は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
また、店内管理装置60は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、店内管理装置60は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、店内管理装置60は、後述する装置内部の記憶部65に記憶する会員管理データとホール管理装置50から受信した遊動データから、個人情報を消去する匿名加工を行って匿名遊動データを生成し、生成した匿名遊動データを外部管理装置90に通知する。
また、店内管理装置60は、外部管理装置90から受信した全体匿名遊動分析データを記憶し、該全体匿名遊動分析データと同じ形式の自店匿名遊動分析データを生成する。なお、この店内管理装置60で生成された自店匿名遊動分析データと全体匿名遊動分析データとを、遊技店Aの店内に設けられた所定の端末装置で対比可能に表示することができる。
賞品管理装置70は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置70には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置70は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別情報を読み出した場合)には、カードIDを店内管理装置60に送信して、該カードIDの貯玉及び持玉の残高を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを店内管理装置60に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
外部管理装置90は、遊技店外に設置され、全体匿名遊動データの生成及び管理を行う装置である。外部管理装置90は、店内管理装置60から受信した匿名遊動データを用いて全体匿名遊動データを生成する。また、外部管理装置90は、全体匿名遊動データに対して遊動分析を行い、その分析結果である全国匿名遊動分析データを店内管理装置60等に通知する。
表示端末100は、遊技機を製造する遊技機製造メーカ等に設置され、外部ネットワークを介して外部管理装置90と接続される。この表示端末100は、外部管理装置90から受信した全体匿名遊動分析データを表示する。例えば、ある人気種を分析した結果を踏まえて次機種の遊技機の要求性能などの参考にするためである。
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、店内管理装置60のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
店内管理装置60は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が100円である場合の500円分を示す5度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
加算信号を受信した遊技機20は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、店内管理装置60のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
店内管理装置60は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、店内管理装置60から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を店内管理装置60に送信する。店内管理装置60は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技球数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、店内管理装置60に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
店内管理装置60は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、店内管理装置60にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、本実施例に係る遊技情報管理システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、店内管理装置60のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
店内管理装置60は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、店内管理装置60のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
店内管理装置60は、貯玉再プレイ要求の電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。店内管理装置60は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、カードID及びレートにより特定される貯玉の残高に持玉の残高を加算して更新する。その後、店内管理装置60は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13及びカードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14aが設けられている。
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。
計数ボタン22は、遊技機20の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
<台間カード処理機10の内部構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、島コントローラ40を介して店内管理装置60との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
認証処理部18aは、店内管理装置60から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、店内管理装置60を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17aを有する。実際には、データ管理部17aに対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知を店内管理装置60に送信する。また、データ管理部17aは、店内管理装置60から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知を店内管理装置60に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求を店内管理装置60に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求を店内管理装置60に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求を店内管理装置60に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知を店内管理装置60に送信し、カードを排出する。
次に、図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図5は、図4に示した自装置状態データ16a及びカードデータ16bの一例を示す図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、プリペイド価値が「2000」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。
また、カードデータ16bは、持玉として、玉1の持玉の残高が「500」玉、玉2の持玉の残高が「0」玉、玉3の持玉の残高が「130」玉であり、貯玉として、玉1の貯玉の残高が「1000」玉、玉2の貯玉の残高が「0」玉、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
<遊技機20の内部構成>
次に、図2に示した遊技機20の内部構成について説明する。図6は、図2に示した遊技機20の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0〜65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
遊技玉制御部26は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
また、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下65されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
<ホール管理装置50の内部構成>
次に、図2に示したホール管理装置50の内部構成について説明する。図7は、図2に示したホール管理装置50の内部構成を示すブロック図である。図7に示すように、ホール管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、店舗ネットワーク通信部53、遊技機状態受信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部52は、キーボードやマウス等である。店舗ネットワーク通信部53は、遊技店内において通信回線を介して中継装置30、島コントローラ40、店内管理装置60、賞品管理装置70及び精算機80とデータ通信するためのインタフェース部である。遊技機状態受信部54は、台間カード処理機10から遊技機20の状態に関する情報を受信するインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、パルスデータ55a、遊技履歴データ55b及び遊動データ55cを記憶する。パルスデータ55aは、遊技機20から受信したパルスの履歴を示す。遊技履歴データ55bは、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態を時系列に示すデータである。遊動データ55cは、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別したデータであり、遊技客毎の遊技の履歴を示す。
制御部56は、ホール管理装置50を全体制御する制御部であり、パルスデータ蓄積部56a、パルスデータ集計部56b、遊技履歴データ生成部56c及び遊動データ生成部56dを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、パルスデータ蓄積部56a、パルスデータ集計部56b、遊技履歴データ生成部56c及び遊動データ生成部56dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
パルスデータ蓄積部56aは、遊技機状態受信部54が遊技機20からアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルス受信した場合に、時刻、遊技機ID及びパルス種別を対応付けてパルスデータ55aに登録することで、パルスデータの蓄積を行う処理部である。
パルスデータ集計部56bは、パルスデータ55aに基づいてパルスの集計を行うことで、遊技機20の動作の履歴を取得する処理部である。遊技機20の動作の履歴には、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生が含まれる。
遊技履歴データ生成部56cは、パルスデータ集計部56bによるパルスの集計結果である遊技機20の動作の履歴と、店内管理装置60から受信した遊技関連カード処理履歴データ65dとを用い、遊技履歴データ55bを生成し、記憶部55に格納する。
遊動データ生成部56dは、遊技履歴データ55bと、店内管理装置60から受信した遊技外カード処理履歴データ65e及び計数精算処理履歴データ65fを用い、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データ55cを生成する。遊動データ生成部56dは、生成した遊動データ55cを記憶部55に格納するとともに、店内管理装置60に送信する。
次に、図7に示したホール管理装置50の記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。図8は、図7示したパルスデータ55a、遊技履歴データ55b及び遊動データ55cの一例を示す図である。
図8(a)に示すパルスデータ55aは、時刻、遊技機ID及びパルス種別を対応付けたデータである。具体的には、時刻「11:10:14」に遊技機ID「P001」の遊技機20がアウトパルスを出力したことを示している。同様に、時刻「11:10:16」に遊技機ID「P001」の遊技機20がアウトパルスを出力したことを示している。そして、時刻「11:11:30」に遊技機ID「P001」の遊技機20がセーフパルスを出力したことを示している。また、時刻「13:30:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20が特賞(大当り)パルスを出力したことを示している。なお、特賞が複数種類設けられている場合には、特賞の種類毎に異なるパルスが出力され、パルス種別には特賞の種類が登録される。
図8(b)に示す遊技履歴データ55bは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示されている。
具体的には、遊技履歴データ55bには、時刻「11:10:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「カード挿入」が対応付けられている。また、遊技履歴データ55bには、時刻「11:11:20」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「打込玉数 100」が対応付けられている。さらに、遊技履歴データ55bには、時刻「11:12:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「賞出玉数 30」が対応付けられている。
また、遊技履歴データ55bには、時刻「12:35:30」、遊技機ID「P023」、カードID「2005」及び処理「カード排出」が対応付けられている。また、遊技履歴データ55bには、時刻「13:20:20」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「入金」が対応付けられている。さらに、遊技履歴データ55bには、時刻「13:30:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「特賞(大当り)」が対応付けられている。
図8(c)に示す遊動データ55cは、遊技年月日、開始時刻、終了時刻、カードID、遊技機ID、入金額等を対応付けたデータである。具体的には、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「11:10」、終了時刻「14:15」、カードID「2005」、遊技機ID「P015」、入金額「3000」円、アウト「3500」玉、セーフ「6000」玉、勝ち負け額「20000」円が対応付けられている。
また、遊動データ55cには、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「13:20」、終了時刻「17:30」、カードID「2078」、遊技機ID「P084」、入金額「15000」円、アウト「10000」玉、セーフ「8000」玉、勝ち負け額「−9000」円が対応付けられている。
<店内管理装置60の内部構成>
次に、図2に示した店内管理装置60の内部構成について説明する。図9は、図2に示した店内管理装置60の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、店内管理装置60は、表示部61及び入力部62と接続され、外部ネットワーク通信部63、店舗ネットワーク通信部64、記憶部65及び制御部66を有する。
表示部61は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部62は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部63は、店舗外の外部管理装置90と通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部64は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ40、ホール管理装置50、賞品管理装置70及び精算機80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部65は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ65a、装置管理データ65b、会員管理データ65c、遊技関連カード処理履歴データ65d、遊技外カード処理履歴データ65e、計数精算処理履歴データ65f、匿名遊動データ65g、全体匿名遊動分析データ65h及び自店匿名遊動分析データ65iを記憶する。
カード管理データ65aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ65bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ65bは、台間カード処理機ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所、遊技機ID、遊技機20の機種データ等を含んでいる。
会員管理データ65cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、生年月日、住所等の個人情報及び貯玉の情報等を関連付けたデータである。遊技関連カード処理履歴データ65dは、台間カード処理機10による処理動作のうち、カード挿入、カード排出、入金、各台計数及び一般カード使い切りなどの遊技に関わる履歴を示す。
遊技外カード処理履歴データ65eは、台間カード処理機10による処理動作のうち、ワゴン賞品交換や持玉分割などのサービスに関する履歴を示す。
計数精算処理履歴データ65fは、賞品管理装置70による賞品交換、精算機80によるプリペイド価値の精算、遊技機20による計数など、台間カード処理機10以外が行った処理動作の履歴を示す。
匿名遊動データ65gは、会員管理データ65cとホール管理装置50から受信した遊動データ55cとから、個人情報を消去して匿名加工した遊動に関するデータである。
全体匿名遊動分析データ65hは、外部管理装置90が、各遊技店の匿名遊動データ65gを蓄積して生成した全体匿名遊動データ94aに対して、遊動分析を行った結果のデータである。
自店匿名遊動分析データ65iは、全体匿名遊動分析データ65hで行われた遊動分析を、匿名遊動データ65gに対して行った結果のデータである。
制御部66は、店内管理装置60の全体制御を行う制御部であり、カード管理部66a、装置管理部66b、会員管理部66c、カード処理履歴管理部66d、匿名遊動データ生成部66e、匿名遊動データ管理部66f及び匿名遊動データ分析部66gを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部66a、装置管理部66b、会員管理部66c、カード処理履歴管理部66d、匿名遊動データ生成部66e、匿名遊動データ管理部66f及び匿名遊動データ分析部66gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
カード管理部66aは、カード管理データ65aの管理を行う処理部である。カード管理部66aは、台間カード処理機10、賞品管理装置70及び精算機80と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。また、カード管理部66aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
装置管理部66bは、装置管理データ65bの管理を行う処理部である。装置管理部66bは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ65bを生成及び更新する。
会員管理部66cは、会員管理データ65cの管理を行う処理部である。会員管理部66cは、賞品管理装置70と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。また、会員管理部66cは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ65cに会員を追加する更新を行う。
ここで、会員管理部66cによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部66cは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
カード処理履歴管理部66dは、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置70、精算機80などによる動作の履歴を蓄積する処理部である。
具体的には、カード処理履歴管理部66dは、台間カード処理機10からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ65dに追加する。
また、カード処理履歴管理部66dは、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ65eに追加する。
また、カード処理履歴管理部66dは、賞品管理装置70、精算機80などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ65fに追加する。
匿名遊動データ生成部66eは、ホール管理装置50から遊動データ55cを受信し、受信した遊動データ55cと会員管理データ65cとを結合し、結合したデータから個人情報を消去する匿名加工を行って、匿名遊動データ65gを生成する。
匿名遊動データ管理部66fは、匿名遊動データ65gが生成されたならば、生成された匿名遊動データ65gを外部管理装置90に送信する。また、匿名遊動データ管理部66fは、外部管理装置90から全体匿名遊動分析データ65hを受信したならば、記憶部65に記憶するとともに、匿名遊動データ分析部66gに対して分析指示を通知する。
また、匿名遊動データ管理部66fは、全体匿名遊動分析データ65hと自店匿名遊動分析データ65iを表示部61に表示する。
匿名遊動データ分析部66gは、匿名遊動データ管理部66fからの指示により、全体匿名遊動分析データ65hにて匿名遊動データ65gを遊動分析した分析結果を自店匿名遊動分析データ65iとして記憶部65に記憶する。
次に、図9に示した店内管理装置60の記憶部65が記憶するデータの具体例について説明する。図10〜図13は、図9示したカード管理データ65a、装置管理データ65b、会員管理データ65c、遊技関連カード処理履歴データ65d、遊技外カード処理履歴データ65e、計数精算処理履歴データ65f、匿名遊動データ65g、全体匿名遊動分析データ65h及び自店匿名遊動分析データ65iの一例を示す図である。
図10(a)に示すカード管理データ65aでは、カードID「1001」にプリペイド価値「0」度数、各レートの持玉の残高「0」玉、使用先ID「A101」が関連付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロである。
また、カード管理データ65aでは、カードID「2001」にプリペイド価値「3000」度数、持玉として、玉1の持玉の残高「1500」玉、玉2の持玉の残高「2500」玉、玉3の持玉の残高「0」玉と関連付けられているが、使用先IDの関連付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が店内管理装置60により行われている。
図10(b)に示す装置管理データ65bは、ID「A101」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.GH」、設置場所が「島1−1」、接続された遊技機20のIDが「B201」、遊技種が「玉1」、接続された遊技機20の機種が「EV01」、製造番号が「a」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
また、装置管理データ65bは、ID「A201」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.IJ」、設置場所が「島2−1」、接続された遊技機20のIDが「B506」、遊技種が「玉3」、接続された遊技機20の機種が「DK03」、製造番号が「g」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
図10(c)に示す会員管理データ65cは、カードID「2001」に対して、氏名「遊技太郎」、性別「男性」、生年月日「1970/01/01」、住所「東京都千代田区・・・」、貯玉として、玉1「250」玉、玉2「1000」玉、玉3「4000」玉、携帯IDm「IDmX1」等が対応付けられている。
図11(a)に示す遊技関連カード処理履歴データ65dは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技関連カード処理履歴データ65dは、時刻「11:10:00」に遊技機ID「P001」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「カード挿入」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ65dは、時刻「12:35:30」に遊技機ID「P023」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「2005」のカードを用いて、「カード排出」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ65dは、時刻「13:20:20」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードを用いて、「入金」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ65dは、時刻「13:52:40」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1021」のカードを用いて、「各台計数」の処理が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ65dは、時刻「14:04:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードの「一般カード使い切り」の処理が発生したことを示している。
図11(b)に示す遊技外カード処理履歴データ65eは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技外カード処理履歴データ65eは、時刻「13:40:01」に遊技機ID「P011」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1003」のカードを用いて、「ワゴン賞品交換」の処理が行われたことを示している。
また、遊技外カード処理履歴データ65eは、時刻「15:00:50」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「持玉分割」の処理が行われたことを示している。
図11(c)に示す計数精算処理履歴データ65fは、時刻、装置ID、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。装置IDは、賞品管理装置70、精算機80などを一意に特定する識別情報である。遊技機IDは、遊技客が最後に使用した遊技機20を示す識別情報であり、賞品交換、精算、計数などを行う場合に遊技客に入力させることで特定する。若しくは、店内管理装置60が保持するカードの使用履歴を参照して特定してもよい。
具体的には、計数精算処理履歴データ65fは、時刻「14:22:33」、賞品管理装置70の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」、処理「賞品交換」を対応付けている。また、時刻「14:22:33」、賞品管理装置70の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「2013」、処理「賞品交換」を対応付けている。すなわち、カードID「1002」の一般カードとカードID「2013」の会員カードは同時に賞品交換に用いられている。
また、計数精算処理履歴データ65fは、時刻「16:08:08」、精算機80の装置ID「7011」、遊技機ID「P019」、カードID「1033」、処理「精算」を対応付けている。
図12に示す匿名遊動データ65gは、遊技年月日、開始時刻、終了時刻、遊技客ID、性別、年齢、住所、機種、入金額等を対応付けたデータである。具体的には、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「11:10」、終了時刻「14:15」、遊技客ID「42012」、性別「男性」、年齢「40代」、住所「東京都」、機種「EV01」、入金額「3000」円、アウト「3500」玉、セーフ「6000」玉、勝ち負け額「20000」円が対応付けられている。
また、匿名遊動データ65gには、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「13:20」、終了時刻「17:30」、遊技客ID「41105」、性別「女性」、年齢「50代」、住所「東京都」、機種「DK03」、入金額「15000」円、アウト「10000」玉、セーフ「8000」玉、勝ち負け額「−9000」円が対応付けられている。
図13(a)に示した全体匿名遊動分析データ65hでは、機種及び遊技種に対し、遊技を行った人数、平均遊技時間、平均投資金額、平均勝敗金額を対応付けている。また、遊技を行った人数、平均遊技時間、平均投資金額、平均勝敗金額については、合計及び男女の年代別について集計を行っている。
具体的には、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「2820」人、そのうち男性10代は「150」人、男性20代は「360」人、男性30代は「430」人、男性40代は「420」人である。
また、平均遊技時間の合計は「2:55」であり、そのうち男性10代は「00:50」、男性20代は「02:05」、男性30代は「02:40」、男性40代は「00:15」である。
また、平均投資金額の合計は「23000」円であり、そのうち男性10代は「7000」円、男性20代は「16000」円、男性30代は「20000」円、男性40代は「3000」円である。
また、平均勝敗金額の合計は「9000」円であり、そのうち男性10代は「10000」円、男性20代は「−1000」円、男性30代は「11000」円、男性40代は「−2000」円である。
図13(b)に示した自店匿名遊動分析データ65iでは、機種及び遊技種に対し、遊技を行った人数、遊技時間、総投資金額、勝敗金額を対応付けている。また、遊技を行った人数、遊技時間、総投資金額、勝敗金額については、合計及び男女の年代別について集計を行っている。
具体的には、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「31」人、そのうち男性10代は「1」人、男性20代は「3」人、男性30代は「5」人、男性40代は「7」人である。
また、遊技時間の合計は「2:05」であり、そのうち男性10代は「00:40」、男性20代は「01:30」、男性30代は「02:50」、男性40代は「01:40」である。
また、総投資金額の合計は「22000」円であり、そのうち男性10代は「5000」円、男性20代は「12000」円、男性30代は「23000」円、男性40代は「18000」円である。
また、勝敗金額の合計は「8000」円であり、そのうち男性10代は「11000」円、男性20代は「3000」円、男性30代は「−2000」円、男性40代は「4000」円である。
<外部管理装置90の内部構成>
次に、図2に示した外部管理装置90の内部構成について説明する。図14は、図2に示した外部管理装置90の内部構成を示すブロック図である。図14に示すように、外部管理装置90は、表示部91及び入力部92と接続され、外部ネットワーク通信部93、記憶部94及び制御部95を有する。
表示部91は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部92は、キーボードやマウス等である。外部ネットワーク通信部93は、各遊技店の店内管理装置60及び遊技機メーカ等に設置される表示端末100と通信するためのインタフェース部である。
記憶部94は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、全体匿名遊動データ94a及び全体匿名遊動分析データ94bを記憶する。
全体匿名遊動データ94aは、各遊技店から受信した匿名遊動データ65gを蓄積したデータである。全体匿名遊動分析データ94bは、全体匿名遊動データ94aに対して遊動分析を行った分析結果のデータである。
制御部95は、外部管理装置90の全体制御を行う制御部であり、全体匿名遊動データ管理部95a及び全体匿名遊動データ分析部95bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、全体匿名遊動データ管理部95a及び全体匿名遊動データ分析部95bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
全体匿名遊動データ管理部95aは、全体匿名遊動データ94aの管理を行う処理部である。全体匿名遊動データ管理部95aは、各遊技店から受信した匿名遊動データ65gを全体匿名遊動データ94aに蓄積する。
また、全体匿名遊動データ管理部95aは、全体匿名遊動データ分析部95bに対して分析指示を通知し、分析結果である全体匿名遊動分析データ94bを各遊技店の店内管理装置60及び遊技機メーカ等の表示端末100に通知する。
全体匿名遊動データ分析部95bは、全体匿名遊動データ管理部95aから分析指示を受け、全体匿名遊動データ94aに対して遊動分析を行い、分析結果を全体匿名遊動分析データ94bに格納する。
次に、図14に示した外部管理装置90の記憶部94が記憶するデータの具体例について説明する。図15及び図16は、図14示した全体匿名遊動データ94a及び全体匿名遊動分析データ94bの一例を示す図である。
図15に示す全体匿名遊動データ94aは、遊技年月日、開始時刻、終了時刻、遊技店ID、遊技客ID、性別、年齢、住所、機種、入金額等を対応付けたデータである。具体的には、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「11:10」、終了時刻「14:15」、遊技店ID「AB102」、遊技客ID「42012」、性別「男性」、年齢「40代」、住所「東京都」、機種「EV01」、入金額「3000」円、アウト「3500」玉、セーフ「6000」玉、勝ち負け額「20000」円が対応付けられている。
また、全体匿名遊動データ94aには、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「12:50」、終了時刻「18:00」、遊技店ID「CF301」、遊技客ID「10621」、性別「男性」、年齢「30代」、住所「埼玉県」、機種「EV01」、入金額「12000」円、アウト「13000」玉、セーフ「10150」玉、勝ち負け額「30000」円が対応付けられている。
また、全体匿名遊動データ94aには、遊技年月日「2019/12/01」、開始時刻「13:20」、終了時刻「17:30」、遊技店ID「AB102」、遊技客ID「41105」、性別「女性」、年齢「50代」、住所「東京都」、機種「DK03」、入金額「15000」円、アウト「10000」玉、セーフ「8000」玉、勝ち負け額「−9000」円が対応付けられている。
図16に示した全体匿名遊動分析データ94bでは、機種及び遊技種に対し、遊技を行った人数、平均遊技時間、平均投資金額、平均勝敗金額を対応付けている。また、遊技を行った人数、平均遊技時間、平均投資金額、平均勝敗金額については、合計及び男女の年代別について集計を行っている。
具体的には、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「2820」人、そのうち男性10代は「150」人、男性20代は「360」人、男性30代は「430」人、男性40代は「420」人である。
また、平均遊技時間の合計は「2:55」であり、そのうち男性10代は「00:50」、男性20代は「02:05」、男性30代は「02:40」、男性40代は「00:15」である。
また、平均投資金額の合計は「23000」円であり、そのうち男性10代は「7000」円、男性20代は「16000」円、男性30代は「20000」円、男性40代は「3000」円である。
また、平均勝敗金額の合計は「9000」円であり、そのうち男性10代は「10000」円、男性20代は「−1000」円、男性30代は「11000」円、男性40代は「−2000」円である。
次に、図7に示した遊動データ生成部56dの処理について説明する。図17及び図18は、図7に示した遊動データ生成部56dの処理を説明するための説明図である。図17に示すように、遊動データ生成部56dは、遊技履歴データ55bに基づいて、遊技開始、遊技継続、台移動、遊技終了を判定する。また、同一の遊技客により用いられた複数のカードの紐付けを行う。
具体的には、遊動データ生成部56dは、貨幣の入金に伴って台間カード処理機10の内部に貯留された一般カードにプリペイド価値が関連付けられた場合、計数処理により台間カード処理機10の内部に貯留された一般カードに持玉が関連付けられた場合、カードの挿入前に遊技球を用いた打込玉が発生した場合及び会員カードが当日初めて挿入された場合に遊技開始と判定する。
また、遊動データ生成部56dは、同一カードの再挿入が行われた場合に、遊技継続と判定する。台間カード処理機10が排出したカードが再び挿入された場合には、遊技客も同一であると考えられるためである。
また、遊動データ生成部56dは、他台(他の台間カード処理機10)で排出した一般カードが挿入された場合や、当日他台で使用履歴のある会員カードが挿入された場合に、台移動が行われたと判定する。
また、遊動データ生成部56dは、カード排出後、アウトパルスの出力が終了して所定時間が経過した場合に、遊技終了と判定する。また、一般カードの使い切りが発生した後、アウトパルスの出力が終了して所定時間が経過した場合に、遊技終了と判定する。また、排出したカードが賞品交換、精算に用いられた場合には、所定時間が経過していなくとも遊技終了と判定する。
また、遊動データ生成部56dは、カード排出後、遊技終了と判定される前に他のカードが挿入された場合には、排出したカードと挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
同様に、遊動データ生成部56dは、一般カードの使い切りが発生した後、遊技終了と判定される前に他のカードが挿入された場合には、使い切られた一般カードと挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部56dは、会員カード排出後、遊技終了と判定される前に入金が行われた場合には、排出した会員カードと入金によりプリペイド価値が加算された内部の一般カードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部56dは、一般カードの使用中に他のカードが挿入された場合には、使用していた一般カードと新たに挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部56dは、賞品交換時に同時に複数のカードが使用された場合には、使用された複数のカードを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、遊動データ生成部56dは、持玉分割が行われた場合には、分割元のカードと分割先のカードを紐付け、同一の遊技客により使用されたと判定する。
さらに、遊動データ生成部56dは、図18に示したケースについても、同一の遊技客であると判定する。具体的には、アウトパルスが終了してから所定時間が経過したが、特賞パルスを受信している場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
同様に、アウトパルスが終了してから所定時間が経過したが、賞出玉数と打込玉数の比率から、特賞状態であると推定される場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
また、特賞状態中にカードが変更された場合、すなわち、使用中のカードが排出され、他のカードが挿入された場合には、排出したカードと挿入されたカードが同一の遊技客により使用されたと判定する。
また、払出玉数と打込玉数の差分から、遊技機20に遊技可能な遊技球があると推定される場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
さらに、休憩モードなど、遊技客の操作などに基づいて遊技が一時的に休止された場合には、アウトパルスの終了からの所定時間が経過したとしても遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
また、遊技客の操作により休憩モードへの移行を可能とする場合には、台間カード処理機10の表示操作部13に休憩モード用のボタンを表示可能とし、休憩モード用のボタンが操作された場合に、台間カード処理機10を休憩モードに移行させる。休憩モードへの移行時には、例えばパスワードを設定させ、設定したパスワードが再度入力されるまで台間カード処理機10の操作を禁止する。若しくは、休憩モードへの移行時にカードを排出し、該カードが再度挿入されるまで台間カード処理機10の操作を禁止する。
店員の操作により休憩モードへの移行を行う場合には、遊技客が呼出ランプなどを用いて店員を呼び出し、店員が携行する端末から信号に基づいて台間カード処理機10が休憩モードに移行することになる。
なお、台間カード処理機10の休憩モードへの移行時と、休憩モードからの復帰時には、店内管理装置60等に通知を行う。
図19は、遊技客の識別に関する具体例の説明図である。図19(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機20において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t01」まで遊技が行われ、その後、時刻「t02」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。時刻「t01」から時刻「t02」までが所定時間以上、すなわち時刻の差が閾値以上である場合には、遊動データ生成部56dは別の遊技客により遊技が行われたと判定し、異なる顧客IDを付与する。
一方、図19(b)では、遊技機ID「P001」の遊技機20において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t11」まで遊技が行われ、その後、時刻「t12」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。時刻「t11」から時刻「t12」までが所定時間未満、すなわち時刻の差が閾値未満である場合には、遊動データ生成部56dは同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与する。
また、図19(c)では、遊技機ID「P001」の遊技機20において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t21」まで遊技が行われ、その後、時刻「t22」からカードID「1001」のカードが遊技機ID「P002」の遊技機20で用いられている。このようにカードIDが同一であれば、同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与する。
ここで、時刻の差との比較に用いる閾値は、遊技機20の稼働状態に応じて変更することとしてもよい。閾値が小さすぎると同一の遊技客の遊技を別の遊技客であると誤判定する可能性がある。しかし、人気が高い機種の遊技機20や当日の賞出玉数が大きい遊技機20などは、1人の遊技客が遊技を終えてから次の遊技客が遊技を開始するまでの時間が短く、閾値を大きくすると、これらの遊技客を同一と識別してしまう。そのため、遊技客の入れ替わりが少ないとみなされる遊技機20については閾値を大きくし、遊技客の入れ替わりが多いとみなされる遊技機20については閾値を小さくすることで、同一の遊技客を精度よく識別することができる。
図20は、閾値の自動変更を説明するための説明図である。図20では、遊技機20の機種ごとに打込玉数の平均値を稼働状態として求め、当日の稼働状態を判定項目として閾値を随時変更している。
具体的には、図20の例では、機種「EV01」の10時から12時までの稼働が「6000玉」であり、閾値を「60秒」としている。そして、この10時から12時までの稼働に基づいて、12時から14時までの閾値を「60秒」のまま維持している。その後、12時から14時の稼働が「10000玉」となったため、この12時から14時までの稼働に基づいて14時から16時までの閾値を「30秒」まで小さくしている。
また、図20の例では、機種「EV02」の10時から12時までの稼働が「3000玉」であり、閾値を「60秒」としている。そして、この10時から12時までの稼働に基づいて、12時から14時までの閾値を「120秒」まで大きくしている。その後、12時から14時の稼働が「1000玉」となったため、この12時から14時までの稼働に基づいて14時から16時までの閾値を「150秒」まで大きくしている。
なお、閾値の変更は、このように事前に行うものに限らず、営業中や営業時間後に、店員が手動で行う場合もある。かかる修正では、変更された閾値を事後的に適用し、遊動データ55cの生成をやりなおすことが望まれる。
図21は、閾値の変更に基づく遊動データ55cの再生成についての説明図である。図21(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t01」まで遊技が行われ、時刻「t02」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。このとき、時刻「t01」から時刻「t02」までの時間差が閾値Th1以上であるため、遊動データ生成部56dは別の遊技客により遊技が行われたと判定し、異なる顧客IDを付与することになる。
その後、閾値Th1が閾値Th2に変更されると、遊動データ生成部56dは同一の遊技履歴データ55bを用いて遊動データ55cを再生する。変更された閾値Th2が時刻「t01」から時刻「t02」までの時間差よりも大きければ、図21(b)に示すように、遊動データ生成部56dは同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与することになる。
次に、図9に示した匿名遊動データ生成部66eの匿名加工処理について説明する。図22は、個人情報を完全消去する方法による匿名加工の例を説明するための説明図である。また、図23は、遊技客IDを付与して個人情報を置換する方法による匿名加工の例を説明するための説明図である。
図22に示すように、匿名遊動データ生成部66eは、会員管理データ65cに含まれる個人情報を完全消去して匿名加工を行い、匿名遊動データ65gを生成する。
具体的には、会員管理データ65cに含まれる個人情報である氏名「遊技太郎」、生年月日「1970/01/01」及び住所「東京都千代田区・・・」を、遊技客ID「−」、年齢「40代」及び住所「東京都」に変換し匿名加工を行う。なお、本実施例による匿名加工では、個人情報を完全消去するため、日を跨いだ同一人物の特定を行うことはできない。
また、図23に示すように、匿名遊動データ生成部66eは、会員管理データ65cに含まれる個人情報を、遊技客IDを付与して置換する匿名加工を行い、匿名遊動データ65gを生成する。
具体的には、会員管理データ65cに含まれる個人情報である氏名「遊技太郎」、生年月日「1970/01/01」及び住所「東京都千代田区・・・」を、遊技店ID「AB102」、遊技客ID「42012」、年齢「40代」及び住所「東京都」に変換し匿名加工を行う。なお、遊技店ID「AB102」、遊技客ID「42012」のように遊技店を区分せず、遊技客ID「AB10242012」と単一のIDで変換することもできる。なお、本実施例による匿名加工では、個人情報とは別の遊技客IDを付与するため、日をまたいだ同一人物の特定を行うことが可能となる。
次に、店内管理装置60の匿名遊動データ分析部66g及び外部管理装置90の全体匿名遊動データ分析部95bによる匿名遊動データの分析について説明する。図24は、匿名遊動データの分析を説明するための説明図である。図24に示すように匿名遊動データの分析には、遊技客に関する分析と、遊技機に関する分析とがある。遊技客に関する分析とは、遊技客の移動履歴を用いた分析や、所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析である。遊技機に関する分析とは、遊技機ごとの遊技人数を用いた分析である。
遊技客の移動履歴を用いた分析としては、遊動相関関係分析、期間比較分析、初遊技分析などがある。遊動相関関係分析では、遊技客の台移動の傾向と、台移動に相関性の高い遊技機の確認が行われる。すなわち、遊技客がどのような遊技機をどのような順序で使用するか、また、台移動においてどのような遊技機が高い頻度で選択されるかなどが確認できる。
期間比較分析では、指定された日時からの台移動の傾向を確認することができる。初遊技分析では、遊技客の台移動の履歴から、遊技客が最初に遊技した遊技機を確認することができる。
所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析を行う遊動期間分析では、指定した期間における、遊技種、スペック、機種別に、遊技人数などの情報を確認することが可能である。
遊技機に関する分析のうち、遊技機分析では、遊技機の機種毎に、月別などで遊技客の人数、勝敗の推移状況を確認することが可能である。また、売上貢献分析では、遊技客1人あたりの投資金額と打込玉数から、遊技店の売上への貢献状況を分類することができる。
これらの分析結果の表示は、外部管理装置90が行う他、店内管理装置60、表示端末100、遊技店内の他の装置で行うこともできる。
次に、分析の具体例について説明する。図25〜図27は、分析の具体例についての説明図である。具体的には、図25は、遊動相関関係分析の一例を示す図である。また、図26は、期間比較分析の一例を示す図である。また、図27は、初遊技分析、遊動期間分析及び遊技機分析の一例を示す図である。
図25に示した遊動相関関係分析では、機種及び遊技種に対し、遊技を行った人数、平均遊技時間、平均投資金額、平均勝敗金額を対応付けている。また、遊技を行った人数、平均遊技時間、平均投資金額、平均勝敗金額については、合計及び男女の年代別について集計を行っている。
具体的には、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「2820」人、そのうち男性10代は「150」人、男性20代は「360」人、男性30代は「430」人、男性40代は「420」人である。
また、平均遊技時間の合計は「2:55」であり、そのうち男性10代は「00:50」、男性20代は「02:05」、男性30代は「02:40」、男性40代は「00:15」である。
また、平均投資金額の合計は「23000」円であり、そのうち男性10代は「7000」円、男性20代は「16000」円、男性30代は「20000」円、男性40代は「3000」円である。
また、平均勝敗金額の合計は「9000」円であり、そのうち男性10代は「10000」円、男性20代は「−1000」円、男性30代は「11000」円、男性40代は「−2000」円である。
図26に示した期間比較分析では、操作者から指定された出力条件及び検索条件に基づいて遊動データを集計して比較している。具体的には、出力条件としては、表示項目については「人数」、「遊技時間」、「総投資金額」及び「勝敗金額」のうち「人数」が指定されている。また、表示方法については「総数」、「平均」及び「中央値」のうち「平均」が指定されている。
また、検索条件としては、比較元の期間として「2019/09/01」〜「2019/09/30」が指定され、比較先の期間として「2019/10/01」〜「2019/10/31」が指定されている。また、基準としては、「遊技種」、「機種」、「機種、遊技種」、「機種タイプ」、「機種タイプ、遊技種」のうち、「遊技種」が指定されている。また、遊技客については、性別、年代、月あたりの遊技日数を指定可能であるが、図26ではその全てを指定している。
これらの出力条件及び検索条件に基づく期間比較分析の結果では、基準として指定された遊技種毎に、設置台数、遊技を行った人数が集計される。また、遊技を行った人数は、合計及び男女の年代別について集計し、比較表示している。
具体的には、遊技種「玉1」の設置台数は、比較元が「450」台であり、比較先が「350」台である。また、合計の人数は、比較元が「6000」人であり、比較先が「4000」人であり、比率は「66%」である。男性10代の人数は、比較元が「400」人であり、比較先が「200」人であり、比率は「50%」である。男性20代の人数は、比較元が「200」人であり、比較先が「200」人であり、比率は「100%」である。
同様に、遊技種「玉2」の設置台数は、比較元が「100」台であり、比較先が「100」台である。また、合計の人数は、比較元が「1200」人であり、比較先が「1150」人であり、比率は「95%」である。男性10代の人数は、比較元が「50」人であり、比較先が「60」人であり、比率は「120%」である。男性20代の人数は、比較元が「70」人であり、比較先が「55」人であり、比率は「78%」である。
図27(a)に示した初遊技分析では、遊技客が最初に遊技した回数の多い順に機種の順位を示している。具体的には、順位「1」は、機種「EV01」であり、遊技種は「玉3」である。また、順位「2」は、機種「EV08」であり、遊技種は「玉1」である。この初遊技分析では、各機種に遊動相関関係分析の結果を併せて表示している。
図28(b)に示した遊動期間分析では、機種、営業日数、設置台数、回転率、遊技時間、総投資金額、総投資金額平均、勝敗総額、勝敗平均、勝ち人数などを対応付けている。具体的には、機種「EV01」について、営業日数「29」日、設置台数「20」台、回転率「75.7%」、遊技時間「261:33」、総投資金額「3000000」円、総投資金額平均「20000」円、勝敗総額「−1200000」円、勝敗平均「−8000」円、勝ち人数「30」人などが対応付けられている。
図27(c)に示した遊技機分析では、機種タイプに対し、遊技回数と遊技時間を対応付けている。遊技回数については合計、日平均、割合が含まれ、遊技時間には合計、日平均、回平均、割合が含まれる。
具体的には、機種タイプ「MAXタイプ」について、遊技回数の合計が「123」回、遊技回数の日平均が「4.1」回、遊技回数の割合が「27.3%」であることが示され、遊技時間の合計が「215:00」、遊技時間の日平均が「7:10」、遊技時間の回平均が「2:15」、遊技時間の割合が「21.3%」であることが示されている。
同様に、機種タイプ「ハイミドルタイプ」について、遊技回数の合計が「345」回、遊技回数の日平均が「11.5」回、遊技回数の割合が「15.2%」であることが示され、遊技時間の合計が「255:00」、遊技時間の日平均が「8:30」、遊技時間の回平均が「0:45」、遊技時間の割合が「19.9%」であることが示されている。
次に、店内管理装置60の処理手順について説明する。図28は、店内管理装置60の処理手順を示すフローチャートである。まず、ホール管理装置50から遊動データ55cを受信したならば(ステップS101;Yes)、該遊動データ55cと会員管理データ65cとを結合し、匿名加工を行って匿名遊動データ65gを生成する(ステップS102)。該匿名遊動データ65gを外部管理装置90に送信する(ステップS103)。
外部管理装置90から全体匿名遊動分析データ65hを受信したならば(ステップS104;Yes)、該全体匿名遊動分析データ65hで行われた遊動分析を匿名遊動データ65gに対して行い、自店匿名遊動分析データ65iを生成する(ステップS105)。
全体匿名遊動分析データ65h及び自店匿名遊動分析データ65iを表示部61に表示し(ステップS106)、処理を終了する。
次に、外部管理装置90の処理手順について説明する。図29は、外部管理装置90の処理手順を示すフローチャートである。まず、店内管理装置60から匿名遊動データ65gを受信したならば(ステップS201;Yes)、該匿名遊動データ65gを全体匿名遊動データ94aに合成する(ステップS202)。
全体匿名遊動データ94aに対して遊動分析を行い、全体匿名遊動分析データ94bを生成する(ステップS203)。該全体匿名遊動分析データ94bを各遊技店の店内管理装置60及び遊技機メーカ等の表示端末100に送信し(ステップS204)、処理を終了する。
次に、図2に示した店内管理装置60及び表示端末置100における匿名遊動データの分析結果の表示例について説明する。図30は、匿名遊動データの分析結果の表示例を示す図である。遊動相関関係分析結果を、加盟店平均データ及び自店データに区分して表示している。
具体的には、加盟店平均データとして、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「2820」人、そのうち男性10代は「150」人、男性20代は「360」人、男性30代は「430」人、男性40代は「420」人であること等が示されている。
また、自店匿名遊動分析データとして、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「31」人、そのうち男性10代は「1」人、男性20代は「3」人、男性30代は「5」人、男性40代は「7」人であること等が示されている。
このように、本実施例に係る遊技情報管理システムは、各遊技店において生成された遊動データに対して匿名加工を行い、個人情報に係るデータの活用の制約を低減して、多種多様に活用可能な全体匿名遊動データを生成することができる。
なお、上記の実施例では、店内管理装置60において個人情報の匿名加工を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊動データ55c及び会員管理データ65cを外部管理装置90に送信し、外部管理装置90において個人情報の匿名加工を行うよう構成することもできる。
また、上記の実施例では、遊技客ごとの遊技実績を示す遊動データ55cに基づいて匿名加工を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員ごとの遊技実績を示す会員遊技データに基づく、あるいは、遊動データ55c及び会員遊技データの双方に基づく匿名加工を行うよう構成することもできる。
また、上記の実施例では、遊動データ55cを生成するためにカードIDを基に同一遊技客か否かの判定を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技店内各所または台間カード処理機10等の装置にカメラを設置して撮影した顔画像を基に遊技客の識別を行って非会員の遊技客も正確に遊動データを蓄積し、個人情報の匿名加工の際には、該顔画像から抽出した特徴量に置換するよう構成することもできる。
また、上記の実施例では、店内管理装置60において全体匿名遊動分析データ65h及び自店匿名遊動分析データ65iを表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、店内管理装置60において生成した自店匿名遊動分析データ65iを外部管理装置90に通知し、外部管理装置90において表示及び各種分析を行うことができるよう構成することもできる。
また、上記の各実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。