本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例に係る遊技管理システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係る遊技管理システムの概念の説明図である。遊技店には複数の遊技機が設置されており、各遊技機には各台装置である台間カード処理機10が併設される。また、遊技店には、会員管理装置50が設けられており、各台間カード処理機10は会員管理装置50と通信可能に接続される。さらに、遊技店にはホールコンピュータ90が設置されており、遊技機20は、ホールコンピュータ90と通信可能に接続される。
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。
台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングでホールコンピュータ90に送信する。
一方、遊技機20は、遊技盤面から所定個数の遊技玉が排出される度にアウトパルスをホールコンピュータ90に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域の通過したこと(いわゆる入賞)に基づいて所定個数の賞玉を払い出す度にセーフパルスをホールコンピュータ90に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生した場合には、かかる状態の発生を示す特賞パルスをホールコンピュータ90に送信する。なお、アウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスは、遊技機20がホールコンピュータ90に直接送信してもよいし、遊技機20に併設された他の装置がアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスをホールコンピュータ90に送信してもよい。
アウトパルスは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフパルスは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞パルスは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。ホールコンピュータ90は、アウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
ホールコンピュータ90は、自装置で蓄積した遊技機20の動作の履歴と、会員管理装置50から受信した台間カード処理機10の動作の履歴とを用い、遊技履歴データを生成する。
この遊技履歴データは、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態を時系列に示すものである。入金、カード挿入、カード排出には、カードID及び遊技機IDが対応付けられている。打込玉数、賞出玉数、特賞の発生などには、遊技機IDが対応付けられている。このため、遊技履歴データには、どの遊技機20でどのカードが使用され、遊技がどのように推移したかが示されることになる。
ホールコンピュータ90は、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データを生成する。詳細については後述するが、同一のカードが使用された場合には、同一の遊技客による遊技であると識別する。また、遊技が連続している状態で複数のカードが使用された場合には、複数のカードを紐付けて同一の遊技客による遊技であると識別する。
このように、台間カード処理機10の動作の履歴(入金、カード挿入、カード排出など)と、遊技機20による動作の履歴(アウトパルス、セーフパルス、特賞パルスの発生)とを取得して、遊技機20により行われた遊技の履歴を示す遊技履歴データを生成し、カードIDと遊技の連続性とを用いて同一の遊技客による遊技を識別することで、ホールコンピュータ90は、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データを生成することができる。この遊動データを分析することで、各遊技機がどれだけの遊技客によって使用されたかなど、遊技客ごとの使用実績を管理することができる。
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。遊技機20は、ホールコンピュータ90と通信線で接続されている。また、ホールコンピュータ90は、会員管理装置50と通信可能に接続される。なお、ホールコンピュータ90とカード管理装置40とを通信可能に接続してもよい。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。始動口への玉の通過による抽選の結果は、抽選の結果を表示する特別図柄表示装置にて表示される。この特別図柄表示装置の抽選結果の表示は、所定時間の変動表示後、確定表示を行う態様で行なわれる。また、遊技盤面には、抽選の結果に基づいて所定の数字等の装飾図柄を可変表示する装飾図柄表示装置が設けられており、抽選の結果が大当りとなった場合に、例えば(7,7、7)などの揃い図柄を表示して報知を行なう。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに賞玉として付与する遊技玉の個数を記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数とから、付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。また、打ち込んだ遊技玉は、入賞領域を通過したか否かにかかわらず、最終的に遊技盤面裏側から遊技機外部に排出される。遊技機外部に排出された遊技玉は、遊技機ごとに付設されたアウト玉検出装置によって検出されるようになっている。
また、遊技機20は、遊技機20の稼働状態を管理するための信号をホールコンピュータ90等に向けて出力する外部出力部を備えている。外部出力部からは、所定個数の賞玉を払い出す度にセーフパルスがホールコンピュータ90に送信される。さらに、遊技機20において遊技により大当りなどの特別の状態が発生した場合には、外部出力部からかかる状態の発生を示す特賞パルスがホールコンピュータ90に送信される。また、遊技機20において始動口への玉の通過による抽選の結果に基づいて特別図柄表示装置の変動表示が開始された場合には、外部出力部から変動表示の開始を示すスタートパルスがホールコンピュータ90に送信される。さらに、アウト玉検出装置からは、遊技機20に打ち込んだ玉数(遊技盤面から排出された玉数)を示すアウトパルスがホールコンピュータ90に送信される。
台間カード処理機10は、入金の受付、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉数、貯玉数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数、貯玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶したならば、台間カード処理機10は、カード管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、カード管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード管理装置40は、カード挿入通知データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数をゼロクリアする。また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数をカード管理装置40が管理する持玉数に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力したならば、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
また、カード管理装置40は、カード挿入通知データを受信した場合には、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機20の遊技機IDを特定し、遊技機IDとカードIDとを対応付けて、会員管理装置50にカード挿入を通知する。同様に、台間カード処理機10がカードを排出した場合には、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機20の遊技機IDを特定し、遊技機IDとカードIDとを対応付けて、会員管理装置50にカード排出を通知する。
また、カード管理装置40は、入金通知データを受信した場合には、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機20の遊技機IDを特定し、遊技機IDとカードIDとを対応付けて、会員管理装置50に入金を通知する。
カード管理装置40から会員管理装置50へのカード挿入の通知、カード排出の通知、入金の通知などは、後述するように台間カード処理機10の動作の履歴としてホールコンピュータ90に出力される。カード管理装置40とホールコンピュータ90とが通信可能である場合には、カード管理装置40がカード挿入、カード排出、入金等をホールコンピュータ90に直接通知するように構成してもよい。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯玉数及び暗証番号を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、貯玉再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯玉数から所定数を減算し、減算後の貯玉数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
さらに、会員管理装置50は、カード管理装置40から通知された台間カード処理機10の入金、カード挿入及びカード排出などの動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングでホールコンピュータ90に送信する。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60による賞品交換や、精算機80による精算などに係る動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングでホールコンピュータ90に送信する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
ホールコンピュータ90は、各遊技機20からアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを受信して蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を管理する。ホールコンピュータ90は、各遊技機20の状態(「特賞中」、「空き台」、「遊技中」など)を管理しており、各遊技機のこれらの状態をホール内をマップ表示した画面で表示することもできる。また、ホールコンピュータ90は、台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品交換や精算の履歴を受信する。そして、遊技機20の動作の履歴、台間カード処理機10の動作の履歴、賞品交換や精算の履歴を用い、遊技履歴データの生成と遊動データの生成とを行う。
次に、図2に示した遊技システムの玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40に玉貸要求データを送信する。この玉貸要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求データを受信すると、玉貸要求データのカードIDに関連付けられたプリペイド価値から所定値を減算する。そして、カード管理装置40は玉貸許可データを送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可データを受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する遊技玉数の払出処理を行う。
次に、図2に示した遊技システムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉数を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉数を記憶する。そして、カードID、レートを特定するデータ及び持玉数をゼロクリアする旨を示す持玉減算要求データをカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求データを受信したならば、カードIDにより特定される各レートの持玉数をゼロクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けて持玉再プレイを行う場合には、記憶した持玉数から所定数を減算し、対応する遊技玉数の払出処理を行う。払出処理を行う場合、遊技機が払出可能な単位(例えば25玉)の倍数については、遊技機に払出指示を送信することにより払出処理を行い、残りについては自機のノズルユニット18aから払い出すことにより払出処理を行う。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉加算要求データを送信する。この持玉加算要求データは、カード返却の対象となるカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、各レートの持玉数とを含む。
カード管理装置40は、持玉加算要求データを受け付けたならば、カードIDに関連付けられた各レートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知データを送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示した遊技システムでの貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カード又は会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDを読み取ったならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10から受信したカード挿入通知データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該カード挿入通知データにより特定されたレートの貯玉数と、貯玉再プレイの可能数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイを行うことのできる玉数を示す。この貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数の倍数である。貯玉再プレイに上限が設定されていれば、貯玉数と上限の範囲内で最大の値が貯玉再プレイの可能数となる。なお、貯玉再プレイの可能数の代わりに貯玉再プレイが可能な回数を貯玉再プレイ度数として用いてもよい。貯玉再プレイ度数は、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数で貯玉数を除算した商にあたる。ただし、貯玉再プレイに上限が設定されている場合には、この上限により貯玉再プレイ度数は制限される。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するか否かを判定する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40に貯玉再プレイ要求データを送信する。この貯玉再プレイ要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、記憶する貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数分の遊技玉数の払出処理を行う。また、更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であるかを判定する。貯玉再プレイの可能数が0であれば、貯玉再プレイ操作を受付不可とする。更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受付可能とする。2回目以降の貯玉再プレイでは、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行うようにしてもよい。また、ここでは会員管理装置50が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイの可能数が示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉数を確認し、ゼロより大きい持玉数が関連付けられたレコードが存在する場合には、該レコードの持玉数をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉数にカード管理装置40から通知された持玉数を加算する。その後、カード管理装置40は、該持玉数をゼロクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観について説明する。図3は、台間カード処理機10の外観を示す図である。なお、図3には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観を台間カード処理機10として示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、カード挿入口14a、かざし部14b、ノズルユニット18a及び計数ユニット18bを有する。
状態表示部11は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、遊技玉の貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等の操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。
カード挿入口14aは、遊技客の所持するカードの挿入口である。かざし部14bは、会員登録に用いられた携帯端末をかざす部位であり、かざし部14bに携帯端末がかざされると、携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。ノズルユニット18aは、遊技玉を遊技機20に投出する機構である。計数ユニット18bは、遊技機20の下皿から落下させた遊技玉を計数する機構である。
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受付を行なうタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインタフェース部である。また、リーダライタ14は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ16bに示される持玉やプリペイド価値等の価値データを関連付けて新たなカードとして発行する機能も有している。ただし、カードデータ16bに示されるプリペイド価値が0であって、持玉数が一定数(最低保持個数)に満たない場合には、返却操作があってもカードを返却しないように制御する。これは、少量の持玉を関連付けたカードが破棄されることにより、遊技店に損失が生じるのを抑止するための制御である。一定数としては、例えば持玉数に玉1個あたりの貸出単価を乗算した値がカードの価額あるいは遊技店内の最低価格の賞品となるように設定することができるが、これに限らず、遊技店の方針によって自由に設定できる。また、返却操作があってもカードを返却しないように制御する場合に、記憶している持玉を払出処理することもできるが、カードが返却できない旨と持玉の再プレイを促す表示を行ってもよい。
通信部15は、遊技機20及び島コントローラ30との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」というように、レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bは、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉、貯玉再プレイの可能数等を含む。持玉、貯玉については、遊技種(レート)ごとにデータが存在する。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。
制御部17は、台間カード処理機10の全体を制御する制御部であり、データ管理部17a及び計数処理部17bを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの装置IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知データをカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から価値データ(プリペイド価値、持玉数及び貯玉数の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した価値データによりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉数及び貯玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知データをカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データをカード管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉数から所定数を減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受付可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求データへの応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数の遊技玉の払出処理を行う。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを条件に貯玉再プレイ要求データを送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信して、カードデータ16bの持玉数をゼロにクリアした後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
また、データ管理部17aは、一般カードの持玉とプリペイド価値が0になった場合には、カードデータ16bのカードIDを含む一般カード使切データをカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、ワゴン賞品交換が行われた場合には、賞品に対応する持玉数をカードデータ16bに示された持玉数から減算する。そして、カードデータ16bのカードIDを含むワゴン賞品交換データをカード管理装置40に送信することで、ワゴン賞品交換を行った旨を通知する。ここで、ワゴン賞品交換とは、遊技店員が飲み物やタバコ等の賞品を携行して遊技店内を回り、遊技客が遊技を継続しながら賞品と持玉とを交換できるようにするサービスである。
また、データ管理部17aは、持玉分割が行われた場合には、カードデータ16bに示された持玉数の2枚のカードに分割して対応付け、一方のカードを排出する処理を行う。そして、2枚のカードのカードIDを含む持玉分割通知データをカード管理装置40に送信することで、持玉分割を行った旨を通知する。
持玉分割を行う場合には、データ管理部17aは、表示操作部13に持玉分割用のボタンを表示可能とし、持玉分割用のボタンが操作された場合には、新たにカードの挿入を受け付けるとともに、分割玉数の入力を受け付ける。新たに挿入されたカードは、分割先のカードとなり、それまでに使用していたカードは分割元のカードとなる。データ管理部17aは、分割元のカードの持玉数であるカードデータ16bの持玉数から分割玉数を減算し、分割先カードに分割玉数分の持玉数を対応付けて、分割先のカードを排出する。
持玉分割を行った場合には、分割先のカードと分割元のカードを同一の遊技客が使用したと識別する。また、分割先のカードと分割元のカードとを異なる遊技客が使用したと識別するよう設定してもよい。
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果をカードデータ16bの持玉数に加算する処理を行う。
また、計数処理部17bは、計数による持玉の加算を行った場合には、カードデータ16bのカードIDを含む各台計数通知データをカード管理装置40に送信することで、台間カード処理機10での計数が行われたことを通知する。
次に、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例について説明する。図5は、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」である状態を示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉数が「375玉」であり、玉2の持玉数が「500玉」であり、玉3の持玉数が「2000玉」である状態を示している。
また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、貯玉再プレイの可能数が「250玉」であり、玉1の貯玉数が「250玉」であり、玉2の貯玉数が「1000玉」であり、玉3の貯玉数が「4000玉」である状態を示している。なお、ここでは再プレイが可能な玉数を再プレイの可能数として格納する構成を示したが、再プレイの可能な回数を再プレイ度数として格納してもよい。また、図示していないが、カード管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド価値以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技客の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。
次に、図2に示したカード管理装置40の構成について説明する。図6は、図2に示したカード管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、カード管理装置40は、表示部41、入力部42、外部ネットワーク通信部43、店舗ネットワーク通信部44、記憶部45及び制御部46を有する。
表示部41は、液晶ディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部42は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部43は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部44は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、会員管理装置50、賞品管理装置60及び精算機80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部45は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ45a、カード管理データ45b及び装置管理データ45cを記憶する。
遊技種設定データ45aは、貸出レート及び表示名を遊技種に関連付けたデータである。カード管理データ45bは、プリペイド価値と、各遊技種の持玉数と、該カードが挿入されている台間カード処理機10の装置IDを示す使用先装置IDとをカードIDに関連付けたデータである。装置管理データ45cは、遊技店に配置された装置に関するデータである。この装置管理データ45cは、台間カード処理機の装置ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所、併設された遊技機の遊技機ID及び機種データを含む。
制御部46は、カード管理装置40の全体を制御する制御部であり、遊技種設定管理部46a、カード管理部46b及び装置管理部46cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、遊技種設定管理部46a、カード管理部46b及び装置管理部46cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊技種設定管理部46aは、遊技店において使用される遊技種と、レートと、表示名とを対応付けて遊技種設定データ45aとして管理する処理部である。
カード管理部46bは、カード管理データ45bの管理を行う処理部である。具体的には、カード管理部46bは、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信した場合には、カード挿入通知データに示されたカードIDの使用先装置IDを、同じくカード挿入通知データに示された装置IDとする。また、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられたプリペイド価値と各レートの持玉数とを価値データとして台間カード処理機10に通知する。また、挿入されたカードが会員カードである場合には、会員管理装置に対してカード挿入通知データを送信する。カード管理部46bは、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合に、持玉減算要求データに示されたレートの持玉数をゼロにクリアする。
また、カード管理部46bは、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求データを受信した場合に、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値が所定値以上であるか否かを判定する。プリペイド価値が所定値以上である場合には、カード管理部46bは、カード管理データ45bに記憶されるプリペイド価値から所定値を減算して、台間カード処理機10に更新後のプリペイド価値を含む玉貸許可データを送信する。一方、プリペイド価値が所定値未満である場合には、カード管理部46bは、台間カード処理機10に玉貸不可データを通知する。
また、カード管理部46bは、台間カード処理機10から投入された貨幣の金額、カードID及び装置IDを含む入金通知データを受信したならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値に入金通知に示された金額分のプリペイド価値を加算する。
また、カード管理部46bは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信した場合には、該貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に転送する。また、貯玉再プレイ要求データに対する会員管理装置50からの応答データについても、台間カード処理機10に転送する。
また、カード管理部46bは、持玉加算要求データを受信したならば、該当するレートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。また、カード管理部46bは、カード排出通知データを受信したならば、該カードIDの使用先装置IDを消去する。
また、カード管理部46bは、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。また、カード管理部46bは、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
装置管理部46cは、装置管理データ45cの管理を行う処理部である。装置管理部46cは、台間カード処理機10から取得した装置ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ45cの生成と更新とを行う。
また、装置管理部46cは、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信した場合には、装置管理データ45cを参照して、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機IDを特定する。そして、特定した遊技機IDを含めてカード挿入通知データを会員管理装置50に送信する。
同様に、装置管理部46cは、台間カード処理機10からカード排出通知データを受信した場合には、装置管理データ45cを参照して、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機IDを特定する。そして、特定した遊技機IDを含めてカード排出通知データを会員管理装置50に送信する。
また、装置管理部46cは、台間カード処理機10から入金通知データを受信した場合には、装置管理データ45cを参照して、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機IDを特定する。そして、特定した遊技機IDを含めて入金通知データを会員管理装置50に送信する。
同様に、装置管理部46cは、台間カード処理機10から各台計数通知データ、一般カード使切データ、ワゴン賞品交換データ、持玉分割通知データを受信した場合には、装置管理データ45cを参照して、送信元の台間カード処理機10に対応する遊技機IDを特定する。そして、特定した遊技機IDを含めて各台計数通知データ、一般カード使切データ、ワゴン賞品交換データ、持玉分割通知データを会員管理装置50に送信する。
次に、図6に示したカード管理装置40の記憶部45が記憶するデータの一例について説明する。図7は、カード管理装置40の記憶部45に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
図7(a)に示す遊技種設定データ45aは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ45aは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ45aは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
図7(b)に示すカード管理データ45bでは、カードID「1001」にプリペイド価値「2500」と、玉1の持玉数「1500」と、玉2の持玉数「2300」と、玉3の持玉数「0」とが関連付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理がカード管理装置40により行われている。
また、図7(b)に示すカード管理データ45bでは、カードID「1002」にプリペイド価値「500」、各レートの持玉数「0」、使用先装置ID「3004」が関連付けられている。すなわち、カードID「1002」のカードは、装置ID「3004」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉数については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉数はゼロである。
また、図7(b)に示すカード管理データ45bでは、カードID「2002」にプリペイド価値「2000」、各レートの持玉数「0」、使用先装置ID「3001」が関連付けられている。すなわち、カードID「2002」のカードは、装置ID「3001」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉数はゼロである。
図7(c)に示す装置管理データ45cは、ID「3001」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.GH」であり、設置場所が「島1−1」であり、接続された遊技機20のIDが「P001」であり、遊技種が「玉3」であり、接続された遊技機20の機種が「EV01」である状態を示している。また、この遊技機20が使用中であることも示している。
次に、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図8は、図2に示した会員管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。
また、会員管理装置50は、外部ネットワーク通信部53と、店舗ネットワーク通信部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。外部ネットワーク通信部53は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内の通信回線を介して賞品管理装置60及びカード管理装置40、ホールコンピュータ90等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員管理データ55a、遊技種設定データ55b、賞品マスタ55c、遊技関連カード処理履歴データ55d、遊技外カード処理履歴データ55e及び計数精算処理履歴データ55fを記憶する。
会員管理データ55aは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対し、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。遊技種設定データ55bは、遊技種に対してレート及び表示名を関連付けたデータである。賞品マスタ55cは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータである。
遊技関連カード処理履歴データ55dは、台間カード処理機10による処理動作のうち、カード挿入、カード排出、入金、各台計数及び一般カード使い切りなどの遊技に関わる履歴を示す。具体的には、カード管理装置40から受信したカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データに基づいて、遊技関連カード処理履歴データ55dが更新されることになる。
遊技外カード処理履歴データ55eは、台間カード処理機10による処理動作のうち、ワゴン賞品交換や持玉分割などのサービスに関する履歴を示す。具体的には、カード管理装置40から受信したワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データに基づいて、遊技外カード処理履歴データ55eが更新されることになる。
計数精算処理履歴データ55fは、賞品管理装置60による賞品交換、精算機80によるプリペイド価値の精算、島端計数機による計数など、台間カード処理機10以外が行った処理動作の履歴を示す。具体的には、賞品管理装置60、精算機80、島端計数機などから動作の通知を受けて、計数精算処理履歴データ55fが更新されることになる。
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b、カード処理履歴管理部56c及び遊動データ分析部56dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b、カード処理履歴管理部56c及び遊動データ分析部56dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員管理部56aは、会員管理データ55aの管理を行う処理部である。会員管理部56aは、カード管理装置40及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。また、会員管理部56aは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55aに会員を追加する更新を行う。
ここで、会員管理部56aによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56aは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cを管理する処理部である。賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ55cを配布する。
カード処理履歴管理部56cは、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機80、島端計数機などによる動作の履歴を蓄積する処理部である。
具体的には、カード処理履歴管理部56cは、カード管理装置40からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ55dに追加する。
また、カード処理履歴管理部56cは、カード管理装置40からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ55eに追加する。
また、カード処理履歴管理部56cは、賞品管理装置60、精算機80、島端計数機などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ55fに追加する。
カード処理履歴管理部56cは、遊技関連カード処理履歴データ55d、遊技外カード処理履歴データ55e及び計数精算処理履歴データ55fを閉店後などの所定のタイミングでホールコンピュータ90に送信する。ホールコンピュータ90は、これらのデータを用いて遊技履歴データ及び遊動データを生成し、生成した遊動データを会員管理装置50に送信することになる。
遊動データ分析部56dは、ホールコンピュータ90から遊動データを受信し、各遊技機がどれだけの遊技客によって使用されたかなど、遊技客ごとの使用実績を分析する処理部である。この分析の詳細については後述する。また、遊動データや分析結果は記憶部55に格納することができる他、外部ネットワーク通信部33により外部のサーバに送信することも可能である。
次に、図8に示した記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。図9〜図10は、記憶部55に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。図9(a)に示す会員管理データ55aは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉の残高、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、図示は省略したが会員管理データ55aは、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等をカードIDに対応付けることができる。また、携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する際に用いられる。
また、図9(a)では、貯玉は、「玉1」、「玉2」及び「玉3」の3つの遊技種について設けられている。例えば、カードID「2002」の「玉1」の貯玉の残高は「250」、「玉2」の貯玉の残高は「1000」、「玉3」の貯玉の残高は「4000」である。
図9(b)に示す遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
図9(c)に示す賞品マスタ55cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対し、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは賞品を分類して管理する為の識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な交換賞品を示す。群コード「02」以降は、交換賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ55cは、賞品コード「0001」に対し、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」、玉2の交換玉数「500」、玉3の交換玉数「1000」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「500」、玉1の交換玉数「125」、玉2の交換玉数「250」、玉3の交換玉数「500」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」、玉3の交換玉数「400」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」、玉3の交換玉数「420」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」、玉3の交換玉数「12」を関連付けている。
図10(d)に示す遊技関連カード処理履歴データ55dは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技関連カード処理履歴データ55dは、時刻「11:10:00」に遊技機ID「P001」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用い、処理「カード挿入」が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ55dは、時刻「12:35:30」に遊技機ID「P023」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「2005」のカードを用い、処理「カード排出」が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ55dは、時刻「13:20:20」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードを用い、処理「入金」が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ55dは、時刻「13:52:40」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1021」のカードを用い、処理「各台計数」が行われたことを示している。
また、遊技関連カード処理履歴データ55dは、時刻「14:04:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」であるカードの処理「一般カード使い切り」が発生したことを示している。
図10(e)に示す遊技外カード処理履歴データ55eは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技外カード処理履歴データ55eは、時刻「13:40:01」に遊技機ID「P011」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1003」のカードを用い、処理「ワゴン賞品交換」が行われたことを示している。
また、遊技外カード処理履歴データ55eは、時刻「15:00:50」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用い、処理「持玉分割」が行われたことを示している。
図10(f)に示す計数精算処理履歴データ55fは、時刻、装置ID、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。装置IDは、賞品管理装置60、精算機80、島端計数機などを一意に特定する識別情報である。遊技機IDは、遊技客が最後に使用した遊技機20を示す識別情報であり、賞品交換、精算、計数などを行う場合に遊技客に入力させることで特定する。若しくは、カード管理装置40や会員管理装置50が保持するカードの使用履歴を参照して特定してもよい。
具体的には、計数精算処理履歴データ55fは、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」、処理「賞品交換」を対応付けている。また、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「2013」、処理「賞品交換」を対応付けている。すなわち、カードID「1002」の一般カードとカードID「2013」の会員カードは同時に賞品交換に用いられている。
また、計数精算処理履歴データ55fは、時刻「16:08:08」、精算機80の装置ID「7011」、遊技機ID「P019」、カードID「1033」、処理「精算」を対応付けている。
また、計数精算処理履歴データ55fは、時刻「18:04:40」、島端計数機の装置ID「8011」、遊技機ID「P013」、カードID「2009」、処理「島端計数」を対応付けている。
次に、図2に示したホールコンピュータ90の内部構成について説明する。図11は、図2に示したホールコンピュータ90の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、ホールコンピュータ90は、表示部91、入力部92、通信部93、パルス受信部94、記憶部95及び制御部96を有する。
表示部91は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部92は、操作キー等である。通信部93は、会員管理装置50と通信するためのインタフェース部である。この通信部93は、遊技関連カード処理履歴データ55d、遊技外カード処理履歴データ55e及び計数精算処理履歴データ55fの受信と、遊動データの送信に用いられる。
パルス受信部94は、遊技店内の各遊技機20からアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスを受信する処理部である。なお、各遊技機20から各種パルスを受信する場合には、1又は複数の中継装置を介してもよいし、中継装置を介さずに直接受信する構成であってもよい。中継装置を用いる場合には、1台の中継装置が複数台の遊技機20等のパルスを集約して中継する構成であってもよい。
記憶部95は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、パルスデータ95a、遊技履歴データ95b及び遊動データ95cを記憶する。パルスデータ95aは、遊技機20から受信したパルスの履歴を示す。遊技履歴データ95bは、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態を時系列に示すデータである。遊動データ95cは、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別したデータであり、遊技客毎の遊技の履歴を示す。
制御部96は、ホールコンピュータ90を全体制御する制御部であり、パルスデータ蓄積部96a、パルスデータ集計部96b、遊技履歴データ生成部96c及び遊動データ生成部96dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、パルスデータ蓄積部96a、パルスデータ集計部96b、遊技履歴データ生成部96c及び遊動データ生成部96dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
パルスデータ蓄積部96aは、パルス受信部94が遊技機20からアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルス受信した場合に、時刻、遊技機ID及びパルス種別を対応付けてパルスデータ95aに登録することで、パルスデータの蓄積を行う処理部である。
パルスデータ集計部96bは、パルスデータ95aに基づいてパルスの集計を行うことで、遊技機20の動作の履歴を取得する処理部である。遊技機20の動作の履歴には、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生が含まれる。
遊技履歴データ生成部96cは、パルスデータ集計部96bによるパルスの集計結果である遊技機20の動作の履歴と、会員管理装置50から受信した遊技関連カード処理履歴データ55dとを用い、遊技履歴データ95bを生成し、記憶部95に格納する。
遊動データ生成部96dは、遊技履歴データ95bと、会員管理装置50から受信した遊技外カード処理履歴データ55e及び計数精算処理履歴データ55fを用い、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データ95cを生成する。遊動データ生成部96dは、生成した遊動データ95cを記憶部95に格納するとともに、会員管理装置50に送信する。
次に、図11に示した記憶部95が記憶するデータの具体例について説明する。図12〜図13は、記憶部95に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。図12(a)に示すように、パルスデータ95aは、時刻、遊技機ID及びパルス種別を対応付けたデータである。
具体的には、パルスデータ95aは、時刻「11:10:14」に遊技機ID「P001」の遊技機20がアウトパルスを出力したことを示している。同様に、時刻「11:10:16」に遊技機ID「P001」の遊技機20がアウトパルスを出力したことを示している。そして、時刻「11:10:30」に遊技機ID「P001」の遊技機20がセーフパルスを出力したことを示している。また、時刻「13:30:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20が特賞(大当り)パルスを出力したことを示している。なお、特賞が複数種類設けられている場合には、特賞の種類毎に異なるパルスが出力され、パルス種別には特賞の種類が登録される。
図12(b)に示すように、遊技履歴データ95bは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示されている。
具体的には、遊技履歴データ95bには、時刻「11:10:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「カード挿入」が対応付けて登録されている。また、遊技履歴データ95bには、時刻「11:11:20」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「打込玉数 100」が対応付けて登録されている。さらに、遊技履歴データ95bには、時刻「11:12:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「賞出玉数 30」が対応付けて登録されている。
また、遊技履歴データ95bには、時刻「12:35:30」、遊技機ID「P023」、カードID「2005」及び処理「カード排出」が対応付けて登録されている。また、遊技履歴データ95bには、時刻「13:20:20」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「入金」が対応付けて登録されている。さらに、遊技履歴データ95bには、時刻「13:30:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「特賞(大当り)」が対応付けて登録されている。
図13(c)に示すように、遊動データ95cは、遊技客毎の遊技の履歴を示し、同一の遊技客による遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、顧客ID、顧客種別、入金額、打込玉数、賞出玉数、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数が対応付けられている。ここで、顧客IDとは、同一の遊技客であると識別された遊技客に便宜上付与する識別情報である。また、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示す。顧客種別が会員遊技客である場合には、顧客IDに会員カードIDを用いてもよい。
具体的には、遊動データ95cは、開始時間「11:10:00」、終了時間「14:15:33」、遊技機ID「P001」、顧客ID「U001」、顧客種別「会員」、入金額「3000」、打込玉数「4000」、賞出玉数「6500」、大当り回数「10」、ワゴン賞品交換回数「0」、持玉分割回数「1」を対応付けている。
同様に、遊動データ95cは、開始時間「13:20:20」、終了時間「18:00:00」、遊技機ID「P015」、顧客ID「U002」、顧客種別「一般」、入金額「12000」、打込玉数「13000」、賞出玉数「10150」、大当り回数「13」、ワゴン賞品交換回数「2」、持玉分割回数「0」を対応付けている。
次に、遊動データ生成部96dによる処理について説明する。図14及び図15は、遊動データ生成部96dによる処理についての説明図である。図14に示すように、遊動データ生成部96dは、遊技履歴データ95bに基づいて、遊技開始、遊技継続、台移動、遊技終了を判定する。また、同一の遊技客により用いられた複数のカードの紐付けを行う。
具体的には、遊動データ生成部96dは、内部の一般カードにプリペイド価値が発生した場合、内部の一般カードに持玉が発生した場合、カードの挿入前に打込玉が発生した場合、会員カードが当日初めて挿入された場合に遊技開始と判定する。
内部の一般カードにプリペイド価値が発生した場合とは、遊技が行われていない状態で入金によりプリペイド価値が加算されたときに対応する。また、内部の一般カードに持玉が発生した場合とは、遊技が行われていない状態で、台間カード処理機10の計数により持玉が加算されたときに対応する。カードの挿入前に打込玉が発生した場合とは、遊技機20に直接遊技玉が投入され、遊技が行われた状態に対応する。
また、遊動データ生成部96dは、同一カードの再挿入が行われた場合に、遊技継続と判定する。台間カード処理機10が排出したカードが再び挿入された場合には、遊技客も同一であると考えられるためである。
また、遊動データ生成部96dは、他台(他の台間カード処理機10)で排出した一般カードが挿入された場合や、当日他台で使用履歴のある会員カードが挿入された場合に、台移動が行われたと判定する。
また、遊動データ生成部96dは、カード排出後、アウトパルスの出力が終了して所定時間が経過した場合に、遊技終了と判定する。また、一般カードの使い切りが発生した後、アウトパルスの出力が終了して所定時間が経過した場合に、遊技終了と判定する。また、排出したカードが賞品交換、精算、島端計数機での計数に用いられた場合には、所定時間が経過していなくとも遊技終了と判定する。
また、遊動データ生成部96dは、カード排出後、遊技終了と判定される前に他のカードが挿入された場合には、排出したカードと挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと識別する。
同様に、遊動データ生成部96dは、一般カードの使い切りが発生した後、遊技終了と判定される前に他のカードが挿入された場合には、使い切られた一般カードと挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと識別する。
また、遊動データ生成部96dは、会員カード排出後、遊技終了と判定される前に入金が行われた場合には、排出した会員カードと入金によりプリペイド価値が加算された内部の一般カードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと識別する。
また、遊動データ生成部96dは、一般カードの使用中に他のカードが挿入された場合には、使用していた一般カードと新たに挿入されたカードとを紐付け、同一の遊技客により使用されたと識別する。
また、遊動データ生成部96dは、賞品交換時に同時に複数のカードが使用された場合には、使用された複数のカードを紐付け、同一の遊技客により使用されたと識別する。
また、遊動データ生成部96dは、持玉分割が行われた場合には、分割元のカードと分割先のカードを紐付け、同一の遊技客により使用されたと識別する。
さらに、遊動データ生成部96dは、図15に示したケースにつても、同一の遊技客であると識別する。具体的には、アウトパルスが終了してから所定時間が経過したが、特賞パルスを受信している場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
同様に、アウトパルスが終了してから所定時間が経過したが、賞出玉数と打込玉数の比率から、特賞状態であると推定される場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
また、特賞状態中にカードが変更された場合、すなわち、使用中のカードが排出され、他のカードが挿入された場合には、排出したカードと挿入されたカードが同一の遊技客により使用されたと識別する。
また、払出玉数と打込玉数の差分から、遊技機20の上皿などに現物の遊技玉が所在すると推定される場合には、遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
さらに、休憩モードなど、遊技客の操作などに基づいて遊技が一時的に休止された場合には、アウトパルスの終了からの所定時間が経過したとしても遊技が終了したと判定せず、同一の遊技客による遊技が継続していると判定する。
遊技客の操作により休憩モードへの移行を可能とする場合には、台間カード処理機10の表示操作部13に休憩モード用のボタンを表示可能とし、休憩モード用のボタンが操作された場合に、台間カード処理機10を休憩モードに移行させる。休憩モードへの移行時には、例えばパスワードを設定させ、設定したパスワードが再度入力されるまで台間カード処理機10の操作を禁止する。若しくは、休憩モードへの移行時にカードを排出し、該カードが再度挿入されるまで台間カード処理機10の操作を禁止する。
店員の操作により休憩モードへの移行を行う場合には、遊技客が呼出ランプなどを用いて店員を呼び出し、店員が携行する端末から信号に基づいて台間カード処理機10が休憩モードに移行することになる。
なお、台間カード処理機10の休憩モードへの移行時と、休憩モードからの復帰時には、ホールコンピュータ90、会員管理装置50及びカード管理装置40等に通知を行う。
図16は、遊技客の識別に関する具体例の説明図である。図16(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t01」まで遊技が行われ、その後、時刻「t02」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。時刻「t01」から時刻「t02」までが所定時間以上、すなわち時刻の差が閾値以上である場合には、遊動データ生成部96dは別の遊技客により遊技が行われたと判定し、異なる顧客IDを付与する。
一方、図16(b)では、遊技機ID「P001」の遊技機において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t11」まで遊技が行われ、その後、時刻「t12」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。時刻「t11」から時刻「t12」までが所定時間未満、すなわち時刻の差が閾値未満である場合には、遊動データ生成部96dは同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与する。
また、図16(c)では、遊技機ID「P001」の遊技機において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t21」まで遊技が行われ、その後、時刻「t22」からカードID「1001」のカードが遊技機ID「P002」の遊技機で用いられている。このようにカードIDが同一であれば、同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与する。
ここで、時刻の差との比較に用いる閾値は、遊技機20の稼働状態に応じて変更することとしてもよい。閾値が小さすぎると同一の遊技客の遊技を別の遊技客であると誤判定する可能性がある。しかし、人気高い機種の遊技機20や当日の賞出玉数が大きい遊技機20などは、1人の遊技客が遊技を終えてから次の遊技客が遊技を開始するまでの時間が短く、閾値を大きくすると、これらの遊技客を同一と識別してしまう。そのため、遊技客の入れ替わりが少ないとみなされる遊技機20については閾値を大きくし、遊技客の入れ替わりが大きいとみなされる遊技機20については閾値を小さくすることで、同一の遊技客を精度よく識別することができる。
図17は、閾値の自動変更についての説明図である。図17では、遊技機20の機種ごとに打込玉数の平均値を稼働状態として求め、当日の稼働状態を判定項目として閾値を随時変更している。
具体的には、図17の例では、機種「EV01」の10時から12時までの稼働が「6000玉」であり、閾値を「60秒」としている。そして、この10時から12時までの稼働に基づいて、12時から14時までの閾値を「60秒」のまま維持している。その後、12時から14時の稼働が「10000玉」となったため、この12時から14時までの稼働に基づいて14時から16時までの閾値を「30秒」まで小さくしている。
また、図17の例では、機種「EV02」の10時から12時までの稼働が「3000玉」であり、閾値を「60秒」としている。そして、この10時から12時までの稼働に基づいて、12時から14時までの閾値を「120秒」まで大きくしている。その後、12時から14時の稼働が「1000玉」となったため、この12時から14時までの稼働に基づいて14時から16時までの閾値を「150秒」まで大きくしている。
なお、閾値の変更は、このように事前に行うものに限らず、営業中や営業時間後に、店員が手動で行う場合もある。かかる修正では、変更された閾値を事後的に適用し、遊動データ95cの生成をやりなおすことが望まれる。
図18は、閾値の変更に基づく遊動データ95cの再生成についての説明図である。図18(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機において、カードID「1001」のカードを用いて時刻「t01」まで遊技が行われ、時刻「t02」からカードID「1002」のカードを用いて遊技が行われている。このとき、時刻「t01」から時刻「t02」までの時間差が閾値Th1以上であるため、遊動データ生成部96dは別の遊技客により遊技が行われたと判定し、異なる顧客IDを付与することになる。
その後、閾値Th1が閾値Th2に変更されると、遊動データ生成部96dは同一の遊技履歴データ95bを用いて遊動データ95cを再生成する。変更された閾値Th2が時刻「t01」から時刻「t02」までの時間差よりも大きければ、図18(b)に示すように、遊動データ生成部96dは同一遊技客により遊技が行われたと判定し、同一の顧客IDを付与することになる。
次に、会員管理装置50の遊動データ分析部56dによる遊動データの分析について説明する。図19は、遊動データの分析についての説明図である。図19に示すように遊動データの分析には、遊技客に関する分析と、遊技機に関する分析とがある。遊技客に関する分析とは、遊技客の移動履歴を用いた分析や、所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析である。遊技機に関する分析とは、遊技機ごとの遊技人数を用いた分析である。
遊技客の移動履歴を用いた分析としては、遊動相関関係分析、会員別遊動参照、期間比較分析、初遊技分析などがある。遊動相関関係分析では、遊技客の台移動の傾向と、台移動に相関性の高い遊技機の確認が行われる。すなわち、遊技客がどのような遊技機をどのような順序で使用するか、また、台移動においてどのような遊技機が高い頻度で選択されるかなどが確認できる。
会員別遊動参照では、会員遊技客について個人別に遊技の動向を表示し、確認することができる。また、期間比較分析では、指定された日時からの台移動の傾向を確認することができる。初遊技分析では、遊技客の台移動の履歴から、遊技客が最初に遊技した遊技機を確認することができる。
所定の期間において遊技客がどのように遊技したかの情報及びその推移の分析を行う遊動期間集計では、指定した期間における、遊技種、スペック、機種別に、遊技人数などの情報を確認することが可能である。
遊技機に関する分析のうち、遊技機分析では、遊技機の機種毎に、月別などで遊技客の人数、勝敗の推移状況を確認することが可能である。また、売上貢献分析では、遊技客1人あたりの投資金額と打込み玉数から、遊技店の売上への貢献状況を分類することができる。
これらの分析結果の表示は、会員管理装置50が行う他、ホールコンピュータ90、カード管理装置40等、遊技店内の他の装置で行うこともできる。また、遊技店外に設けたサーバなどを介して分析結果の表示を行うこともできる。
次に、分析の具体例について説明する。図20〜図23は、分析の具体例についての説明図である。図20に示した遊動相関関係分析では、機種及び遊技種に対し、遊技を行った人数、遊技時間、総投資金額、勝敗金額を対応付けている。また、遊技を行った人数、遊技時間、総投資金額、勝敗金額については、合計、一般遊技客、会員遊技客、男性遊技客、女性遊技客について集計を行っている。
具体的には、機種は「EV01」、遊技種は「玉3」であり、遊技を行った人数の合計は「6」、そのうち一般遊技客は「4」、会員遊技客は「2」、男性遊技客は「5」、女性遊技客は「1」である。
また、遊技時間の合計は「2:55」であり、そのうち一般遊技客は「00:50」、会員遊技客は「02:05」、男性遊技客は「02:40」、女性遊技客は「00:15」である。
また、総投資金額の合計は「23000」であり、そのうち一般遊技客は「7000」、会員遊技客は「16000」、男性遊技客は「20000」、女性遊技客は「3000」である。
また、勝敗金額の合計は「9000」であり、そのうち一般遊技客は「10000」、会員遊技客は「−1000」、男性遊技客は「11000」、女性遊技客は「−2000」である。
図20に示した会員別遊動参照では、遊技日時、開始時間、終了時間、顧客ID、顧客種別、カードID、遊技機ID及び機種を対応付けている。具体的には、遊技日時「2016/09/08」の開始時間「11:10:00」から終了時間「14:15:33」まで、顧客ID「UD001」を付与した顧客種別「会員」かつカードID「2011」の遊技客が、遊技機ID「P001」で遊技し、この遊技機は機種「EV01」であったことを示している。
同様に、遊技日時「2016/09/08」の開始時間「13:12:20」から終了時間「18:00:00」まで、顧客ID「UD007」を付与した顧客種別「会員」かつカードID「2009」の遊技客が、遊技機ID「P021」で遊技し、この遊技機は機種「EV22」であったことを示している。
図21に示した期間比較分析では、操作者から指定された出力条件及び検索条件に基づいて遊動データを集計して比較している。具体的には、出力条件としては、表示項目「人数」、「遊技時間」、「総投資金額」及び「勝敗金額」のうち「人数」が指定されている。また、会員詳細については「表示しない」が指定されている。また、表示方法については「総数」、「平均」及び「中央値」のうち「平均」が指定されている。
また、検索条件としては、比較元の期間として「2016/07/01」|〜「2016/07/31」が指定され、比較先の期間として「2016/08/01」〜「2016/08/31」が指定されている。また、基準としては、「遊技種」、「機種」、「機種、遊技種」、「機種タイプ」、「機種タイプ、遊技種」のうち、「遊技種」が指定されている。また、遊技客については、一般遊技客と、会員遊技客の双方が指定されている。会員遊技客については、登録された会員情報に基づいて、性別、年代、月あたりの遊技日数を指定可能であるが、図20ではその全てを指定している。
これらの出力条件及び検索条件に基づく期間比較分析の結果では、基準として指定された遊技種毎に、設置台数、遊技を行った人数が集計される。また、遊技を行った人数は、合計、一般遊技客及び会員遊技客について集計し、比較表示している。
具体的は、遊技種「玉1」の設置台数は、比較元が「450」であり、比較先が「350」である。また、合計の人数は、比較元が「600」であり、比較元先が「400」であり、比率は「66%」である。一般遊技客の人数は、比較元が「400」であり、比較元先が「200」であり、比率は「50%」である。会員遊技客の人数は、比較元が「200」であり、比較元先が「200」であり、比率は「100%」である。
同様に、遊技種「玉2」の設置台数は、比較元が「100」であり、比較先が「100」である。また、合計の人数は、比較元が「120」であり、比較元先が「115」であり、比率は「95%」である。一般遊技客の人数は、比較元が「50」であり、比較元先が「60」であり、比率は「120%」である。会員遊技客の人数は、比較元が「70」であり、比較元先が「55」であり、比率は「78%」である。
図22に示した初遊技分析では、遊技客が最初に遊技した回数の多い順に機種の順位を示している。具体的には、順位「1」は、機種「EV01」であり、遊技種は「玉3」である。また、順位「2」は、機種「EV08」であり、遊技種は「玉1」である。この初遊技分析では、各機種に遊動相関関係分析の結果を併せて表示している。
図22に示した遊動期間分析では、機種、営業日数、設置台数、回転率、遊技時間、総投資金額、総投資金額平均、勝敗金額、勝敗平均、勝ち人数などを対応付けている。具体的には、機種「EV01」について、営業日数「29」、設置台数「20」、回転率「75.7%」、遊技時間「261.33」、総投資金額「3000000」、総投資金額平均「20000」、勝敗金額「−1200000」、勝敗平均「−8000」、勝ち人数「30」などが対応付けられている。
図23に示した遊技機分析では、機種タイプに対し、遊技回数と遊技時間を対応付けている。遊技回数については合計、日平均、割合が含まれ、遊技時間には合計、日平均、買い平均、割合が含まれる。
具体的には、機種タイプ「MAXタイプ」について、遊技回数の合計が「123」、遊技回数の日平均が「4.1」、遊技回数の割合が「27.3%」であることが示され、遊技時間の合計が「215:00」、遊技時間の日平均が「7:10」、遊技時間の回平均が「2:15」、遊技時間の割合が「21.3%」であることが示されている。
同様に、機種タイプ「ハイミドルタイプ」について、遊技回数の合計が「345」、遊技回数の日平均が「11.5」、遊技回数の割合が「15.2%」であることが示され、遊技時間の合計が「255:00」、遊技時間の日平均が「8:30」、遊技時間の回平均が「0:45」、遊技時間の割合が「19.9%」であることが示されている。
次に、遊動データ生成の処理手順について説明する。図24は、遊動データ生成の処理手順を示すフローチャートである。図24に示すように、会員管理装置50は、遊技店の営業中に遊技関連カード処理履歴データ55dの蓄積(ステップS101)と、遊技外カード処理履歴データ55eの蓄積(ステップS102)と、計数精算処理履歴データ55fの蓄積(ステップS103)とを行う。そして、遊技関連カード処理履歴データ55d、遊技外カード処理履歴データ55e及び計数精算処理履歴データ55fを閉店後などの所定のタイミングでホールコンピュータ90に送信する(ステップS104)。
ホールコンピュータ90は、遊技店の営業中にパルスデータ95aを蓄積する(ステップS201)。そして、蓄積したパルスデータ95aと、会員管理装置50から受信した遊技関連カード処理履歴データ55dとを用い、遊技履歴データ95bを生成する(ステップS202)。さらに、遊技履歴データ95bと、会員管理装置50から受信した遊技外カード処理履歴データ55e及び計数精算処理履歴データ55fを用い、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データ95cを生成する(ステップS203)。
ホールコンピュータ90は、生成した遊動データを会員管理装置50に送信する(ステップS204)。会員管理装置50は、ホールコンピュータ90から受信した遊動データを用い、遊技客や遊技機に関する分析を行う(ステップS105)。
これまでの説明では、遊技機20の動作の履歴の取得、遊技履歴データの生成及び遊動データの生成をホールコンピュータ90が行う構成について説明を行った。変形例として、遊技機20の動作の履歴の取得、遊技履歴データの生成及び遊動データの生成を会員管理装置50が行ってもよい。
図25は、会員管理装置が遊動データの生成を行う変形例の説明図である。図25に示した構成では、遊技機20は、アウトパルスに対応するアウト信号、セーフパルスに対応するセーフ信号及び特賞パルスに対応する特賞信号を台間カード処理機10に出力している。これらは、遊技機20が台間カード処理機10に直接送信してもよいし、遊技機20に併設された他の装置がアウトパルス、セーフパルス及び特賞パルスをアウト信号、セーフ信号及び特賞信号に変換して台間カード処理機10に出力してもよい。
台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの自装置の動作の履歴と、アウト信号、セーフ信号、特賞信号などの遊技機20の動作の履歴とを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、台間カード処理機10から受信した各種データを用いて遊技履歴データを生成する。そして、遊技履歴データから同一の遊技客による遊技を識別し、遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データを生成することになる。
次に、遊動データを利用した遊技客の離反に関する情報の取得について説明する。図26は、遊動データを利用した遊技客の離反に関する情報の取得の説明図である。遊動データを利用した遊技客の離反に関する情報の取得は、会員管理装置50の遊動データ分析部56dによって行われる。この離反に関する情報の取得において、遊動データ分析部56dは、遊技実績管理部、来店実績管理部、離反検知部、離反実績抽出部及び離反実績統計部としての機能を実行する。
まず、遊動データ分析部56dは、遊動データから個人の遊技の実績を取得する遊技実績管理部としての動作を行う。個人の遊技の実績は、遊技客の属性と、遊技の履歴とを含む。遊技客の属性は、会員遊技客であるか否か、性別、年代などである。遊技の履歴は、遊技種、機種、投資金額、遊技時間、勝敗金額、遊技中に発生したイベント、スタート回数、大当りの発生率、交換差玉などの履歴を示す。
また、遊動データ分析部56dは、遊動データから個人の来店実績を取得する来店実績管理部としての動作を行う。来店実績は、遊技客の来店回数、来店1回毎の滞在時間、来店1回毎の投資金額、来店1回毎の勝敗などである。さらに、遊動データ分析部56dは、来店実績のランク付けを行う。来店実績のランク付けでは、来店実績の各項目(遊技客の来店回数、来店1回毎の滞在時間、来店1回毎の投資金額、来店1回毎の勝敗など)について、複数段階のランク値のいずれかを対応付ける処理が行われる。
遊動データ分析部56dは、ランク付けされた来店実績から遊技客の離反を検知する離反検知部としての動作を行う。具体的には、遊技客個人の来店実績におけるランクの期間推移を分析し、ランクの推移から当該遊技客の離反を検知する。
例えば、ある遊技客の当月の来店回数のランクが先月までと比べて顕著に低下している場合、この遊技客が離反した可能性が高いと判定することができる。同様に、来店回数のランクに大きな変化が無くとも、1回の来店での滞在時間や投資金額のランクが低下していれば、離反の可能性が高いと判定することができる。
遊動データ分析部56dは、遊技客の離反を検知した場合には、離反の発生時点における遊技の実績である離反時実績を個人の遊技実績から抽出する離反実績抽出部としての動作を行う。
そして、複数の遊技客の離反時実績を統計処理する離反実績統計部としての機能として動作する。具体的には、統計処理により、複数の遊技客の離反時実績に共通する事項を特定し、当該共通する事項を離反の指標として出力する。また、離反の指標と遊技の実績とを比較し、離反の可能性のある遊技客を事前に特定して報知することも可能である。
このように、遊動データ分析部56dは、遊動データから個人の遊技実績と来店実績を抽出し、来店実績から遊技客の離反を検知し、離反の発生時点における遊技実績を抽出して統計処理することにより、遊技客の離反に関する情報を得ることができる。
図27は、離反原因の分析の一例についての説明図である。図27では、離反時実績の集計結果を示している。具体的には、遊技種「玉1(4パチ)」、機種「EV21」、遊技時間「5:00」、投資金額「80000」、勝敗金額「−80000」、100玉当たりのスタート回数「6.1」、大当り確率「1/400」、交換差玉「0」の状況で離反が発生したことを示している。
同様に、遊技種「玉1(4パチ)」、機種「EV16」、遊技時間「4:00」、投資金額「90000」、勝敗金額「−90000」、100玉当たりのスタート回数「5.9」、大当り確率「1/500」、交換差玉「0」の状況で離反が発生したことを示している。
また、遊技種「玉1(4パチ)」、機種「EV02」、遊技時間「10:00」、投資金額「30000」、勝敗金額「−30000」、100玉当たりのスタート回数「4.5」、大当り確率「1/320」、交換差玉「0」の状況で離反が発生したことを示している。
また、遊技種「玉1(4パチ)」、機種「EV11」、遊技時間「1:30」、投資金額「10000」、勝敗金額「+50000」、100玉当たりのスタート回数「4.5」、大当り確率「1/300」、交換差玉「20000」の状況で離反が発生したことを示している。
また、遊技種「玉1(4パチ)」、機種「EV21」、遊技時間「2:50」、投資金額「100000」、勝敗金額「−50000」、100玉当たりのスタート回数「4.6」、大当り確率「1/400」、交換差玉「5000」の状況で離反が発生したことを示している。
また、遊技種「玉1(4パチ)」、機種「EV16」、遊技時間「3:00」、投資金額「90000」、勝敗金額「+60000」、100玉当たりのスタート回数「4.7」、大当り確率「1/650」、交換差玉「15000」の状況で離反が発生したことを示している。
これらの離反の実績を分析すると、投資金額「80000以上」、勝敗金額「−80000」以下、スタート回数「4.6」以下などが、複数の離反の実績で共通している。したがって、投資金額「80000以上」、勝敗金額「−80000」以下、スタート回数「4.6」以下などを離反の指標とすることができる。すなわち、この指標に該当した遊技客は、その遊技店での遊技を減らしたり、若しくは遊技店の利用をやめたりする可能性がある。
この離反の指標を用い、まだ離反していないが、離反の指標に該当する遊技客を抽出することで、離反の可能性の高い遊技客として遊技店に注意喚起を行うことができる。
また、離反の指標に該当するケースが頻発する遊技機20が存在する場合には、遊技機20対する調整を行うことで、遊技客の離反を防止することができる。
次に、遊技客の行動の変化と離反の原因について説明する。図28は、遊技客の行動の変化と離反の原因についての説明図である。図28に示すように、遊技客が来店する日付が変化した場合、遊技客の遊技店への信頼性が低下した可能性がある。まだ、来店する曜日に変化(週末しか来店しなくなるなど)があった場合には、遊技店への不満ではなく、他の理由(生活パターンの変化など)があると考えられる。
来店回数が減少した場合、遊技に使える金銭の不足や、他の理由(生活パターンの変化など)があると考えられる。来店回数が0になった場合には、遊技店への信頼性が低下したと考えられる。遊技客の滞在時間が減少した場合には、遊技店への不満ではなく、他の理由(生活パターンの変化など)があると考えられる。
遊技客の投資額が増加している場合には、増加した投資により遊技客が使える金銭が不足し、遊技店に不満を持つ可能性が示唆される。遊技客の投資額が減少している場合には、遊技店への信頼性が低下し、遊技客が意識的に投資額を抑えている、すなわち、離反しかけていることが示唆される。
勝敗金額において負け額が増加している場合には、遊技客が遊技に使える金銭が不足して不満を持つ可能性がある。貯玉が減少している場合には、遊技に使える金銭が不足している可能性がある。さらに貯玉が継続して減少していれば、別の遊技店への移行準備の可能性がある。
また、低レートの遊技機を主体に遊技するようになっていれば、遊技に使える金銭の不足や、遊技客の嗜好の変化が生じている可能性がある。同様に、大当りの発生確率が高い替わりに大当り時に期待できる賞玉数の少ない低スペックの遊技機を主体に遊技するようになっていれば、遊技に使える金銭の不足や、遊技客の嗜好の変化が生じている可能性がある。嗜好の変化とは、例えばより多くの賞品を求めるのではなく、大当り自体やその演出を楽しみたい、などである。
また、新機種の遊技機を使用しなくなっている遊技客も嗜好が変化している可能性がある。さらに、スタートの平均回転数、すなわち抽選開始までに要する打込玉数の平均数が低下している場合には、遊技店への信頼性が低下している可能性がある。同様に、大当りが発生する特賞確率が本来のスペックでの平均値と乖離し、その乖離が増加している場合には、遊技店への信頼性が低下している可能性がある。
これらの他、最新の来店日をR、累計の来店回数をF、累計の投資金額をMとしてRFM分析を行って、遊技客の離反を検知しても良い。
次に、遊技店員への通知の制御について説明する。図29は、遊技店員への通知についての説明図である。会員管理装置50の遊動データ分析部56dは、遊動データに基づいて予め設定した条件に該当する会員を自動登録し、来店時に遊技店員に通知することができる。なお、ここでは会員を対象とする場合について説明を行うが、顔認証などによって遊技客を識別し、日をまたいで来店した非会員の遊技客を管理できる場合には、非会員の遊技客であっても同様に通知対象とすることができる。
予め設定した条件としては「1ヶ月の想定利用金額を超過した会員」、「投資額が前月比50%以下に減少した会員」、「前回来店から所定期間以上経過して来店した会員」及び「次回負けた場合に当面来なくなる可能性が高い会員」などを用いることができる。
図29(a)に示すように、遊動データからは、会員カードのカードIDごとに来店回数、前回来店日、投資金額を抽出することができる。図29(a)では、会員カードのカードID「2001」の今月の来店回数が「6回」、1ヶ月前の来店回数が「8回」、2ヶ月前の来店回数が「10回」、3ヶ月前の来店回数が「10回」、過去3ヶ月の平均来店回数が「9.3回」、前回来店日が「10/15」、今月の投資金額が「80000円」、1ヶ月前の投資金額が「80000円」、2ヶ月前の投資金額が「80000」円、3ヶ月前の投資金額が「100000円」、過去3ヶ月の平均投資金額が「86667円」、来店時通知金額を「69333円」としている。なお、来店時通知金額は、次回来店時に遊技店員への通知を行うか否かを決定する閾値であり、過去3ヶ月の平均投資金額の80%としている。すなわち、今月の投資金額がこの来店時通知金額を超過すると、次回の来店時に遊技店員への通知が行われる。
また、図29(a)では、会員カードのカードID「2002」の今月の来店回数が「2回」、1ヶ月前の来店回数が「4回」、2ヶ月前の来店回数が「8回」、3ヶ月前の来店回数が「12回」、過去3ヶ月の平均来店回数が「8回」、前回来店日が「10/10」、今月の投資金額が「40000円」、1ヶ月前の投資金額が「40000円」、2ヶ月前の投資金額が「100000」円、3ヶ月前の投資金額が「120000円」、過去3ヶ月の平均投資金額が「110000円」、来店時通知金額を「88000円」としている。
また、図29(a)では、会員カードのカードID「2003」の今月の来店回数が「0回」、1ヶ月前の来店回数が「0回」、2ヶ月前の来店回数が「0回」、3ヶ月前の来店回数が「0回」、過去3ヶ月の平均来店回数が「0回」、前回来店日が「6/30」、今月の投資金額が「0円」、1ヶ月前の投資金額が「0円」、2ヶ月前の投資金額が「0」円、3ヶ月前の投資金額が「0円」、過去3ヶ月の平均投資金額が「0円」、来店時通知金額を「0円」としている。来店時通知金額が「0円」であれば、次回来店時には必ず通知対象となる。
また、図29(b)に示すように、遊動データからは、会員カードのカードIDごとに勝敗状況を抽出することができる。図29(b)では、会員カードのカードID「2001」の前回の来店日「10/15」の勝敗金額が「+50000」、2回前の来店日「10/12」の勝敗金額が「−20000」、3回前の来店日「10/10」の勝敗金額が「+250000」、連敗上限回数「3回」の状態を示している。連敗上限回数とは、過去の遊技の履歴から会員毎に許容される連敗回数を求めたものである。この連敗上限回数を越えて連敗が続くと1ヶ月以上来店しなくなることを示している。
また、図29(b)では、会員カードのカードID「2002」の前回の来店日「10/10」の勝敗金額が「−20000」、2回前の来店日「10/6」の勝敗金額が「−15000」、3回前の来店日「9/30」の勝敗金額が「−30000」、連敗上限回数「4回」の状態を示している。
また、図29(b)では、会員カードのカードID「2003」の前回の来店日「6/30」の勝敗金額が「−15000」、2回前の来店日「6/20」の勝敗金額が「−18000」、3回前の来店日「6/10」の勝敗金額が「+20000」、連敗上限回数「3回」の状態を示している。
図29(a)では、カードID「2001」について、「1ヶ月の想定利用金額を超過した会員」の条件が該当している。すなわち、過去3ヶ月の平均投資金額が来店時通知金額を超えている。このため、カードID「2001」である会員が次回来店した場合には、遊技店員への通知が発生する。
また、図29(a)では、カードID「2002」について、「投資額が前月比50%以下に減少した会員」の条件が該当している。具体的には、1ヶ月前の投資金額「40000円」が2ヶ月前の投資金額「100000円」のは50%以下となっている。このため、カードID「2002」である会員が次回来店した場合には、遊技店員への通知が発生する。さらに、図29(b)では、カードID「2002」について、「次回負けた場合に当面来なくなる可能性が高い会員」の条件が該当している。すなわち、過去3回で連敗しており、次回に負けると連敗上限回数「4」となる。このため、カードID「2002」である会員が次回来店した場合には、遊技店員への通知が発生する。
さらに、図29(a)では、カードID「2003」について、「前回来店から所定期間以上経過して来店した会員」の条件が該当している。すなわち、前回の来店「6/30」から来店が発生していない。このため、カードID「2003」である会員が次回来店した場合には、遊技店員への通知が発生する。
通知を受けた遊技店員は、該当する遊技客に対して声かけなどのフォローや新機種の導入予定の告知などを行うことで、遊技客の離反を防ぐことができる。
次に、遊動データを用いた不審な遊技客の検知について説明する。図30は、不審な遊技客の検知についての説明図である。遊技店には多数の遊技機20が設置されており、賞玉が多い傾向の遊技機20と、賞玉が少ない傾向の遊技機20とが混在している。賞玉が多い傾向の遊技機20は、遊技客にとって有利な台であり、賞玉が少ない遊技機20は遊技客にとって不利な台といえる。
通常であれば、遊技客は、遊技を行いながら遊技機20の動作を観察し、自身にとって有利な台であるか否かを見極めて台移動をするか否かを決定する。ところが、遊技機20についての情報を不正に取得し、有利な台であると予め認識した上で遊技を行うケースがある。
ここで、かかる不正を行う不審な遊技客は、通常の遊技客と行動が異なり、その差を遊動データから検出することができる。具体的には、通常の遊技客であれば、図30(a)に示すように、遊技開始直後は時間あたりの遊技回数が比較的少なく、有利な台であると判断した後に時間あたりの遊技回数が増加する。有利な台と判断できるまでは、不利な台であった場合の損失を抑えるために慎重に遊技を行い、有利な台と判断した後はより多くの賞玉数を得るためにできるだけ遊技回数を増やそうとするのである。
一方、遊技開始前から有利な台であるとの情報を得ている不審な遊技客は、図30(b)に示すように、遊技開始直後からより多くの賞玉数を得るためにできるだけ遊技回数を増やそうとする。このため、遊動データに基づいて時間あたりの遊技回数の変化を取得することで、不審な遊技客を検知することが可能となる。
なお、パチンコ遊技における有利な台とは、障害釘の状態などによって定まり、スロット遊技における有利な台とは、遊技店での設定により定まる。不審な遊技客が存在する場合、有利な台の情報を提供する協力者が遊技店員に紛れている可能性がある。そのため、不審な遊技客を検知した場合には、不審な遊技客への対処に加え、不審な遊技客の発生状況から遊技店員側の協力者を特定することにも利用できる。
次に、他店の遊動データの利用について説明する。図31は、他店の遊動データの利用についての説明図である。既に説明したように、遊技店は自店舗の遊動データを生成し、各種分析に使用できる。
ここで、各遊技店が生成した遊動データを遊技店外のセンタに送信し、他の遊技店で生成された遊動データを相互に利用可能とすれば、遊動データのさらなる有効利用が可能となる。
しかし、遊動データを集約して他店で利用可能とする場合には、元の遊技店が特定可能であることは好ましくない。自店舗の情報を過度に提供することとなり、競合店での利用を恐れて遊動データの提供が躊躇われる事態となるからである。
このため、集約した遊動データは平均化するなどの加工により、元の遊技店を識別可能な情報を除去することが求められる。一方で、規模や状況の異なる遊技店の情報を全て平均化すると、遊技店にとって有効なデータとはならない。
具体的には、遊技店としては、自店の状況(稼働変動、遊技機の台数や構成の変更、イベント有無など)と連動した他店のデータが望ましい。また、遊技店としては、所望の条件に合致した遊技店と自店との比較を行いたいという要望がある。競合店に類似した遊技店と比較して、自店の戦略が適切か否かを評価するためである。
さらに、新しい遊技機を導入する前に、その遊技機が自店と同条件の他店でどのように稼働しているかを分析することで、遊技機の入替えの検討を行いたいという要望もある。
また、遊技客の動向(曜日や時刻による稼働率)、リニューアル等によって変動する条件での店舗比較分析を行いたいという要望もある。
これらのことから、遊技店の状況や遊技客の動向を条件として指定し、他店の遊動データを条件に基づいて加工して提供するシステムが求められている。
図31に示すシステムでは、センタC1が遊動データを集約して蓄積し、遊技店から指定された条件に基づいて遊動データを加工して提供することが可能である。具体的には、まず、複数の遊技店C2が、自店で生成した遊動データをセンタC1に送信する(1)。
センタC1は、各遊技店C2から受信した遊動データと送信元の遊技店の状況などを示す情報とを対応付けて全体遊動データとして管理する。すなわち、センタC1は、遊動データを遊技店毎に管理する遊動情報管理部としての機能を有する。
また、センタC1は、遊技店から遊動データの提供要求を受け付けた場合に、提供要求に指定された条件に対応する遊動データを抽出して要求元の遊技店に送信する遊動情報提供部としての機能を有する。
具体的には、複数の遊技店C2のうちの1つである遊技店C2aにおいて条件が設定され(2)、遊技店C2aからセンタC1に条件を指定した遊動データの提供要求が送信されると(3)、センタC1は指定された条件に適合する遊動データを抽出して加工し(4)、抽出遊動データとして遊技店C2aに送信することになる(5)。遊技店C2aは、センタC1から受信した抽出遊動データを自店の遊動データと比較して分析することができる(6)。
遊技店C2aにおいて遊動データの提供要求の送信や抽出遊動データの利用を行う機能は、専用の装置により実行することとしてもよいし、会員管理装置50等が実行することとしてもよい。例えば、会員管理装置50を用いる場合には、会員管理装置50の遊動データ分析部56dが、センタC1に遊動データの提供要求を送信する遊動情報要求部としての機能と、抽出遊動データを受信して自店の遊動データとを比較可能に出力する遊動情報出力部としての機能とを実現することになる。
遊動データの提供要求において指定する条件には、遊技店の規模、遊技機の設置数、設置されている遊技機の種類、遊技機の稼働状況などを用いることができる。また、自店の状況(分析日の稼働率、天候、時間など)を指定することも可能である。
例えば、遊技機の設置数及び構成の条件として「1パチ100台、4パチ300台、20スロ250台」、稼働状況の条件として「1パチ70%、4パチ30%、20スロ55%」、日時として「土日祝」を指定すれば、指定された条件に合致する遊動データが抽出されて平均化され、抽出遊動データとして提供される。
そして、提供された抽出遊動データと、自店の遊動データとを比較出力することが可能となる。例えば、自店と他店で最初に遊技される遊技機の機種の比較、遊技客1人が使用する優位機の平均数の比較、遊技機の機種毎の稼働率の比較などが可能である。
このように、遊技店が任意に条件を設定して他店の遊動データを取得できることから、変動する状況(自店の遊技機の構成の変更、競合店のリニューアル前後の状況)などに合わせて、自店と他店の比較を柔軟に行うことができる。また、遊技機の機種毎に自店と他店の稼働率を比較することもできる。さらに、これらの比較時に遊技客の属性(会員か否か、性別、年代、曜日)を反映することも可能である。また、遊技店を識別可能な情報を除去して抽出遊動データを生成するため、遊技店の情報が漏洩する危険を排し、遊動データの収集を促進することができる。
次に、センタC1の処理手順について説明する。図32は、センタC1の処理手順を示すフローチャートである。まず、センタC1は、条件を指定した遊動データ提供要求を受信し(ステップS301)、該当する遊技店を検索する(ステップS302)。
該当する遊技店が存在しなければ(ステップS303;No)、センタC1は該当なしを結果として要求元の遊技店に送信し(ステップS307)、処理を終了する。この結果を受けた遊技店は、遊技データの取得をとりやめるか、条件を変更して再び遊動データ提供要求を送信することになる。
該当する遊技店が存在する場合(ステップS303;Yes)、センタC1は該当する遊技店の遊動データを全体遊動データから抽出し(ステップS304)、抽出した遊動データに平均化などの加工を行う(ステップS305)。そして、加工済の抽出遊動データを要求元に送信して(ステップS306)、処理を終了する。
次に、センタC1における遊動データの抽出に係る制限について説明する。センタC1は、複数の遊技店C2でそれぞれ生成された遊動データを管理しているが、それらの遊動データが全て同一の条件で生成されたとは限らない。そのため、ある遊技店から遊動データの提供を求められた場合に、生成条件の異なる遊動データを提供してしまうと、遊動データの比較を適正に行うことができないという問題が生じる。
そこで、センタC1は、遊動データの生成時に使用された条件をさらに管理し、遊動データの提供を要求された場合には、要求元と同一条件で生成された遊動データを対象に抽出を行う。
図33は、遊動データの抽出に係る制限についての説明図である。図33(a)では、センタC1は、遊技終了の判定閾値が異なる複数の遊動データを管理している。具体的には、機種「EV21」について、遊技終了判定閾値が「1分」で生成された遊動データが57店舗、750人分存在し、そのうち稼働率29%までが10店舗100人、稼働率30〜49%が15店舗200人、稼働率50〜69%が20店舗300人、稼働率70%以上が12店舗150人であったことを示している。
同様に、機種「EV21」について、遊技終了判定閾値が「2分」で生成された遊動データが120店舗、1000人分存在し、そのうち稼働率29%までが20店舗200人、稼働率30〜49%が35店舗300人、稼働率50〜69%が40店舗350人、稼働率70%以上が25店舗150人であったことを示している。
そして、遊技終了判定閾値として「2分」を用いている遊技店から、機種「EV21」の稼働率「50〜69%」を条件とする遊技データの提供要求を受けた場合には、同じく遊技終了判定閾値として「2分」を用いている遊技店の遊動データ、すなわち40店舗350人分のデータを用いて抽出遊動データが生成されて提供される。
この結果、要求元の遊技店で自店と他店の遊動データを比較すると、図33(b)に示すように、同一条件で生成された遊動データが比較されることになる。図33(b)では、自店の遊技終了判定閾値「2分」、稼働率「50〜69%」、1日あたりの売上「100000円」、1日あたりの遊技人数「5人」、客単価「20000円」、来店後に最初に使用される確率である最初率「80%」となっている。また、40店舗分の他店平均の遊技終了判定閾値「2分」、稼働率「50〜69%」、1日あたりの売上「80000円」、1日あたりの遊技人数「8人」、客単価「10000円」、最初率「40%」となっている。
次に、カードの分割について説明する。既に説明したように、カードの分割を行った場合には、分割先のカードと分割元のカードを同一の遊技客が使用したと識別する。しかし、分割先または分割元のカードが別の遊技客に渡されて使用されるケースも考えられる。
分割先のカードと分割元のカードとを同一の遊技客が使用したか、別の遊技客が使用したかを識別することができれば、遊動データをさらに精度良く生成することが可能である。
図34は、使用時間の重複に基づく分割カードの使用者識別についての説明図である。図34では、分割元のカードIDが「1001」であり、分割先のカードIDが「1002」である場合を示している。具体的には、図34(a)に示すように、カードID「1001」の価値発生時間(持玉又はプリペイド価値が0より大きくなった時間)が「10:00」であり、遊技時間が「10:00〜11:00」である。そして、分割処理が行われた時間が「10:30」であり、精算は行われず、賞品交換に用いられた玉数が「500玉」であり、賞品交換の処理時間が「11:10」である。
図34(b1)は、分割先のカードについて、使用時間の重複が無い場合を示している。具体的には、カードID「1002」の価値発生時間が「10:30」であり、遊技は行われず、精算された金額が「1000円」であり、精算の処理時間が「11:05」であり、賞品交換は行われていない。この分割先のカードが精算に使用された時間「11:05」は、分割元のカードが使用されていない時間であり、重複が無い。したがって、このケースでは、分割元のカードと分割先のカードは同一の遊技客に使用されたと識別する。
図34(b2)は、分割先のカードの遊技時間に重複がある場合を示している。具体的には、カードID「1002」の価値発生時間が「10:30」であり、遊技時間が「10:35〜11:30」である。このケースでは、分割先のカードの遊技時間と分割元のカードの遊技時間とが重複しているため、分割元のカードと分割先のカードは別の遊技客に使用されたと識別する。
図34(b3)は、分割先のカードの精算処理時間に重複がある場合を示している。具体的には、カードID「1002」の価値発生時間が「10:30」であり、遊技は行われず、精算された金額が「1000円」であり、精算の処理時間が「10:40」であり、賞品交換は行われていない。このケースでは、分割先のカードの精算処理時間と分割元のカードの遊技時間とが重複しているため、分割元のカードと分割先のカードは別の遊技客に使用されたと識別する。
次に、遊技機の状態に対する評価について説明する。パチンコ遊技における遊技機では、障害釘の状態等によって抽選の発生回数や割数が変化する。ここで、割数とは、「10×(貸玉数+賞出玉数−打込玉数)/貸玉数」によって求められる指標である。遊技客に満足感を与えつつ遊技店が利益を上げるためには、遊技機の状態を適正に調整する必要があるが、遊技機の調整は経験則により行われているのが実状である。ここでは、遊動データを利用して遊技機の状態を評価する方法について説明する。
図35は、遊動データによる遊技機の状態の評価についての説明図である。図35(a)に示すように、遊動データを用いることで、遊技機ごとに状態の適性度を評価することができる。
具体的には、図35(a)では、遊技機ID「P001」の遊技機の売上が「40000円」、1人あたりの平均投資額が「2000円」、1人あたりの平均稼働時間が「7分」、1000円あたりのスタート回数が「15回」、割数が「8割」、適性度が「低」の状態を示している。
また、遊技機ID「P002」の遊技機の売上が「40000円」、1人あたりの平均投資額が「3000円」、1人あたりの平均稼働時間が「10分」、1000円あたりのスタート回数が「17回」、割数が「8割」、適性度が「低」の状態を示している。
また、遊技機ID「P003」の遊技機の売上が「40000円」、1人あたりの平均投資額が「10000円」、1人あたりの平均稼働時間が「70分」、1000円あたりのスタート回数が「18回」、割数が「8割」、適性度が「高」の状態を示している。
また、遊技機ID「P004」の遊技機の売上が「40000円」、1人あたりの平均投資額が「2000円」、1人あたりの平均稼働時間が「8分」、1000円あたりのスタート回数が「15回」、割数が「8割」、適性度が「低」の状態を示している。
また、遊技機ID「P005」の遊技機の売上が「40000円」、1人あたりの平均投資額が「10000円」、1人あたりの平均稼働時間が「70分」、1000円あたりのスタート回数が「20回」、割数が「10割」、適性度が「中」の状態を示している。
これらのデータから、同一の割数、同一の売上でも、スタート回数が17回以下であれば1人あたりの平均投資額が少ないことが分かる。また、1000円あたりのスタート回数を20回とし、割数を10割としても1人あたりの平均投資額が変化していない。したがって、売上が同一であっても、1000円あたりのスタート回数が17回以下となる調整では、遊技客の離反に繋がると判定できる。
なお、この評価は、自店のみに限らず、他店との比較も可能である。例えば、自店のみの評価では、スタート回数を18回に調整することが適正であるが、他店のデータと比較して割数6割でも同等の売上が実現できていれば、割数を8割よりも下げる調整を行うことができる。
さらに、遊動データからの評価に加え、遊技客からの評価を取り入れて分析を行ってもよい。具体的には、遊技客が使用した遊技機について、台間カード処理機などで評価の入力を受け付けて、遊動データの評価に取り入れる。
図35(b)は、遊技客の評価を取り入れた機種別の評価例である。図35(b)では、機種「EV01」の1000円あたりのスタート回数が「18回」、割数が「8割」、1人あたりの平均投資額が「2000円」、遊動データからの評価が「2」、遊技客からの評価が「3」、総合評価が「5」である状態を示している。なお、遊動データからの評価と遊技客からの評価はそれぞれ5段階とし、総合評価は遊動データからの評価と遊技客からの評価の合計としている。
また、図35(b)では、機種「EV02」の1000円あたりのスタート回数が「18回」、割数が「8割」、1人あたりの平均投資額が「3000円」、遊動データからの評価が「3」、遊技客からの評価が「2」、総合評価が「5」である状態を示している。
また、図35(b)では、機種「EV03」の1000円あたりのスタート回数が「18回」、割数が「8割」、1人あたりの平均投資額が「10000円」、遊動データからの評価が「5」、遊技客からの評価が「1」、総合評価が「6」である状態を示している。
また、図35(b)では、機種「EV04」の1000円あたりのスタート回数が「18回」、割数が「8割」、1人あたりの平均投資額が「2000円」、遊動データからの評価が「2」、遊技客からの評価が「2」、総合評価が「4」である状態を示している。
また、図35(b)では、機種「EV05」の1000円あたりのスタート回数が「18回」、割数が「8割」、1人あたりの平均投資額が「10000円」、遊動データからの評価が「5」、遊技客からの評価が「5」、総合評価が「10」である状態を示している。
図35(b)の評価例では、機種「EV03」と機種「EV05」の平均投資額が同等であるが、遊技客の評価に差がついており、この差は遊技機の機種による差、すなわち、遊技客が感じる面白さの違いと考えられる。したがって、遊技店としては、機種「EV05」の台数を増やすことで収益を上げることができる。
次に、遊動データによる遊技客の移動の評価について説明する。遊技店内には、多数の遊技機、賞品管理装置、精算機などの装置が配置されている。遊技店のレイアウト、すなわち、各装置がどのように配置されているかは、遊技客は所望の遊技機による遊技、賞品交換、精算を円滑に行うことができるか否かに影響する。遊技店のレイアウトは、経験則により行われているのが実状であるが、遊動データを利用して遊技客の移動を評価することで、各種装置の配置を適正に行うことができる。
図36は、遊動データによる遊技客の移動の評価についての説明図である。遊動データによる遊技客の移動の評価は、会員管理装置50の遊動データ分析部56dによって行われる。この遊技客の移動の評価において、遊動データ分析部56dは、装置配置管理部及び移動評価部としての機能を実行する。
まず、遊動データ分析部56dは、遊技店における装置の配置に係る配置データを管理する装置配置管理部としての動作を行っている。装置配置データは、遊技店における遊技機の位置、精算機の位置、賞品管理装置の位置、出入口の位置等を示すデータである。
また、遊動データ分析部56dは、遊動データから個人の移動履歴を取得する。個人の移動履歴とは、個人が使用した装置の順序と使用時間を示す。例えば、入店後にどの遊技機を最初に使用したか、次にどの遊技機に移動したか、退店前に使用した最終の遊技機はどれかなどが示される。
遊動データ分析部56dは、個人の移動履歴と、装置配置データとを用い、各遊技客の移動経路を特定して蓄積する。そして、複数の遊技客の移動経路から使用頻度の高い経路を求めることで移動経路の評価を行う。
移動経路の評価結果は、数値データとして出力可能であるのに加え、遊技店の装置の配置図に重畳してマップ表示することも可能である。図37は、マップ表示の具体例についての説明図である。
図37(a)では、遊技店の出口と最終の遊技機の位置関係を示している。具体的には、最終の遊技として10人以上に使用された遊技機を網掛表示している。また、図37(b)では、遊技店の入口と最初の遊技機と、移動先の遊技機の位置関係を示している。具体的には、最初の遊技機として5人以上に使用された遊技機と、移動先の遊技機として5人以上に使用された遊技機とを識別可能に網掛表示するとともに、最初の遊技機から移動先の遊技機への移動経路を矢印表示している。
このようなマップ表示を利用することで、遊技店のレイアウトを視覚的に確認し、装置の再配置に係る指標とすることができる。
次に、遊技客の移動の評価の処理手順について説明する。図38は、遊技客の移動の評価の処理手順を示すフローチャートである。まず、遊動データ分析部56dは、遊動データから個人の移動履歴を生成し(ステップS401)、装置の配置に対応付けて蓄積する(ステップS402)。
遊動データ分析部56dは、蓄積した移動履歴の表示態様についての入力を受け付ける(ステップS403)。この入力により、マップ表示が選択されたならば(ステップS403;Yes)、遊動データ分析部56dは、マップ種別の選択を受け付ける(ステップS404)。この選択により、最終の遊技機を表示するか、最初の遊技機と移動先の遊技機を表示するかなどが決定される。その後、遊動データ分析部56dは、選択された種別のマップを表示出力する(ステップS405)。また、表示したマップを自店のデータとして蓄積し(ステップS406)、処理を終了する。なお、マップ表示が選択されず、数値表示が選択されたならば(ステップS403;No)、遊動データ分析部56dは、蓄積した移動履歴を数値データとして表示出力し(ステップS407)、処理を終了する。
次に、遊技客が移動などに要した時間(所要時間)の評価と遊技客の状態の推定について説明する。図39は、所要時間の評価と遊技客の状態の推定についての説明図である。
図39に示したように、遊技機館の移動に要する時間が長い場合には、目的の遊技機の設置場所が分からずに迷っている状態であると推定される。同様に、賞品交換から精算までに要する時間が長い場合には、精算機の設置場所が分からずに迷っている状態であると推定される。このような状態が発生する場合には、店内のレイアウトを変更することで、遊技客の移動を円滑化し、遊技店の収益に寄与することができる。
一方、同一の遊技機で遊技している間に空白の時間が存在する場合、通常とは異なる動作が行われており、不正の可能性がある。このような状態が発生した場合には、遊技店員に報知するなどにより、防犯を行うことができる。
上述してきたように、実施例に係る遊技管理システムでは、遊技機20の動作履歴を取得するとともに、遊技機20に対応付けて設置された台間カード処理機10の動作履歴を取得し、遊技機20及び台間カード処理機10の動作履歴を用いて遊技機20により行われた遊技の履歴を示す遊技履歴データを生成する。そして、遊技履歴データから同一の遊技客により行われた遊技を識別して遊技客毎の遊技の履歴を示す遊動データを生成する。この遊動データを分析することで、各遊技機がどれだけの遊技客によって使用されたかなど、遊技客ごとの使用実績を管理することができる。
なお、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。
また、上述の実施例では、遊技玉を遊技媒体として使用する場合を例に説明を行なったが、スロットマシン用のメダルを用いる場合にも適用可能である。
ここで、スロットマシンである回胴式遊技機について説明する。回胴式遊技機は、遊技媒体であるメダルをメダル投入口に投入して、3個のリール(回胴)を回転させるとともに、リールごとに設けられたストップボタンを順次押してリール上の絵柄(シンボル)を揃えることにより遊技を行なう。
回胴式遊技機は、メダル投入口にメダルを投入してスタートレバーを操作すると、抽選を行うとともに3個のリールが回転し、それぞれのストップボタンを押すと、それぞれのリールが停止する。リールの停止は、スタートレバー操作時の抽選結果に基づくリール制御によって行われる。また、投入口から投入されたメダルに基づいて電子的に記憶され、内部貯留(クレジット)されたメダル数を使用して賭け枚数を設定し、スタートレバーを操作すると、リールの回転が開始され、ゲームが行なわれる。当該ゲームでは、設定された賭け枚数に応じた有効ラインが各リールの停止位置ごとに設定される。
そして、ストップボタンが押され、設定された有効ラインに停止したリールの絵柄の組み合わせが特定のものであれば、所定数のメダルが回胴式遊技機の受け皿に払い出される。回胴式遊技機は、有効ライン上に揃う絵柄の組み合わせごとの払出しメダル数データを記憶しており、払出しを行なう場合にはこの払出しメダル数データに基づいて行なわれる。また、有効ライン上に揃う絵柄が再遊技役(リプレイ役)である場合には、前回のゲームに使用した賭け枚数が、新たなメダルの投入やクレジットの消費を伴うことなく自動的に再度賭け枚数として設定され、再びゲームを行なうことができる。
また、有効ライン上に停止したリールの絵柄の組み合わせがボーナス(ビッグボーナス、ノーマルボーナス等)に関する組み合わせである場合には、次回のゲームから、抽選結果が所定のメダルの払出しを伴う役である小役となる確率が上昇したゲーム(ボーナスゲーム)が、メダルの払出し数の合計値が所定の値(例えば300枚等)を超過するまで行なわれる。また、ボーナスの終了後等の所定の契機で、抽選結果が再遊技役となる確率が上昇したゲーム(リプレイタイム)を所定の回数行なうこともある。
また、回胴式遊技機は、回胴式遊技機の稼働状態を管理するための信号をホールコンピュータ90等に向けて出力する外部出力部を備えている。外部出力部からは、メダル投入口に投入されたメダル数を示すメダル投入パルス(アウトパルス)と、停止した絵柄の組み合わせに応じて回胴式遊技機から払い出されたメダル数を示すメダル払出パルス(セーフパルス)と、ボーナスゲーム中であることを示すパルス(特賞パルス)が出力される。また、回胴式遊技機からは、他にリプレイタイム中であることを示すパルス(リプレイタイム中パルス)や、抽選において小役当選時に当該小役を有効ライン上に揃えやすくするための情報を報知する状態であるアシストタイム中であることを示すパルス(アシストタイム中パルス)を出力することもある。
このような回胴式遊技機を用いる場合にも、アウトパルスやセーフパルスなどの各種パルスをホールコンピュータ90が蓄積し、回胴式遊技機の動作履歴として用いることで、遊技履歴データや遊動データの生成を行うことができる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、遊技履歴データや遊動データの生成を遊技店外に設けた管理センタで行ってもよい。また、ホールコンピュータ90の機能の全部又は一部を会員管理装置50が行ってもよいし、会員管理装置50の機能の全部又は一部をホールコンピュータ90が行ってもよい。会員管理装置50の遊動データ分析部56dと同等の機能を、ホールコンピュータ90に持たせ、ホールコンピュータ90が遊動データの分析を行うことも可能である。