JP2021081023A - トーショナルダンパ - Google Patents

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彰吾 草原
Shogo Kusahara
彰吾 草原
貴博 矢野
Takahiro Yano
貴博 矢野
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Abstract

【課題】ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能な、トーショナルダンパを提供する。【解決手段】ハブ2は、外周側に設けられた第1の筒状部22と、第1の筒状部22の径方向の内側に設けられた第2の筒状部23と、これら第1、及び第2の筒状部22、23を前記径方向に連結する連結部24とを備えると共に、第1及び第2の筒状部22、23及び連結部24が、前記第1、及び第2の筒状部22、23の軸方向の一方が開口部261とされた凹部26を備えるように連結して構成され、振動リング5及び弾性体4を凹部26の内部に設け、これら振動リング5及び弾性体4の外面と凹部26との間に形成される空間を液体封入空間Sとすると共に、該液体封入空間Sに液体を封入し、前記凹部26の開口部261側をカバー要素6により密封した、トーショナルダンパ1。【選択図】図2

Description

本発明は、トーショナルダンパに関する。
一般に、自動車等の車両に搭載されたエンジンにおいては、クランクシャフトの一端に、回転により生じるクランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰させるトーショナルダンパが設けられている。
従来、この種のトーショナルダンパとしては、特許文献1に示すものが知られている。特許文献1のトーショナルダンパは、最外周の表面にV溝を備えてプーリとしての役割を果たすように構成されている。この特許文献1のような、プーリとしても用いられるトーショナルダンパは、タイミングベルトを巻き掛けるために、エンジンのフロントカバーの外に設けられるのが一般である。
実開昭62−92336号公報
近年の自動車エンジンでは、燃費向上を狙いハイブリッド化が進んでいる。これにより、トーショナルダンパにおいても、補機駆動用のタイミングベルトを必要としないポリV溝無タイプが増えているが、特許文献1に示すものと同様に、クランクシャフトへのトーショナルダンパ取付け状態には変更がなく、クランクシャフトの先端で、かつエンジンケースの外部に位置されている。
一方で、エンジンの振動は高出力化や軽量化により、特に曲げ振動が大きくなる傾向にあり、クランクシャフトの長さを短くできれば曲げ振動発生の抑制に有効となる。
そこで、タイミングベルトの必要性がなくなったポリV溝無タイプのトーショナルダンパをエンジンケース内クランクシャフト中央寄りに位置付けられたならば、少なくともエンジンケースとのシール面相当のクランクシャフト及びトーショナルダンパボス幅分をカットでき、トーショナルダンパからフライホイールまでのクランクシャフトの長さを短くすることができる。
しかしながら、従来技術のトーショナルダンパの構成では、ゴム部が外気に触れる構造となっており、エンジンケース内に位置させると接着界面やゴム部に油分が付着してしまい、接着効果の低下や、ダンパー機能に優れ、主ゴム材として使用しているエチレンプロピレンジエンゴム材では膨潤してしまい、ゴム材が劣化することがある。
したがって、弾性体を油等の異物からより効果的に保護可能な構造とすることが望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能な、トーショナルダンパを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、クランクシャフトに取り付けられるハブと、当該ハブにゴム状の弾性体を介して装着される振動リングとを備えるトーショナルダンパであって、前記ハブは、外周側に設けられた第1の筒状部と、当該第1の筒状部の径方向の内側に設けられた第2の筒状部と、これら第1、及び第2の筒状部を前記径方向に連結する連結部とを備えると共に、前記第1及び第2の筒状部及び前記連結部が、前記第1、及び第2の筒状部の軸方向の一方が開口部とされた凹部を備えるように連結して構成され、前記振動リング及び弾性体を前記凹部の内部に設け、これら振動リング及び弾性体の外面と前記凹部との間に形成される空間を液体封入空間とすると共に、該液体封入空間に液体を封入し、前記凹部の開口部側をカバー要素により密封した、トーショナルダンパを提供する。
上記のような構成によれば、弾性体と振動リングは、第1及び第2の筒状部と、連結部により形成された凹部の内部に設けられ、カバー要素が、凹部の開口を全周にわたって密閉して凹部の内部と外部とを隔離するように設けられている。このため、外部に位置する油が凹部の内部に侵入しようとしても、この侵入はカバー要素により抑制される。したがって、弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である。
また、液体封入空間は液体で満たされ、密封されている。このため、液体封入空間内部にこれ以上油等の液体が浸入しない。
このように、ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である、トーショナルダンパを提供可能である。
本発明の一態様においては、前記液体はエチレングリコールを含む不凍液である。
上記のような構成によれば、エチレングリコールは空気よりも高い熱伝導率を有することから、弾性体の温度をハブ及び不凍液に効率よく伝達させるため、弾性体の温度が高くなるのを抑制できる。
また、本発明の別の態様においては、前記振動リング及び前記弾性体は、前記凹部の内部の、前記第1または第2の筒状部のいずれか一方に設けられている。
上記のような構成によれば、振動リングの減衰性能を有効・適切に発揮させることができる。
また、本発明の別の態様においては、前記カバー要素は、前記振動リング及び弾性体の前記開口部側の端面を覆って該開口部を密封するように前記第1及び第2の筒状部に固定されたカバープレートを備えている。
上記のような構成によれば、カバープレートは、凹部の開口部を密封するように設けられているため、外部に位置する油が凹部の内部に侵入しにくい構造となっている。したがって、弾性体を油等から更に効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である。
本発明の別の態様においては、前記カバープレートは、前記開口部を覆う被覆部と、前記第1の筒状部の外周面に固定された係止部と、前記第2の筒状部の外周面に固定された支持部とを備え、前記第1の筒状部と前記カバープレートとの間に第1のOリングが介装され、前記第2の筒状部と前記カバープレートとの間に第2のOリングが介装されている。
上記のような構成によれば、より外部に位置する油が凹部の内部に侵入しにくい構造となり、弾性体を油等から更に効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である。
本発明の別の態様においては、前記振動リングは、前記弾性体を介して前記ハブに装着される環状の基部と、該基部から前記開口部方向へ延びる環状の延出部とを備え、前記カバー要素は、前記第1の筒状部の内周面と前記延出部外周面との間に介装された第1のオイルシールと、前記第2の筒状部の外周面と前記延出部内周面との間に介装された第2のオイルシールとを備えている。
上記のような構成によれば、前記第1の筒状部の内周面と前記延出部外周面との間と、前記第2の筒状部の外周面と前記延出部内周面との間にオイルシールが介装されているため、外部に位置する油が凹部の内部に侵入しにくい構造となっている。したがって、弾性体を油等から更に効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である。
本発明の別の態様においては、トーショナルダンパは、フロントカバー内に設けられる。
上記のような構成によれば、クランクシャフトをフロントカバーの外まで伸ばす必要がなくなるためクランクシャフトの長さを短くすることができる。したがって、クランクシャフトに生じ得る捩り振動を低減することができる。
本発明によれば、ハブと振動リングを連結する弾性体を油等から効果的に保護して弾性体の劣化を抑制可能である、トーショナルダンパを提供することができる。
本発明の第1実施形態におけるトーショナルダンパの、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。 上記トーショナルダンパの断面図であって、図1各図のA―A部分の断面図である。 本発明の第2実施形態におけるトーショナルダンパの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1(a)は、本発明の第1実施形態におけるトーショナルダンパ1の、フロント側から視た正面図であり、図1(b)はエンジン側から視た背面図である。図2は、図1各図のA―A部分の断面図である。
トーショナルダンパ1は、自動車等の車両に搭載されたエンジンの、エンジン側Eからフロント側Fへ向けて延びるように設けられた、図示されないクランクシャフトに設けられている。トーショナルダンパ1は、クランクシャフトの回転により生じるクランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰させる。
トーショナルダンパ1が設けられる車両は、本実施形態においてはハイブリッド車である。したがって、ウォーターポンプやエアコン用コンプレッサ等の補機を蓄電池により駆動する場合においては、これらの補機へエンジンから動力を伝達する必要がない。このため、特に本実施形態においては、トーショナルダンパ1は図示されないフロントカバーの内側に設けられている。
トーショナルダンパ1は環状に形成されており、その中心がクランクシャフトの軸Cと同軸になるように、クランクシャフトに取り付けられている。
トーショナルダンパ1は、クランクシャフトに取り付けられるハブ2と、スリーブ3及び弾性体4を介してハブ2に装着される振動リング5を備えている。トーショナルダンパ1は、上記に加え、カバー要素6を備えている。
ハブ2は、板部21、第1筒状部22、第2筒状部23、及び連結部24を備えており、これらにより一体に形成されている。
板部21は板状を成しており、その中心には、クランクシャフトの先端が挿通される貫通孔211が開設されている。板部21は、クランクシャフトの軸Cを中心として、略円形となるように形成されている。
第2筒状部23は、円筒状を成している。第2筒状部23は、軸が板部21の軸Cと同一となり、かつ第2筒状部23の内側に板部21が位置するように設けられ、板部21の径方向Rにおける外周端212に、板部21に対して略垂直となるように板部21に接合されている。
連結部24は、第2筒状部23のフロント側F側の端部231から、径方向R外側に向けて第2筒状部23から垂直に立ち上がるように設けられている。
第1筒状部22は、円筒状を成している。第1筒状部22は、連結部24の外周端241から、エンジン側Eに向けて延在するように、連結部24に対して略垂直に、かつ第2筒状部23と略平行になるように設けられている。第1筒状部22の軸は、板部21の軸Cと同一となるように、第1筒状部22は設けられている。
このように、外周側に設けられた第1筒状部22と、第1筒状部22の径方向Rの内側に設けられた第2筒状部23と、第1及び第2の筒状部22、23を径方向Rに連結する連結部24により、第1及び第2の筒状部22、23の軸C方向における一方、特に本実施形態においてはエンジン側Eが開口する、凹部26が形成されている。かくして、第1、第2筒状部22、23、及び連結部24は、第1、第2筒状部22、23の軸方向の一方が凹部26の開口部261となるように連結されている。
スリーブ3は、金属板により形成された円環状の部材である。スリーブ3は、第1筒状部22の径方向Rにおける内周面222に固定されている。
弾性体4は、スリーブ3の径方向Rにおける内周面31に固定されている。弾性体4は、各種のゴムにより形成されてよいが、本実施形態においては、ダンパー機能に優れたエチレンプロピレンジエンゴムにより形成されている。他にも、水素化ニトリルゴム等の耐油性ゴムを用いることもでき、このような構成によれば、油が凹部26の内部に侵入した場合であっても、弾性体4の劣化を抑制可能である。
弾性体4の、スリーブ3とは反対側には、振動リング5が固定されている。振動リング5は、リング状の部材である。振動リング5の、弾性体4側に位置して弾性体4に固定されている外周面51は、スリーブ3の内周面31と略平行となるように、振動リング5は形成されている。
本実施形態においては、弾性体4は、スリーブ3と振動リング5の間に加硫成形されることにより形成されている。これにより、スリーブ3、弾性体4、及び振動リング5は一体に形成されている。
このように一体に形成された、スリーブ3、弾性体4、及び振動リング5は、これらの軸がハブ2の軸Cと同一となるように位置づけられて、凹部26の内部に設けられて固定されている。より詳細には、スリーブ3の径方向R外側の表面である外周面32が、第1筒状部22の内側の表面である内周面222と対向するように設けられて、これに嵌着されている。
このように、弾性体4と振動リング5は、凹部26の内部の、第1筒状部22側に設けられている。より詳細には、弾性体4と振動リング5は、凹部26内の、第1筒状部22の内周面222に嵌着された環状のスリーブ3に固定されている。上記の構成において、振動リング5、弾性体4及びスリーブ3の外面と凹部26の内面との間は、液体封入空間Sを構成しており、この液体封入空間Sには後述するようにエチレングリコールを含む不凍液が封入され、更に凹部26の開口部261がカバー要素6により密封される。
カバー要素6は、この実施形態においてはカバープレート61である。カバープレート61は、環状に形成されて第2筒状部23の外周面233に固定される支持部611と、この支持部611に連設され、凹部26の開口部261を覆う被覆部612と、この被覆部612に連接され、第1筒状部22の外周面223に固定される係止部613とを備えている。この場合、被覆部612は、スリーブ3、弾性体4及び振動リング5の、軸方向のエンジン側の端面33、41、54を覆って開口部261を密閉するように位置している。
詳細に説明すると、カバープレート61は、軸がハブ2の軸Cと同一となるように、かつ支持部611がフロント側Fを向くように位置づけられて、第2筒状部23に固定されている。即ち、支持部611の径方向Rの内周面6111が、第2筒状部23の径方向Rの外周面233と対向するように設けられて、これに嵌着されている。このように、筒状の支持部611が、第2筒状部23の外周面233に当接されて嵌着されている。
また、係止部613は、第1筒状部22を径方向Rに跨いだ部分、すなわち第1筒状部22の径方向R外側に位置している。係止部613は、第1筒状部22の、凹部26とは反対側の表面である外周面223に当接され、係止されている。
また、カバープレート61と第1筒状部22との間、及びカバープレート61と第2筒状部23との間には、それぞれ第1、第2のOリング62、63が介装されている。本実施形態においては、第1筒状部22に形成された溝224と被覆部612との間に第1のOリング62が介装され、第2筒状部23に形成された溝234と支持部611との間に第2のOリング63が介装されている。
凹部26の内面と、スリーブ3、弾性体4及び振動リング5の外面との間に形成される空間である液体封入空間Sには液体が封入されており、凹部26の開口部261側はカバープレート61により密封されている。
液体封入空間Sに封入される液体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルアルコール、イソプロパノール等を含む不凍液を用いることができる。本実施形態においては、液体はエチレングリコールを含む不凍液である。
上記のトーショナルダンパ1の製造方法を説明すると、まず、スリーブ3と振動リング5を、スリーブ3の内周面31と振動リング5の外周面51を、互いに対向するようにかつ離間して設けた状態で、これら面31、51の間に、加硫成形により弾性体4を形成する。
次に、スリーブ3の外周面32が、第1筒状部22の内周面222と対向するように、スリーブ3を凹部26の内部に移動させて、第1筒状部22に嵌着する。
続いて、液体封入空間Sにエチレングリコールを含む不凍液を入れ、最後にカバープレート61により液体封入空間Sを密封する。
次に、上記のトーショナルダンパ1の作用、効果を説明する。
エンジンを起動させてクランクシャフトが回転すると、クランクシャフトと共にハブ2、スリーブ3、弾性体4及び振動リング5が回転する。この際、トーショナルダンパ1は、クランクシャフトの回転により生じるクランクシャフトの捩り振動を吸収し、減衰させる。即ち、トーショナルダンパ1は、クランクシャフトに取り付けられるハブ2と、スリーブ3及び弾性体4を介してハブ2に装着される振動リング5を備えているが、前記弾性体4のばね定数と、前記振動リング5の慣性質量とによって決まる一定の捩り方向共振周波数を有する副振動系が構成され、その共振による動的吸振効果によって、特定の回転数域における捩り振動を低減する。
上記の動作においてトーショナルダンパ1は、カバープレート61が凹部26の開口部261を全周にわたって密閉して、凹部26の内部と外部Oとを隔離するように設けられているので、クランクシャフトが回転して周囲の油が飛散しても、この油はカバープレート61の、外部Oを向く表面であるエンジン側表面614に付着し、液体封入空間Sの内部への侵入が防止され、弾性体4に付着することはない。
また、油が開口部261から凹部26の内部の液体封入空間S内に侵入しようとしても、液体封入空間S内はエチレングリコールを含む不凍液で満たされているため、油の液体封入空間S内部までの侵入は防止される。したがって、弾性体4を油等から効果的に保護して弾性体4の劣化を防止することができる。また、エチレングリコールは空気よりも高い熱伝導率を有することから、弾性体4の温度をハブ2及び不凍液に効率よく伝達させるため、弾性体4の温度が高くなるのを抑制できる。
このように、ハブ2と振動リング5を連結する弾性体4を油等から効果的に保護するだけでなく、弾性体4が高温になるのを抑制することにより弾性体4の劣化を抑制することができる。
また、トーショナルダンパ1は、フロントカバー内に設けられるが、このような構成によれば、クランクシャフトをフロントカバーの外まで伸ばす必要がなくなるためクランクシャフトの長さを短くすることができる。したがって、クランクシャフトに生じ得る捩り振動を低減することができる。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態におけるトーショナルダンパの断面図である。図3以降の図面においては、前述した第1実施形態と同一要素については同一符号を付し、その説明を省略する。ここでの説明は、前述した第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態においては、振動リング5は、スリーブ3及び弾性体4を介してハブ2に装着される環状の基部52と、基部52から開口部261まで延びる環状の延出部53とを備えている。
カバー要素6は、この実施形態の場合、第1、及び第2のオイルシール64、65である。第1、及び第2のオイルシール64、65は、それぞれ第1筒状部22の内周面222と延出部53の外周面531との間、及び第2筒状部23の外周面233と延出部53の内周面532との間に介装されている。
第1のオイルシール64は、金属環641、リップ部材642、及びガータスプリング643を備えている。
金属環641は、全体として環状に形成されたものであるが、環状に延在部分を断面視したときにL字状の断面形状となっている。
リップ部材642は、ゴム等の弾性材料からなるもので、金属環641に加硫成形されることで、金属環641と一体に形成されている。リップ部材642は、金属環641よりも径方向R内側の位置に、径方向R内側に向けて突出する2つのリップ部を備えている。
2つのリップ部は、ガータスプリング643により、径方向R内側に向けて付勢されている。
このように構成された第1のオイルシール64は、リップ部材642の外周部に位置する部分を第1筒状部22の内周面222に当接させ、2つのリップ部の設けられた側をガータスプリング643によって延出部53の外周面531に押圧させて第1筒状部22と延出部53との間に介装されている。
第2のオイルシール65は、図3に示されるように、上記の第1のオイルシール64に対して延出部53を中に挟んで断面形状が対称となるように構成されたものであり、金属環651、リップ部材652及びガータスプリング653を備えている。
第2のオイルシール65は、リップ部材652のリップ部の設けられた側をガータスプリング653により延出部53の内周面532に押圧させて第2筒状部23と延出部53との間に介装されている。
かくして、この実施形態においては、凹部26内に形成される液体封入空間Sが開口部261側に位置する第1、第2のオイルシール64、65により密封される。
上記のトーショナルダンパ1の製造方法を説明すると、まず、スリーブ3と振動リング5を、スリーブ3の内周面31と振動リング5の外周面51を、互いに対向するようにかつ離間して設けた状態で、これら面31、51の間に、加硫成形により弾性体4を形成する。
更に、スリーブ3の外周面32が、第1筒状部22の内周面222と対向するように、スリーブ3を凹部26の内部に移動させて、第1筒状部22に嵌着する。
続いて、液体封入空間Sにエチレングリコールを含む不凍液を入れ、この状態で第1筒状部22の内周面222と延出部53の外周面531との間に第1のオイルシール64を、第2筒状部23の外周面233と延出部53の内周面532との間に第2のオイルシール65を介装する。
この実施形態においても、クランクシャフトが回転して周囲の油が飛散しても、この油は振動リング5における延出部53の端面、及び第1、第2のオイルシール64、65に付着するだけであり、液体封入空間Sの内部への侵入が防止され、弾性体4に付着することはない。
また、油が開口部261から凹部26の内部の液体封入空間S内に侵入しようとしても、液体封入空間S内はエチレングリコールを含む不凍液で満たされているため、油の液体封入空間S内部までの侵入は抑制される。したがって、弾性体4を油等から効果的に保護して弾性体4の劣化を抑制可能である。また、エチレングリコールは空気よりも高い熱伝導率を有することから、弾性体4の温度をハブ2及び不凍液に効率よく伝達させるため、弾性体4の温度が高くなるのを抑制できる。
不凍液としては、前述したように各種の液体を考えることができるが、熱を外部に放出する熱伝導率の点から、特に好ましい液体としてエチレングリコール(0.25W/m・K)を選択することができる。また、エチレングリコールは、弾性体4(エチレンプロピレンジエンゴム材)の膨潤を抑える点でも有利である。
このように、ハブ2と振動リング5を連結する弾性体4を油等から効果的に保護するだけでなく、弾性体4が高温になるのを抑制することにより弾性体4の劣化を抑制することができる。
なお、本発明のトーショナルダンパは、図面を参照して説明した上述の各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、本発明の趣旨を損なわない範囲において、振動リング5をスリーブ3及び弾性体4を介して第2筒状部23に装着してもよい。
また、上記の第1実施形態においては、第1のOリング62は、例えば第1筒状部22と係止部613との間に介装されていてもよく、第2のOリング63は第2筒状部23と被覆部612との間に介装されていてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記各実施形態及び変形例で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 トーショナルダンパ
2 ハブ
21 板部
211 貫通孔
212 外周端
22 第1筒状部(第1の筒状部)
222 内周面(凹部内の第1の筒状部の表面)
223 外周面(凹部とは反対側の表面)
224 溝
23 第2筒状部(第2の筒状部)
231 フロント側端部
233 外周面
234 溝
24 連結部
241 連結部の外周端
26 凹部
261 開口部
3 スリーブ
31 内周面
32 外周面
33 開口部側の端面
4 弾性体
41 開口部側の端面
5 振動リング
51 外周面
52 基部
53 延出部
531 延出部の外周面
532 延出部の内周面
54 開口部側の端面
6 カバー要素
61 カバープレート
611 支持部
6111 内周面
612 被覆部
613 係止部
614 エンジン側表面
62 第1のOリング
63 第2のOリング
64 第1のオイルシール
641 金属環
642 リップ部材
643 ガータスプリング
65 第2のオイルシール
651 金属環
652 リップ部材
653 ガータスプリング
C 軸
E エンジン側
F フロント側
S 液体封入空間
O 外部
R 径方向

Claims (7)

  1. クランクシャフトに取り付けられるハブと、当該ハブにゴム状の弾性体を介して装着される振動リングとを備えるトーショナルダンパであって、
    前記ハブは、外周側に設けられた第1の筒状部と、当該第1の筒状部の径方向の内側に設けられた第2の筒状部と、これら第1、及び第2の筒状部を前記径方向に連結する連結部とを備えると共に、前記第1及び第2の筒状部及び前記連結部が、前記第1、及び第2の筒状部の軸方向の一方が開口部とされた凹部を備えるように連結して構成され、
    前記振動リング及び弾性体を前記凹部の内部に設け、これら振動リング及び弾性体の外面と前記凹部との間に形成される空間を液体封入空間とすると共に、該液体封入空間に液体を封入し、前記凹部の開口部側をカバー要素により密封した、トーショナルダンパ。
  2. 前記液体が、エチレングリコールを含む不凍液である、請求項1に記載のトーショナルダンパ。
  3. 前記振動リング及び前記弾性体は、前記凹部の内部の、前記第1または第2の筒状部のいずれか一方に設けられている、請求項1又は2に記載のトーショナルダンパ。
  4. 前記カバー要素は、前記振動リング及び弾性体の前記開口部側の端面を覆って該開口部を密封するように前記第1及び第2の筒状部に固定されたカバープレートを備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ。
  5. 前記カバープレートは、前記開口部を覆う被覆部と、
    前記第1の筒状部の外周面に固定された係止部と、
    前記第2の筒状部の外周面に固定された支持部とを備え、
    前記第1の筒状部と前記カバープレートとの間に第1のOリングが介装され、
    前記第2の筒状部と前記カバープレートとの間に第2のOリングが介装されている、請求項4に記載のトーショナルダンパ。
  6. 前記振動リングは、前記弾性体を介して前記ハブに装着される環状の基部と、該基部から前記開口部方向へ延びる環状の延出部とを備え、
    前記カバー要素は、
    前記第1の筒状部の内周面と前記延出部外周面との間に介装された第1のオイルシールと、
    前記第2の筒状部の外周面と前記延出部内周面との間に介装された第2のオイルシールとを備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ。
  7. フロントカバー内に設けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載のトーショナルダンパ。
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