JP2021080888A - Egr装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クーラ弁座又はバイパス弁座の弁体との接触ダメージを低減することができる。【解決手段】EGR装置21は、EGR通路22と、EGR通路22に設けられたEGRクーラ25と、EGR通路22を流れるEGRガスを、EGRクーラ25を流れるEGRガスと、EGRクーラ25を迂回するEGRガスとに切り替えるバイパス弁26と、EGRクーラ25より下流のEGR通路22に設けられたEGR弁23と、バイパス弁26を制御する電子制御装置50とを備える。バイパス弁26は、クーラ流路、クーラ弁座、クーラ弁体、バイパス流路、バイパス弁座及びバイパス弁体を備える。電子制御装置50は、エンジン1の運転状況又はバイパス弁26の制御状況に応じて、弁体がクーラ弁座及びバイパス弁座から離間しクーラ流路及びバイパス流路を中間開度で開くようにバイパス弁26を制御する。【選択図】図1

Description

この明細書に開示される技術は、EGR通路を流れるEGRガスをEGRクーラを流れるEGRガスとEGRクーラを迂回するEGRガスとに切り替えるように構成したEGRクーラバイパス弁を備えたEGR装置に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される「EGRクーラバイパス弁(バイパス弁)」が知られている。この特許文献1には、二つの弁体を有する2弁体タイプのバイパス弁と、一つの弁体を有する1弁体タイプのバイパス弁が開示されている。2弁体タイプのバイパス弁は、EGRガスを冷却するEGRクーラと共に使用され、EGRクーラを通過するEGRガスの流量と、EGRクーラを迂回したEGRガスの流量とを同時に調節するようになっている。このバイパス弁は、EGRクーラを通過したEGRガスが流れるクーラ流路と、EGRクーラを迂回したEGRガスが流れるバイパス流路とを含む弁ケーシングと、クーラ流路に設けられたクーラ弁座と、バイパス流路に設けられたバイパス弁座と、クーラ弁座に着座可能に設けられたクーラ弁体と、バイパス弁座に着座可能に設けられたバイパス弁体と、クーラ弁体とバイパス弁体とを位相をずらした状態で一体に回動する弁軸とを備える。そして、このバイパス弁は、弁軸を一方向へ回転させることによりクーラ弁体を全開としバイパス弁体を全閉とするクーラモードと、弁軸を逆方向へ回動させることによりクーラ弁体を全閉としバイパス弁体を全開とするバイパスモードとに切り替えるようになっている。ここで、クーラモードでは、EGRクーラを通過して冷却されたEGRガスがクーラ流路を流れ、バイパスモードでは、EGRクーラを迂回したEGRガスがバイパス流路を流れるようになっている。また、クーラ流路又はバイパス流路を流れたEGRガスは、共通する流路へ流れるようになっている。なお、上記した1弁体タイプのバイパス弁も、2弁体タイプのバイパス弁と同等の機能を有する。
特開2019-2303号公報
ところが、特許文献1に記載の2弁体タイプのバイパス弁では、例えば、クーラモードにおいて、バイパス弁座に着座して全閉となったバイパス弁体には、その上流側に、EGRクーラを通過する前のEGRガスによる圧力が作用し、その下流側に、EGRクーラを通過し、かつクーラ流路を流れたEGRガスによる圧力が作用することになる。ここで、上流側に作用する圧力と下流側に作用する圧力は、バイパス弁体に作用するまでの経路長さが異なることから、圧力が作用するタイミングがずれる。このため、あるタイミングでバイパス弁体の上流側に作用する圧力と下流側に作用する圧力との間に圧力差が生じる。また、EGRクーラを流れるEGRガスは、エンジンの排気脈動の影響を受けて脈動することから、この圧力差は、バイパス弁体に対し繰り返し周期的に作用することになる。バイパスモードにおいては、上記と同様の理由で、全閉となったクーラ弁体の上流側と下流側との間に圧力差が生じる。この結果、全閉となったバイパス弁体又はクーラ弁体は、繰り返し圧力差の荷重を受けて振動するおそれがあり、バイパス弁座又はクーラ弁座がバイパス弁体又はクーラ弁体との接触による摩耗等の損傷を受けるおそれがある。上記振動は、弁軸とそれを支持する軸受との間にも作用することから、軸受が弁軸との接触による摩耗等の損傷を受けるおそれもある。一つの弁体を備えたバイパス弁についても、上記と同様に、弁体の振動により弁座が損傷を受けたり、弁軸の振動により軸受が損傷を受けたりするおそれがある。
一方、クーラ弁体がクーラ弁座に着座し、バイパス弁体がバイパス弁座から離間しているときは、バイパス流路にEGRクーラで冷却されない高温のEGRガスが流れバイパス弁座に過大な熱負荷が作用することがある。この状態からバイパス弁体がバイパス弁座に着座する閉弁方向へ切り替えられると、その切り替え時にバイパス弁体との接触によるバイパス弁座のダメージが大きくなる傾向がある。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、クーラ弁座又はバイパス弁座の弁体との接触によるダメージを低減することを可能としたEGR装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気をEGRガスとして吸気通路へ流すためのEGR通路と、EGRガスを冷却するためにEGR通路に設けられたEGRクーラと、EGR通路を流れるEGRガスを、EGRクーラを流れるEGRガスと、EGRクーラを迂回するEGRガスとに切り替えるためのEGRクーラバイパス弁と、EGRクーラバイパス弁は、弁ケーシングと、弁ケーシングに設けられ、EGRクーラを流れたEGRガスが通過するクーラ流路と、弁ケーシングに設けられ、EGRクーラを迂回するEGRガスが通過するバイパス流路と、クーラ流路に設けられたクーラ弁座と、バイパス流路に設けられたバイパス弁座と、クーラ弁座とバイパス弁座に対し選択的に着座可能に設けられた少なくとも一つの弁体と、弁体を回動するための弁軸とを含むことと、EGRクーラバイパス弁より下流のEGR通路に設けられ、EGR通路におけるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、少なくともEGRクーラバイパス弁を制御するための制御手段とを備えたEGR装置において、制御手段は、エンジンの運転状況又はEGRクーラバイパス弁の制御状況に応じて、弁体がクーラ弁座及びバイパス弁座から離間しクーラ流路及びバイパス流路を所定の中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、弁体がクーラ弁座又はバイパス弁座に着座している状態で、弁体の上流側に作用する圧力と下流側に作用する圧力との圧力差はエンジンの運転状況に応じて異なる。例えば、高負荷の運転状況では、圧力差によって弁体が受けるダメージが大きくなる傾向がある。また、弁体がクーラ弁座に着座し、バイパス弁座から離間しているときは、バイパス流路にEGRクーラで冷却されない高温のEGRガスが流れ弁体やバイパス弁座に過大な熱負荷が作用する状態となる。この状態から弁体がバイパス弁座に着座する状態(全閉)へ一気に切り替えられると、過大な熱負荷と圧力差を受けて、弁体やバイパス弁座が受けるダメージが大きくなる傾向がある。ここで、制御手段は、エンジンの運転状況又はEGRクーラバイパス弁の制御状況に応じて、クーラ流路及びバイパス流路を所定の中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御する。従って、クーラ流路及びバイパス流路が中間開度に開かれることで、弁体の上流側と下流側との間の圧力差が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、弁体は、クーラ流路を開閉するためのクーラ弁体と、バイパス流路を開閉するためのバイパス弁体とを含み、クーラ弁体とバイパス弁体とが位相をずらした状態で弁軸に固定され、弁軸を一方向へ回転させることにより、クーラ弁体がクーラ弁座から離間すると共にバイパス弁体がバイパス弁座に着座するようにクーラ弁体及びバイパス弁体を作動させるクーラモードと、弁軸を逆方向へ回転させることにより、クーラ弁体がクーラ弁座に着座すると共にバイパス弁体がバイパス弁座から離間するようにクーラ弁体及びバイパス弁体を作動させるバイパスモードとに切り替え可能に構成されたことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、制御手段は、エンジンの運転状況に応じて、クーラ弁体とバイパス弁体のそれぞれがクーラ弁座とバイパス弁座から離間しクーラ流路及びバイパス流路を所定の中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御する。従って、クーラ流路及びバイパス流路が中間開度に開かれることで、バイパス弁体又はクーラ弁体の上流側と下流側との間の圧力差が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、弁体は、クーラ流路とバイパス流路を選択的に開閉するための一つの弁体により構成され、弁軸を一方向へ回転させることにより、弁体がクーラ弁座から離間すると共にバイパス弁座に着座するように弁体を作動させるクーラモードと、弁軸を逆方向へ回転させることにより、弁体がクーラ弁座に着座すると共にバイパス弁座から離間するように弁体を作動させるバイパスモードとに切り替え可能に構成されたことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、制御手段は、エンジンの運転状況又はEGRクーラバイパス弁の制御状況に応じて、一つの弁体がクーラ弁座及びバイパス弁座から離間しクーラ流路及びバイパス流路を所定の中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御する。従って、クーラ流路及びバイパス流路が中間開度に開かれることで、一つの弁体の上流側と下流側との間に作用する圧力差が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術において、制御手段は、エンジンの運転時に、エンジンの負荷が所定値以上に高くなるときに、弁体がクーラ流路及びバイパス流路を中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の作用に加え、制御手段は、エンジンの負荷が所定値以上に高くなるときに、弁体がクーラ流路及びバイパス流路を中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御する。従って、エンジンが高負荷となるときに弁体の上流側と下流側との間に作用する圧力差が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項2又は3に記載の技術において、制御手段は、エンジンの運転時に、EGRクーラバイパス弁がバイパスモードからクーラモードへ切り替わるときに、その切り替え前に弁体がクーラ流路及びバイパス流路を一旦中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項2又は3に記載の技術の作用に加え、制御手段は、EGRクーラバイパス弁がバイパスモードからクーラモードへ切り替わるときに、その切り替え前に弁体がクーラ流路及びバイパス流路を一旦中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御する。従って、バイパス流路に高温のEGRガスが流れる状態からバイパス弁体がバイパス弁座に着座するときは、その着座前に弁体の上流側と下流側との間に作用する圧力差が一旦軽減される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術において、制御手段は、エンジンの運転時に、クーラ弁座又はバイパス弁座に着座した弁体の上流側に作用する圧力と弁体の下流側に作用する圧力との圧力差が所定値より大きくなると判断したときに、弁体がクーラ流路及びバイパス流路を中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の作用に加え、制御手段は、クーラ弁座又はバイパス弁座に着座した弁体の上流側に作用する圧力と弁体の下流側に作用する圧力との圧力差が所定値より大きくなると判断したときに、弁体がクーラ流路及びバイパス流路を中間開度で開くようにEGRクーラバイパス弁を制御する。従って、弁体の上流側と下流側との間に作用する圧力差が軽減される。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術において、EGRクーラは、EGRガスが流れる略U形のクーラ通路を含むことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の作用に加え、クーラ通路が略U形となることで、クーラ通路とクーラ流路を経由した弁体までの経路と、少なくともバイパス流路を経由した弁体までの経路との差が大きくなり、弁体の上流側と下流側との間に作用する圧力差が大きくなる傾向がある。この場合も、クーラ流路及びバイパス流路を中間開度で開くことで、弁体に作用する圧力差が軽減される。
請求項1に記載の技術によれば、クーラ弁座又はバイパス弁座の弁体との接触によるダメージを低減することができる。
請求項2に記載の技術によれば、クーラ弁座のクーラ弁体との接触によるダメージ又はバイパス弁座のバイパス弁体との接触によるダメージを低減することができる。
請求項3に記載の技術によれば、クーラ弁座又はバイパス弁座の一つの弁体との接触によるダメージを低減することができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の効果に加え、弁体の上流側と下流側との間の圧力差の脈動が大きくなるエンジン高負荷状況下において、その圧力差の脈動の影響を低減することができ、クーラ弁座又はバイパス弁座の弁体との接触によるダメージを低減することができる。
請求項5に記載の技術によれば、請求項2又は3に記載の技術の効果に加え、バイパスモードのときに高温のEGRガスによって弁体とバイパス弁座が大きな熱負荷を受けた直後の厳しい状況において、バイパス弁座における弁体の着座によるダメージを低減することができる。
請求項6に記載の技術によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の効果に加え、弁体に作用する圧力差の程度に応じてクーラ弁座又はバイパス弁座の弁体との接触によるダメージを低減することができる。
請求項7に記載の技術によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の技術の効果に加え、クーラ弁座又はバイパス弁座に着座した弁体に作用する圧力差が略U形のクーラ通路により相対的に大きくなっても、その圧力差による影響を低減することができる。
第1実施形態に係り、ガソリンエンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、UフロータイプのEGRクーラユニットを概略的に示す断面図。 第1実施形態に係り、バイパスモードにおけるバイパス弁の各弁体の開閉状態と、EGRクーラユニットにおけるEGRガスの流れとの関係を示す断面図。 第1実施形態に係り、クーラモードにおけるバイパス弁の各弁体の開閉状態と、EGRクーラユニットにおけるEGRガスの流れとの関係を示す断面図。 第1実施形態に係り、バイパスモードでのクーラ流路とクーラ弁体の状態を示す断面図。 第1実施形態に係り、バイパスモードでのバイパス流路とバイパス弁体の状態を示す断面図。 第1実施形態に係り、クーラモードでのクーラ流路とクーラ弁体の状態を示す断面図。 第1実施形態に係り、クーラモードでのバイパス流路とバイパス弁体の状態を示す断面図。 第1実施形態に係り、クーラモードでのバイパス弁体に作用する前圧力、後圧力及び前後差圧の変化を示すグラフ。 第1実施形態に係り、バイパスモードでのクーラ弁体に作用する前圧力、後圧力及び前後差圧の変化を示すグラフ。 第1実施形態に係り、第1バイパス弁制御の内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、第2バイパス弁制御の内容を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、UフロータイプのEGRクーラユニットを示す断面図。 第3実施形態に係り、クーラモードにおける(a)入口流路での前圧力及び導出流路での後圧力と、(b)前後差圧の変化を示すグラフ。 第3実施形態に係り、第3バイパス弁制御の内容を示すフローチャート。 第4実施形態に係り、UフロータイプのEGRクーラユニットを示す断面図。 第4実施形態に係り、クーラモードにおける(a)入口流路での前圧力及び導出流路での後圧力と、(b)前後差圧の変化を示すグラフ。
以下、EGR装置をガソリンエンジンシステムに具体化したいくつかの実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について説明する。
[エンジンシステムについて]
図1に、自動車に搭載されたガソリンエンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」と言う。)を概略構成図により示す。エンジンシステムは、複数の気筒を有するエンジン1を備える。このエンジン1は、4気筒、4サイクルのレシプロエンジンであって、ピストン2及びクランクシャフト3等の周知の構成を含む。エンジン1には、各気筒へ吸気を導入するための吸気通路4と、エンジン1の各気筒から排気を導出するための排気通路5が設けられる。吸気通路4には、その上流側から順にエアクリーナ6、スロットル装置7及び吸気マニホールド8が設けられる。
スロットル装置7は、吸気マニホールド8より上流の吸気通路4に配置され、運転者のアクセル操作に応じて開閉駆動されることで、吸気通路4を流れる吸気量を調節するようになっている。この実施形態で、スロットル装置7は、DCモータ方式の電動弁により構成され、開閉駆動されるスロットル弁7aと、スロットル弁7aの開度(スロットル開度)TAを検出するためのスロットルセンサ41とを含む。吸気マニホールド8は、エンジン1の直上流に配置され、吸気が導入されるサージタンク8aと、サージタンク8aに導入された吸気をエンジン1の各気筒へ分配するための複数(4つ)の分岐管8b(一つのみ図示した。)とを含む。排気通路5には、触媒9が設けられる。触媒9は、排気を浄化するために、例えば、三元触媒により構成される。
エンジン1には、各気筒に対応して燃料を噴射するためのインジェクタ11が設けられる。インジェクタ11は、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料をエンジン1の各気筒へ噴射するように構成される。各気筒では、インジェクタ11から噴射される燃料と吸気マニホールド8から導入される吸気とにより可燃混合気が形成される。
また、エンジン1には、各気筒に対応して点火装置13が設けられる。点火装置13は、各気筒で形成される可燃混合気に点火するように構成される。各気筒内の可燃混合気は、点火装置13の点火動作により爆発・燃焼し、燃焼後の排気は、排気通路5へ排出され、触媒9を経て外部へ排出される。このとき、各気筒でピストン2が上下運動し、クランクシャフト3が回転することでエンジン1に動力が得られる。
この実施形態のエンジンシステムは、高圧ループタイプの排気還流装置(EGR装置)21を備える。このEGR装置21は、各気筒から排出される排気の一部を排気還流ガス(EGRガス)としてエンジン1の各気筒へ還流させるための装置である。EGR装置21は、排気通路5へ排出される排気の一部をEGRガスとして吸気通路4へ流すための排気還流通路(EGR通路)22と、EGR通路22におけるEGRガスの流量を調節するための排気還流弁(EGR弁)23と、EGR通路22を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラユニット24とを備える。EGR通路22は、入口22aと出口22bを有する。その入口22aは、触媒9より上流の排気通路5に接続され、その出口22bは、スロットル装置7より下流の吸気通路4(サージタンク8a)に接続される。EGR弁23は、EGRクーラユニット24より下流のEGR通路22に設けられる。
EGRクーラユニット24は、EGR通路22におけるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ25と、EGR通路22を流れるEGRガスを、EGRクーラ25を流れるEGRガスと、EGRクーラ25を迂回するEGRガスとに切り替えるためのEGRクーラバイパス弁(以下、単に「バイパス弁」という。)26とを備える。この実施形態で、EGR弁23は、DCモータ方式の電動弁により構成され、開度可変に構成される。バイパス弁26は、DCモータ方式の電動弁により構成され、開度可変に構成される。EGRクーラユニット24の詳しい構成については後述する。
[エンジンシステムの電気的構成について]
図1に示すように、このエンジンシステムは、エンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する各種センサ等41〜48を備える。エアクリーナ6に設けられたエアフローメータ42は、エアクリーナ6から吸気通路4へ流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。同じくエアクリーナ6に設けられた外気温センサ43は、吸気通路4に導入される外気の温度(外気温度)THAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク8aに設けられた吸気圧センサ44は、スロットル装置7より下流の吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた水温センサ45は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転数センサ46は、クランクシャフト3の回転数をエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気通路5に設けられた空燃比センサ47は、排気通路5へ排出される排気中の空燃比A/Fを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。運転席に設けられたアクセルペダル16には、アクセルセンサ48が設けられる。アクセルセンサ48は、アクセルペダル16の踏み込み角度をアクセル開度ACCとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
このエンジンシステムは、各種制御を司る電子制御装置(ECU)50を備える。ECU50には、各種センサ等41〜48がそれぞれ接続される。また、ECU50には、スロットル装置7、インジェクタ11、点火装置13、EGR弁23及びバイパス弁26等がそれぞれ接続される。
この実施形態で、ECU50は、各種センサ等41〜48から出力される各種信号を入力し、それら信号に基づいて燃料噴射制御及び点火時期制御を実行するために、各インジェクタ11及び各点火装置13をそれぞれ制御する。ECU50は、燃料噴射制御において、エンジン1の運転状態に応じた燃料噴射量TAUを算出するようになっている。また、ECU50は、各種信号に基づいて吸気制御、EGR制御及びEGRクーラユニット制御を実行するために、スロットル装置7、EGR弁23及びバイパス弁26をそれぞれ制御するようになっている。
ここで、吸気制御とは、運転者によるアクセルペダル16の操作に応じたアクセルセンサ48の検出値に基づいてスロットル装置7を制御することにより、エンジン1に導入される吸気量を制御することである。EGR制御とは、エンジン1の運転状態に応じてEGR弁23を制御することにより、エンジン1に還流されるEGRガス流量を制御することである。EGRクーラユニット制御(後述する第1〜第3のバイパス弁制御を含む。)とは、エンジン1の運転状態に応じてバイパス弁26を制御することにより、EGRクーラ25によるEGRガスの冷却と非冷却の切り替えを制御することである。
周知のようにECU50は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、エンジン1の各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ等41〜48の検出値に基づき、所定の制御プログラムに基づいて前述した各種制御を実行するようになっている。この実施形態で、ECU50は、この開示技術における制御手段の一例に相当する。
[EGRクーラユニットの構成について]
次に、EGRクーラユニット24の構成について詳しく説明する。図2に、この実施形態におけるUフロータイプのEGRクーラユニット24を概略的な断面図により示す。このEGRクーラユニット24は、EGRクーラ25と、バイパス弁26と、EGRガスを導出するための出口パイプ27とを備える。EGRクーラ25は、クーラケーシング51と、熱交換器52とを含む。クーラケーシング51は、EGRガスを導入する入口パイプ53と、バイパス通路54と、クーラ通路55とを含む。この実施形態で、クーラ通路55は略U形をなし、その屈曲部より下流に熱交換器52が設けられる。バイパス通路54の一端とクーラ通路55の一端は、入口パイプ53に連通する。熱交換器52には、矢印で示すようにエンジン冷却水(温水)が循環するようになっている。入口パイプ53と出口パイプ27には、それぞれEGR通路22が接続される。入口パイプ53に流入したEGRガスは、クーラ通路55を流れ、熱交換器52を通過することで冷却されるようになっている。バイパス通路54を流れるEGRガスは熱交換器52により冷却されない。
[バイパス弁の構成について]
図2に示すように、バイパス弁26は、EGRクーラ25のクーラ通路55を通過するEGRガスの流量と、EGRクーラ25のバイパス通路54を通過するEGRガスの流量とを調節するようになっている。このバイパス弁26は、並列二弁タイプであって、主要な構成要素として、弁ケーシング61、二つの弁体62,63、弁軸64及び駆動部65を備える。駆動部65は、減速機構とDCモータを内蔵する。弁ケーシング61は、二つの流路66,67を含む。
弁ケーシング61は、クーラ通路55に連通するクーラ流路66と、バイパス通路54に連通するバイパス流路67とを含み、クーラ流路66とバイパス流路67とが隔壁68により仕切られる。クーラ流路66には、クーラ通路55及び熱交換器52を通過したEGRガスが流れる。バイパス流路67には、バイパス通路54を通過したEGRガスが流れる。クーラ流路66には、同流路66を開閉するための板状をなすクーラ弁体62が配置される。バイパス流路67には、同流路67を開閉するための板状をなすバイパス弁体63が配置される。この実施形態で、クーラ弁体62及びバイパス弁体63はそれぞれバタフライ式弁体であり、一つの弁軸64に一体に固定される。弁軸64は、弁ケーシング61にて、クーラ流路66、隔壁68及びバイパス流路67を貫通するように配置され、軸受(図示略)を介して回転可能に支持される。クーラ弁体62はクーラ流路66にて弁軸64に固定され、バイパス弁体63はバイパス流路67にて弁軸64に固定される。また、クーラ弁体62とバイパス弁体63は、互いに位相を所定角度(ほぼ80°)ずらした状態で弁軸64に固定される。従って、弁軸64を一方向へ回転させることにより、クーラ弁体62が開弁方向へ回動されると共にバイパス弁体63が閉弁方向へ回動される。一方、弁軸64を逆方向へ回転させることにより、クーラ弁体62が閉弁方向へ回動されると共にバイパス弁体63が開弁方向へ回動される。
図3、図4に、バイパス弁26の各弁体62,63の開閉状態と、EGRクーラユニット24におけるEGRガスの流れとの関係を断面図により示す。図3は、クーラ弁体62が全閉でバイパス弁体63が全開(開弁)となるバイパスモードの状態を示す。この状態では、入口パイプ53に流入したEGRガスが、そのまま冷却されることなくバイパス通路54を経由して、バイパス弁26のバイパス流路67へ流れ、出口パイプ27を介してEGR通路22へ流れる。図5に、バイパスモードでのクーラ流路66とクーラ弁体62の状態を断面図により示す。図6に、バイパスモードでのバイパス流路67とバイパス弁体63の状態を断面図により示す。クーラ流路66には、クーラ弁座66aが設けられ、クーラ弁体62が全閉となるときに、クーラ弁体62がクーラ弁座66aに着座するようになっている。バイパス弁体63が全開となるときは、バイパス弁体63がバイパス弁座67aから離間するようになっている。
一方、図4は、クーラ弁体62が全開でバイパス弁体63が全閉となるクーラモードの状態を示す。この状態では、入口パイプ53に流入したEGRガスが、略U形のクーラ通路55を経由し、熱交換器52で冷却されてから、バイパス弁26のクーラ流路66へ流れ、出口パイプ27を介してEGR通路22へ流れる。図7に、クーラモードでのクーラ流路66とクーラ弁体62の状態を断面図により示す。図8に、クーラモードでのバイパス流路67とバイパス弁体63の状態を断面図により示す。クーラ弁体62が全開となるときは、クーラ弁体62がクーラ弁座66aから離間するようになっている。バイパス弁体63が全閉となるときは、バイパス弁体63がバイパス弁座67aに着座するようになっている。
このEGRクーラユニット24は、上記構成により、弁軸64を回転させて各弁体62,63を開閉させることにより、各流路66,67におけるEGRガスの流量を調節するように構成される。従って、例えば、図3に示すように、クーラ弁体62が全閉位置に配置されたときは、バイパス弁体63が全開位置に配置され、EGRクーラ25(熱交換器52)を迂回した冷却されないEGRガスがバイパス通路54及びバイパス流路67を流れる。この状態から、EGRガスを冷却するために駆動部65を制御することにより、弁軸64及び各弁体62,63が一方向へ回動され、クーラ流路66が開かれ、バイパス流路67が閉じられる。また、各弁体62,63をある開度に保持するために駆動部65を制御することにより、各弁体62,63がそれぞれ所定の中間開度に保持される。一方、図4に示すように、クーラ弁体62が全開位置に配置されたときは、バイパス弁体63が全閉位置に配置され、クーラ通路55を流れてEGRクーラ25(熱交換器52)で冷却されたEGRガスがクーラ流路66を流れる。この実施形態で、両弁体62,63はそれぞれ全閉位置と全開位置とに切り替え配置されると共に、全閉位置と全開位置との間の任意の中間開度に配置可能に構成される。このように両弁体62,63の開閉位置(開度)を制御することにより、クーラ流路66を通過するEGRガスの流量とバイパス流路67を通過するEGRガスの流量がそれぞれ調節され、出口パイプ27から流れ出るEGRガスの温度(ガス出口温度)を任意に制御できるようになっている。
ここで、このEGRクーラユニット24がクーラモードとなるときは、図4に破線矢印で示すように、全閉となったバイパス弁体63には、その上流側に、EGRクーラ25を通過する前のEGRガスによる前圧力P1が作用し、その下流側に、EGRクーラ25とクーラ流路66を通過したEGRガスによる後圧力P2が作用することになる。ここで、前圧力P1と後圧力P2は、バイパス弁体63に作用するまでの経路長さが異なることから、それら圧力P1,P2が作用するタイミングがずれ、前圧力P1と後圧力P2との間に圧力差(前後差圧)ΔP1が生じる。また、EGR通路22を流れるEGRガスは、エンジン1の排気脈動の影響を受けて脈動することから、この前後差圧ΔP1も脈動し、バイパス弁体63に対し周期的に作用することになる。図9に、クーラモードでのバイパス弁体63に作用する前圧力P1、後圧力P2及び前後差圧ΔP1の変化をグラフに示す。図9において、前圧力P1のピークと、後圧力P2のピークとの時間差Δt1が、それら圧力P1,P2が作用するタイミングのずれを意味する。
一方、EGRクーラユニット24がバイパスモードになるときは、図3に破線矢印で示すように、全閉となったクーラ弁体62の上流側に、クーラ通路55を介してEGRガスによる前圧力P3が作用し、その下流側に、バイパス通路54とバイパス流路67を通過したEGRガスによる後圧力P4が作用することになる。ここで、前圧力P3と後圧力P4は、クーラ弁体62に作用するまでの経路長さが異なることから、それら圧力P3,P4が作用するタイミングがずれ、前圧力P3と後圧力P4との間に前後差圧ΔP3が生じる。また、バイパス通路54を流れるEGRガスも、排気脈動の影響を受けて脈動することから、この前後差圧ΔP3も脈動し、クーラ弁体62に対し周期的に作用することになる。図10に、バイパスモードでのクーラ弁体62に作用する前圧力P3、後圧力P4及び前後差圧ΔP3の変化をグラフに示す。図10において、前圧力P3のピークと、後圧力P4のピークとの時間差Δt2が、それら圧力P3,P4が作用するタイミングのずれを意味する。
上記のように全閉位置に配置されたバイパス弁体63又はクーラ弁体62は、繰り返し前後差圧ΔP1,ΔP3の荷重を受けて振動することになり、バイパス弁座67a又はクーラ弁座66aが摩耗等のダメージを受けるおそれがある。そこで、この実施形態では、次のような第1バイパス弁制御を実行するようになっている。
[第1バイパス弁制御について]
図11に、この実施形態における第1バイパス弁制御の内容をフローチャートにより示す。処理がこのルーチンへ移行すると、先ず、ステップ100で、ECU50は、EGR弁23は全閉か否かを判断する。ここで、ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ110では、ECU50は、スロットルセンサ41及び回転数センサ46の検出値に基づき、スロットル開度TAとエンジン回転数NEをそれぞれ取り込む。また、ECU50は、燃料噴射制御で求めた燃料噴射量TAU等を取り込む。
次に、ステップ120で、ECU50は、取り込まれたスロットル開度TA、エンジン回転数NE及び燃料噴射量TAU等に基づきエンジン負荷KLを算出する。
次に、ステップ130で、ECU50は、エンジン負荷KLが所定値以上の高負荷か否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、全閉となったバイパス弁体63の前後差圧ΔP1又は全閉となったクーラ弁体62の前後差圧ΔP3がある程度大きくなったものとして処理をステップ140へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
そして、ステップ140では、ECU50は、バイパス弁26を所定の中間開度に制御する。すなわち、ECU50は、クーラ弁体62及びバイパス弁体63の両方がクーラ流路66及びバイパス流路67を所定の中間開度に開くようにバイパス弁26を制御する。ここで、中間開度とは、クーラ弁体62がクーラ弁座66aから離間すると共に、バイパス弁体63がバイパス弁座67aから離間する開度であって、それぞれ全閉から全開までの間に位置する任意の開度を想定することができる。
上記第1バイパス弁制御によれば、ECU50は、エンジン1の運転時にEGR弁23が全閉(閉弁)するときに、すなわち、エンジン1の運転状況に応じて、クーラ弁体62及びバイパス弁体63の両方がクーラ弁座66a及びバイパス弁座67aからそれぞれ離間するようにクーラ流路66及びバイパス流路67を所定の中間開度で開くようにバイパス弁26を制御するようになっている。
[EGR装置の作用及び効果]
以上説明したこの第1実施形態のEGR装置21によれば、クーラ弁体62がクーラ弁座66aに着座している状態で、クーラ弁体62の上流側に作用する前圧力P3と下流側に作用する後圧力P4との前後差圧ΔP3(圧力差)はエンジンの運転状況に応じて異なる。同様に、バイパス弁体63がバイパス弁座67aに着座している状態で、バイパス弁体63の上流側に作用する前圧力P1と下流側に作用する後圧力P2との前後差圧ΔP1(圧力差)はエンジンの運転状況に応じて異なる。例えば、エンジン1が高負荷の運転状況では、前後差圧ΔP3によってクーラ弁体62やクーラ弁座66aが受けるダメージや、前後差圧ΔP1によってバイパス弁体63やバイパス弁座67aが受けるダメージは大きくなる傾向がある。ここで、ECU50は、エンジン1の運転状況に応じて、クーラ弁体62とバイパス弁体63のそれぞれがクーラ弁座66aとバイパス弁座67aから離間しクーラ流路66及びバイパス流路67を所定の中間開度で開くようにバイパス弁26を制御する。従って、クーラ流路66及びバイパス流路67が中間開度に開かれることで、バイパス弁体63の前後差圧ΔP1(圧力差)又はクーラ弁体62の前後差圧ΔP3(圧力差)が軽減される。このため、クーラ弁座66aのクーラ弁体62との接触によるダメージ又はバイパス弁座67aのバイパス弁体63との接触によるダメージを低減することができる。また、軸受の弁軸64との接触によるダメージを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、ECU50は、エンジン負荷KLが所定値以上の高負荷となるときに、クーラ弁体62がクーラ流路66を、バイパス弁体63がバイパス流路67をそれぞれ中間開度で開くようにバイパス弁26を制御する。従って、エンジン1が高負荷となるときにクーラ弁体62の前後差圧ΔP3(圧力差)又はバイパス弁体63の前後差圧ΔP1(圧力差)が軽減される。このため、前後差圧ΔP1,ΔP3の脈動が大きくなるエンジン高負荷状況下において、その前後差圧ΔP1,ΔP3の脈動による影響を低減することができ、クーラ弁座66aのクーラ弁体62との接触によるダメージ又はバイパス弁座67aのバイパス弁体63との接触によるダメージを低減することができる。また、軸受の弁軸64との接触によるダメージを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、クーラ通路55が略U形となることで、クーラ通路55とクーラ流路66を経由したクーラ弁体62又はバイパス弁体63までの経路と、バイパス通路54とバイパス流路67を経由したバイパス弁体63又はクーラ弁体62までの経路との差が大きくなり、バイパス弁体63の前後差圧ΔP1(圧力差)又はクーラ弁体62の前後差圧ΔP3(圧力差)が大きくなる傾向がある。この場合も、クーラ流路66及びバイパス流路67を中間開度で開くことで、バイパス弁体63に作用する前後差圧ΔP1又はクーラ弁体62に作用する前後差圧ΔP3が軽減される。このため、クーラ弁座66aに着座したバイパス弁体63に作用する前後差圧ΔP1(圧力差)又はクーラ弁座66aに着座したクーラ弁体62に作用する前後差圧ΔP3(圧力差)が、略U形のクーラ通路55により相対的に大きくなっても、それら前後差圧ΔP1,ΔPによる影響を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において前記第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。この実施形態では、第2バイパス弁制御の内容の点で、第1実施形態と構成が異なる。
[第2バイパス弁制御について]
図12に、この実施形態の第2バイパス弁制御の内容をフローチャートにより示す。処理がこのルーチンへ移行すると、ECU50は、先ず、ステップ200で、外気温センサ43及び水温センサ45の検出値に基づき外気温度THA及び冷却水温度THWをそれぞれ取り込む。
次に、ステップ210で、ECU50は、冷却水温度THWが第1所定値Thw1より低いか否か、又は、外気温度THAが第1所定値Tha1より低いか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ220へ移行し、この判断結果が否定となる場合はステップ210の処理を繰り返す。
次に、ステップ220では、ECU50は、バイパス弁26をバイパスモードに制御する。すなわち、ECU50は、バイパス流路67が全開となりクーラ流路66が全閉となるようにバイパス弁26を制御する。
次に、ステップ230で、ECU50は、外気温センサ43及び水温センサ45の検出値に基づき外気温度THA及び冷却水温度THWを再び取り込む。
次に、ステップ240で、ECU50は、冷却水温度THWが第1所定値Thw1以上か否か、又は、外気温度THAが第1所定値Tha1以上か否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ250へ移行し、この判断結果が否定となる場合はステップ240の処理を繰り返す。
そして、ステップ250では、ECU50は、バイパス弁26を中間開度に制御する。すなわち、ECU50は、クーラ弁体62及びバイパス弁体63の両方がクーラ流路66及びバイパス流路67を所定の中間開度に開くようにバイパス弁26を制御する。
次に、ステップ260で、ECU50は、外気温センサ43及び水温センサ45の検出値に基づき外気温度THA及び冷却水温度THWを再び取り込む。
次に、ステップ270で、ECU50は、冷却水温度THWが第2所定値Thw2(Thw2>Thw1)以上か否か、又は、外気温度THAが第2所定値Tha2(Tha2>Tha1)以上か否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ280へ移行し、この判断結果が否定となる場合はステップ270の処理を繰り返す。
そして、ステップ280では、ECU50は、バイパス弁26をクーラモードに制御する。すなわち、ECU50は、バイパス流路67が全閉となりクーラ流路66が全開となるようにバイパス弁26を制御する。その後、ECU50は、処理を200へ戻す。
なお、上記した冷却水温度THWと外気温度THAに関する各種所定値Thw1,Thw2,Tha1,Tha2の設定は、エンジン1に対するEGRガスの導入効率や混合気の燃焼性のバランスとの関係から任意に設定することができる。
上記第2バイパス弁制御によれば、ECU50は、エンジン1の運転時に、バイパス弁26をバイパスモードからクーラモードへ切り替えるときに、すなわち、バイパス弁26の制御状況に応じて、その切り替え前にクーラ弁体62及びバイパス弁体63の両方がクーラ流路66及びバイパス流路67を一旦中間開度に開くようにバイパス弁26を制御するようになっている。
[EGR装置の作用及び効果]
以上説明したこの実施形態の構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができると共に、第1バイパス弁制御とは異なり次のような作用及び効果を得ることができる。ここで、クーラ弁体62がクーラ弁座66aに着座した全閉となり、バイパス弁体63がバイパス弁座67aから離間した全開となるとき(バイパスモード)では、バイパス流路67にEGRクーラ25で冷却されない高温のEGRガスが流れてバイパス弁体63及びバイパス弁座67aに過大な熱負荷が作用する状態となる。この状態からバイパス弁体63がバイパス弁座67aに着座した全閉となり、クーラ弁体62がクーラ弁座66aから離間した全開となるとき(クーラモード)へ一気に切り替えられると、過大な熱負荷と前後差圧ΔP1の脈動を受けて、バイパス弁座67a及びバイパス弁体63の受けるダメージが大きくなる傾向がある。そこで、この実施形態では、ECU50は、バイパス弁26がバイパスモードからクーラモードへ切り替わるときに、その切り替え前にクーラ弁体62及びバイパス弁体63がクーラ流路66及びバイパス流路67をそれぞれ一旦中間開度で開くようにバイパス弁26を制御する。従って、バイパス流路67に高温のEGRガスが流れる状態(バイパスモード)からバイパス弁体63がバイパス弁座67aに着座する状態(クーラモード)に切り替えるときは、その切り替え前にクーラ流路66及びバイパス流路67がそれぞれ一旦中間開度に開かれることで、バイパス弁体63及びバイパス弁座67aに作用する熱負荷や前後差圧ΔP1(圧力差)が一旦軽減される。このため、バイパスモードのときに高温のEGRガスによってバイパス弁体63とバイパス弁座67aが大きな熱負荷や前後差圧ΔP1を受けた直後の厳しい状況において、バイパス弁座67aにおけるバイパス弁体63の着座によるダメージを低減することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。この実施形態では、EGRクーラユニットの構成と、第3バイパス弁制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。
[EGRクーラユニットの構成について]
先ず、EGRクーラユニットの構成について説明する。図13に、この実施形態におけるUフロータイプのEGRクーラユニット31を断面図により示す。この実施形態では、図1のエンジンシステムにおいて、EGRクーラユニット24に代わり、このEGRクーラユニット31がEGR通路22に設けられる。このEGRクーラユニット31は、EGRクーラ32と、バイパス弁33とを備える。EGRクーラ32は、クーラケーシング71と、熱交換器72とを含む。クーラケーシング71は、略U形をなすクーラ通路73を備え、その屈曲部より下流に熱交換器72が設けられる。熱交換器72には、エンジン冷却水(温水)が循環するようになっている。バイパス弁33は、クーラ通路73の入口73aと出口73bに接続される。バイパス弁33から、入口73aに流入したEGRガスは、クーラ通路73を流れ、熱交換器72を通過することで冷却されるようになっている。
[バイパス弁の構成について]
図13に示すように、バイパス弁33は、EGRクーラ32(クーラ通路73及び熱交換器72)を通過するEGRガスの流量と、後述するバイパス流路87を通過するEGRガスの流量を調節するようになっている。このバイパス弁33は、バタフライ弁タイプであって、主要な構成要素として、弁ケーシング81、一つの弁体82、弁軸83及び駆動部84を備える。弁体82は、弁軸83を中心に回動可能に設けられる。駆動部84は、弁体82と一体に弁軸83を回転駆動させる。弁ケーシング81は、EGRガスを導入する入口流路85と、EGRガスを導出する出口流路86と、入口流路85と出口流路86との間に形成されたバイパス流路87と、入口流路85に導入されたEGRガスをクーラ通路73の入口73aへ案内するクーラ流路88と、クーラ通路73の出口73bから導出されたEGRガスをバイパス流路87へ案内する導出流路89とを備える。入口流路85とクーラ流路88との境と、バイパス流路87と導出流路89との境には、バイパス弁座90が形成される。また、入口流路85とバイパス流路87との境と、クーラ流路88と導出流路89との境には、クーラ弁座91が形成される。この実施形態では、バイパス弁33の出口流路86に対し、EGR弁23が直接接続される。
そして、このバイパス弁33は、図13に実線で示すクーラモードでは、弁体82がクーラ弁座91に着座して、入口流路85がクーラ流路88に連通すると共に、入口流路85とバイパス流路87との間が遮断される。ここで、EGR弁23が開弁している場合は、入口流路85に導入されたEGRガスが、クーラ流路88からEGRクーラ32のクーラ通路73へ流れ、熱交換器72にて冷却されてから、バイパス弁33の導出流路89、バイパス流路87を流れて出口流路86からEGR弁23へ流れる。
一方、このバイパス弁33は、図13に2点鎖線で示すバイパスモードでは、弁体82がバイパス弁座90に着座して、入口流路85がバイパス流路87に連通すると共に、入口流路85とクーラ流路88との間が遮断される。ここで、EGR弁23が開弁している場合は、入口流路85に導入されたEGRガスが、EGRクーラ32のクーラ通路73へ流れることなく、バイパス流路87と出口流路86を介してEGR弁23へ流れる。
図14に、クーラモードにおける、(a)入口流路85での前圧力P1及び導出流路89での後圧力P2と、(b)前後差圧ΔP1の変化をグラフにより示す。図14に示すように、前圧力P1と後圧力P2の位相がずれることで前後差圧ΔP1が発生することがわかる。
[第3バイパス弁制御について]
図15に、この実施形態の第3バイパス弁制御の内容をフローチャートにより示す。処理がこのルーチンへ移行すると、ECU50は、先ず、ステップ300で、バイパス弁33の制御がクーラモードであるか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、クーラモードであることから処理をステップ310へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ350へ移行する。
ステップ310では、ECU50は、エンジン回転数NE及びエンジン負荷KLを取り込む。
次に、ステップ320で、ECU50は、エンジン回転数NE及びエンジン負荷KLに基づきクーラモードでの第1推定前後差圧ΔPS1を算出する。ECU50は、例えば、所定の第1推定前後差圧マップを参照することにより、エンジン回転数NEとエンジン負荷KLに応じた第1推定前後差圧ΔPS1を求めることができる。この場合、クーラ通路73の長さに応じた第1推定前後差圧ΔPS1を求めることになる。
次に、ステップ330で、ECU50は、第1推定前後差圧ΔPS1が第1基準値A1より大きいか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理を340へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ300へ戻す。
そして、ステップ340では、ECU50は、バイパス弁33を中間開度に制御する。すなわち、ECU50は、弁体82がクーラ弁座91からもバイパス弁座90からも離間する所定の中間開度に開くようにバイパス弁33を制御する。その後、ECU50は、処理をステップ300へ戻す。
一方、ステップ300から移行してステップ350では、ECU50は、バイパス弁33の制御がバイパスモードであるか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は、バイパスモードであることから処理をステップ360へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ300へ戻す。
次の、ステップ360では、ECU50は、エンジン回転数NE及びエンジン負荷KLを取り込む。
次に、ステップ370で、ECU50は、エンジン回転数NE及びエンジン負荷KLに基づきバイパスモードでの第2推定前後差圧ΔPS2を算出する。ECU50は、例えば、所定の第2推定前後差圧マップを参照することにより、エンジン回転数NEとエンジン負荷KLに応じた第2推定前後差圧ΔPS2を求めることができる。この場合、バイパス流路87の長さに応じた第2推定前後差圧ΔPS2を求めることになる。
次に、ステップ380で、ECU50は、第2推定前後差圧ΔPS2が第2基準値A2より大きいか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合は処理を340へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ300へ戻す。
上記第3バイパス弁制御によれば、ECU50は、エンジン1の運転時に、バイパス弁33をクーラモード又はバイパスモードへ切り替えたときに、バイパス弁座90又はクーラ弁座91に着座した弁体82の第1推定前後差圧ΔPS1又は第2推定前後差圧ΔPS2が所定の基準値A1,A2より大きくなると判断したとき、すなわち、エンジン1の運転状況に応じて、弁体82がバイパス弁座90及びクーラ弁座91を中間開度で開くようにバイパス弁33を制御するようになっている。
[EGR装置の作用及び効果]
以上説明したこの実施形態の構成によれば、ECU50は、エンジン1の運転状況に応じて、一つの弁体82がクーラ弁座91及びバイパス弁座90から離間しクーラ流路88及びバイパス流路87を所定の中間開度で開くようにバイパス弁33を制御する。従って、クーラ流路88及びバイパス流路87が中間開度に開かれることで、一つの弁体82の上流側と下流側との間に作用する前後差圧ΔP1(圧力差)が軽減される。このため、クーラ弁座91又はバイパス弁座90の一つの弁体82との接触によるダメージを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、前記各実施形態の第1バイパス弁制御及び第2バイパス弁制御と異なり次のような作用及び効果を得ることができる。すなわち、この実施形態で、ECU50は、クーラ弁座91又はバイパス弁座90に着座した一つの弁体82の上流側に作用する前圧力P1と下流側に作用する後圧力P2との第1推定前後差圧ΔPS1(圧力差)又は第2推定前後差圧ΔPS2(圧力差)が所定の基準値A1,A2より大きくなると判断したときに、弁体82がクーラ流路88及びバイパス流路87を中間開度で開くようにバイパス弁33を制御する。従って、弁体82に作用する前後差圧が軽減される。このため、弁体82に作用する前後差圧の程度に応じてクーラ弁座91又はバイパス弁座90の弁体82との接触によるダメージを低減することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。この実施形態では、EGRクーラユニットの構成の点で前記第3実施形態と異なる。
[EGRクーラユニットの構成について]
EGRクーラユニットの構成について説明する。図16に、この実施形態におけるUフロータイプのEGRクーラユニット36を断面図により示す。この実施形態では、図1のエンジンシステムにおいて、EGRクーラユニット24に代わり、このEGRクーラユニット36がEGR通路22に設けられる。このEGRクーラユニット36は、EGRクーラ32と、バイパス弁37とを備える。EGRクーラ32の構成は、第3実施形態のそれと基本的に同じである。
[バイパス弁の構成について]
図16に示すように、バイパス弁37は、EGRクーラ32(クーラ通路73及び熱交換器72)を通過するEGRガスの流量と、後述するバイパス流路107を通過するEGRガスの流量を調節するようになっている。このバイパス弁37は、フラップ弁タイプであって、主要な構成要素として、弁ケーシング101、一つの弁体102、弁軸103及び駆動部104を備える。弁体102は、弁軸103を中心に揺動可能に設けられる。駆動部104は、弁体102と一体に弁軸103を回転駆動させる。弁ケーシング101は、EGRガスを導入する入口流路105と、EGRガスを導出する出口流路106と、入口流路105と出口流路106との間に形成されたバイパス流路107と、入口流路105に導入されたEGRガスをクーラ通路73の入口73aへ案内するクーラ流路108とを備える。入口流路105とクーラ流路108との境には、クーラ弁座109が形成される。また、入口流路105とバイパス流路107との境には、バイパス弁座110が形成される。この実施形態でも、バイパス弁37の出口流路106に対し、EGR弁23が直接接続される。
そして、このバイパス弁37は、図16に実線で示すクーラモードでは、弁体102がバイパス弁座110に着座して、入口流路105がクーラ流路108に連通すると共に、入口流路105とバイパス流路107との間が遮断される。ここで、EGR弁23が開弁している場合は、入口流路105に導入されたEGRガスが、クーラ流路108からEGRクーラ32のクーラ通路73へ流れ、熱交換器72にて冷却されてから、バイパス弁33のバイパス流路107へ流れて出口流路106からEGR弁23へ流れる。
一方、このバイパス弁37は、図16に2点鎖線で示すバイパスモードでは、弁体102がクーラ弁座109に着座して、入口流路105がバイパス流路107に連通すると共に、入口流路105とクーラ流路108との間が遮断される。ここで、EGR弁23が開弁している場合は、入口流路105に導入されたEGRガスが、EGRクーラ32のクーラ通路73へ流れることなく、バイパス流路107と出口流路106を介してEGR弁23へ流れる。
図17に、クーラモードにおける(a)入口流路105での前圧力P1及び出口流路106での後圧力P2と、(b)前後差圧ΔP1の変化をグラフにより示す。この実施形態でも、図17に示すように、前圧力P1と後圧力P2の位相がずれることで前後差圧ΔP1が発生することがわかる。
なお、この実施形態でも、バイパス弁37の制御については、前記各実施形態で説明した第1〜第3のバイパス弁制御のいずれかを実行するようになっている。
[EGR装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の構成によれば、第3実施形態とはバイパス弁37の構成が異なるものの、第3実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、略U形のクーラ通路55,73を備えたEGRクーラ25,32を設けたが、略U形以外の形状のクーラ通路や、平行に配置されたクーラ通路とバイパス通路を備えたEGRクーラを設けることもできる。
(2)前記各実施形態では、この開示技術のEGR装置をガソリンエンジンシステムに具体化したが、このEGR装置をディーゼルエンジンシステムにも具体化することができる。
(3)前記第1実施形態では、並列二弁タイプのバイパス弁26につき、第1バイパス弁制御を実行し、前記第2実施形態では、並列二弁タイプのバイパス弁26につき、第2バイパス弁制御を実行したが、並列二弁タイプのバイパス弁につき、第3バイパス弁制御を実行することもできる。
(4)前記第3実施形態では、バタフライ弁タイプのバイパス弁33につき、第3バイパス弁制御を実行したが、バタフライ弁タイプのバイパス弁33につき、第1バイパス弁制御又は第2バイパス弁制御を実行することもできる。
この開示技術は、ガソリンエンジンシステム及びディーゼルエンジンシステムに設けられるEGR装置に利用することができる。
1 エンジン
4 吸気通路
5 排気通路
22 EGR通路
23 EGR弁
25 EGRクーラ
26 EGRクーラバイパス弁(バイパス弁)
32 EGRクーラ
33 バイパス弁
37 バイパス弁
50 ECU(制御手段)
55 クーラ通路
61 弁ケーシング
62 クーラ弁体
63 バイパス弁体
64 弁軸
66 クーラ流路
66a クーラ弁座
67 バイパス流路
67a バイパス弁座
73 クーラ通路
81 弁ケーシング
82 弁体
83 弁軸
87 バイパス流路
88 クーラ流路
90 バイパス弁座
91 クーラ弁座
101 弁ケーシング
102 弁体
103 弁軸
107 バイパス流路
108 クーラ流路
109 クーラ弁座
110 バイパス弁座

Claims (7)

  1. エンジンから排気通路へ排出される排気をEGRガスとして吸気通路へ流すためのEGR通路と、
    前記EGRガスを冷却するために前記EGR通路に設けられたEGRクーラと、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスを、前記EGRクーラを流れる前記EGRガスと、前記EGRクーラを迂回する前記EGRガスとに切り替えるためのEGRクーラバイパス弁と、
    前記EGRクーラバイパス弁は、弁ケーシングと、前記弁ケーシングに設けられ、前記EGRクーラを流れた前記EGRガスが通過するクーラ流路と、前記弁ケーシングに設けられ、前記EGRクーラを迂回する前記EGRガスが通過するバイパス流路と、前記クーラ流路に設けられたクーラ弁座と、前記バイパス流路に設けられたバイパス弁座と、前記クーラ弁座と前記バイパス弁座に対し選択的に着座可能に設けられた少なくとも一つの弁体と、前記弁体を回動するための弁軸とを含むことと、
    前記EGRクーラバイパス弁より下流の前記EGR通路に設けられ、前記EGR通路における前記EGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、
    少なくとも前記EGRクーラバイパス弁を制御するための制御手段と
    を備えたEGR装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの運転状況又は前記EGRクーラバイパス弁の制御状況に応じて、前記弁体が前記クーラ弁座及び前記バイパス弁座から離間し前記クーラ流路及び前記バイパス流路を所定の中間開度で開くように前記EGRクーラバイパス弁を制御する
    ことを特徴とするEGR装置。
  2. 請求項1に記載のEGR装置において、
    前記弁体は、前記クーラ流路を開閉するためのクーラ弁体と、前記バイパス流路を開閉するためのバイパス弁体とを含み、前記クーラ弁体と前記バイパス弁体とが位相をずらした状態で前記弁軸に固定され、
    前記弁軸を一方向へ回転させることにより、前記クーラ弁体が前記クーラ弁座から離間すると共に前記バイパス弁体が前記バイパス弁座に着座するように前記クーラ弁体及び前記バイパス弁体を作動させるクーラモードと、前記弁軸を逆方向へ回転させることにより、前記クーラ弁体が前記クーラ弁座に着座すると共に前記バイパス弁体が前記バイパス弁座から離間するように前記クーラ弁体及び前記バイパス弁体を作動させるバイパスモードとに切り替え可能に構成された
    ことを特徴とするEGR装置。
  3. 請求項1に記載のEGR装置において、
    前記弁体は、前記クーラ流路と前記バイパス流路を選択的に開閉するための一つの弁体により構成され、
    前記弁軸を一方向へ回転させることにより、前記弁体が前記クーラ弁座から離間すると共に前記バイパス弁座に着座するように前記弁体を作動させるクーラモードと、前記弁軸を逆方向へ回転させることにより、前記弁体が前記クーラ弁座に着座すると共に前記バイパス弁座から離間するように前記弁体を作動させるバイパスモードとに切り替え可能に構成された
    ことを特徴とするEGR装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のEGR装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの運転時に、前記エンジンの負荷が所定値以上に高くなるときに、前記弁体が前記クーラ流路及び前記バイパス流路を前記中間開度で開くように前記EGRクーラバイパス弁を制御することを特徴とするEGR装置。
  5. 請求項2又は3に記載のEGR装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの運転時に、前記EGRクーラバイパス弁が前記バイパスモードから前記クーラモードへ切り替わるときに、その切り替え前に前記弁体が前記クーラ流路及び前記バイパス流路を一旦前記中間開度で開くように前記EGRクーラバイパス弁を制御することを特徴とするEGR装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載のEGR装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの運転時に、前記クーラ弁座又は前記バイパス弁座に着座した前記弁体の上流側に作用する圧力と前記弁体の下流側に作用する圧力との圧力差が所定値より大きくなると判断したときに、前記弁体が前記クーラ流路及び前記バイパス流路を前記中間開度で開くように前記EGRクーラバイパス弁を制御することを特徴とするEGR装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のEGR装置において、
    前記EGRクーラは、前記EGRガスが流れる略U形のクーラ通路を含むことを特徴とするEGR装置。
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