JP2023127291A - Egrシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】一つの温度スイッチを採用することにより低コストでバイパス弁及び温度スイッチの少なくとも一方の異常の有無を診断すること。【解決手段】EGRシステムは、EGRガスを流すEGR通路12、EGRガスの流量を調節するEGR弁14、EGRガスを冷却するEGRクーラ13、EGRクーラ13を迂回するバイパス通路16、バイパス通路16を開閉するバイパス弁17、EGRクーラ13から流れ出るEGRガスとバイパス通路16から流れ出るEGRガスとの合流部20より下流に設けられる温度SW78及び電子制御装置(ECU)80を備える。ECU80は、エンジン1が所定の運転状態となるときであって、EGR通路12にEGRガスを流すためにEGR弁14が開弁状態となるとき、少なくとも温度SW78のオン信号の出力の有無に基づき、バイパス弁17及び温度SW78の少なくとも一方の異常を診断する。【選択図】 図1

Description

この明細書に開示される技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてEGR通路を介して吸気通路へ流してエンジンへ還流させるように構成したEGRシステムに係り、詳しくは、そのシステムの異常を診断するように構成したEGRシステムに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される「排気ガス還流装置」が知られている。この装置は、エンジンの排気通路と吸気通路とを連通する排気ガス還流通路(EGR通路)に、EGR流量を制御するEGR制御弁(EGR弁)とEGRガスを冷却するEGRクーラとを備えると共に、そのEGRクーラをバイパスするバイパス通路と、バイパス通路へのEGRガスの流入を制御する切替え制御弁(バイパス弁)とを備える。この装置は、更に、バイパス弁の下流側に設けられた温度検出手段(温度センサ)と、所定時にバイパス弁を切り替え作動させる切替え制御弁作動手段(ECU)と、EGRクーラの冷却異常を診断する診断手段(ECU)とを備える。ここで、診断手段であるECUは、バイパス弁の切り替え作動前に温度センサで検出される温度と、バイパス弁の切り替え作動後に温度センサで検出される温度との間の温度差に基づいてEGRクーラの冷却異常を診断するようになっている。
特開2008-106633号公報
ところが、特許文献1に記載される装置では、温度センサが、EGR通路を流れるEGRガスの温度を検出し、その温度に応じた検出信号を出力するように構成され、それ自体がコスト高なものとなっていた。また、温度センサの代わりに、所定の一つ又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときに検出信号を出力する、温度センサより低コストな温度スイッチを採用することが考えられる。しかし、上記装置では、EGRクーラの異常を診断するために、バイパス弁の開弁異常と閉弁異常をそれぞれ判定するために異なる二つの基準温度の設定が必要となるため、温度スイッチを採用したとしても、基準となる二つの設定温度を検出しなければならず、二つの温度スイッチが必要になり、低コストのメリットが得られなくなる。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、所定の一つ又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときに検出信号を出力するように構成した一つの温度スイッチを採用することで温度センサを採用するよりも低コストでバイパス弁及び温度スイッチの少なくとも一方の異常の有無を診断することを可能としたEGRシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとして吸気通路へ流すためのEGR通路と、EGR通路を流れるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、EGR通路を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラと、EGR通路においてEGRクーラへ流れるEGRガスを迂回させるためのバイパス通路と、バイパス通路を開閉するためのバイパス弁とを備えたEGRシステムにおいて、EGR通路において、EGRクーラから流れ出るEGRガスとバイパス通路から流れ出るEGRガスとの合流部より下流に設けられ、所定の一つ又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときに検出信号を出力する温度スイッチと、エンジンが所定の運転状態となるときであって、EGR通路にEGRガスを流すためにEGR弁が開弁状態となるとき、少なくとも温度スイッチの検出信号の出力の有無に基づき、バイパス弁及び温度スイッチの少なくとも一方の異常の有無を診断するための異常診断手段とを備えたことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、異常診断手段は、エンジンが所定の運転状態となるときであって、EGR通路にEGRガスを流すためにEGR弁が開弁状態となるとき、少なくとも温度スイッチの検出信号の出力の有無に基づき、バイパス弁及び温度スイッチの少なくとも一方の異常の有無を診断する。ここで、温度スイッチは、EGRクーラから流れ出るEGRガスとバイパス通路から流れ出るEGRガスとの合流部より下流に設けられ、所定の一つ又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときに検出信号を出力するものであり、所定の複数の温度又は所定の広範囲の温度を検出できる温度センサより低コストとなる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、異常診断手段は、バイパス弁を閉弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が所定の第1の流量値とそれより大きい所定の第2の流量値との間の流量値となる場合、温度スイッチの検出信号の出力が有るとき、バイパス弁が開弁状態で異常又は温度スイッチが異常であると診断することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、異常診断手段は、具体的には、バイパス弁を閉弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が所定の第1の流量値とそれより大きい所定の第2の流量値との間の流量値となる場合、温度スイッチの検出信号の出力が有るとき、バイパス弁が開弁状態で異常又は温度スイッチが異常であると診断する。ここで、バイパス弁を閉弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が第1の流量値と第2の流量値との間の流量値となる場合とは、バイパス通路を高温のEGRガスが流れず、合流部より下流のEGRガスの温度が、温度スイッチの設定温度に達しない場合を想定している。従って、温度スイッチの検出信号の出力が有るということで、バイパス弁を閉弁制御したにもかかわらず開弁状態となる異常又は温度スイッチが異常であると診断することが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、異常診断手段は、バイパス弁を開弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が所定の第2の流量値以上となる場合、温度スイッチの検出信号の出力が無いとき、バイパス弁が閉弁状態で異常及び温度スイッチが異常であると診断することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、異常診断手段は、具体的には、バイパス弁を開弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が第2の流量値以上となる場合、温度スイッチの検出信号の出力が無いとき、バイパス弁が閉弁状態で異常及び温度スイッチが異常であると診断する。ここで、バイパス弁を開弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が第2の流量値以上となる場合とは、バイパス通路を高温のEGRガスが流れ、合流部より下流のEGRガスの温度が、温度スイッチの設定温度に達している場合を想定している。従って、温度スイッチの検出信号の出力が無いということで、バイパス弁を開弁制御したにもかかわらず閉弁状態となる異常及び温度スイッチが異常であると診断することが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術において、異常診断手段は、バイパス弁を閉弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が所定の第1の流量値以上となる場合、バイパス弁を強制的に開弁制御することにより、温度スイッチの検出信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったとき、バイパス弁及び温度スイッチが正常であると診断することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の作用に加え、異常診断手段は、具体的には、バイパス弁を閉弁制御しているときに、EGR通路を流れるEGRガスの流量が所定の第1の流量値以上となる場合、バイパス弁を強制的に開弁制御することにより、温度スイッチの検出信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったとき、バイパス弁及び温度スイッチが正常であると診断する。ここで、バイパス弁を閉弁制御しているときに、EGRガスの流量が第1の流量値以上となる場合とは、バイパス通路を高温のEGRガスが流れず、合流部より下流のEGRガスの温度が、温度スイッチの設定温度に達しない場合を想定している。また、その状態からバイパス弁を強制的に開弁制御するということは、バイパス通路を高温のEGRガスが流れ、合流部より下流のEGRガスの温度が、温度スイッチの設定温度に達する場合を想定している。従って、バイパス弁を強制的に開弁制御することで温度スイッチの検出信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったことで、バイパス弁が正常に開弁制御し、かつ、温度スイッチが正常に作動したと診断することが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術において、異常診断手段は、エンジンの冷間始動後であって、EGR通路にEGRガスが流れる前又はEGR通路にEGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後、温度スイッチの検出信号の出力が有るとき、温度スイッチが異常であると診断することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の作用に加え、異常診断手段は、具体的には、エンジンの冷間始動後であって、EGR通路にEGRガスが流れる前又はEGR通路にEGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後、温度スイッチの検出信号の出力が有るとき、温度スイッチが異常であると診断する。ここで、エンジンの冷間始動後であって、EGR通路にEGRガスが流れる前又はEGR通路にEGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後とは、EGR通路にEGRガスが流れておらず、温度スイッチの検出信号の出力が無いことが明かな場合を想定している。従って、温度スイッチの検出信号の出力が有ることで、温度スイッチが明らかに異常であると診断することが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術において、温度スイッチの設定温度は、バイパス弁を閉弁制御したときの合流部の最高温度より高い温度に設定されることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術の作用に加え、温度スイッチの設定温度を、バイパス弁を閉弁制御したときの合流部の最高温度より高い温度に設定することで、温度スイッチの設定温度を、バイパス弁を開弁制御したときの合流部の温度に設定することが可能となり、温度スイッチの作動頻度を少なくすることが可能となる。
請求項1に記載の技術によれば、所定の一つの設定温度のみを検出したときに検出信号を出力するように構成した一つの温度スイッチを採用することで、温度センサを採用するよりも低コストでバイパス弁及び温度スイッチの少なくとも一方の異常の有無を診断することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、バイパス弁が、より具体的には、開弁異常又は温度スイッチ異常であると診断することができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、バイパス弁が、より具体的には、閉弁異常であると診断することができ、又は温度スイッチが異常であると診断することができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の効果に加え、バイパス弁と温度スイッチの両方が正常であることを同時に診断することができる。
請求項5に記載の技術によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の効果に加え、温度スイッチ8の異常の有無を確実に診断することができる。
請求項6に記載の技術によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の技術の効果に加え、温度スイッチの作動頻度を少なくした分だけ、温度スイッチの信頼性を確保することができる。
第1実施形態に係り、エンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁及び温度SWの両方が正常判定となる場合を示すタイムチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁が開弁異常判定及び温度SWが正常判定となる場合を示すタイムチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁が閉弁異常判定及び温度SWが正常判定となる場合を示すタイムチャート。 第1実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁が閉弁異常の可能性有り判定及び温度SWが異常判定となる場合を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁及び温度SWの両方が正常判定となる場合を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁が開弁異常判定及び温度SWが正常判定となる場合を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、高水温域でバイパス弁を強制開弁制御したときにバイパス弁及び温度SWの両方が正常判定となる場合等を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、高水温域でバイパス弁を強制開弁制御したときにバイパス弁が閉弁異常判定及び温度SWが異常判定となる場合等を示すタイムチャート。 第3実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御の内容を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁及び温度SWの両方が正常判定となる場合を示すタイムチャート。 第3実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁が開弁異常判定及び温度SWが正常判定となる場合等を示すタイムチャート。 第3実施形態に係り、バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動であって、バイパス弁が閉弁異常判定又は温度SWが異常判定となる場合等を示すタイムチャート。
以下、EGRシステムをガソリンエンジンシステムに具体化したいくつかの実施形態について説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[エンジンシステムについて]
図1に、この実施形態のガソリンエンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」と言う。)を概略構成図により示す。自動車に搭載されたエンジンシステムは、複数の気筒を有するエンジン1を備える。このエンジン1は、4気筒、4サイクルのレシプロエンジンであり、ピストン及びクランクシャフト等の周知の構成を含む。エンジン1には、各気筒へ吸気を導入するための吸気通路2と、エンジン1の各気筒から排気を導出するための排気通路3が設けられる。吸気通路2には、その上流側からエアクリーナ9、スロットル装置4及び吸気マニホールド5が設けられる。加えて、このエンジンシステムは、高圧ループタイプの排気還流装置(EGR装置)11を備える。
スロットル装置4は、吸気マニホールド5より上流の吸気通路2に配置され、運転者のアクセル操作に応じてバタフライ式のスロットル弁4aを開度可変に開閉駆動させることで、吸気通路2を流れる吸気量を調節するようになっている。吸気マニホールド5は、主として樹脂材より構成され、エンジン1の直上流にて吸気通路2に配置され、吸気が導入される一つのサージタンク5aと、サージタンク5aに導入された吸気をエンジン1の各気筒へ分配するためにサージタンク5aから分岐した複数(4つ)の分岐管5bとを含む。排気通路3には、その上流側から順に排気マニホールド6及び触媒7が設けられる。触媒7には、排気を浄化するために、例えば、三元触媒が内蔵される。
エンジン1には、各気筒に対応して燃料を噴射するための燃料噴射装置(図示略)が設けられる。燃料噴射装置は、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料をエンジン1の各気筒へ噴射するように構成される。各気筒では、燃料噴射装置から噴射される燃料と吸気マニホールド5から導入される吸気とにより可燃混合気が形成される。
エンジン1には、各気筒に対応して点火装置(図示略)が設けられる。点火装置は、各気筒で可燃混合気に点火するように構成される。各気筒内の可燃混合気は、点火装置の点火動作により爆発・燃焼し、燃焼後の排気は、各気筒から排気マニホールド6及び触媒7を経て外部へ排出される。このとき、各気筒でピストン(図示略)が上下運動し、クランクシャフト(図示略)が回転することにより、エンジン1に動力が得られる。
[EGRシステムについて]
この実施形態のEGRシステムは、高圧ループタイプのEGR装置11を備える。EGR装置11は、エンジン1の各気筒から排気通路3へ排出される排気の一部を排気還流ガス(EGRガス)として吸気通路2へ流すための排気還流通路(EGR通路)12と、EGR通路12を流れるEGRガスを冷却するための排気還流クーラ(EGRクーラ)13と、EGR通路12を流れるEGRガスの流量を調節するためにEGRクーラ13より下流に設けられた排気還流弁(EGR弁)14と、EGR通路12を流れるEGRガスをエンジン1の各気筒へ分配するために、吸気マニホールド5の各分岐管5bへEGRガスを分配する樹脂製の排気還流ガス分配器(EGRガス分配器)15とを備える。EGRガス分配器15は、EGRクーラ13及びEGR弁14より下流のEGR通路12に設けられる。EGR通路12は、入口12aと出口12bを含む。EGR通路12の入口12aは、触媒7より下流の排気通路3に接続され、同通路12の出口12bは、EGRガス分配器15に接続される。この実施形態で、EGRガス分配器15は、EGR通路12の終段を構成している。EGR通路12において、EGR弁14は、EGRクーラ13より下流にてEGRクーラ13に隣接して設けられる。EGR弁14は、ステップモータを駆動源として弁体を駆動するように構成される。EGRクーラ13には、エンジンの冷却水が流れるように構成される。EGRクーラ13は、EGR通路12を流れるEGRガスを冷却するために、EGRガスとエンジン1の冷却水との間で熱交換を行うように構成される。ここでは、EGR弁14及びEGRクーラ13の詳しい構成の説明を省略する。
このEGR装置11では、EGR弁14が開弁することにより、排気通路3を流れる排気の一部がEGRガスとしてEGR通路12を流れ、EGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15を介して吸気マニホールド5の各分岐管5bへ分配され、更にエンジン1の各気筒へ分配されて還流される。
この実施形態において、EGRクーラ13には、バイパス通路16が設けられる。バイパス通路16は、EGR通路12において、EGRクーラ13へ流れるEGRガスの一部を迂回させるための通路である。バイパス通路16には、同通路16を開閉するためのバイパス弁17が設けられる。
EGRガス分配器15は、主として樹脂材により構成され、全体として横長な形状を有し、その長手方向(図1の左右方向)において、図1に示すように、吸気マニホールド5の複数の分岐管5bを横切るように配置される。この実施形態で、EGRガス分配器15は、EGR通路12の出口12bから導入されるEGRガスが集まる一つのガスチャンバ15aと、ガスチャンバ15aから分岐され、ガスチャンバ15aから各分岐管5bへEGRガスを分配する複数(4つ)のガス分配通路15bとを含む。
[バイパス弁について]
この実施形態において、バイパス弁17は、EGRクーラ13のハウジングに取り付けられ、同ハウジングと一体をなすバイパス通路16を開閉するように構成される。この実施形態で、バイパス弁17は、ステップモータを駆動源として弁体を開閉動作させるように構成される。ここでは、バイパス弁17の詳しい構成の説明を省略する。
この実施形態では、バイパス弁17は、低温時には、開弁制御されてバイパス通路16を開放し、高温時には、閉弁制御されてバイパス通路16を遮断するようになっている。すなわち、この実施形態で、エンジン1の冷却水の温度が低い場合は、バイパス弁17が開弁制御され、排気通路3からEGR通路12へ流れるEGRガスの一部がバイパス通路16へ流れ、残りのEGRガスがEGRクーラ13へ流れて、それぞれEGRクーラ13より下流のEGR通路12における合流部20で合流する。合流部20にて合流したEGRガスは、更にEGRガス分配器15へ流れ、吸気マニホールド5を介してエンジン1の各気筒へ分配される。これに対し、冷却水の温度が高い場合は、バイパス弁17が閉弁制御され、排気通路3からEGR通路12へ流れるEGRガスの全部がEGRクーラ13へ流れて冷却され、更にEGR弁14及びEGRガス分配器15へ流れ、吸気マニホールド5を介してエンジン1の各気筒へ分配され還流される。
[エンジンシステムの電気的構成について]
次に、エンジンシステムの電気的構成の一例について説明する。図1において、このエンジンシステムに設けられる各種センサ等69~79は、自動車及びエンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する。自動車に設けられる車速センサ69は、自動車の車速SPDを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力するようになっている。運転席に設けられるイグニションスイッチ(IGスイッチ)70は、エンジン1を始動又は停止させるために運転者によりオン・オフ操作され、その操作に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられる水温センサ71は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられる回転数センサ72は、エンジン1のクランクシャフトの回転角(クランク角度)を検出すると共に、そのクランク角度の変化(クランク角速度)をエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ9の近傍に設けられるエアフローメータ73は、エアクリーナ9を流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク5aに設けられる吸気圧センサ74は、スロットル装置4より下流の吸気通路2(サージタンク5a)における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットル装置4に設けられるスロットルセンサ75は、スロットル弁4aの開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。触媒7より上流の排気通路3に設けられる酸素センサ76は、排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ9の入口に設けられる吸気温センサ77は、エアクリーナ9に吸入される外気の温度(吸気温度)THAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。前記合流部20より下流のEGR通路12(EGRガス分配器15より上流の配管)には、所定の一つの又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときに検出信号としての「オン信号」を出力する温度スイッチ(以下「温度SW」と記載する。)78が設けられる。温度SW78は、所定の一つの又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときにオン信号を出力する検出手段であり、所定の複数の又は所定の広範囲の設定温度を検出するように構成された温度センサより低コストである。この実施形態で、温度SW78の設定温度は「110℃」に設定されており、温度SW78は、EGR通路12の配管の内壁の温度である「110℃」を検出したときにオン信号を出力するように構成される。この設定温度である「110℃」は、バイパス弁17が閉弁状態のときの合流部20の最高温度より高い温度として設定される。運転席のアクセルペダル10に設けられるアクセルセンサ79は、運転者によるアクセルペダル10の踏み込み量をアクセル開度ACCとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力するようになっている。
このエンジンシステムは、同システムの制御を司る電子制御装置(ECU)80を更に備える。ECU80には、各種センサ等69~79がそれぞれ接続される。また、ECU80には、EGR弁14の他、インジェクタ(図示略)及びイグニションコイル(図示略)が接続される。ECU80は、この開示技術における「異常診断手段」の一例に相当する。周知のようにECU80は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ等69~79の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて燃料噴射制御、点火時期制御、EGR制御及びバイパス弁等異常診断制御を実行するようになっている。
この実施形態で、ECU80は、EGR制御において、エンジン1の運転状態に応じてEGR弁14(そのステップモータ)を制御するようになっている。具体的には、ECU80は、エンジン1の停止時、アイドル運転時及び減速運転時には、EGR弁14を全閉に制御し、それ以外の運転時には、その運転状態に応じて目標EGR開度を算出し、EGR弁14をその目標EGR開度に制御するようになっている。このときEGR弁14が開弁されることにより、エンジン1から排気通路3へ排出され、その排気の一部が、EGRガスとしてEGR通路12、EGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15等を介して吸気通路2(吸気マニホールド5)へ流れ、エンジン1の各気筒へ分配され還流される。この実施形態で、ECU80は、エンジン1の始動時において、水温センサ71により検出される冷却水温度THWが「40℃」以上となり、EGR作動条件が成立したときにEGR弁14を開弁し、EGRを開始するようになっている。
[バイパス弁等異常診断制御について]
この実施形態で、エンジン1の始動時、始動後のEGR作動状態に応じてバイパス弁17の異常及び温度SW78の異常を診断するために、次のようなバイパス弁等異常診断制御を実行するようになっている。
図2~図5に、この実施形態のバイパス弁等異常診断制御の内容をフローチャートにより示す。このバイパス弁等異常診断制御では、バイパス弁17の異常及び温度SW78の異常を診断するために、バイパス弁17が閉弁状態での温度範囲(例えば、「120℃以下」)における設定温度(110℃)を検出し、検出信号としてのオン信号を出力するように構成された1個の温度SW78が採用される。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU80は、IGオンか否か、すなわちIGスイッチ70がオン操作されたか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ320へ移行する。
ステップ110では、ECU80は、始動初期の温度SW状態フラグXigonTSoffが「0」か否かを判断する。このフラグXigonTSoffは、「0」のときに初期状態が未確認であることを示し、「1」のときに初期状態が確認済みであることを示す。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ120へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ150へジャンプする。
ステップ120では、ECU80は、水温センサ71、回転数センサ72、スロットルセンサ75の検出値に基づき、エンジン回転数NE、エンジン負荷KL及び冷却水温度THWをそれぞれ取り込むと共に、EGR通路12を流れるEGRガスの流量(EGR流量)GFを取り込む。ECU80は、例えば、所定のEGR流量マップを参照することにより、EGR弁14のステップモータに対する制御指令値(EGR弁14の開度)と、そのとき検出される吸気量Ga又は吸気圧力PMとに応じたEGR流量GFを求めることができる。加えて、ECU80は、温度SW78の状態(オン状態又はオフ状態)を取り込む。
次に、ステップ130で、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ140へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ240へ移行する。
ステップ140では、ECU80は、始動初期の温度センサ状態フラグXigonTSoffを「1」に設定する。
ステップ110又はステップ140から移行してステップ150では、ECU80は、冷却水温度THWに応じたバイパス弁17の開閉、温度SW78の異常判定EGR流量値FJGF(第1の流量値A1と第2の流量値B1(>A1))を求める。
次に、ステップ160で、ECU80は、冷却水温度THWが40℃以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、EGRが開始されているとして処理をステップ170へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、EGRが開始されていないとして処理をステップ290へ移行する。
ステップ170では、ECU80は、低温時のEGRの開始であるとしてバイパス弁17を開弁制御する。
次に、ステップ180で、ECU80は、冷却水温度THWが「80℃」未満か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ190へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ420へ移行する。
ステップ190では、ECU80は、温度SW異常判定フラグXTSngが「0」か否かを判断する。このフラグXTSngは、「0」のときに温度SW78の異常が未判定であることを示し、「1」のときに温度SW78の異常が判定済みであることを示す。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ200へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ200では、ECU80は、EGR流量GFが、所定の第1の流量値A1以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ210へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ210では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ220へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ300へ移行する。
ステップ220で、ECU80は、温度SW78が正常であると判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定する。このフラグXTSokは、「0」のときに温度SW78の正常が未判定であることを示し、「1」のときに温度SW78の正常が判定済みであることを示す。
次に、ステップ230で、ECU80は、バイパス弁17が開弁であると判定し、バイパス弁開弁判定フラグXBOPを「1」に設定する。このフラグXBOPは、「0」のときにバイパス弁17の開弁が未判定であることを示し、「1」のときにバイパス弁17の開弁が判定済みであることを示す。ECU80は、その後、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ130から移行してステップ240では、ECU80は、冷却水温度THWが「40℃」以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ250へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ260へ移行する。
ステップ250では、ECU80は、EGRカットの継続時間を示すEGRカット時間f1以上を経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ260へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。EGRカット時間f1は、この開示技術における「所定の時間」の一例に相当する。
ステップ240又はステップ250から移行してステップ260では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ270へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ280へ移行する。
ステップ270では、ECU80は、温度SW78が異常であると判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定した後、異常検出を終了する。
一方、ステップ280では、ECU80は、温度SW78が正常であると判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定し、処理をステップ140へ移行する。
一方、ステップ160から移行してステップ290では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁制御し、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ210から移行してステップ300では、ECU80は、基準となる第1の所定時間a1が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ310へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ210へ戻す。
ステップ310では、ECU80は、温度SW78が仮異常と判定し、温度SW仮異常フラグXTSTngを「1」に設定し、及び、バイパス弁17が閉弁状態で仮異常(閉弁仮異常)と判定し、バイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngを「1」に設定し、処理をステップ100へ戻す。温度SW仮異常フラグXTSTngは、「0」のときに温度SW78が仮未異常であることを示し、「1」のときに温度SW78が仮異常であることを示す。また、バイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngは、「0」のときにバイパス弁17が閉弁状態で仮未異常であることを示し、「1」のときにバイパス弁17が閉弁状態で仮異常であることを示す。このステップ310では、ECU80は、バイパス弁17と温度SW78のうちいずれが異常かを決定できないが、いずれか一方が異常であることから仮異常と判定するのである。
一方、ステップ100から移行してステップ320では、ECU80は、始動初期の温度SW状態フラグXigonTSoffを「0」に設定する。
次に、ステップ330で、ECU80は、温度SW仮異常フラグXTSTngを「0」に設定する。
次に、ステップ340で、ECU80は、温度SW異常判定フラグXTSngを「0」に設定する。
次に、ステップ350で、ECU80は、温度SW正常判定フラグXTSokを「0」に設定する。
次に、ステップ360で、ECU80は、バイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngを「0」に設定する。
次に、ステップ370で、ECU80は、バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「0」に設定する。バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngは、「0」のときにバイパス弁17が閉弁状態で未異常であることを示し、「1」のときにバイパス弁17が閉弁状態で異常(閉弁異常)であることを示す。
次に、ステップ380で、ECU80は、バイパス弁開弁異常フラグXBOPngを「0」に設定する。バイパス弁開弁異常フラグXBOPngは、「0」のときにバイパス弁17が開弁状態で未異常であることを示し、「1」のときにバイパス弁17が開弁状態で異常(開弁異常)であることを示す。
次に、ステップ390で、ECU80は、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSを「0」に設定する。バイパス弁閉弁判定フラグXBCSは、「0」のときにバイパス弁17の閉弁が未判定であることを示し、「1」のときにバイパス弁17の閉弁が判定済みであることを示す。
次に、ステップ400で、ECU80は、バイパス弁開弁判定フラグXBOPを「0」に設定する。
次に、ステップ410で、ECU80は、バイパス弁正常判定フラグXBokを「0」に設定する。バイパス弁正常判定フラグXBokは、「0」のときにバイパス弁17の正常が未判定であることを示し、「1」のときにバイパス弁17の正常が判定済みであることを示す。その後、ECU80は、処理を終了する。
一方、ステップ180から移行してステップ420では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁制御する。
次に、ステップ430で、ECU80は、基準となる第4の所定時間c1の経過を待って処理をステップ440へ移行する。
ステップ440では、ECU80は、バイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ450へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ510へ移行する。
ステップ450では、ECU80は、EGR流量GFが所定の第2の流量値B1未満か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ460へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ460では、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ470へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ490へ移行する。
ステップ470では、ECU80は、バイパス弁17が閉弁であると判定し、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSを「1」に設定する。
次に、ステップ480では、ECU80は、バイパス弁17が正常であると判定し、バイパス弁正常判定フラグXBokを「1」に設定し、異常検出を終了する。
一方、ステップ460から移行してステップ490では、ECU80は、基準となる第2の所定時間b1(>a1)が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ500へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ460へ戻す。
ステップ500では、ECU80は、バイパス弁17が開弁異常であると判定し、バイパス弁開弁異常フラグXBOPngを「1」に設定し、異常検出を終了する。
一方、ステップ440から移行してステップ510では、ECU80は、EGR流量GFが第2の流量値B1以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ520へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ570へ移行する。
ステップ520では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ530へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ550へ移行する。
次に、ステップ530で、ECU80は、温度SW78が正常であると判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定する。
次に、ステップ540で、ECU80は、バイパス弁17が閉弁異常であると判定し、バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「1」に設定する。その後、ECU80は、異常検出を終了する。
一方、ステップ520から移行してステップ550では、ECU80は、所定の第3の所定時間b2(>b1)が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ560へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ520へ戻す。
ステップ560では、ECU80は、温度SW78が異常と判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定し、及び、バイパス弁17が閉弁異常と判定し、バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「1」に設定する。その後、ECU80は、異常検出を終了する。
一方、ステップ510から移行してステップ570では、ECU80は、EGR流量GFが第1の流量値A1以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ580へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ580では、ECU80は、バイパス弁17を強制的に開弁制御(強制開弁制御)する。
次に、ステップ590で、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ600へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ690へ移行する。
ステップ600では、ECU80は、バイパス弁17が開弁であると判定し、バイパス弁開弁判定フラグXBOPを「1」に設定する。
次に、ステップ610では、ECU80は、温度SW78が正常と判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定する。
次に、ステップ620で、ECU80は、バイパス弁17を強制的に閉弁制御(強制閉弁制御)する。
次に、ステップ630で、ECU80は、基準となる第4の所定時間c1の経過を待って処理をステップ640へ移行する。
ステップ640では、ECU80は、EGR流量GFが第1の流量値A1以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ650へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ710へ移行する。
ステップ650で、ECU80は、第1の所定時間a1の経過を待って処理をステップ660へ移行する。
ステップ660では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ670へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ720へ移行する。
ステップ670では、ECU80は、バイパス弁17が開弁異常であると判定し、バイパス弁開弁異常フラグXBOPngを「1」に設定する。
次に、ステップ680で、ECU80は、温度SW78がオン状態で異常(オン異常)と判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定した後、異常検出を終了する。
一方、ステップ590から移行してステップ690では、ECU80は、第1の所定時間a1が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ700へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ590へ戻す。
ステップ700では、ECU80は、温度SW78が異常(オフ異常)と判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定し、及び、バイパス弁17が閉弁異常と判定し、バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「1」に設定する。その後、ECU80は、異常検出を終了する。
一方、ステップ640から移行してステップ710では、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ720へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ740へ移行する。
ステップ720では、ECU80は、バイパス弁17が閉弁であると判定し、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSを「1」に設定する。
次に、ステップ730で、ECU80は、バイパス弁17が正常であると判定し、バイパス弁正常判定フラグXBokを「1」に設定する。その後、ECU80は、異常検出を終了する。
一方、ステップ710から移行してステップ740では、ECU80は、第1の所定時間a1が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ750へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ710へ戻す。
ステップ750では、ECU80は、バイパス弁17が開弁異常であると判定し、バイパス弁開弁異常フラグXBOPngを「1」に設定する。
次に、ステップ760で、ECU80は、温度SW78がオン異常と判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定した後、異常検出を終了する。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、エンジン1が所定の運転状態となるときであって、EGR通路12にEGRガスを流すためにEGR弁14が開弁状態となるとき、少なくとも温度SW78のオン信号(検出信号)の出力の有無に基づき、バイパス弁17及び温度SW78の少なくとも一方の異常の有無を診断するようになっている。
ECU80は、具体的には、バイパス弁17を閉弁制御しているとき(ステップ420)に、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第2の流量値B1未満となる場合(ステップ450の判断がYES)、温度SW78のオン信号の出力が有るとき(ステップ460の判断がNO)、バイパス弁17が開弁状態で異常(開弁異常)と診断する(ステップ500)ようになっている。
ECU80は、具体的には、バイパス弁17を閉弁制御しているとき(ステップ420)に、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第1の流量値A1以上となる場合(ステップ570の判断がYES)、バイパス弁17を強制的に開弁制御することにより(ステップ580)、温度SW78のオン信号の出力がある状態となるとき(ステップ590の判断がYES)、バイパス弁17及び温度SW78が正常であると判定(診断)する(ステップ610)ようになっている。
ECU80は、具体的には、エンジン1の冷間始動後であって、EGR通路12にEGRガスが流れる前又はEGR通路12にEGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後(ステップ250の判断がYES)、温度SW78のオン信号の出力が有るとき(ステップ260の判断がYES)、温度SW78が異常であると判定(診断)する(ステップ270)ようになっている。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、バイパス弁17の開弁異常及び閉弁異常を次のように検出する。すなわち、異常検出の範囲は、EGR流量GFが第1の流量値A1から第2の流量値B1となる範囲である。ここで、冷却水温度THWの低水温域(例えば、40~80℃)では、EGR流量GFが第1の流量値A1以上となる領域で、温度SW78がオフとなる(合流部20を流れるEGRガスが「110℃未満」となる)場合は、ECU80は、バイパス弁17が閉弁異常であると判定する。一方、冷却水温度THWの高水温域(例えば、80℃以上+c1ディレー)では、EGR流量GFが第1の流量値A1から第2の流量値B1となる領域で、温度SW78がオンとなる(合流部20を流れるEGRガスが「110℃以上」となる)場合は、ECU80は、バイパス弁17が開弁異常であると判定する。ここで、異常検出の範囲(EGR流量GFの範囲)は、冷却水温度THWに基づき切り替えることができる。冷却水温度THWを補正することで、低水温域から異常検出を行うことが可能となる。また、バイパス弁17を開弁から閉弁へ切り替えた後は、異常検出を遅らせるようにしている。更に、冷却水温度THWが「100℃以上」になる場合は、バイパス弁17の開弁異常の判定を中止してもよい。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、車両の通常走行下で温度SW78の異常を次のように検出する。ここで、温度SW78の設定温度は、バイパス弁17が閉弁異常状態でも、温度SW78が作動可能な温度に設定することが必須要件となる。この実施形態では、EGRクーラ13から流れ出るEGRガスの最大温度を「120℃以下」に設定した場合、温度SW78の設定温度を「110℃」に設定している。ここで、低水温域でエンジン1が始動した後、温度SW78がオンとなる(合流部20を流れるEGRガスが「110℃以上」となる)場合、ECU80は、温度SW78が異常であると判定する。また、高水温域でエンジン1が始動した後、温度SW78がオンとなり(合流部20を流れるEGRガスが「110℃以上」となり)、かつ、EGRカット時間f1以上で温度SW78がオンを継続(合流部20を流れるEGRガスが「110℃以上」を継続)した場合、ECU80は、温度SW78が異常であると判定する。また、温度SW78がオフ(合流部20を流れるEGRガスが「110℃未満」)に切り替わった場合、ECU80は、温度SW78が正常であると判定する。ここで、高水温域で、EGR流量GFが第2の流量値B1以上になる場合に、温度SW78がオンとならなければ、ECU80は、温度SW78が異常であると判定する。また、EGR流量GFが第2の流量値B1前後となる場合、温度SW78がオンとなれば、ECU80は、温度SW78が正常であると判定する。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、低水温域で検出条件が成立しない場合、完全暖機後の低EGR流量域では、EGRガスの温度が「110℃未満」となり、バイパス弁17を閉弁する条件下では、異常を次のように検出する。すなわち、バイパス弁17が閉弁制御条件のとき、温度SW78がオフとなる(合流部20を流れるEGRガスが「110℃未満」となる)場合、バイパス弁17を強制的に開弁制御することで温度SW78がオンとなる(合流部20を流れるEGRガスが「110℃以上」となる)と、ECU80は、バイパス弁17が正常であると判定する。一方、バイパス弁17を強制的に開弁制御しても温度SW78がオフである(合流部20を流れるEGRガスが「110℃未満」のままである)と、ECU80は、バイパス弁17が閉弁異常及び温度SW異常であると判定する。また、バイパス弁17を強制的に閉弁制御し、温度SW78がオンのままとなる(合流部20を流れるEGRガスが「110℃以上」を継続する)場合、ECU80は、バイパス弁17が開弁異常であると判定する。
[バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動について]
ここで、上記バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動を図6~図9にタイムチャートにより示す。図6は、バイパス弁17及び温度SW78の両方が正常判定となる場合を示す。図6において、(A)は自動車の速度(車速)SPDとエンジン回転数NEの変化を示し、(B)はEGR流量GFの変化を示し、(C)はバイパス弁17の開閉制御の条件成立を示し、(D)は異常検出許容フラグXBPGFの変化を示し、(E)は110℃の温度SW78のオン・オフの変化を示し、(F)は温度SW正常判定フラグXTSok及び温度SW異常判定フラグXTSngの変化を示し、(G)はバイパス弁開弁判定フラグXBOP及びバイパス弁閉弁判定フラグXBCSの変化を示し、(H)はバイパス弁閉弁異常フラグXBCSng及びバイパス弁開弁異常フラグXBOPngの変化を示し、(I)はバイパス弁正常判定フラグXBokの変化を示し、(J)は温度(冷却水温度THWとEGRガス温度THG)の変化を示す。なお、(D)の異常検出許容フラグXBPGFは、EGR流量GFが、バイパス弁17及び温度SW78の異常検出を許容できる状態か否かを示し、「1」が許容できる状態を、「0」が許容できない状態を意味する。
図6において、時刻t1で、エンジン1が始動を開始し、(A)のエンジン回転数NEが立ち上がり、時刻t2から、(A)のエンジン回転数NEが増減し始めると、それに合わせて車速SPDが増減し始める。そして、時刻t3の直前で、(J)の冷却水温度THWが「40℃」を超えると、EGRが開始され、(B)のEGR流量GFが立ち上がると共に、(C)のバイパス弁17の開弁制御条件が成立する。その後、(B)のEGR流量GFは、エンジン回転数NEの増減に合わせて増減するが、(C)のバイパス弁17は、時刻t8の直後に(J)の冷却水温度THWが「80℃」を超えると閉弁制御条件が成立する。ここで、時刻t6の直後に、(J)のEGRガス温度THGが「110℃」を超えると、(E)の温度SW78がオン(オン信号を出力)し始め、時刻t9の直前で(J)のEGRガス温度THGが「110℃」を下回ると、(E)の温度SW78がオフ(オン信号の出力を停止)となる。また、(J)のEGRガス温度THGが、時刻t12の前後で「110℃」を超え、「110℃」を下回るときも、(E)の温度SW78がオンし、オフする。
ここで、時刻t7の直前では、(C)のバイパス弁17が開弁制御中であり、(B)のEGR流量GFが第1の流量値A1以上となっており、それから第1の所定時間a1が経過した時刻t7では、(J)のEGRガス温度THGが「110℃」を超えており、(E)の温度SW78がオンになっており、EGR流量GFはバイパス弁17及び温度SW78の異常検出を許容できる状態にあり、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、温度SW78が正常であると判定されて(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「1」となる。また、時刻t7で、(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」となり、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「0」となり、更に、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSng及びバイパス弁開弁異常フラグXBOPngがそれぞれ「0」となり、バイパス弁17が開弁状態で正常であると判定される。
また、時刻t10直前では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中であり、(B)のEGR流量GFが第2の流量値B1未満となっており、バイパス弁閉弁制御中で第4の所定時間c1が経過しており、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となり、(E)の温度SW78がオフになっている。このとき、(G)のバイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「1」となるので、バイパス弁17が閉弁状態で正常であると判定される。既に時刻t7では、バイパス弁17が開弁状態で正常であると判定されているので、バイパス弁17は開弁状態でも閉弁状態でも正常となり、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「1」となり、バイパス弁17が正常であると判定される。
図7は、バイパス弁17が開弁異常判定及び温度SW78が正常判定となる場合を示す。図7において、(A)~(J)のパラメータは、図6のそれと同じである。図7において、(E)、(G)、(H)及び(J)のパラメータの挙動が図6のそれと異なる。
図7については、図6と異なる点を中心に説明する。温度SW78の正常判定は、図6の場合と同じである。図7において、時刻t10の直前では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第2の流量値B1未満となっており、それから第2の所定時間b1が経過した時刻で、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。そこで、(J)のEGRガス温度THGが「110℃」を超えており、(E)の温度SW78がオンになっているため、(G)のバイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「0」のままで、(H)のバイパス弁開弁異常フラグXBOPngが「1」となるので、バイパス弁17が開弁状態で異常であると判定される。
図8は、バイパス弁17が閉弁異常判定及び温度SW78が正常判定となる場合を示す。図8において、(A)~(J)のパラメータは、図6、図7のそれと同じである。図8において、新たに加わった(K)は温度SW仮異常フラグXTSTngの変化を示し、(L)はバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngの変化を示す。図8において、(A)及び(B)のパラメータの挙動は、時刻t11以降が、図6、図7のそれと特に異なり、数値が高くなっている。
図8において、時刻t7の直前では、(C)のバイパス弁17が開弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第1の流量値A1以上及び第2の流量値B1未満となっており、そこから第1の所定時間a1が経過した時刻t7で、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、(J)のEGRガス温度THGが「110℃」未満となっており、(E)の温度SW78がオフになっているため、温度SW78が仮異常であると判定され、(K)の温度SW仮異常フラグXTSTngが「1」となり、バイパス弁17が閉弁状態で仮異常であると判定され、(L)のバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngが「1」となる。
一方、時刻t12では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第2の流量値B1以上となっており、(J)のEGRガス温度THGは「110℃」を超えており、(E)の温度SW78がオンになっているので、(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「1」となり、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSngが「1」となり、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「0」のままとなり、バイパス弁17が閉弁異常であると判定される。
図9は、バイパス弁17が閉弁異常の可能性有り判定及び温度SW78が異常判定となる場合を示す。図9において、(A)~(L)のパラメータは、図8のそれと同じである。図9において、(D)~(F)及び(H)のパラメータの挙動のみが、図8のそれと異なる。
図9において、時刻t7では、図8と同様、(J)のEGRガス温度THGが「110℃」未満となっており、(E)の温度SW78がオフになっているため、温度SW78が仮異常であると判定され、(K)の温度SW仮異常フラグXTSTngが「1」となり、バイパス弁17が閉弁状態で仮異常であると判定され、(L)のバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngが「1」となる。
図9において、時刻t12では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第2の流量値B1以上となり、それから第3の所定時間b2が経過した時刻t13で、(J)のEGRガス温度THGが「110℃」を超えても、(E)の温度SW78がオフのままとなり、(F)の温度SW異常判定フラグXTSngが「1」となるので、温度SW78が異常と判定される。また、時刻t13で、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSngが「1」となり、(L)のバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngが「1」となっており、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「0」のままなので、バイパス弁17が閉弁異常の可能性有りと判定される。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したように、この実施形態におけるEGRシステムの構成によれば、バイパス弁17が正常に開弁した状態では、排気通路3からEGR通路12へ流れるEGRガスの一部がバイパス通路16へ流れると共に、残りがEGRクーラ13へ流れる。そして、それら二つの流れが合流部20で合流して下流のEGR通路12(EGRガス分配器15を含む)を介して吸気マニホールド5(吸気通路2)へ流れ、エンジン1へ還流される。従って、排気通路3からEGR通路12へ温度の高いEGRガスが流れても、その一部のEGRガスがバイパス通路16を流れ、残りのEGRガスがEGRクーラ13を流れて熱交換され、温度が低下してからバイパス通路16を流れたEGRガスと合流部20で合流するので、合流部20以降のEGRガスの温度が低下する。よって、適度な温度に低下したEGRガスが下流のEGRガス分配器15等を介して吸気マニホールド5へ流れる。一方、バイパス弁17が正常に閉じた状態では、排気通路3からEGR通路12へ流れるEGRガスのほぼ全部がEGRクーラ13を流れて熱交換され、適度な温度に低下してから下流のEGRガス分配器15等を介して吸気マニホールド5へ流れる。
そして、この実施形態の構成によれば、ECU80は、エンジン1が所定の運転状態となるときであって、EGR通路12にEGRガスを流すためにEGR弁14が開弁状態となるとき、少なくとも温度SW78のオン信号(検出信号)の出力の有無に基づき、バイパス弁17及び温度SW78の少なくとも一方の異常の有無を診断する。ここで、温度SW78は、EGRクーラ13から流れ出るEGRガスとバイパス通路16から流れ出るEGRガスとの合流部20より下流に設けられ、所定の一つの設定温度である「110℃」のみを検出したときにオン信号(検出信号)を出力するものであり、所定の複数の温度又は所定の広範囲の温度を検出できる温度センサより低コストとなる。このため、所定の一つの設定温度である「110℃」のみを検出したときにオン信号(検出信号)を出力するように構成した一つの温度SW78を採用することで、温度センサを採用するよりも低コストでバイパス弁17及び温度SW78の少なくとも一方の異常の有無を診断することができるようになる。
この実施形態の構成によれば、ECU80は、具体的には、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第2の流量値B1未満となる場合、温度SW78のオン信号の出力が有るとき、バイパス弁17が開弁状態で異常(開弁異常)であると診断する。ここで、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第2の流量値B1未満となる場合とは、バイパス通路16を高温のEGRガスが流れず、合流部20より下流のEGRガス温度THGが、温度SW78の設定温度である「110℃」に達しない場合を想定している。従って、温度SW78のオン信号(検出信号)の出力が有るということで、バイパス弁17を閉弁制御したにもかかわらず開弁状態となる異常であると診断することが可能となる。このため、バイパス弁17が、より具体的には、開弁異常又は温度スイッチ78が異常であると診断することができる。
この実施形態の構成によれば、ECU80は、更に具体的には、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、バイパス弁17を強制的に開弁制御し、EGR通路12を流れるEGR流量GFが所定の第1の流量値A1以上となる場合、温度SW78のオン信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったとき、バイパス弁17及び温度SW78が正常であると診断する。ここで、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、EGR流量GFが第12の流量値AB1以下上となる場合とは、バイパス通路16を高温のEGRガスが流れず、合流部20より下流のEGRガス温度THGが、温度SW78の設定温度である「110℃」に達しない場合を想定している。また、その状態からバイパス弁17を強制的に開弁制御し、第1の流量値A1以上となることは、バイパス通路16を高温のEGRガスが流れ、合流部20より下流のEGRガス温度THGが「110℃」に達する場合を想定している。従って、バイパス弁17を強制的に開弁制御することで温度SW78のオン信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったことで、バイパス弁17が正常に開弁制御し、かつ、温度SW78が正常に作動したと診断することが可能となる。このため、バイパス弁17と温度SW78の両方が正常であることを同時に診断することができる。
この実施形態の構成によれば、ECU80は、更に具体的には、エンジン1の冷間始動後であって、EGR通路12にEGRガスが流れる前又はEGR通路12にEGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後、温度SW78のオン信号の出力が有るとき、温度SW78が異常であると診断する。ここで、エンジン1の冷間始動後であって、EGR通路12にEGRガスが流れる前又はEGR通路12にEGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後とは、EGR通路12にEGRガスが流れておらず、温度SW78のオン信号の出力が無いことが明らかな場合を想定している。従って、温度SW78のオン信号の出力が有ることで、温度SW78が明らかに異常であると診断することが可能となる。このため、温度SW78の異常の有無を確実に診断することができる。
この実施形態の構成によれば、ECU80は、温度SW78の設定温度を、バイパス弁17を閉弁制御したときの合流部20の最高温度より高い温度である「110℃」に設定することで、温度SW78の設定温度を、バイパス弁17を開弁制御したときの合流部20の温度に設定することが可能となり、温度SW78の作動頻度を少なくすることが可能となる。このため、温度SW78の作動頻度を少なくした分だけ、温度SW78の信頼性を確保することができる。
この実施形態では、上記のようにバイパス弁17及び温度SW78の少なくとも一方の異常の有無を診断できるので、ECU80は、その診断結果に応じてEGR弁14を制御する、すなわちEGRの実行を制御することができる。従って、高温のEGRガスが不必要に下流のEGR通路12(EGRガス分配器15を含む)へ流れないようにすることが可能となる。このため、バイパス通路16に設けられるバイパス弁17が故障しても、EGRクーラ13及びバイパス通路16より下流のEGR通路12(EGRガス分配器15を含む)において凝縮水の発生とEGR通路12(EGRガス分配器15を含む)の溶損を抑制することができる。
この実施形態の構成によれば、ECU80は、エンジン1の始動後に水温センサ71により検出される冷却水温度THWと、温度SW78のオン信号の出力の有無とに基づいてバイパス弁17の異常を診断する。ここで、温度SW78は、通常、エンジン1を制御するために使用される。従って、バイパス弁17の異常を診断するために、温度SW78の他に特別な検出手段を設ける必要がない。このため、特別な検出手段を設ける必要がない分だけ、EGRシステムの構成を簡略化することができ、その製品コストを抑えることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、ECU80が実行するバイパス弁等異常診断制御の内容の点で、第1実施形態と異なる。
[バイパス弁等異常診断制御について]
図10~図12に、この実施形態のバイパス弁等異常診断制御の内容をフローチャートにより示す。図10~図12に示すフローチャートにおいて、図2~図5のフローチャートと同一の符号で示すステップは、図2~図5のフローチャートと同一の処理内容を示し、異なる符号で示すステップは異なる処理内容であることを示す。
第1実施形態のバイパス弁等異常診断制御によれば、低水温域から異常診断が可能であるが、背反として温度SW78の作動頻度が多くなるので、温度SW78の信頼性(耐久性)に懸念がある。そこで、この実施形態のバイパス弁等異常診断制御では、バイパス弁17の開弁及び閉弁の異常を、バイパス弁17が開弁状態となる温度以上(例えば、「120℃以上」)の温度(130℃)でオン信号(検出信号)を出力可能に設定された1個の温度SW78を使用して異常診断を実行する。すなわち、この実施形態では、設定温度が「130℃」に設定されており、温度SW78は、「130℃」以上の温度を検出したときにオン信号を出力するように構成される。この設定温度である「130℃」は、バイパス弁17が閉弁状態のときの合流部20の最高温度より高い温度として設定される。
ECU80は、このルーチンの処理中に、ステップ110、ステップ140又はステップ270から移行してステップ155では、冷却水温度THWに応じたバイパス弁17の開閉、温度SW78の異常判定EGR流量値FJGF(第3の流量値A2と第4の流量値B2(>A2))を求める。この実施形態では、第3の流量値A2は、第1実施形態の第1の流量値A1より大きい値に設定され、第4の流量値B2は、第1実施形態の第2の流量値B1より大きい値に設定される。
ECU80は、このルーチンの処理中に、ステップ190から移行してステップ205では、EGR流量GFが第4の流量値B2以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ800へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ800では、ECU80は、第1の所定時間a1が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ210へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ205へ戻す。
ステップ210では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ220へ移行するが、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ300ではなく、ステップ310へ移行する。
ECU80は、このルーチンの処理中に、ステップ440から移行してステップ455では、EGR流量GFが第4の流量値B2未満か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ460ではなくステップ810へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ810では、ECU80は、第2の所定時間b1が経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ460へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ455へ戻す。
ステップ460では、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ470へ移行するが、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ490ではなく、ステップ500へ移行する。
また、ECU80は、このルーチンの処理中に、ステップ440から移行してステップ820では、EGR流量GFが第3の流量値A2以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ830へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ830では、ECU80は、バイパス弁17を強制的に開弁制御(強制開弁制御)する。
次に、ステップ840で、ECU80は、第5の所定時間d1の経過を待って処理をステップ850へ移行する。
ステップ850では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ860へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ900へ移行する。
ステップ860では、ECU80は、バイパス弁17が開弁であると判定し、バイパス弁開弁判定フラグXBOPを「1」に設定する。
次に、ステップ870で、ECU80は、温度SWが正常であると判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定する。
次に、ステップ880で、ECU80は、バイパス弁17が正常であると判定し、バイパス弁正常判定フラグXBokを「1」に設定する。
次に、ステップ890で、ECU80は、バイパス弁17を強制的に閉弁制御(強制閉弁制御)し、異常検出を終了する。
一方、ステップ850から移行してステップ900では、ECU80は、温度SW78が異常と判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定し、及び、バイパス弁17が閉弁異常と判定し、バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「1」に設定し、処理をステップ890へ移行する。
ECU80は、具体的には、バイパス弁17を開弁制御しているとき(ステップ170)に、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第4の流量値B2以上となる場合(ステップ205の判断がYES)、温度SW78のオン信号の出力が無いとき(ステップ210の判断がNO)、バイパス弁17が閉弁状態で仮異常(異常)及び温度SW78が仮異常(異常)であると判定(診断)する(ステップ310)ようになっている。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、バイパス弁17を閉弁制御しているとき(ステップ420)に、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第3の流量値A2以上となる場合(ステップ820の判断がYES)、バイパス弁17を強制的に開弁制御することにより(ステップ830)、温度SW78のオン信号の出力が無い状態(ステップ130の判断がYES、且つステップ210の判断がNO)から有る状態に切り替わったとき(ステップ850の判断がYES)、バイパス弁17及び温度SW78が正常であると判定(診断)する(ステップ870及びステップ880)ようになっている。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、バイパス弁17の開弁異常及び閉弁異常を次のように検出する。すなわち、異常検出の範囲は、EGR流量GFが第3の流量値A2以上となる範囲である。ここで、低水温域(例えば、40~80℃)では、EGR流量GFが第4の流量値B2以上となる領域で、温度SW78がオンとなる(合流部20を流れるEGRガスが「130℃以上」となる)場合は、ECU80は、バイパス弁17が開弁状態(閉弁異常ではない)であると判定する。一方、温度SW78がオフとなる(合流部20を流れるEGRガスが「130℃未満」となる)場合は、ECU80は、バイパス弁17が閉弁仮異常であると判定する。一方、高水温域で、かつバイパス弁17を強制的に開弁制御したディレー後で、温度SW78がオンとなる(合流部20を流れるEGRガスが「130℃以上」となる)場合は、バイパス弁17と温度SW78がそれぞれ正常であると判定する。また、温度SW78がオフとなる(合流部20を流れるEGRガスが「130℃未満」となる)場合は、ECU80は、バイパス弁17が閉弁異常又は温度SW78が異常であると判定する。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、車両の通常走行下で温度SW78の異常を次のように検出する。ここで、温度SW78の設定温度は、バイパス弁17が閉弁異常となる状態では、温度SW78は作動せず(オンとならず)、バイパス弁17の開弁状態では、温度SW78が作動する(オンとなる)温度に設定することが必須要件となる。この実施形態では、EGRクーラ13から流れ出るEGRガスの最大温度を「120℃以上」に設定した場合、温度SW78の設定温度を「130℃」に設定している。ここで、低水温域でエンジン1が始動した後に、温度SW78がオンとなる(合流部20を流れるEGRガスが「130℃以上」となる)場合、ECU80は、温度SW78が異常であると判定する。また、高水温域でエンジン1が始動した後に、温度SW78がオンとなり(合流部20を流れるEGRガスが「130℃以上」となり)、かつ、EGRカット時間f1以上で温度SW78がオンを継続(合流部20を流れるEGRガスが「130℃以上」を継続)した場合、ECU80は、温度SW78が異常であると判定する。また、温度SW78がオフ(合流部20を流れるEGRガスが「130℃未満」)に切り替わった場合、ECU80は、温度SW78が正常であると判定する。ここで、低水温域でエンジン1が始動した後に、EGR流量GFが第4の流量値B2以上となり、温度SW78がオンとなり又はバイパス弁17が閉弁状態で温度SW78がオフとなる場合は、ECU80は、温度SW78が正常であると判定する。低水温域でエンジン1が始動した後に、温度SW78がオフとなり、その後、EGR流量GFが第4の流量値B2以上となる状態で温度SW78がオフを継続し、高水温域で、EGR流量GFが第3の流量値A2以上となる状態でバイパス弁17を強制的に開弁制御し、第5の所定時間d1後に温度SW78がオンとならなければ、ECU80は、温度SW78が異常である又はバイパス弁17が閉弁異常であると判定する。温度SW78がオンとなれば、ECU80は、温度SW78及びバイパス弁17は正常であると判定する。
上記バイパス弁等異常診断制御によれば、ECU80は、低水温域及び高水温域で、検出条件が成立しない場合(EGR流量GFが第3の流量値A2未満となる場合)、バイパス弁17の開弁制御を継続し、EGR流量GFが第3の流量値A2以上となる状態で第5の所定時間d1が経過した後に異常を検出してもよい。ここで、温度SW78がオフ状態からオンになった場合は、ECU80は、温度SW78及びバイパス弁17が正常であると判定する。一方、温度SW78がオフ状態のままの場合は、ECU80は、温度SW78が異常又はバイパス弁17が閉弁異常であると判定する。
この実施形態の構成によれば、第1実施形態のバイパス弁等異常診断制御と比べると、温度SW78及びバイパス弁17の正常時には、自動車の1トリップ当たりの温度SW78の作動頻度が1~2回で済むので、温度SW78の耐久性を向上させることができる。ただし、バイパス弁17が開弁異常となるときは、EGRの実行と停止を繰り返すことで、温度SW78の作動頻度は増加することになる。
[バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動について]
ここで、上記バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動を図13~図16にタイムチャートにより示す。図13は、バイパス弁17及び温度SW78の両方が正常判定となる場合を示す。図13において、(A)~(J)のパラメータは、図6のそれと同じであるが、(E)は、130℃の温度SW78のオン・オフの変化を示す。図13において、(D)、(E)、(G)、(I)及び(J)以外のパラメータの挙動については、図6のそれと同じである。
図13において、時刻t7の直前では、(C)のバイパス弁17が開弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第4の流量値B2以上となっており、それから第1の所定時間a1が経過した時刻t7では、EGR流量GFがバイパス弁17及び温度SW78の異常検出を許容できる状態であり、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、(J)のEGRガス温度THGが「130℃」を超えており、(E)の温度SW78がオンになっており、温度SW78が正常であると判定されて(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「1」となり、温度SW異常判定フラグXTSngが「0」となる。また、時刻t7で、(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」となり、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「0」となり、更に、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSng及びバイパス弁開弁異常フラグXBOPngがそれぞれ「0」となり、バイパス弁17が開弁状態で正常であると判定される。
また、時刻t12の直後では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第4の流量値B2未満となっており、それから第2の所定時間b1が経過した時刻t13では、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、(E)の温度SW78がオフになっており、(G)のバイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「1」となるので、バイパス弁17が閉弁状態で正常であると判定される。既に時刻t7では、バイパス弁17が開弁状態で正常であると判定されているので、バイパス弁17は開弁状態でも閉弁状態でも正常となり、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「1」となり、バイパス弁17が正常であると判定される。
図14は、バイパス弁17が開弁異常判定及び温度SW78が正常判定となる場合を示す。図14において、(A)~(J)のパラメータは、図7のそれと同じである。図14において、(D)、(E)、(H)、(I)及び(J)以外のパラメータの挙動については、図7のそれと同じである。
図14については、図13と異なる点を中心に説明する。温度SW78の正常判定は、図13の場合と同じである。図14において、時刻t13の直前では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第4の流量値B2未満となっており、それから第2の所定時間b1が経過した時刻t13で、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。そして、(J)のEGRガス温度THGが「130℃」を超えており、(E)の温度SW78がオンになっており、時刻t13では、(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「0」となり、(H)のバイパス弁開弁異常フラグXBOPngが「1」となるので、バイパス弁17が開弁異常であると判定される。
図15は、低水温域でバイパス弁17が閉弁仮異常判定及び温度SW78が仮異常判定となり、高水温域でバイパス弁17を強制的に開弁制御したときにバイパス弁17及び温度SW78の両方が正常判定となる場合を示す。図15において、(A)~(L)のパラメータは、図8のそれと同じである。図15において、(A)~(J)以外のパラメータの挙動については、図8のそれと同じである。
図15において、時刻t7の直前では、(C)のバイパス弁17が開弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第4の流量値B2以上となっており、そこから第1の所定時間a1が経過した時刻t7で、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、(J)のEGRガス温度THGが「130℃」未満となっており、(E)の温度SW78がオフになっており、温度SW78が仮異常であると判定され、(K)の温度SW仮異常フラグXTSTngが「1」となり、バイパス弁17が閉弁状態で仮異常であると判定され、(L)のバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngが「1」となる。
一方、時刻t12の直前では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(B)のEGR流量GFが第3の流量値A2未満となっており、(J)のEGRガス温度THGが「130℃」未満となり、(E)の温度SW78がオフとなっており、(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「0」となっているが、(K)の温度SW仮異常フラグXTSTngは「1」となっている。また、(G)のバイパス弁閉弁判定フラグXBCS及びバイパス弁開弁判定フラグXBOPがともに「0」となっており、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSng及びバイパス弁開弁異常フラグXBOPngがともに「0」になっているが、(L)のバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngは「1」となっている。
その後、時刻t12で、(B)のEGR流量GFが第3の流量値A2以上となり(図12のステップ820)、(C)のバイパス弁17が強制的に開弁制御され、第5の所定時間d1が経過した時刻t14では、(B)のEGR流量GFが第3の流量値A2以上のままとなっており、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、(J)のEGRガス温度THGが「130℃」以上となり、(E)の温度SW78がオンとなり、(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「1」となり、温度SW異常判定フラグXTSngが「0」のままとなるので、温度SW78が正常であると判定される。また、時刻t14では、(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」となり、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「0」のままとなり、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSng及びバイパス弁開弁異常フラグXBOPngが共に「0」となるので、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「1」となり、バイパス弁17が正常であると判定される。その後、バイパス弁17は強制閉弁制御される(図12のステップ890)。
図16は、低水温域でバイパス弁17が閉弁仮異常判定及び温度SW78が仮異常判定となり、高水温域でバイパス弁17を強制的に開弁制御したときにバイパス弁17が閉弁異常判定及び温度SW78が異常判定となる場合を示す。図16において、(A)~(L)のパラメータは、図15のそれと同じである。図16において、(E)、(F)及び(H)のパラメータの挙動のみが、図15のそれと異なる。
図16において、時刻t12で、(B)のEGR流量GFが第3の流量値A2以上となり(図12のステップ820)、(C)のバイパス弁17が強制的に開弁制御され、第5の所定時間d1が経過した時刻t14では、(B)のEGR流量GFが第3の流量値A2以上のままとなっており、(D)の異常検出許容フラグXBPGFが「1」となる。このとき、(J)のEGRガス温度THGが「130℃」未満となり、(E)の温度SW78がオフのままとなるので、(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「0」となり、温度SW異常判定フラグXTSngが「1」となるので、温度SW78が異常である判定される。また、時刻t14では、(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「0」となり、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「1」となり、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSngが「1」となり、バイパス弁開弁異常フラグXBOPngが「0」となるので、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「0」となり、バイパス弁17が閉弁異常であると判定される。その後、バイパス弁17は強制閉弁制御される(図12のステップ890)。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したように、この実施形態におけるEGRシステムの構成によれば、温度SW78の設定温度は「130℃」であり、第1実施形態の設定温度である「110℃」とは異なるものの、基本的に第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
この実施形態の構成によれば、ECU80は、更に具体的には、バイパス弁17を開弁制御しているときに、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第4の流量値B2以上となる場合、温度SW78のオン信号の出力が無いとき、バイパス弁17が閉弁状態で異常(閉弁異常)及び温度SW78が異常であると診断する。ここで、バイパス弁17を開弁制御しているときに、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第4の流量値B2以上となる場合とは、バイパス通路16を高温のEGRガスが流れ、合流部20より下流のEGRガス温度THGが、温度SW78の設定温度である「130℃」に達している場合を想定している。従って、温度SW78のオン信号の出力が無いということで、バイパス弁17を開弁制御したにもかかわらず閉弁状態となる閉弁異常及び温度SW78が異常であると診断することが可能となる。このため、バイパス弁17が、より具体的には、閉弁異常であると診断することができ、及び、温度SW78が異常であると診断することができる。
加えて、この実施形態の構成によれば、ECU80は、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、EGR通路12を流れるEGR流量GFが所定の第3の流量値A2以上となる場合、バイパス弁17を強制的に開弁制御することにより、温度SW78のオン信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったとき、バイパス弁17及び温度SW78が正常であると診断する。ここで、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、EGR流量GFが第3の流量値A2以上となる場合とは、バイパス通路16を高温のEGRガスが流れず、合流部20より下流のEGRガス温度THGが、温度SW78の設定温度である「130℃」に達しない場合を想定している。また、その状態からバイパス弁17を強制的に開弁制御するということは、バイパス通路16を高温のEGRガスが流れ、合流部20より下流のEGRガス温度THGが「130℃」に達する場合を想定している。従って、バイパス弁17を強制的に開弁制御することで温度SW78のオン信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったことで、バイパス弁17が正常に開弁制御し、かつ、温度SW78が正常に作動したと診断することが可能となる。このため、バイパス弁17と温度SW78の両方が正常であることを同時に診断することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図面を参照して詳細に説明する。この実施形態では、ECU80が実行するバイパス弁等異常診断制御の内容の点で前記各実施形態と異なる。この実施形態では、特に、EGRガスの推定温度によって異常診断を行う点で前記各実施形態と異なる。
[バイパス弁等異常診断制御について]
図17~図19に、この実施形態のバイパス弁等異常診断制御の内容をフローチャートにより示す。なお、この実施形態では、第2実施形態と同様、設定温度が「130℃」に設定されており、温度SW78は、「130℃」以上の温度を検出したときにオン信号を出力するように構成される。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ1000で、ECU80は、IGオンか否か、すなわちIGスイッチ70がオン操作されたか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1010へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1360へ移行する。
ステップ1010では、ECU80は、車速センサ69、水温センサ71、回転数センサ72及び吸気温センサ77の検出値に基づき、エンジン回転数NE、エンジン負荷KL、冷却水温度THW、吸気温度THA及び車速SPDをそれぞれ取り込むと共に、EGR流量GFを取り込む。ECU80は、例えば、所定のEGR流量マップを参照することにより、EGR弁14のステップモータに対する制御指令値(EGR弁14の開度)と、そのとき検出される吸気量Ga又は吸気圧力PMとに応じたEGR流量GFを求めることができる。加えて、ECU80は、バイパス弁17の開閉状態を取り込む。
次に、ステップ1020で、ECU80は、エンジン回転数NE、エンジン負荷KL、冷却水温度THW、吸気温度THA及び車速SPD等に基き、バイパス弁17の正常時における推定EGRガス温度ETegrを算出する。ECU80は、例えば、所定の推定EGRガス温度マップを参照することにより、各種パラメータNE,KL,THW,THA,SPDに応じた推定EGRガス温度ETegrを算出することができる。
次に、ステップ1030で、ECU80は、温度SW78の状態を取り込む。
次に、ステップ1040で、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrが「120℃」以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1050へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1140へ移行する。
ステップ1050では、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrが「120℃」以下であることを示す120℃以下フラグXLT120を「0」に設定する。
次に、ステップ1060で、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1070へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1120へ移行する。
ステップ1070では、ECU80は、バイパス弁開弁判定フラグXBOPが「0」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、バイパス弁17が開弁判定されていないとして処理をステップ1080へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、バイパス弁17が開弁判定されているとして異常検出を終了する。
ステップ1080では、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrが「140℃」以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1090へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1210へ移行する。
ステップ1090では、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrが140℃以上であることを示す140℃以上フラグXMT140が「0」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1100へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1000へ戻す。
ステップ1100では、ECU80は、140℃以上フラグXMT140を「1」に設定する。
次に、ステップ1110で、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1120へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1350へ移行する。
ステップ1120では、ECU80は、温度SW78が正常であると判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定する。
次に、ステップ1130で、ECU80は、バイパス弁17が開弁状態であると判定し、バイパス弁開弁判定フラグXBOPを「1」に設定した後、処理をステップ1000へ戻す。
一方、ステップ1040から移行してステップ1140では、ECU80は、120℃以下フラグXLT120を「1」に設定する。
次に、ステップ1150で、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1160へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1180へ移行する。
ステップ1160では、ECU80は、バイパス弁開弁判定フラグXBOPが「0」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1170へ移行し、この判断結果が否定となる場合は異常検出を終了する。
ステップ1170では、ECU80は、冷却水温度THWが「80℃」未満であるか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1000へ戻し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1260へ移行する。
ここで、ステップ1150から移行してステップ1180では、ECU80は、バイパス弁開弁判定フラグXBOPが「0」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1190へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1200へ移行する。
そして、ステップ1190では、ECU80は、温度SW78が異常であると判定し、温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定した後、異常検出を終了する。
また、ステップ1200では、ECU80は、バイパス弁17が開弁状態で異常であると判定し、バイパス弁開弁異常フラグXBOPngを「1」に設定した後、異常検出を終了する。
一方、ステップ1080から移行してステップ1210では、ECU80は、140℃以上フラグXMT140を「0」に設定する。
次に、ステップ1220で、ECU80は、バイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、バイパス弁17が開弁判定されているとして処理をステップ1230へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、バイパス弁17が開弁判定されていないとして処理をステップ1260へ移行する。
ステップ1230では、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1240へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1000へ戻す。
一方、ステップ1070、ステップ1160又はステップ1230から移行してステップ1240では、ECU80は、バイパス弁17が閉弁状態であると判定し、バイパス弁閉弁判定フラグXBCSを「1」に設定する。
次に、ステップ1250で、ECU80は、バイパス弁17が正常であると判定し、バイパス弁正常判定フラグXBokを「1」に設定した後、異常検出を終了する。
一方、ステップ1110から移行してステップ1350では、ECU80は、温度SW78が異常と判定し、温度SW仮異常フラグXTSTngを「1」に設定すると共に温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定し、及び、バイパス弁17が閉弁異常と判定し、バイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngを「1」に設定すると共にバイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「1」に設定する。その後、ECU80は、異常検出を終了する。
更に、ステップ1170又はステップ1220から移行してステップ1260では、ECU80は、バイパス弁17を強制的に開弁制御する。
次に、ステップ1270で、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrが「120℃」以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1280へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1000へ戻す。
ステップ1280では、ECU80は、温度SW78がオフか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1290へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1310へ移行する。
ステップ1290では、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrが「140℃」以上か否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1300へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1000へ戻す。
ステップ1300では、ECU80は、温度SW78がオンか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ1310へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ1340へ移行する。
ステップ1280又はステップ1300から移行してステップ1310では、ECU80は、温度SW78が正常であると判定し、温度SW正常判定フラグXTSokを「1」に設定する。
次に、ステップ1320で、ECU80は、バイパス弁17が開弁状態であると判定し、バイパス弁開弁判定フラグXBOPを「1」に設定する。
次に、ステップ1330では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁制御した後、処理をステップ1000へ戻す。
また、ステップ1300から移行してステップ1340では、ECU80は、温度SW78が異常と判定し、温度SW仮異常フラグXTSTngを「1」に設定すると共に温度SW異常判定フラグXTSngを「1」に設定し、及び、バイパス弁17が閉弁異常と判定し、バイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngを「1」に設定すると共にバイパス弁閉弁異常フラグXBCSngを「1」に設定する。その後、ECU80は、異常検出を終了する。
一方、ステップ1000から移行してステップ1360~ステップ1440では、ECU80は、図2のステップ330~ステップ410と同様の処理を実行し、その後の処理を終了する。
上記バイパス弁等異常診断制御において、ECU80は、推定EGRガス温度ETegrの精度が、例えば「±5℃」であり、温度SW78の公差が、例えば「±5℃」であるとしてこの制御を実行する。ここで、温度SW78が作動する(オン・オフする)推定EGRガス温度ETegrは「120℃~140℃」である。従って、推定EGRガス温度ETegrが「120℃以下」で温度SW78がオンとなる場合は、ECU80は、温度SW78が異常と判定する。一方、推定EGRガス温度ETegrが「140℃以上」で温度SW78がオフとなる場合は、ECU80は、バイパス弁17が閉弁異常と判定する。また、推定EGRガス温度ETegrが「120℃~140℃」の間で温度SW78がオフからオンに切り替わった場合は、ECU80は、温度SW78が正常及びバイパス弁17が開弁状態であると判定する。また、温度SW78がオンからオフに切り替わった場合は、ECU80は、バイパス弁17が正常と判定する。
[バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動について]
ここで、上記バイパス弁等異常診断制御による各種パラメータの挙動を図20~図22にタイムチャートにより示す。図20は、バイパス弁17及び温度SW78の両方が正常判定となる場合を示す。図20において、(A)~(C),(E)~(I)のパラメータは、図6のそれと同じであるが、(E)は、130℃の温度SW78のオン・オフの変化を示し、(J)は冷却水温度THW及び推定EGRガス温度ETegrの変化を示す。ここでは、推定EGRガス温度ETegrが、実際のEGRガス温度THGと一致することを想定する。(M)は、120℃以下フラグXLT120の変化を示し、(N)は、140℃以上フラグXMT140の変化を示す。図20において、(A)、(C)及び(H)以外のパラメータの挙動は、図6のそれと異なる。
ここで、時刻t6では、(C)のバイパス弁17が開弁制御中で、(B)のEGR流量GFが増加し始めており、(J)の推定EGRガス温度ETegrが「120℃」以下となるので、(M)の120℃以下フラグXLT120が「1」となる。その後、時刻t7で、(J)の推定EGRガス温度ETegrが「120℃」を超えると、(M)の120℃以下フラグXLT120が「0」となり、時刻t8で、(J)の推定EGRガス温度ETegrが「130℃」を超えると、(E)の温度SW78がオンとなる。その後、時刻t9で、(J)の推定EGRガス温度ETegrが「140℃」を超えると、(N)の140℃以上フラグXMT140が「1」となる。このとき、温度SW78が正常であると判定されて(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「1」となり、バイパス弁17が開弁と判定されて(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」となる。その後、時刻t12で、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(E)の温度SW78がオフとなっており、(J)の推定EGRガス温度ETegrが「120℃」以下となるので、(M)の120℃以下フラグXLT120が「1」となり、(G)のバイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「1」となり、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「1」となり、バイパス弁17が正常であると判定される。すなわち、バイパス弁17と温度SW78の両方が正常判定となる。
図21は、バイパス弁17が開弁異常判定及び温度SW78が正常判定となる場合を示す。図21において、各種パラメータは、図20のそれと同じである。図21において、(A)~(C)、(F)及び(M)以外のパラメータの挙動は、図20のそれと異なる。(J)において、推定EGRガス温度ETegr(正常時想定)を実線で示し、実際のEGRガス温度THG(異常時)を太線で示す(図22においても同様。)。実際のEGRガス温度THGは、センサ等で検出していなくてもよい。
図21において、時刻t6から時刻t10までの各パラメータの挙動は、図20のそれと同じであることから、時刻t9で、(J)の推定EGRガス温度ETegrが「140℃」を超えると、(N)の140℃以上フラグXMT140が「1」となり、温度SW78が正常であると判定されて(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「1」となる。一方、図21において、時刻t12では、(C)のバイパス弁17が閉弁制御中で、(J)の推定EGRガス温度ETegr(正常時想定)が「120℃」以下となり、(M)の120℃以下フラグXLT120が「1」となるにもかかわらず、(E)の温度SW78がオフとならず(実際のEGRガス温度THGが「130℃」を超えた異常時)、(G)のバイパス弁開弁判定フラグXBOPが「1」となっているため、(H)のバイパス弁開弁異常フラグXBOPngが「1」となり、バイパス弁閉弁異常フラグXBCSngが「0」となるので、(I)のバイパス弁正常判定フラグXBokが「0」となり、バイパス弁17が開弁異常であると判定される。すなわち、バイパス弁17が開弁異常判定及び温度SW78が正常判定となる。
図22は、バイパス弁17が閉弁異常判定又は温度SW78が異常判定となる場合を示す。図22において、(K)及び(L)以外のパラメータは、図20、図21のそれと同じである。図22において、(A)~(C)、(I)、(M)及び(N)以外のパラメータの挙動は、図20のそれと異なる。
図22において、時刻t9では、(C)のバイパス弁17が開弁制御中で、(J)の推定EGRガス温度ETegr(正常時想定)が「140℃」以上で、(M)の120℃以下フラグXLT120が「0」となり、(N)の140℃以上フラグXMT140が「1」となるにもかかわらず、(E)の温度SW78がオフのままなので(図17のステップ1350)、温度SW78が仮異常及び異常であると判定され(F)の温度SW正常判定フラグXTSokが「0」となり、温度SW異常判定フラグXTSngが「1」となる。また、(K)の温度SW仮異常判定フラグXTSTngが「1」となる。また、(H)のバイパス弁閉弁異常フラグXBCSngが「1」となり、(L)のバイパス弁閉弁仮異常フラグXBCSTngが「1」となる。また、(G)のバイパス弁閉弁判定フラグXBCSが「1」となり、バイパス弁開弁判定フラグXBOPが「0」となる。そして、バイパス弁正常判定フラグXBokが「0」となり、バイパス弁17が異常であると判定される。すなわち、バイパス弁17が閉弁異常判定又は温度SW78が異常判定となる。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したように、この実施形態におけるEGRシステムの構成によれば、エンジン回転数NE、エンジン負荷KL、冷却水温度THW、吸気温度THA及び車速SPD等に基づき算出される、バイパス弁17の正常時における推定EGRガス温度ETegrに基づいてバイパス弁17及び温度SW78の異常診断を行う点で、温度SW78のオン・オフ動作に基づいてバイパス弁17及び温度SW78の異常診断を行う前記各実施形態と異なる。
<別の実施形態>
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、温度SW78の設定温度を所定の一つの温度である「110℃」又は「130℃」に設定したが、この設定温度を、誤差を許容した所定の狭範囲の温度、例えば、「105℃~115℃」又は「125℃~135℃」に設定することもできる。
(2)前記各実施形態では、EGRクーラ13から流れ出るEGRガスとバイパス通路16から流れ出るEGRガスとの合流部20より下流のEGR12(EGRガス分配器15より上流の配管)に温度SW78を設けたが、温度SWをEGRガス分配器に設けることもできる。
(3)前記各実施形態では、EGR通路12の配管の内壁の温度を温度SW78により検出するように構成したが、EGR通路12(EGRガス分配器15を含む)を流れるEGRガスの温度を温度SWにより検出するように構成することもできる。
(4)前記各実施形態では、ECU80は、所定のEGR流量マップを参照することにより、EGR弁14のステップモータに対する制御指令値(EGR弁14の開度)と、そのとき検出される吸気量Ga又は吸気圧力PMとに応じたEGR流量GFを求めるように構成した。これに対し、EGR通路にEGR流量を検出するセンサを設け、そのセンサの検出値からEGR流量を求めることもできる。
(5)前記第1実施形態では、ECU80は、バイパス弁17を閉弁制御しているときに、EGR通路12を流れるEGR流量GFが第1の流量値A1とそれより大きい第2の流量値B1との間の流量値となる場合、温度SW78のオン信号の出力が有るとき、バイパス弁17が開弁異常であると診断したが、同じ条件で、温度SW78が異常であると診断することもできる。
この開示技術は、車両に搭載されるガソリンエンジンやディーゼルエンジンのEGR装置に適用することができる。
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
12 EGR通路
13 EGRクーラ
14 EGR弁
15 EGRガス分配器(EGR通路)
16 バイパス通路
17 バイパス弁
20 合流部
78 温度SW(温度スイッチ)
80 ECU(異常診断手段)
GF EGR流量
A1 第1の流量値
B1 第2の流量値
A2 第3の流量値(第1の流量値に相当)
B2 第4の流量値(第2の流量値に相当)
f1 EGRカット時間(所定の時間)

Claims (6)

  1. エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとして吸気通路へ流すためのEGR通路と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスを冷却するためのEGRクーラと、
    前記EGR通路において前記EGRクーラへ流れる前記EGRガスを迂回させるためのバイパス通路と、
    前記バイパス通路を開閉するためのバイパス弁と
    を備えたEGRシステムにおいて、
    前記EGR通路において、前記EGRクーラから流れ出る前記EGRガスと前記バイパス通路から流れ出る前記EGRガスとの合流部より下流に設けられ、所定の一つ又は所定の狭範囲の設定温度のみを検出したときに検出信号を出力する温度スイッチと、
    前記エンジンが所定の運転状態となるときであって、前記EGR通路に前記EGRガスを流すために前記EGR弁が開弁状態となるとき、少なくとも前記温度スイッチの検出信号の出力の有無に基づき、前記バイパス弁及び前記温度スイッチの少なくとも一方の異常の有無を診断するための異常診断手段と
    を備えたことを特徴とするEGRシステム。
  2. 請求項1に記載のEGRシステムにおいて、
    前記異常診断手段は、前記バイパス弁を閉弁制御しているときに、前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量が所定の第1の流量値とそれより大きい所定の第2の流量値との間の流量値となる場合、前記温度スイッチの前記検出信号の出力が有るとき、前記バイパス弁が開弁状態で異常又は前記温度スイッチが異常であると診断する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のEGRシステムにおいて、
    前記異常診断手段は、前記バイパス弁を開弁制御しているときに、前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量が所定の第2の流量値以上となる場合、前記温度スイッチの前記検出信号の出力が無いとき、前記バイパス弁が閉弁状態で異常及び前記温度スイッチが異常であると診断する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記異常診断手段は、前記バイパス弁を閉弁制御しているときに、前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量が所定の第1の流量値以上となる場合、前記バイパス弁を強制的に開弁制御することにより、前記温度スイッチの前記検出信号の出力が無い状態から有る状態に切り替わったとき、前記バイパス弁及び前記温度スイッチが正常であると診断する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記異常診断手段は、前記エンジンの冷間始動後であって、前記EGR通路に前記EGRガスが流れる前又は前記EGR通路に前記EGRガスが流れなくなって所定の時間が経過した後、前記温度スイッチの前記検出信号の出力が有るとき、前記温度スイッチが異常であると診断する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記温度スイッチの前記設定温度は、前記バイパス弁を閉弁制御したときの前記合流部の最高温度より高い温度に設定される
    ことを特徴とするEGRシステム。
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