JP2021080699A - フィールド昇降装置、及び競技場 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解消することであり、すなわち目的の異なる上下2層の床構造を実現するとともに、比較的小さい規模の設備で上層のフィールドを吊り上げることができるフィールド昇降装置と、これを備えた競技場を提供することである。【解決手段】本願発明のフィールド昇降装置は、競技場のフィールドを吊上げかつ吊下ろす昇降装置であり、天井体と複数の吊ロープ、巻上手段を備えたものである。天井体はフィールドの上方に配置され、吊ロープはこの天井体から垂下し、巻上手段は天井体に固定される。また複数の吊ロープは、フィールド全体を面的に覆うように配置され、巻上手段は、吊ロープの下端に連結されたフィールドを吊上げかつ吊下ろし可能である。そしてフィールドは、複数の吊ロープで面的に支持された状態で昇降する。【選択図】図2

Description

本願発明は、サッカーや野球、陸上競技などを行う競技場に関するものであり、より具体的には、競技を行うフィールド面(以下、単に「フィールド」という。)をサッカーなどその競技場が本来目的としている競技のほか、コンサートや市民集会など種々のイベントを行うイベント会場としても利用することができるフィールド昇降装置と、これを備えた競技場に関する技術である。
競技場は、ある特定の競技を行うため、あるいはその競技を観戦させることを目的とする施設であり、野球場やサッカー場などはその代表的な例である。ところが、競技場で行われる競技の回数(例えば試合数)は、一般的に年間を通じて数十回程度であり、すなわち年間を通じて収益を上げている競技場は多くない。
スポーツ庁は、官民連携によるスタジアムやアリーナの整備計画策定に対して財政支援を行っており、「稼げる」視点を重視したうえで、スポーツ以外のイベントも常時開催できる多機能型・複合型の施設の整備を推し進めているところである。さらに政府は、「稼げる」視点を重視した多機能型・複合型のスタジアムやアリーナを2025年までに全国的に整備する目標を掲げている。
野球とサッカー、そしてコンサートなどに使用することができる多目的競技場は、1年を通じて定常的に集客機会を設けることができることから収益面にとっては極めて好適であり、これまでも多目的競技場に関する種々の提案が行われてきた。例えば特許文献1では、固定観覧席と移動観覧席に加え、退避観覧席を配置することとし、競技フィールドの形状を変更できるとともに、競技フィールドの広さ(面積)も可変とする多目的競技場設備について提案している。
特開平07−091091号公報
特許文献1に開示される多目的競技場設備は、退避観覧席を配置するかあるいは移動観覧席等の下方に収納するかによって、つまり退避観覧席の有無に応じた総観覧席の増減によって、競技フィールドの面積を変更するものである。しかしながら、競技フィールドの面積を変えることはできても、競技フィールドの状態を変更することはできない。例えばサッカー場や野球場の場合、競技フィールドは芝生で覆われているが、特許文献1に開示される技術ではコンサートなどのイベントを行うために競技フィールドをコンクリート床等に変更することはできない。そのため、芝生の上にステージを組み立ててコンサート等を開催することになるが、当然ながら芝生にとっては好ましくない。
そこで、競技用のフィールド(例えば、芝生のフィールド)とイベント用の床(例えば、コンクリート床)を要し、これらを2層構造とすることが考えられる。サッカー等を実施するときは競技用のフィールドをグランドレベルに配置し、一方、コンサート等を開催するときは、このフィールドを大屋根高さまで吊上げてイベント用床の利用を可能とするわけである。しかしながら、フィールドを吊上げるには相当規模の設備を要することが想定される。例えば、サッカー場のフィールド(いわゆるピッチ)の場合、フィールドの端部(例えば、タッチライン側の両端部)を吊上げることが考えられるが、この場合、相当規模の巻上装置(ウィンチなど)を必要とするうえ、フィールドの下面側にトラス構造などの大規模な支持梁を設ける必要がある。通常のサッカー場はその幅が100m近くあり、すなわちスパン長が100m程度のフィールドの両端を吊上げることから、相当のせん断力や曲げモーメントがフィールドに作用することとなり大規模な支持梁が必要となるわけである。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解消することであり、すなわち目的の異なる上下2層の床構造を実現するとともに、比較的小さい規模の設備で上層のフィールドを吊り上げることができるフィールド昇降装置と、これを備えた競技場を提供することである。
本願発明は、目的の異なる上下2層の床構造とし、上層のフィールドを面的に吊り上げる、という点に着目して開発されたものであり、従来にはない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明のフィールド昇降装置は、競技場のフィールドを吊上げかつ吊下ろす昇降装置であり、天井体と複数の吊ロープ、巻上手段を備えたものである。天井体はフィールドの上方に配置され、吊ロープはこの天井体から垂下し、巻上手段は天井体に固定される。また複数の吊ロープは、フィールド全体を面的に覆うように配置され、巻上手段は、吊ロープの下端に連結されたフィールドを吊上げかつ吊下ろし可能である。そしてフィールドは、複数の吊ロープで面的に支持された状態で昇降する。
本願発明のフィールド昇降装置は、天井体が略平行(平行含む)に配置された複数の梁材を含むものとすることもできる。この場合、複数の吊ロープはフィールドの上方に架渡された梁材に取り付けられる。
本願発明のフィールド昇降装置は、梁材が第1梁材と第2梁材を含むものとすることもできる。なお上方に配置される第1梁材は上下移動せず、下方に配置される第2梁材は上下移動が可能である。この場合、巻上手段は第1梁材に固定され、複数の吊ロープは第2梁材に取り付けられる。そして巻上手段が、第2梁材を吊上げることによってフィールドが上昇し、第2梁材を吊下ろすことによってフィールドが下降する。
本願発明のフィールド昇降装置は、複数の吊ロープの長さがそれぞれ異なるものとすることもできる。フィールドの自重が作用したときの第2梁材のたわみ量に応じて吊ロープ長を設定することとし、すなわち第2梁材の中央に近づくほど短い吊ロープを取り付け、第2梁材の端部に近づくほど長い吊ロープを取り付ける。
本願発明のフィールド昇降装置は、梁材がスライド移動可能なものとすることもできる。なお梁材は、その長手方向に対して略直交(直交含む)方向にレール上をスライド移動する。この場合、梁材は、フィールド中央方向にスライド移動することによってフィールドの上方に配置され、フィールド端部方向にスライド移動することによってフィールドの上方から外れる位置に収納可能である。
本願発明のフィールド昇降装置は、梁材が免震材上に載置されるものとすることもできる。この場合、梁材は、ジャッキアップされた状態でレール上をスライド移動する。そして、フィールドの上方の所定位置までスライド移動した梁材をジャッキダウンすると、梁材が免震材上に載置される。
本願発明の競技場は、本願発明のフィールド昇降装置を備えたものであり、天井体まで吊上げたフィールドを天井屋根とした状態でフィールドの下方空間を利用し得るものである。
本願発明のフィールド昇降装置、及び競技場には、次のような効果がある。
(1)サッカーや野球など本来目的としている競技を実施することも、またコンサートなどのイベントを開催することもでき、その結果、競技場の利用稼働率を高くすることができる。
(2)フィールドを複数の吊ロープで面的に吊り上げることから、巻上装置(ウィンチなど)の規模を低減することができ、また吊上げたときのフィールドのスパン長が短いため、フィールドを支持するための大規模な支持梁を必要としない。
(3)イベント開催のときはフィールドを吊上げているため、天然芝を痛めることがなく、またフィールドが天井屋根として機能する。さらに、吊上げられた状態のフィールドは、その上方が開放されていることから太陽光を長時間当てることができる。
(4)点または線で吊上げる従来手法に比べ、フィールドを受けるフレームを極めて軽量化できるため、吊り構造をはじめスタジアム本体の構造の軽量化が図ることができる。
本願発明の競技場を模式的に示す平面図。 本願発明のフィールド昇降装置の主な構成を示すブロック図。 天井体を模式的に示す側面図。 (a)は天井体がフィールド上方の所定位置に配置された状態を模式的に示す上方から見た平面図、(b)は天井体がフィールドから外れた位置まで移動した状態を模式的に示す上方から見た平面図。 (a)は走行時にジャッキアップされた天井体を示す部分断面図、(b)は設置時にジャッキダウンされた天井体を示す部分断面図。 (a)は天井体に取り付けられる複数の吊ロープを示す側面図であり、(b)はフィールドを面的に覆うように配置された複数の吊ロープを模式的に示す上方から見た平面図。 (a)は第2梁材が上昇して第1梁材に接近した状態の梁材を示す部分断面図(長軸方向に切断)、(b)は第2梁材が上昇して第1梁材に接近した状態の梁材を示す断面図(短軸方向に切断)。 (a)は第2梁材が下降して第1梁材から離れた状態の梁材を示す部分断面図(長軸方向に切断)、(b)は第2梁材が下降して第1梁材から離れた状態の梁材を示す断面図(短軸方向に切断)。 (a)はその上端がフィールド上面から突出するように配置された連結材を示す部分断面図、(b)はその上端がフィールド内に収まるように配置された連結材を示す部分断面図。 フィールドを吊上げたときの梁材のたわみ量に応じて設定された吊ロープによって、略水平な姿勢を保ったまま吊上げられたフィールドを模式的に示す側面図。 フィールドをグランドレベルに配置した状態から第2梁材を吊下ろすまでの工程を示すステップ図。 その上端がフィールド上面から突出するように連結材を配置した状態からフィールドを吊上げるまでの工程を示すステップ図。
本願発明のフィールド昇降装置、及び競技場の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
本願発明の競技場100は本願発明のフィールド昇降装置を備えたものであり、図1はこの競技場100を模式的に示す平面図である。この図に示すように本願発明の競技場100は、中央にフィールド300が配置され、その周囲にはフィールド300を囲むように客席スタンドSTが設置される。なお図1ではサッカー用のフィールド300を備えるサッカー競技場の例を示しているが、本願発明は、サッカーのほか野球やラグビー、陸上競技、テニス、バスケットボールといった種々の競技を行う施設を対象とすることができる。
一般的な競技施設は、その平面形状が概ね長方形で表すことができ、つまりその平面外形は概ね平行な2つの長辺と平行な2つの短辺で形成される。そこで長辺の方向(図では左右方向)と短辺の方向(図では上下方向)を区別するため、便宜上ここでは図1に示すように長辺方向を「長軸方向」、短辺方向を「短軸方向」ということとする。
本願発明の競技場100は、そのフィールド300が昇降することをひとつの特徴としている。したがって、上層がフィールド300、下層がイベント用の床(以下、単に「イベント床」という。)からなる2層の床構造とすれば、フィールド300を上昇させたときにイベント床の利用が可能となり、コンサートなど種々のイベントを開催することができるわけである。
2.フィールド昇降装置
本願発明のフィールド昇降装置の例を、図に基づいて説明する。なお、本願発明の競技場100は本願発明のフィールド昇降装置を備えたものであることから、まずは本願発明のフィールド昇降装置について説明し、その後に本願発明の競技場100について説明することとする。また便宜上ここでは、サッカーを行うための競技場100の例で説明するが、既述したとおり本願発明の競技場100は、サッカーのほか野球やラグビー、陸上競技、テニス、バスケットボールといった種々の競技用の施設として実施することができる。
図2は、本願発明のフィールド昇降装置200の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように本願発明のフィールド昇降装置200は、天井体210と、ウィンチ等の巻上手段220、吊ロープ230を含んで構成され、さらに免震材240を含んで構成することもできる。このうち天井体210はフィールド300の上方に配置され、巻上手段220はこの天井体210に固定され、また吊ロープ230は垂下するように天井体210に取り付けられる。なお天井体210は、梁材211を含んで構成することもでき、またこの梁材211は上方の第1梁材211aと下方の第2梁材211bの上下2段梁構造とすることもできる。以下、主な構成要素ごとに詳しく説明する。
図3は、天井体210を模式的に示す側面図である。この図に示すように天井体210は、フィールド300の上方に配置され、しかも平面視でフィールド300全体を覆うように配置される。例えば、フィールド300を面状(板状)の構造としてフィールド300全体を覆うこともできるし、図3や図4に示すように梁状の天井体210を複数平行配置(図4では、6本の天井体210を平行配置)することでフィールド300全体を覆うこともできる。なお図4では、6本の天井体210を平行配置しているが、これに限らず短軸方向における両端と中央にそれぞれ一本ずつ(つまり3本の)天井体210を平行配置することもできるし、フィールド300を短軸方向に2分割したとき片面にそれぞれ2本以上(つまり4本以上)の天井体210を平行配置することもできる。また天井体210を梁状の構造とする場合、図3に示すように下弦の梁材211とアーチ状の上弦材212からなる構造とすることもできるし、フィールド300の面積(重量)によっては梁材211のみからなる構造とすることもできる。さらに、梁材211は通常のトラス構造など種々の構造とすることができ、下弦の梁材211を吊るワイヤーは鉛直平行配置に限らず交差型(×型)など様々な配置を採用することができる。図3では、梁状の天井体210が長軸方向に架渡された例を示しているが、競技場100の形状やその用途に応じて梁状の天井体210を短軸方向に架渡すこともできる。
図4に示すように、天井体210はスライド移動が可能である構造とすることもできる。図4(a)は、天井体210がフィールド300上方の所定位置に配置された状態を模式的に示す上方から見た平面図であり、図4(b)は、天井体210がフィールド300から外れた位置まで移動した状態を模式的に示す上方から見た平面図である。天井体210をスライド移動可能とすることで、フィールド300を昇降させるときは図4(a)に示すように天井体210をフィールド300上空に配置するが、サッカーのゲームを行うときは図4(b)に示すように天井体210をフィールド300上空から外すことができるわけである。
天井体210をスライド移動させるには、従来用いられている種々の手法を採用することができる。例えば、図4に示すようにあらかじめレール250を設置し、このレール250上を移動する台車に天井体210を載置することで、天井体210をスライド移動可能とすることができる。なお図4では、2分割された天井体210が双方反対方向(図では上下方向)に移動する例を示しているが、これに限らず天井体210を分割することなく1方向に移動させることもできるし、3以上に分割した天井体210を移動させることもできる。また図4では、長軸方向に架渡された天井体210が短軸方向にスライド移動する例を示しているが、もちろん天井体210を短軸方向に架渡した場合は長軸方向にスライド移動させるとよい。
天井体210を所定位置に配置してフィールド300を吊上げているとき(つまりイベント等の開催時など)は、天井体210をそのままレール250上で直接支持することもできるし、図5に示すように支持体SP上に設けた免震材240(免震ゴムなど)上に載置したうえで支持することもできる。天井体210を免震材240上に載置することによって、載置された天井体210そのものが免震構造となるうえに、吊上げられた状態のフィールド300も免震構造となって好適となる。ただし、天井体210をスライド移動可能とする場合、そのスライド移動の際に免震材240が障壁になることも考えられる。そこで、天井体210を持ち上げた状態でスライド移動し、所定位置に設置するときに天井体210を降ろす構造にするとよい。例えば、天井体210を載せた台車がレール250上をスライド移動するときは、免震材240をかわすように台車上で天井体210をジャッキアップし(図5(a))、天井体210を所定位置に設置するときは天井体210をジャッキダウンして免震材240上に載置するとよい。
図6(a)は、天井体210に取り付けられる複数の吊ロープ230を示す側面図であり、図6(b)は、フィールド300を面的に覆うように配置された複数の吊ロープ230を模式的に示す上方から見た平面図である。この吊ロープ230は、所定の強度を有する紐状のものであり、例えばワイヤーロープを利用するとよい。図6(a)に示すように吊ロープ230は天井体210から垂下するように取り付けられ、また図6(b)に示すように上方から平面視したときフィールド300を面的に覆うように複数の吊ロープ230は配置される。例えば、天井体210が梁材211を含む場合、1つの梁材211にその軸方向に並べるように複数の吊ロープ230を取り付け、図4に示すように複数の天井体210(つまり梁材211)を平行配置することによって、フィールド300を面的に覆うように吊ロープ230を配置することができる。
既述したとおり梁材211は、上方に配置される第1梁材211aと、下方に配置される第2梁材211bの上下2段梁構造とすることもできる。この場合、図7や図8に示すように第1梁材211aは上下方向の移動が拘束され(つまり上下移動しない)、一方の第2梁材211bが上下に移動する構造とするとよい。以下、図7と図8を参照しながら第1梁材211aと第2梁材211bからなる梁材211の構造とその動作について詳しく説明する。
図7は、第2梁材211bが上昇して第1梁材211aに接近した状態を模式的に示す図であり、(a)は梁材211を長軸方向に切断した部分断面図、(b)は梁材211を短軸方向に切断した断面図である。また図8は、第2梁材211bが下降して第1梁材211aから離れた状態を模式的に示す図であり、同じく(a)は梁材211を長軸方向に切断した部分断面図、(b)は梁材211を短軸方向に切断した断面図である。図7や図8に示す梁材211は、上方に配置される第1梁材211aと、下方に配置される第2梁材211bの上下2段梁構造であり、第1梁材211aには巻上手段220が固定されている。また第1梁材211aには複数(図では7個)の滑車(以下、便宜上「上部滑車221」という。)が取り付けられており、同じく第2梁材211bには複数(図では7個)の滑車(以下、便宜上「下部滑車222」という。)が取り付けられている。そして巻上手段220からのワイヤーロープが、図に示すように上部滑車221と下部滑車222に交互に巻き回されており、巻上手段220のワイヤーロープの伸縮に伴って下部滑車222が昇降する動滑車を形成している。なお図7(a)や図8(a)に示すように、複数(図では8本)の吊ロープ230は、第2梁材211bから垂下するように第2梁材211bに取り付けられている。
第1梁材211aと第2梁材211bは、断面寸法よりも軸寸法が極端に大きい長尺軸部材であり、図7(a)や図8(a)に示すように2本の溝形鋼を組み合わせた構成とすることもできるし、H型鋼や山形鋼、鋼管など他の長尺材料211を利用した構成とすることもできる。なお第1梁材211aには、例えば張弦ケーブルなどを組み合わせることもできる。また上部滑車221は、第1梁材211aの軸方向の直交方向となる水平軸周りに回転可能となるように第1梁材211aに固定され、同じく下部滑車222は、第2梁材211bの軸方向の直交方向となる水平軸周りに回転可能となるように第2梁材211bに固定される。なお図に示す上部滑車221と下部滑車222は、それぞれ第1梁材211aと第2梁材211bを構成する2本の溝形鋼の間に配置されている。
第1梁材211aは、上下方向の移動が拘束される(つまり上下移動しない)ように固定されており、一方の第2梁材211bは、巻上手段220からのワイヤーロープによって支持されて(吊られて)いる。そのため、巻上手段220のワイヤーロープを送り出す(伸ばす)と動滑車を形成する下部滑車222が降下し、これに伴って下部滑車222を固定している第2梁材211bも図8に示すように降下する。これに対して、巻上手段220のワイヤーロープを引き込む(縮める)と動滑車を形成する下部滑車222が上昇し、これに伴って第2梁材211bも上昇して図7に示すように第1梁材211aに接近する。
巻上手段220は、吊ロープ230の下端に連結されたフィールド300を吊上げ、吊下ろすことができる。すなわち、フィールド300を吊上げ、吊下ろすためには、吊ロープ230の下端にフィールド300を連結する必要がある。吊ロープ230の下端にフィールド300を連結するにあたっては、従来用いられる種々の手法を採用することができる。例えば、フィールド300の所定位置(吊ロープ230の配置に対応する位置)にフィールド300を貫通する小孔(以下、「貫通小孔」という。)を設け、この貫通小孔を利用して吊ロープ230の下端にフィールド300を連結することができる。つまり、吊ロープ230を貫通小孔に挿通し、さらに吊ロープ230が貫通小孔から抜け出さないようにその下端に抜け防止具(支圧板など)を固定することによって、吊ロープ230の下端にフィールド300を連結するわけである。
あるいは、図9に示すようにフィールド300に設けられる連結材310を利用して、吊ロープ230の下端にフィールド300を連結することができる。この連結材310は底部に抜け防止具(支圧板など)を備える棒状のものであり、フィールド300の所定位置(吊ロープ230の配置に対応する位置)に設けられた貫通小孔内に収められる。図9(a)に示すように、この連結材310の上端と吊ロープ230の下端を連結することによって、吊ロープ230の下端とフィールド300を連結するわけである。なお連結材310の上端と吊ロープ230の下端を連結するにあたっては、従来用いられる種々の手法を採用することができ、例えば連結材310上端のネジと吊ロープ230の下端のカプラーを利用して連結する手法や、吊ロープ230の下端に設けられる挿通孔に連結材310の上端を挿通したうえでクサビを用いて固定する手法などが挙げられる。
また、連結材310は小孔内を上下に移動することができ、この小孔がフィールド300を貫通していることから、図9(a)に示すように連結材310の上端がフィールド300上面から突出するように配置することも、図9(b)に示すように連結材310の上端がフィールド300内に収まるように配置することもできる。すなわち、吊ロープ230と連結するときは、その上端がフィールド300上面から突出するように連結材310を配置し(図9(a))、サッカーのゲームを実施するなどフィールド300を利用するときは、その上端がフィールド300内に収まるように連結材310を配置する(図9(b))わけである。
通常のサッカー場はその幅が100m近くあり、つまり相当の重量を有していることから、フィールド300を吊上げたときの梁材211(第2梁材211b)には「たわみ」が生ずる。そして図10に示すように梁材211(第2梁材211b)のたわみ量は、その中央に近づくほど大きくなり、逆に端部に近づくほど小さくなる。同じ長さの吊ロープ230を梁材211(第2梁材211b)に取り付けた場合、吊上げられたフィールド300は梁材211(第2梁材211b)と同様のたわみが生ずることとなり、変形や損傷のおそれがあるためフィールド300にとっては望ましくない。そこで図10に示すように、梁材211(第2梁材211b)にたわみが生じた状態でも、略水平(水平含む)な姿勢を保ったままフィールド300を吊上げることができる構造にするとよい。この場合、フィールド300を吊上げたときの梁材211(第2梁材211b)のたわみ量をあらかじめ算出し、そのたわみ量に応じてそれぞれの吊ロープ230の長さを設定する。すなわち、梁材211(第2梁材211b)の中央に近づくほど短い吊ロープ230を取り付け、梁材211(第2梁材211b)の端部に近づくほど長い吊ロープ230を取り付ける。
3.競技場
続いて、本願発明の競技場100について図を参照しながら説明する。なお、本願発明の競技場100は、ここまで説明したフィールド昇降装置200を備えたものであり、したがってフィールド昇降装置200で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の競技場100に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.フィールド昇降装置」で説明したものと同様である。
本願発明の競技場100は、例えば図1に示すように中央にフィールド300が配置され、その周囲にはフィールド300を囲むように客席スタンドSTが設置されたものであり、フィールド昇降装置200によってこのフィールド300が昇降する。なお、通常の競技場と同様、日除け膜や簡易雨除けなど様々な装置を付けることもできる。またフィールド300の下層にイベント床が配置された2層の床構造とすることができる。この場合、フィールド300をグランドレベルに配置したときは本来の競技を行うことができ、一方、フィールド300を吊上げた状態にするとイベント床の利用が可能となりコンサートなど種々のイベントを開催することができる。以下、図11と図12を参照しながら、競技場100の使用例について説明する。図11は、フィールド300をグランドレベルに配置した状態から第2梁材211bを吊下ろすまでの工程を示すステップ図であり、図12は、その上端がフィールド300上面から突出するように連結材310を配置した状態からフィールド300を吊上げるまでの工程を示すステップ図である。なお便宜上ここでは、第1梁材211aと第2梁材211bからなる梁材211を備えた競技場100の例で説明する。
サッカーのゲームなど本来の目的でフィールド300を利用するときは、図11(a)に示すようにフィールド300はグランドレベルに配置され、また連結材310はその上端がフィールド300内に収まるように配置される。このとき天井体210がスライド移動可能であれば、天井体210はフィールド300から外れた位置で格納されている。
コンサートなどを開催するためフィールド300を吊上げるにあたっては、まず図11(b)に示すようにフィールド300上方の所定位置まで天井体210をスライド移動させ、図11(c)に示すように巻上手段220を用いて吊ロープ230とともに第2梁材211bを降下させる。
図12(a)に示すように、吊ロープ230の下端がフィールド300付近まで降下すると、連結材310の上端がフィールド300上面から突出するまで、貫通小孔を通じて連結材310を持ち上げ、図12(b)に示すように連結材310の上端と吊ロープ230の下端を連結する。これによりフィールド300が吊ロープ230の下端に連結されると、図12(c)に示すように巻上手段220によって第2梁材211bとともにフィールド300を第1梁材211aまで吊上げる。このようにフィールド300を上方で吊上げた状態にすることによって、イベント床400の利用が可能となりコンサートなど種々のイベントを開催することができる。また、吊上げられたフィールド300はイベント床400の天井屋根として機能し、さらに、吊上げられた状態のフィールド300の上方を開放することによって太陽光を長時間当てることもできる。
本願発明のフィールド昇降装置、及び競技場は、サッカー競技場、野球場、陸上競技場といった種々のスポーツ競技施設や、コンサートをはじめとする種々のイベントを行う興行施設など、様々な施設で利用することができる。
100 本願発明の競技場
200 本願発明のフィールド昇降装置
210 天井体
211 梁材
211a 第1梁材
211b 第2梁材
212 上弦材
220 巻上手段
221 上部滑車
222 下部滑車
230 吊ロープ
240 免震材
250 レール
300 フィールド
310 連結材
400 イベント床
SP 支持体
ST 客席スタンド

Claims (7)

  1. 競技場のフィールドを吊上げかつ吊下ろす昇降装置において、
    前記フィールドの上方に配置される天井体と、
    前記天井体から垂下する複数の吊ロープと、
    前記天井体に固定される巻上手段と、を備え、
    複数の前記吊ロープは、前記フィールドを面的に覆うように配置され、
    前記巻上手段は、前記吊ロープの下端に連結された前記フィールドを、吊上げかつ吊下ろし可能であり、
    前記フィールドは、複数の前記吊ロープで面的に支持された状態で昇降する、
    ことを特徴とするフィールド昇降装置。
  2. 前記天井体は、平行又は略平行に配置された複数の梁材を含んで構成され、
    複数の前記吊ロープは、前記フィールドの上方に架渡された前記梁材に取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項1記載のフィールド昇降装置。
  3. 前記梁材は、上下移動しない上方の第1梁材と、上下移動可能な下方の第2梁材と、を含んで構成され、
    前記巻上手段は、前記第1梁材に固定され、
    複数の前記吊ロープは、前記第2梁材に取り付けられ、
    前記巻上手段が、前記第2梁材を吊上げることによって前記フィールドが上昇し、前記第2梁材を吊下ろすことによって前記フィールドが下降する、
    ことを特徴とする請求項2記載のフィールド昇降装置。
  4. 前記フィールドの自重が作用したときの前記第2梁材のたわみ量に応じて、該第2梁材の中央に近づくほど短い前記吊ロープが取り付けられ、該第2梁材の端部に近づくほど長い該吊ロープが取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項3記載のフィールド昇降装置。
  5. 前記梁材は、長手方向に対して直交又は略直交方向に、レール上をスライド移動可能であり、
    前記梁材は、前記フィールド中央方向にスライド移動することによって該フィールドの上方に配置され、該フィールド端部方向にスライド移動することによって該フィールドの上方から外れる位置に収納可能である、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のフィールド昇降装置。
  6. 前記梁材は、ジャッキアップされた状態でレール上をスライド移動し、
    前記フィールドの上方の所定位置までスライド移動した前記梁材をジャッキダウンすると、該梁材が免震材上に載置される、
    ことを特徴とする請求項5記載のフィールド昇降装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の前記フィールド昇降装置を備えた競技場であって、
    前記天井体まで吊上げた前記フィールドを天井屋根とした状態で、該フィールドの下方空間を利用し得る、
    ことを特徴とする競技場。
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