JP2016033313A - 屋根免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建方時における屋根の変形による免震支承の変形を効果的に低減させる。【解決手段】柱22の上端部の免震支持部24には、横変位吸収機構70を介して積層ゴム50が支持されている。横変位吸収機構70は、滑支承72とベースプレート74とを有している。また、積層ゴム50は、回転変位吸収機構80を介して、屋根30の屋根側支持部32を支持している。回転変位吸収機構80は、土台プレート82、座部90、及び支柱部94を有している。土台プレート82は、積層ゴム50の上部フランジ54に接合され、土台プレート82の上部に座部90が接合されている。座部90の上部には、上側に凸となった円弧状の凸部92が形成されている。支柱部94の下部には、下側が開口側で底部(上面)が円弧状の凹部96が形成されている。座部90の凸部92に支柱部94の凹部96が摺動可能に接触している。【選択図】図2

Description

本発明は、屋根免震構造に関する。
特許文献1には、下部構造としての柱と、それに支持される上部構造としてのドーム屋根との間に、地震時における屋根の振動を吸収するための積層ゴム等の免震支承を介装させる免震構造に関する技術が開示されている。
しかし、ドーム屋根をジャッキダウンして、免震支承に支持させると、ドーム屋根のひずみが開放され、ドーム屋根の端部間の距離が広がるように、ドーム屋根が伸長変形(開拡)する。これによりドーム屋根の端部が水平方向外側に変位し、その結果、免震支承が変形し性能が低下する。
よって、特許文献2には、基礎構造物上に滑り支承(ベースプレート)を介して水平方向にスライド可能に免震支承(支承体)を設置しておき、ドーム屋根をジャッキダウンして免震支承に支持させる際に、免震支承を水平方向にスライドさせることで、免震支承の変形を低減する技術が開示されている。
ここで、ジャッキダウンに伴うドーム屋根の変形は、ドーム屋根の端部間の距離が単純に広がるのではなく、ドーム屋根全体が反るように変形する。よって、免震支承(支承体)が支持するドーム屋根の端部は、水平方向に変位するだけでなく、角度も変化する。
しかし、上記先行技術では、ジャッキダウンに伴うドーム屋根の水平方向以外の変位による免震支承の変形に対しては、対応することができなかった。よって、この点において改善の余地がある。
特開平8−326351号公報 特開2002−201815号公報
本発明は、上記事実に鑑み、建方時における屋根の変形による免震支承の変形を効果的に低減させることが目的である。
請求項1の発明は、屋根を免震支持する免震支承と、前記屋根における前記免震支承に支持される部位の建方時の横変位と回転変位とが前記免震支承に伝達されないように前記横変位と前記回転変位とを吸収する変位吸収手段と、を備える。
請求項1に記載の発明では、屋根を免震支承に支持させる建方時に屋根が変形する。この屋根の変形によって、屋根における免震支承に支持される部位が横変位すると共に回転変位する。
そして、このような横変位及び回転変位が免震支承に伝達されないように、変位吸収手段が吸収する。したがって、建方時における屋根の変形による免震支承の変形が効果的に低減する。よって、免震支承が変形することによる免震支承の性能低下が抑制される。
或いは、建方時に免震支承が変形した場合に免震支承を初期状態に戻すための屋根の再ジャッキアップ作業が不要になる。したがって、施工性が向上する。
請求項2の発明は、前記変位吸収手段は、前記免震支承を横方向に移動可能に支持する横変位吸収機構と、前記屋根に設けられ断面円弧状の第一凹部又は断面円弧状の第一凸部が形成された第一部材と、前記免震支承に設けられ前記第一凹部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凸部又は前記第一凸部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凹部が形成された第二部材と、を有する回転変位吸収機構と、を備える。
請求項2に記載の発明では、屋根における免震支承に支持される部位の横変位は、横変位吸収機構によって免震支承が横方向に移動することによって吸収される。
また、屋根における免震支承に支持される部位の回転変位は、屋根に設けられた第一部材が免震支承に設けられた第二部材に対して、円弧に沿って摺動し回転することで吸収される。
請求項3の発明は、前記変位吸収手段は、前記屋根に設けられ、断面円弧状の第一凹部又は断面円弧状の第一凸部が形成された第一部材と、前記第一部材の下方側に設けられ、前記第一凹部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凸部又は前記第一凸部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凹部が形成された第二部材と、前記免震支承に設けられ、前記第二部材を横方向に移動可能に保持する保持部を有する第三部材と、を備える。
請求項3に記載の発明では、屋根における免震支承に支持される部位の横変位は、免震支承に設けられた第三部材の保持部に保持された第二部材が横方向に移動することによって吸収される。
また、屋根における免震支承に支持される部位の回転変位は、屋根に設けられた第二部材が免震支承に設けられた第三部材に保持された第二部材に対して、円弧に沿って摺動し回転することで吸収される
本発明によれば、建方時における屋根の変形による免震支承の変形を効果的に低減させることができる。
本発明の屋根免震構造が適用されたスタジアムを模式的に示す全体図である。 発明の第一実施形態に係る屋根免震構造の要部を一部断面で示す正面図である。 屋根が免震支持される前の状態を一部断面で示す正面図である。 発明の第二実施形態に係る屋根免震構造の要部を一部断面で示す正面図である。 発明の第三実施形態に係る屋根免震構造の要部を一部断面で示す正面図である。 図5の第三実施形態に係る屋根免震構造における施工手順を(A)〜(C)に順番に示す工程図である。 図5の第三実施形態の第一変形例の要部を一部断面で示す拡大正面図である。
<第一実施形態>
図1〜図3を用い、本発明の第一実施形態に係る屋根免震構造について説明する。
(構造)
まず、本発明の第一実施形態に係る屋根免震構造及びこの屋根免震構造が適用されたスタジアムの全体構造について説明する。
図1に示すように、スタジアム10は、フィールド部12の外側に観客席20が設けられている。観客席20を構成する柱22の上端部に設けられた免震支持部24には、免震支承(アイソレータ)の一例としての積層ゴム50(図2参照)が設けられている。そして、この積層ゴム50にトラス構造の屋根30が免震支持されている。
なお、図1に想像線(二点破線)で示されている仮設柱16については、後述する。また、図1における左右方向を横方向(図3の矢印W参照)とする。そして、スタジアム10の外側に向かう方向を横方向外側とする。
図2に示すように、積層ゴム50は、円板状の下部フランジ52と上部フランジ54との間に、ゴム板56と鋼板58とが厚み方向に交互に積層された構成とされている。また、下部フランジ52及び上部フランジ54には、L字状の仮設のアングル60が接合されている。なお、仮設のアングル60にボルト接合された想像線(二点破線)で示されている仮設の変形拘束材62については、後述する。
柱22の上端部の免震支持部24には、ルーズホール26が形成されている。なお、図1では、ルーズホール26には、充填材の一例としてのセメントS1が充填されている。免震支持部24には、横変位吸収機構70を介して積層ゴム50が支持されている。そして、横変位吸収機構70は、滑支承72とベースプレート74とを有している。
滑支承72は平面視円形状のシート状とされ、このシート状の滑支承72の上に鋼製のベースプレート74が設けられている。なお、本実施形態では、滑支承72は、ピラフロン(PTFE)と金属板とが強固に接合された構造となっているが、これに限定されるものではない。また、滑支承72は、判り易くするため実際よりも厚く図示している。
ベースプレート74の上には、積層ゴム50の下部フランジ52が接合されている。そして、先端部に定着部材42が設けられたアンカーボルト40が、ルーズホール26に埋設され、これにより積層ゴム50が免震支持部24に固定されている。また、ベースプレート74と免震支持部24との隙間には、充填材の一例としてのセメントS2が充填されている。
ここで、図3に示すように、ベースプレート74と免震支持部24との隙間、及びルーズホール26に、セメントS1,S2が充填されていない状態では、横変位吸収機構70の滑支承72によって、積層ゴム50の下部フランジ52が接合されたベースプレート74が横方向(矢印W)に滑る。よって、積層ゴム50は免震支持部24に対して横方向(矢印W)に移動可能な構造となっている。
図2に示すように、積層ゴム50は、回転変位吸収機構80を介して、屋根30の左右方向の端部の屋根側支持部32を支持している(図1も参照)。回転変位吸収機構80は、土台プレート82、座部90、及び支柱部94を有している。土台プレート82は、積層ゴム50の上部フランジ54に接合され、土台プレート82の上部に座部90が接合されている。座部90の上部には、上側に凸となった円弧状の凸部92が形成されている。支柱部94の下部には、下側が開口側で底部(上面)が円弧状の凹部96が形成されている。そして、座部90の凸部92に支柱部94の凹部96が摺動可能に接触している。
支柱部94の上端部94Aには、屋根30の端部の屋根側支持部32(図1も参照)が、接合されている。また、土台プレート82と屋根30とに接続固定部材98が接合され、両者が接続されている。
ここで、図3に示すように、土台プレート82と屋根30とが接続固定部材98によって接続されていない状態では、支柱部94の凹部96が座部90の凸部92との接触部位の円弧に沿って摺動することで、支柱部94は傾くように回転変位(矢印K)することが可能な構造となっている。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用効果について説明する。
図1に示すように、積層ゴム50に免震支持される前のトラス構造の屋根30は、仮設柱16に支持されている。このとき図3に示すように、トラス構造の屋根30は、略水平でなく、自重によって左右方向の両端部が下がり、湾曲(変形)して歪んでいる状態である。なお、図3は、判り易くするため屋根30の湾曲(変形)を実際よりも大きく図示している。
この図3の状態から、屋根30をジャッキダウンして、それまで支えていた仮設柱16を撤去すると、屋根30は、積層ゴム50を介して柱22の免震支持部24に支持されるようになる。この際、屋根30は歪みが開放され略水平になり(図2参照)、これにより屋根側支持部32が略水平になると共に横方向外側に略水平移動する。なお、屋根側支持部32の略水平になる変位を回転変位とし、屋根側支持部32が横方向外側に略水平移動する変位を横変位とする。また、本実施形態では、横変位の変位量は約40mmであり、回転変位の回転角度は、1/200radである。
ここで、仮にこの屋根30の屋根側支持部32の横変位と回転変位が、そのまま積層ゴム50に伝達されると、積層ゴム50が変形し免震性能が低下する。よって、本実施形態では、屋根30の屋根側支持部32の横変位と回転変位とが積層ゴム50に伝達されないように、横変位吸収機構70と回転変位吸収機構80とが横変位と回転変位とを吸収している。
つぎに、屋根30を積層ゴム50に免震支持させる施工手順を説明しながら、横変位吸収機構70と回転変位吸収機構80とで、横変位と回転変位とを吸収させる作用効果について説明する。なお、施工手順は一例であって、これに限定されるものではない。
図3に示すように、屋根30を積層ゴム50に免震支持させる前は、ベースプレート74と免震支持部24との隙間、及びルーズホール26には、セメントS1,S2が充填されていない状態である。また、ベースプレート74が仮固定ボルト44で免震支持部24に仮固定されている。なお、例えば、免震支持部24に図示していない後施工のインサートを設け、これに仮固定ボルト44を螺合させて仮固定する。
また、土台プレート82と屋根30とが接続固定部材98(図2参照)によって接続されていない状態であると共に、仮設のアングル60に仮設の変形拘束材62がボルト接合されている。
この図3の状態から、屋根30をジャッキダウンして屋根側支持部32を、回転変位吸収機構80の支柱部94の上端部94Aに支持させ、横変位吸収機構70のベースプレート74の仮固定ボルト44を抜いて撤去する。このとき水平力(横方向の力)が若干発生しているので、図示していない仮受ジャッキで水平力を受け、仮固定ボルト44を抜く。
更に、屋根30をジャッキダウンすると、ベースプレート74と一体となって積層ゴム50が横方向外側に移動すると共に、支柱部94の凹部96が座部90の凸部92との接触部位の円弧に沿って摺動することで、支柱部94が回転して略垂直になり屋根30が略水平になる。これにより、屋根30の屋根側支持部32の横変位と回転変位とが吸収され、横変位と回転変位とが積層ゴム50に伝達されることが抑制される。よって、積層ゴム50が変形することによる、免震性能の低下が抑制される。
また、建方時に積層ゴム50が変形した場合に、積層ゴム50を初期状態に戻すための屋根30の再ジャッキアップ作業が不要になる。したがって、施工性が向上する。
なお、積層ゴム50には、仮設のアングル60に仮設の変形拘束材62がボルト接合されている。よって、積層ゴム50には、荷重(鉛直荷重及び平荷重(水平力))が直接作用しないようになっている。したがって、建方時に積層ゴム50の横方向外側への移動と支柱部94の回転に伴って発生する荷重が積層ゴム50に作用することによる積層ゴム50の変形が防止されている。
そして、図2に示すように、土台プレート82と略水平になった屋根30とを接続固定部材98で接続する。また、ルーズホール26にセメントS1を充填すると共に、ベースプレート74と免震支持部24との隙間にセメントS2を充填して、積層ゴム50を固定する。そして、仮設のアングル60と変形拘束材62とを取り外して撤去する。
<第二実施形態>
つぎに、図4を用い、本発明の第二実施形態に係る屋根免震構造について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(構造)
柱22(図1も参照)の上端部の免震支持部24には、積層ゴム50が支持されている。そして、先端部に定着部材42が設けられたアンカーボルト40が免震支持部24に埋設され、これにより積層ゴム50が免震支持部24に固定されている。
積層ゴム50には、第一変位吸収機構100を介して、屋根30の屋根側支持部32が支持されている。第一変位吸収機構100は、土台プレート102、座部90、及び支柱部94を有している。土台プレート102は、積層ゴム50の上部フランジ54に接合され、土台プレート102の上部には、平面視略矩形状の穴部104が形成されている。
この穴部104の横方向の幅は、座部90の幅よりも大きい。また、穴部144の底部には、滑支承106が設けられている。なお、滑支承106は、第一実施形態の滑支承72(図2等を参照)と大きさが異なるだけで、同様の構成である。そして、この滑支承106の上に座部90が配置されている。
座部90の上部には上側に凸となった円弧状の凸部92が形成され、支柱部94の下部には下側が開口側で底部(上面)が円弧状の凹部96が形成されている。そして、座部90の凸部92に支柱部94の凹部96が摺動可能に接触している。
支柱部94の上端部94Aには、屋根30の端部の屋根側支持部32(図1も参照)が、接合されている。また、土台プレート82と屋根30とに接続固定部材98が接合され、両者が接続されている。
ここで、土台プレート82と屋根30とが接続固定部材98によって接続されていない状態では(図3参照)、支柱部94の凹部96が座部90の凸部92との接触部位の円弧に沿って摺動することで、支柱部94は傾くように回転変位(矢印K)することが可能な構造となっている。また、滑支承106によって、座部90が穴部104内を横方向(矢印W)に滑るので、座部90は土台プレート102に対して横方向に移動可能な構造となっている。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、屋根30の屋根側支持部32の横変位と回転変位とが、積層ゴム50に伝達されないように、第一変位吸収機構100が横変位と回転変位とを吸収する。
具体的には、土台プレート82と屋根30とが接続固定部材98によって接続されていない状態で、且つ、仮設のアングル60に仮設の変形拘束材62がボルト接合されている状態で、屋根30をジャッキダウンする。
屋根30をジャッキダウンすると、座部90が横方向外側に移動すると共に、支柱部94の凹部96が座部90の凸部92との接触部位の円弧に沿って摺動することで、支柱部94が回転して略垂直になり屋根30が略水平になる。これにより、屋根30の屋根側支持部32の横変位と回転変位とが吸収され、横変位と回転変位とが積層ゴム50に伝達されることが抑制される。よって、積層ゴム50が変形することによる、免震性能の低下が抑制される。
そして、土台プレート102と屋根30とを接続固定部材98によって接続する。また、仮設のアングル60と変形拘束材62とを取り外して撤去する。
<第三実施形態>
つぎに、図5及び図6用いて本発明の第三実施形態に係る屋根免震構造について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(構造)
図5に示すように、柱22(図1参照)の上端部の免震支持部24には、第二変位吸収機構150を介して積層ゴム50が支持されている。第二変位吸収機構150は、滑支承72とベースプレート74と回転変形ゴム152とを有している。
回転変形ゴム152はシート状とされ、免震支持部24の上に配置されている。なお、回転変形ゴム152は、判り易くするため実際よりも厚く図示している。そして、この回転変形ゴム152の上にシート状の滑支承72が配置され、滑支承72の上にベースプレート74が設けられている。
ベースプレート74には、積層ゴム50の下部フランジ52が接合されている。そして、先端部に定着部材42が設けられたアンカーボルト40が、ルーズホール26に埋設され、これにより積層ゴム50が免震支持部24に固定されている。また、ベースプレート74と免震支持部24との隙間には、セメントS2が充填されている。
また、積層ゴム50の上部フランジ54に土台プレート154が接合され、土台プレート82と屋根30とに接続固定部材98が接合され、両者が接続されている。
ここで、ベースプレート74と免震支持部24との隙間、及びルーズホール26に、セメントS1,S2が充填されていない状態、且つ土台プレート154と屋根30とが接続固定部材98によって接続されていない状態(図3参照)では、積層ゴム50の下部フランジ52が接合されたベースプレート74が横方向(矢印W)に滑るので、積層ゴム50は免震支持部24に対して横方向(矢印W)に変位可能な構造となっている。
また、回転変形ゴム152が弾性変形することで、積層ゴム50は免震支持部24に対して回転可能な構造となっている。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、屋根30の屋根側支持部32の横変位と回転変位とが、積層ゴム50に伝達されないように、第二変位吸収機構150が横変位と回転変位とを吸収している。
つぎに、屋根30を積層ゴム50に免震支持させる施工手順を説明しながら、第二変位吸収機構150で横変位と回転変位とを吸収させる作用効果について説明する。なお、施工手順は一例であって、これに限定されるものではない。
図6(A)及び図6(B)に示すように、ベースプレート74を仮固定ボルト44で免震支持部24に仮固定する。なお、例えば、免震支持部24に図示していない後施工のインサートを設け、これに仮固定ボルト44を螺合させて仮固定する。
そして、このとき図6(B)に示すように、横方向外側の仮固定ボルト44を強く締め付けることで、ベースプレート74に傾斜をつける。なお、図6(B)及び次に説明する図6(C)では、判り易くするため実際よりも傾斜角度を大きく図示している。本実施形態における傾斜角度は、第一実施形態及び第二実形態と同様に1/200radである。
図6(C)に示すように、積層ゴム50をベースプレート74に接合し、屋根30をジャッキダウンし、屋根側支持部32を支持する。
そして、ベースプレート74の仮固定ボルト44を抜いて撤去する。このとき水平力(横方向の力)が若干発生しているので、図示していない仮受ジャッキで水平力を受け、仮固定ボルト44を抜く。
図5に示すように、仮固定ボルト44を抜くと、ベースプレート74及び積層ゴム50が一体となって横方向外側に移動すると共に、回転変形ゴム152が元に戻り屋根30が略水平になる。
そして、屋根30と接続固定部材98とを接続する。また、ルーズホール26にセメントS1を充填すると共に、ベースプレート74と免震支持部24との隙間にセメントS2を充填して、積層ゴム50を固定する。また、仮設のアングル60と変形拘束材62とを取り外して撤去する。
[変形例]
上記実施形態では、第二変位吸収機構150では、回転変形ゴム152によって回転変位を吸収したが、これに限定されない。よって、つぎに、第三実施形態の回転変形ゴム152以外の回転変位吸収機構の変形例について説明する。
(第一変形例)
図7に示すように、シート状の滑支承72と免震支持部24との間に球座機構部200が設けられている。球座機構部200は、円弧凸部202Aが形成された上部プレート202と、円弧凹部204Aが形成された下部プレート204と、を有している。
そして、図6(B)と同様に、ベースプレート74に傾斜をつけた状態でベースプレート74を仮固定ボルト44で免震支持部24に仮固定する。この後は同様に、積層ゴム50をベースプレート74に接合し、屋根30をジャッキダウンし、仮固定ボルト44を抜いて撤去する。ベースプレート74及び積層ゴム50が一体となって横方向外側に移動すると共に、球座機構部200の円弧凸部202Aが形成された上部プレート202が回転し屋根30が略水平になる。
(第二変形例)
図示は省略するが、第二変形例では、シート状の滑支承72と免震支持部24との間にフラットジャッキが設けられている。
そして、図6(B)と同様に、フラットジャッキに水が充填され、且つベースプレート74に傾斜をつけた状態でベースプレート74を免震支持部24に仮固定ボルト44で仮固定する。この後は同様に、積層ゴム50をベースプレート74に接合し、屋根30をジャッキダウンし、仮固定ボルト44を抜いて撤去する。ベースプレート74及び積層ゴム50が一体となって横方向外側に移動すると共に、フラットジャッキが略水平になり屋根30が略水平になる。
なお、この後フラットジャッキの水をセメントペーストに置換する。また、この際に、フラットジャッキ周辺をモルタルで先行硬化して固定するか、別途修正用ジャッキを用いて水平を保持しておく。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記第一実施形態及び第二実施形態では、座部90に凸部92が形成され、支柱部94に凹部96が形成されている。しかし、座部に凹部が形成され、支柱部に凸部が形成されていてもよい。また、第三実施形態の第一変形例の球座機構部200においても上部プレート側に円弧凹部が形成され、下部プレート側に円弧凸部が形成されていてもよい。
また、第三実施形態では、免震支持部24と積層ゴム50との間に、滑支承72と回転変形ゴム152が配置されていたが、これに限定されない。積層ゴム50と屋根30との間に滑支承72と回転変形ゴム152の一方又は両方が配置された構造であってもよい。
積層ゴム50で屋根30を免震支持していたが、これに限定されない。他の免震支承(アイソレータ)であってもよい。例えば、すべり支承や転がり支承で屋根30を免震支持した構造であってもよい。
また、上記複数の実施形態及び変形例は適宜組み合わせて実施してもよい。例えば、第一実施形態において、回転変位吸収機構80を第二実施形態の第一変位吸収機構100に置き換えてもよい。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない
ここで、屋根を免震支承に支持させる建方時の横変位及び回転変位が免震支承(積層ゴム50)に伝達されないように、変位吸収手段(横変位吸収機構70、回転変位吸収機構80、第一変位吸収機構100、第二変位吸収機構150)が吸収した。ここで言う「伝達されないように」とは、横変位及び回転変位が免震支承(積層ゴム50)に全く伝達されない場合だけでなく、若干は伝達される場合が含まれる。
言い換えると、横変位及び回転変位を変位吸収手段(横変位吸収機構70、回転変位吸収機構80、第一変位吸収機構100、第二変位吸収機構150)が全て吸収する場合だけでなく、免震支承(積層ゴム50)の変形が許容範囲内であれば、横変位及び回転変位が免震支承(積層ゴム50)に若干伝達される場合が含まれる。
30 屋根
50 積層ゴム(免震支承の一例)
70 横変位吸収機構(横変位吸収機構の一例、変位吸収手段の一例)
80 回転変位吸収機構(回転変位吸収機構の一例、変位吸収手段の一例)
90 座部(第二部材の一例)
92 凹部(第二凸部)
94 支柱部(第一部材の一例)
96 凹部(第一凹部)
100 第一変位吸収機構(変位吸収手段の一例)
102 土台プレート(第三部材の一例)
104 穴部(保持部の一例)
150 第二変位吸収機構(変位吸収手段の一例)

Claims (3)

  1. 屋根を免震支持する免震支承と、
    前記屋根における前記免震支承に支持される部位の建方時の横変位と回転変位とが前記免震支承に伝達されないように前記横変位と前記回転変位とを吸収する変位吸収手段と、
    を備える屋根免震構造。
  2. 前記変位吸収手段は、
    前記免震支承を横方向に移動可能に支持する横変位吸収機構と、
    前記屋根に設けられ断面円弧状の第一凹部又は断面円弧状の第一凸部が形成された第一部材と、前記免震支承に設けられ前記第一凹部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凸部又は前記第一凸部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凹部が形成された第二部材と、を有する回転変位吸収機構と、
    を備える、
    請求項1に記載の屋根免震構造。
  3. 前記変位吸収手段は、
    前記屋根に設けられ、断面円弧状の第一凹部又は断面円弧状の第一凸部が形成された第一部材と、
    前記第一部材の下方側に設けられ、前記第一凹部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凸部又は前記第一凸部が摺動可能に接触する断面円弧状の第二凹部が形成された第二部材と、
    前記免震支承に設けられ、前記第二部材を横方向に移動可能に保持する保持部を有する第三部材と、
    を備える、
    請求項1に記載の屋根免震構造。
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