JP7097537B2 - 開閉式免震屋根構造 - Google Patents

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Description

本発明は、開閉式免震屋根構造に関する。
固定屋根と、固定屋根に対して移動することにより固定屋根の開口部を開閉する移動屋根と、固定屋根及び移動屋根を支持する環状道床と、環状道床を支持する複数の免震装置とを備える開閉式屋根が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4-14543号公報
しかしながら、特許文献1に開示された開閉式屋根では、地震時に、固定屋根及び移動屋根の揺れが大きくなると、固定屋根と可動屋根との連結部に不具合が発生する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、地震時に、固定屋根と可動屋根との連結部に発生する不具合を抑制することを目的とする。
第1態様に係る開閉式免震屋根構造は、開口部を有し、第一免震装置に支持される固定屋根と、前記固定屋根に連結され、前記開口部を開閉する可動屋根と、前記固定屋根と前記可動屋根との連結部に設けられ、前記固定屋根と前記可動屋根とを相対変位可能にする変位吸収部材と、を備える。
第1態様に係る開閉式免震屋根構造によれば、固定屋根は、開口部を有し、第一免震装置に支持される。また、固定屋根には、可動屋根が連結される。可動屋根は、固定屋根の開口部を開閉する。この固定屋根と可動屋根との連結部には、固定屋根と可動屋根とを相対変位可能にする変位吸収部材が設けられる。
これにより、地震時における固定屋根と可動屋根との相対変位が、変位吸収部材によって吸収される。したがって、固定屋根と可動屋根との連結部に発生する不具合が抑制される。
第2態様に係る開閉式免震屋根構造は、第1態様に係る開閉式免震屋根構造において、前記可動屋根は、第二免震装置に支持される。
第2態様に係る開閉式免震屋根構造によれば、固定屋根は、第一免震装置に支持される。一方、可動屋根は、第二免震装置に支持される。つまり、本発明では、固定屋根及び可動屋根が免震化される。
ここで、比較例として、固定屋根が免震化されるが、可動屋根が免震化されない場合、地震時における固定屋根と可動屋根との相対変位量が大きくなる可能性がある。
これに対して本発明では、前述したように、固定屋根及び可動屋根が免震化される。したがって、地震時に、固定屋根と可動屋根との連結部に発生する不具合がさらに抑制される。
第3態様に係る開閉式免震屋根構造は、第一支持構造体と、開口部を有し、前記第一支持構造体に第一免震装置を介して支持される固定屋根と、第二支持構造体と、前記第二支持構造体に第二免震装置を介して支持されるとともに、前記固定屋根の前記開口部を開閉する可動屋根と、を備える。
第3態様に係る開閉式免震屋根構造によれば、固定屋根は、開口部を有し、第一支持構造体に第一免震装置を介して支持される。固定屋根の開口部は、可動屋根によって開閉される。この可動屋根は、第二支持構造体に第二免震装置を介して支持される。つまり、本発明では、固定屋根及び可動屋根が免震化される。
ここで、比較例として、固定屋根が免震化されるが、可動屋根が免震化されない場合、地震時における固定屋根と可動屋根との相対変位量が大きくなる可能性がある。
これに対して本発明では、前述したように、固定屋根及び可動屋根が免震化される。したがって、地震時に、固定屋根と可動屋根との連結部に発生する不具合が抑制される。
以上説明したように、本発明に係る開閉式免震屋根構造によれば、地震時に、固定屋根と可動屋根との連結部に発生する不具合を抑制することができる。
一実施形態に係る開閉式免震屋根構造が適用された構造物を示す平面図である。 図1に示される一対の可動屋根が開位置へ移動した状態を示す平面図である。 図1の3-3線断面図である。 図3に示される下側移動機構を示す拡大立面図である。 図3に示される上側移動機構を示す拡大立面図である。 一実施形態に係る可動屋根の変形例を示す図4に対応する拡大立面図である。 (A)は、図1に示される構造物を模式的に示す図3に対応する断面図であり、(B)及び(C)は、一実施形態に係る開閉式免震屋根構造の変形例が適用された構造物を模式的に示す図3に対応する断面図である。 一実施形態に係る可動屋根の変形例を示す図4に対応する拡大立面図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る開閉式免震屋根構造について説明する。
(構造物)
図1及び図2には、本実施形態に係る開閉式免震屋根構造20が適用された構造物10が示されている。構造物10は、内部に大空間(内部空間24)を有し、例えば、野球、サッカー、陸上等の競技場や、コンサート会場等のスポーツ・イベント施設とされる。
図3に示されるように、構造物10は、構造物本体12と、開閉屋根22と、第一免震装置38と、可動屋根用基礎50と、第二免震装置70とを備えている。
(構造物本体)
図1及び図2に示されるように、構造物本体12は、平面視にて円形状に形成されている。この構造物本体12は、図3に示されるように、基礎部12A及びスタンド部12Bを有している。なお、構造物本体12は、第一支持構造体の一例である。
基礎部12Aは、地盤Gの掘削部14に設けられている。掘削部14は、地盤Gを凹状に掘り下げることにより形成されている。また、掘削部14の掘削底14Lは、平坦面とされている。この掘削部14の掘削底14Lに沿って、基礎部12Aが設けられている。
基礎部12Aは、鉄筋コンクリート造の基礎スラブ(基礎底版)とされている。また、基礎部12Aの上面は、平坦面とされている。この基礎部12Aの上面は、野球場等のフィールド16とされている。フィールド16には、例えば、図示しない天然芝や人工芝等が設けられる。この基礎部12Aの外周部には、フィールド16を囲むスタンド部12Bが設けられている。
スタンド部12Bは、例えば、鉄筋コンクリート造とされており、基礎部12Aの外周部から立ち上げられている。また、スタンド部12Bの高さは、フィールド16から基礎部12Aの外周側へ向かうに従って高くされている。このスタンド部12Bにおけるフィールド16側の傾斜部18には、図示しない複数の観客席が階段状に設けられている。
なお、本実施形態の構造物本体12(スタンド部12B)は、図1及び図2に示されるように、平面視にて、三日月状に形成されており、フィールド16を半周以上に亘って囲んでいるが、構造物本体12の形状や大きさは、適宜変更可能である。また、スタンド部12Bは、鉄筋コンクリート造に限らず、鉄骨造等であっても良い。
(開閉屋根)
図3に示されるように、開閉屋根22は、ドーム状に形成されており、フィールド16及びスタンド部12Bを上方から覆っている。この開閉屋根22の下側には、内部空間24が形成されている。また、開閉屋根22は、開閉式とされている。この開閉屋根22は、固定屋根30と、一対の可動屋根40とを有している。
(固定屋根)
固定屋根30は、構造物本体12に固定される固定式の屋根とされている。この固定屋根30は、複数の固定屋根梁32と、屋根材34と有している。複数の固定屋根梁32は、例えば、鉄骨造とされている。なお、固定屋根梁32は、鉄骨造に限らず、鉄筋コンクリート造等であっても良い。
図1及び図2に示されるように、複数の固定屋根梁32は、平面視にて井形状(格子状)に接合されている。これらの固定屋根梁32は、屋根材34を支持している。屋根材34は、例えば、鋼板や折板、膜材等によって形成されており、複数の固定屋根梁32に張り渡されている。
図2に示されるように、固定屋根30は、内部空間24を開口する開口部36を有している。開口部36は、平面視にて、矩形状に形成されるとともに、固定屋根30の一端側に寄せて配置されている。また、開口部36には、屋根材34が設けられていない。この開口部36により、フィールド16上の天然芝等に対する日射の確保や、内部空間24の換気等が可能になっている。なお、開口部36は、後述する一対の可動屋根40によって開閉可能とされる。
(第一免震装置)
固定屋根30は、免震構造とされている。具体的には、固定屋根梁32の材軸方向の両端部は、第一免震装置38を介して構造物本体12にそれぞれ支持されている。第一免震装置38は、積層ゴム支承とされている。これらの第一免震装置38によって、固定屋根30が免震化(免震支持)されている。なお、第一免震装置38は、積層ゴム支承に限らず、滑り支承や、転がり支承等であっても良い。
(可動屋根)
一対の可動屋根40は、固定屋根30に連結され、固定屋根30の開口部36を開閉する可動式の屋根とされている。この一対の可動屋根40は、後述する下側移動機構60及び上側移動機構80により、固定屋根30に対して横方向に移動可能とされている。
より具体的には、一対の可動屋根40は、開口部36の両側へ移動(スライド)する両引き戸式とされており、固定屋根30の開口部36を閉じる閉位置(図1に示される位置)と、固定屋根30の開口部36を開ける開位置(図2に示す位置)との間で移動可能とされている。
なお、以下では、矢印Sで示される可動屋根40の移動方向(横方向)を、可動屋根40の開閉方向という。
一対の可動屋根40は、平面視にて矩形状に形成されている。各可動屋根40は、複数の可動屋根梁42(図3参照)と、屋根材44とを有している。複数の可動屋根梁42は、鉄骨造とされており、例えば、可動屋根40の外周部に沿って配置される。これらの可動屋根梁42は、屋根材44を支持している。屋根材44は、例えば、鋼板や折板、膜材等によって形成されており、一対の可動屋根梁42に張り渡されている。なお、図1及び図2では、可動屋根梁42の図示を省略している。
(下側移動機構)
図4に示されるように、可動屋根40の下端部40Lは、下側移動機構60を介して可動屋根用基礎50に支持(連結)されている。下側移動機構60は、可動屋根40の下端部40Lを可動屋根40の開閉方向に移動(スライド)可能に支持している。
下側移動機構60は、可動屋根40の開閉方向に延びる一対のレール62と、一対のレール62上を走行する走行台車64とを有している。一対のレール62は、互いに平行した状態で、可動屋根用基礎50上に敷設されている。なお、下側移動機構60は、移動機構の一例である。
図1及び図2に示されるように、可動屋根用基礎50は、開口部36の下縁部36Lと隣接して配置されており、構造物本体12とは別体とされている。この可動屋根用基礎50は、可動屋根40の開閉方向に延びる帯状のスラブ(土間スラブ)とされている。また、可動屋根用基礎50は、平面視にて、開口部36から可動屋根40の開閉方向の両側へ延出されている。この可動屋根用基礎50は、図3に示されるように、地盤Gを掘り下げて形成された掘削部に設けられている。
なお、可動屋根用基礎50は、第二支持構造体の一例である。
走行台車64は、台車本体66と、台車本体66に設けられた一対の車輪68とを有している。台車本体66は、一対の車輪68を介して一対のレール62上に走行可能に載置されている。また、台車本体66は、一対の車輪68を回転駆動する図示しないモータ等の駆動源を有している。この駆動源によって一対の車輪68を回転駆動することにより、台車本体66が一対のレール62上を走行する。
なお、各車輪68には、レール62からの脱輪を防止する脱輪防止リブ69が設けられている。また、走行台車64には、例えば、一対のレール62を把持し、走行台車64を走行不能にする図示しないロック機構を有している。このロック機構によって走行台車64を走行不能にすることにより、一対の可動屋根40が可動屋根用基礎50に固定される。
(第二免震装置)
可動屋根40は、免震構造とされている。具体的には、走行台車64の台車本体66には、第二免震装置70を介して可動屋根40(可動屋根梁42)の下端部40Lが固定されている。第二免震装置70は、積層ゴム支承とされている。この第二免震装置70は、積層ゴム等の装置本体72と、装置本体72の下端部に設けられた下側フランジ部74と、装置本体72の上端部に設けられた上側フランジ部76とを有している。下側フランジ部74は、台車本体66の上面に固定されている。一方、上側フランジ部76は、可動屋根40の下端部40Lに固定されている。
なお、第二免震装置70は、積層ゴム支承に限らず、滑り支承や、転がり支承等であっても良い。
(上側移動機構)
図5に示されるように、可動屋根40の上端部40Uは、上側移動機構80を介して固定屋根30に連結されている。上側移動機構80は、可動屋根40の上端部40Uを可動屋根40の開閉方向に移動(スライド)可能に支持している。この上側移動機構80は、可動屋根40の開閉方向に延びる一対のレール82と、一対のレール82上を走行する走行台車84とを有している。
なお、上側移動機構80は、下側移動機構60と同様の構成とされている。また、上側移動機構80は、移動機構の一例である。
図2に示されるように、一対のレール82は、開口部36の上縁部36Uに沿って、互いに平行した状態で敷設されている。この一対のレール82は、平面視にて、開口部36から可動屋根40の開閉方向の両側へ延出されている。
図5に示されるように、走行台車84は、台車本体86と、台車本体86に設けられた一対の車輪88とを有している。台車本体86は、一対の車輪88を介して一対のレール82上に走行可能に載置されている。一対の車輪88には、一対のレール82からの脱輪を防止する脱輪防止リブ89が設けられている。また、走行台車84は、図示しないロック機構を有している。このロック機構によって走行台車84を走行不能にすることにより、一対の可動屋根40が固定屋根30に固定される。
(変位吸収部材)
固定屋根30と可動屋根40との連結部90には、固定屋根30と可動屋根40とを相対変位可能にする変位吸収部材92が設けられている。具体的には、変位吸収部材92は、走行台車84の台車本体86と、可動屋根40(可動屋根梁42)の上端部40Uとの間に設けられている。
変位吸収部材92は、積層ゴム支承とされている。この変位吸収部材92は、積層ゴム等の吸収部材本体94と、吸収部材本体94の下端部に設けられた下側フランジ部96と、吸収部材本体94の上端部に設けられた上側フランジ部98とを有している。
下側フランジ部96は、台車本体86の上面に固定されている。一方、上側フランジ部98は、可動屋根40の上端部40Uに固定されている。この変位吸収部材92の変形(せん断変形)によって、固定屋根30と可動屋根40とが相対変位可能とされている。
なお、変位吸収部材92は、積層ゴム支承に限らず、滑り支承や、転がり支承、弾性体、粘弾性体等であっても良い。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態に係る開閉式免震屋根構造20によれば、固定屋根30は、開口部36を有している。開口部36は、一対の可動屋根40によって開閉可能とされている。具体的には、一対の可動屋根40の下端部40Lは、下側移動機構60を介して可動屋根用基礎50に連結され、一対の可動屋根40の上端部40Uは、上側移動機構80を介して固定屋根30に連結されている。これらの下側移動機構60及び上側移動機構80によって、一対の可動屋根40は、固定屋根30の開口部36を閉じる閉位置と、固定屋根30の開口部36を開ける開位置との間を移動可能とされている。
これにより、一対の可動屋根40を開位置から閉位置へ移動させて開口部36を閉じると、天候に左右されずに、構造物10の内部空間24において、スポーツやイベントを行うことができる。一方、一対の可動屋根40を閉位置から開位置へ移動して開口部36を開けると、例えば、フィールド16の天然芝等に対する日射を確保したり、内部空間24を換気したりすることができる。
また、一対の可動屋根40の開閉方向(矢印S方向)は、横方向とされている。これにより、本実施形態では、可動屋根40の開閉方向が上下方向の場合と比較して、一対の可動屋根40の移動時の動力(電力等)を低減することができる。
さらに、一対の可動屋根40が、開口部36の両側へ移動する両引き戸式とされている。これにより、本実施形態では、一つの開閉屋根が開口部36の片側へ移動する片引き戸式と比較して、各可動屋根40の重量及び移動量が低減される。したがって、一対の可動屋根40の移動時の動力(電力等)をさらに低減することができる。
また、一対の可動屋根40は、開口部36の開閉時以外は、図示しないロック機構によって固定屋根30及び可動屋根用基礎50に固定される。これにより、地震時に、開口部36が開閉することが抑制される。
さらに、固定屋根30は、第一免震装置38を介して構造物本体12に支持されている。これと同様に、一対の可動屋根40は、第二免震装置70を介して可動屋根用基礎50に支持されている。つまり、本実施形態では、固定屋根30及び一対の可動屋根40の全体が、第一免震装置38及び第二免震装置70によって免震化(免震支持)されている。これにより、地震時に、固定屋根30及び一対の可動屋根40に発生する地震力が低減される。したがって、固定屋根30及び一対の可動屋根40の耐震性能が向上する。
ここで、地震時に、固定屋根30及び可動屋根40の揺れが大きくなると、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に不具合が発生する可能性がある。
この対策として本実施形態では、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に変位吸収部材92が設けられている。これにより、地震時における固定屋根30と可動屋根40との相対変位が変位吸収部材92の変形(せん断変形)によって吸収される。したがって、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に発生する不具合が抑制される。
また、本実施形態の固定屋根梁32及び可動屋根梁42は、鉄骨造とされている。そのため、例えば、日射等によって固定屋根梁32及び可動屋根梁42が熱膨張すると、固定屋根梁32と可動屋根梁42とが相対変位し、その連結部90に不具合が発生する可能性ある。
これに対して本実施形態では、前述したように、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に変位吸収部材92が設けられている。これにより、熱膨張による固定屋根30と可動屋根40との相対変位が、変位吸収部材92の変形(せん断変形)によって吸収される。したがって、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に発生する不具合が抑制される。
また、比較例として、固定屋根30は免震化されるが、可動屋根40が免震化されない場合、地震時における固定屋根30と可動屋根40との相対変位量が大きくなる可能性がある。この場合、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に不具合が発生し易くなる。
これに対して本実施形態では、前述したように、固定屋根30及び可動屋根40が免震化されている。これにより、本実施形態では、地震時における固定屋根30と可動屋根40との相対変位量が低減される。したがって、地震時に、固定屋根30と可動屋根40との連結部90に発生する不具合がさらに抑制される。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図6に示される変形例では、可動屋根40の下端部が、ヒンジ機構100を介して第二免震装置70に連結されている。ヒンジ機構100は、一対のヒンジベース102と、回転軸104と、ヒンジブラケット106とを有している。
ヒンジベース102は、第二免震装置70の上側フランジ部76に、図示しないボルト等によって固定されている。このヒンジベース102には、可動屋根40の開閉方向に延びる回転軸104を介して、ヒンジブラケット106に連結されている。
ヒンジブラケット106は、可動屋根40の下端部40Lに固定されている。これにより、可動屋根40の下端部40Lが、ヒンジ機構100を介して第二免震装置70に連結されている。換言すると、可動屋根40の下端部40Lが、回転軸104を中心として可動屋根40の面外方向(矢印R方向、図3の矢印K方向)に、回転可能に第二免震装置70に連結されている。
ここで、地震時には、例えば、図3に示されるように、可動屋根40が面外方向(矢印K方向)に揺れた場合、可動屋根40の下端部40Lと第二免震装置70との連結部に不具合が発生する可能性がある。また、この場合、第二免震装置70に曲げモーメントが作用し、第二免震装置70に不具合が発生する可能性がある。
これに対して本変形例では、前述したように、可動屋根40の下端部40Lが、ヒンジ機構100を介して第二免震装置70に連結されている。これにより、地震時に、可動屋根40が面外方向に揺れた場合に、第二免震装置70に対して、可動屋根40の下端部40Lが回転軸104を中心として可動屋根40の面外方向に回転する。
したがって、可動屋根40の下端部40Lと第二免震装置70との連結部に発生する不具合が抑制される。また、第二免震装置70に作用する曲げモーメントも低減される。したがって、第二免震装置70に発生する不具合が抑制される。
なお、図示を省略するが、ヒンジ機構100は、可動屋根40の上端部40Uと固定屋根30との連結部に設けられても良い。具体的には、可動屋根40の上端部40Uを、ヒンジ機構100を介して変位吸収部材92に連結する。これにより、地震時に、可動屋根40が面外方向に揺れた場合に、変位吸収部材92に対して、可動屋根40の上端部40Uが回転軸104を中心として回転する。したがって、可動屋根40の上端部40Uと、変位吸収部材92との連結部に発生する不具合が抑制される。
次に、図7(A)には、上記実施形態に係る開閉式免震屋根構造20が適用された構造物10が模式的に示されている。一方、図7(B)には、変形例に係る開閉式免震屋根構造110が適用された構造物10が模式的に示されている。この開閉式免震屋根構造110では、変位吸収部材92(図7(A)参照)が省略されている。
具体的には、開閉式免震屋根構造110では、可動屋根40の上端部40Uと固定屋根30との連結部90に、変位吸収部材92(図7(A)参照)が設けられておらず、可動屋根40の上端部40Uが、上側移動機構80を介して固定屋根30に連結されている。一方、可動屋根40の下端部40Lは、上記実施形態と同様に、第二免震装置70及び下側移動機構60を介して可動屋根用基礎50に連結されている。
このように変位吸収部材92を省略することにより、コストを削減することができる。一方、可動屋根40は、第二免震装置70によって支持されている。そのため、前述したように、地震時における固定屋根30と可動屋根40との相対変位量が低減される。したがって、本変形例では、コストを削減しつつ、地震時における可動屋根40と固定屋根30との連結部90に発生する不具合を抑制することができる。
さらに、固定屋根30は、構造物本体12に支持され、可動屋根40は、可動屋根用基礎50に支持されている。これにより、本変形例では、固定屋根30及び可動屋根40が同じ支持構造体に支持される場合と比較して、固定屋根30や可動屋根40を支持する支持構造体の自由度を高めることができる。
次に、図7(C)に示される変形例では、第二免震装置70が省略されている。具体的には、可動屋根40の上端部40Uと固定屋根30との連結部90には、変位吸収部材92が設けられており、可動屋根40の上端部40Uが、変位吸収部材92及び上側移動機構80を介して固定屋根30に連結されている。一方、可動屋根40の下端部40Lと可動屋根用基礎50との連結部には、第二免震装置70が設けられておらず、可動屋根40の下端部40Lが、下側移動機構60を介して可動屋根用基礎50に連結されている。つまり、可動屋根40は、可動屋根用基礎50上に免震化(免震支持)されていない(非免震)。
このように第二免震装置70を省略することにより、コストを削減することができる。一方、可動屋根40の上端部40Uと固定屋根30との連結部90には、変位吸収部材92が設けられている。そのため、地震時における可動屋根40の上端部40Uと固定屋根30との連結部90に発生する不具合を抑制することができる。
なお、図7(A)及び図7(C)において、上側移動機構80及び変位吸収部材92を上下逆にした構成にしても良い。これと同様に、図7(A)及び図7(B)において、下側移動機構60及び第二免震装置70を上下逆にした構成にしても良い。
例えば、図8には、下側移動機構60及び第二免震装置70を上下逆にした変形例が示されている。この変形例では、可動屋根40の下端部40Lが、下側移動機構60を介して梁120に支持されている。梁120は、例えば、可動屋根40の開閉方向に延びるトラス梁とされている。
梁120は、構造物本体12(図1参照)上に立てられた複数の柱122に第二免震装置70を介してそれぞれ支持されている。柱122は、例えば、鉄筋コンクリート造や、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造とされており、可動屋根40の開閉方向に間隔を空けて配列されている。なお、柱122は、第二支持構造体の一例である。
このように下側移動機構60及び第二免震装置70を上下逆にしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、柱122は、構造物本体12と別体で立てられても良い。この場合は、柱122は、第二支持構造体の一例となる。また、図示を省略するが、上側移動機構80及び変位吸収部材92を上下逆にした場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、上記実施形態では、固定屋根30が、第一免震装置38を介して構造物本体12のスタンド部12Bに支持されるが、固定屋根は、第一免震装置38を介して構造物本体12の基礎部12Aに支持されても良い。
また、上記実施形態では、固定屋根30を支持する基礎部12Aと、可動屋根40を支持する可動屋根用基礎50とが別体とされているが、これらの基礎部12A及び可動屋根用基礎50は一体とされても良い。つまり、第一支持構造体と第二支持構造体とは、別体でも良いし、一体でも良い。
また、可動屋根40の下端部40Lは、例えば、構造物本体12の基礎部12Aやスタンド部12Bに支持されても良いし、固定屋根30に支持されても良い。
また、上記実施形態では、一対の可動屋根40の開閉方向が横方向とされるが、上記実施形態はこれに限らない。一対の可動屋根の開閉方向は、例えば、ドーム状の固定屋根に沿った湾曲方向とされても良いし、斜め方向や上下方向等とされても良い。
また、上記実施形態では、一対の可動屋根40が両引き戸式とされているが、可動屋根は、例えば、片引き戸式とされても良い。また、上側移動機構80及び下側移動機構60の構成は、適宜変更可能である。さらに、固定屋根30の開口部36の形状や配置、数も適宜変更可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
12 構造物本体(第一支持構造体)
20 開閉式免震屋根構造
30 固定屋根
36 開口部
38 第一免震装置
40 可動屋根
50 可動屋根用基礎(第二支持構造体)
70 第二免震装置
90 連結部(固定屋根と可動屋根との連結部)
92 変位吸収部材
110 開閉式免震屋根構造

Claims (3)

  1. 開口部を有し、第一免震装置に支持される固定屋根と、
    前記固定屋根に連結され、前記開口部を開閉する可動屋根と、
    前記固定屋根と前記可動屋根との連結部に設けられ、前記固定屋根と前記可動屋根とを相対変位可能にする変位吸収部材と、
    を備え
    前記可動屋根は、前記固定屋根の上側に配置され、前記変位吸収部材を介して前記固定屋根に支持される、
    開閉式免震屋根構造。
  2. 前記可動屋根は、第二免震装置に支持される、
    請求項1に記載の開閉式免震屋根構造。
  3. 第一支持構造体と、
    開口部を有し、前記第一支持構造体に第一免震装置を介して支持される固定屋根と、
    第二支持構造体と、
    前記第二支持構造体に設けられた移動機構に第二免震装置を介して支持されるとともに、前記固定屋根の前記開口部を開閉する可動屋根と、
    を備える開閉式免震屋根構造。
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