JP2738856B2 - 開閉式ドーム屋根 - Google Patents

開閉式ドーム屋根

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JP2738856B2 JP2086789A JP2086789A JP2738856B2 JP 2738856 B2 JP2738856 B2 JP 2738856B2 JP 2086789 A JP2086789 A JP 2086789A JP 2086789 A JP2086789 A JP 2086789A JP 2738856 B2 JP2738856 B2 JP 2738856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は運動競技場、野球場等に適した全天候型の建
物に使用する開閉式ドーム屋根に関する。
《従来の技術》 一般的に、従来の開閉式屋根は何れも屋根を数段に重
ねた積層構造とし、これらをスライディング式に滑動ま
たは走行させて建物の天部を開閉するものであった。
例えば屋根を支える梁に走行車輪を装着して屋根部材
を梁状に走らせるなどの手段、あるいは梁を伸縮自在に
構成し、梁とともに開閉する屋根部材を固定屋根上に移
動させるなどであった。
《発明が解決しようとする課題》 それ故に、開閉式屋根を走行自在に支承する梁部分が
開口部に残るところから、開口部の開放感に欠ける欠点
があった。
また、外観上も開閉する屋根部分の積層段部が美観を
損なわせ、更に段部が外気を建物内部に吹き込ませやす
いという欠点があった。
そこで、本発明は屋根を開いた時、開口部に梁が残ら
ず開放感に優れた、しかも構成の簡単な開閉式ドーム屋
根を提供しようとするものである。
《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために、本発明の開閉式ドーム屋
根は水平部分と該水平部分の一端から垂直に立ち上げら
れ垂直部分とからなるL字形の躯体と、該躯体に形成さ
れた凹陥部の一部を覆う固定屋根部材と、該固定屋根部
材とともにその外周曲面を連続形成することにより半球
面殻状のドーム屋根を構成し、かつ前記躯体の垂直部分
と平行して移動可能な移動屋根部材と、該移動屋根部材
を走行移動するため前記躯体の水平部分および垂直部分
に形成された複数の平行な軌道とを備えてなる開閉式ド
ーム屋根であって、前記固定屋根部材及び移動屋根部材
は、両屋根部材の相互に対向する端面が移動屋根部材の
移動方向と平行な面となり、かつ該移動屋根部材の移動
方向よりみてアーチ状となる分割線により分割されてな
ることを特徴とする。
また、前記移動屋根は、前記軌道上を走行するための
複数の走行台車を備え、それぞれの走行台車は、軌道の
敷設方向に沿ってほぼ等間隔で配列された三つの走行輪
と、該三つの走行輪のうち外側に位置するいずれか一方
の走行輪を除いた二つの走行輪を回転自在に支持すると
ともに移動屋根の荷重がかかる主フレームと、該主フレ
ームに中心軸が回動自在に支持され前記一つの走行輪を
回転自在に支持するシーソー型フレームと、該シーソー
型フレームの回動を許容するため該フレームの他端部を
遊嵌支持するよう前記主フレームに形成された縦の長孔
とを備えたことを特徴とする。
《作 用》 L字状の躯体上面を覆う移動屋根部材は固体屋根上を
走行台車によって移動し、躯体の上方を開放する。
また、躯体の垂直部分長手方向から見た場合の移動屋
根部材両端部は固定屋根になり、中央部分が固定屋根部
分の上方に重なるようにして開く。中央部分がもとの位
置に閉塞したときには屋根部材の開閉する移動部分と固
定部分との分割線が水平であるために外観的には段差の
ない面一な半球体状になる。走行台車は三軸式であっ
て、三点で重量を支える台車であるから屋根の鉛直荷重
に耐えやすい。三軸のうち少くともその一軸がシーソー
形のフレームになったイコライザー式なので軌条の上下
方向の変化に対応できるようになっている。
《実 施 例》 以下、本発明の好適な実施例について図面を参照にし
て詳細に説明する。
第1,2図には本発明の開閉式ドーム屋根1を示し、水
平部分2の一端から垂直に立ち上げ、且つ水平部分2の
中央部分にほぼ円形状の凹陥部3を形成したL字状の躯
体4を設け、該凹陥部3の内周壁には緩い傾斜を付し、
ここに観覧席5を構成している。
これら観覧席5を含む凹陥部3の上部を半球面形の屋
根部材6で覆っている。半球面形をした屋根部材6の半
径は躯体4の垂直部分7の中央部からその底端面まで縦
に抜ける大きさになっている。従って、躯体4の垂直部
分7の中央部は丁度アーチ状に切り欠いた構造になり、
この切り欠いた部分に密着するようにして屋根部材6の
一部が躯体4の外方へ突出している。そして、この突出
する屋根部材6の一部分は固定屋根になっており、垂直
部分7の上端面にはその外端方向に1本の垂直部分7の
長手方向に延びる軌道8が敷設してある。
垂直部分7の中央部分は凹陥部3の上方の開放感を増
すために屋根部材6の曲率にほぼ等しい曲率半径で切り
欠いてあり、この切欠部分を避けるようにその左右両側
に軌道8と平行な別の軌道8aを敷設している。躯体4の
垂直部分7の対称位置にある水平部分2の上端面にも軌
道8,8a同様に、これと平行な軌道9,9aが敷設してある。
なお、この実施例では躯体4の垂直部分7の方は方位
を北側にとっている。これは、凹陥部3の日当たりを配
慮したからである。
さらに、屋根部材6は頂点及びこれを挟むように適宜
に両側に離した三点において、躯体4の垂直部分7の長
手方向と直交する方向に三分割してなり、中央の分割線
から離れた位置にある両側の分割線は水平は分断線にな
し、これにより移動屋根部材6は左右の2箇所と中央の
2箇所の合わせて4つの部分に分離された形となるが、
垂直部分7の外側へ突出している部分については分断せ
ずそのままの状態にしている。また、分断した部分の両
側は躯体4の水平部分2上に固定している。屋根部材6
の頂天部分において分断された屋根部材6a,6aはその底
端面が垂直部分7の天端にある軌道8,8aに乗り、躯体4
の水平部分2に架かっている底端面は水平部分2上の軌
道9,9aに乗っている。尤も、屋根部材6a,6aが軌道8,8a,
9,9aに乗るのはそのままではなくて走行台車10を介して
いる。
そして、固定屋根部材6と移動屋根部材6aとは、両屋
根部材6,6aの相互に対向する端面が移動屋根部材6aの移
動方向と平行な面となり、かつ移動屋根6a部材の移動方
向よりみてアーチ状となる分割線により分割されてなっ
ている(固定屋根部材の上端部分においては、両屋根部
材の対向する端面が水平面となり、下端部分において
は、両屋根部材の対向する端面が鉛直面となるように連
続している)。そして、固定屋根部材6を残した状態で
移動屋根部材6aのみを移動方向に開閉移動することがで
きながら、移動屋根部材6aが閉塞状態にあるとき、固定
屋根部材6及び移動屋根部材6aは、これらの外周面曲面
が連続形成されて段差のない面一な半球面殻状のドーム
屋根を構成するのである。
以下、走行台車と屋根部材6,6aについてその詳細を第
3図,第4図に基づき説明する。
すなわち、移動屋根部材6の移動する屋根部材6a部分
は、躯体4の垂直部分7天端面に敷設した軌道8および
軌道8aと水平部分2の表面に敷設した軌道9,9aとの間に
跨がっており、いわば下方のレール9,9aから上方のレー
ル8,8aに跨がる断面アーチ状になっていて、このアーチ
が中央から左右方向へ開閉するようになっている。
然して、屋根部材6,6aはアーチ梁11を間欠的に配置し
て構成している。移動する屋根部材6aのアーチ梁11a下
端部は走行台車10の台車枠12にある芯皿に接続してい
る。図中でこの芯皿を符号13としている。走行台車10は
上端部に水平な芯皿13を備え、また中央部分には縦長な
長孔14を穿設している主フレーム15とその左端部に回動
自在に軸着したシーソー型のサブフレーム16とを備え
る。主フレーム15の外方へ延びる側のサブフレーム16の
端部には第1の走行輪17を設け、さらに対極位置にある
主フレーム15の端部には第2の走行輪18を設け、第3の
走行輪19はサブフレーム16の他端部に軸着され、この軸
は主フレーム15の長孔14内に遊嵌されている。
そしてさらに、台車枠12の長孔14直下部位は軌道9の
側面に延び、この延びた部分には軌道9のフランジ裏面
に当接する浮上り防止装置が付与してある。浮上り防止
装置は軌道9のフランジ裏面に水平に延びる横棒でもよ
いし、あるいはこの横棒にローラーを回転自在に装着し
たものであってもよい。このようにしてアーム梁11を三
軸式の走行台車で支承している。
《効 果》 以上、詳細に説明したように本発明の開閉式ドーム屋
根によれば躯体はL字状であって、垂直な部分を具備
し、その他方において躯体の水平部分中央に凹陥部を形
成しており、移動屋根はこの凹陥部を包むので野球場そ
の他の球技場の場合、躯体の垂直部分をスコアボードあ
るいはバックスタンド等に利用できる。そして、競技を
行う部分は凹陥部に設置できるので、躯体の垂直部分が
競技を行う部分に覆い被さる点を回避できる。屋根部材
の開閉する部分は三分割し、中央の分割線を挟む両側の
分割部分は水平な分断線になっているので、移動屋根の
外観は段差のない面一な球面形になっている。したがっ
て、段差部分において、風の抵抗を受け風切り音が生じ
たり、あるいはここから風が吹き込む不具合を避けやす
い。また、この移動する屋根部材の底端面は躯体の垂直
部分天面にほぼ水平に架かり、他方の水平部分に架かる
底端面もほぼ水平になっているので、位置エネルギーに
よる自由移動、特に自由落下作用がなくこれを動力等で
移動させるためのエネルギーが少くてすむ利点がある。
さらに、レールが敷設してある部分は何れも水平になっ
ているので、保守点検が容易である。即ち、格別の足場
等を必要としないからである。屋根部材は半球面形で、
その頂部部分を中央の分割部分から左右に開くので、開
ききったときには移動する部分が半球面形両端方向にあ
る屋根部材の上方に重なるように移動する。したがって
開放部分に梁等の構造体が残らず開放感が大である。
走行台車は三軸式であって、三軸のうちの一軸は他の
二軸を支える主フレームに中心軸を回動自在に取着した
シーソー形のフレームの一部に構成した構造になってお
り、シーソー形のフレームはその一軸上に設けた走行輪
と他端部の長孔とで挟む軸点によって軌道の上下方向へ
の多少のうねりを吸収しつつ三軸で均等に屋根の鉛直荷
重を負担でき、大重量の屋根部材を移動可能に支承でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の開閉式ドーム屋根が閉じた状態を示す
斜視図、第2図はその屋根部材が開いた状態を示す斜視
図、第3図は屋根部材の開閉手段を説明するための断面
図、第4図は第3図中の走行台車の概略を示す説明図で
ある。 1……開閉式ドーム屋根、2……水平部分 3……凹陥部、4……躯体 5……観覧席、6……屋根部材 7……垂直部分、8……軌道 9……軌道、10……走行台車 11……アーチ梁、12……台車枠 13……芯皿、14……長孔 15……主フレーム、16……サブフレーム 17……第1の走行輪、18……第2の走行輪 19……第3の走行輪

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平部分と該水平部分の一端から垂直に立
    ち上げられ垂直部分とからなるL字形の躯体と、該躯体
    に形成された凹陥部の一部を覆う固定屋根部材と、該固
    定屋根部材とともにその外周曲面を連続形成することに
    より半球面殻状のドーム屋根を構成し、かつ前記躯体の
    垂直部分と平行して移動可能な移動屋根部材と、該移動
    屋根部材を走行移動するため前記躯体の水平部分および
    垂直部分に形成された複数の平行な軌道とを備えてなる
    開閉式ドーム屋根であって、 前記固定屋根部材及び移動屋根部材は、両屋根部材の相
    互に対向する端面が移動屋根部材の移動方向と平行な面
    となり、かつ該移動屋根部材の移動方向よりみてアーチ
    状となる分割線により分割されてなることを特徴とする
    開閉式ドーム屋根。
  2. 【請求項2】前記移動屋根は、前記軌道上を走行するた
    めの複数の走行台車を備え、それぞれの走行台車は、軌
    道の敷設方向に沿ってほぼ等間隔で配列された三つの走
    行輪と、該三つの走行輪のうち外側に位置するいずれか
    一方の走行輪を除いた二つの走行輪を回転自在に支持す
    るとともに移動屋根の荷重がかかる主フレームと、該主
    フレームに中心軸が回動自在に支持され前記一つの走行
    輪を回転自在に支持するシーソー型フレームと、該シー
    ソー型フレームの回動を許容するため該フレームの他端
    部を遊嵌支持するよう前記主フレームに形成された縦の
    長孔とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の開閉
    式ドーム屋根。
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