JP2895127B2 - 開閉屋根 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、大型構築物（競技場、球場等）の開閉屋根
に関する。

〔従来の技術〕

従来提案されている大型構築物の開閉屋根は、各可動
屋根をスライド又は旋回、又はスライドと旋回の組合せ
により開口するもので、その開口部は一定の形状となっ
ている。

開口部の形状を競技に合わせて行なうことができる設
備は現在は存在しない。

〔発明が解決しようとする課題〕

屋内競技場の屋根を開口する場合、競技場全体を開口
することは構造上困難であり、必然的に部分開口とな
る。部分開口の場合、開口部の形状をフィールド又はグ
ラウンドの形状に対応させることが好ましい。

本発明は競技種目に対応して、屋根の開口部形状を変
更することのできる開閉屋根を提供することを目的とす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本発明は、競技場や球場等
の施設の開閉屋根において、平面形状がそれぞれ半円形
で互いの最大スパンにおいて接合したときにドームを形
成する１対の可動屋根構造体と、該１対の可動屋根構造
体を、平面視において前記最大スパンに直交する方向に
それぞれ移動させる手段と、前記１対の可動屋根構造体
を、平面視において前記最大スパンの一端部を中心とし
てそれぞれ旋回させる手段とを具えたことを特徴とする
ものである。

〔作用〕

各可動屋根構造体をその最大スパンに直交する方向に
それぞれ移動させる手段により、互いに離れるように移
動して、屋根が長方形状に開口する。これは、フィール
ドが長方形をしているラグビー、サッカー等の競技に適
する。

一方、各可動屋根構造体をその前記最大スパンの一端
部を中心としてそれぞれ旋回させる手段により、互いに
離れるように旋回して、屋根が扇状に開口する。これは
グランドが扇形をしている野球のような競技に適する。

〔実施例〕

第１図乃至第19図において、１は競技場等を構成する
大型構造物の周囲を囲むように構成した周回架構、2,3
は可動屋根構造体、2a,3aは可動屋根構造体の最大スパ
ン、４はフィールド、５は観覧席、６はスライド移動用
ガイド溝、７は旋回移動用ガイド溝、８は転轍装置、９
は旋回装置、10は走行駆動台車、12は走行台車を示し、
該走行台車12は可動屋根に設けられたガイド溝13に摺動
自在に取り付けられるとともに、周回架構１に設けられ
たガイド溝11内を摺動自在に構成されており、可動屋根
が直線移動するときは、ガイド溝11に沿って摺動のみ、
また可動屋根が旋回するときはガイド溝11及びガイド溝
13に沿った複合的な摺動を行う。14はアーチ端部台車、
15は球面支承、16は屋根アーチ基部、17は水平車輪、18
は電動機、19は減速機、20は走行車輪、21は浮上り防止
車輪、22は旋回台車、23は旋回車輪、24は水平車輪、25
は転轍装置のガイドブロック、26はガイドブロックのピ
ン、27は転轍装置のシリンダ、28,29および30は屋根構
造体半円中央下部の走行車輪、旋回ベアリング、および
水平車輪、31は屋根アーチ基部の補助台車である。

第１図乃至第３図において、競技場及び球場等の大型
施設を構成する周回架構１が、平面形状を円形（ドーナ
ツ型）とした形に形成されている。周回架構１内には、
フィールド部４及び同フィールド部４の周囲の観覧席５
が設置され、これ等の上方で同周回架構１上部と接した
形に、平面形状を半円形としたドーム型の一対の可動屋
根構造体2,3が取付く。各可動屋根構造体2,3の相接合す
る最大スパン2a,3aの両端下部と、周回架構１上部と接
する半円中央下部の３箇所には、走行駆動台車10及び走
行台車12が装着している。上記走行駆動台車10及び走行
台車12は、周回架構１上に設けたガイド溝6,11又は7,13
内を移動走行する。

周回架構１上には、前記可動屋根構造体2,3の接合面
と直角方向に同屋根構造体2,3を左右にスライド移動さ
せるべく、直線のスライド移動用ガイド溝６が設けられ
る。また、周回架構１上には、一方の走行駆動台車10を
中心に最大スパン2a,3aを半径とする他方の走行駆動台
車10側に、円弧状の旋回移動用ガイド溝７が設けられて
いる。

第４図において、イは閉鎖時の屋根構造体、ロはスラ
イド開口時の屋根構造体、ハは旋回開口時の屋根構造体
を示す。

旋回中心となる走行駆動台車10が位置するスライド移
動用ガイド溝６の内端部には、旋回装置９が装備されて
いる。（第８図〜第10図） 又、旋回移動用ガイド溝７は、第２図及び第３図の如
く、内端部においてスライド移動用ガイド溝６と一体化
しており、同地点には転轍装置８が装備されている。
（第11図〜第14図） 上記転轍装置８等を用い、第２図の如く、矢印方向へ
可動屋根構造体2,3をスライド移動することによって、
フィールド４上方に長方形の開口部を形成し、第３図の
如く矢印方向へ旋回移動させることによって、扇形の開
口部を形成する。なお、第11,12図におけるガイドブロ
ック25、シリンダ27は旋回移動時の位置を示し、第13,1
4図はスライド移動時の位置を示している。

なお、旋回移動時には、第18,19図に示すように、補
助台車31により走行駆動台車10と走行台車12の間を支持
する。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、競技場や球場等の施設
の開閉屋根において、平面形状がそれぞれ半円形で互い
の最大スパンにおいて接合したときにドームを形成する
１対の可動屋根構造体と、該１対の可動屋根構造体を、
平面視において前記最大スパンに直交する方向にそれぞ
れ移動させる手段と、前記１対の可動屋根構造体を、平
面視において前記最大スパンの一端部を中心としてそれ
ぞれ旋回させる手段とを具えたものであるから、競技場
において例えばラグビーやサッカー等の競技を行う場合
には、１対の可動屋根構造体を、その最大スパンに直交
する方向でかつ互いに反対方向にそれぞれ移動させるこ
とにより、屋根をラグビーやサッカー等の競技に適した
長方形状に開口させることができる。一方、野球を行う
場合には、１対の可動屋根構造体を、その最大スパンの
一端部を中心とし互いに反対方向にそれぞれ旋回させる
ことにより、屋根を野球に適した扇形状に開口させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る競技場施設全体の斜景
図、第２図はスライド開口時の可動屋根構造体を示す平
面図、第３図は旋回開口時の可動屋根構造体を示す平面
図、第４図は可動屋根の閉鎖時、スライド開口時、旋回
開口時の位置を示した平面図、第５図、第６図および第
７図は第４図のＡ部詳細を示す平面図、正面図および側
面図、第８図は第４図のＢ部詳細を示す平面図、第９図
は第８図のＦ−Ｆ断面図、第10図は第８図のＧ−Ｇ断面
図、第11図は第４図のＣ部詳細を示す旋回移動時の平面
図、第12図は第11図のＨ−Ｈ断面図、第13図は第４図の
Ｃ部詳細を示すスライド移動時の平面図、第14図は第13
図のＪ−Ｊ断面図、第15図、第16図および第17図は第４
図のＤ部詳細を示す平面図、正面図および側面図、第18
図および第19図は第４図のＥ部詳細を示す側面図および
正面図である。 １…周回架構、2,3…可動屋根構造体、6,11…スライド
移動用ガイド溝、７…旋回移動用ガイド溝、８…転轍装
置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】競技場や球場等の施設の開閉屋根におい
   て、平面形状がそれぞれ半円形で互いの最大スパンにお
   いて接合したときにドームを形成する１対の可動屋根構
   造体と、該１対の可動屋根構造体を、平面視において前
   記最大スパンに直交する方向にそれぞれ移動させる手段
   と、前記１対の可動屋根構造体を、平面視において前記
   最大スパンの一端部を中心としてそれぞれ旋回させる手
   段とを具えたことを特徴とする開閉屋根。