JP2021077980A - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可能な限りスループットを維持しつつ、搬送動作の一時停止を回避する。【解決手段】画像読取装置は、給送手段によって1枚ずつシートを給送させながら、読取手段によって読取られ記憶手段に記憶される画像データを、転送手段によって情報処理装置に転送させるジョブを実行する。ジョブの実行を開始してから所定枚数までのシートは、転送手段がシート1枚分の画像データを転送するために必要な画像転送時間より短い第1の間隔で給送手段に給送させる。所定枚数より後のシートは、画像転送時間以上の長さの第2の間隔で給送手段に給送させる。【選択図】図9

Description

本発明は、シートから画像を読取る画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置は、原稿として用いるシートの画像を光学的に走査して、原稿からの反射光を撮像素子により電子信号に変換することで、画像データを読取る画像読取装置を備えている。画像読取装置は、複数の原稿に対する読取動作を一度の操作で実行させることができるよう、原稿を1枚ずつ自動的に給送する自動原稿給送装置(Auto Document Feeder、以下ADFと呼ぶ)を備えているものがある。
画像読取装置で読取られた画像データは、画像形成装置本体のコントローラへ転送され、必要な画像処理が行われた後、印刷物の出力に用いられ、あるいはPDF等の形式に変換されデータとして出力される。ここで、画像読取装置には、撮像素子によって読取られた画像データを一時的に格納する画像メモリが搭載されたものがある。画像メモリを用いて画像データのバッファを行うことで、コントローラ側の処理待ち等によって画像データの転送ができない状況が発生しても、画像読取装置は読取動作を継続できる。
ところで、コントローラへの画像データの転送待ち状態が続く場合には、蓄積された画像データが画像メモリの容量に到達してオーバーフローが発生する前に、新たな画像データの取得を停止する必要がある。特許文献1は、前の原稿から読取られてコントローラに転送された画像データの画像処理に時間がかかる場合に、ADFによる後の原稿の搬送を中止して、画像処理の終了後に搬送を再開する技術を提案している。
特開2005−39419号公報
ところで、画像読取装置から情報処理装置(例えば画像形成装置本体のコントローラ)への画像データの転送速度が、情報処理装置側の事情で制限される等の理由で、ADFによるシートの給送間隔よりも画像データの転送ペースが遅くなる場合がある。このような状況でADFが次々に原稿を給送して画像データを取得していくと、画像データの転送が間に合わず、最終的には画像メモリのオーバーフローが生じ、原稿の搬送を中止する。しかし、上記文献の構成では、原稿を搬送するローラ等の部材及びその駆動構成への消耗や、搬送動作の停止及び再開に伴う騒音が懸念される。
これに対して、ADFによるシートの給送間隔を一律に広げることで原稿の搬送中止を回避しようとすると、画像読取装置のスループットが低下してしまう。
そこで、本発明は、可能な限りスループットを維持しつつ、搬送動作の一時停止を回避することを可能とする画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、複数枚のシートを積載可能な積載部と、前記積載部に積載されたシートを1枚ずつ給送する給送手段と、前記給送手段によって前記積載部から給送されたシートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されているシートから画像データを読取る読取手段と、前記読取手段によって読取られた画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画像データを情報処理装置に転送する転送手段と、前記給送手段によって1枚ずつシートを給送させながら、前記読取手段によって読取られ前記記憶手段に記憶される画像データを、前記転送手段によって前記情報処理装置に転送させるジョブを実行する実行手段と、を備え、前記実行手段は、ジョブの実行を開始してから所定枚数までのシートは、前記転送手段がシート1枚分の画像データを転送するために必要な画像転送時間より短い第1の間隔で前記給送手段に給送させ、前記所定枚数より後のシートは、前記画像転送時間以上の長さの第2の間隔で前記給送手段に給送させる、ことを特徴とする画像読取装置である。
本発明によれば、可能な限りスループットを維持しつつ、搬送動作の一時停止を回避することが可能となる。
本開示の実施例1に係る画像形成装置の概略図。 実施例1に係る自動原稿読取装置の斜視図(a)及び断面図(b)。 実施例1に係る自動原稿読取装置のブロック図。 実施例1に係る両面読取動作の経過を表すタイムチャート。 実施例1に係る画像メモリに対する画像データの入出力を説明するための図。 実施例1に係る両面読取動作の途中における画像メモリの状態を表す図。 参考例に係る両面読取動作の経過を表すタイムチャート。 参考例に係る両面読取動作の途中における画像メモリの状態を表す図。 実施例1に係る両面読取動作の経過を表すタイムチャート。 実施例1に係る両面読取動作の途中における画像メモリの状態を表す図。 実施例1に係る自動原稿読取装置の制御方法を示すフローチャート。 実施例2に係る自動原稿読取装置の制御方法を示すフローチャート。
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る自動原稿読取装置300と、この自動原稿読取装置300を備えた画像形成装置10の概略図である。まず、画像形成装置10の概略構成について説明する。
本実施形態の画像形成装置10は、電子写真方式によりフルカラー画像を記録材に出力するタンデム型中間転写方式の複写機である。画像形成装置10は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を作成する画像形成ステーションPY、PM、PC、PKと、中間転写ユニット70と、定着装置14と、を備えている。
画像形成装置10が画像形成動作を実行する場合、各画像形成ステーションPY〜PKは、電子写真プロセスにより単色のトナー像を作成する。即ち、像担持体としての感光ドラム1が所定の回転方向R1に回転駆動され、帯電器2が感光ドラム1の表面を一様に帯電させる。露光装置3は、画像データを色成分毎に分解したデータに基づいて変調したレーザ光を用いて感光ドラム1を走査し、ドラム表面に静電潜像を書き込む。この潜像は、現像装置4から供給される現像剤によって現像され、トナー像として可視化される。
中間転写ユニット70は、中間転写体としての中間転写ベルト7が、駆動ローラ71、二次転写内ローラ72及びテンションローラ73に巻き回されたものである。画像形成動作が開始されると、中間転写ベルト7は駆動ローラ71によって感光ドラム1に連れ回る回転方向R2に回転駆動される。各画像形成ステーションPY〜PKにおいて作成され感光ドラム1に担持されるトナー像は、一次転写ローラ5が形成するバイアス電界により、一次転写部N1において感光ドラム1から中間転写ベルト7に一次転写される。このとき、各色のトナー像が互いに重なるように多重転写されることで、中間転写ベルト7の表面にフルカラーのトナー像が形成される。また、中間転写ベルト7に転写されずに感光ドラム1に残った転写残トナー等の付着物は、各ステーションのドラムクリーナ6によって除去される。
中間転写ベルト7を挟んで二次転写内ローラ72に対向する位置には、二次転写ローラ8が配置され、二次転写ローラ8と中間転写ベルト7との間のニップ部として二次転写部N2が形成されている。中間転写ベルト7に担持されたトナー像は、二次転写部N2において、後述するように二次転写部N2に向けて1枚ずつ搬送されてくる記録材Sに対して二次転写される。記録材Sに転写されずに中間転写ベルト7に残った転写残トナー等の付着物は、ベルトクリーナ75によって除去される。
二次転写部N2においてトナー像を転写された記録材Sは、搬送ベルト13を介して定着装置14に送られる。定着装置14は、記録材Sを挟持して搬送する回転体対と、記録材上のトナー像を加熱するハロゲンランプ等の熱源とを有し、記録材Sを回転体対によって搬送しながらトナー像を加熱及び加圧する。これによりトナーが溶融し、その後固着することで、記録材Sに定着した画像が得られる。
このようなプロセスに並行して、記録材Sを給送し、二次転写部N2へ向けて搬送する搬送動作が行われる。画像形成装置10は、装置本体19の下部に記録材Sを収納する複数の給送カセット11を有し、いずれかの給送カセット11から記録材Sを1枚ずつ給送する。記録材Sとしては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材等、サイズ及び材質の異なる多様なシートを使用可能である。
給送カセット11に積載された記録材Sは、給送ローラ21によってカセットから繰出されて、分離ローラ対22に到達する。分離ローラ対22は、記録材Sを引き続き搬送する搬送ローラ22aと、搬送ローラ22aに当接する分離ローラ22bとを有する。分離ローラ22bは、例えば画像形成装置10の装置本体19に対して固定された軸にトルクリミッタを介して接続されており、搬送ローラ22aと分離ローラ22bとの間の分離ニップを通過する記録材Sに摩擦力を付与する。これにより、分離ニップに複数枚の記録材Sが進入したときは搬送ローラ22aに接する最上位の記録材のみが搬送され、他の記録材は分離ローラ22bにより搬送を阻まれる。
分離ローラ対22から送り出された記録材Sは、引抜ローラ対24によりレジストレーションローラ12に向けて搬送される。レジストレーションローラ12は、記録材Sの斜行を補正すると共に、画像形成ステーションPY〜PKによるトナー像の作成開始に同期したタイミングで記録材Sを二次転写部N2に向けて送り込む。二次転写部N2及び定着装置14を通過することで画像が形成された記録材Sは、画像形成装置内部の排出経路を搬送されて、装置本体19の側方に設けられた排出トレイ15に排出される。
以上の説明において、中間転写型の電子写真機構を構成する画像形成ステーションPY〜PK、中間転写ユニット70及び定着装置14は、記録材に画像を形成する画像形成手段の一例である。上記構成に代えて、例えば感光体上に作成したトナー像を中間転写体を介さずに直接記録材に転写する直接転写方式の電子写真機構を用いてもよい。また、電子写真方式に限らず、例えばインクジェット方式の印刷ユニットやオフセット印刷機構を画像形成手段として用いてもよい。
次に、本実施形態に係る画像読取装置である自動原稿読取装置300の構成について、図2(a、b)を用いて説明する。図2(a)は、本実施形態の自動原稿読取装置300の斜視図であり、図2(b)はその断面構成を表す概略図である。
自動原稿読取装置300は、原稿を搬送するADF200と、ADF200によって搬送される移動原稿及び原稿台ガラス101に載置される静止原稿から画像情報を読取る読取装置(以下、リーダ100とする)と、を備えている。ADF200は、画像形成装置の装置本体19の上部に固定されるリーダ100に対して、リーダ100の上面奥側に設けられた開閉ヒンジを介して開閉自在に連結されている。
リーダ100は、原稿台ガラス101と、表面読取ユニット104と、光学系モータ225(図3)と、読取移動ガイド109と、を有する。表面読取ユニット104は、原稿となるシートから画像データを読取る読取手段(第1読取手段)の例である。本実施形態の表面読取ユニットは、密着型イメージセンサ(CIS)方式を採用している。即ち、表面読取ユニット104は、光源となるLED105,106と、CMOS等の撮像素子からなるラインセンサ108と、原稿からの反射光をラインセンサ108の受光面に結像するレンズアレイ107とによって構成されている。リーダ100は、光学系モータ225を用いて表面読取ユニット104を読取移動ガイド109に沿って移動させながら、透明部材である原稿台ガラス101を通して、原稿台ガラス101に載置された原稿の表面を走査する固定読み動作を行う。この場合、表面読取ユニット104は主走査方向(ラインセンサ108の整列方向)の線画像を1ラインずつ取得し、線画像を副走査方向である表面読取ユニット104の移動方向に関して統合することで、原稿全体の画像データが取得される。
また、リーダ100には原稿台ガラス101とは別の透明部材である表面流し読みガラス102が設けられている。自動原稿読取装置300がADF200によって原稿を1枚ずつ搬送しながら画像データを読取る流し読み動作を行う場合、表面読取ユニット104は表面流し読みガラス102を通して原稿の表面(第1面)を走査し、表面の画像データを読取る。この場合も、表面読取ユニット104は主走査方向の線画像を1ラインずつ取得し、線画像を副走査方向である原稿の搬送方向に関して統合することで、原稿の表面全体の画像データが取得される。なお、ADF200は、固定読み動作において原稿を原稿台ガラス101に押し付ける白色の圧板221と、表面流し読みガラス102に対向し、流し読み動作において原稿の背景となる流し読みガイド211と、を有している。
ADF200は、原稿トレイ201、ピックアップローラ204、分離ローラ対206、引抜ローラ対208、リード上流ローラ対209、リード下流ローラ対218、排出ローラ対219及び排出トレイ220を備えている。原稿トレイ201は、読取対象のシートである原稿を複数枚積載可能な積載部である。給送手段の例であるピックアップローラ204は、原稿トレイ201に積載された原稿束の上面に当接して、最上位の原稿を分離ローラ対206に向けて送り出す。分離ローラ対206は、分離ニップを形成する搬送ローラ206a及び分離ローラ206bを有し、ピックアップローラ204によって送り出される原稿を1枚ずつ分離しながら搬送する。シートを分離する分離部材の例である分離ローラ206bは、例えばADF200の枠体に固定された軸に対してトルクリミッタを介して接続され、分離ニップにおいてシートに摩擦力を作用させることでシートを分離する。
引抜ローラ対208、リード上流ローラ対209、リード下流ローラ対218及び排出ローラ対219は、原稿トレイ201からその下方に配置される排出トレイ220に向かってU字状に湾曲した搬送路に沿って配置されている。これらのローラ対は、いずれも、読取手段による読取位置を介してシートを搬送する搬送手段の例である。引抜ローラ対208は、分離ニップを通過した原稿を挟持してリード上流ローラ対209へ向けて搬送する。リード上流ローラ対209は、表面読取ユニット104が表面流し読みガラス102を通して原稿の表面を走査する位置(表面読取位置)を介して原稿を搬送する。
ここで、本実施形態のADF200は、原稿の裏面(第2面)から画像データを読取る裏面読取ユニット212と、透明部材である裏面流し読みガラス217と、を備えている。読取手段(第2読取手段)の例である裏面読取ユニット212は、表面読取ユニット104と同じくCIS方式を採用している。即ち、裏面読取ユニット212は、光源となるLED213、214と、CMOS等の撮像素子からなるラインセンサ216と、原稿からの反射光をラインセンサ216の受光面に結像するレンズアレイ215とによって構成されている。
裏面読取ユニット212及び裏面流し読みガラス217は、ADF200内部の搬送路における原稿搬送方向に関してリード上流ローラ対209とリード下流ローラ対218との間に配置されている。流し読み動作においては、裏面読取ユニット212が裏面流し読みガラス217を通して原稿の裏面を走査する位置(裏面読取位置)を介して原稿が搬送される。この場合、裏面読取ユニット212により主走査方向の線画像を1ラインずつ取得し、線画像を副走査方向である原稿の搬送方向に関して統合することで、原稿の裏面全体の画像データが取得される。つまり、裏面読取ユニット212は、裏面読取位置において原稿の裏面を走査し、表面読取ユニット104による表面の画像データの読取りに並行して裏面の画像データを読取ることが可能である。
以下、自動原稿読取装置300が、ADF200によって搬送する各原稿の表面及び裏面の両方から並行して2ページ分の画像データを読取るモードを両面モードとする。また、自動原稿読取装置300が、ADF200によって搬送する各原稿の表面又は裏面(通常は表面)から1ページ分の画像データを読取るモードを片面モードとする。なお、リーダ100には、後述のシェーディング補正において白レベルの基準となる表面白基準部材103及び裏面白基準部材222が設置されている。そのため、流し読み動作を行う場合、表面流し読みガラス102の表面白基準部材103と裏面白基準部材222の貼り付けられていない位置(流し読みガイド211に対向する位置)に表面読取ユニット104を移動させる。
裏面読取位置を通過した原稿は、リード下流ローラ対218により、排出ローラ対219へ向けて搬送される。排出ローラ対219は、画像データの読取りが終了した原稿を排出トレイ220に排出する。複数枚の原稿が原稿トレイ201に積載されている場合、自動原稿読取装置300は、最終原稿の流し読み動作が終了するまで、原稿の給送、分離、搬送、表面及び/又は裏面からの画像データの読取り、及び排出を含む一連の動作を繰り返す。
なお、表面読取ユニット104や裏面読取ユニット212としては、他のイメージセンサユニットを用いてもよい。例えば、CIS方式に代えて、撮像素子として電荷結合素子(CCD)を用い、原稿からの反射光を縮小光学系を構成する複数のミラーを介してCCDの受光面に結像するCCD方式を用いることができる。
(自動原稿読取装置の制御回路)
次に、自動原稿読取装置300の制御構成について説明する。図3は、本実施形態の自動原稿読取装置300及びこれを含んだ画像形成装置10の制御回路を示すブロック図である。
自動原稿読取装置300において、プログラムを実行する実行手段としてのCPU301は、リーダ100及びADF200の各ユニットを統括的に制御する中央演算処理装置である。ROM302はCPU301が実行すべき制御内容をプログラム及びプログラムの実行に用いるデータとして格納した記憶装置である。RAM303はCPU301が制御を行うのに必要な作業領域として使用される記憶装置である。
CPU301の制御対象となるユニットは、以下の通りである。CPU301には、原稿搬送機能を実現するため、ADF200に設けられた搬送用の各ローラを駆動する駆動源である搬送モータ224が接続されている。搬送モータ224は、分離クラッチ223を介してピックアップローラ204及び分離ローラ対206と連結されている。分離クラッチ223は、搬送モータ224からピックアップローラ204及び分離ローラ対206への駆動伝達を連結及び切断することが可能なクラッチの例である。分離クラッチ223を切断することで、引抜ローラ対208に到達する手前の所定位置(以下、一時停止位置Pと呼ぶ。図2参照)で原稿の搬送を停止することができる。
本実施形態での搬送モータ224はパルスモータであり、CPU301は駆動パルス数を制御することで搬送モータ224の駆動量を管理している。つまり、搬送モータ224に対する駆動指令により指定されるパルス数は、搬送中の原稿の搬送距離として捉えることができ、CPU301はパルス数から算出した搬送距離を基に原稿の現在位置を判断し、原稿搬送動作を制御する。また、ADF200には、原稿トレイ201に積載された原稿を検知する原稿有無センサ205、原稿搬送路上の原稿の先端及び後端を検知する給送センサ207及びリードセンサ210が接続されている。CPU301は、搬送モータ224のパルス数に加えて、給送センサ207及びリードセンサ210の検知タイミングに基づいて原稿の現在位置を判断する。
また、CPU301には、画像読取機能を実現するために、表面読取ユニット104を副走査方向に移動させるための光学系モータ225と光学系HPセンサ226、画像メモリ305、画像処理部306、画像転送部304がそれぞれ接続されている。光学系HPセンサ226は、光学系モータ225による移動方向における表面読取ユニット104の位置を検知するためのセンサである。表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212は、原稿の画像を走査し、1ライン毎に読取りを行うイメージセンサユニットであり、表面LED105及び裏面LED213はその光源である。
画像メモリ305は、表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212により読取られた画像データを一時的に格納する記憶手段である。画像メモリ305は、リーダ100で読める最大原稿サイズかつ表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212で読取可能な最大解像度で4ページ分の容量を備えている。従って、先行して読取られた先行原稿の画像データが画像メモリ305に格納されている状態で後続原稿の流し読み動作を行い、後続原稿から読取った画像データを先行原稿の画像データとは別の記憶領域に格納していくことが可能である。なお、本実施形態における「記憶手段」とは、読取手段を介して取得した画像データを、外部に転送するために一時的に保持するための記憶領域を有する任意の記憶装置を指し、例えばDRAM等の揮発性メモリを用いることができる。
画像処理部306は、表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212によって読取られて画像メモリ305に格納された画像データに対して画像処理を施し、画像の補正(例えば、シェーディング補正、ガンマ補正、形状補正)を行う。本実施形態の転送手段である画像転送部304(送信部)は、画像処理部306により画像処理が施された画像メモリ305内の画像データを、画像転送ライン402を介して後述するコントローラ310の画像転送部314(受信部)に転送する。画像転送部304は、コントローラ310の画像転送部314との同期をとるためのクロック信号を生成するクロック生成回路と、画像メモリ305から取得した画像データをクロック信号に同期した信号として画像転送部314に送信する回路とを含む。後述するように、画像転送部304は、コントローラ310からの指示に基づいてクロック周波数を切り替えて動作することが可能である。
図3の下部に示すコントローラ310は、リーダ100、ADF200を含む画像読取システムとしての画像形成装置10の全体を制御する制御手段であると共に、画像転送部304による画像データの転送先となる情報処理装置の例である。CPU311はコントローラ310の各ユニットを統括的に制御する中央演算装置である。ROM312はCPU311が実行すべき制御内容をプログラムとして格納した記憶装置である。RAM313はCPU311が制御を行うのに必要な作業領域として使用される記憶装置である。画像転送部314は、画像転送部304から画像を受信し、画像メモリ315へ格納する。操作部316は、CPU311と通信することで、ユーザからの画像形成装置10に対する動作指示やデータの入力を受け付け、ユーザへのメッセージや読取られた画像の表示を行うためのユーザーインタフェースである。操作部316は、入力装置として、画像読取動作の実行ボタン及びテンキー並びにディスプレイのタッチパネル機能部等を有し、出力装置として、液晶ディスプレイやLEDランプ等を有する。なお、操作部316は、物理的には画像形成装置10の装置本体19(図1)に配置されていてもよく、例えばリーダ100に配置されていてもよい。つまり、本実施形態において、画像読取装置の動作設定を行うことが可能な操作部は、装置本体19のように画像読取装置と一体に用いられる装置に設けられていてもよい。
CPU311は、CPU301との通信ライン401を介して、画像読取制御に関する制御コマンドのやり取り及び制御用データの授受を行う。例えば、CPU311は、操作部316からユーザの画像読取動作の開始指示(実行ボタンの押下を表す信号等)を受け取り、CPU301に画像読取開始要求を送信する。また、例えば、CPU311は、操作部316からユーザの原稿サイズ設定指示を受け取り、CPU301に原稿のサイズ(主走査方向の長さ(原稿幅)及び副走査方向の長さ(原稿長さ))を送信する。また、例えば、CPU311は、CPU301から異常発生通知を受け取り、異常の種類に応じたユーザへのメッセージを操作部316に表示させる。
(シェーディング補正)
自動原稿読取装置300によるシェーディング補正について説明する。自動原稿読取装置300に設けられた表面白基準部材103及び裏面白基準部材222(図2(b)参照)は、シェーディング補正における白レベルの基準データを作成するための白板である。自動原稿読取装置300は、画像読取動作を実行する前に表面白基準部材103及び裏面白基準部材222を表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212でそれぞれ読取り、画像処理することで表裏それぞれの基準データを作成する。自動原稿読取装置300が流し読み動作を行う場合、画像処理部306は作成済みの基準データに基づき、原稿の表面及び裏面から読取られた画像データのシェーディング補正を行う。
具体的には、図2(b)に示すように、表面白基準部材103は表面流し読みガラス102と原稿台ガラス101の間に固定して設けられている。シェーディング補正の準備として、CPU301は光学系モータ225の駆動により表面読取ユニット104を移動させ、表面白基準部材103に対向する位置(以下、表面シェーディング位置と呼ぶ)で停止させる。さらに、表面読取ユニット104を表面シェーディング位置に停止させた状態で、表面読取ユニット104に表面白基準部材103の画像を読取らせ、表面画像のための白レベルの基準データを作成する。一方、裏面白基準部材222は原稿搬送路を挟んで裏面読取ユニット212に対向するように表面流し読みガラス102に貼付けられている。CPU301は、裏面読取ユニット212に裏面白基準部材222の画像を読取らせ、裏面画像のための白レベルの基準データを作成する。
(画像データの転送)
コントローラ310において自動原稿読取装置300で読取られた画像データを受け取る準備ができると、CPU311は、通信ライン401を介してリーダ100のCPU301へ、ページ単位で画像取得要求を通知する。自動原稿読取装置300のCPU301は、画像取得要求を受け取った際に、要求されたページの画像データが既に画像メモリ305に格納されていたら、画像転送部304から画像転送部314へ画像転送ライン402を介して画像データを転送させる。
ここで、コントローラ310は、自動原稿読取装置300のCPU301に対して画像取得要求と同時に、要求している画像データの転送速度を通知する。CPU301は、コントローラ310が通知した転送速度に合わせて画像転送部304から画像データを転送する。つまり、自動原稿読取装置300の画像転送部304は、コントローラ310から通知された転送速度に対処するクロック周波数で、クロック信号及び画像データの信号を送信する。
コントローラ310は、例えばシステム全体で複数の処理が重なりCPU311の負荷が重くなった場合等、現状の転送速度では新たに画像データを受け取ることが難しい場合に転送速度の設定を遅くするようにCPU301に通知する。これにより、コスト面や発熱量等の理由でCPU311の処理能力に限界がある場合でも、システム全体としての安定性が確保される。反対に、CPU311の負荷が軽くなったときは、CPU301に対して転送速度を元へ戻すように通知する。本実施形態において、このような転送速度の変更は、画像読取動作の入力待ち状態に限らず、自動原稿読取装置300が複数枚の原稿に対して連続的に流し読み動作を実行するジョブ(流し読みジョブ)の実行中においても行われる。
画像メモリ305に一時的に画像データを格納してから要求に応じて転送することで、画像転送ライン402を表面画像データの転送と裏面画像データの転送に共用することができる。画像転送ライン402は、カラーの画像データに対処するために全部で24本の並列した信号線及びこれに並列するその他の信号線で構成される。即ち、カラーの画像データにおいて各画素はRed/Green/Blueの3色の色毎の輝度を8bitの階調で表されており、24本の信号線を介して、1クロックにつき1画素分の24bitのデータを転送することができる。なお、その他の信号線には、クロック信号を伝達する信号線と、1ページ分の画像データの開始を示す信号を伝達する信号線と、1ライン分の画像データの開始を示す信号を伝達する信号線が含まれる。
1ページ分の画像データの転送に掛かる時間は、画像データのデータサイズを、画像転送ライン402が伝達する信号のクロック周波数と、1クロック当たりに転送されるデータ量とによって除算したものである。本実施形態では1クロックにつき1画素分のデータが転送されるため、(1ページ分の画像データの転送に掛かる時間[sec])=(1ページ分の画素数)÷(クロック周波数[Hz])である。
画像データの画素数は、原稿サイズ及び解像度によって定まる。主走査方向の画素数は、600dpiの解像度では、原稿サイズに関わらず、表面及び裏面で共通して5184画素である。本実施形態のADF200では、低コスト化のため、原稿トレイ201に原稿幅(主走査方向長さ)を測定するセンサ等を設けていないため、主走査方向に関しては常に表面読取ユニット及び裏面読取ユニットが読取可能な最大範囲で読取りを行うこととしている。
なお、上記の主走査方向の画素数(5184)は、A4サイズの短辺長さ(210mm)を600dpiの解像度で表したときの画素数(4961)よりも多い。従って、本実施形態の自動原稿読取装置300は、これらのサイズ又はより幅狭の原稿から画像データを読取可能である。また、原稿幅を測定するセンサを設けた場合や、操作部を介して原稿サイズの設定を受け付ける場合は、予め原稿幅が分かっているため、これに対応する主走査方向の一部の領域でのみ画像データを取得するようにしてもよい。以下では、本実施形態において典型的な原稿サイズとして想定するA4サイズの原稿から画像データを読取る場合を例にして説明する。
副走査方向の画素数(ライン数)については、A4サイズの長辺長さが297mmで、さらに画像補正処理や搬送のび量などのマージンを含めて、本実施形態では読取長さを307.7mmに設定している。この場合、副走査方向の画素数は次の式(1)にあるように7269画素となる。
307.7[mm]÷25.4[mm/inch]×600[画素/inch]
=7269[画素] ・・・式(1)
(画像メモリの容量)
自動原稿読取装置300の画像メモリ305の容量について説明する。本実施形態の画像メモリ305は、4Gbit分用意されており、転送速度の制約によらず、画像メモリ305がいっぱいになるまで読取りが可能である。A4サイズのカラー画像を600dpiの解像度で読み込むと、式(2−1)、式(2−2)の結果から約0.842Gbit必要であることが分かる。
5184(主走査方向画素数)×7269(副走査方向画素数)×8[bit](輝度)×3(色)
=904379904[bit] ・・・式(2−1)
904379904÷1024÷1024÷1024
=0.842…Gbit ・・・式(2−2)
よって、式(3)にあるように、画像メモリ305には4ページ分のフルカラー画像データを格納することが可能である。
4[Gbit]÷0.842[Gbit/ページ]
=4.75[ページ] ・・・式(3)
(画像データの転送ペース)
次に、画像メモリ305から画像データを転送するペースについて説明する。前述した通り、本実施形態では、コントローラ310のCPU311の負荷に応じて、自動原稿読取装置300からコントローラ310への画像データの転送速度を切り替える。以下、画像データの転送速度の設定毎に、画像転送部304が1ページ分の画像データを転送するのに必要な時間(以下、ページ転送時間とする)及び画像転送部304のスループットについて説明する。
画像転送部304のページ転送時間は、次の式(4−1)で表される。
ページ転送時間[sec]
=1ページ分の画像データのサイズ[bit]÷画像データの転送速度[bps]+ページ間処理時間[sec] ・・・式(4−1)
ただし、画像転送ライン402は24本の信号線を含んでいるから、1クロック当たり24bitのデータ(つまり、1画素分のデータ)を伝達することができる。そのため、本実施形態におけるページ転送時間は、次の式(4−2)で表すことができる。
ページ転送時間[sec]={主走査方向画素数[pixel]×(副走査方向のライン数+マージン)[line]÷クロック周波数[Hz]}+ページ間処理時間[sec]・・・式(4−2)
本実施形態では、画像転送ライン402の駆動クロックとして、通常状態の59MHzと低速状態の29MHzの2段階で変更可能である。クロック周波数が59MHzであるときの画像転送ライン402のデータ転送速度(59[MHz]×24[bit])は本実施形態における第1の速度である。また、クロック周波数が29MHzであるときの画像転送ライン402のデータ転送速度(29[MHz]×24[bit])は本実施形態における第2の速度である。
また、画像転送部304のスループットは、次の式(5)で表される。
スループット[ページ/分]
=60÷ページ転送時間[sec] ・・・式(5)
ここで、表1に示す通り、A4サイズの原稿から解像度600dpiで読取ったカラー画像データの主走査画素数は5184[pixel]、副走査方向のライン数+マージンは7269[line]、ページ間処理の所要時間は0.065[sec]である。
Figure 2021077980
この値を式(4−2)及び式(5)に代入することで、表2に示す結果が得られる。即ち、「A4サイズ/600dpi/カラー原稿」のジョブ設定の下で読取られる画像データについて、転送速度が通常である場合のページ転送時間は0.704[sec]、スループットは85.3[ページ/分]である。同じジョブ設定の下で読取られる画像データについて、転送速度が低速である場合のページ転送時間は1.364[sec]、スループットは44.0[ページ/分]である。
Figure 2021077980
(ADFの最短給送間隔)
本実施形態に係るADF200は、最高でA4サイズの原稿を2000msec(本実施形態の第1の間隔)毎に給送することができる。つまり、ADF200によるA4サイズ原稿の1分あたりの搬送最大枚数が30枚である。
片面モードであれば、最大で毎分30ページ分の画像データが取得される。画像データの転送速度が通常である場合、30[ページ/分]<85.3[ページ/分]であるから、画像データの取得ペースは画像データ転送能力を超えていないことになる。また、両面モードであったとしても、60[ページ/分]<85.3[ページ/分]であるから、画像データの取得ペースは画像データ転送能力を超えない。
これに対し、画像データの転送速度が低速である場合は、画像転送部304のスループットは表2に示すように44.0[ページ/分]に低下する。このため、「A4サイズ/600dpi/カラー原稿」かつ両面読取のジョブ設定の下で流し読み動作を実行すると、画像データの取得ペース(60[ページ/分])が画像データの転送ペース(44.0[ページ/分])を上回ることが分かる。
(画像データの転送処理:転送速度が通常の場合)
図4は、コントローラ310が通常状態にある場合に、A4サイズの原稿6枚をセットし、カラーモード及び両面モードを設定し、解像度を600dpiに設定した状態で流し読みジョブを実行したときの自動原稿読取装置300の動作状態の推移を表している。図中左から右に向かって時間が経過していることを表す。給送、搬送、表面読取り、裏面読取り及び画像転送の各段は、各処理が行われている状態(ON)と処理が行われていない状態(OFF)を表している。
給送処理とは、分離クラッチ223を連結した状態でピックアップローラ204及び分離ローラ対206によりシートを1枚ずつ給送させる処理である。図示した例では6枚の原稿を給送するため、給送処理が6回実行されている。
以下、続けて給送される2枚の原稿の間で、前の原稿に対する給送処理が開始されてから、次の原稿に対する給送処理が開始されるまでの時間長さを給送間隔と定義する。図4に示す例では、ADF200が1分間当たり30枚のA4サイズ原稿を搬送している。
搬送処理は、分離ローラ対206よりも下流の搬送部材により原稿の搬送を行う処理であり、斜線部分が原稿を搬送している状態を示している。図4では、ジョブの実行中に搬送処理が中断することはなく、平均2000msecの給送間隔で次々に給送される6枚の原稿が、継続的に実行される搬送処理によって搬送されていく。
続いて、表面読取り処理、裏面読取り処理及び画像転送処理について説明する。表面読取り処理は、表面読取ユニット104により表面の画像データを取得する処理であり、裏面読取り処理は、裏面読取ユニット212により裏面の画像データを取得する処理である。ここでは両面モードにより6枚の原稿の表面及び裏面から画像データを読取るため、ジョブ中に取得する画像データは全部で12ページ分となる。なお、片面モードの場合は、給送処理の回数と画像データのページ数は同じとなる。表面読取ユニット104と裏面読取ユニット212の読取位置が少しずれていることから(図2(b)参照)、裏面の読取開始タイミングは表面の読取開始タイミングから少し遅れることになる。
画像転送処理は、表面読取ユニット104及び/又は裏面読取ユニット212によって取得され、画像メモリ305に一時的に格納された画像データを画像転送部304がコントローラ310に転送する処理である。画像転送処理は、表面読取り処理及び裏面読取り処理に並行して行われる。
また、通常状態において、画像転送処理により1ページ分の画像データを転送するための所要時間であるページ転送時間は、画像データの取得ペース(60ページ/分)よりも短くなるように設定されると好適である。画像データの転送ペースがページ転送時間よりも速ければ、画像メモリ305を用いて画像データを適宜バッファしながら画像転送処理を行うことで、ADF200による原稿の搬送を中断することなくジョブを実行可能だからである。
ただし、この例では画像データの取得間隔に比べてページ転送時間の方が短いから、画像転送処理を連続して行うと画像データが途中で枯渇してしまう。そのため、画像データの画像転送処理の開始タイミングは、当該画像データを取得する画像読取処理の開始から所定時間後に設定される。例えば、3ページ目の画像データG3の転送を開始するタイミングは、2枚目の原稿から3ページ目の画像データG3を取得する表面読取処理が開始された時点から所定時間が経過した時刻とする。
図5は、両面モードにおいて原稿から読取られた画像データが画像メモリ305を介してコントローラ310に転送されるまでの流れを説明するための図である。ここでは、両面モードにおいて1枚目の原稿の両面から1ページ目及び2ページ目の画像データG1,G2を読取る読取り処理の途中であって、1ページ目の画像データG1を転送する画像転送処理が開始された後の状態を表している。
表面読取ユニット104と裏面読取ユニット212によって読取られる2ページ分の画像データG1,G2は、画像メモリ305の入力セレクタを経由して、画像メモリ305に用意された4つの記憶領域のいずれか2つに格納されていく。ただし、画像メモリ305には、A4サイズかつカラーの1ページ分の画像データをそれぞれ格納可能な4つの記憶領域が設定されているものとする。画像処理を施すことでコントローラ310に転送可能な状態となった画像データG1は、出力セレクタを経由してコントローラ310に転送されていく。
ここで、入力セレクタは、表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212によって並列的に読取られる2ページ分の画像データを、並列的に画像メモリ305に格納する。その一方で、画像転送ライン402は複数ページの画像データを並列的に転送可能な構成とはなっていないため、出力セレクタは、画像転送ライン402を介して出力する画像データとしていずれか1ページの画像データのみを選択することになる。
そのため、1枚の原稿の両面から2ページ分の画像データを読取っている間、2ページ分の画像データが画像メモリ305の別々の領域に並列的に入力される一方で、画像メモリ305からの出力は1ページずつしか行われない。図5に示した時点で、表面読取ユニットによって読取られる画像データG1は、画像メモリ305の領域「1」に格納されていくと共に、既に画像メモリ305に格納されている部分について順次コントローラ310へ転送されている。つまり、1ページ目の画像データG1は、斜線領域で示したように図中の左側から順番に右側に向けて(灰色の矢印)格納されつつ、網点領域で示したように図中の左側から順番に右側に向けて(黒色の矢印)コントローラに転送されている。このとき、裏面読取ユニットによって読取り済みの2ページ目の画像データG2の量は、裏面の読取りが表面の読取りよりも遅れて始まることから、表面読取ユニットによって読取り済みの画像データG1の量よりも少ない。また、画像転送ライン402は表面の画像データG1の転送に使用されていることから、裏面の画像データG2は画像メモリ305の領域「2」に蓄積されている。
図6は、2枚目の原稿の先端が一時停止位置Pに到達した時点(図4参照)の画像メモリの状態を示している。画像メモリ305の領域「1」に格納されていた1ページ目の画像データG1は既に転送完了している。また、領域「2」については、裏面読取ユニットにより読取られた2ページ目の画像データG2が格納されると共にコントローラへの転送も行われている。
ここで、画像メモリ305の記憶領域には3ページ分の画像データを格納可能な空き領域(領域「1」、「3」、「4」)があり、次の原稿の表面、裏面から読取られる2ページ分の画像データG3,G4を受入可能である。従って、図6に示した時点では、既に読取られた画像データのコントローラへの転送待ちをするためにジョブを停止する必要はなく、2枚目の原稿の搬送処理及び表面及び裏面の読取り処理が続行される。つまり、画像メモリ305の容量に、次の原稿から読取られる画像データを格納するのに十分な空きがある限りは、ADF200による次の原稿の搬送処理を停止することなくジョブの実行を継続できる。また、画像メモリ305に十分な空きがあるということは、コントローラ310についても、自動原稿読取装置300がジョブを続行した場合に発生する画像データを受入可能な状態であることを意味している。
(画像データの転送処理:転送速度が低速の場合[参考例])
続いて、画像データの転送速度が制限されている場合の画像転送処理について説明する。上述した通り、画像データの転送速度は、例えばコントローラ310のCPU311の負荷が重くなり、通常の転送速度でリーダからの画像データを受け取れない状態になったときに制限される。
図7は、給送間隔を変更しない参考例の構成において、流し読みジョブの実行中に画像データの転送速度が制限された場合の自動原稿読取装置300の動作状態の推移を表している。ジョブの設定は図4に示した例と同様であり、A4サイズの原稿6枚から画像データを読取るジョブであって、カラーモード及び両面モードが設定され、解像度が600dpiに設定されている。ただし、ジョブの開始前に、画像転送ライン402のクロック周波数は29MHzに設定されているものとする。この場合、画像転送処理におけるページ転送時間は1364msecとなる(表2参照)。
図7において、1枚目から5枚目までの原稿は、最短の給送間隔である2000msec毎に給送されている。しかし、クロック周波数が29MHzであるから、画像データの取得ペース(60ページ/分)は画像転送部304による画像転送処理のスループット(44.0ページ/分)を上回っている。
このため、時間の経過と共に、画像メモリ305においてコントローラ310への転送待ち状態にある画像データの量は増加していき、画像メモリ305の空き領域が少なくなっていく。そして、最終的には画像メモリ305のオーバーフローを防ぐために原稿の搬送処理を一時停止する必要が生じる。
図7の例は、5枚目の原稿の先端が一時停止位置Pに到達した時点で搬送処理が停止されたケースを表している。このとき、図8に示すように、画像メモリ305は3つの領域が使用中であり、1ページ分しか空き領域がない。具体的には、3枚目の裏面から読取られた6ページ目の画像データG6が画像メモリ305の領域「1」から転送中である。また、4枚目の表面及び裏面から読取られた7、8ページ目の画像データG7,G8が、画像メモリ305の領域「2」「3」に格納されて転送待ちの状態となっている。このように、5枚目の原稿を搬送して読取り処理を行ったとしても、2ページ分の画像データG9,G10を格納する空き領域がないため、当該原稿に対して搬送処理の一時停止が発生している。具体的には、給送センサ207の検知結果に基づいて、5枚目の原稿の先端が一時停止位置Pに到達したタイミングで分離クラッチ223が切断され、分離ローラ対206による原稿の搬送が停止する。
この状態になると、画像メモリ305の記憶領域が十分解放されるまで搬送処理を待機し、画像メモリ305に十分な空き容量があることを確認してから搬送処理を再開することになる。図示した例では、2ページ分の画像データG6,G7の画像転送処理が終了するまで搬送処理が停止する。画像データG7の画像転送処理が完了すると、分離クラッチ223が再連結されることで5枚目の原稿の搬送が再開され、表面及び裏面の読取り処理が実行される。
しかし、このような搬送処理の一時停止が度々発生すると、装置の耐久性及び騒音の面での懸念が生じる。即ち、本実施形態の一時停止処理では分離クラッチ223を切断し、その後再連結される。このとき、駆動トルクの変化に伴う分離ローラ対206の駆動構成(ギヤ列や軸部材等)への負荷によって部材の消耗が早まったり、搬送動作の停止及び再開に伴う騒音が発生する。
なお、ここでは画像メモリ305の2ページ分の記憶領域が新たに開放されるまで搬送処理を一時停止しているが、2ページ分の空き容量が確保された時点(例えば、画像データG6の転送が完了した時点)で搬送処理を再開するようにすることも考えられる。しかし、この場合も、搬送処理の再開後は画像データの取得ペースが画像転送部304による画像転送処理のスループットを上回ることになるから、再び画像メモリ305の空き容量が不足して搬送処理が一時停止することは同様である。
なお、一時停止処理が可能な他の構成例として、ピックアップローラ204及び分離ローラ対206を駆動する給送モータと、その下流の引抜ローラ対208等を駆動する搬送モータとを別個に設けて、給送モータの駆動を一時停止させることが考えられる。そのような構成でも、駆動構成への負荷や、モータの停止及び再起動が繰り返されることによる騒音が生じる。
このように、画像データの転送速度が制限されることで、読取処理による画像データの取得ペースに画像転送処理による転送ペースが追い付かない状態になると、画像メモリ305において転送待ちの画像データが徐々に増えていく。そして、いずれは原稿の搬送を一時停止させる必要が発生することから、装置の耐久性及び騒音の面での懸念があった。
これに対して、原稿の給送間隔を広げることで搬送処理の一時停止することも考えられるが、その場合、自動原稿読取装置300のスループットが低下することになる。
(画像データの転送処理:転送速度が低速の場合[実施例1])
そこで、本実施形態では、画像データの転送速度が低速である場合に、流し読みジョブの途中で原稿の給送間隔を変更することで、可能な限りスループットを維持しつつ搬送処理の一時停止を回避することを図っている。以下、本実施形態において画像データの転送速度が制限された場合の動作について説明する。
図9は、本実施形態において、画像データの転送速度が低速に設定された状態で流し読みジョブを実行する場合の自動原稿読取装置300の動作状態の推移を表している。ジョブの設定は図4及び図7に示した例と同様であり、A4サイズの原稿6枚から画像データを読取るジョブであって、カラーモード及び両面モードが設定され、解像度が600dpiに設定されている。
図7に示した参考例の場合と同様に、コントローラ310からの要求により、画像転送ライン402の駆動クロックは29MHzに設定されている。このため、画像転送処理におけるページ転送時間は1364msecであり、画像データの取得ペース(60ページ/分)は画像転送処理のスループット(44.0ページ/分)を上回っている。
ADF200は、ジョブの開始時点から所定枚数の原稿を給送するまでは、最短の給送間隔(2000msec)で原稿を給送する。ただし、所定枚数とは、最短の給送間隔で原稿を給送したとしても、画像メモリ305の空き容量の不足によって搬送処理を一時停止することなくジョブを続行可能な最大の枚数である。図7に示す参考例では、4枚目の原稿までは搬送処理を停止する必要はなく、5枚目の原稿に対して搬送処理の一時停止が行われている。従って、図9に示す例における所定枚数は「4」である。言い換えれば、本実施形態における所定枚数は、画像メモリ305に格納可能な画像データのページ数と等しい。
所定枚数以下の原稿が原稿トレイ201に積載されていた場合、ADF200は、最短の給送間隔(2000msec)で全ての原稿を給送することで、高いスループットが達成される。一方、所定枚数より多い原稿がある場合、ADF200は、所定枚数より後の原稿は最短の給送間隔より長い間隔をあけながら給送処理を実行する。つまり、ジョブの開始後、所定枚数までのシートは第1の間隔で給送処理を実行し、所定枚数より後のシートは第1の間隔より広い第2の間隔で給送処理を実行する。これにより、画像データの取得ペースが緩和されるから、画像メモリ305の空き容量の不足によって搬送処理の一時停止が発生する可能性が低減される。
ここで、本実施形態では、ジョブ設定に基づいてページ転送時間を算出し、算出されたページ転送時間に基づいて、シート1枚当たりの画像転送時間以上となるように第2の間隔を決定する。ただし、「シート1枚当たりの画像転送時間」とは、片面モードの場合はページ転送時間と同じであり、両面モードの場合はページ転送時間の2倍である。
図9に示す例では、ページ転送時間が1364msecであって、両面モードが設定されている。そこで、第2の間隔を、シート1枚当たりの画像転送時間と同じ「2728msec」に設定している。これにより、所定枚数より多い多数の原稿を流し読みジョブによって処理する場合であっても、画像メモリ305の空き容量の不足に起因する搬送処理の一時停止は発生しないことになる。
図10は、5枚目の原稿が一旦停止位置Pに到達した時点での画像メモリ305の状態を表している。図8の参考例の場合と比較すると、本実施形態では5枚目の原稿の給送間隔を2728msecまで広げたことで、図10の時点で6ページ目の画像データG6の転送が既に完了しており、画像メモリ305には2ページ分の空き容量があることが分かる。従って、一旦停止位置Pで5枚目の原稿を停止させずに搬送処理を継続させても、5枚目の原稿が表面読取位置に到達した時点で画像メモリ305の空き容量が不足していることで表面読取処理を正常に行えないという状況は発生しない。
(制御例)
本実施形態に係る自動原稿読取装置300の制御方法について、図11を用いて説明する。図11(a)は、流し読みジョブにおける給送処理の流れを表すフローチャートである。図11(b)は、流し読みジョブにおける読取処理の流れを表すフローチャートである。各フローチャートの処理は、CPU301(図3)がROM302に格納されているプログラムを実行することにより実施される。
図11(a)に示す給送制御は、ユーザが操作部316のボタンを押下したことをトリガとして、流し読みジョブの実行指示(原稿読取のスタート指示)をCPU301が受けた場合に開始される。S100では、CPU301がコントローラ310からの要求に基づいて画像転送部304のクロック周波数を設定することで、画像転送ライン402を介した画像データの転送速度を設定する。S101の給送開始処理では、原稿トレイ201に積載されている最上位の原稿がピックアップローラ204及び分離ローラ対206によって給送される。この原稿はADF200の内部を搬送され、S102で開始される読取制御により、表面読取ユニット104及び裏面読取ユニット212によって画像データが読取られる。
給送センサ207を原稿後端が通過すると、S103(Yes)で、次の原稿の給送を開始してもよい状態(次原稿給送タイミング)と判断される。S104(Yes)で原稿有無センサ205によって次の原稿が原稿トレイ201にあることが検出されると、S105で、画像データの転送速度の設定が低速か否かを判断する。S105(Yes)で転送速度が低速であった場合、S106で、既に給送された原稿の枚数が所定枚数未満か否か(今回の原稿がジョブ開始から所定枚数までの原稿に該当するか)を判定する。一方、S105(No)で転送速度が通常であった場合、S107で今回の原稿の給送待ち時間を最短の給送間隔(2000msec)に対応する長さに設定する。つまり、本実施形態では、画像データの転送速度に応じて、ジョブの実行中に給送間隔を変更する第1状態(S105のYes)と、ジョブの実行中は給送間隔が一定となる第2状態(S105のNo)とが切り替わる。
S106(Yes)で今回の原稿がジョブの開始から所定枚数までの原稿である場合、給送間隔を広げる必要はないとCPU301は判断する。この場合も、S107で今回の原稿の給送待ち時間を最短の給送間隔(2000msec)に対応する長さに設定する。
一方、S106(No)で今回の原稿がジョブの開始から所定枚数より後の原稿である場合、画像メモリ305の空き容量不足を回避するために給送間隔を広げる必要があるとCPU301は判断する。この場合、S108で、ジョブ設定に基づいて算出されるシート1枚当たりの画像転送時間を新たな給送間隔とする。なお、シート1枚当たりの画像転送時間は、例えばジョブの開始時にジョブ設定に基づいて算出した値をRAM303に格納しておき、S108の実行時にCPU301がRAM303を参照することで値を取得する構成とすることができる。また、ジョブ設定毎に予め算出した画像転送時間の値をデータテーブルとしてROM302等に格納しておき、S108の実行時にCPU301がデータテーブルを参照することで値を取得するようにしてもよい。
S109(No)では給送間隔が経過するまで待機し、S109(Yes)で給送間隔の経過を確認すると、S101に戻って原稿トレイ201から次原稿の給送を開始する。以下、S104(No)で原稿トレイ201に原稿がなくなったと判断するまで、S101〜S109の処理を繰り返す。
図11(b)に示す読取制御は、分離ローラ対206から1枚の原稿がADF200内部の搬送路に送り込まれる度に実行される。従って、例えば前の原稿に対する以下の読取制御と、次の原稿に対する給送制御の処理とは、通常、並列的に実行される。S111(Yes)で表面読取位置に原稿先端が到達すると、S112で表面読取ユニット104によって原稿の表面の走査が開始され、S113で表面読取ユニット104が読取った表面の画像データの画像メモリ305への入力が開始される。S114(Yes)で両面モードが設定されていた場合は、S115に進む。S115(Yes)で裏面読取位置に原稿先端が到達すると、S116で裏面読取ユニット212によって原稿の裏面の走査が開始され、S117で裏面読取ユニット212が読取った裏面の画像データの画像メモリ305への入力が開始される。表面及び裏面の画像データの入力は並行して進められ、S118(Yes)で両方の画像データの入力が完了すると、現在の原稿についての読取制御は終了する。なお、S114(No)で両面モードが設定されていない場合(片面モードの場合)は、S115〜S117の処理は行わない。
なお、画像転送部304による画像データの転送は、以上の給送制御及び読取制御に並行して実施される。即ち、流し読みジョブの実行が開始された後、CPU301がコントローラ310から画像取得要求を受け取ると、CPU301からの指示に基づいて画像転送部304が画像メモリ305を参照し、要求されたページの画像データを画像転送部314に転送する。CPU301は、画像データの転送終了を画像転送部304から通知されると、次の画像取得要求を待機する状態となる。
なお、図11の例では、ジョブの開始前に画像データの転送速度を低速に変更することがコントローラから通知された場合を示しているが、自動原稿読取装置300がジョブの実行を開始した後に転送速度の変更が通知されることも考えられる。このような場合、転送速度が通常である期間、及び転送速度が通常から低速に変更されてから所定枚数までは最短の給送間隔で原稿を給送し、それ以降の原稿について給送間隔を広げることにしてもよい。
(本実施例のまとめ)
このように本実施形態では、ジョブの実行を開始してから所定枚数までのシートは、転送手段がシート1枚分の画像データを転送するために必要な画像転送時間より短い第1の間隔で給送手段に給送させる。また、ジョブの実行を開始してから所定枚数より後のシートは、画像転送時間以上の長さの第2の間隔で給送手段に給送させる。これにより、ジョブ開始から一定の期間は短い給送間隔でシートが給送されるため、例えば原稿が少ないときのジョブの実行時間を短くすることができる。また、原稿が多いときはジョブの途中で給送間隔を広げることで、画像メモリの空き容量の不足によって搬送処理が一時停止することを未然に防ぎ、騒音の発生や部材の消耗を抑制することができる。つまり、本実施形態の構成により、可能な限りスループットを維持しつつ、搬送動作の一時停止を回避することが可能となる。
第1の間隔は、シート1枚当たりの画像転送時間より短い時間長さであって、好ましくはADF200の最短の給送間隔とする。また、第2の間隔は、少なくとも第1の間隔より長い時間長さであって、好ましくはシート1枚当たりの画像転送時間以上の長さとする。なお、第2の間隔がシート1枚当たりの画像転送時間より僅かに小さかったとしても、例えば原稿トレイ201に積載可能な最大枚数の原稿に対して流し読みジョブを実行する間に搬送処理の一時停止が発生しないことも考えられる。そこで、第2の間隔について「画像転送時間以上の長さ」には、上記の意味で画像転送時間より僅かに小さい(画像転送時間と実質的に等しい)値が含まれるものとする。
なお、図4〜図10では、原稿サイズがA4であって、カラーモード及び両面モードが設定され、解像度が600dpiに設定された場合を例に説明した。本実施形態の自動原稿読取装置300は、これ以外のモードで流し読みジョブを実行する場合にも、ジョブの開始時は原稿の給送間隔として第1の間隔を適用し、ジョブの途中で給送間隔を第2の間隔に広げる処理を行うことができる。例えば、A3サイズの原稿から画像データを読取る場合や、モノクロモード(各画素に1つの階調データ(グレースケール)が割り当てられたモノクロの画像データを取得するモード)においても、給送間隔をジョブの途中で広げることが可能である。
また、給送間隔を第1の間隔から第2の間隔に広げるのに適切なタイミング(所定枚数の値)は、画像メモリ305の容量と、シート1枚当たりの画像転送時間と第1の間隔との差の大きさによって変動する。例えば画像メモリ305の容量が本実施形態よりも大きければ、最短の給送間隔でジョブを続行した場合に空き容量が不足するタイミングは図7の例より遅くなるため、所定枚数を4枚よりも大きな値に設定することができる。また、ジョブの設定によってシート1枚当たりの画像データのサイズ及びページ数が変化すると、シート1枚当たりの画像転送時間も変化する。従って、この場合も、最短の給送間隔でジョブを続行した場合に空き容量が不足するタイミングに応じて所定枚数の値を変更することが好ましい。
また、解像度の設定が300dpi(第2の解像度の例)である場合は、原稿サイズ等の他の条件が等しければ、600dpi(第1の解像度の例)の場合に比べて画像データのデータサイズが約半分に小さくなる。よって、ページ転送時間は約半分に短くなり、ジョブの実行中に給送間隔を広げる必要はないことになる。ただし、低速時の転送速度が本実施形態の例よりもさらに遅い場合や、通常の給送間隔が本実施形態よりも短い場合に、ジョブの実行中に給送間隔を広げるようにしてもよい。
実施例2に係る自動原稿読取装置について説明する。本実施例は、動作音を抑制可能な静音動作モードの機能を備えており、静音性を向上させる動作モードである静音動作モード設定が有効化された場合に、ジョブの途中で給送間隔を切り替える点で実施例1と異なっている。その他の実施例1と同様の構成及び作用を有する要素には実施例1と共通の符号を付して説明を省略する。
図12(a)は、本実施例の流し読みジョブにおける給送処理の流れを表すフローチャートである。図12(b)は、本実施例の流し読みジョブにおける読取処理の流れを表すフローチャートである。各フローチャートの処理は、自動原稿読取装置300のCPU301(図3)がROM302に格納されているプログラムを実行することにより実施される。
図12(a、b)のフローチャートの各工程S200〜S218は、S205を除いて基本的に図11(a、b)におけるS100〜S118と同様である。S205では、実施例1で画像データの転送速度の設定を確認する工程に代えて、静音動作モード設定がON(有効)かOFF(無効)かを確認する。なお、ジョブの投入前に、ユーザによって操作部316(図3)を介して静音動作モード設定をONにするかOFFにするかが予め入力されているものとする。
S205(Yes)で静音動作モードがONであった場合、S206で、既に給送された原稿の枚数が所定枚数未満か否か(今回の原稿がジョブ開始から所定枚数までの原稿に該当するか)を判定する。S206(Yes)の場合はS207で給送間隔を最短の間隔とし、S206(No)の場合はS208で給送間隔をシート1枚当たりの画像転送時間に設定する。一方、S205(No)で静音動作モードがOFFであった場合、S207で今回の原稿の給送間隔を最短(2000msec)に設定する。つまり、本実施形態では、静音動作モードが有効化されているか否かに応じて、ジョブの実行中に給送間隔を変更する第1状態(S105のYes)と、ジョブの実行中は給送間隔が一定となる第2状態(S105のNo)とが切り替わる。以降の動作は実施例1と同様である。
このように、本実施例においても、ジョブの実行を開始してから所定枚数までのシートは、転送手段がシート1枚分の画像データを転送するために必要な画像転送時間より短い第1の間隔で給送手段に給送させる。また、ジョブの実行を開始してから所定枚数より後のシートは、画像転送時間以上の長さの第2の間隔で給送手段に給送させる。これにより、可能な限りスループットを維持しつつ、搬送動作の一時停止を回避することが可能となる。
(変形例)
上記の各実施形態では、画像読取装置が画像データを転送する情報処理装置として画像形成装置のコントローラ310を例示したが、他の情報処理装置に画像データを転送する場合にも本技術は適用可能である。例えば、画像読取装置をLANを介してパーソナルコンピュータ(PC)に接続し、読取った画像データをPCに転送する構成において、PCからの指示に基づいて転送速度を変更するようにしてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10…画像形成装置/104,212…読取手段(表面読取ユニット、裏面読取ユニット)/201…積載部(原稿トレイ)/204…給送手段(ピックアップローラ)/208、209、218、219…搬送手段(引抜ローラ対、リード上流ローラ対、リード下流ローラ対、排出ローラ対)/223…クラッチ(分離クラッチ)/224…駆動源(搬送モータ)/300…画像読取装置(自動原稿読取装置)/301…実行手段(CPU)/304…転送手段(画像転送部)/305…記憶手段(画像メモリ)/310…情報処理装置、制御手段(コントローラ)/PY〜PK、14、70…画像形成手段(電子写真機構)

Claims (12)

  1. 複数枚のシートを積載可能な積載部と、
    前記積載部に積載されたシートを1枚ずつ給送する給送手段と、
    前記給送手段によって前記積載部から給送されたシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送されているシートから画像データを読取る読取手段と、
    前記読取手段によって読取られた画像データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された画像データを情報処理装置に転送する転送手段と、
    前記給送手段によって1枚ずつシートを給送させながら、前記読取手段によって読取られ前記記憶手段に記憶される画像データを、前記転送手段によって前記情報処理装置に転送させるジョブを実行する実行手段と、を備え、
    前記実行手段は、ジョブの実行を開始してから所定枚数までのシートは、前記転送手段がシート1枚分の画像データを転送するために必要な画像転送時間より短い第1の間隔で前記給送手段に給送させ、前記所定枚数より後のシートは、前記画像転送時間以上の長さの第2の間隔で前記給送手段に給送させる、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. ジョブの設定に応じて前記読取手段がシート1枚当たりに読取る画像データのデータサイズが異なる場合において、
    前記実行手段は、ジョブの設定に基づいて前記画像転送時間を算出し、前記第2の間隔を前記画像転送時間に応じた値に設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記実行手段は、前記画像転送時間と、前記読取手段がシート1枚当たりに読取る画像データのページ数と、前記記憶手段に格納可能な画像データのページ数とに基づいて、前記所定枚数を決定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記給送手段及び前記搬送手段を駆動する駆動源と、
    前記駆動源から前記給送手段への駆動伝達を連結及び切断するクラッチと、を備え、
    前記実行手段は、前記給送手段にシートの給送を開始させた後、シートの搬送方向において前記給送手段より下流かつ前記搬送手段より上流の所定位置に今回のシートが到達した時点で、前記記憶手段に今回のシートから読取られる画像データを格納可能な空き領域がない場合に、前記駆動源から前記給送手段への駆動伝達を切断してシートの搬送を停止するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  5. 前記所定枚数は、前記給送手段によるシートの給送間隔を前記第1の間隔に固定してジョブを実行させた場合に、前記所定位置に前記所定枚数までのシートが到達した時点では前記記憶手段に当該シートから読取られる画像データを格納可能な空き領域があり、かつ、前記所定位置に前記所定枚数の次のシートが到達した時点では前記記憶手段に当該シートから読取られる画像データを格納可能な空き領域がなくなる枚数である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記実行手段は、ジョブの実行を開始してから前記所定枚数までのシートは前記第1の間隔で前記給送手段に給送させ、前記所定枚数より後のシートは前記第2の間隔で前記給送手段に給送させる第1状態と、ジョブの実行中は一定の間隔で前記給送手段にシートを給送させる第2状態とを切り替え可能である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記転送手段は、画像データを転送する転送速度を第1の速度と前記第1の速度より遅い第2の速度とに切り替え可能であり、
    前記実行手段は、前記転送手段の転送速度が前記第2の速度に設定されている場合に前記第1状態となる、
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 前記画像読取装置の静音性を高める動作モードを有効化するか否かを設定する操作を受け付ける操作部を備え、
    前記実行手段は、前記操作部を介して前記動作モードが有効化された場合に前記第1状態となる、
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
  9. 前記実行手段は、シートのいずれか一方の面から画像データを読取る片面モード、又は、シートの両面から2ページ分の画像データを読取る両面モードでジョブを実行可能であり、前記両面モードでジョブを実行する場合に前記第1状態となる、
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  10. 前記実行手段は、各画素に色毎の複数の階調データが割り当てられた画像データを取得するカラーモード、又は、各画素に1つの階調データが割り当てられた画像データを取得するモノクロモードでジョブを実行可能であり、前記カラーモードでジョブを実行する場合に前記第1状態となる、
    ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  11. 前記実行手段は、前記読取手段によってシートから画像データを読取る際の解像度を、第1の解像度と、前記第1の解像度より低い第2の解像度とを含む複数の値から設定することが可能であり、前記第1の解像度でジョブを実行する際に前記第1状態となる、
    ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  12. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
    記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記情報処理装置としての制御手段であって、前記画像読取装置から画像データを受信し、当該画像データに基づいて前記画像形成手段に画像形成動作を実行させる制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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