JP2021075505A - 義歯装着用組成物及び義歯装着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内に義歯装着時の装着感(クッション感)及び密着感の付与効果に優れ、義歯装着時の違和感等の改善に有効な義歯装着用組成物及びこれを用いた義歯装着方法を提供する。【解決手段】(A)水溶性高分子物質、(B)2〜4価の多価アルコール及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上、及び(C)水を含有し、25℃での粘度が20,000〜150,000mPa・sである義歯装着用組成物、並びに上記義歯装着用組成物を義歯床に適用した後に義歯を口腔内に装着することを特徴とする義歯装着方法。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内に義歯(入れ歯)装着時の装着感(クッション感)及び密着感の付与効果に優れ、義歯装着時の違和感等の改善に有効な義歯装着用組成物及びこれを用いた義歯装着方法に関する。
近年、残存歯の増加に伴い、部分義歯装着者が増加しており、65歳以上の高齢者では、約3人に1人が部分義歯を装着している。
義歯(入れ歯)は人工歯と義歯床を有し、義歯装着時は義歯床が歯茎の粘膜に直接接するため、義歯の装着性は重要である。義歯の装着性には、口腔内の環境が大きく影響し、例えば口腔内が唾液で潤った状態であれば、義歯床とその装着部位の床下粘膜との間の密着性等も増し、装着による痛みや違和感はある程度緩和される。
ところで、部分義歯は、顎堤(義歯を装着する歯茎部分)への負荷を軽減するため、就寝中は義歯を外すことが推奨されており、多くの部分義歯装着者は、朝起きてから部分義歯を装着するのが一般的であるが、朝の装着時は唾液分泌量が十分とはいえないこともあり、義歯床のなじみが悪く痛みや違和感が感じられて不具合が生じ易く、部分義歯の場合でも義歯装着時の違和感の軽減に効果的な新たなケア製品の開発が望まれていた。
義歯の装着時に使用される製品としては義歯安定剤があり、特許文献1〜8には非水系の義歯安定剤や水溶性ペースト状の義歯安定剤が提案されているが、主に非水系の義歯安定剤は、義歯床とその装着部位との隙間を埋めて合わなくなって外れ易くなった義歯を密着させたり、食事中に義歯と顎堤の隙間に物が入るのを防ぐために総義歯に使用されることが多く、義歯装着時に感じる違和感を軽減する効果は十分とはいえず、また、義歯の取り外しに強い力を要し、更に、義歯床からの製剤の除去が容易ではないものもあった。
特公昭60−21123号公報 特開平10−179615号公報 特開2002−58685号公報 特開平7−112909号公報 特許第5231778号公報 特許第4969081号公報 国際公開第1997/31614号 特開平5−65210号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内に義歯装着時の装着感(クッション感)及び密着感の付与効果に優れ、義歯の装着感改善に有効な義歯装着用組成物及びこれを用いた義歯装着方法に関する。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、水溶性高分子物質と、多価アルコール及び糖アルコールから選ばれる1種以上と水を配合し、粘度が特定範囲である水系の義歯装着用組成物を、例えば口腔内に装着する前の義歯(人工歯と義歯床を有する入れ歯)、特に部分義歯の義歯床表面に塗布等によって適用し、この義歯を装着部位の顎堤(義歯を装着する歯茎部分)に装着すると、義歯を装着時の装着感(クッション感)が高まり、かつ義歯の密着感が高まると共に前記密着感が経時においても持続し、また、義歯装着直後から装着中においてもベタつき及びヌルつきが感じられず使用感が良く、装着部位から取り外した後に残っていても義歯から除去することも容易で使用性も良いことを見出した。即ち、本発明によれば、(A)水溶性高分子物質と、(B)2〜4価の多価アルコール及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上と、(C)水を含有し、25℃での粘度が20,000〜150,000mPa・sである義歯装着用組成物が、口腔内に義歯、特に部分義歯を装着時の装着感(クッション感)及び密着感の付与効果に優れ、また、使用感(ベタつき及びヌルつきのなさ)及び義歯からの除去性(除去し易さ)も良好であることを知見し、本発明をなすに至った。
なお、本明細書では、「装着時」を主に装着操作時から装着直後の比較的短い間、「装着中」は装着している間の意味合いで用いている。
本発明では、(A)及び(B)成分を併用し、(C)成分を含む水溶性組成物に配合することで、組成物の粘度が特定範囲内において、特異的に上記作用効果を奏する。これにより、(A)及び(B)成分と(C)成分が配合された水溶性組成物であっても組成物の粘度が低すぎる場合、又は粘度が高すぎる場合には得られない格別な作用効果を付与できる。本発明の義歯装着用組成物によれば、義歯を装着直後から装着中もベタつき及びヌルつきのない使用感や、装着部位から外した義歯から除去容易な使用性を確保して、義歯を装着時に、適度に高く心地よいクッション感及び密着感を与え、前記密着感を義歯装着中も長時間持続させることができる。よって、この義歯装着用組成物は、部分義歯装着の場合でも装着時の違和感、痛み等を軽減でき、義歯の装着感改善用として使用できる。
後述の比較例に示すように、(A)及び(B)成分が配合されていても、組成物の粘度が低すぎる比較例2は、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感の持続性が悪く、組成物の粘度が高すぎる比較例3は、義歯装着時のクッション感が劣り、使用感(ベタつき及びヌルつきのなさ)が悪く、義歯からの除去も難しいものであった。これに対して、実施例に示す本発明の(A)及び(B)成分が配合され、25℃での粘度が特定範囲である義歯装着用組成物は、義歯装着時の装着感(クッション感)及び義歯の密着感の持続性が優れ、使用感(ベタつき及びヌルつきのなさ)及び義歯からの除去性(除去し易さ)も良好であった。
従って、本発明は、下記の義歯装着用組成物及び義歯装着方法を提供する。
1.
(A)水溶性高分子物質、
(B)2〜4価の多価アルコール及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上
及び
(C)水
を含有し、25℃での粘度が20,000〜150,000mPa・sであることを特徴とする義歯装着用組成物。
2.
(A)水溶性高分子物質が、アルギン酸ナトリウム、水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びキサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上である1に記載の義歯装着用組成物。
3.
2〜4価の多価アルコールが、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれ、糖アルコールが、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、還元パラチノース、マルチトール及びマンニトールから選ばれる1又は2に記載の義歯装着用組成物。
4.
(A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が20〜75質量%である1〜3のいずれかに記載の義歯装着用組成物。
5.
(A)成分と(B)成分との量比を示す(A)/(B)が、質量比として0.013〜0.3である1〜4のいずれかに記載の義歯装着用組成物。
6.
(C)成分の含有量が10質量%以上である1〜5のいずれかに記載の義歯装着用組成物。
7.
ジェル状である1〜6のいずれかに記載の義歯装着用組成物。
8.
義歯を装着する前にその義歯床に適用される製剤である1〜7のいずれかに記載の義歯装着用組成物。
9.
部分義歯用である1〜8のいずれかに記載の義歯装着用組成物。
10.
1〜9のいずれかに記載の義歯装着用組成物を義歯床に適用した後に義歯を口腔内に装着することを特徴とする義歯装着方法。
本発明によれば、口腔内に義歯を装着時の装着感(クッション感)及び密着感の付与効果に優れ、また、使用感(ベタつき及びヌルつきのなさ)及び義歯からの除去性(除去し易さ)も良好な義歯装着用組成物及びこれを用いた義歯装着方法を提供できる。前記組成物は、義歯、特に部分義歯を装着前にその義歯床へ適用し、義歯の装着感を改善する製剤として好適であり、装着時の不快な違和感、痛み等を効果的に軽減させて心地良い装着感を改善するケアに応用できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の義歯装着用組成物は、(A)水溶性高分子物質、(B)2〜4価の多価アルコール及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上、及び(C)水を含有し、組成物の粘度が特定範囲であることを特徴とする。
(A)水溶性高分子物質について
(A)水溶性高分子物質としては、アルギン酸ナトリウム、水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、キサンタンガム等が挙げられる。中でも、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感の点から、アルギン酸ナトリウム、水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムが好ましく、特に製剤安定性や使用性の点から、アルギン酸ナトリウム、水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウムがより好ましい。
水溶性セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム等が挙げられ、中でもカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
水溶性高分子物質は、組成物の粘度を本発明にかかわる特定粘度に調整可能であれば特に制限はないが、製造性やハンドリング性の点や、前記特定粘度を有するジェル状製剤の増粘剤としても好適である点で、重量平均分子量が50,000〜5,000,000の範囲のもの、あるいは上記重量平均分子量を満たす粘度を有するものがよく、例えば、上記重量平均分子量を満たすアルギン酸ナトリウムとしては、20℃における1%水溶液の粘度(回転式粘度計、BM型粘度計、東機産業(株)製、形式:VISCOMETER TVB−10、回転数30rpm、測定時間60秒間、ローターNo.M1もしくはM2で測定。以下同様)が200〜1,000mPa・sのものを用いることができる。
このような水溶性高分子物質は、市販品を使用できる。具体的にアルギン酸ナトリウムは、キミカアルギン(タイプ:I−3)((株)キミカ製、20℃における1%水溶液の粘度300〜400mPa・s)、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、CMCダイセル(ダイセルファインケム(株)製)、ポリアクリル酸ナトリウムは、レオジック250−H(東亞合成(株)製)、カルボキシビニルポリマーは、カーボポール980(ルーブリゾール(株)製)、キサンタンガムは、モナートガムDA(DSP五経フード&ケミカル(株)製)等を用いることができる。
(A)水溶性高分子物質の配合量は、その種類や分子量に応じて調整することもできるが、特に組成物が後述の特定粘度となるように調整することが好ましく、組成物全体の0.1〜10%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.5〜7%、更に好ましくは1〜5%である。配合量が0.1%以上であると、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感が十分に得られ、特に密着感の持続性を十分に高めることができる。10%以下であると、義歯装着中のベタつきを十分に防止して良い使用感を確保できる。
(B)2〜4価の多価アルコール、糖アルコールについて
2〜4価の多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられ、糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、還元パラチノース、マルチトール、マンニトール等が挙げられるが、中でもグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールが好ましく、少なくともグリセリン及び/又はプロピレングリコールを含むことがより好ましい。
これらは、1種を単独で、又は効果発現の点から2種以上を組み合わせて使用できる。
(B)成分の配合量は、組成物全体の20〜75%が好ましく、20〜70%がより好ましく、更に好ましくは30〜60%である。配合量が20%以上であると、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感が十分に得られ、特に装着中の義歯の密着感の持続性を十分に高めることができる。75%以下であると、組成物の粘度調整に好適であるだけでなく、義歯装着中のベタつきやヌルつきが抑えられた使用感及び義歯からの除去性を十分に確保できる。
本発明では、(B)成分としてグリセリンを組成物全体に対して30%以上、特に35%以上、更に40%以上配合しても、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感の持続性に優れ、かつベタつき等が抑えられ、良い使用感及び義歯からの除去性を与えることもできる。
本発明では、(A)成分と(B)成分との量比を示す(A)/(B)が、質量比として0.013〜0.3が好ましく、0.016〜0.22がより好ましい。この範囲内であると、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感の持続性がより高まり、また、ベタつき及びヌルつきのない使用感及び義歯からの除去性を確保することもできる。
(C)水について
(C)水の配合量は、組成物全体の10%以上が好ましく、より好ましくは30%以上である。上限量は特に制限されないが、好ましくは75%以下、特に60%以下、更に50%以下である。水の配合量が10%以上であると、(A)成分を十分に膨潤させることができ、義歯装着中のベタつきやヌルつきを防止して良い使用感を十分に確保できる。水を多く配合し過ぎると、義歯の密着感の持続性が十分に得られなくなる場合があり、75%以下であると、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感の持続性が十分に優れる。
本発明の義歯装着用組成物の粘度は、25℃での粘度が20,000〜150,000mPa・sであり、好ましくは30,000〜130,000mPa・s、特に好ましくは50,000〜130,000mPa・sである。粘度が20,000mPa・s未満であると、義歯装着時のクッション感及び義歯の密着感の持続性が不足して劣る。150,000mPa・sを超えると、義歯装着中のベタつきやヌルつきが強くなりすぎて使用感が悪くなり、義歯からの除去が難しくもなる。
上記組成物の粘度は、回転式粘度計(BM型粘度計、東機産業(株)製、形式:VISCOMETER TVB−10、回転数20rpm、測定時間3分間、ローターNo.H5、H6、H7から適切な種類を使用。)を用いて測定した値である(以下同様)。
なお、本発明では、組成物の粘度を上記範囲に設定し得る範囲内で(A)成分、(B)成分を使用することができる。
本発明の義歯装着用組成物は、特にジェル状に調製することが好ましく、また、形状や剤型に応じて、通常の方法で調製し、ラミネートチューブ等のチューブ容器やポンプ容器、スクイズ容器等の一般的な容器に充填して収容することができる。
本発明の義歯装着用組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、形状や剤型等に応じたその他の公知成分を任意成分として、本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。任意成分としては、例えばノニオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤、香料、着色剤、防腐剤、薬効成分、pH調整剤、溶剤等を配合し得る。
なお、本発明では、(A)成分が増粘剤としても作用することから、(A)成分以外の増粘剤は配合しなくてもよい。任意の増粘剤を添加する場合は、本発明の効果に影響しない範囲で配合することができるが、その添加量は、(A)成分に対する量比(質量比)が0.5以下、特に0.2以下とすることが好ましく、(A)成分以外に増粘剤は添加しない(添加量0%)ほうが望ましい。
ノニオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール型、とりわけポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよい。特に、アルキル基の炭素数が12〜20で、エチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.付加モル数と略記)が10〜20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、E.O.付加モル数が5〜60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アシルアミノ酸塩、アシルタウリン塩等を使用することができる。
ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤の合計配合量は、組成物全体の0.1〜10%、特に0.2〜6%が好ましい。
香料は、スペアミント油、ペパーミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、シナモンバーク油等の天然香料、及び、メントール、メントン、カルボン、エチルブチレート、バニリン、エチルマルトール、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、シネオール、オイゲノール、エチルバニリン、マルトール、リモネン、シトロネロール、リナロール、リナリールアセテート、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、ジンジャーオレオレジン、クレオソール、dl−カンファー等の単品香料、更に、エチルアセテート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール等の単品香料や、天然香料も含む各種調合香料が挙げられ、義歯用製剤に用いられる公知の香料を通常量で使用できる。
着色剤は、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号等の法定色素、カラメル色素、ベニバナ色素、クチナシ色素、コチニール色素、アナトー色素、雲母チタン、酸化チタンが挙げられる。
防腐剤は、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩が挙げられる。
薬効成分は、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤が挙げられる。配合量は本発明の効果を妨げない範囲で有効量である。
pH調整剤は、クエン酸やその塩、アルカリ金属の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩等が挙げられる。
なお、義歯装着用組成物の好ましいpH(25℃)は、pH6〜8.5が好ましく、より好ましくはpH6.5〜8である。
溶剤は、水以外にもエタノール等の炭素数1〜3の低級1価アルコールを5〜30%添加してもよい。
本発明の義歯装着用組成物は、義歯を装着前、特に装着直前に義歯床に適用することが好ましい。義歯への適用方法は、義歯床表面に直接展延する手段を採用できる。詳しくは、収容容器から適量の義歯装着用組成物を出して義歯床上に置いて付着させ、この義歯を装着することによって、上記組成物が義歯と装着箇所に挟まれて義歯床表面に均一に広がり、スムーズに義歯装着することができる。義歯装着用組成物を義歯床に付けた義歯は、速やかに口腔内の装着部位に装着することが好ましい。
義歯装着用組成物を適用した義歯を装着中に、一度義歯を外した後、義歯装着用組成物を前記義歯の義歯床に再適用してから再度装着することも可能であり、このような再装着は、装着性向上により有効である。
なお、本発明の義歯装着用組成物を用いて装着した義歯は、装着部位から容易に取り外すことができる。
また、本発明の義歯装着用組成物は、適用した義歯を取り外して洗浄する際に、例えば流水下、手で軽く擦るだけで義歯床から速やかに取り除かれ、残ることなくきれいに洗い落とすことができ、容易に除去可能である。
義歯は、部分義歯、総義歯のどちらでもよいが、本発明の義歯装着用組成物は、特に部分義歯の装着性改善に好適であり、部分義歯への使用が好ましい。
なお、義歯装着用組成物の義歯(義歯床)への使用量は、義歯1本あたり0.05〜0.3g程度が良い。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量百分率を示す。
[実施例、比較例]
表1〜4に示す組成の義歯装着用組成物(ジェル状製剤)を常法によって調製し、これらをサンプルとしてチューブ(ラミネートチューブ)容器に収容し、下記の実験1〜3に示す方法で評価した。表中の各成分の配合量を示す数値は、全て純分量(質量%)を意味する。結果を表1〜4に併記した。なお、組成物の25℃でのpHは7である。
また、表中に示した義歯装着用組成物の25℃での粘度は、回転式粘度計(BM型粘度計、東機産業(株)製、形式:VISCOMETER TVB−10、回転数20rpm、測定時間3分間、ローターNo.H5、H6、H7から適切な種類を使用。)により測定した。
後述のアルギン酸ナトリウムの粘度(20℃における1%水溶液の粘度)は、上記と同様にBM型粘度計を用いて同様の条件(回転数30rpm、測定時間60秒間、ローターNo.M1もしくはM2)で測定した。
被験者の部分義歯装着者10名の義歯内訳は、上顎2本:2名、上顎3本:3名、下顎2本:4名、下顎3本:1名である。
使用した主原料の詳細を下記に示す。
(A)成分
アルギン酸ナトリウム
20℃における1%水溶液の粘度300〜400mPa・s、
キミカアルギン(タイプ:I−3)((株)キミカ製)
ポリアクリル酸ナトリウム
レオジック250−H(東亞合成(株)製)
カルボキシメチルセルロースナトリウム
CMCダイセル(ダイセルファインケム(株)製)
カルボキシビニルポリマー
カーボポール980(ルーブリゾール(株)製)
キサンタンガム
モナートガムDA(DSP五経フード&ケミカル(株)製)
(B)成分
グリセリン
化粧品用濃グリセリン(阪本薬品工業(株)製)
プロピレングリコール
プロピレングリコール(旭硝子(株)製)
<実験1:義歯装着時の装着感(クッション感)>
部分義歯装着直後に違和感を感じている部分義歯装着者10名に対して、試験を実施した。サンプルをチューブ容器から部分義歯の義歯床上に押し出し(2歯分の義歯:サンプル量0.1〜0.2g、3歯分の義歯:サンプル量0.2〜0.3g)、口腔内の所定位置に装着した。装着直後に感じた装着感としてクッション感の良さ(義歯装着時にサンプルの軟弾性が感じられ、義歯装着による歯茎への負担が改善されている感覚)について、サンプルを使用せずに装着した場合と比較し、下記の評点基準にて評価した。10名の平均点を算出し、下記の評価基準にて判定した。
評点基準
4点:適度なクッション感が感じられ、違和感がかなり軽減された
3点:適度なクッション感が感じられ、違和感が軽減された
2点:クッション感があまり感じられず、違和感もあまり軽減しなかった
1点:クッション感が感じられず、違和感も軽減しなかった
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
<実験2:義歯の密着感の持続性>
部分義歯装着時に違和感を感じている部分義歯装着者10名に対して、試験を実施した。サンプルをチューブ容器から部分義歯の義歯床上に押し出し(2歯分の義歯:サンプル量0.1〜0.2g、3歯分の義歯:サンプル量0.2〜0.3g)、口腔内の所定位置に装着し、装着直後から1時間経過後までに感じる義歯の密着感(義歯の義歯床が装着部位の粘膜に適度に密着して心地よく装着されている感覚)について、サンプルを使用せずに装着した場合と比較し、義歯の密着感の持続性について、下記の評点基準にて評価した。10名の平均点を算出し、下記の評価基準にて義歯の密着感の持続性を判定した。なお、実施例では、装着直後の義歯床の密着感は良好であった。
評点基準
3点:義歯が密着している感じが装着直後から1時間経過後まで持続した
2点:義歯が密着している感じが時間経過と共に弱くなったが、1時間経過後まで持
続した
1点:義歯が密着している感じが装着直後には感じられたが、1時間経過後まで持続
しなかった
評価基準
◎:2.5点以上3.0点以下
○:2.0点以上2.5点未満
×:2.0点未満
<実験3:使用感(ベタつき及びヌルつきのなさ)>
部分義歯装着者10名に対して試験を実施した。サンプルをチューブ容器から部分義歯の義歯床上に押し出し(2歯分の義歯:サンプル量0.1〜0.2g、3歯分の義歯:サンプル量0.2〜0.3g)、口腔内の所定位置に装着し、装着中(装着直後から1時間経過後まで)に感じる使用感(ベタつき及びヌルつきのなさ)について、下記の評点基準にて評価した。10名の平均点を算出し、下記の評価基準にて使用感を判定した。
評点基準
3点:装着直後から装着中もベタつき及びヌルつきが感じられず、良い使用感であっ

2点:装着直後にはわずかにベタつき及びヌルつきが感じられたが、装着中には感じ
られず、良い使用感であった
1点:装着直後から強いベタつき及びヌルつきが感じられ、使用感が良くなかった
評価基準
◎:2.5点以上3.0点以下
○:2.0点以上2.5点未満
×:2.0点未満
<実験例4:義歯からの除去性(除去し易さ)>
部分義歯装着者10名に対して試験を実施した。サンプルをチューブ容器から部分義歯の義歯床上に押し出し(2歯分の義歯:サンプル量0.1〜0.2g、3歯分の義歯:サンプル量0.2〜0.3g)、口腔内の所定位置に装着した。義歯装着時から1時間経過後に、義歯を外して口腔内から取り出し、義歯床をティッシュペーパーで軽く拭いてサンプルの除去を行い、義歯からの除去し易さについて、下記の評点基準にて評価した。10名の平均点を算出し、下記の評価基準にて製剤の除去のし易さを判定した。なお、実施例では、装着部位からの義歯の取り外しが、強い力を要さず容易に行えた。
評点基準
4点:ティッシュペーパーで軽く拭くとサンプルがなくなり、非常に除去し易かった
3点:ティッシュペーパーで強く拭くとサンプルがなくなり、除去し易かった
2点:ティッシュペーパーで強く拭いてもわずかにサンプルが残ってしまい、除去し
難かった
1点:ティッシュペーパーで強く拭いてもかなりサンプルが残ってしまい、非常に除
去し難かった
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
Figure 2021075505
Figure 2021075505
Figure 2021075505
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Claims (10)

  1. (A)水溶性高分子物質、
    (B)2〜4価の多価アルコール及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上
    及び
    (C)水
    を含有し、25℃での粘度が20,000〜150,000mPa・sであることを特徴とする義歯装着用組成物。
  2. (A)水溶性高分子物質が、アルギン酸ナトリウム、水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びキサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の義歯装着用組成物。
  3. 2〜4価の多価アルコールが、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれ、糖アルコールが、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、還元パラチノース、マルチトール及びマンニトールから選ばれる請求項1又は2記載の義歯装着用組成物。
  4. (A)成分の含有量が0.1〜10質量%、(B)成分の含有量が20〜75質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の義歯装着用組成物。
  5. (A)成分と(B)成分との量比を示す(A)/(B)が、質量比として0.013〜0.3である請求項1〜4のいずれか1項記載の義歯装着用組成物。
  6. (C)成分の含有量が10質量%以上である請求項1〜5のいずれか1項記載の義歯装着用組成物。
  7. ジェル状である請求項1〜6のいずれか1項記載の義歯装着用組成物。
  8. 義歯を装着する前にその義歯床に適用される製剤である請求項1〜7のいずれか1項記載の義歯装着用組成物。
  9. 部分義歯用である請求項1〜8のいずれか1項記載の義歯装着用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の義歯装着用組成物を義歯床に適用した後に義歯を口腔内に装着することを特徴とする義歯装着方法。
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