JP2024025295A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯面におけるセチルピリジニウム塩化物水和物(A)の滞留性を向上させる。【解決手段】口腔用組成物は、セチルピリジニウム塩化物水和物(A)、アニオン性ポリマー(B)、及びヒドロキシエチルセルロース(C)を含有する。アニオン性ポリマー(B)を0.1質量%以上4質量%以下、ヒドロキシエチルセルロース(C)を0.1質量%以上5質量%以下の割合で含有する。ヒドロキシエチルセルロース(C)に対するアニオン性ポリマー(B)の質量比(B/C)が、0.25以上2以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
従来、歯周炎や口内炎の予防や治療を目的とした口腔用組成物が知られている。
特許文献1は、カチオン性殺菌剤である塩化セチルピリジニウムを0.05~0.3質量%と、β-シクロデキストリン及びベタイン骨格を含有する界面活性剤とを含有する口腔用組成物を開示している。
特開2021-147343号公報
塩化セチルピリジニウムともいうセチルピリジニウム塩化物水和物は、歯面に滞留した状態で抗菌活性を発現することが知られている。しかし、セチルピリジニウム塩化物水和物は、カチオン性殺菌剤であるため、口腔内のイオン性成分との間に静電的相互作用が生じやすい。口腔内のイオン性成分との間に静電気的相互作用が生じると、歯面における滞留性が低下する虞があった。
そのため、特許文献1等の口腔用組成物には、セチルピリジニウム塩化物水和物の抗菌活性をより長時間発現させるために、歯面におけるセチルピリジニウム塩化物水和物の滞留性の向上が求められている。
上記課題を解決するための口腔用組成物は、セチルピリジニウム塩化物水和物(A)、アニオン性ポリマー(B)、及びヒドロキシエチルセルロース(C)を含有する口腔用組成物であって、前記アニオン性ポリマー(B)を0.1質量%以上4質量%以下、前記ヒドロキシエチルセルロース(C)を0.1質量%以上5質量%以下の割合で含有し、前記ヒドロキシエチルセルロース(C)に対する前記アニオン性ポリマー(B)の質量比(B/C)が、0.25以上2以下であることを要旨とする。
上記口腔用組成物において、前記アニオン性ポリマー(B)が、ポリアクリル酸ナトリウム、及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
上記口腔用組成物において、前記セチルピリジニウム塩化物水和物(A)を0.01質量%以上0.5質量%以下の割合で含有することが好ましい。
本発明の口腔用組成物によると、歯面におけるセチルピリジニウム塩化物水和物(A)の滞留性を向上させることができる。
本発明に係る口腔用組成物を具体化した実施形態について説明する。
口腔用組成物は、セチルピリジニウム塩化物水和物(以下、CPCともいう。)(A)、アニオン性ポリマー(B)、及びヒドロキシエチルセルロース(以下、HECともいう。)(C)を含有する。
口腔用組成物は、アニオン性ポリマー(B)を0.1質量%以上4質量%以下、HEC(C)を0.1質量%以上5質量%以下の割合で含有する。HEC(C)に対するアニオン性ポリマー(B)の質量比(B/C)が、0.25以上2以下である。
口腔用組成物が、アニオン性ポリマー(B)、及びHEC(C)を上記の割合で含有し、さらに、両者の質量比が上記数値範囲であることにより、歯面におけるCPC(A)の滞留性を向上させることができる。
以下、口腔用組成物を構成する各成分について説明する。
<CPC(A)>
CPC(A)は、一般にカチオン性殺菌剤として用いられる。CPC(A)としては、特に制限されず、公知のCPC(A)を用いることができる。
CPC(A)の含有量は、特に制限されない。CPC(A)の含有量の下限は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.05質量%である。CPC(A)の含有量の上限は、好ましくは0.5質量%、より好ましくは0.3質量%である。また、当該範囲の上限値又は下限値は、例えば0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、又は0.45質量%であってもよい。
CPC(A)の含有量が上記数値範囲であることにより、口腔用組成物中のCPC(A)の分散性を良好にしつつ、CPC(A)による殺菌作用を好適に発現させることができる。
<アニオン性ポリマー(B)>
アニオン性ポリマー(B)は、溶液中において負電荷を帯びる高分子電解質である。アニオン性ポリマー(B)は、一般に増粘剤として用いられる。アニオン性ポリマー(B)としては、特に制限されず、公知のアニオン性ポリマー(B)を用いることができる。
アニオン性ポリマー(B)の具体例としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリ硫酸塩、ポリスルホン酸塩、アルギン酸塩、キサンタンガム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCともいう。)等が挙げられる。上記ポリアクリル酸塩の具体例としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム(以下、ポリアクリル酸Naともいう。)、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等が挙げられる。また、上記カルボキシビニルポリマーは、ペンタエリスチルアリルエーテル、スクロースアリルエーテル、又はプロピレンアリルエーテルで架橋したアクリル酸の重合体である。
これらの中でも、アニオン性ポリマー(B)は、ポリアクリル酸ナトリウム、及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。ポリアクリル酸ナトリウム、及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種であると、歯面におけるCPC(A)の滞留性を好適に向上させることができる。
上記アニオン性ポリマー(B)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、アニオン性ポリマーは、アニオン性高分子ともいうものとする。
アニオン性ポリマー(B)の含有量は、0.1質量%以上4質量%以下である。アニオン性ポリマー(B)の含有量の下限は、好ましくは0.3質量%である。アニオン性ポリマー(B)の含有量の上限は、好ましくは2質量%であり、より好ましくは1質量%である。また、当該範囲の上限値又は下限値は、例えば0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、又は3.5質量%であってもよい。
<HEC(C)>
HEC(C)は、セルロースにエチレンオキシドを付加したノニオン性の水溶性高分子であり、一般に増粘剤として用いられる。HEC(C)としては、特に制限されず、公知のHEC(C)を用いることができる。
HEC(C)の含有量は、0.1質量%以上5質量%以下である。HEC(C)の含有量の下限は、好ましくは0.5質量%である。HEC(C)の含有量の上限は、好ましくは3質量%であり、より好ましくは2質量%であり、さらに好ましくは1.5質量%である。また、当該範囲の上限値又は下限値は、例えば0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、又は4.5質量%であってもよい。
HEC(C)に対するアニオン性ポリマー(B)の質量比(B/C)の下限は、好ましくは0.3であり、より好ましくは0.4である。質量比(B/C)の上限は、好ましくは1.0であり、より好ましくは0.5である。また、当該範囲の上限値又は下限値は、例えば0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、又は1.9質量%であってもよい。
<その他成分>
口腔用組成物は、適用目的、形態、用途等に応じて、前述した成分以外のその他成分、例えば、薬効成分、界面活性剤、研磨剤、湿潤剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、甘味剤、pH調整剤、酸化防止剤、香料、着色剤等を配合してもよい。これら各成分は、口腔用組成物に配合される公知のものを使用することができる。これらの成分は、それぞれ一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
薬効成分の具体例としては、例えば殺菌剤として、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のカチオン性殺菌剤、ドデシルジアミノエチルグリシン等の両性殺菌剤、トリクロサン(2’,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル)等のハロゲン化ジフェニルエーテルや、イソプロピルメチルフェノール等のフェノール系殺菌剤、ヒノキチオールが挙げられる。
血行促進剤として、酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素が挙げられる。
抗炎症剤として、イプシロンアミノカプロン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
出血改善剤として、トラネキサム酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
組織修復剤として、アラントイン等が挙げられる。
再石灰化剤として、フッ化ナトリウム等のフッ素化合物が挙げられる。
その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硝酸カリウム等が挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、例えば非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
(非イオン性界面活性剤)
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、ステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート20ともいう。)、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート60ともいう。)、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80ともいう。)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ラウリルグリコシド、デシルグリコシド等のアルキルグリコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(酸化エチレンの平均付加モル数が10、20、40、60のもの)、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
(カチオン性界面活性剤)
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えばココイルアルギニンエチルPCA、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモウニム等の第4級アルキルアンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン等が挙げられる。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤の具体例としては、例えばN-ラウリルジアミノエチルグリシン、N-ミリスチルジエチルグリシン等のアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N-アルキル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、及び2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のベタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。
研磨剤の具体例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、酸化チタン、非晶質シリカ、結晶質シリカ、研磨性シリカ、増粘性シリカ、アルミノシリケート、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、レジン、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。上記シリカは、無水ケイ酸とも呼ばれる。
湿潤剤の具体例としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、水、アルコール等が挙げられる。
増粘剤の具体例としては、例えば結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。増粘剤は、粘結剤ともいう。
安定化剤の具体例としては、例えばエデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
防腐剤の具体例としては、例えば1,2-ジブロモ-2、4-ジシアノブタン、感光素、イソチアゾロン誘導体、ヒダントイン誘導体、パラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノール等が挙げられる。
甘味剤の具体例としては、例えばサッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール等が挙げられる。
pH調整剤の具体例としては、例えばクエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、又はこれらの化学的に可能な塩、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、例えばトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
香料は、天然香料や合成香料であってもよい。また、単品香料や調合香料であってもよい。
香料の具体例としては、例えばl-メントール、d-カルボン、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n-デシルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、メチルアセテート、シトロネリルアセテート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、d-カンフル、d-ボルネオール、ウイキョウ油、ケイヒ油、シンナムアルデヒド、ハッカ油、バニリン等が挙げられる。
着色剤の具体例としては、例えば緑色1号、緑色3号、青色1号、黄色4号、黄色5号、赤色102号、赤色3号等の法定色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン等が挙げられる。
<口腔用組成物の適用形態、剤形、用途>
口腔用組成物の適用形態は、特に制限されず、例えば医薬品、指定医薬部外品、医薬部外品、化粧品として使用することができる。
口腔用組成物の剤形は、特に制限されず、固形状、半固形状、液体状等に適宜、調製することができる、固形状、又は半固形状としては、例えば、日本歯磨工業会において規定される歯磨剤の剤形に準じた粉状、練状、液状等が挙げられる。
口腔用組成物の用途は、特に制限されず、公知のものを適宜採用することができる。口腔用組成物の用途としては、例えば舌部を含めた口腔内塗布剤、歯肉抗炎症剤、歯周病治療剤、義歯装着剤、インプラントケア剤、練歯磨剤、粉歯磨剤、液体歯磨剤、潤性歯磨剤、洗口剤等が挙げられる。
<作用及び効果>
本実施形態の口腔用組成物の作用について説明する。
本発明の口腔用組成物は、CPC(A)、アニオン性ポリマー(B)、及びHEC(C)を含有する。また、アニオン性ポリマー(B)、及びHEC(C)を所定の割合で含有し、さらに、両者の質量比が所定の数値範囲である。
口腔用組成物が、アニオン性ポリマー(B)を含有すると、アニオン性ポリマー(B)の増粘剤としての作用によって、口腔用組成物の粘度を増大させることができる。口腔用組成物の粘度を増大させることによって、歯面におけるCPC(A)の滞留性を向上させることが可能になる。しかし、CPC(A)は、アニオン性ポリマー(B)との間に静電気的相互作用が生じやすいため、滞留性向上の効果が相殺される虞があった。また、仮に、口腔用組成物が、アニオン性ポリマー(B)を含有することなく、HEC(C)を含有しても、CPC(A)の滞留性を十分に向上させることはできなかった。
本発明の口腔用組成物は、アニオン性ポリマー(B)を所定量含有することに加えて、HEC(C)を所定量含有し、両者の質量比が所定の数値範囲である。これによって、CPC(A)とアニオン性ポリマー(B)との間に静電的相互作用が生じることを抑制することができる。歯面にCPC(A)を留まりやすくすることができるため、CPC(A)の滞留性を向上させることができる。なお、口腔内におけるイオン性成分としては、特に制限されないが、アニオン性ポリマー(B)以外に、例えば研磨剤として用いられる無水ケイ酸や、歯磨剤中の界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態の口腔用組成物の効果について説明する。
(1)CPC(A)、アニオン性ポリマー(B)、及びHEC(C)を含有する口腔用組成物であって、アニオン性ポリマー(B)を0.1質量%以上4質量%以下、HEC(C)を0.1質量%以上5質量%以下の割合で含有する。また、HEC(C)に対するアニオン性ポリマー(B)の質量比(B/C)が、0.25以上2以下である。
したがって、歯面におけるCPC(A)の滞留性を向上させることができる。また、CPC(A)による抗菌活性をより長時間発現させることが可能になる。
(2)アニオン性ポリマー(B)が、ポリアクリル酸ナトリウム、及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種である。したがって、歯面におけるCPC(A)の滞留性を好適に向上させることができる。
(3)CPC(A)を0.01質量%以上0.5質量%以下の割合で含有する。したがって、CPC(A)の分散性を良好にしつつ、CPC(A)による殺菌作用を好適に発現させることができる。
以下、本発明の構成、及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。
表1に示す実施例1~6、及び比較例1、2の口腔用組成物を常法に従って各成分を混合することによって製造した。なお、表1において、各成分の右側に記載した数字は、各成分の含有量(質量%)を意味し、残部の水と合計で100質量%となるように配合した。
(評価試験)
実施例1~6、及び比較例1、2の口腔用組成物について、歯面におけるCPC(A)の滞留性を評価した。評価方法、及び評価結果について以下に示す。
(CPC(A)の滞留性の評価方法)
以下の手順で、ヒドロキシアパタイト粉末担体(以下、HAP担体ともいう。)の調製、及び吸着試験を行った。
(HAP担体の調製)
ヒドロキシアパタイト粉末(Bio-Gel HTP Gel;BIO-RAD Lab.社製)50mgに紫外線滅菌したヒト唾液を2mL添加し、37℃にて約15時間浸漬して人工ペリクルをアパタイト表面に形成させた。その後、3000rpm、5分間の条件で遠心分離処理を行い、上清を除去した。
(吸着試験)
各例の口腔用組成物を水で4倍に希釈したスラリー4gに、上記HAP担体を37℃にて15分間浸漬した。3000rpm、5分間の条件で遠心分離処理を行って上清を除去し、蒸留水2mLを添加し攪拌後、3000rpm、5分間の条件で遠心分離処理を行って上清を除去した。さらに蒸留水2mLを添加し攪拌後、3000rpm、5分間の条件で遠心分離処理を行って上清を除去した。
次に、抽出溶媒(pH3の0.02Mクエン酸緩衝液1Lあたり2.88gのラウリル硫酸ナトリウムを溶解させた溶液:アセトニトリル=1:3)を用いて、HAP担体に吸着しているCPC(A)を抽出した。液体クロマトグラフィを用いた公知の定量方法でHAP担体50mgに滞留したCPC(A)量を求めた。
また、比較例1のCPC(A)滞留量を基準として、各例のCPC(A)の滞留率(%)を算出した。CPC(A)の滞留性について、以下の基準で評価した。
・CPC(A)の滞留性の評価基準
◎◎(優れる):CPC(A)の滞留率が、180%以上である場合
◎(良好):CPC(A)の滞留率が、140%以上180%未満である場合
○(可):CPC(A)の滞留率が、100%以上140%未満である場合
×(不可):CPC(A)の滞留率が、100%未満である場合
(評価結果)
表1より、比較例2は、比較例1に対してCPC(A)の滞留率が98%と低いことが確認された。これに対し、実施例1~6はいずれも、比較例1に対してCPC(A)の滞留率が106%以上であり、CPC(A)の滞留性が向上していることが確認された。これにより、CPC(A)による抗菌活性をより長時間発現させることが可能になる。

Claims (3)

  1. セチルピリジニウム塩化物水和物(A)、アニオン性ポリマー(B)、及びヒドロキシエチルセルロース(C)を含有する口腔用組成物であって、
    前記アニオン性ポリマー(B)を0.1質量%以上4質量%以下、前記ヒドロキシエチルセルロース(C)を0.1質量%以上5質量%以下の割合で含有し、
    前記ヒドロキシエチルセルロース(C)に対する前記アニオン性ポリマー(B)の質量比(B/C)が、0.25以上2以下であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 前記アニオン性ポリマー(B)が、ポリアクリル酸ナトリウム、及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 前記セチルピリジニウム塩化物水和物(A)を0.01質量%以上0.5質量%以下の割合で含有する請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
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