JP2007169201A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】(A)プロタミン又はその誘導体と(B)トラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸とを含有し、(A)成分/(B)成分の配合割合が質量比で0.05〜20であり、更に好ましくは、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩、フッ化ナトリウムを含有することを特徴とする口腔用組成物。
【効果】本発明の口腔用組成物は、口腔内の歯周病原菌による炎症を効果的かつ顕著に抑制し、人体への安全性も高く、歯周病の予防及び治療に有効なものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、歯周炎抑制効果に優れ、歯周病の予防及び治療に有効な口腔用組成物に関する。
歯周病は、歯周病原因菌の病原作用と原因菌に対する生体の防御機構とのバランスが崩れることにより生じる慢性感染性疾患で、成人における歯牙喪失の主要な原因であり、糖尿病や心疾患、妊婦における低体重児出産などの全身疾患のリスクファクターとなることが知られている。そのため、歯周病を予防することは、健康な口腔機能の維持、回復だけではなく全身疾患のリスク低減につながり、生活の質の維持、向上にきわめて重要である。
現在、歯周病の予防、治療には原因菌の除去を目的とした殺菌剤、抗生剤が用いられている。しかし、これらの薬剤は耐性菌の出現や菌交代症を生じるリスクが懸念されており、殺菌剤、抗生剤に代わる薬剤の開発が望まれている。
例えば、抗体はその代表的技術であり、病原菌、病原因子に特異的に結合し、除去、無毒化することで、他の口腔内細菌に影響を与えることなく歯周病の予防、治療を行う技術である。しかし、生体に対する為害作用を持たない抗体を作製することは難しく、実用化されるには至っていない。このような状況の中、病原菌が産生するプロテアーゼ、アルジンジパインが重要な病原因子であることが解明されてきた。そのため、抗体に代わる、病原因子特異的歯周病予防、治療技術として、アルジンジパイン阻害剤の開発が期待されている。
アルジンジパイン活性を阻害する物質としては、アンチパイン、ロイペプチン、TLCKあるいはE−64等の既知のシステインプロテアーゼ阻害剤が知られているが、毒性も高いため歯周病の予防、治療には使用されていない。また、アルジンジパインがアルギニン末端を選択的に分解する基質特性に着目した拮抗的阻害剤である、アルギニンを含むペプチド誘導体が提案されている(特許文献1、2参照)が、安全性が確認されておらず、実用化されるに至っていない。
プロタミンが、アルジンジパイン阻害効果を有することが報告されている(非特許文献1参照)。一方、プロタミンのう蝕原因菌であるストレプトコッカカスミュータンス菌に対する生育抑制効果(特許文献3参照)、口腔内細菌の付着抑制効果(特許文献4参照)が開示されているが、口腔内細菌に対する殺菌作用は知られておらず、耐性菌の問題はない。更に、プロタミンは一般に食品保存料として用いられており、安全性が高い。そのため、殺菌剤、抗生剤に代わる薬剤として有望であるが、その効果は十分ではないのが現状であった。
特開平02−250815号公報 特開平03−261716号公報 特開平11−228526号公報 特開2001−89436号公報 Kotani M、他5名「Inhibitory effects of protamines on proteolytic and adhesive activities of Porphiromonasgingivalis.」、Infection Immunity、1999年、第67巻、第9号、p.4917−4920
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、歯周炎抑制効果に優れ、かつ、安全性が高く、歯周病の予防、治療に有効な口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、アルジンジパイン阻害剤である(A)プロタミン又はその誘導体と、(B)トラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸とを(A)成分/(B)成分が質量比で0.05〜20となる範囲で併用して口腔用組成物に配合することにより、上記(A)及び(B)成分が相乗的に作用して、歯周炎抑制効果が相乗的に向上する上、耐性菌等の問題もなく、人体への安全性も高いこと、更に、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩、更にはフッ化ナトリウムを配合することにより、上記した歯周炎抑制効果がより高まること、よって、従来の殺菌剤、抗生剤に代わる技術として、歯周病の予防及び治療に有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(i)(A)プロタミン又はその誘導体と(B)トラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸とを含有し、(A)成分/(B)成分の配合割合が質量比で0.05〜20であることを特徴とする口腔用組成物
(ii)更に、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩を含有することを特徴とする上記(i)の口腔用組成物
(iii)更に、フッ化ナトリウムを含有することを特徴とする上記(i)又は(ii)の口腔用組成物
を提供する。
本発明の口腔用組成物は、口腔内の歯周病原因菌による炎症を効果的かつ顕著に抑制し、人体への安全性も高く、歯周病の予防及び治療に有効なものである。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の口腔用組成物は、(A)プロタミン又はその誘導体と(B)トラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸、更に好ましくは、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体又はその塩、フッ化ナトリウムを含有するものである。
本発明で用いるプロタミンは、サケ、マス、ニシン、サバ等の精子核中にデオキシリボ核酸と結合して存在する高アルギニン含量の塩基性蛋白質であり、硫酸塩、塩酸塩などの形でも用いることができる。
プロタミン又はその誘導体の配合量は特に定めるものではないが、組成物全体の0.01〜5%(質量百分率、以下同じ)、特に0.05〜1%が好適である。配合量が0.01%未満では配合効果が十分発揮されない場合があり、5%を超えると製剤安定化が困難となる場合がある。
また、トラネキサム酸又はイプシロンアミノカプロン酸は、抗プラスミン剤として知られ、一般に抗炎症剤として用いられているものである。本発明でトラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸の配合量は、組成物全体の0.01〜2%、特に0.05〜0.5%が好ましく、配合量が0.01%未満では配合効果が十分発揮されない場合があり、2%を超えると苦味などの問題が顕著になり好ましくない場合がある。
(A)成分のプロタミン又はその誘導体と(B)成分のトラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸との配合量は、(A)成分/(B)成分が質量比で0.05〜20、好ましくは0.1〜10、更に好ましくは0.5〜2の範囲となるように上記各配合量の範囲内で調整する。(A)成分/(B)成分の質量比が0.05未満であったり、あるいは20を超えると、(A)及び(B)成分の併用による相乗的な効果の向上は認められない。
更に、本発明では、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はアスコルビン酸誘導体の塩を配合することが好ましく、これにより歯周炎抑制効果をより向上させることができる。
アスコルビン酸塩は、ビタミンCとして多くの食品、化粧品などに用いられており、アスコルビン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を用いることができる。
また、アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸の2、3、5、6位の水酸基の1又は2以上がリン酸、ポリリン酸、硫酸、脂肪酸、その他製薬学上許容される化合物のエステルとなったものが使用できる。例えば、アスコルビン酸−2−リン酸エステル、アスコルビン酸−3−リン酸エステル、アスコルビン酸−6−リン酸エステル、アスコルビン酸−2−ポリリン酸エステル、アスコルビン酸−2−硫酸エステル、アスコルビン酸−2−パルミチン酸エステル、アスコルビン酸−6−パルミチン酸エステル、アスコルビン酸−2−ステアリン酸エステル、アスコルビン酸−6−ステアリン酸エステル、アスコルビン酸−2,6−ジブチルエステル、アスコルビン酸−2,6−ジパルミチン酸エステル等が挙げられる。更に、これらアスコルビン酸誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を用いることができる。
本発明では、上記アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩の中でも、特にアスコルビン酸のナトリウム塩又はマグネシウム塩、アスコルビン酸リン酸エステルのナトリウム塩又はマグネシウム塩が好ましく、とりわけ安定性の面からアスコルビン酸リン酸エステルのナトリウム塩、マグネシウム塩が好ましい。
アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩の配合量は、組成物全体の0.05〜5%、特に0.1〜2%が好ましい。配合量が0.05%未満では歯周炎抑制効果が満足に向上しない場合があり、5%を超えると組成物に着色を生じてしまう場合がある。
更に、本発明では、フッ化ナトリウムを配合することが好ましく、フッ化ナトリウムの配合により、より高い歯周炎抑制効果を発揮されることができる。フッ化ナトリウムは、主にう蝕予防の目的で使用されているものであり、その配合量は組成物全体の0.02〜5%、特に0.2〜1%が好ましい。配合量が0.02%未満では配合効果が十分発揮されない場合があり、5%を超えると塩濃度が高く製剤化が困難となる場合がある。
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口液、口中清涼剤、うがい用錠剤、義歯用洗浄剤、チューインガム等の各種形態とすることができ、各形態に応じて、その他の成分を本発明の効果を損ねない範囲で使用し、通常の方法で調製することができる。その他の成分として、例えば研磨剤、湿潤剤、粘結剤、界面活性剤、甘味料、防腐剤、殺菌剤、香料、各種有効成分、着色剤、pH調整剤などを配合することができる。
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
これら研磨剤の配合量は、剤型により調整され、練歯磨には10〜50%、液状歯磨には0〜30%配合することが好ましい。
湿潤剤としては、ソルビット、グリセリン、プロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット等が挙げられるが、特にソルビット、キシリットが好ましい。湿潤剤の配合量は、組成物全体の5〜50%、特に20〜45%とすることが好ましい。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、グアガム、アルギン酸ナトリウム、カチオン化セルロース、モンモリロナイト、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。粘結剤の配合量は、剤型により調整できるが、練歯磨には0.1〜5%、液体歯磨及び洗口剤には0〜5%配合することができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を配合し得、具体的にアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸塩、ラウロイルサルコシン塩、ミリスチルサルコシン塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩等、非イオン性界面活性剤として、例えばアルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリン酸デカグリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、レシチン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型両性界面活性剤、N−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキンエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の配合量は、本発明の口腔用組成物の形態、使用目的等に応じ適宜選択される。例えば、練歯磨には0〜10%、液体歯磨及び洗口剤には0〜5%配合することができる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム等、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤、殺菌剤としては、安息香酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、パラベン類、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、フェノール等の1種又は2種以上を配合し得る。通常その配合量は、組成物全体に対して0.001〜0.5%の範囲である。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。
各種有効成分としては、上記プロタミン、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、更にはアスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩、フッ化ナトリウム以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、例えば正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等のグルカナーゼ、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、酢酸dl−トコフェノール、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロロヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、アミラーゼ、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物などを配合できる。なお、上記各種有効成分は有効量配合することができる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等を通常量で配合することができる。
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
また、本発明で用いたプロタミンは株式会社ニチロ製、トラネキサム酸は第一製薬株式会社製、イプシロンアミノカプロン酸は第一化学薬品株式会社製、アスコルビン酸ナトリウム及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩は和光純薬株式会社製、フッ化ナトリウムはステラケミファ株式会社製のものを用いた。
〔実験例1〕
歯周炎抑制効果の検討
ビーグル犬(4歳、雌)の歯周炎症レベルを、歯肉溝浸出液(GCF)量を指標に評価した。ビーグル犬の下顎4部位(P3、P4、M1近心、M2遠心)を被検部位とし、基剤(3%プロピレングリコール、0.5%キサンタンガム)に下記組成の薬剤を配合したサンプル0.5mLを1日2回、4週間投与した。試験開始前後のGCF量の値から歯周炎抑制率を下記の式で算出した。GCF量は、GCFコレクション ストリップス(ぺリオペーパー(登録商標)、(株)ヨシダ)を各被験部位歯周ポケットに30秒間挿入することで採取し、GCFメーター(ペリオトロン(登録商標)、(株)ヨシダ)で測定した。なお、歯周炎抑制率は各被験部位(n=4)の平均値を用いて算出した。
歯周炎抑制率(%)={(コントロール(比較例1)のGCF変化量)−(各サンプルのGCF変化量)}/(コントロール(比較例1)のGCF変化量)×100
なお、(GCF変化量)=(試験終了時のGCF量)−(試験開始時のGCF量)
Figure 2007169201
表1から明らかなように、プロタミンとトラネキサム酸又はイプシロンアミノカプロン酸を特定の比率で併用することにより、プロタミン単独の場合や、トラネキサム酸又はイプシロンアミノカプロン酸を単独で配合した場合に比べて、歯周炎が相乗的に抑制され、顕著に高い歯周炎抑制効果が発揮されることがわかった。更に、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、フッ化ナトリウムから選ばれる成分を併用することで、歯周炎抑制効果が相乗的により向上することがわかった。
〔実施例1〕歯磨剤
リン酸カルシウム 25.0
無水ケイ酸 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
カルボキシメチルセルロース 0.8
カラゲナン 0.5
フッ化ナトリウム 0.2
プロタミン 0.05
トラネキサム酸 0.05
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.2
ソルビトール 15.0
香料 1.0
水 バランス
合計 100.0%
〔実施例2〕歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
キサンタンガム 0.5
アルギン酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1
プロタミン 0.2
イプシロンアミノカプロン酸 0.05
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.2
ソルビトール 10.0
キシリトール 5.0
香料 1.0
水 バランス
合計 100.0%
〔実施例3〕口腔用パスタ
セタノール 5.0
スクワラン 20.0
沈降性シリカ 5.0
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.1
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
サッカリンナトリウム 0.6
プロタミン 0.5
イプシロンアミノカプロン酸 0.05
ソルビトール 10.0
香料 0.6
水 バランス
合計 100.0%
〔実施例4〕洗口剤
エタノール 10.0
プロタミン 0.05
トラネキサム酸 0.05
アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム 0.2
フッ化ナトリウム 0.1
ソルビトール 5.0
キシリトール 5.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
サッカリンナトリウム 0.2
香料 0.8
水 バランス
合計 100.0%
〔実施例5〕ガム
ガムベース 20.0
香料 1.0
水飴 20.0
粉糖 10.0
クエン酸3ナトリウム 1.5
プロタミン 0.1
トラネキサム酸 0.05
アスコルビン酸ナトリウム 0.1
ソルビトール 15.0
キシリトール 10.0
水 バランス
合計 100.0%

Claims (3)

  1. (A)プロタミン又はその誘導体と(B)トラネキサム酸及び/又はイプシロンアミノカプロン酸とを含有し、(A)成分/(B)成分の配合割合が質量比で0.05〜20であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 更に、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体又はその塩を含有することを特徴とする請求項1記載の口腔用組成物。
  3. 更に、フッ化ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の口腔用組成物。
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