JP2021074424A - 感震式落下防止装置 - Google Patents

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Katsumi Hayashi
克美 林
祐式 大橋
Sukenori Ohashi
祐式 大橋
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Abstract

【課題】収納物を載置する棚に取付けられる感震式落下防止装置において、振動により移動した規制バーを規制位置で拘束する。【解決手段】感震式落下防止装置1は、軸受孔13に嵌合された軸部20に揺動自在に支持される揺動部材10と、水平に設けられるとともに、前記棚100の前面側の規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられる規制バー30と、前記揺動部材10の揺動に基づいて前記規制バー30を退避位置から規制位置に移動させる移動手段と、前記規制位置に移動した規制バーを退避位置に戻ることを阻止する復帰阻止手段とを備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、地震などの振動による棚からの収納物の落下を防止する感震式落下防止装置に関する。
従来、書架など収納物を収納する棚には、地震などの振動によって収納物が棚板上から落下するなどしないよう収納物の落下を防止する落下防止装置が知られている(特許文献1、2)。
特許文献1には、カウンターウエイトを有し、棚板の両側に対をなして設けられる揺動部材と、棚板の両側の揺動部材の端部に連結されて設けられ、カウンターウエイトにより物品出し入れ面に向かって移動する向きに揺動付勢された規制バーと、を備え、地震の震動を感知すると、規制バーが収納物の収納空間前方、適宜の高さ位置に進出するものが開示されている。
また、引用文献2には、カウンターウエイトを揺動部材に揺動自在に取り付けて、揺動部材に対する重心位置を変化させるようにした感震式落下防止装置が記載されている。
特許第3333475号公報 特許第6081342号公報
上記の落下防止装置において、振動により規制位置に移動した規制バーは手動操作によって簡単に退避位置に復帰させることができる。しかし、その一方で、振動で倒れた収納物が規制バーに接触して退避位置に戻してしまうことがあり、落下防止装置としての機能を発揮できないことがあった。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、振動により移動した規制バーが規制位置で拘束さされる感震式落下防止装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[8]に記載構成を有する。
[1]収納物を載置する棚に取付けられる感震式落下防止装置であって、
軸受孔に嵌合された軸部に揺動自在に支持される揺動部材と、
水平に設けられるとともに、前記棚の前面側の規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられる規制バーと、
前記揺動部材の揺動に基づいて前記規制バーを退避位置から規制位置に移動させる移動手段と、
前記規制位置に移動した規制バーを退避位置に戻ることを阻止する復帰阻止手段と
を備えることを特徴とする感震式落下防止装置。
[2]前記規制バーが揺動部材の端部に取り付けられて、該揺動部材が規制バーを退避位置から規制位置に移動させる移動手段となされ、
前記軸部の外周面が円弧面部と平面部とにより形成され、
前記揺動部材の軸受孔が、規制バーの退避位置において軸部が嵌合される主孔部と、規制位置において軸部が嵌合される副孔部とが結合して連通する複合孔であり、かつ前記副孔部の周面に嵌合した軸部の平面部に合わさる平面部が形成され、
前記復帰阻止手段が前記軸部と前記揺動部材の軸受孔とによって構成され、副孔部の平面部が軸部の平面部に合わさることによって規制バーの退避位置への戻りが阻止される前項1に記載の感震式落下防止装置。
[3]前記軸部の平面部が上方に向かう姿勢で配置されている前項2に記載の感震式落下防止装置。
[4]前記揺動部材に、前記規制バーの退避位置から規制位置への移動を促す移動促進部材が取り付けられている前項2または3に記載の感震式落下防止装置。
[5]前記移動促進部材が、前記揺動部材に、該揺動部材に対する重心位置を変化させるように揺動自在に取り付けられたカウンターウエイトである前項4に記載の感震式落下防止装置。
[6]前記揺動部材の端部に係止爪が形成され、
前記移動手段が、
基端部に前記揺動部材の係止爪に係脱可能に係合する係合部を有し、先端部に前記規制バーが取り付けられ、基端部と先端部の中間部で回転軸によって回動自在に支持されるアームと、
前記揺動部材の揺動により該揺動部材の係止爪との係合を解除されたアームを回動させて規制バーを退避位置から規制位置に移動させる回動力付与手段とにより構成されている前項1に記載の感震式落下防止装置。
[7]前記復帰阻止手段が、前記アームの回転軸に取り付けられたギアとこのギアの外周面の歯に係止する歯止め部材により構成されるラチェットである前項6に記載の感震式落下防止装置。
[8]前記復帰阻止手段が、前記アームの回転軸に取り付けられたワンウエイクラッチである前項6に記載の感震式落下防止装置。
上記[1]に記載の感震式落下防止装置によれば、地震等によって振動が発生すると、揺動部材の揺動に基づいて規制バーが移動手段によって規制位置に移動して収納物の落下や飛び出しを防ぐ。規制バーは規制位置において復帰阻止手段により退避位置への戻りが阻止されるので、収納物が倒れて規制バーに接触しても規制バーは規制位置に拘束され続ける。
上記[2]に記載の感震式落下防止装置においては、地震等によって振動が発生すると、揺動部材の揺動により、軸受孔における軸部の嵌合位置が主孔部から副孔部に移動するとともに規制バーが規制位置に移動する。副孔部においては軸部の平面部が副孔部の平面部と合わさっているので、揺動部材は回動できない。このため、規制位置に移動した規制バーは退避位置に戻ることができず、規制位置に拘束され続ける。
上記[3]に記載の感震式落下防止装置によれば、揺動部材の軸受孔の副孔部とこの副孔部に嵌合された軸部とが滑りにくいので、規制バーの退避位置への復帰を阻止する効果が大きい。
上記[4]に記載の感震式落下防止装置によれば、移動促進部材によって揺動部材を速やかに回動させ、軸部の嵌合位置を主孔部から副孔部に移動させることができる。
上記[5]に記載の感震式落下防止装置によれば、カウンターウエイトによって揺動部材の重心を速やかに移動させて揺動部材を回動させ、軸部の嵌合位置が主孔部から副孔部に移動させることができる。
上記[6]に記載の感震式落下防止装置においては、地震等によって振動が発生すると、揺動部材の揺動により、揺動部材の係止爪とアームの係合部の係合が解除され、回動力付与手段によってアームが回動して規制バーが規制位置に移動し、収納物の落下や飛び出しを防ぐ。規制バーは規制位置において復帰阻止手段により退避位置への戻りが阻止されるので規制位置に拘束され続ける。
上記[7]に記載の感震式落下防止装置によれば、復帰阻止手段であるラチェットのギアが一方方向にのみ回転し逆回転できないので、アームが回転して規制バーが規制位置に移動すれば退避位置に戻ることができない。
上記[8]に記載の感震式落下防止装置によれば、復帰阻止手段であるワンウエイクラッチが一方方向にのみ回転し逆回転できないので、アームが回転して規制バーが規制位置に移動すれば退避位置に戻ることができない。
本発明の一実施形態である第1の感震式落下防止装置を設置した棚の正面図である。 第1の感震式落下防止装置において規制バーが退避位置にある状態を示す斜視図である。 箱体に収納された第1の感震式落下防止装置であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 第1の感震式落下防止装置において規制バーが規制位置にある状態を示す斜視図である。 第1の感震式落下防止装置の軸部および揺動部材の軸受孔の変形例を示す側面図である。 第2の感震式落下防止装置であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。 図6の感震式落下防止装置を設置した棚の斜視図である。本発明にかかる感震式落下防止装置の一実施形態において、規制バーが退避位置に移動した状態を示す斜視図である。 第3の感震式落下防止装置であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
図1および図7に本発明の感震式落下装置を設置した棚を示し、図2〜6、8に感震式落下防止装置の3つの実施形態を示す。以下の説明において、前後の方向は、棚から収納物を取り出す側を「前」と称し、反対側を「後」と称する。また、左右の方向は、棚の前面に向かって右手側を「右」と称し、左手側を「左」と称する。
[棚]
図1に示すように、床に載置された棚100は、例えば、壁面に接するように設置される書架であり、左右および中央に配置された支柱101と、後述する棚板受によって支柱101間毎に横架される6段の棚板102と、支柱101間に架設されたビーム104と、支柱101の下部から前方側に伸びてなる脚部105と、上部側のビーム104の上部に設けられた壁面固定金具106と、脚部105間に架設された巾木107と、を備えて構成される。前記各支柱101の前面側には、複数の係止孔103が鉛直方向に所定の間隔で設けられている。棚100は、脚部105によって支持されて、ねじ部材などにより壁面固定金具106で壁面に固定されている。前記棚100には、筐体が棚板受と棚板端部の側面板を兼用する図2〜4の感震式落下防止装置1が設置されている。
また、図7の棚150は棚板151および側面板152を備えた棚であり、図6の第2の感震式落下防止装置2が設置されている。
[第1の感震式落下防止装置]
図2〜4の感震式落下防止装置1は、揺動部材10、軸部20、規制バー30およびカウンターウエイト40によって構成され、これらの構成部材のうちの一部が箱体50に収納されている。前記箱体50は落下防止装置1を収納するための筐体と後述する棚100における棚板受および棚板端部の側面板を兼用している。なお、図3(b)は箱体50の側壁の表示を省略して、内部を透視した状態を示している。
前記揺動部材10は略四角形の本体部11とこの本体部11の1つのコーナーから前方に突出し、長さ方向の中間部で屈曲するアーム部12が一体に形成された板状体であり、本体部11とアーム部12の境界部分に軸部20が嵌合される軸受孔13が穿設されている。前記軸受孔13は、本体部11側の主孔部14とアーム部12側の副孔部15が結合してこれらが連通する複合孔である。前記主孔部14の周面は円弧部および副孔部15への連通部からなる。また、前記副孔部15は周面の一部に平面部15aが形成され、該副孔部15の周面は、平面部15a、円弧面部15bおよび主孔部14への連通部からなる。前記主孔部14と副孔部15の結合部分は軸部20が通り抜ける寸法に設定されている。また、前記アーム部12の先端部に規制バー30を取り付けるための孔16が穿設されている。
前記軸部20は概略円柱体であり、周方向の一部に軸方向に延びる平面部21が形成されている。即ち、前記軸部20の外周面は平面部21と円弧面部22とにより形成され、その断面は円の一部が弦で除去された形状である。前記軸部20は平面部21が後方斜め上方に位置する姿勢で箱体50の側壁に固定され、揺動部材10の軸受孔13の主孔部14に嵌合されて、該揺動部材10を揺動自在に支持している。また、前記軸部20は軸受孔13の主孔部14および副孔部15のどちらにでも嵌合することができ、軸部20が副孔部15に嵌合された状態において、副孔部15の平面部15aが軸部20の平面部21に合わさる。
前記カウンターウエイト40は一辺が外方に突出する概略四角形の板状体であり、中央上部に取り付け用の孔が穿設されている。2枚のカウンターウエイト40は前記揺動部材10の本体部11の上部前側の両面に配置され、支持軸41を揺動部材10の軸受孔およびカウンターウエイト40の軸受孔に嵌合させることにより、揺動部材10に対して揺動自在に支持されている。また、前記規制バー30の荷重は素材や棚の間口寸法によって変わるが、前記揺動部材10におけるカウンターウエイト40の取付位置を変更可能とすれば、カウンターウエイト40の取付位置を調整して様々な荷重の規制バー30とつり合いを取り、多様な規制バーに対応させることができる。また、振動の感度を調節することも可能となる。前記カウンターウエイト40の取付位置は揺動部材10に複数箇所に取付孔を設けておくことによって簡単に変更できる。例えば、図5の揺動部材60は3個の取付孔61を有し、これらが連通している。
前記カウンターウエイト40は本発明における移動促進部材に対応する。
前記規制バー30は一方の端部を前記揺動部材10のアーム部12の孔16にネジ止めされ、他方の端部が別の揺動部材10のアーム部12の孔16にネジ止めされている。即ち、揺動部材10、軸部20および2枚のカウンターウエイト40を一つの揺動ユニットとし、棚板102の左右端に揺動ユニットが配置され、2つの揺動ユニットが1本の規制バー30を共有している。即ち、前記規制バー30は2個一組の揺動ユニットに支持されている。なお、本発明において規制バーは中実または中空の棒等の剛性材である必要はなく、ロープやワイヤのようなフレキシブルな材料を用いることもできる。図7の上段側の棚板102には規制バー30としてロープを用いた例を示しており、ロープは自重によって中央が僅かに下がっている。
図3に示すように、前記揺動ユニットを収納する箱体50は左右方向に扁平な直方体である。前記箱体50は、後側壁51から後方に突出する複数個の係止片52が間隔をおいて設けられ、これらの係止片52が棚100の支柱101の係止孔103に差し込まれることにより、支柱101より前方へ突出するようにして取付けられる。このようにして2本の支柱101に取り付けられた2個一組の箱体50は、1枚の棚板102の左右両端を支持する棚板受として機能し、2個の箱体50に収納された揺動ユニットに連結された規制バー30によってその棚板102に載置された収納物の落下を防止する構造である。また、前記箱体50は棚板102の左右の側面板を兼用している。
前記箱体50の左右側壁のうち一方の側壁の内側面に、軸部20が内側面から突出し、平面部21が後方斜め上方に位置する姿勢で固定されている。前記揺動部材10および2枚のカウンターウエイト40は、上述したように軸部20および揺動部材10に組み付けられている。また、前記揺動部材10のアーム部12の先端部分が箱体50の前側壁53に設けられた複合孔54から外部に突出している。前記規制バー30は、その両端部が箱体50外に突出した揺動部材10のアーム部12の先端部の孔16に取り付けられている。
また、箱体50の内側底部に上方に突出するストッパ55が設けられている。前記揺動部材10が回動して下方に移動した本体部11がストッパ55に当接すると、本体部11のそれ以上下方への移動が阻止される。
2個一組の箱体50は、互いの箱体に面する側の下方部に棚受具が設けられている。図3の箱体50は右側の支柱101に取り付けて右側の棚板受を兼用するものであるから、棚受具は箱体50の左側に設けられている。前記棚受具は、箱体50の底壁56から水平に延長されたプレートからなり棚板102の下面を支持する下面支持部57と、左側壁58に取り付けられ、倒立L字状に形成されて棚板102の側面を支持する側面支持部59とで構成されている。左側の棚板受を兼用する箱体は前記箱体50とは左右対称形状となる。
前記箱体50は感震式落下防止装置1の筐体であり、箱体50の側壁を軸部20を固定するためのベースとして筐体を利用している。ただし、本発明の感震式落下防止装置は軸部20を固定するための筐体を必須要件とするものではなく、箱体以外の固定用ベースを用いてもよい。また、図7の棚150のように、側面板152を有する棚に対しては軸部20を側面板に固定する等の方法によれば感震式落下防止装置1を設置できる。また、前記箱体50は棚板受および棚板の側面板を兼用するものであるが、これらも箱体の必須要件ではない。既に棚板や側面板を備えている棚に対しては、後方壁に係止片を持たない箱体を用い、この箱体の左右の側壁を棚の側面板に沿わせて配置すればよい。
(第1の感震式落下防止装置の動作)
次に、図1〜4を参照しつつ、前記感震式落下防止装置1の動作について説明する。
図1において、最上段の棚板102に設置した感震式落下防止装置1の規制バー30は規制位置にあって収納物の落下や飛び出しを防止し、2段目の棚板102に設置した感震式落下防止装置1の規制バー30は退避位置にあって収納物の出し入れを妨げない状態を例示している。また、図3(b)において、規制バー30が退避位置にある時の揺動部材10の姿勢を実線で示し、規制位置にある時の揺動部材10の姿勢を二点鎖線で示す。
図2に示す平常時において、前記揺動部材10は軸受孔13の主孔部14で軸部20に支持され、アーム部12の先端が下方に位置し、規制バー30は下方の退避位置にある。このとき、カウンターウエイト40により揺動部材10の本体部11の重心が前面側に偏っているため、揺動部材10は軸受孔13の主孔部14に嵌合する軸部20を中心として、本体部11が前方に傾き勝手、アーム部12が後方に傾き勝手の姿勢をとり、アーム部12の先端部が箱体50の前側壁53に当接する。従って、アーム部12の先端部に取り付けられた規制バー30は下方の退避位置にある(図3(b)の実線で示した揺動部材10を参照)。
図4に示すように、地震などの振動が発生すると、揺動部材10およびカウンターウエイト40が揺動することによって、揺動部材10およびカウンターウエイト40の重心が軸部20より後方に変位し、揺動部材10の本体部11が軸部20を支点として後方に回動して、アーム部12の先端部が上方に移動する。この回動に伴い、前記揺動部材10の軸受孔13における軸部20の嵌合位置が主孔部14から副孔部15側に移動し、副孔部15の平面部15aが軸部20の平面部21上をスライドしていき、平面部15aが軸部20の平面部21に合わさって軸部20が完全に副孔部15に嵌合される。前記軸部20が副孔部15に嵌合した揺動部材10は、本体部11が箱体50内のストッパ55に当接し、アーム部12の先端部が箱体50の複合孔54の上端に位置する。従って、前記アーム部12の先端部に取り付けられた規制バー30は上方の規制位置に位置する。また、前記揺動部材10はカウンターウエイト40の揺動によって速やかに重心を移動して回動し、軸部20の嵌合位置の移動が速やかになされる(図3(b)の二点鎖線で示した揺動部材10を参照)。
前記揺動部材10の軸受孔13の主孔部14は周面に平面部を持たず、全周が円弧面または副孔部15への連通部で構成されているから、軸部20が主孔部14に嵌合されていると揺動部材10は軸部20を回動の中心として自由に回動することができる。一方、副孔部15は周面は一部が平面部15aで形成されているので、軸部20が副孔部15に嵌合されて平面部15aが軸部20の平面部21に合わさると、揺動部材10は回動することができない。従って、再び振動が発生しても揺動部材10は規制バー30の規制位置で拘束され続け、軸部20の嵌合位置が主孔部14に戻ることができず、規制バー30は退避位置に復帰することができない。このように前記規制バー30は規制位置で拘束されているので、例え収納物が倒れて規制バー30に接触しても退避位置に復帰することがない。
規制位置にある規制バー30は、揺動部材10を引き上げて軸部20の嵌合位置を副孔部15から主孔部14に移動し、揺動部材10を回動することによって退避位置に復帰させることができる。
なお、軸部20の平面部21およびこの平面部21に対応する副孔部15の平面部15aの周方向における位置は限定されない。周方向のどこに平面部21、15aを設けても軸部20が副孔部15に嵌合すると揺動部材10は回動できないので、規制バー30の退避位置への復帰を阻止することができる。例えば、図5に示すように、軸部20を円弧面部22が上方、平面部21が下方に位置する姿勢で取付けることもでき、この軸部20の取付姿勢に対応する揺動部材60の軸受孔63の副孔部65は、退避姿勢において円弧面部65bが上、平面部65aが下に位置することになる。ただし、このように両者の円弧面部22、65bが上にあるとその逆の姿勢(図2〜4)よりも滑り易いので、退避位置への復帰を阻止するための拘束力が逆の姿勢よりも若干弱くなる。従って、規制位置における拘束力は、平面部21、15aが上で円弧面部22、15bが下の姿勢の方が優れている。
前記感震式落下防止装置1において、前記カウンターウエイト40は本発明における移動促進部材であり、揺動部材10に取り付けることによって、退避位置にある規制バー30を速やかに規制位置に移動させることができる。このような機能を有する移動促進部材はカウンターウエイトに限定されない。
[第2の感震式落下防止装置]
図6および図7の感震式落下防止装置2は、揺動部材110、アーム120、ラチェット130および規制バー30およびこれらの周辺部材によって構成され、これらの構成部材のうちの一部が箱体140に収納されている。なお、図6は箱体140の側壁の表示を省略して、内部を透視した状態を示している。
前記箱体140は、支柱101の係止孔103に差し込む係止片52(図1、3参照)や棚板受具を有さず、図7に示すように、棚板151および側面板152を備えた棚150に対し、左右両端の側面板152に沿わせて棚板151上に載置して設置される。また、前記箱体140は前面の上部の約2/3が後方に傾斜して開口し、開口部141の下端から上端までが前記アーム120の可動域となる。また、前記箱体140は、他方の箱体に対向する側壁の下端から突出して設置面積を拡大するための設置板143を有している。
前記揺動部材110は略四角形の板状体であり、下辺前方のコーナーから前方に突出する係止爪111が形成され、上部の軸受孔に嵌合され、箱体140の側壁に固定された軸部112によって揺動自在に支持されている。
前記アーム120は、長手方向の中間よりもやや後方において、箱体140の側壁に固定された回転軸121によって回動自在に支持されている。前記アーム120は長手方向の基端部に前記揺動部材110の係止爪111に係脱可能に係合する係合部122が形成され、箱体140の開口部141から突出する先端側部分が大きく屈曲している。前記アーム120は、基端部から少し前方に寄った位置に引張コイルばね123の一端が取り付けられ、この引張コイルばね123の他端は箱体140の側壁の前方部に固定されている。前記引張コイルばね123は本発明における回動力付与手段に対応する。
前記規制バー30は前記アーム120の先端にネジ止めされている。
ラチェット130は、前記アーム120に固定されてアーム120とともに回動するギア131と、先端に前記ギア131の周面の歯131aに係合する爪132が形成された歯止め部材133とにより構成されている。前記歯止め部材133は長さ方向の中間部において軸部134によって回動可能に支持されている。前記ギア131の周面の歯131aは傾きを有しており、ギア131が適する方向に回転するときに歯止め部材133の爪132は歯131aを乗り越えるが、逆方向に回そうとすると爪132が歯131aに食い込むので回転することができない。図6のギア131は時計回りにのみ回転し、反時計回りに回転できない。前記ラチェット130は本発明における復帰阻止手段に対応する。
また、ラチェット130の解除手段として、本例ではノック式インデックスプランジャ135を設けている。前記インデックスプランジャ135は前記箱体140の上面壁142に貫通してが取り付けられており、ノブ136を押下げると下端からピン135が突出する。前記ノブ136の位置を元に戻す(上げる)とピン137が退入する。
(第2の感震式落下防止装置の動作)
図6および図7において、規制バー30が退避位置にあるときのアーム120の姿勢を実線で示し、規制位置にあるときのアーム120の姿勢を二点鎖線で示す。
平常時において、アーム120は引張コイルばね123が伸張して係合部122が揺動部材110の係止爪111に係合され、アーム120は略水平に保持されている。前記アーム120は揺動部材110の係止爪111によって拘束されているので、引張コイルバネ123の弾性力に抗して揺動部材110との係合位置にとどまっている。そして、アーム120の屈曲部よりも基端側部分は略水平に保持され、屈曲する先端側部分は垂直に保持され、規制バー30は下方の退避位置にある。
地震などの振動が発生し、揺動部材110が揺動して後方に回動すると、アーム120の係合部122と揺動部材110の係止爪111の係合が解除され、引張コイルばね123の復元力によってアーム120の基端側が前方に引き寄せられることによってアーム120が回動して先端側が上方に移動する。前記アーム120に回動とともにラチェット130のギア131も回動し、ギア131の歯131aが次々と歯止め部材133の爪132と係合していく。前記アーム120は、規制バー30が棚板151上の収納物に当たると回動が停止し、停止した位置が規制バー30の規制位置となる。図7は収納物に当たって停止した状態を例示している。
前記規制バー30の規制位置で回転を停止したアーム120は、歯止め部材133によってギア131の逆回転が阻止されるので、規制バー30は退避位置に戻ることができず規制位置に拘束され続ける。
規制位置で拘束された規制バー30は前記インデックスプランジャ135を用いて退避位置に復帰させる。前記インデックスプランジャ135のノブ136を押下げて下端から突出したピン135で歯止め部材133の後方部を押し下げて歯止め部材133を回動させると、ギア131と歯止め部材133の係合が解除されるので、アーム120を下げる方向に回転させれば規制バー30を退避位置に戻すことができる。退避位置においては、アーム120の係合部122を揺動部材110の係止爪111に係合させて退避姿勢を保持する。
[第3の感震式落下防止装置]
図8の感震式落下防止装置3は、復帰阻止手段としてワンウエイクラッチ160を用いていることを除いて図6の感震式落下防止装置2と同じ構造である。
前記ワンウエイクラッチ160は同軸の外輪と内輪との間で一方の方向のみに回転力を伝達する機構であり、固定具161によりアーム120に固定され、ソケットボルト162によって回転軸121が固定されている。
前記ワンウエイクラッチ160はアーム120の先端側が上方に移動する方向にのみ回転する。そして、前記アーム120が揺動部材110との係合から解除されると、引張コイルばね123の復元力によってアーム120の基端側が前方に引き寄せられることによって回動し、先端側が上方に移動する。前記アーム120は規制バー30が棚板151上の収納物に当たると回動が停止し、停止した位置が規制バー30の規制位置となる。前記ワンウエイクラッチ160は逆方向には回転しないので、前記規制バー30は退避位置に戻ることができない。
前記規制バー30を退避位置に復帰させる場合は、ソケットボルト162を緩めてワンウエイクラッチ160の回転軸121の固定を解けば、アーム120を逆方向に回動可能となって規制バー30を退避位置に戻すことができる。退避位置においては、アーム120の係合部122を揺動部材110の係止爪111に係合させて退避姿勢を保持する。なお、棚板151の左右端に配置する2つの感震式落下防止装置3のソケットボルト162はねじ込み方向は異なるものが組み込まれている。
また、前記揺動部材110と組み合わせるアーム120に対する他の復帰阻止手段として、図2等の感震式落下防止装置1の軸受孔13において軸部20の嵌合位置を移動させる構造を適用することもできる。この場合は、アーム120を支持する回転軸の外周面の一部に平面部を形成し、アーム120の軸受孔を主孔部と平面部を有する副孔部を連通させた複合孔とする。
上述した第1の感震式落下防止装置1は、揺動部材10の主孔部14と副孔部15の位置関係やアーム部12の形状によって規制バー30の規制位置が予め決定されており、定位置で収納物を待ち受けて落下を食い止める構造である。例えば、図示例の第1の感震式落下防止装置1は棚板102の前方で規制バー30が停止する。一方、第2および第3の感震式落下防止装置2、3は、規制バー30が収納物に当たってアーム120が停止した位置が規制位置となる構造であり、規制バー30は収納物の前方移動を待つことなく収納物に近づいていく。このため、規制バー30の移動量が第1の感震式落下防止装置1よりも大きくなり、より後方で収納物の落下を食い止めることができる。
収納物は規制バーの停止位置に集まってくるが、収納物の集合位置が前方になるほど棚の重心が前方に移動して棚が倒れ易くなり、集合位置が後方になるほど棚は倒れにくくなる。また、地震等の振動が続くと棚の背面と規制バーの間で収納物が往復移動し、この収納物の往復移動によって棚が前後方向に揺動する。棚の揺動は転倒の原因となる。このとき、規制バーが後方にあるほど収納物の往復移動幅が小さくなるので揺動幅も小さくなる。さらに、第2および第3の感震式落下防止装置2、3では、収納物が後方に移動して規制バー30と収納物の隙間ができるとアーム120が回動して規制バー30が収納物に追従するので、それ以降の収納物の往復移動幅が小さくなって棚の揺動幅も小さくなる。
本発明は、書架等の棚に設置して地震発生時に収納物の落下を防止する落下防止装置として利用できる。
1、2、3…感震式落下防止装置
10、60…揺動部材(移動手段)
13…軸受孔
14…主孔部
15…副孔部
15a…平面部
20…軸部
21…平面部
30…規制バー
40…カウンターウエイト(移動促進部材)
50、箱体
60揺動部材
100、150…棚
110…揺動部材
111…係止爪
120…アーム(移動手段)
122…係合部
123…引張コイルばね(移動手段、回動力付与手段)
130…ラチェット(復帰阻止手段)
131…ギア
133…歯止め部材
160…ワンウエイクラッチ(復帰阻止手段)

Claims (8)

  1. 収納物を載置する棚に取付けられる感震式落下防止装置であって、
    軸受孔に嵌合された軸部に揺動自在に支持される揺動部材と、
    水平に設けられるとともに、前記棚の前面側の規制位置と退避位置との間で移動可能に設けられる規制バーと、
    前記揺動部材の揺動に基づいて前記規制バーを退避位置から規制位置に移動させる移動手段と、
    前記規制位置に移動した規制バーを退避位置に戻ることを阻止する復帰阻止手段と
    を備えることを特徴とする感震式落下防止装置。
  2. 前記規制バーが揺動部材の端部に取り付けられて、該揺動部材が規制バーを退避位置から規制位置に移動させる移動手段となされ、
    前記軸部の外周面が円弧面部と平面部とにより形成され、
    前記揺動部材の軸受孔が、規制バーの退避位置において軸部が嵌合される主孔部と、規制位置において軸部が嵌合される副孔部とが結合して連通する複合孔であり、かつ前記副孔部の周面に嵌合した軸部の平面部に合わさる平面部が形成され、
    前記復帰阻止手段が前記軸部と前記揺動部材の軸受孔とによって構成され、副孔部の平面部が軸部の平面部に合わさることによって規制バーの退避位置への戻りが阻止される請求項1に記載の感震式落下防止装置。
  3. 前記軸部の平面部が上方に向かう姿勢で配置されている請求項2に記載の感震式落下防止装置。
  4. 前記揺動部材に、前記規制バーの退避位置から規制位置への移動を促す移動促進部材が取り付けられている請求項2または3に記載の感震式落下防止装置。
  5. 前記移動促進部材が、前記揺動部材に、該揺動部材に対する重心位置を変化させるように揺動自在に取り付けられたカウンターウエイトである請求項4に記載の感震式落下防止装置。
  6. 前記揺動部材の端部に係止爪が形成され、
    前記移動手段が、
    基端部に前記揺動部材の係止爪に係脱可能に係合する係合部を有し、先端部に前記規制バーが取り付けられ、基端部と先端部の中間部で回転軸によって回動自在に支持されるアームと、
    前記揺動部材の揺動により該揺動部材の係止爪との係合を解除されたアームを回動させて規制バーを退避位置から規制位置に移動させる回動力付与手段とにより構成されている請求項1に記載の感震式落下防止装置。
  7. 前記復帰阻止手段が、前記アームの回転軸に取り付けられたギアとこのギアの外周面の歯に係止する歯止め部材により構成されるラチェットである請求項6に記載の感震式落下防止装置。
  8. 前記復帰阻止手段が、前記アームの回転軸に取り付けられたワンウエイクラッチである請求項6に記載の感震式落下防止装置。
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