JP3784791B2 - 転倒防止装置、及びそれを備えた機器の設置構造 - Google Patents
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Description
従来の設置構造は、例えば自動販売機を設置しようとする設置場所の地面或いはベースプレートにアンカーボルトを打ち込み、そのアンカーボルトを自動販売機の本体や脚部に固定して剛体構造とすることで、地震等の発生によっても自動販売機が倒れないように固定されている。
この特許文献1に記載のものは、整理箪笥や収納ケース等の箱物長尺物が振動によって前後方向に揺れたとき、それらに取り付けられた箱物長尺物取り付け部材が共に前後に揺れることで、吊設バーが箱物長尺物持上部材から持ち上がると、吊設バー制動用レバーによって吊設バーをその位置で係止させて元に戻らないようにすることで、整理箪笥等が後方に傾くことで前方に倒れないようにしている。
一方、特許文献1に記載されたものは、箱物長尺物が振動したとき、それと共に箱物長尺物取り付け部材が振動して吊設バーが持ち上がり、その際、吊設バー制動用レバーによって吊設バーが降下しないようにしているものの、このような構成では整理箪笥等のような軽量物を対象とするものであり、自動販売機のように大きな重量を有する機器では、吊設バー及び制動用レバーの双方が押圧されてしまって元の位置に簡単に戻ってしまうばかりでなく、全体の構成体そのものが押し潰されてしまうおそれがあり、従って、自動販売機程度の大きな重量の機器には利用することができないという問題があった。
請求項1に係る発明は、ベースプレート上に設置する機器の転倒防止装置であって、
前記ベースプレートと前記機器のいずれか一方の一部に起伏自在に支持され、常態において前記ベースプレートと前記機器間に介装されて前記ベースプレートに対し前記機器を支持し、前記ベースプレートに対し前記機器が一定寸法以上離間したときに、倒伏して前記機器の一部を前記ベースプレート側に倒れさせる機器の姿勢制御機構を備えてなり、前記姿勢制御機構は、前記ベースプレート又は前記機器に基端部が回動自在に支持されたL字状の制御体本体と、この制御体本体を倒伏方向へ付勢する付勢部材とを備え、前記機器から下方に突出して前記制御体本体と係合することにより、前記制御体本体の起立状態を保持する調整体が設けられ、前記調整体の前記機器から下方に突出する大きさを変更することにより、前記制御体本体との係合位置及びその解除位置を調整することができるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の転倒防止装置において、前記一部は、前記機器の後側に対応する位置であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の転倒防止装置において、前記ベースプレートが一対のプレート構成体からなり、各プレート構成体にそれぞれ前記制御体本体及び前記付勢部材が設けられ、これら各プレート構成体に設けられた前記制御体本体同士が杆体により連結されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか記載の転倒防止装置において、前記機器と前記ベースプレートとの間に、前記機器に付与された振動を緩衝するダンパが設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の転倒防止装置と、この転倒防止装置のベースプレート上に配置される機器を備えてなることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の転倒防止装置を備えた機器の設置構造において、前記機器は、自動販売機であることを特徴とする。
また、姿勢制御機構が制御体本体と付勢部材とを備えているので、機器と制御体本体間が一定以上離間した時点で、付勢部材によって制御体本体を確実に倒伏させることができるばかりでなく、倒伏した状態においても機器の後部を確実に支持し続けることができ、機器を起立時及び倒伏時のいずれにおいても良好に支持することができる。
さらに、調整体が、姿勢制御機構が起立したときに姿勢制御機構の制御体本体と係合することで制御体本体の起立状態を保ち、機器が大きく揺れたときに制御体本体との係合を解除するので、機器から下方に突出する大きさを変えるだけで、制御体本体との係合位置およびその解除位置を簡単に調整することができる。
図1において、符号10は、ベースプレート11上に設置する機器としての自動販売機Kに適用した転倒防止装置である。
この転倒防止装置10は、ベースプレート11の後側に後述する姿勢制御機構20が起伏可能に支持されたものである。ベースプレート11は、図2に示すように、鎖線にて表す自動販売機Kを設置するために用いられるものであって、自動販売機Kの奥行き方向に沿うよう帯状に形成された二個一対のプレート構成体12からなっており、図1に示すように、地面Gの上に自動販売機Kの両側に配置されるよう設けられる。
その取り付け構造を具体的に説明すると、図6(a)及び(b)に示すように、プレート構成体12に固定されたブラケット33にピン34によってシリンダ本体31の基部が連結され、ロッド32の先端が自動販売機Kの背面の背板35に固定されたブラケット36にピン37によって連結されている。背板35は、詳細に図示していないが自動販売機Kの背面にボルトによって緊締されている。
まず、地面Gに自動販売機Kの前後(奥行き)方向に合わせてベースプレート11が両側に置かれ(図2参照)、そのベースプレート11上に姿勢制御機構20を介して自動販売機Kが設置されると共に、自動販売機Kの背面側とベースプレート11間にダンパ30が介装される。また、自動販売機Kが姿勢制御機構20を介してベースプレート11上に設置されたとき、姿勢制御機構20の制御体本体21が、自動販売機Kの背面に取り付けられた調整体40の先端によって起立され、図1に示すように倒伏しないようになっている。
この転倒防止装置10は、ベースプレート11上に自動販売機Kを設置するためのものであって、ベースプレート11の後部と、自動販売機Kにおける前記後部と対向する底面との間に介装された姿勢制御部材51からなっている。
この姿勢制御部材51は、中空の魂体からなっていて、その内部52にエアーが充填されている。姿勢制御部材51には、内部と外部とを連絡する微細な連絡路53が形成され、通常では連絡路53が封止部54によって内部52のエアーが所定の高圧に保たれている。この場合のエアー圧としては、ベースプレート11と自動販売機Kとの間に姿勢制御部材51が介装されたとき、通常では、自動販売機Kの重量を支持するのに耐える大きさである。
また、姿勢制御部材51を繰り返し使用可能に構成すれば、該姿勢制御部材51内に再度エアーを充填することにより、該姿勢制御部材51を簡単に元の状態に復帰させることができる。
参考例において、第1の実施形態と同様のダンパ30を設けると、転倒防止効果をいっそう高めることができる。
11 ベースプレート
12 プレート構成体
13 杆体
20 姿勢制御機構
21 制御体本体
22 コイルバネ(付勢部材)
30 ダンパ
40 調整体
K 自動販売機(機器)
Claims (6)
- ベースプレート上に設置する機器の転倒防止装置であって、
前記ベースプレートと前記機器のいずれか一方の一部に起伏自在に支持され、常態において前記ベースプレートと前記機器間に介装されて前記ベースプレートに対し前記機器を支持し、前記ベースプレートに対し前記機器が一定寸法以上離間したときに、倒伏して前記機器の一部を前記ベースプレート側に倒れさせる機器の姿勢制御機構を備えてなり、
前記姿勢制御機構は、前記ベースプレート又は前記機器に基端部が回動自在に支持されたL字状の制御体本体と、この制御体本体を倒伏方向へ付勢する付勢部材とを備え、
前記機器から下方に突出して前記制御体本体と係合することにより、前記制御体本体の起立状態を保持する調整体が設けられ、前記調整体の前記機器から下方に突出する大きさを変更することにより、前記制御体本体との係合位置及びその解除位置を調整することができるように構成されていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1記載の転倒防止装置において、
前記一部は、前記機器の後側に対応する位置であることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1又は2記載の転倒防止装置において、
前記ベースプレートが一対のプレート構成体からなり、各プレート構成体にそれぞれ前記制御体本体及び前記付勢部材が設けられ、これら各プレート構成体に設けられた前記制御体本体同士が杆体により連結されていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1から3のいずれか記載の転倒防止装置において、
前記機器と前記ベースプレートとの間に、前記機器に付与された振動を緩衝するダンパが設けられていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の転倒防止装置と、この転倒防止装置のベースプレート上に配置される機器を備えてなることを特徴とする転倒防止装置を備えた機器の設置構造。
- 請求項5記載の転倒防止装置を備えた機器の設置構造において、
前記機器は、自動販売機であることを特徴とする転倒防止装置を備えた機器の設置構造。
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