JP4230321B2 - 転倒防止装置及びそれを備えた機器の設置構造 - Google Patents
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Description
従来の設置構造は、例えば自動販売機を設置しようとする設置場所の地面或いはベースプレートにアンカーボルトを打ち込み、そのアンカーボルトを自動販売機の本体や脚部に固定して剛体構造とすることで、地震等の発生によっても自動販売機が倒れないように固定されている。
この特許文献1に記載のものは、整理箪笥や収納ケース等の箱物長尺物が振動によって前後方向に揺れたとき、それらに取り付けられた箱物長尺物取り付け部材が共に前後に揺れることで、吊設バーが箱物長尺物持上部材から持ち上がると、吊設バー制動用レバーによって吊設バーをその位置で係止させて元に戻らないようにすることで、整理箪笥等が後方に傾くことで前方に倒れないようにしている。
一方、特許文献1に記載されたものは、箱物長尺物が振動したとき、それと共に箱物長尺物取り付け部材が振動して吊設バーが持ち上がり、その際、吊設バー制動用レバーによって吊設バーが降下しないようにしているものの、このような構成では整理箪笥等のような軽量物を対象とするものであり、自動販売機のように大きな重量を有する機器では、吊設バー及び制動用レバーの双方が押圧されてしまって元の位置に簡単に戻ってしまうばかりでなく、全体の構成体そのものが押し潰されてしまうおそれがあり、従って、自動販売機程度の大きな重量の機器には利用することができないという問題があった。
請求項1に係る発明は、ベースプレート上に設置する機器の転倒防止装置であって、前記ベースプレートと前記機器のいずれか一方の一部に起伏可能に支持され、常態において倒伏していて、かつ前記ベースプレートと前記機器間が一定寸法以上離間したとき、起立して前記機器を前記一部と反対方向に傾かせる姿勢制御機構を備え、前記姿勢制御機構は、前記ベースプレートと前記機器とのいずれか一方の前側に回動自在に支持され且つ起立したときの高さ寸法が前記一定寸法以上を越える種々の大きさからなる制御体本体と、この制御体本体の各々をそれぞれ独立的に起立方向へ付勢する付勢部材とを、前記前側の両側に少なくとも一対備えてなり、前記制御体本体の各々は、起立したときの高さ寸法が同じもの同士が互いに桿体によって連結されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の転倒防止装置において、前記一部は、機器の前側に対応する位置であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の転倒防止装置において、前記ベースプレートが前記機器の幅方向に沿う長さをなすプレート構成体からなり、該プレート構成体と前記機器とのいずれか他方の前記制御体本体と対応する位置に、前記ベースプレートと前記機器との一定寸法以上の離間によって前記制御体本体が起立したとき、該制御体本体を起立した状態に支持するストッパー体が設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の転倒防止装置において、前記制御体本体はアングルによって形成され、該アングルの一端は軸によって前記ベースプレートまたは機器のいずれか一方に回動可能に枢着されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の転倒防止装置において、前記ベースプレートと前記機器の後部との間に、前記機器に付与された振動を緩和するダンパが設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか記載の転倒防止装置と、該転倒防止装置のベースプレート上に配置される機器とを備えることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の機器の設置構造において、前記機器は、自動販売機であることを特徴とする。
また、姿勢制御機構が制御体本体とその付勢部材とを一対備え、機器の前側が地震等によってベースプレートから持ち上がり、一定寸法以上離間すると、その一定寸法以上の離間の高さに見合ういずれかの制御体本体が付勢部材によって起立され、起立した状態でベースプレート上に着地するので、機器を前側から後側に傾いた状態に支持することができ、機器の前方への転倒防止を確実に行うことができる効果が得られる。
しかも、起立したときの高さ寸法が同じもの同士の各制御体本体が桿体によって連結されているので、機器の前側がベープレートから一定寸法以上に離間することで、それに見合う高さの制御体本体が起立するが、その際、同じ高さ同士の制御体本体が互いに同じタイミングで起立するので、機器の前側を確実に安定した状態に支持することができ、制御体本体の起立動作を良好に行える効果が得られる。
図1において、符号10は、ベースプレート11上に設置する機器としての自動販売機Kに適用した転倒防止装置である。
この転倒防止装置10は、自動販売機Kの底面の前側に姿勢制御機構20が起伏可能に支持されている。
一対のプレート構成体12のうち、自動販売機Kの前側に配置されるプレート構成体12には、図3に示すように、姿勢制御機構20の制御体本体21A〜21Cが起立したとき、各々の制御体本体21A〜21Cと当接することで、制御体本体21A〜21Cの各々を安定した状態に起立支持するストッパー体13が取り付けられている。このストッパー体13は、前側に配置されるプレート構成体12において、各制御体本体21A〜21Cと対応する位置にそれぞれ突設されている。
まず、地面Gに自動販売機Kの幅方向に合わせてベースプレート11の一対のプレート構成体12が図1に示すように前後に置かれ、そのプレート構成体12の上に、図2に示すように予め姿勢制御機構20が底面の前側に取り付けられた自動販売機Kの脚部31を設置する。
このとき、姿勢制御機構20においては、プレート構成体12に対し自動販売機Kが設置されることで自動販売機Kが一定寸法より低い寸法となっているので、制御体本体21のそれぞれがコイルバネ22によって起立方向に回動されることで、制御体本体21の作動板21bの先端が傾斜した状態でプレート構成体12に当たったままとなり、待機状態にある。
これにより、その後、一定寸法を越えて持ち上がった自動販売機Kの前側がプレート構成体12上に落下しようとすると、起立した制御体本体21Bの下端が自動販売機Kの脚部31より先行してプレート構成体12の上に着地するので、自動販売機Kの前側がプレート構成体12上に着地した場合には、自動販売機Kの前側が後側より持ち上がり、前側から後側に傾いた状態となる。
しかも、振動が著しく大きくなり、ベースプレート11に対して姿勢制御機構20の代替脚23が伸長する程度に自動販売機Kが一定以上離間して揺れたとしても、その揺れに伴いダンパ40が同様に機能して自動販売機Kの揺れを抑えることができ、転倒防止装置としての効果をいっそう高めることができる。
つまり、ベースプレート11と自動販売機Kとの間にダンパ40が単独で介装されることで自動販売機Kの揺れを抑え、自動販売機Kが転倒するのを防止することができるので、ダンパ40のみで転倒防止機構10を構成することができ、また、従来のように設置場所の地面等にアンカーボルトを打ち込んだりすることがなくなるので、自動販売機Kの設置を簡単に行うことができると共に、騒音を発生することなく行うことができる。
前述した実施形態では、姿勢制御機構20が自動販売機Kの底面に取り付けられた例を示したが、この実施形態においては、ベースプレート11のプレート構成体12に取り付けられている。
即ち、この実施形態において、姿勢制御機構20は、例えば、高さ(長さ)が種々異なる三種類のアングルによって制御体本体21A〜21Cが形成されており、その制御体本体21A〜21Cの基部がプレート構成体12の前側に軸24によって枢着され、図示しないコイルバネによって制御体本体21A〜21Cが自動販売機Kの前側に回動するように付勢されている。これら各制御体本体21A〜21Cは、いずれもL字状となって略90°の角度で折り曲げられており、常態では、コイルバネの付勢力により、その頂部が図6の鎖線にて示すように自動販売機Kの底面に接触して待機している。図6及び図7では、高さの最も短い制御体本体21Cのみが図示され、それ以外の他の制御体本体21A及び21Bは図示省略されているが、それら制御体本体21A及び21Bも同様に自動販売機Kの底面に接触して待機している。これら制御体本体21A同士、制御体本体21B同士及び制御体本体21C同士も図示しない桿体によって互いに連結されている。
前述した実施形態では、ベースプレート11のプレート構成体12に取り付けられた姿勢制御機構20の制御体本体21A〜21Cが、略90°に折り曲げられたアングルによって構成された例を示したが、この実施形態では、図8に示すように、制御体本体21A〜21Cが鋭角の角度αをなすV字状のアングルで形成されている。図8及び図9においても、高さの最も短い制御体本体21Cのみが図示され、それ以外が省略されている。
そして、この制御体本体21A〜21Cの基部が軸24によって枢着されると共に、図示しないコイルバネによって制御体本体21A〜21Cが自動販売機Kの前側に回動するように付勢されている。これら制御体本体21A同士、制御体本体21B同士及び制御体本体21C同士も図示しない桿体によって互いに連結されている。
11 ベースプレート
12 プレート構成体
13 ストッパー体
20 姿勢制御機構
21A〜21C 制御体本体
22 コイルバネ(付勢部材)
23A〜23C 杆体
40 ダンパ
K 自動販売機(機器)
Claims (7)
- ベースプレート上に設置する機器の転倒防止装置であって、
前記ベースプレートと前記機器のいずれか一方の一部に起伏可能に支持され、
常態において倒伏していて、かつ前記ベースプレートと前記機器間が一定寸法以上離間したとき、起立して前記機器を前記一部と反対方向に傾かせる姿勢制御機構を備え、
前記姿勢制御機構は、前記ベースプレートと前記機器とのいずれか一方の前側に回動自在に支持され且つ起立したときの高さ寸法が前記一定寸法以上を越える種々の大きさからなる制御体本体と、この制御体本体の各々をそれぞれ独立的に起立方向へ付勢する付勢部材とを、前記前側の両側に少なくとも一対備えてなり、
前記制御体本体の各々は、起立したときの高さ寸法が同じもの同士が互いに桿体によって連結されていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1記載の転倒防止装置において、
前記一部は、前記機器の前側に対応する位置であることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1または2に記載の転倒防止装置において、
前記ベースプレートが前記機器の幅方向に沿う長さをなすプレート構成体からなり、該プレート構成体と前記機器とのいずれか他方の前記制御体本体と対応する位置に、前記ベースプレートと前記機器との一定寸法以上の離間によって前記制御体本体が起立したとき、該制御体本体を起立した状態に支持するストッパー体が設けられていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の転倒防止装置において、
前記制御体本体はアングルによって形成され、該アングルの一端は軸によって前記ベースプレートまたは機器のいずれか一方に回動可能に枢着されていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の転倒防止装置において、
前記ベースプレートと前記機器の後部との間に、前記機器に付与された振動を緩和するダンパが設けられていることを特徴とする転倒防止装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の転倒防止装置と、該転倒防止装置のベースプレート上に配置される機器とを備えることを特徴とする転倒防止装置を備えた機器の設置構造。
- 請求項6に記載の転倒防止装置を備えた機器の設置構造において、
前記機器は、自動販売機であることを特徴とする転倒防止装置を備えた機器の設置構造。
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