JP4806753B2 - 転倒防止装置、収納家具 - Google Patents

転倒防止装置、収納家具 Download PDF

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Description

本発明は、転倒防止装置、及びこの転倒防止装置を備えた収納家具に関するものである。
オフィス等に設置される収納家具は、通常、床面に単に載置されるだけであるため、地震等の振動によって転倒する危険性が高く、そのため、従来より、収納家具の底面部や側面部或いは天面部を、オフィスの床面や壁面或いは天井面にL字状の固定金具等で固定することにより、収納家具の転倒を防止するようにしている。なお、このような技術は現場で適宜実施されており、特許文献を明示するまでもない。また、他の転倒防止装置として、少なくとも下面部が略部分球状をなす突起部を収納家具の底面部に複数設けるとともに、この収納家具を、上面部に側断面視略椀状の凹部を有する免震台に載置し、地震等の揺れに応じて突起部を凹部内で滑動させ、免震台に対する収納家具の相対位置を適宜変位させることにより、納家家具の揺動を吸収して転倒を防止し得るものが考えられている。
しかしながら、前者(L字状の固定金具を用いた態様)の場合、オフィスの床面や壁面或いは天井面に固定金具をねじ止め等によって固定しなければならないため、床面等の損傷を避けられず、またレイアウト変更する際には固定金具を取り外す必要があり、レイアウト変更を簡単に行うことができず、しかも床面等にねじ孔等の痕跡が残り室内美観を損なうという不具合が生じる。また、固定金具を固定する対象(床面や壁面等)の強度自体が弱い場合には十分な固定強度が得られず、固定金具によって得られる作用効果が固定する対象に左右されるという問題が生じる。
一方、後者(免震台を用いた態様)の場合、免震台に対して収納家具が相対移動するものであるため、この収納家具の相対移動を確保するために、予め免震台及び収納家具を壁面からある程度離間させた位置に配置しなければならず、免震台及び収納家具と壁面との間にデッドスペースが生じる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、床面や壁面等を損傷することなく、収納家具の転倒を有効に防止することができる転倒防止装置、及びこのような転倒防止装置を備えた収納家具を提供することにある。
すなわち、本発明の転倒防止装置は、収納家具に設けられ地震等の揺れによって当該収納家具が転倒することを防止する転倒防止装置であって、地震等の揺れが始まった後に収納家具が傾倒する方向に突出する突出体を用いてなり、収納家具が所定角度傾倒した場合に前記突出体の一部を床面に接地させることにより前記収納家具の転倒を防止するものであり、前記突出体が、前記収納位置において下端部を床面から浮き上がらせてなる突出体本体と、当該突出体本体に対して突没可能な可動体とを備えたものであり、当該可動体の下端部を、前記収納位置において前記突出体本体の下端部と略同一高さ位置に位置付け且つ前記突出位置において前記突出体本体の下端部よりも下方に位置付けていることを特徴とする。
ここで、突出体が収納家具の傾倒方向に突出する態様は、突出体自体の自重によって収納家具の傾倒方向に突出する態様や、所定のリンク機構や付勢機構を利用して収納家具の傾倒方向に突出する態様が挙げられる。
このようなものであれば、従来のように収納家具を設置する場所における床面や壁面に所定の固定部材を固定する必要がなく、床面等の損傷を招来することがない。また、収納家具のレイアウト変更の際に床面等に固定した金具を取り外す必要もなく、レイアウト変更を簡単に行うことができ、しかも床面等にねじ孔等の痕跡が生じないため室内美観を損なうこともない。さらに、本願発明の転倒防止装置は収納家具自体に設けるものであるため、転倒防止装置によって得られる作用効果が床面や壁面の強度によって左右されることもなく、好適である。加えて、従来のような免震台を用いないため、免震台に対する収納家具の相対移動を一切考慮する必要がなく、収納家具を壁面に当接又は近接させた位置に配置することができ、収納家具と壁面との間にデッドスペースが生じず、省スペース化を有効に図ることができる。
特に、前記突出体が、前記収納家具に対して前記傾倒方向に突出した突出位置と、前記収納家具の側面視寸法内に略全部位が収まった収納位置との間で移動するものであり、前記突出体を前記収納位置にロックするロック部と、地震等の揺れを検知して前記ロック部による前記突出体のロック状態を解除するロック解除部とを備えたものであれば、ロック部により突出体が地震発生時以外の場合に不意に突出することを防止することができるとともに、地震発生時にはロック解除部により突出体のロック状態を解除して突出体を収納位置から突出位置へ確実に移動させることができる。また、収納位置において突出体の略全部位が収納家具の側面視寸法内に収まっているため、見栄えを損なうこともない。なお、地震を検知する態様としては、収納家具の一部が床面から浮き上がることによって感知する態様、収納家具の一部が当初当接又は近接していた壁面から離間することによって検知する態様、或いはおもりに作用する慣性を利用して感知する態様等が挙げられる。また、地震を物理的に検知する態様又は電気的に検知する態様の何れか一方又は両方を採用してもよい。
地震を検知した場合に突出体を収納位置から突出位置へ確実に移動させるには、前記突出体を前記突出位置に向かって付勢する付勢部を備え、前記ロック部が、当該付勢部の付勢力に抗して前記突出体を前記収納位置にロックするものであればよい。このようなものであれば、収納位置にロックされる突出体が突出体に向かって付勢する力を蓄積した状態となり、ロック解除部によりロック状態が解除された場合には、蓄積した付勢力の開放により突出体を突出位置へ確実に移動させることができる。
前記ロック部が、突出体に直接又は間接的に設けた第1係合部と、前記突出体から離間した位置に枢着された天秤部材の一方の回動端に設けられ且つ前記第1係合部に係合可能な第2係合部とを用いたものであり、前記ロック解除部が、前記収納家具が通常姿勢をとる場合に床面又は壁面に向かって付勢する弾性力を蓄積した状態で床面又は壁面に圧接する圧接位置と、前記収納家具が傾倒し一端部が床面又は壁面から離間した場合に前記弾性力を開放する開放位置との間で移動する移動子を用いてなり、当該移動子の前記圧接位置から前記開放位置への移動により前記天秤部材を前記第2係合部と前記第1係合部との係合状態を解除する方向へ回動させるものであれば、ロック部及びロック解除部の構造の簡略化を図れるとともに、これら各部の動作の確実性を向上させることができる。
良好なロック状態を確保するには、前記天秤部材が、前記収納家具が通常姿勢をとる場合に前記第2係合部が前記第1係合部と係合し得るように重心を偏心させたものであることが好ましい。
具体的な実施態様としては、前記収納家具が内部に収納空間を有する家具本体を備えた収納家具であり、前記突出体が、前記家具本体の外側面部における前縁部側に起立姿勢で配され、且つ地震等の揺れを利用して前記起立姿勢から傾倒姿勢に回動しながら姿勢変更するものであり、当該突出体の回動支点を前記家具本体の重心よりも上方側に設定しているものが挙げられる。つまり、家具本体が揺れる場合、家具本体の上方側と下方側との揺れ巾を比較した場合、当然のことながら下方側よりも上方側の方が大きな揺れ巾が得られることに着目し、突出体の回動支点を家具本体の重心よりも高い位置に設定することにより、多少の揺れでも突出体を起立姿勢から傾倒姿勢へ簡単且つスムーズに姿勢変更できるようにしている。一方、突出体の回動支点を家具本体の重心よりも低い位置に設定した場合には、ある程度大きな揺れが生じない限り突出体を起立姿勢から傾倒姿勢へ姿勢変更することができず、手遅れとなるという問題が生じ得る。
また、前記突出体の前記収納位置と前記突出位置との間の移動を案内するガイド部を備えたものであれば、突出体の円滑且つ的確な移動を実現することができる。
さらに、少なくとも前記突出体を備え、ユニット化していれば、既存の収納家具に取り付けることも可能であり、広い汎用性を付与することができる。
前記突出体が、前記収納位置において下端部を床面から浮き上がらせてなる突出体本体と、当該突出体本体に対して突没可能な可動体とを備えたものであり、当該可動体の下端部を、前記収納位置において前記突出体本体の下端部と略同一高さ位置に位置付け且つ前記突出位置において前記突出体本体の下端部よりも下方に位置付けるようにすれば、収納家具が傾倒した際に、突出体を床面に干渉することなくスムーズに突出位置へ移動させることができるとともに、この突出位置において可動体が突出体本体よりも優先して床面に接地するため、突出体本体から突出する可動体の寸法分だけ突出体を早く床面に接地させることができ、収納家具の傾倒をより的確に防止することができる。
また、本発明の収納家具は、上述した転倒防止装置を備えたものであることを特徴とする。このような収納家具であれば、転倒防止装置の作用効果を得ることにより、地震等の振動によって転倒する危険性を有効に低減又は解消することができる。
特に、家具本体の両外側面部にそれぞれ前記転倒防止装置を設けていれば、何れか一方の外側面部にのみ転倒防止装置を設けた態様と比較して、各突出体が受ける衝撃を分散(緩和)することができるとともに、傾倒姿勢にある収納家具自体のバランスも良くなり、転倒をより確実に防止することができる。
さらに、前記家具本体の両外側面部に設けた前記転倒防止装置の突出体の下端部同士を接続する接続部を設け、この接続部を各突出体と共に地震等の揺れを利用して家具本体が傾倒する方向に突出させ床面に接地させるようにすれば、各突出体及び接続部により接地面積を有効に稼ぐことができ、より良好な転倒防止作用を得ることができる。
以上説明したように本発明によれば、転倒防止装置の突出体を家具本体よりも優先して床面に接地させることにより収納家具の転倒を確実に防止することができるとともに、収納家具自体に転倒防止装置を設けるため、床面や壁面に所定の固定部材を固定する必要がなく、床面等を損傷する不具合を有効に解消することができる。さらに、収納家具のレイアウト変更の際に床面等に固定した金具を取り外す必要もなく、レイアウト変更を簡単に行うことができ、実用性に優れたものとなる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る転倒防止装置Sは、例えば図1に示すような収納家具Aに設けられるものである。
収納家具Aは、図1に示すように、内部に収納空間を有する家具本体Hと、収納空間を開閉し得る一対の扉Dと、地震等の揺れによって転倒することを防止する転倒防止装置Sとを備えたものである。
家具本体Hは、一対の側面部H1と、側面部H1の下端部間を連結する底面部と、側面部H1の上端部間を連結する天面部H2と、これら側面部H1、底面部及び天面部H2の後端部同士を連結する背面部とを組み付け、前方に開口した収納空間を有するものである。本実施形態では、この家具本体Hの底面部を床面Fに設置したベースBに固定している。
一対の扉Dは、共に一方の側縁部を家具本体Hに図示しないヒンジ部を介して取り付けられた回動式のものである。なお、家具本体H及び一対の扉Dは周知のものを適用し、家具本体Hの背面部がオフィス等の壁面Wに当接又は近接し得る位置にこの収納家具Aを配置している。そのため、この収納家具Aは、地震発生時には、その振動により壁面Wから離間する方向、すなわち前方に傾倒し得るものである。
しかして、この収納家具Aに、地震等の揺れによって転倒することを防止する転倒防止装置Sを設けている。
転倒防止装置Sは、図2〜図5に示すように、ベース体1と、家具本体Hに対して前記傾倒方向(すなわち前方)に突出した突出位置(2x)と、家具本体Hの側面視寸法内に収まった収納位置(2y)との間で移動する突出体2と、この突出体2を収納位置(2y)にロックするロック部3と、地震等の揺れを検知してロック部3による突出体2のロック状態を解除するロック解除部4と、突出体2を前記突出位置(2x)に向かって付勢する付勢部5と、収納位置(2y)にある突出体2の一部に当接し突出体2の収納位置(2y)を位置決めする収納位置決め部6と、突出位置(2x)にある突出体2の一部に当接し突出体2の突出位置(2x)を位置決めする突出位置決め部7と、カバー体8を備えたものである。なお、図2〜図5においては説明の便宜上、カバー体8を省略している。
ベース体1は、家具本体Hの側面部H1及びベースBの側面部を被覆し得る薄板状のものであり、上縁部、下縁部及び後縁部の略全長に亘ってそれぞれ上枠体11、下枠体12及び後枠体13を設けるとともに、前縁部の上半部側における所定部位に前枠体14を設けている。各枠体11、12、13、14はそれぞれ四角パイプ状のものであり、溶接又はビス止め等にとってベース体1に固着している。そして、各枠体11、12、13、14の近傍に所定ピッチでねじ挿通孔を形成している。
突出体2は、例えば剛性の高い素材から形成された四角パイプ状をなし、収納位置(2y)においてその前縁部をベース体1の前縁部に沿って起立させた起立姿勢をとるものである。この突出体2の長手寸法をベース体1の高さ寸法よりも小さく(本実施形態ではベース体1の高さ寸法の略8割程度)設定し、且つ収納位置(2y)においてその下端部が床面Fから所定距離離間するようにベース体1に軸着している。本実施形態では、この軸着部位(回動支点2a)を家具本体Hの重心よりも上方に設定している。そして、この回動支点2aを中心に、突出体2は、前記収納位置(2y)と、その下端部位を家具本体Hの前方へ突出させた突出位置(2x)との間で回動し得る。この突出体2の収納位置(2y)と突出位置(2x)との間の回動時に、突出体2が前枠体14又は床面Fに干渉しないように、突出体2の上端部と前枠体14との間、及び突出体2の下端部と床面Fとの間を所定距離離間させている。
ロック部3は、図6及び図7(各図は、収納家具Aの要部拡大図であり、図6は収納家具Aが通常姿勢にある場合を示す図であり、図7は収納家具Aが前方に所定角度傾倒した場合を示す図である)に示すように、一端部を突出体2の下端部近傍部位に軸着したアーム部31の他端部に設けた第1係合部31aと、前記ベース体1の後縁部近傍部位に枢着された天秤部材32の一方の回動端に設けられ且つ第1係合部31aに係合可能な第2係合部32aとを用いたものである。第1係合部31aは概略上向き鍵状をなし、第2係合部32aは概略下向き鍵状をなす。アーム部31は、略板状をなし、一端部を突出体2の下端部近傍部位から後方に突出した後方突出部21にビス等により軸着されている。一方、天秤部材32は、他方の回動端に後述する移動子41を内部に収容し得る二股状の収容部32bを設けるとともに、第2係合部32aを設けた一方の回動端に概略円柱状のおもり32cを設けている。このおもり32cにより、天秤部材32は、家具本体Hが通常姿勢をとる場合に第2係合部32aが第1係合部31aと係合する方向に重心を偏心させている。アーム部31は、レール部Rに沿って奥行き方向に沿ってスライド移動するものであり、突出体2の収納位置(2y)と突出位置(2x)との間の移動に伴ってアーム部31がスライド移動する。すなわち、これらアーム部31及びレール部Rが、突出体2の収納位置(2y)と突出位置(2x)との間の移動を案内する本発明の「ガイド部」として機能する。レール部Rは、対向する一対の起立部R1と、これら一対の起立部R1の下端部同士を接続する下端接続部R2とを一体に有するものであり、一対の起立部R1間にアーム部31を収容し得るようにしている。そして、天秤部材32の第2係合部32aが、レール部Rの一対の起立部R1間に収容されたアーム部31の第1係合部31aと係合し得るように、天秤部材32の軸着部位(回動支点321)に、ベース体1と天秤部材32との適切な離間距離を保つための介在部32d(ボス部)を設けている。なお、図6及び図7において、紙面上天秤部材32の手前側に突出する介在部32dのみを表示しているが、略同様の介在部32dを紙面上天秤部材32の奥方側に突出させて設けている。また、レール部Rは、ベース体1の下端部側に水平姿勢で設けた架材15の上面部に適宜の手段で取り付けている。本実施形態では、架材15として四角パイプ状のものを適用している。この架材15の上面部に天秤部材32の一部に当接する当接部151を設け、この当接部151に天秤部材32の一部が当接することにより天秤部材32のそれ以上第2係合部32aを第1係合部31aに係合させる方向への回動を規制するようにしている。本実施形態では、当接部151として架材15に固定したボルトを適用している。
ロック解除部4は、収納家具Aが通常姿勢をとる場合に床面Fに向かって付勢する弾性力が蓄積された状態で床面Fに圧接する圧接位置(41x)と、収納家具Aの一部が床面Fから離間した場合に前記弾性力を開放する開放位置(41y)との間で移動する移動子41を用いてなり、移動子41の圧接位置(41x)から開放位置(41y)への移動により天秤部材32を第2係合部32aと第1係合部31aとの係合状態を解除する方向へ回動させるものである。具体的に、移動子41は、略棒状をなし、圧接位置(41x)に位置付けられた場合にその下端部が床面Fに接地し、且つ上端部が天秤部材32の収容部32bよりも上方に位置する高さ寸法を有するものである。この移動子41は、架材15及び下枠体12の上面部及び下面部にそれぞれ形成した挿通孔に挿通させてなり、架材15よりも下方に位置する部位に、他の部位よりラジアル方向に延出した延出部411を設け、この延出部411と、架材15の下面部との間に移動子41を環装し得るスプリング42を介在させている。また、移動子41の上端部には、圧接位置(41x)から開放位置(41y)への移動に伴って天秤部材32の他方の回動端に設けた収容部32bを押圧する押圧部412を設けている。本実施形態では、他の部位より径寸法の大きい円盤状部材を押圧部412として適用している。このような構成を有する移動子41は、圧接位置(41x)に位置付けられている場合、延出部411と架材15の下面部との間においてスプリング42が圧縮されて床面Fに向かって付勢する弾性力を蓄積した状態となる一方、開放位置(41y)に位置付けられた場合、すなわち収納家具Aが前傾してベース体1に設けた下枠体12の後縁部又は後枠体13の下端部が床面Fから離間した場合、移動子41がスプリング42の弾性復帰力によって下方に向かって付勢され、全体的に下方に移動し、その下端部が下枠体12の下面部(ベース体1の下縁部)よりも下方に位置付けられるとともに、上端部に設けた押圧部412が天秤部材32の収容部32bを下方に押圧する。その結果、天秤部材32が、回動支点321を中心に第2係合部32aが第1係合部31aから離間する方向(図中反時計回り)に回動し、第2係合部32aと第1係合部31aとの係合状態を解除し得る(図7参照)。
付勢部5は、図2等に示すように、突出体2の上端部近傍部位に一端部を取り付け、他端部をベース体1の後縁部側に取り付け、突出体2の上端部位を奥方に引っ張る方向に付勢することにより、突出体2の下端部位を前方へ突出させ得るものである。本実施形態では、付勢部5として、一端部を突出体2の上端部近傍部位から後方に突出した後方突出部22に取り付け、且つ他端部を後枠体13に設けた前方突出部131に取り付けたスプリングを適用している。突出体2がロック部3により収納位置(2y)にロックされている場合、付勢部5(スプリング)は突出体2を突出位置(2x)に向かって付勢する弾性力を蓄積した状態で伸張しており、ロック部3が、付勢部5の付勢力に抗して突出体2を収納位置(2y)にロックしている。
収納位置決め部6は、収納位置(2y)にある突出体2の後面部が当接する位置に設けた当接部61によって構成したものである。当接部61は、ベース体1の高さ方向に沿って起立姿勢で配した四角パイプ状のものであり、その上端部が突出体2の回動支点2aと略同一高さ位置となるように設定され、且つ下端部が突出体2の後方突出部21よりも若干上方に位置付けられている。当接部61の上端部のうち少なくとも突出体2と当接する部位にアールを施し、突出体2の回転動作に支障を来たさぬようにしている。なお、当接部61の下方であって且つ突出体2の後方突出部21を挟んだ位置に、縦枠16を設けており、当接部61がこの縦枠16よりも優先して突出体2に当接し得るように設定している。
突出位置決め部7は、突出位置(2x)にある突出体2の上端部が当接する位置に設けた当接部71によって構成したものである。当接部71は、突出位置(2x)にある突出体2の傾倒角度に対応させた所定角度傾斜させた姿勢でベース体1に固着したベース部711と、ベース部711の前面部からベース部711の長手方向に対して略直交する方向に突出させてなる当接部本体712とからなり、本実施形態では、当接部本体712としてベース部に固定したボルトを適用している。
カバー体8は、前記ベース体1と略同一の側面視寸法を有する薄板状のものであり、ベース体1との間に各枠体11、12、13、14を挟み込むように所定箇所をビス止め等により着脱可能に取り付けている。このように、カバー体8を着脱可能とすることにより転倒防止装置Sのメンテナンスも容易に行うことができる。
このような各部からなる転倒防止装置Sをユニット化し、本実施形態では、この転倒防止装置Sを、家具本体Hの両外側面部H1に取り付けている。なお、転倒防止装置Sの家具本体Hへの取付は、ベース体1に形成したねじ挿通孔に挿通したねじを家具本体Hの側面部H1に緊締することにより行う。
次に、上記構成を有する転倒防止装置Sの作用について図2〜図5等を参照して説明する。
収納家具Aが安定した姿勢で床面F上に設置されている通常状態にある場合、ロック部3の第1係合部31aと第2係合部32aとが相互に係合し、突出体2が付勢部5の付勢力に抗して収納位置(2y)に位置付けられている(図2参照)。この場合、ロック解除部4を構成する移動子41は前記圧接位置(41x)に位置付けられている。
一方、地震等の揺れにより家具本体Hが壁面Wから離間する方向、即ち前方へ所定角度傾倒した場合、ベースBの後縁部(つまり、ベース体1に設けた下枠体12の後縁部又は後枠体13の下端部)が床面Fから浮き上がり、移動子41が圧接位置(41x)から前記開放位置(41y)に移動する(図3参照)。この移動子41の移動により、移動子41の押圧部412が天秤部材32の収容部32bを押圧し、その結果、天秤部材32が第2係合部32aを第1係合部31aから離間させる方向に回動し、第2係合部32aと第1係合部31aとの係合状態が解除され、引き続き、突出体2が、付勢部5に付勢されて回動支点2aを中心に回動し、突出体2のうち、回動支点2aよりも下方側の部位が家具本体Hの傾倒方向、すなわち前方に突出する突出位置(2x)に位置付けられ、家具本体Hがさらに所定角度傾倒した場合に突出体2の下端部が床面Fに接地する(図4参照)。この状態において、収納家具Aの床面Fに対する傾斜角度は略10〜15度をなし、この傾斜角度で突出体2の下端部を床面Fに接地させることにより突出体2及び回動支点2a(より具体的には回動支点2aを構成する回動支軸)に作用する負担を軽減し、収納家具Aも安定した状態となる。すなわち、前記傾斜角度よりも大きい傾斜角度で突出体2の下端部を床面Fに接地させるように設定した場合、突出体2及び回動支点2aに曲げの力が過大に作用し、これら突出体2及び回動支点2aの変形又は損傷を招来し得るものとなり、有効な突っ張り強度を得ることができず、収納家具Aを転倒させるおそれがある。一方、前記傾斜角度よりも小さい傾斜角度で突出体2の下端部を床面Fに接地させるように設定した場合には、収納家具Aの不安定さが増大し、収納家具A自体にも大きな負担が掛かるおそれがある。以上のことより、本実施形態では、収納家具Aが床面Fに対して略10〜15度傾斜した場合に突出体2の下端部が床面Fに接地し得るように設定している。なお、突出体2の下端部が床面Fに接地した反動で収納家具Aが傾倒姿勢から通常姿勢へ姿勢変更する場合もあり得る(図5参照)。その際、収納家具Aが壁面W側に傾倒し得るが、壁面Wによってそれ以上の壁面W側への傾倒動作が規制される。以上のような転倒防止装置Sの作用により収納家具Aの転倒を防止することができる。なお突出体2の圧接位置(41x)と開放位置(41y)との間の移動は、アーム部31をレール部Rに案内させることにより円滑に行われる。また、突出位置(2x)に位置付けられた突出体2は、収納家具Aを通常姿勢にした状態で、付勢部5の付勢力に抗して収納位置(2y)に向かって押し込むと、第1係合部31aと第2係合部32aとが干渉し、さらに突出体2を同一方向に向かって押し込むと、第2係合部32aが一時的な退避動を経て第1係合部31aと係合し、その結果、突出体2がロック部3により収納位置(2y)にロックされ、再利用することができる。
このように、本実施形態に係る転倒防止装置Sは、収納家具Aが所定角度傾倒した場合に、この収納家具Aが傾倒する方向に突出する突出体2の下端部を床面Fに接地させることにより収納家具Aが転倒することを防止しているため、従来のように収納家具Aに関連付けて設けた所定の固定金具を床面Fや壁面Wに固定する必要がなく、床面Fや壁面Wの損傷を招来することがない。しかも、収納家具Aのレイアウト変更の際に床面F等に固定した金具を取り外す必要もなく、レイアウト変更を簡単に行うことができる。また、転倒防止手段Sが収納家具A自体に設けられるものであるため、この転倒防止装置Sによって得られる作用効果が床面Fや壁面Wの強度によって左右されることもなく、好適である。加えて、従来のような免震台を用いないため、免震台に対する収納家具の相対移動を一切考慮する必要がなく、収納家具Aを壁面Wに当接又は近接させた位置に配置することができ、収納家具Aと壁面Wとの間にデッドスペースが生じず、省スペース化を有効に図ることができる。
特に、転倒防止装置Sが、突出体2を収納位置(2y)にロックするロック部3と、地震を検知してロック部3による突出体2のロック状態を解除するロック解除部4とを備えたものであるため、地震発生時以外の場合に突出体2が不意に突出することをロック部3によって防止するとともに、地震発生時にはロック解除部4により突出体2のロック状態を解除して突出体2を収納位置(2y)から突出位置(2x)に確実に移動させることができ、実用性に優れたものとなる。
さらに、転倒防止装置Sが、突出体2を突出位置(2x)に向かって付勢する付勢部5を備え、ロック部3が、付勢部5の付勢力に抗して突出体2を収納位置(2y)にロックするものであるため、地震を検知してロック解除部4によって突出体2のロック状態が解除された場合に、付勢部5の付勢力により突出体2を収納位置(2y)から突出位置(2x)に的確且つ迅速に移動させることができる。
ロック部3が、突出体2に関連付けて設けたアーム部31の第1係合部31aと、天秤部材32の一方の回動端に設けられ且つ第1係合部31aに係合可能な第2係合部32aとを用いたものであり、ロック解除部4が、家具本体Hが通常姿勢をとる場合に床面Fに向かって付勢する弾性力を蓄積した状態で床面Fに圧接する圧接位置(41x)と、家具本体H(ベースB)が床面Fから離間した場合に前記弾性力を開放する開放位置(41y)との間で移動する移動子41を用いてなり、この移動子41の圧接位置(41x)から開放位置(41y)への移動により天秤部材32を第2係合部32aと第1係合部31aとの係合状態を解除する方向へ回動させるものであるため、ロック部3及びロック解除部4の構造の簡略化を図りつつ、移動子41の移動を適切に行えるようにし、ロック解除部4の安定した動作を実現することができる。
加えて、天秤部材32が、収納家具Aが通常姿勢をとる場合に第2係合部32aが第1係合部31aと係合し得るように重心を偏心させたものであるため、第2係合部32aと第1係合部31aとの良好なロック状態を確保することが可能である。
また、家具本体Hの上方側と下方側との揺れ巾を比較した場合、当然のことながら下方側よりも上方側の方が大きな揺れ巾が得られることに着目し、突出体2の回動支点2aを、家具本体Hの重心よりも上方側に設定しているため、突出体2の回動支点2aを家具本体Hの重心よりも下方側に設定した場合と比較して、多少の揺れでも突出体2を起立姿勢(収納位置2y)から傾倒姿勢(突出位置2x)へ確実に姿勢変更(移動)させることができる。
さらに、転倒防止装置Sが、突出体2の収納位置(2y)と突出位置(2x)との間の移動を案内するガイド部を備えたものであるため、突出体2の円滑な移動を実現することができる。しかも、このガイド部をアーム部31とレール部材Rとから構成しているため、構造の複雑化を招来することがない。
殊に、転倒防止装置Sをユニット化しているため、既存の収納家具Aに取り付けることも可能であり、汎用性に富むものとなる。
また、本実施形態に係る収納家具Aは、家具本体Hの両外側面部11にそれぞれ転倒防止装置Sを設けているため、一方の外側面部11にのみに転倒防止装置Sを設けた態様と比較して、各突出体2が受ける衝撃を分散(緩和)することができるとともに、傾倒姿勢にある家具本体のバランスも良くなり、転倒をより確実に防止することができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、転倒防止装置の突出体が家具本体の傾倒方向に突出する態様として、突出体自体の自重を利用して収納家具の傾倒方向に突出する態様や、所定のリンク機構や付勢機構を利用して収納家具の傾倒方向に突出する態様を採用してもよい。特に、突出体自体の自重を利用した態様を採用した場合には、転倒防止装置の構造簡素化、部品点数の削減ひいてはコストの削減を有効に図ることができる。
また、突出体の収納位置と突出位置との間の移動は、前記実施形態では示した突出体を鉛直方向に回動させることにより実現していたが、これに限らず、突出体を水平方向に回動させる態様、又は突出体をスライド移動させる態様であっても構わない。また、突出体の収納位置と突出位置との間の移動は、リンク機構(パンタグラフ)等の機械的なものであってもよく、或いはアクチュエータ等を用いた電気的なものであってもよい。
また、突出体が、収納家具の側面部やベースの一部を構成するものであってもよい。すなわち、収納家具が所定角度傾倒した場合に側面部やベースの一部を収納家具の傾倒方向へ突出させ、その一部を床面に接地させることにより収納家具の転倒を防止するようにしてもよい。
上記実施形態では、一の転倒防止装置が単一の突出体を備えた態様を例示したが、一の転倒防止装置が複数の突出体を備えたものであってもよい。この場合、各突出体が全て同一方向(例えば収納家具の前方)に突出するものであってもよく、或いは各突出体がそれぞれ異なる方向(例えば一の突出体が収納家具の前方、他の突出体が収納家具の後方)に突出するものであってもよい。特に収納家具をいわゆる島型に配置した場合等、家具本体の背面部を壁面からある程度離間させて配置した場合、この収納家具は地震等の振動によって前方又は後方何れへも傾倒するおそれがある。このような場合に、後者の態様(各突出体がそれぞれ異なる方向(例えば一の突出体が収納家具の前方、他の突出体が収納家具の後方)に突出する態様)を採用すれば、収納家具の前方又は後方への転倒を有効に防止することができる。なお、収納家具が側方へ傾倒し得るものであれば、収納家具の側方に突出する突出体を備えた転倒防止装置とすればよいことはいうまでもない。
また、突出体の形状も、適宜変更しても構わない。一例として、接地面積を有効に稼ぐために突出体の下端部位を収納家具の傾倒方向に延出させたものが挙げられる。また、前記実施形態では、突出体を角パイプ状のものとしたが、丸パイプ状や中実の柱状のものであっても構わない。さらに、一の突出体を相互に関連して作動する複数の突出体要素から構成してもよい。相互に関連して作動する複数の突出体要素としては、例えば、テレスコープ状に伸縮し得るものや、収納位置において折り畳まれ且つ突出位置において最大限展開するものが挙げられる。また、突出体が、収納位置において下端部を床面から浮き上がらせてなる突出体本体と、突出体本体に対して突没可能な可動体とを備えたものであり、可動体の下端部を、収納位置において突出体本体の下端部と略同一高さ位置に位置付け且つ突出位置において突出体本体の下端部よりも下方に位置付けるようにしたものであってもよい。このようなものであれば、収納家具が傾倒した際に、突出体を床面に干渉することなくスムーズに突出位置へ移動させることができるとともに、この突出位置において可動体が突出体本体よりも優先して床面に接地するため、突出体本体から突出する可動体の寸法分だけ突出体を早く床面に接地させることができ、収納家具の傾倒をより的確に防止することができる。
さらに、ロック解除部を作動させる際の地震等の揺れを検知する態様として、収納家具の一部が床面から浮き上がることによって感知する態様の他、収納家具の一部が当初当接又は近接していた壁面から離間することによって検知する態様、或いはおもりに作用する慣性を利用して感知する態様等が挙げられる。壁面から離間することによって検知する一態様として、例えば前記実施形態に示す移動子を、鉛直方向に沿った進退動作ではなく、水平方向に沿った進退動作し得るように設定し、壁面に向かって付勢する弾性力を蓄積した状態で壁面に圧接する圧接位置と、収納家具が傾倒し一端部が壁面から離間した場合に前記弾性力を開放する開放位置との間で移動するようにしたものが挙げられる。一方、おもりに作用する慣性を利用して感知する態様を採用すれば、上述した移動子を用いる必要がなく、構造の簡略化及び部品点数の削減に資する。また、地震等の揺れを物理的に検知する態様であってもよいが、振動測定器やセンサ等を利用して電気的に検知する態様であっても構わない。
また、ロック部は、突出体を収納位置にロックするものであればよく、例えば係合爪と、この係合爪が係合可能な係合孔とから構成してもよい。その一例として、係合爪又は係合孔の何れか一方を突出体の一部に設け、他方を突出体を収納位置に位置付けた場合に突出体に設けた一方が位置する部位に設けた態様が挙げられる。また、前記実施形態では、ロック部を、突出体に関連付けて設けたアーム部の一端部に形成した第1係合部を設けた態様を示したが、第1係合部を突出体に直接設けても構わない。
また、前記実施形態では、天秤部材の重心を、収納家具が通常姿勢をとる場合に第2係合部が前記第1係合部と係合し得るように偏心させる一態様として、天秤部材の第2係合部側におもりを設けた態様を示したが、これに限らず、天秤部材の回動支点自体を第2係合部側に変位させた位置に設定することによって天秤部材の重心を偏心させてもよい。
また、単一の突出体を備えた転倒防止装置を、家具本体の両外側面部にそれぞれ設けた場合、例えば一方の転倒防止装置の突出体が収納家具の前方に突出するものであり、他方の転倒防止装置の突出体が収納家具の後方に突出するものであっても構わない。すなわち、各転倒防止装置の突出体の突出方向が、同一方向又はそれぞれ異なる方向の何れであっても構わない。
家具本体の両外側面部に設けた転倒防止装置の突出体の下端部同士を接続する接続部を設け、この接続部を各突出体と共に地震等の揺れを利用して家具本体が傾倒する方向に突出させ床面に接地させるようにしてもよい。
具体的には、図8及び図9(図8は本実施形態の一変形例に係る収納家具Aの全体概略図であり、図9は同変形例に係る収納家具Aの正面を模式的に示す図である)に示すように、2つの前記収納家具Aを水平方向に連設し、各外側面部H1に収納位置(X2y)と突出位置(X2x)との間で移動する突出体X2からなる転倒防止装置XSを設けている(なお、相互に隣接する収納家具Aの外側面部H1には単一の転倒防止装置XSを設けている)。各突出体XSは、図10に示すように、収納家具Aの前縁部側に設けられ、収納家具Aが通常姿勢にある場合に収納家具Aの側面視寸法内に納まった収納位置(X2y)と、収納家具Aが傾倒した場合に上端部近傍部位に設けた回転支点X2aを中心にその自重で回動して収納家具Aの傾倒方向に突出した突出位置(X2x)との間で移動するものである。しかして、これら各突出体X2の下端部同士を接続する接続部X9を設け、この接続部X9を各突出体X2と共に地震等の揺れを利用して家具本体Aが傾倒する方向に突出させ床面Fに接地させるようにしている。接続部X9は、ベースBの前縁部よりも前方であって且つ家具本体Aの前面部(又は扉D)における下端部と床面Fとの間に形成された間隙に設けている。そしてこの接続部X9は、各突出体X2と共に、収納位置(X9y)と突出位置(X9x)との間で移動する。
このようなものであれば、地震等の揺れによって収納家具Aが傾倒した場合に、各突出体X2及び接続部X9が収納位置(X2y)、(X9y)から突出位置(X2x)、(X9x)へ移動して各突出体X2の下端部及び接続部X9の下端部が床面Fに接地し、収納家具Aの転倒を防止することができる(図10(b)参照)。しかも、床面Fに接地する面積を各突出体X2及び接続部X9によって有効に稼ぐことができ、より良好な転倒防止作用を得ることができる。また、接続部X9により各突出体X2を同期移動させることができる。なお、この接続部X9を「地震等の揺れを利用して家具本体が傾倒する方向に突出する突出体」とみなした場合、本変形例に係る転倒防止装置は、複数の縦状突出体(突出体X2)と、これら縦状突出体を接続する横状突出体(接続部X9)とから構成したものとも言える。なお、このような接続部によって接続される突出体は、当該変形例に示したような収納位置と突出位置との間を自身の自重を利用して移動するもの以外であってもよいことはいうまでもない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る収納家具の全体概略図。 同実施形態に係る収納家具を側面を模式的に示す図。 作用説明図。 作用説明図。 作用説明図。 同実施形態に係る収納家具の要部拡大図。 同実施形態に係る収納家具の要部拡大図。 同実施形態の一変形例に係る収納家具の全体概略図。 同変形例に係る収納家具の正面を模式的に示す図。 作用説明図。
符号の説明
2、X2…突出体
2a、X2a…回動支点
(2x)(2x)…突出位置
(2y)(2y)…収納位置
3…ロック部
31a…第1係合部
32…天秤部材
32a…第2係合部
4…ロック解除部
41…移動子
(41x)…圧接位置
(41y)…開放位置
5…付勢部
A…収納家具
F…床面
H…家具本体
S、XS…転倒防止装置

Claims (11)

  1. 収納家具に設けられ地震等の揺れによって当該収納家具が転倒することを防止する転倒防止装置であって、
    地震等の揺れが始まった後に収納家具が傾倒する方向に突出する突出体を用いてなり、収納家具が所定角度傾倒した場合に前記突出体の一部を床面に接地させることにより前記収納家具の転倒を防止するものであり、
    前記突出体が、前記収納位置において下端部を床面から浮き上がらせてなる突出体本体と、当該突出体本体に対して突没可能な可動体とを備えたものであり、当該可動体の下端部を、前記収納位置において前記突出体本体の下端部と略同一高さ位置に位置付け且つ前記突出位置において前記突出体本体の下端部よりも下方に位置付けていることを特徴とする転倒防止装置。
  2. 前記突出体が、前記収納家具に対して前記傾倒方向に突出した突出位置と、前記収納家具の側面視寸法内に略全部位が収まった収納位置との間で移動するものであり、
    前記突出体を前記収納位置にロックするロック部と、地震等の揺れを検知して前記ロック部による前記突出体のロック状態を解除するロック解除部とを備えたものである請求項1記載の転倒防止装置。
  3. 前記突出体を前記突出位置に向かって付勢する付勢部を備え、前記ロック部が、当該付勢部の付勢力に抗して前記突出体を前記収納位置にロックするものである請求項2記載の転倒防止装置。
  4. 前記ロック部が、突出体に直接又は間接的に設けた第1係合部と、前記突出体から離間した位置に枢着された天秤部材の一方の回動端に設けられ且つ前記第1係合部に係合可能な第2係合部とを用いたものであり、
    前記ロック解除部が、前記収納家具が通常姿勢をとる場合に床面又は壁面に向かって付勢する弾性力を蓄積した状態で床面又は壁面に圧接する圧接位置と、前記収納家具が傾倒し一端部が床面又は壁面から離間した場合に前記弾性力を開放する開放位置との間で移動する移動子を用いてなり、当該移動子の前記圧接位置から前記開放位置への移動により前記天秤部材を前記第2係合部と前記第1係合部との係合状態を解除する方向へ回動させるものである請求項2又は3記載の転倒防止装置。
  5. 前記天秤部材の重心を、前記収納家具が通常姿勢をとる場合に前記第2係合部が前記第1係合部と係合し得るように偏心させている請求項4記載の転倒防止装置。
  6. 前記突出体が、家具本体の外側面部における前縁部側に起立姿勢で配され、且つ地震等の揺れを利用して前記起立姿勢から傾倒姿勢に回動しながら姿勢変更するものであり、当該突出体の回動支点を前記家具本体の重心よりも上方側に設定している請求項1、2、3、4又は5記載の転倒防止装置。
  7. 前記突出体の前記収納位置と前記突出位置との間の移動を案内するガイド部を備えたものである請求項2、3、4、5又は6記載の転倒防止装置。
  8. 少なくとも前記突出体を備え、ユニット化している請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の転倒防止装置。
  9. 前記請求項1、2、3、4、5、6、7または8何れか記載の転倒防止装置を設けていることを特徴とする収納家具
  10. 家具本体の両外側面部にそれぞれ前記転倒防止装置を設けている請求項9記載の収納家具。
  11. 前記家具本体の両外側面部に設けた前記転倒防止装置の突出体の下端部同士を接続する接続部を設け、この接続部を各突出体と共に地震等の揺れを利用して収納家具が傾倒する方向に突出させ床面に接地させるようにしている請求項10記載の収納家具。
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