開示の背景
(分野)
本明細書内の実施形態は、概して、プラズマ処理チャンバ内で使用するための単一リングプロセスキットに関する。
(背景技術の説明)
様々な半導体製造プロセス(とりわけ、プラズマ援用エッチング、物理蒸着、及び化学蒸着など)は、半導体ワークピースが処理中に(カバーリングとしても知られる)誘電体カラーと内部で係合されるプラズマ処理チャンバ内で実行される。例えば、ワークピース(例えば、半導体基板)をエッチングするために構成されたプラズマ処理チャンバ内で、基板は、処理チャンバ内の基板支持台上に取り付けられる。基板支持台は、処理チャンバに供給される処理ガスの混合物から形成されたプラズマを維持するためにRFバイアスを印加することができる金属電極を含む。処理チャンバ内の圧力は、チャンバからのエッチング副生成物もまた除去するポンプによって維持される。RF電源は、基板支持台内部の電極に結合され、これによってプラズマに対して負のバイアス電圧を電極上に生成する。バイアス電圧は、ワークピースに衝突するイオンを引き付け、これによって所望の製造プロセスを促進する。電極が負にバイアスされているので、基板支持台は、多くの場合、カソードと呼ばれる。
カソードは、通常、カバー及びライナーによって囲まれ、これによってイオン衝撃によるダメージからカソードを保護する。例えば、ライナーは、カソードの側壁を取り囲むために利用することができ、一方、カバーリングは、カソードの上面を覆うために利用される。基板は、典型的には、基板上に支持されながら、カバーリングの内側に配置されているので、従来のロボット機構を使用して基板支持台上へ基板を配置し、基板支持台上から基板を除去することを可能にするために、基板とカバーリングの間には、十分な公差及びギャップが必要とされる。これらのギャップは、一般的に、3.0μmを超えて維持され、これによって上述の基板の動きに適応し、これによってミスアライメントによる基板の損傷なしに、ロボット機構とのインターフェース接続を可能にする。
しかしながら、基板とカバーリングとの間のギャップは、プラズマからのフリーラジカルの移行が基板の端部の下を通過することもまた可能にする。特に、アルミニウムエッチング中に、カバーリングと基板との間のギャップは、かなりの量のフリーラジカルが、基板の裏面側に到達するのを可能にすることが見出された。フリーラジカルは、基板の端部及び裏面と相互作用し、ベベル剥離や粒子生成などの欠陥を作る。
次世代デバイス用に回路密度が増加するにつれて、クリティカルディメンジョン(例えば、相互接続、ビア、トレンチ、接点、デバイス、ゲート、及び他の構成、ならびにそれらの間に配置された誘電体材料の幅又はピッチ)は、それに応じて減少する。また、デバイスの更なるスケーリングは、製造プロセス内に導入された粒子(例えば、欠陥(例えば、ベベル剥離)由来のもの)からの影響を増大させる。より小さなデバイスでは、粒子の大きさ及び数は、デバイスの性能に対してより大きな影響を有しており、相互接続構成間のブリッジングを含むデバイスの電気的特性を不本意に変える可能性がある。したがって、粒子の量と大きさ及び関連する製造欠陥に対する公差は減少し、より大きなクリティカルディメンジョンに対してかつて許容されたカバーリングと基板との間のギャップは、より小さな次世代デバイスに対してはもはや十分良いものではなくなっている。
従来のカバーリングは、旧式の半導体製造プロセスを改善することが見出されているが、エッジ欠陥を防止する目的で、ラジカル移行を防止するための更なる改良は、次世代デバイスの製造に商業的に実行可能なデバイスの歩留まりを可能にするために必要とされる。
概要
本発明の実施形態は、本体の中心線に近接して最も近い内面と、内面と反対側の外面を有する円形リング状本体を含む単一リングを提供する。本体は、内部に形成されたスロットを有する底面と、外面に隣接する外側端部、及び中心線に向かって内面の段差まで下って延びる斜面に隣接する内側端部を有する上面を有する。本体は、段差の下の垂直面から本体の中心線に向かって延出する内面上に配置され、上で基板を支持するように構成されたリップを有する。本体は、基板と段差の垂直面の間のリップ上に約2mm未満のギャップを形成するような大きさである。
本明細書内の実施形態の上述した構成を達成し、詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、本明細書内の実施形態を参照して行う。実施形態は、添付図面に示されている。
カバーリングを有するICPプラズマ処理チャンバを示す。
図1に示されたカバーリングの上面図を示す。
図1に示されたカバーリングのための断面図を示す。
従来の幅広ギャップのカバーリングを利用したICPプラズマ処理チャンバ内でのエッチング後の基板の最端部及び裏面のエッジ欠陥を示す。
図1に示されたカバーリングを利用したICPプラズマ処理チャンバ内でのエッチング後の最端部及び裏面を示す。
実施形態の理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。
しかしながら、添付図面は本発明の例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
詳細な説明
本発明の実施形態は、プラズマエッチングプロセス後にベベルポリマー剥離が生じる可能性のある従来の基板処理を超える極限エッジ及び裏面の粒子欠陥の低減を可能にするカバーリングを提供する。有利には、カバーリングは、3.5μm技術を超えるアルミニウム(Al)ボンドパッドの厚さのエッチングを可能にする。
新たなカバーリングのデザインは、基板の最端部とリングとの間に狭いギャップを提供する。Alボンドパッドのエッチング中、狭いギャップは、ポリマー及びラジカル(すなわち、ラジカル移行)が基板の最端部及び裏面を攻撃するのを防ぐ。基板は、最初に金属膜コーティングの堆積を受ける。いくつかの金属膜コーティングの例は、(TiN/Ti/AL/Ti/TiN)とすることができる。金属膜コーティングは、リソグラフィ操作を使用して製造されたフォトレジストマスクを有する。その後、金属膜は、処理チャンバ内でエッチングされる。処理チャンバ内で使用されるカバーリングは、基板とカバーリングとの間に画定された狭いギャップ(例えば、約2mm未満から少なくとも約0.9mmまで)を有し、これによって基板の最端部の周囲でプラズマのフリーラジカルの流れを実質的に低減させる。
図1は、カバーリング130を有する例示的な処理チャンバ100を示す。例示的な処理チャンバ100は、エッチング処理チャンバとして構成され、基板から1以上の材料層を除去するのに適している。本発明から利益を得るように使用することができる処理チャンバの一例は、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.)から入手可能なAdvantEdge Mesa Etch処理チャンバである。他の製造業者からのものを含む他の処理チャンバが、本発明の実施形態を実施するために使用可能であることが理解される。
処理チャンバ100は、処理容積が内部に画定されたチャンバ本体105を含む。チャンバ本体105は、側壁112と、底部118と、それらに結合された接地シールドアセンブリ126を有する。側壁112はライナー115を有し、これによって側壁112を保護し、処理チャンバ100のメンテナンスサイクル間の時間を延ばす。チャンバ本体105及び処理チャンバ100に関連する構成要素の寸法は限定されず、一般的に、内部で処理される基板120のサイズよりも比例的に大きい。基板サイズの例としては、とりわけ、直径150mm、直径200mm、直径300mm、及び直径450mmを有する基板120が挙げられる。
チャンバ蓋アセンブリ110は、チャンバ本体105の上部に取り付けられる。チャンバ本体105は、アルミニウム又は他の適切な材料から製造することができる。基板アクセスポート113は、チャンバ本体105の側壁112を貫通して形成され、処理チャンバ100の内外への基板120の搬送を促進する。アクセスポート113は、搬送チャンバ及び/又は基板処理システムの他のチャンバ(いずれも図示せず)に結合させることができる。
ポンピングポート145は、チャンバ本体105の側壁112を貫通して形成され、排気マニホールド123を介してチャンバ容積に接続される。ポンピング装置(図示せず)が処理容積に結合され、これによって排気し、内部の圧力を制御する。ポンピング装置は、1以上のポンプ及びスロットルバルブを含むことができる。ポンピング装置及びチャンバ冷却設計は、熱予算のニーズに適した温度(例えば、約−25℃〜約+500℃)での高ベースの真空(約1×E−8Torr以下)及び低い上昇率(約1000mTorr/分)を可能にする。
ガス源160は、処理容積内に処理ガスを供給するためにチャンバ本体105に結合される。1以上の実施形態では、処理ガスは、必要に応じて、不活性ガス、非反応性ガス、及び反応性ガスを含むことができる。ガス源160によって供給可能な処理ガスの例としては、とりわけ、四フッ化炭素(CF4)、臭化水素(HBr)、アルゴンガス(Ar)、塩素(Cl2)、酸素ガス(O2)を含むが、これらに限定されない。また、ガスの組合せを、ガス源160からチャンバ本体105に供給することができる。例えば、アルミニウム(Al)含有基板をエッチングするために、HBrとO2の混合物処理容積内に供給することができる。
蓋アセンブリ110は、一般に、ノズル114を含む。ノズル114は、処理ガスをガス供給源160から処理容積内に導入するための1以上のポートを有する。処理ガスがチャンバ100内に導入された後、ガスは、プラズマを形成するように励起される。アンテナ148(例えば、1以上の誘導コイル)を、処理チャンバ100に隣接して提供することができる。アンテナ電源142は、整合回路141を介してアンテナ148に電力を供給することができ、これによってエネルギー(例えば、RFエネルギー)を処理ガスに誘導結合し、チャンバ100内の処理容積内で処理ガスから形成されたプラズマを維持する。代替的に、又はアンテナ電源142に加えて、基板120の下方のカソードと、基板120の上方のアノードを含むプロセス電極を使用して、RF電力を処理ガスに容量結合し、処理容積内でプラズマを維持することができる。電源142の動作は、チャンバ100内の他の構成要素の動作もまた制御する制御装置によって制御することができる。
基板支持台135は、処理中に基板120を保持するための静電チャック122を含むことができる。静電チャック(ESC)122は、エッチングプロセスのために基板支持台135に基板120を保持するための静電引力を用いる。ESC122は、整合回路124と統合されたRF電源125によって電力供給される。ESC122は、誘電体の中に埋め込まれた電極を含む。RF電源125は、約200ボルト〜約2000ボルトのRFチャッキング電圧を電極に供給することができる。RF電源125は、基板120のチャッキング・デチャッキング用の伝国にDC電流を向けることによって電極の動作を制御するためのシステムコントローラもまた含むことができる。ESC122は、ESC122の側壁を、プラズマをより引き付けないようにする目的のためにアイソレータ128を有する。また、基板支持台135はカソードライナー136を有し、これによってプラズマガスから基板支持台135の側壁を保護し、プラズマ処理チャンバ100のメンテナンス間の時間を延ばす。カソードライナー136及びライナー115は、セラミックス材料から形成することができる。例えば、カソードライナー136及びライナー115の両方は、イットリアから形成することができる。
ESC122は、基板120上に作製されるデバイスの熱収支によって必要とされる温度範囲内で行うように構成される。例えば、ESCは、特定の実施形態では約−25℃〜約100℃の温度に、他の実施形態では約100℃〜約200℃の温度範囲の温度に、更に他の実施形態では約200℃〜約500℃に基板120を維持するように構成することができる。冷却ベース129は、基板支持台135を保護し、基板120の温度を制御するのを助長するために提供される。
カバーリング130は、ESC122の上、かつ基板支持台135の周囲に沿って配置される。カバーリング130と内部の基板120との間には、ギャップ150が形成される。カバーリング130は、処理チャンバ100内部のプラズマ環境から基板支持台135の上面を遮蔽しながら、基板120の露出した上面の所望の部分にエッチングガス、ラジカルを閉じ込めるように構成される。基板支持台135は、処理のために上方の位置まで上昇されると、基板支持台135上に配置された基板120の外端部は、カバーリング130によって、カバーリング130に近接してその周囲で囲まれる。リフトピン(図示せず)は、基板支持台135を貫通して選択的に移動され、これによって基板支持台135の上方の基板120を持ち上げ、搬送ロボット又は他の適切な搬送機構によって基板120へのアクセスを促進する。
コントローラは、処理チャンバ100に結合することができる。コントローラは、中央処理装置(CPU)、メモリ、及びサポート回路を含むことができる。コントローラは、ガス源160から処理チャンバ100内へのガスの流れ、及び他のプロセスパラメータを調整する処理シーケンスを制御するために使用される。CPUは、工業環境で使用可能な汎用コンピュータプロセッサの任意の形態とすることができる。ソフトウェアルーチンは、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フロッピー(登録商標)又はハードディスクドライブ、又は他の形態のデジタルストレージ)内に格納することができる。サポート回路は、従来、CPUに結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等を含むことができる。ソフトウェアルーチンは、CPUによって実行されると、プロセスが本発明に従って実行されるように処理チャンバ100を制御する特定の目的のコンピュータ(コントローラ)にCPUを変換する。ソフトウェアルーチンはまた、処理チャンバ100から離れて位置する第2のコントローラ(図示せず)によって格納される及び/又は実行されてもよい。
処理中、ガスが、プラズマを形成するために処理チャンバ100内に導入され、基板120の表面をエッチングする。基板支持台135は、電源125によってバイアスされ、RFアンテナ148は、電源142によってバイアスされ、これによってガス源160によって供給される処理ガスから形成されるプラズマを維持する。プラズマからのイオンは、基板支持台135内のカソードに向けて攻撃し、基板120をエッチングする。カバーリング130は、基板支持台135の上面へのプラズマ損傷を防止しながら、プラズマ内のフリーラジカルが基板120の最端部又は下側を攻撃するのを防止する。
プラズマ処理チャンバ100内のカバーリング130の構成は、基板120の直径に固有のものである。例えば、直径200mmの基板で使用するように構成されたカバーリング130は、300mm又は450mmの直径の基板と共に使用するために構成されたカバーリング130とは異なるサイズになる。基板120とリング130との間に画定されるギャップ150は、フリーラジカルの流れを制御し、したがって、基板120上に形成される可能性のあるエッジ欠陥の量に影響を与える。基板120上のエッジ欠陥とカバーリング130との間の因果関係をより良く理解するために、カバーリング130は、図2及び図3を参照して、以下でより詳細に説明される。
図2は、カバーリング130の上面図を示す。カバーリング130は、内側端部220と外側端部エッジ240を有する上部210表面を含む単一のリング状本体200を有する。単一リング状本体200の外側端部240は、プラズマ処理チャンバ内の基板台に適合するように構成される。単一リング状本体200の内側端部220は、基板が上に載るリップ225を形成する。また、単一リング本体200は、基板の周囲に形成された平坦部に対応する平坦部250を有する。平坦部250は、平坦部250から単一リング本体200の中心まで垂直に測定した距離230である。距離230は、単一リング本体200の大きさを決定し、処理チャンバ内で処理される基板の直径に従って寸法決めされる。1以上の実施形態では、単一リング本体200は、イットリウム(Y)含有材料(例えば、バルク酸化イットリウム(Y2O3))から構成される。カバーリング本体200の材質は、腐食に対して高い耐性を提供し、これによってチャンバコンポーネントの耐用寿命を向上させるので、メンテナンス費用を低減させる。
単一リング本体200は、200mm、300mm、450mm、又は任意の考えられる大きさの基板に適合するように構成することができる。直径300mmの基板用に構成された単一リング本体200は、5.825+0.005/−0.000インチの半径方向距離230を有する。内側端部220は、11.736+0.005/−0.000インチ(295.91mm〜296.16mm)の直径を用いて説明される。外側端部240は、15.12インチ(384.05mm)の直径を用いて説明される。直径300mmの基板は、内側端部220によって形成されたリップ225の上に載る。リップ225は、内側端部220の垂直面と反対側の第2垂直面を有する。第2垂直面は、内部に直径300mmの基板を受け入れるようなサイズの円筒形の壁を形成する。
リング本体200のためのより詳細な外観を図3で見ることができる。図3は、ICPプラズマ処理チャンバ用に設計された単一リング本体200のための断面図を示す。単一リング本体200は、一般的に、セラミックス材料(例えば、イットリア)又は他の許容可能な材料から製造することができる本体200を含む。
本体200は、外側端部240と内側端部220を含む。以下の例では、単一リング本体200は、直径300mmの基板用の大きさに作られている。外側端部240と内側端部220は、向きが同心である実質的に垂直な円筒形の壁である。一方、外側底部304と上部210は、実質的に水平である。
リング本体200の内側端部220は、約11.736インチ〜11.741インチ(約295.91mm〜296.16mm)の範囲にある直径321を有する。リング本体200は、基板を上で支持するために使用される内側端部220によって形成されたリップ225を含む。リップ225の内側端部220は、約2.95mm〜約3.05mmの範囲にある高さ243を有する。リング本体200の1以上の実施形態では、直径321は約295.91mmであり、高さ343は約3.05mmである。
リップ225は、第2垂直壁303を有する。第2垂直壁303は、円筒形であり、直径322と高さ342を有する。第2垂直壁303の高さ342は、約0.054インチ(1.37mm)である。直径322は、約11.884インチ〜約11.889インチ(約301.85mm〜約301.98mm)の範囲である。直径321は、基板の直径よりも小さく、一方、直径322は、基板の直径よりも大きい。リップ225上に300mm基板が配置された場合、ギャップが基板と第2垂直壁303との間に画定される。ギャップは、約2.0mm以下である。1以上の実施形態では、300mm基板と第2垂直壁303との間のギャップは、約0.9mmである。
リング本体200は、第2リップ306を有する。第2リップは、第2垂直壁303と傾斜壁308の足部307との間に画定される。傾斜壁308の足部307は、リング本体200の中心から距離323である。距離323と第2垂直壁303の直径322との間の差は、第2リップ306の長さを画定する。1以上の実施形態では、第2リップ306の長さは、約6mmである。
傾斜壁308は、傾斜壁308と単一リング本体200の上部210との間の交点で画定される頂部309を有する。傾斜壁308は、角度360で傾斜している。傾斜角360は、基板の表面上でのプロセスの均一性を増加するように選択することができる。すなわち、角度は、基板の中心へとプラズマイオンの濃度を変えるように調整することができる。1以上の実施形態では、角度360は、約80度である。傾斜壁308の角度360が約ゼロである実施形態では、傾斜壁308は、第2リップ306と上部201の間の垂直距離として画定される垂直立ち上がり341を有することができる。1以上の実施形態では、垂直立ち上がり341は、約0.086インチ(約2.18mm)である。これは、リップ225から上部210までの距離を約0.14インチ(約3.56mm)にする。
本体200は、上部210を有する。上部210の内側部分は、傾斜壁308と交差する。上部210の外側部分は、外端部240と交点310で交わる。上部210の外端部240との交点310は、丸められる、面取りされる、ベベル加工される、角度付けされる、又はいくつかの他の種類の交わりを有することが可能である。角度360及び交点310に対する交わり方の種類は、変わる可能性のある上部210の長さを提供する。しかしながら、外端部240は、上部210の長さに対する範囲を決定する。図示のように、交点310は、上部210と外端部240の間に約0.13インチ(約3.3mm)の半径を有する。また、外端部240は、直径334を有する円筒形の壁である。リング本体200の外端部240の直径334は、約15.12インチ(約384.05mm)である。
外端部240は、上部210に交わる頂部と、本体200の外側底部304に交わる底部を有する。外側底部304は、直径333と直径334との間に位置する本体200の平坦な部分である。また、上部210と外側底部304との間の距離は、外端部240の高さ350を画定する。1以上の実施形態では、外端部240は、約0.475インチ(約12.07mm)の高さ350を有する。
直径333は、アイソレータキー305の外側部分を画定する。300mm基板と共に使用するように構成されたアイソレータキー305の直径333は、約13.785〜約13.775インチ(約350.14mm〜約349.885mm)の間とすることができる。直径332は、アイソレータキー305に対して内側部分を画定する。300mm基板と共に使用するように構成されたアイソレータキー305の直径332は、約13.045〜約13.035インチ(約331.34mm〜約331.089mm)の間とすることができる。直径332と直径333との差は、アイソレータキー305の幅である。アイソレータキー305は、単一リング本体200を正確に台の上に位置決めすることができるように、台の嵌合構造に係合するように構成される。1以上の実施形態では、プラズマ処理チャンバ内に配置された台の嵌合構造は、アイソレータキー305で単一リング本体200内にはまる。アイソレータキー305は、外側底部304と内側底部314の間に収まる。アイソレータキー305は、外側底部304から深さ351を有し、内側底部314から深さ352を有する。アイソレータキー305の大きさ及び構造は、プラズマ処理チャンバ内のアイソレータの大きさ及び形状に基づいている。1以上の実施形態では、アイソレータキー305は、約0.160インチ(約4.06mm)の深さ351と、約0.235インチ(約5.97mm)の深さ352と、約0.74インチ(約18.80mm)の幅を有する。
アイソレータキー305は、直径332で第2底部314に接触する。第2底部314は、直径332から内側へ直径331の垂直面315まで延びる。垂直面315と内側底部314が交わる交点318は、丸められる、面取りされる、ベベル加工される、角度付けされる、又はもしかしたらいくつかの他の種類の交わり方が可能である。図示されるように、交点318は丸められ、約0.04インチ(1.02mm)の半径を有する。直径331は、静電チャックにフィットするように構成され、約12.205インチ〜約12.195インチ(約310.01mm〜約309.75mm)の範囲とすることができる。1以上の実施形態では、直径331は、約12.200インチ(約309.88mm)である。
中央単一リング本体200の垂直面315は、直径331によって画定される。垂直面315は、内側底部314とリップ底部316の間に配置される。垂直面315の高さ344は、内側底部314とリップ底部316の間の垂直距離である。1以上の実施形態では、垂直面315の高さ344は、約0.292インチ(約7.42mm)である。垂直面315は、基板支持台の一部に隣接して配置される。
リップ底部316は、プラズマ処理チャンバ内に基板台の上に載っている。リップ底部316は、リップ底部316が垂直面315と交差する直径331から、リップ底部316が内端部220と交差する直径321へと延びる幅を有する。リップ底部316の幅は、直径321と直径331との間の差である。幅は、約0.235インチ〜約0.227インチ(約5.97mm〜約5.77mm)の間の範囲とすることができる。1以上の実施形態では、リップ底部316の幅は、約0.232インチ(5.89mm)である。
種々の表面のためのツーリングは、内角に対して小さな半径を残す場合がある。特に断りのない限り、0.01インチ(0.25mm)の最大値までのこのような半径は、一般的に許容される。鋭い端部は、0.01インチ(0.25mm)の半径によって破壊される場合もある。
基板と第2垂直壁303の間のギャップの最小化は、基板の最端部の周りのフリーラジカルの流れを制御する。フリーラジカルは、基板の端部に存在する欠陥の量に影響を与える。しかしながら、ギャップは、ロボットによってプラズマ処理チャンバ内のカバーリング130へ基板を挿入及びカバーリング130から基板を除去するために必要なクリアランスを提供する。1.0mm未満にギャップを小さくすることは、基板の最端部の品質の大幅な改善を示してきた。図4は、従来の単一リングデザインのICPプラズマ処理チャンバ内でエッチングした後のウェハ最端部及び裏面のエッジ欠陥を示す。図4は、従来のリングと基板との間に約3.00mmのギャップを有する従来のリングを用いてエッチングした後の300mm基板の最端部を示す。図5は、逆に、カバーリング130を備えたICPプラズマ処理チャンバ内でエッチングした後の基板120の最端部及び裏面を示す。図5に示される基板120は、300mmの直径を有し、カバーリング130と基板120との間のギャップは、約0.90mmであった。
図4は、従来の幅広ギャップのカバーリングを利用した従来のAlボンドパッドエッチング後のベベルポリマー剥離に起因する粒子欠陥を示す基板の最端部から裏面までの4つの画像を含む。上述のように、ボンドパッドエッチングに起因する粒子欠陥の低減は、基板を更なる処理のために許容可能にするのに必要な追加の製造工程を低減する。画像は、電子顕微鏡下で走査された直径300mmの基板の最端部を示す。基板の平坦面を下に向けて、第1画像410は、拡大した基板の左側の最端部を示す。ベベルポリマー剥離460は、基板の下側450に特に見られる。画像420は、同じ倍率下での(下に向けた)基板の平坦な端部を示す。画像430は、拡大した基板の端部の左側を示す。画像440は、高倍率下での基板の端部の上部(平坦面の反対側)を示す。ベベルポリマー剥離460は、基板のすべての端部に見られる。したがって、図4に示された基板は、追加の処理が許容される前に、剥離のベベルエッジをクリーニングするために追加の操作が必要となるだろう。
図5は、エッチングプロセスが上述の狭いギャップのカバーリング130を用いたことを除いて、図4に示された基板上で実行されたエッチングと同様のAlボンドパッドエッチング後の基板の4つの最端部から裏面までの画像を含む。図5の画像は、電子顕微鏡下で走査された300mmの直径を有する基板の最端部を示す。図5に示された基板は、基板とカバーリング130との間のギャップが約0.9mmであるカバーリング130を用いてエッチングされた。比較を容易にするために、図4に示されたように基板の向きを同様に変えると、第1画像510は、拡大した基板の最端部の左側を示す。ベベルポリマー剥離560は、基板の下面550上にはほぼ存在しない。画像520は、高倍率下での(下に向けた)基板の平坦な端部を示す。画像530は、高倍率下での基板の端部の左側を示す。画像540は、高倍率下での基板の上端部(平坦面と反対側)を示す。いずれの画像においても、ベベルポリマー剥離560は、ほぼ識別可能ではない。画像540は、最も見ることができるベベルポリマー剥離570を有する。しかしながら、図5の画像540を対応する図4の画像440と比較すると、画像540内に示されるベベルエッジ剥離570は、画像440内に示されるベベルエッジ剥離470に対して実質的に改善されている。基板のギャップを低減することによるベベルエッジの改善は、図5に示されるように、後続の操作の前にベベルエッジをクリーニングするための追加の操作を基板がもはや必要としないという点において実質的である。
新たな狭いギャップのカバーリングは、有利なことに、3.5μmの厚さのデバイスへ、又はそれを超えてAlボンドパッドアプリケーションのプロセスの可能性を拡張する。更に、追加のツーリングなしに基板のベベルの問題を制御することによって製造コストを下げ、設置されるプラズマ処理チャンバを本発明のカバーリングと費用効率よくレトロフィット可能にし、Alボンドパッドエッチング処理工程後のベベル洗浄の排除を可能にする新しい狭いギャップのカバーリングによって、単純なプロセスフローが実現される。こうして、新たな狭いギャップのカバーリングは、全体的な製造コストを削減しつつ、「オールインワン」エッチングを可能にする。
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。