JP2021065811A - 脱酸素剤及びその製造方法、脱酸素剤包装体、食品包装体 - Google Patents

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【課題】食品等の長期保存のために用いられる粒状の脱酸素剤に関して、酸素吸収能力の更なる向上を図り、十分な酸素吸収能力を有する脱酸素剤とその製造方法、及びこれを含む脱酸素剤包装体、食品包装体を提供すること。【解決手段】多孔質の担持体と、前記担持体に担持された酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有する酸素吸収組成物と、下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子が溶解した水溶液である結合剤と、を含む造粒物からなる脱酸素剤。【選択図】なし

Description

本発明は、脱酸素剤及びその製造方法に関する。本発明はまた、脱酸素剤を含む包装体に関する。
食品の長期保存のために、食品包装容器内に脱酸素剤が封入されることがある。
脱酸素剤とは、密閉された容器や袋の中を脱酸素状態にすることにより内容物の酸化を阻害し、カビや害虫、油脂の変質等を防ぐための薬剤であり、食品包装等に広く利用されている。
従来の一般的な脱酸素剤は、液状の酸素吸収物質が担持体とともに造粒された粒状物である(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1では、水および膨潤剤を含む脱酸素剤組成物に、疎水性の滑沢剤を混合することで見かけ密度を向上させた脱酸素剤が提示されている。
また特許文献2では、有機物を主剤とする脱酸素剤で、含侵させる物質として細孔容積および比表面積が大きいケイ酸カルシウムを用いることで、酸素吸収能力を増大させた脱酸素剤が提示されている。
また特許文献3では、グリセリンを主剤とする脱酸素剤において、t−ブチルヒドロキノンを含有することで脱酸素反応の生成を促進させ、酸素吸収能力を向上させた脱酸素剤が提示されている。
特許第4821692号公報 特開2003−144112号公報 特許第3541859号公報
しかしながら、上記のような特許文献に示された方法によっても、脱酸素剤の酸素吸収能力においては十分なものでない場合があり、更に大きな酸素吸収能力を要していた。
そこで、本発明の主な目的は、粒状の脱酸素剤に関して、酸素吸収能力の更なる向上を図り、十分な酸素吸収能力を有する脱酸素剤を提供することにある。
本発明の一側面は、多孔質の担持体と、前記担持体に担持された酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有する酸素吸収組成物と、下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子が溶解した水溶液である結合剤と、を含む造粒物からなる脱酸素剤を提供する。
本発明はまた、前記水溶性高分子の下限臨界溶液温度が、30℃〜60℃の範囲内である脱酸素剤を提供する。
本発明はまた、前記結合剤の配合量が、前記担持体の質量部100質量部に対して、20質量部〜100質量部である脱酸素剤を提供する。
本発明はまた、前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、ポリ(N−アルキルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリビニルアルキルエーテル、メチルセルロース、またはこれらの誘導体、並びに共重合体のいずれかである脱酸素剤を提供する。
本発明の別の側面は、前記脱酸素剤を製造する方法であって、
多孔質の担持体と、前記担持体に担持された酸素吸収組成物と、結合剤とを混合して混合物を成した後、該混合物から造粒物を形成する工程と、前記造粒物を加温する工程とを少なくとも備えることを特徴とする、脱酸素剤の製造方法を提供する。
本発明はまた、前記加温する工程における加温温度が40℃〜70℃の範囲内であることを特徴とする、脱酸素剤の製造方法を提供する。
本発明の別の側面は、前記脱酸素剤と、該脱酸素剤を収容した通気性包材と、を備える、脱酸素剤包装体を提供する。
本発明の別の側面は、前記脱酸素剤包装体と、該脱酸素剤包装体が封入された食品包装容器と、を備える食品包装体を提供する。
本発明によれば、脱酸素剤が、多孔質の担持体に担持された酸素吸収組成物を含み、かつ下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子の水溶液である結合剤を含む造粒物からなることにより、加温することで結合剤の結合力が弱まり、造粒物が崩壊して表面積が増加し、酸素吸収能力を向上させることができる。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る脱酸素剤は、多孔質の担持体、前記担持体に担持された酸素吸収組成物、及び下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子が溶解した水溶液である結合剤を含む造粒物からなる。以下、これらの構成について詳しく説明する。
(酸素吸収組成物)
ここで、酸素吸収組成物とは、酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有するものである。
酸素吸収組成物を担持するための担持体は、酸素吸収組成物を担持できる多孔質粒子であればよい。通常、担持体に酸素吸収組成物が含浸することで、酸素吸収物質が担持体に担持される。多孔質粒子はその体積に比して表面積が大きいため、他の粒子より多く酸素吸収物質が担持可能となる。
担持体は多孔質粒子であれば材質に制限はないが、例えば、活性炭、ゼオライト粒子、ベントナイト粒子、活性アルミナ粒子、活性白土、ケイ酸カルシウム粒子、及び珪藻土から選ばれる。
(酸素吸収物質)
酸素吸収物質を含む液剤は、常温(例えば5〜35℃)で液状の酸素吸収物質であってもよいし、液状又は固体の酸素吸収物質を含む溶液であってもよい。
酸素吸収物質は、酸素吸収組成物の主剤であり、酸素を吸収する物質である。酸素吸収物質は、例えば、それ自身が酸化することによって酸素を消費し、酸素を吸収する化合物であってもよい。本実施形態では、常温で液状、又は溶媒へ溶解した状態の酸素吸収物質を用いることができる。
このような酸素吸収物質は、例えば、グリセリン、1,2−グリコール、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の化合物である。1,2−グリコールの具体例としては、エチレングリコール、及びプロピレングリコールが挙げられる。糖アルコールの具体例としては、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、アドニトール、マンニトール、及びソルビトールが挙げられる。
液剤が酸素吸収物質の溶液であるとき、酸素吸収物質が溶解する溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール及び第3級アミルアルコール等の低級脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール及びトリメチレングリコール等のグリコール;並びにフェノールが挙げられる。酸素吸収物質としてこれらを単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
酸素吸収物質の配合量は、担持体の質量100質量部に対して、通常80〜200質量部であり、好ましくは100〜180質量部であってもよい。酸素吸収物質の量がこれらの範囲内にあると、適切な酸素吸収能力を有する脱酸素剤が得られ易い傾向がある。
酸素吸収物質は、酸素を吸収する反応に水を必要とする場合がある。このため、酸素吸収物質自身が常温で液体であっても、必要に応じて水を液剤に添加する。必要に応じて添加される水の配合量は、酸素吸収物質100質量部に対して、通常0〜80質量部であり、好ましくは20〜60質量部であってもよい。また、水の配合量は、担持体100質量部に対して、通常0〜90質量部であり、好ましくは20〜70質量部であってもよい。
(アルカリ性化合物)
酸素吸収物質が水酸基を持つ場合、水酸基をアルカリ性化合物がイオン化させることで、酸素吸収反応が活性化される。アルカリ性化合物は、水に溶解したときにアルカリ性の水溶液を形成する化合物である。
酸素吸収組成物の状態では、アルカリ性化合物の一部が酸素吸収物質を含む液剤に溶解していることが多い。アルカリ性化合物は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、第三リン酸塩、又は第二リン酸塩であってもよい。
具体的には、アルカリ性化合物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化ラジウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、及び第二リン酸カリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物であってもよい。
アルカリ性化合物の配合量は、担持体の質量100質量部に対して、通常100〜300質量部であり、150〜250質量部であってもよい。酸素吸収物質の量がこれらの範囲内にあると、適切な酸素吸収能力を有する脱酸素剤が得られ易い傾向がある。
(遷移金属化合物)
遷移金属化合物は、遷移金属元素を含む化合物であり、酸素吸収物質の酸素吸収反応を促進するために添加される。遷移金属化合物は、酸素吸収組成物の状態では、酸素吸収物
質を含む液剤に溶解していることが多い。
遷移金属元素の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、及びマンガンが挙げられる。遷移金属化合物は、例えば、遷移金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、有機酸塩、酸化物、水酸化物、又はキレート化合物であってもよい。遷移金属化合物は、遷移金属元素を含む複塩であってもよい。遷移金属化合物は、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、水酸化銅(II)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、及び塩化ニッケルからなる群より選ばれる1種以上の化合物であってもよい。
遷移金属化合物の配合量は、担持体の質量100質量部に対して、通常10〜70質量部であり、好ましくは30〜50質量部であってもよい。遷移金属化合物の量がこれらの範囲内にあると、適切な酸素吸収能力を有する脱酸素剤が得られ易い傾向がある。
(結合剤)
結合剤は、下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子の水溶液として添加される。
下限臨界溶液温度とは、溶液が特定の温度以上において2相に分離する時の温度であり、例えば水溶性から疎水性(水不溶性)に変化する温度を言う。下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子は、下限臨界溶液温度より低温では水溶性で、この温度以上では疎水性になる。
水溶性高分子の具体例としては、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ポリ(N−アルキルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリビニルアルキルエーテル、及びこれらの誘導体が挙げられる。また、前記の下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子及びその誘導体と他の高分子からなる共重合体を用いてもよい。
結合剤の配合量は、担持体の質量100質量部に対して、20〜100質量部である。結合剤の量が20質量部以下であると、結合力が不足し造粒できない可能性があり、100質量部以上であると、結合力が過剰となり流動性が失われ、造粒できなくなる傾向にある。
担持体に担持される酸素吸収組成物は、必要によりその他の物質を更に含有していてもよい。その他の物質としては、例えば、カテコール系化合物が挙げられる。その他の物質の配合量は、担持体の質量100質量部に対して、通常、30質量部以下程度である。
造粒物の粒径(最大幅)は、特に制限されないが、例えば0.3mm以上であってもよく、8.0mm以下、4.5mm以下、1.8mm以下、又は1.5mm以下であってもよい。造粒物の形状は、特に限定されないが、例えば円柱状であってもよい。円柱状の造粒物の場合、その長さは0.3mm以上であってもよく、4.5mm以下であってもよい。円柱状の造粒物の直径が、0.3mm以上であってもよく、1.8mm以下、又は1.5mm以下であってもよい。造粒物の粒径又はサイズが小さいと、より高い酸素吸収能力が得られる傾向がある。
(造粒物)
担持体、酸素吸収組成物及び結合剤から構成される造粒物は、担持体と、酸素吸収組成物及び結合剤を構成する成分とを含む混合物を造粒することにより、得ることができる。酸素吸収組成物を構成する各成分は、一括して混合してもよいし、別々に混合してもよい。
混合するための混合機は、特に限定されるものではなく、例えば、円筒型、V型等の容器回転型混合機であってもよいし、リボン型、水平スクリュー型、バドル型、遊星運動型等の容器固定型混合機であってもよい。
造粒物は、例えば、押出造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、又は圧縮造粒によって造粒することにより、得ることができる。押出造粒は、例えば、所定の開孔を有するスクリーンを用いて行うことができる。押出造粒によって得られる造粒物は、円柱状であることが多い。
前述の下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子は、一般に感温性高分子と呼ばれている。感温性高分子は、水と混合すると、下限臨界溶液温度より低い温度ではポリマー鎖が水分子と水和して溶解し、下限臨界溶液温度より高い温度では分子内又は分子間の疎水性相互作用によってポリマー鎖が凝集して不溶性となる。
感温性高分子を結合剤として含んだ造粒物を、下限臨界溶液温度以上の温度に保管すると、結合剤が不溶化し結合剤水溶液の粘度が低下することで、結合剤の結合力が弱まり造粒物が崩壊しやすくなる。その結果、造粒物の表面積が増加することで造粒物中の酸素吸収物質による酸素吸収反応が増加し、十分な反応速度を確保することができる。
このことを利用して、脱酸素剤は、例えば担持体、酸素吸収組成物及び結合剤を含む造粒物を、結合剤に含まれる水溶性高分子の下限臨界溶液温度より高温環境下で保管する工程を備える方法によって得ることができる。つまり、造粒物を加温することで造粒物強度を低下させることにより、造粒物を崩壊または造粒物に亀裂を形成することができる。
例えば、造粒物をプラスチック製袋に密封し、下限臨界溶液温度以上に設定した恒温槽に保管して、造粒物強度を低下させることができる。下限臨界溶液温度は、30〜60℃であることが好ましい。30℃より低いと、生産時の温度制御が難しく、造粒工程の段階で前記水溶性高分子が下限臨界溶液温度に達し、不溶化することにより、結合剤としての機能を発現しなくなることがある。また、60℃より高いと、加温工程において造粒物中の水分が蒸発し、酸素吸収性能の劣化に繋がる可能性がある。
(包装体)
本発明の一実施形態に係る包装体は、上記の実施形態に係る脱酸素剤と、この脱酸素剤を収容した通気性包材とから主として構成され得る。
通気性包材は、当該技術分野で通常用いられるものから適宜選択することができる。通気性包材の具体例としては、例えば有孔プラスチックフィルム、不織布、マイクロポーラスフィルム、紙又はこれらの組み合わせからなる基材によって形成された袋体が挙げられる。この脱酸素剤包装体は、例えば、各種の食品包装容器の中に収容して、食品の鮮度維持等の目的で使用することができる。
一実施形態に係る食品包装体は、上記脱酸素剤包装体と、この脱酸素剤包装体が封入された食品包装容器とを備える。食品包装容器は、食品包装の分野で通常用いられるものから適宜選択することができ、密封可能な容器が好適である。食品包装容器としては、袋体、深絞り包装体、トレイ包装体、ストレッチ包装体等が挙げられる。
以下に実施例と比較例およびそれらの結果を示す。
[1.造粒物]
まず、下記の製造条件にて造粒物を作製した。
(実施例1)
表1に示す原料を密封状態で均一に混合して、活性炭、酸素吸収組成物、及び結合剤とを含有する混合物を得た。結合剤には、下限臨界溶液温度が32℃付近であるポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAM:Sigma−Aldrich製)の10%
水溶液を用いた。得られた混合物をスクリーン孔径1.2mmφ、開孔率32.6%のスクリーンを設けた押出し造粒機により造粒し、顆粒状の造粒物からなる造粒物を得た。表1に、各原料の配合量を質量部で示す。
前記造粒物1kgをガスバリア性の袋の中に入れ密封し、40℃に設定した恒温槽に24時間静置した。
(実施例2)
結合剤に下限臨界溶液温度が60℃付近であるメチルセルロース(MC:関東化学製)の10%水溶液を用い、実施例1と同様の方法で活性炭、酸素吸収組成物、及び結合剤とを含有する混合物および造粒物を得た。表1に、各原料の配合量を質量部で示す。
前記造粒物1kgをガスバリア性の袋の中に入れ密封し、70℃に設定した恒温槽に24時間静置した。
(比較例1)
結合剤に下限臨界溶液温度を有さないカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC:関東化学製)の10%水溶液を用い、実施例1と同様の方法で活性炭、酸素吸収組成物、及び結合剤とを含有する混合物および造粒物を得た。表1に、各原料の配合量を質量部で示す。
前記造粒物1kgをガスバリア性の袋の中に入れ密封し、70℃に設定した恒温槽に24時間静置した。
Figure 2021065811
[2.ふるい粒度]
上記加温後造粒物から100g量り取り、目開き1.0mmのステンレスふるいに投入した。ふるいを自動ふるい機(ミニシフター:明治機械製)に設置し、20秒間振とうさせた。ふるいを通過した造粒物の重量を計量し、1mm以下に崩壊した造粒物の重量を得た。
以下の式に従い、その粒度を算出した。
粒度(%)= 1mm以下造粒物の重量(g)/仕込み量(g)
[3.酸素吸収能力]
上記造粒物3.0gを有孔包材によって形成された袋(縦60mm、横60mm)に収納し、脱酸素剤包装体を作製した。有効包材として、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/紙/ポリエチレンの層構成の積層材料を用いた。
この脱酸素剤包装体を、ショ糖44%水溶液を浸した脱脂綿(水分活性0.95)と共に、ガスバリア性の袋に入れた。袋を密封し、その中に空気500mLを注入し、袋を25℃の雰囲気に静置した。静置24時間後の袋内の酸素濃度を測定して、酸素吸収能力を評価した。
酸素吸収能力の評価は、24時間後の酸素濃度が1%未満で○(良)、1%以上で×(不可)とした。
[4.結果]
表2は、保管温度条件と、加温後造粒物の粒度(%)及び酸素吸収能力の評価結果を示す。これらの実施例・比較例は、酸素吸収組成物などの材料は同じであり、結合剤の成分のみが異なるが、酸素吸収能力において差があった。
実施例1及び実施例2において、感温性高分子であるメチルセルロースを結合剤に用い、下限臨界溶液温度以上の温度で保管した脱酸素剤は造粒物が崩壊しやすく、酸素濃度が1%未満で評価は〇となり、優れた酸素吸収能力を示すことが確認された。
一方、比較例1において、感温性高分子ではないカルボキシメチルセルロースナトリウムを結合剤に用いた造粒物は、加温しても造粒物の結合力は不変のため、酸素吸収能力は向上せず酸素濃度1%以上で評価は×となった。
Figure 2021065811

Claims (8)

  1. 多孔質の担持体と、前記担持体に担持された酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有する酸素吸収組成物と、下限臨界溶液温度を有する水溶性高分子が溶解した水溶液である結合剤と、を含む造粒物からなる脱酸素剤。
  2. 前記水溶性高分子の下限臨界溶液温度が、30℃〜60℃の範囲内である請求項1に記載の脱酸素剤。
  3. 前記結合剤の配合量が、前記担持体の質量部100質量部に対して、20質量部〜100質量部である請求項1または2に記載の脱酸素剤。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール、ポリ(N−アルキルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリビニルアルキルエーテル、メチルセルロース、またはこれらの誘導体、並びに共重合体のいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載の脱酸素剤。
  5. 請求項1〜4に記載の脱酸素剤を製造する方法であって、
    多孔質の担持体と、前記担持体に担持された酸素吸収組成物と、結合剤とを混合して混合物を成した後、該混合物から造粒物を形成する工程と、前記造粒物を加温する工程とを少なくとも備えることを特徴とする、脱酸素剤の製造方法。
  6. 前記加温する工程における加温温度が40℃〜70℃の範囲内であることを特徴とする、請求項5に記載の脱酸素剤の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の脱酸素剤と、該脱酸素剤を収容した通気性包材と、を備える、脱酸素剤包装体。
  8. 請求項7に記載の脱酸素剤包装体と、該脱酸素剤包装体が封入された食品包装容器と、を備える、食品包装体。
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