JP2021065468A - 電動車両、電動車両の制御方法および制御プログラム - Google Patents

電動車両、電動車両の制御方法および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】段差を検知しても使用者が段差の乗り越えを意図しない場合や、障害物に接触した場合に、段差乗り越え動作が行われることを防ぐことが可能な、電動車両を提供する。【解決手段】電動車両は、車輪を駆動させる駆動部と、使用者による段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、前記車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、前記操作検出部により前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差検出部により前記段差への接近または接触が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御する制御部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、高齢者、身体障害者、入院患者その他の歩行に制限がある者の歩行を補助するための電動車両、電動車両の制御方法および制御プログラムに関する。
従来から、高齢者の外出を補助する歩行車(シルバーカー、手押し車)や身体障害者または入院患者の歩行を補助するために歩行器その他の歩行補助装置が用いられている。例えば、特許文献1には、使用者にとって大きな負担となる操作を行うことなく前輪が段差に乗り上げるようにすることができる歩行補助装置について開示されている。
特許文献1においては、フレームと、フレームに設けられた前輪及び後輪と、前輪を後輪に対して浮き上がらせる駆動力を発生する駆動部と、駆動部に接続され、駆動部を制御する制御部とを備え、制御部は、使用者が電動車両を前進させようとしているにも関わらず、前輪が段差に衝突したと判断した際、駆動部を制御して前輪を後輪に対して浮き上がらせることを特徴とする歩行補助装置(電動車両)について開示されている。
特開2018−61819号公報
このような従来の歩行補助装置において、歩行補助装置が段差の検知を条件に段差乗り越え動作を行うように設定されている場合、歩行補助装置が段差を検知しても使用者が段差の乗り越えを意図しない場合や、歩行補助装置が障害物に接触した場合に段差乗り越え動作が行われてしまうおそれがある。
本発明の目的は、電動車両が段差を検知しても使用者が段差の乗り越えを意図しない場合や、電動車両が障害物に接触した場合に、段差乗り越え動作が行われることを防ぐことが可能な電動車両を提供することである。
本発明による電動車両は、車輪を駆動させる駆動部と、使用者による段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、前記車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、前記操作検出部により前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差検出部により前記段差への接近または接触が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明による電動車両において、前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を停止させるものであってもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を減速させるものであってもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を旋回させるものであってもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者の前段差乗り越え予備記操作は、前記電動車両を傾斜させるものであってもよい。
本発明による電動車両において、前記操作検出部は、前記電動車両の傾斜を検出してもよい。
本発明による電動車両において、前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を後退させるものであってもよい。
本発明による電動車両において、前記操作検出部は、前記電動車両の車体後方方向への移動を検出してもよい。
本発明による電動車両において、前記段差検出部は、前記電動車両に加わる力または加速度の少なくともいずれかひとつを検出してもよい。
本発明による電動車両において、前記制御部は、前記操作検出部が前記使用者の前記段差乗り越え予備操作を検出したときに前記段差検出部が前記段差への接触または接近の検出に用いる基準を変更してもよい。
本発明による電動車両は、前記制御部は、前記操作検出部が前記使用者の前記段差乗り越え予備操作を検出したときに前記段差検出部が前記段差への接触または接近があったと判定するしきい値を小さくしてもよい。
本発明による電動車両は、前記操作検出部は、前記電動車両の上部に設けられ前記使用者による加重を検出し、前記制御部は、前記操作検出部により前記加重が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御してもよい。
本発明による電動車両は、車輪を駆動させる駆動部と、使用者による電動車両を停止させる操作または減速させる段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、前記車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、前記操作検出部により前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差検出部により前記段差への接近または接触が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明による電動車両の制御方法は、使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、段差への接近または接触を検出するステップと、前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとを含んでいてもよい。
本発明による制御プログラムは、使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、段差への接近または接触を検出するステップと、前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとをコンピュータに実行させるものであってもよい。
本発明によれば、電動車両が段差を検知しても使用者が段差の乗り越えを意図しない場合や、電動車両が障害物に接触した場合に、段差乗り越え動作が行われることを防ぐことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す側面図である。 図3は、脚部検知センサを示す概略図である。 図4は、把持センサを示す概略図である。 図5は、把持センサの変形例を示す概略図である。 図6は、制御部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図7は、前輪が段差に衝突してからの時間の経過に伴う駆動力の変化を示すグラフである。 図8は、制御部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図9は、距離センサの第1の例を示した図である。 図10は、距離センサの第2の例を示した図である。 図11は、距離センサの第3の例を示した図である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す斜視図である。 図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す側面図である。 図14は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車の後輪周辺の構成を示す側面図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車の後輪周辺の構成を示す断面図(図13のXI−XI線断面図)である。 図16は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アシスト歩行車の後輪周辺の構成を示す断面斜視図である。 図17は、電動アシスト歩行車の変形例を示す概略図(通常走行時)である。 図18は、電動アシスト歩行車の変形例を示す概略図(前輪ロック時)である。 図19(a)(b)は、それぞれ本発明の第3の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す概略図である。 図20(a)(b)は、それぞれ本発明の第3の実施の形態の変形例に係る電動アシスト歩行車を示す概略図である。 図21は、本発明の第4の実施の形態に係る電動アシスト歩行車を示す斜視図である。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図21を参照しがら説明する。以下では、同一の構成要素には同一の符号を付す。それらの名称および機能は同様であるものとする。同一の符号を付された構成要素については、詳細な説明は繰り返さない。
図1および図2は、電動車両の一例として電動の歩行車(以下、電動アシスト歩行車という。)を示す図である。図1は、第1の実施の形態にかかる電動アシスト歩行車10の外観の一例を示す模式的斜視図であり、図2は図1の電動アシスト歩行車10の側面図である。
(電動アシスト歩行車の構成)
図1および図2に示すように、電動アシスト歩行車10は、フレーム11と、フレーム11に設けられた一対の前輪12及び一対の後輪13と、フレーム11に接続された一対のハンドル14(操作部)とを備えている。一対の 後輪13は、車体の幅方向に離れて2つ配置されている。同様に、一対の前輪12は、車体の幅方向に離れて2つ配置されている。以降では、主に電動車両が前輪と後輪がそれぞれ2つずつ配置されている四輪車である場合を例に説明するが、この構成は一例にしかすぎない。例えば、電動車両は、車体にひとつの前輪と、車体の幅方向に離れて2つ配置された一対の(2つの)後輪とが備えられている、三輪車であってもよい。また 、3つ以上の前輪が幅方向に離れて配置されていてもよい。
車体前方方向について最も右側に配置された前輪を右前輪、車体前方方向について最も左側に配置された前輪を左前輪とそれぞれよぶものとする。前輪は、車体の幅方向に離れて配置されている左前輪と右前輪とを含む。さらに、3つ以上の後輪が幅方向に離れて配置されていてもよい。車体前方方向について最も右側に配置された後輪を右後輪、車体前方方向について最も左側に配置された後輪を左後輪とそれぞれよぶものとする。後輪は、車体の幅方向に離れて配置されている左後輪と右後輪とを含む。すなわち、電動車両が備える車輪の数については特に問わない。したがって、電動車両は上述とは異なる数の車輪を備えていてもよい。なお、以降では、単に車輪と記載した場合、それは前輪12と後輪13の両方を含むものとする。前輪12と、後輪13は異なる反発力を有していてもよい。また、各ハンドル14には、それぞれ電動アシスト歩行車10を手動で停止させるためのブレーキユニット15が設けられている。フレーム11およびフレーム11によって支持された構造物の全体を電動アシスト歩行車10の車体とよぶものとする。
一対の後輪13には、それぞれ対応する後輪13の動きをアシストするモータ20が連結されている。なお、電動アシスト歩行車はそれぞれの前輪12に連結され、それぞれの前輪12の動きをアシストするモータを備えていてもよい。各前輪12と各後輪13がモータに連結されていてもよいし、前輪12のみがモータに連結されていてもよい。フレーム11には、バッテリ21と、制御部16とがそれぞれ取り付けられている。
また、制御部16には、加速度センサ22aと、速度センサ22bが設けられていてもよい。さらにハンドル14には、傾き検知センサ23と、把持センサ(操作力センサ)24とがそれぞれ設けられていてもよい。フレーム11上であって、一対のハンドル14よりも下方の位置には、使用者の脚部の有無を検知する脚部検知センサ25が配置されていてもよい。電動アシスト歩行車10は上述のセンサのすべてを備えていてもよいし、上述の少なくともいずれかのセンサを備えていてもよい。
次に、電動アシスト歩行車10の各構成要素について更に説明する。
フレーム11は、左右一対のパイプフレーム31と、一対のパイプフレーム31同士を横方向に連結する連結フレーム32とを有している。
左右一対のパイプフレーム31の各々の前端側には、一対の前輪12がそれぞれ設けられている。すなわち、前輪12は電動アシスト歩行車10の車体の幅方向に離れて2つ配置されている。一対の前輪12のうち、とくに図1の方向R側にあるものを右前輪、とくに図1の方向L側にあるものを右前輪と呼んで区別する。一対の前輪12は、それぞれ前後方向に回転可能であるとともに、鉛直軸周りにも回動可能となっている。
また、左右一対のパイプフレーム31の各々の後端側には、一対の後輪13がそれぞれ設けられている。一対の後輪13のうち、とくに図1の方向R側にあるものを右後輪、とくに図1の方向L側にあるものを右後輪と呼んで区別するものとする。各後輪13は、前後方向に回転可能に設けられている。このため、電動アシスト歩行車10の前進および後退を容易に行うことができる。また、左右方向に移動または方向転換(旋回)も容易に行うことができる。
また、各後輪13の外周には、機械的に接触可能なブレーキシュー33が設けられる。ブレーキシュー33は、ワイヤー35を介してブレーキユニット15のブレーキレバー34に接続されている。したがって、使用者がブレーキレバー34を手動で操作することに応じて、ブレーキシュー33が作動し、後輪13を制動する。なお、機械的なブレーキの構成については、これに限られず、その他の構成のものを用いることができる。
さらに、左右一対のパイプフレーム31の各々の後端側から転倒防止部材36が設けられていてもよい。転倒防止部材36は、電動アシスト歩行車10の一対の前輪12が路面から浮き上がって、後方に転倒することを防止するものである。
左右一対のパイプフレーム31の上端部には、それぞれ一対のハンドル14が設けられている。一対のハンドル14は、それぞれ使用者の手によって把持される。一対のハンドル14は、棒状部材41を有する。棒状部材41には、それぞれグリップ部42が設けられている。また、棒状部材41には、それぞれブレーキレバー34が取り付けられている。なお、ハンドル14の構成については、これに限られない。例えば、左右一対のパイプフレーム31をつなぐように水平方向に伸びるバーハンドルを設け、このバーハンドルに左右一対のハンドル14としてグリップ部42を設けてもよい。
本実施の形態において、モータ20として、サーボモータ、ステッピングモータ、ACモータ、DCモータなど、任意のモータを用いることができる。また、減速機と一体的に形成されたモータ20を用いてもよい。このモータ20は、後輪13の動作をアシストし、走行用に後輪13を前進方向に駆動させる。また本実施の形態において、モータ20は、前輪12を後輪13に対して持ち上げる駆動部としての役割も果たす。すなわち、モータ20(駆動部)の駆動力は、前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させる。
さらに、モータ20は、発電ブレーキとしての機能も有していてもよい。この場合、モータ20は、後輪13を制動する制動部としての役割を更に果たす。モータ20が後輪13を制動する場合、モータ20を発電機として動作させ、その抵抗力によってブレーキをかける。なお、モータ20が制動部としての役割を果たす場合、モータ20を逆向きに駆動させる逆転ブレーキとして用いてもよい。後輪13を制動する制動部はモータ20と異なる構成要素であってもよい。このような制動部の例としては、電磁ブレーキや機械的ブレーキなどが挙げられる。
なお、左右のモータ20は、制御部16によって左右のモータ20がそれぞれ独立して制御されるようになっていてもよい。ただし、車体右側の車輪と車体左側の車輪の速度や加速度に差をつける必要がない場合、制御部16は左右一体でモータ20の制御を行ってもよい。
本実施の形態において、モータ20は各後輪13(左後輪、右後輪)にそれぞれ連結されているものとする。ただし、同一のモータが一対の前輪12および一対の後輪13の全てに連結された構成を排除するものではない。また、モータ20が後輪13に連結されず、前輪12に連結された構成を用いてもよい。この場合、モータ20は前輪12を駆動する。このように、電動アシスト歩行車10は、前輪駆動型であってもよいし、後輪駆動型であってもよい。また、前輪12と後輪13の双方が駆動されてもよい。すなわち、モータ20(駆動部)は、前輪または後輪の少なくともいずれかを含む車輪を駆動させる。
制御部16は、モータ20など、電動アシスト歩行車10の全体を制御するものである。制御部16は、バッテリ21の近傍に設けられていてもよい。また、制御部16は、各種の命令またはプログラムを実行可能なプロセッサを備えていてもよい。例えば、制御部16は、電動アシスト歩行車10(電動車両)の制御プログラムによって実装されていてもよい。例えば、制御プログラムは、使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、段差への接近または接触を検出するステップと、使用者の段差乗り越え予備操作が検出されかつ段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとを含み、これらのステップをコンピュータに実行させるものであってもよい。また、制御プログラムは、後述する制御部16の各処理ステップを含んでいてよい。
また、制御部16は、例えばASIC、FPGA、PLDなどのハードウェア回路を備えていてもよい。制御部16は、記憶部16aにデータの読み書きを行うことができる。制御部16が実行する命令、プログラムまたは命令、プログラムの実行に使われるデータ、各種センサ(例えば、後述の操作検出部、段差検出部)の計測値は記憶部16aに保存される。
記憶部16aは、各種のデータを保存可能な記憶領域を提供する。記憶部16aは制御部16の近傍に設けられていてもよいし、制御部16の一部であってもよい。記憶部16aは、例えばSRAM、DRAMなどの揮発性メモリであってもよいし、NAND、MRAM、FRAMなどの不揮発性メモリでもよい。またハードディスク、SSDなどのストレージ装置や、外部の記憶装置であってもよく、デバイスの種類については特に限定しない。また、記憶部16aは複数の種類のメモリデバイスやストレージデバイスの組み合わせであってもよい。
電動アシスト歩行車10は、物理的な情報を計測するために、各種のセンサを用いることができる。以下では、各種のセンサについて説明する。
加速度センサ22aは、車体の加速度を計測する。加速度センサ22aが計測する加速度の方向については特に限定しない。計測される加速度の方向の例としては、車体の前後方向の加速度、車体の幅方向の加速度、車体の鉛直方向の加速度が挙げられる。車体の前後方向の加速度とは、図1の方向FBにおける加速度のことをいう。また、車体の幅方向の加速度とは、図1の方向Lおよび方向Rにおける加速度のことをいう。車体の鉛直方向の加速度とは、車体の前後方向および幅方向に垂直な方向の加速度のことをいう。
また、加速度センサ22aは、車体の前後方向の加速度に加えて、車体を減速させる方向への加速度の計測を行ってもよい。また、加速度センサ22aは、車体の前後方向の加速度に代わり、車体を減速させる方向への加速度の計測を行ってもよい。ここで、車体を減速させる方向への加速度とは、車体の進行方向と反対方向の加速度のことをいう。制御部16は、加速度センサ22aによって計測された加速度を取得することができる。車体に加わる加速度を計測するセンサの例としては、MEMSセンサなどが挙げられるが、どのような種類のデバイスを使ってもよい。
また、圧電センサ、ひずみゲージ、操作力センサ(例えば、グリップセンサ)などを使って電動アシスト歩行車10または電動アシスト歩行車10のいずれかの構成要素にかかる力を計測し、加速度の推定値を求めてもよい。
なお、加速度センサは電動アシスト歩行車10の各車輪の回転方向の加速度が計測してもよい。例えば、図1の加速度センサ81r〜82lは各車輪の回転方向の加速度を計測する。具体的に、加速度センサ81rは右前輪(方向R側の前輪12)の加速度を計測する。加速度センサ81lは右前輪(方向L側の前輪12)の加速度を計測する。加速度センサ82rは右後輪(方向R側の後輪13)の加速度を計測する。加速度センサ82lは右後輪(方向L側の後輪13)の加速度を計測する。
加速度センサ81r〜82lは直接、各車輪の加速度を計測してもよいし、モータ20の加速度を計測し、車輪の加速度の推定値を提供してもよい。また、車輪またはモータ20の速度を計測し、加速度の推定値を計算してもよい。また、車輪またはモータ20の時間当たりの回転数を計測し、回転数の時間微分を計算し、加速度の推定値を求めてもよい。制御部16は、加速度センサ81r〜82lによって計測された加速度を取得することができる。
速度センサ22bは、後輪13の回転数または速度を検知し、この回転数または速度の信号を制御部16に対して送信する。速度センサ22bは、例えば、制御部16の近傍に設けることができる。なお、速度センサ22bは、電動アシスト歩行車10の一対の後輪13の内部に内蔵させてもよい。あるいは、速度センサ22bは、一対の前輪12の内部にのみ内蔵させてもよいし、一対の前輪12および一対の後輪13の全てに内蔵されていてもよい。速度センサの一例として、角速度を計測するジャイロセンサが挙げられる。ジャイロセンサを用いることにより、左右のいずれの車輪が段差などの物体に衝突したのか検出することができる。
モータ20がブラシレスモータである場合は、速度センサ22bは、モータ20に内蔵されたホール素子を用いて車輪の回転数または速度、電動アシスト歩行車10の速度を算出するものであってもよい。
なお、モータ20の逆起電力から速度検出を行なうことができる場合には、この逆起電力から車輪の回転数または速度、電動アシスト歩行車10の速度を算出するように構成することができる。また、各後輪13または各前輪12の角速度検出を行なうことができる場合は、この角速度から車輪の回転数または速度、電動アシスト歩行車10の速度を算出するように構成することができる。
また、速度センサ22bは、一対の前輪12および一対の後輪13に内蔵されたものに限定されない。例えば、速度センサ22bはフレーム11、一対のハンドル14など、その他任意の部材に取り付けられていてもよい。また、加速度センサで計測された加速度を積分し、速度を計算してもよい。なお、GPS(グローバルポジショニングシステム)が用いられる場合、座標の時間当たりの変位に基づいて、速度を計算してもよい。
速度センサ22bと、加速度センサ81r〜82lとを使って車体を減速させる方向への加速度(負の加速度)を計測してもよい。まず、速度センサ22bの計測値に基づき、車体の進行方向を特定する。そして、加速度センサ81r〜82lによって計測される加速度の方向を特定する。計測された加速度の方向が、車体の進行方向と反対方向の成分を含む場合、当該成分の加速度を、車体を減速させる方向への加速度とすることができる。
傾き検知センサ23は、電動アシスト歩行車10の傾き、例えば電動アシスト歩行車10が平坦面にあるか傾斜面にあるかなどを検知し、この電動アシスト歩行車10の傾きに関する信号を制御部16に対して送信する。制御部16は、傾きセンサ23の計測値に基づいて、電動アシスト歩行車10が段差乗り越えに成功したか否かを推定してもよい。傾き検知センサ23は、電動アシスト歩行車10の上部、例えば一対のハンドル14内部に設けられている。傾き検知センサ23は電動アシスト歩行車10の車体の下部に設けることもできる。ただし、傾き検知センサ23を車体の上部に配置することで、車体の下部に配置する場合に比べ、電動アシスト歩行車10の姿勢を高精度に測定することが可能となる。なお、傾き検知センサ23として、ジャイロセンサを使ってもよい。なお、加速度センサを用いて電動アシスト歩行車10の傾きを検知してもよい。この場合、電動アシスト歩行車は必ず傾き検出専用のセンサを備えていなくてもよい。
加速度センサ22a、81r〜82l、速度センサ22b、傾き検知センサ23を後輪13に接近または接触した段差を検出する第1センサとして使うことができる。また、後述するように、距離センサを使って後輪13に接近または接触した段差を検出してもよい。距離センサの具体例については後述する。
図3は、脚部検知センサ25の一例を示す模式図である。図3に示すように、脚部検知センサ25は、連結フレーム32に設けられる。脚部検知センサ25の例としては、画像センサ、赤外線センサなどが挙げられる。脚部検知センサ25は、電動アシスト歩行車10の使用者の脚元からの距離を測定することで、脚の動作を検知することができる。
具体的には、図3の脚部検知センサ25は、範囲ARにおいて使用者の脚が動いているのか、それとも、停止しているのか、離れているのか、近づいているのか、後ろ向きになって座面37に座ろうとしているのかを判定することができる。なお、電動アシスト歩行車10は必ず脚部検知センサ25を備えていなくてもよい。
図4および図5は、把持センサ24を説明するための概略図である。
一対のハンドル14のグリップ部42には、それぞれ使用者が手で電動アシスト歩行車10を押したり引いたりする操作力(グリップ力)を検出する把持センサ24が設けられている。把持センサ24は棒状部材41に対する、押し方向および引き方向のいずれか一方または両方への移動は図示しない弾性部材(例えばバネ)によって制限されている。また。このような移動を検出するためにポテンショメータが設けられていてもよい。
上述のように、グリップ部42は、棒状部材41に対して前後方向に移動が可能である。図4および図5の矢印方向(前方向)に移動した場合には、使用者によって電動アシスト歩行車10が押されていると判定できる。図4および図5の矢印の反対方向(後方向)に移動した場合には、使用者によって電動アシスト歩行車10が引っ張られていると判定できる。いずれの方向にも移動していない場合は、上述のいずれの方向に力が加えられていないと判定できる。
上述の判定により、制御部16は使用者が電動アシスト歩行車10を前方に移動させようとしているのか、使用者が電動アシスト歩行車10を後方に移動させようとしているのか、使用者に電動アシスト歩行車10の状態を変化させる意図がないのかを認識することができる。
左右一対のハンドル14には、それぞれ別の把持センサ24が設けられている。各把持センサ24は、それぞれ独立してハンドル14に対する操作力(グリップ力)を検出する。また、各把持センサ24は、検出した操作力を制御部16に対して送信する。このため、制御部16は、使用者によって一対のハンドル14の一方のみが把持されている(片手持ち状態)か、一対のハンドル14の両方とも把持されていない(両手放し状態)か、あるいは、一対のハンドル14の両方が把持されている(両手持ち状態)かの認識することができる。
なお、図5に示すように、グリップ部42に、グリップ部42または一対のパイプフレーム31にかかるモーメントが検知できるように、ひずみセンサ38(例えばひずみゲージ)を設け、これを把持センサ24としてもよい。この場合、グリップ部42は、棒状部材41に対して固定されることになるため、構成を簡易化することができる。また、グリップ部42へ、ジョイスティック、押しボタンまたは使用者の手を検出する近接センサを設け、これを把持センサ24としてもよい。すなわち、「操作部を介して使用者が電動車両を前進させようとしている(使用者が電動車両の前進操作を行っている)と判断する」ことには、使用者が手や身体の一部で操作部を押したり引いたりすることにより、操作部に付与された使用者の操作力を検出する場合のほか、使用者の操作をジョイスティックや押しボタンなどのスイッチ手段によって検出する場合が含まれる。
制御部16は、使用者が操作部に対して所定の操作を行った場合に、前輪12の段差乗り越え動作を実行してもよい。また、操作部は、グリップセンサにかかる操作力に基づいて、使用者による段差乗り越え予備操作の有無を判定してもよい。操作の種類や、操作力の方向、操作の検出方法については特に限定しない。すなわち、操作部に対する所定の操作の有無や、所定の操作力の検出を車輪の段差乗り越え動作の前提条件としてもよい。制御部16は、これらの前提条件と、その他の段差乗り越えの条件が満たされたときに、段差乗り越え動作を行ってもよい。段差乗り越えが行われる条件の詳細については後述する。
(電動アシスト歩行車の概要)
電動アシスト歩行車10(電動車両)は、車輪を駆動させる駆動部と、使用者による段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、操作検出部により使用者の段差乗り越え予備操作が検出されかつ段差検出部により段差への接近または接触が検出されたときに車輪が段差乗り越え動作を行うように駆動部を制御する制御部とを備える。また、電動アシスト歩行車10は、車輪を駆動させる駆動部と、使用者による電動車両を停止または減速させる段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、操作検出部により使用者の段差乗り越え予備操作が検出されか段差検出部により段差への接近または接触が検出されたときに車輪が段差乗り越え動作を行うように駆動部を制御する制御部とを備えていてもよい。これにより、使用者が希望する状況において電動アシスト歩行車10に段差乗り越え動作を行わせることが可能となる。
ここで、車輪の段差乗り越え動作とは、車体の少なくともいずれかの車輪を段差の下から段差の上に乗り上げさせる動作のことをいう。ここで、車輪は、前輪12と後輪13のいずれであってもよい。上述の使用者による段差乗り越え予備操作とは、駆動部によって車輪の段差乗り越え動作が行われる条件のひとつとして検出する、使用者が行う電動アシスト歩行車への操作、または、使用者の動きのことをいう。ここで、電動アシスト歩行車への操作の内容および使用者の動きの内容については、特に限定しない。例えば、(1)段差への接近または接触が検出され、なおかつ(2)使用者による段差乗り越え予備動作が検出されたときに、車輪の段差乗り越え動作を行うことができる。段差検出部および操作検出部で使われるセンサの例については、後述する。
制御部16は、計測部の(速度または加速度の少なくともいずれかを含む)計測値に基づいて、電動アシスト歩行車が段差との接触と、使用者による停止操作、段差以外の物体との衝突を区別する。また、制御部16は、当該計測値に基づいて段差に対する電動アシスト歩行車の進行方向(段差に対する電動アシスト歩行車の角度)を推定してもよい。
制御部16は、段差との接触を検出したら、推定した段差に対する電動アシスト歩行車の進行方向(角度)に応じた段差の乗り越え動作を行ってもよい。
なお、電動アシスト歩行車(電動車両)の制御方法は、使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、段差への接近または接触を検出するステップと、使用者の段差乗り越え予備操作が検出されかつ段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとを含んでいてもよい。
電動アシスト歩行車(電動車両)の制御は、電動アシスト歩行車に搭載されたプログラム、プロセッサや電子回路などのハードウェアまたはこれらの組み合わせによって実現されていてもよい。また、電動アシスト歩行車は外部からの無線信号を受信し、外部の制御装置(情報処理装置)から送信された制御信号に基づいて制御されてもよい。
(本実施の形態の作用)
次に、上述の構成を備えた本実施の形態の作用について説明する。図6は、制御部16の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
はじめに、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進操作中に、前輪12が段差に接触したか否かを判断する。この場合、まず制御部16は、左右一対のハンドル14にそれぞれ設けられた把持センサ24からで検知される信号に基づいて、左右一対のハンドル14が、一定時間以上(例えば1秒以上)一定以上の力で押されているか否かを判断する(ステップS101)。
なお、制御部16は、操作力の値(絶対値)に加え、操作力の変化の値(絶対値)を合わせて用いることにより、ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されているか否かを判定してもよい。この場合、ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されているか否かをより高い精度で判定することができる。例えば、操作力の絶対値が所定値以下であり、かつ操作力の変化(操作力の微分値)の絶対値が所定値以下である場合に、当該ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されていないと判定し、それ以外の場合に、当該ハンドル14が使用者の手によって一定以上の力で押されていると判定してもよい。また、操作力および操作力の変化が、各所定値で区切られた長方形の数値範囲に内接する楕円領域内にある場合、当該ハンドル14が使用者の手によって把持されていないと判定してもよい。この場合、さらに高い精度での判定を行うことができる。
ここで、一対のハンドル14が一定以上の力で押されていない場合(ステップS101のNO)、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていないと判断し、以下の制御を行わない。この場合、制御部16は、モータ20を発電ブレーキとして用いることにより後輪13を制動してもよい。
一方、一対のハンドル14が一定時間以上一定以上の力で押されている場合(ステップS101のYES)、制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。続いて制御部16は、前輪12が段差に衝突したか否かを判定する(ステップS102)。
具体的には、速度センサ22bが後輪13の回転数または速度を検知し、この回転数または速度の信号を制御部16に対して送信する。制御部16は、この送信された信号に基づき後輪13の速度を算出し、この速度とあらかじめ定められた所定の速度(しきい値)Vとを比較する。
仮に後輪13が駆動している場合、すなわち後輪13が所定の速度Vを上回る速度で動いている場合(ステップS102のYES)、制御部16は、電動アシスト歩行車10が通常の状態で走行していると判断し、モータ20によって後輪13の動きをアシストし続ける。
一方、後輪13の回転が停止し、速度が0である(電動アシスト歩行車10の移動が停止している)場合、またはあらかじめ定められた所定の速度V以下で動いている(電動アシスト歩行車10の走行速度が一定以下である)場合(ステップS102のNO)、制御部16は、計測部の(速度または加速度の少なくともいずれかを含む)計測値に基づいて、電動アシスト歩行車10が段差と接触したのか、それとも使用者による停止操作、段差以外の物体との接触などその他のイベントのいずれかが発生したのかを推定する。
また、制御部16は、電動アシスト歩行車10が段差と接触したと判定した場合(ステップS103のYES)、制御部16は、速度または加速度の少なくともいずれかを含む計測値に基づいて段差に対する電動アシスト歩行車10の進行方向(角度)を推定する(ステップS104)。そして、推定した段差に対する電動アシスト歩行車10の進行方向(角度)に応じた段差の乗り越え動作を行う(ステップS105)。段差の乗り越え動作の例としては、車体の旋回、前輪12に連結された駆動部によるアシスト、車体の旋回と前輪12に連結された駆動部によるアシストの組み合わせが挙げられる。段差の乗り越え動作は、前輪12を持ち上げる動作を含んでいてもよい。
なお、制御部16は、段差に対する電動アシスト歩行車10の進行方向を推定する処理(ステップS104)を省略してもよい。以下では、前輪12を持ち上げる動作の例について述べる。
前輪を持ち上げる動作を行う場合、制御部16は、モータ20(駆動部)を制御して、例えばハンドル14を押す力(ハンドル14に加わる操作力)に応じてモータ20の駆動力を増減させる。前輪12が段差に衝突しており、電動アシスト歩行車10が前進できないため、後輪13の前進方向の駆動力は電動アシスト歩行車10に前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させる。このため、前輪12を後輪13に対して持ち上げることが可能となる。
制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしている(前進操作を意図している)と判断する際、上記のように、ハンドル14が押されている時間と力とを用いることにより、使用者が前進しようとしていることを的確に判断し、使用者の意図と異なる判断を避けることができる。これにより、使用者は電動アシスト歩行車10をより安心して使用できる。この判断の際、ハンドル14が押されている力のみを用いることもできる。例えば、ハンドル14が一定以上の力で押された場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしていると判断する。この場合、制御部16は、使用者が前進しようとしていることを早く判断し、使用者は歩行速度を大きく下げることなく前輪12を持ち上げることができる。
なお、制御部16は、前輪12が段差に衝突したか否かを判断する際、後輪13の速度に加え、後輪13の加速度を合わせて用いてもよい。これにより、電動アシスト歩行車10が移動しているか否かをより高い精度で判定することができる。例えば、後輪13の速度が所定の速度V以下であり、かつ後輪13の加速度が所定の加速度以下である場合、電動アシスト歩行車10が段差に衝突したと判定し、それ以外の場合に、電動アシスト歩行車10が段差に衝突していないと判定してもよい。
あるいは、制御部16は、後輪13の速度が0に近い所定の速度V以下であり、かつ電動アシスト歩行車10の減速度(負の加速度)、すなわち後輪13の減速度(負の加速度)が所定のしきい値(しきい値)以上である場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしている(前進操作を意図している)にも関わらず前輪12が段差に衝突した、と判定してもよい。すなわち、後輪13の速度が0に近い値となるとともに後輪13の減速度が一定値以上となった場合、前輪12が段差に衝突して急停止したと考えられる。この場合、必ずしも把持センサ24からの情報を用いなくても、前輪12が段差に衝突したと判断することができる。このため、電動アシスト歩行車10は必ず把持センサ24を備えていなくてもよい。なお、減速度は、負の加速度であり、電動アシスト歩行車10が減速している場合にはその値が正となり、電動アシスト歩行車10が加速している場合にはその値が負となる。
また、制御部16は、一対のハンドル14が一定時間以上一定以上の力で押され、かつ後輪13の減速度(負の加速度)が所定のしきい値以上である場合、使用者が電動アシスト歩行車10を前進させようとしている(前進操作を意図している)にも関わらず前輪12が段差に衝突した、と判定してもよい。これにより、電動アシスト歩行車10が移動しているか否かを高い精度で判定することができる。なお、一対のハンドル14が一定時間以上一定以上の力で押されているか否かは、上述のように、把持センサ24からの検知信号に基づいて判断することができる。
段差が比較的に低い場合、上述の後輪13の駆動力によって前輪12が持ち上がり、前輪12は段差に乗り上げることができる。ここで前輪12が持ち上がらない場合、続いて使用者は、ハンドル14を押す力を弱める。この際、電動アシスト歩行車10に前輪12を押し下げる方向のモーメント(前輪12の持ち上がりに対抗するモーメント)が減少する。制御部16は、後輪13の前進方向の駆動力を一定以上維持して後輪13を前方に駆動させる(図7参照)。これにより、前輪12を持ち上げる方向のモーメントが増大し、前輪12を持ち上げるように作用する。
これでも前輪12が持ち上がらない場合、続いて、使用者は、ハンドル14を後方に引く操作を行う。このとき、ハンドル14を後方に引く力が、後輪13を軸として前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させ、後輪13の駆動力と合わせて、前輪12を持ち上げるように作用する。このように、モータ20からの操作力に加え、使用者が操作ハンドル14を操作することにより、電動アシスト歩行車10に前輪12を持ち上げる方向のモーメントを発生させ(図2の矢印M参照)、前輪12をより確実に持ち上げる(電動アシスト歩行車10をウィリーさせる)ことができる。なお、使用者がハンドル14を後方に引く操作に代えて、使用者が、後輪13の回転軸の後方に固定された図示されていないペダルを踏むことにより、前輪12を持ち上げるようにしてもよい。
このとき、前輪12が後輪13に対して持ち上がることに伴い、前輪12と段差との間に隙間が発生する。後輪13が前進方向に駆動しているため、この隙間を埋めるように電動アシスト歩行車10が前進し、前輪12を段差の上面に接触させることができる。これにより、前輪12はスムーズに段差の上に乗り上げることができる。
制御部16は、前輪12を持ち上がらせた後、後輪13の前進方向の駆動力を第1の減少量で徐々に低減させる。この場合、前輪12が段差を乗り越えた後に後輪13が加速しすぎないため、前輪12が段差をスムーズに乗り越えることができる。駆動力の低減を開始するタイミングは、制御部16が前輪12を持ち上がらせるために駆動部を制御するときの所定の条件(使用者が電動アシスト歩行車10の前進操作を意図しているときに前輪12が段差に衝突したと判定される条件)を満たさなくなったときに設定することができる。例えば、ハンドル14が一定以上の力で押されなくなったとき(使用者がハンドル14を押す力を弱めたとき、またはハンドル14を後方に引いたとき)、または後輪13が前進方向に一定速度以上で回転したときとしてもよい。
その後、使用者は、前輪12を後輪13に対して持ち上がらせた状態で、一対のハンドル14を押す。これにより、電動アシスト歩行車10を前進させ、前輪12は段差を乗り越えることができる。
このように、使用者がハンドル14を後方に引っ張る操作を行うことにより、後輪13周りのモーメントを生じさせることができるので、モータ20の駆動力とあわせて、前輪12を容易に持ち上げることができる。このため、使用者は電動アシスト歩行車10を持ち上げることなく、前輪12が段差を容易に乗り越えることができる。なお、上述したように、段差が低い場合など、使用者によるハンドル14を後方に引く操作を伴わずに、モータ20(駆動部)の駆動力の増加のみによって前輪12を持ち上げてもよい。
前輪12が段差を乗り越えた後もモータ20の出力が増加したままであると、電動アシスト歩行車10が加速しすぎるおそれがある。このため、前輪12を後輪13に対して持ち上げた後、以下の条件(1)〜(3)のいずれかを満たした場合、制御部16は、前輪12が段差を乗り越えたと判断し、これ以上電動アシスト歩行車10が加速しないようにしてもよい。この場合、制御部16は、モータ20を制御して、モータ20による後輪13の駆動力の減少量をより大きくする。具体的には、後輪13の前進方向への駆動力の減少量を、上述した第1の減少量よりも大きい第2の減少量とする(図7の二点鎖線参照)。あるいは、制御部16は、後輪13の前進方向の駆動力をゼロにしてもよい。
(1)傾き検知センサ23によって検知された電動アシスト歩行車10の傾斜角度が、一定の値以上となった場合(前輪12が段差を上ると電動アシスト歩行車10が傾くため)。
(2)速度センサ22bによって検知された後輪13の回転速度が、所定の条件を満たした場合。例えば、後輪13の回転速度が一定値以上となった場合(前輪12が段差を越えた瞬間に後輪13の速度が上昇するため。また、後輪13が空回りした場合には後輪13の回転速度が上昇するため)。
(3)脚部検知センサ25によって検知された使用者と電動アシスト歩行車10との距離が、一定の値以上となった場合(前輪12が段差を越えた瞬間に後輪13の速度が上昇し、電動アシスト歩行車10が使用者から離れるため)。
なお、使用者が電動車両を前進させようとしている(前進操作を意図している)と判断する際は、上記手法に限らず、例えば、(i)前輪12または後輪13の回転量、(ii)電動アシスト歩行車10に設けられたひずみゲージからの出力、(iii)前輪12または後輪13のタイヤの空気圧、(iv)電動アシスト歩行車10の前後方向の加速度、(v)ハンドル14などに設けられた圧力センサからの出力、(vi)ハンドル14などに設けられた筋電センサからの出力、および(vii)使用者の足の動きなどから選択される要素の1つまたは複数を考慮してもよい。
(段差乗り越えにおける使用者の操作検出)
上述のように、使用者が何らかの操作を行ったことを段差モードが有効化されるための条件にすることができる。以下では、段差乗り越えにおける使用者の操作検出の詳細について説明する。
操作検出部は、使用者による電動アシスト歩行車10(電動車両)の段差乗り越え予備操作を検出する。操作検出部は、使用者の各種の操作を検出するのに用いられるセンサを含む。後述するようにセンサの種類は、検出される操作、操作を検出する方法(例えば、直接的な操作の検出、操作によって生じた物理的な変化の検出など)によって異なる。
操作検出部によって検出される段差乗り越え予備操作の一種として、電動アシスト歩行車10の物理的な運動状態を変更させる操作が挙げられる。このような種類の段差乗り越え予備操作の例には、電動アシスト歩行車10を停止させる操作、電動アシスト歩行車10を減速させる操作、電動アシスト歩行車10を旋回させる操作、電動アシスト歩行車10を傾斜させる操作、電動アシスト歩行車10を後退させる操作などがあるが、その他の操作であってもよい。使用者が明示的な物理的な操作を行うことを段差乗り越え動作の実行条件に含めることによって、電動アシスト歩行車10の安全な段差乗り越え動作を実現することができる。また、操作検出部は、電動アシスト歩行車10の設計/仕様で定められた種類の段差乗り越え予備操作を検出してもよい。このような種類の段差乗り越え予備操作の例には、使用者の腕の動き、使用者の足の動き、操作部に加えられる力、操作部における所定の認識、操作部の把持状態、電動アシスト歩行車10の傾斜などが挙げられる。電動アシスト歩行車10の傾斜を検出することにより、電動アシスト歩行車10の物理的な状態を考慮して、電動アシスト歩行車10の安全な段差乗り越え動作を実現することができる。ここで、操作部は、ハンドル14、把持センサ24、押しボタン、スイッチ、ジョイスティック、音声認識装置など、使用者が何らかの入力を行う方法を提供するあらゆるデバイス/装置を含む。
設計/仕様で定められた使用者の腕の動きの例としては、”肘を支点に手首を少し上げるようにする”動作、“肘または上腕を使って電動アシスト歩行車10の上部に体重をかける”動作が挙げられる。例えば、使用者は電動車両上部に設けられたハンドル14やパッドに体重をかけることができる。これにより、使用者は、複雑な動きをすることなく、段差乗り越えを行うことができる。設計/仕様で定められた種類の操作の方法は、操作マニュアルや電動アシスト歩行車10のいずれかの部位に表示されていてもよい。
操作検出部は、電動アシスト歩行車10(電動車両)の上部に設けられ、使用者による加重を検出し、制御部は、操作検出部により加重が検出されたときに車輪が段差乗り越え動作を行うように駆動部を制御してもよい。この場合、使用者は複雑な動きをしなくても、段差乗り越え予備操作に相当する操作を行うことができる。例えば、ハンドル14またはパッドに操作検出部を配置することができる。ただし、使用者による加重を検出する操作検出部はその他の位置に設けられていてもよい。使用者による加重を検出する操作検出部の例としては、荷重センサ、圧力センサ、ロードセルまたは、ひずみゲージなどが挙げられる。また、その他の種類のセンサが用いられていてもよい。制御部16は、操作検出部により加重が検出されたときに、段差モードを有効化し、駆動部を制御することができる。
操作検出部は、使用者の操作を、直接操作部において検出(直接検出)してもよい。また、操作検出部は、使用者の操作の結果生じた物理的な変化を、電動アシスト歩行車10のいずれかの部位にあるセンサによって検出(間接検出)してもよい。
例えば、制御部16は使用者による停止操作の検出を段差モードが有効化されるための条件としてもよい。使用者は段差の存在を認識したら、段差を確認するために立ち止まり、一時電動アシスト歩行車10を停止させようとすることが多い。停止操作は、操作部に対する明示的な操作であってもよいし、使用者による所定の動作/姿勢が検出されることをもって行われる操作であってもよい。前者の操作は、例えばハンドル14(操作部)の把持センサ24における電動アシスト歩行車10の進行方向反対側または、電動アシスト歩行車10の車体後方側への力を監視することによって直接検出することができる。ここで、速度センサ22bを使って電動アシスト歩行車10の進行方向を特定することが可能である。また、ブレーキレバー34に力が加えられ、ブレーキシュー33が作動した場合に、前者の操作を検出してもよい。使用者ブレーキレバー34を引くのをやめたら、ブレーキ制御が終了するため、上述の条件(A−2)に該当しなくなり、段差モードへの遷移が可能となる。
また、前者の操作は、例えば速度センサ22bにおける速度が0またはしきい値以下であることを基準に、間接検出することもできる。後者の操作は、例えば脚部検知センサ25で一定期間計測されたデータに基づき、使用者の歩行が停止していると判定された場合に検出することができる。上述の検出方法は例しかすぎない。したがって、これらとは異なる方法で使用者による停止操作を検出してもよい。
例えば、制御部16は使用者による減速操作の検出を段差モードが有効化されるための条件としてもよい。使用者は普段から慣れた道で段差の存在を認識した場合、立ち止まらず、電動アシスト歩行車10の走行を継続しつつ減速することがある。また、使用者は段差の存在を認識し、立ち止まることを意図していても、体の動きや歩行が完全に停止していないこともある。したがって、使用者の減速操作が検出されたら、段差の乗り越え動作が行えるようにしてもよい。減速操作も、操作部に対する明示的な操作であってもよいし、使用者による所定の動作/姿勢が検出されることをもって行われる操作であってもよい。前者の操作は、例えばハンドル14(操作部)の把持センサ24における電動アシスト歩行車10の進行方向反対側または、電動アシスト歩行車10の車体後方側への力を監視することによって直接検出することができる。また、ブレーキレバー34に力が加えられ、ブレーキシュー33が作動した場合に、前者の操作を検出してもよい。使用者ブレーキレバー34を引くのをやめたら、ブレーキ制御が終了するため、上述の条件(A−2)に該当しなくなり、段差モードへの遷移が可能となる。
また、前者の操作は、例えば速度センサ22bにおける速度がしきい値以下であることを基準に、間接検出することもできる。この場合、しきい値として停止操作を検出する場合と比べて大きい値を使うことができる。後者の操作は、例えば脚部検知センサ25で一定期間計測されたデータに基づき、使用者の脚の動きが遅くなっているか、動きの幅が小さくなっていると判定された場合に検出することができる。上述の検出方法は例しかすぎない。したがって、これらとは異なる方法で使用者による減速操作を検出してもよい。
例えば、制御部16は使用者による旋回操作の検出を段差モードが有効化されるための条件としてもよい。使用者が段差の乗り越えを行う場面を想定すると、車道を横断し歩道に移る場面、歩道から店舗など建物の敷居を乗り越える場面など、電動アシスト歩行車10の方向転換すなわち車体の旋回がその他の動作に伴って行われることもある。また、使用者が坂道において段差の存在を認識したら、自重によって電動アシスト歩行車10が移動しないよう、車体を旋回させる場合もある。なお、段差乗り越えは必ず車体の旋回を伴うとは限らないため、旋回操作の検出とその他の操作の検出を条件に、段差モードを有効化してもよい。例えば、減速操作が検出された後に旋回操作が検出された場合、制御部16は段差モードに遷移してもよい。
旋回操作は、操作部に対する明示的な操作であってもよい。例えば、左右両側のハンドル14(操作部)の把持センサ24において検出されるグリップ力の差がしきい値以上であることを基準に旋回操作を直接検出することができる。また、車体左右両側の加速度センサ81r〜82lにおいて、計測される加速度の差がしきい値より大きくなったら、旋回操作を間接検出してもよい。また、その他の方法によって使用者による旋回操作を検出してもよい。
以下では、操作検出部が使用者の操作の結果生じた物理的な変化を、電動アシスト歩行車10のいずれかの部位にあるセンサによって検出する例について説明する。
操作検出部は、電動アシスト歩行車10(電動車両)の傾斜を検出することができる。例えば、操作検出部は、電動アシスト歩行車10の傾斜を計測することによって使用者による電動車両への操作を検出してもよい。操作検出部は、上述の傾き検知センサ23を使うことによって電動アシスト歩行車10の傾斜を計測してもよい。また、操作検出部は加速度センサ22a、81r〜82lなどその他のセンサによって傾斜を計測してもよい。制御部16は、計測された傾斜に基づいて使用者が電動アシスト歩行車10への操作を行ったか否かを判定する。そして、制御部16は操作が行われたと判定した場合、駆動部を制御し、車輪の段差乗り越え動作を行うことができる。
例えば、段差の存在を認識した使用者が電動アシスト歩行車10の後方側に路面方向への力を加え、電動車両の前方側を持ち上げたとする。この場合、上述のように電動アシスト歩行車10の傾斜を計測すれば、使用者による段差乗り越えの操作を検出することができる。例えば、操作検出部が電動アシスト歩行車10の車体前方側が持ち上げられる傾斜が検出されたら、制御部16は使用者による段差乗り越えの操作が行われたと判定してもよい。ただし、使用者の操作によって電動車両に加えられる傾斜の方向や大きさについては特に問わない。
使用者が段差の存在を認識したときに、電動アシスト歩行車10が段差に近すぎる場合には、段差乗り越えのための助走距離が確保できなくなる。助走距離を確保するため、使用者は電動アシスト歩行車10を後方に引いてから、段差の乗り越え動作を開始したい場合がある。
操作検出部が検出対象とする使用者の段差乗り越え予備操作は、電動車両を後退させるものであってもよい。そこで、操作検出部は、電動アシスト歩行車10(電動車両)の車体後方方向への移動を検出してもよい。すなわち、操作検出部は、電動アシスト歩行車10(電動車両)の車体後方方向への移動を計測することによって、使用者による電動アシスト歩行車10への操作を検出してもよい。これにより、使用者は複雑な動きをしなくても、段差乗り越え予備操作に相当する操作を行うことができる。制御部16は、計測された電動アシスト歩行車10の車体後方方向への移動量に基づいて使用者が電動アシスト歩行車10への操作を行ったか否かを判定する。制御部16は操作が行われたと判定した場合、駆動部を制御し、車輪の段差乗り越え動作を行うことができる。
なお、操作検出部は電動アシスト歩行車10の進行方向が変わったことを基準に、使用者による電動アシスト歩行車10への操作を検出してもよい。例えば、速度センサ22bで計測される速度の方向が車体前方方向から車体後方方向に変わり、所定の期間内における移動量がしきい値より大きい場合、制御部16は使用者が電動アシスト歩行車10を後方に引いている(すなわち、後退操作をしている)と判定してもよい。
ここまでは、使用者による操作を検出することによって、段差モードが有効化される場合について説明した。以下では、使用者の操作が検出されたら、段差検出に用いられる基準が変更される場合の例について述べる。
段差検出部は、電動アシスト歩行車10(電動車両)の段差への接近または接触を検出する。段差検出部は、電動車両に加わる力または加速度の少なくともいずれかひとつを検出してもよい。これにより、高い精度で、電動アシスト歩行車10の段差への接近または接触を検出することができる。例えば、段差検出部は電動アシスト歩行車10に加わる力または加速度の少なくともいずれかに基づいて、車輪の段差への接近または接触を検出する。ここで、車輪は前輪12と後輪13の少なくともいずれかを含む。例えば、段差検出部は加速度センサ22a、81r〜82lの少なくともいずれかを用いて加速度を検出することができる。また、段差検出部は電動アシスト歩行車10のいずれかの部位に設けられた圧電センサ、ひずみゲージを用いて力を検出してもよい。また、段差検出部は、画像センサであってもよい。画像センサの例としては、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、フォトダイオードが挙げられる。ただし、その他の種類の画像センサを使ってもよい。段差検出部は図9〜図11に示された距離センサ44、45、48の少なくともいずれかを用いて車輪の段差への接近を検出してもよい。距離センサとして、例えば、超音波センサや赤外線センサを使うことができる。ただし、距離センサの種類については、特に問わない。
制御部16は、操作検出部によって使用者の段差乗り越え予備操作が検出されたときに、段差検出部が段差への接触または検出に用いる基準を変更してもよい。基準の変更は、段差検出部が段差の検出に用いるセンサの変更であってよい。また、段差検出部の計測値に基づいて段差の検出が行われている場合、段差検出の条件を緩和してもよい。例えば、段差検出部が段差への接触または接近があったと判定する値(計測値)の範囲を拡大してもよい。段差検出部の計測値がしきい値と比較されている場合、制御部16は、操作検出部が使用者の段差乗り越え予備操作を検出したときに段差検出部が段差への接触または接近があったと判定するしきい値を小さくしてもよい。これらの方法を用いることにより、使用者が段差乗り越え予備操作を行ったときに、段差への接近または接触が検出されやすくなる。
なお、段差モードに遷移するための条件となる段差検出部の計測値の範囲を狭く(例えば、しきい値を大きく設定)すれば、使用者による操作の検出が行われることを段差モード有効化(すなわち、段差乗り越え動作が行われるため)の条件にしなくてもよい。これにより、使用者が意図していないのにも関わらず、段差乗り越え動作が行われるリスクを抑えることができる。
なお、操作検出部および段差検出部として、同一のセンサが使われていてもよい。操作検出部のセンサおよび段差検出部のセンサのうち、少なくとも一部は共通していてもよい。例えば、車輪の回転数を検出可能な速度センサ22bが実装されている場合を想定する。まず、速度センサ22bが計測した車輪の回転数に基づき、使用者が停止したことを検出することができる。そして、速度センサ22bによって計測された車輪の回転数の微分値に基づき、電動アシスト歩行車10(電動車両)が段差に衝突したことを検出することができる。次に、加速度センサ22aが実装されている場合を想定する。この場合、加速度センサ22aの計測値に基づき、使用者が車体を傾斜させたことを検出することができる。また、加速度センサ22aの計測値において、車体を減速させる方向への加速度または車体後方方向への加速度の少なくともいずれかが検出された場合、電動アシスト歩行車10(電動車両)が段差に衝突したことを検出することができる。
なお、制御部16は、各センサの計測値を監視し、時系列のセンサデータを記憶部16aに保存してもよい。そして、センサデータを用いて段差乗り越え動作が行われた前の期間における使用者の動作パターンを学習してもよい。ここで、監視対象とするセンサの種類については特に問わない。センサデータの学習手法の例としては、各種の回帰手法、分類、ニューラルネットワークなどが挙げられる。ただし、使われる学習手法の種類については特に限定しない。例えば、使用者は専用のボタンを押下することによって、上述の学習処理が行われるモード(学習モード)を有効化/無効化することができる。ただし、その他の方法によって学習モードの有効化/無効化が行われてもよい。
制御部16は、使用者が電動アシスト歩行車10の段差乗り越え動作前に行っていた動作パターンを学習したら、該当する動作パターンが検出されたときに段差モードを有効化させることができる。この場合、使用者が段差乗り越え前に自然に行う動作の検出をトリガーにして、電動アシスト歩行車10の段差乗り越え動作を行うことが可能となる。なお、該当する動作パターンが検出されたとき、ただちに段差モードを有効化させず、段差検出が行われる基準を変更(例えば、条件を緩和)してもよい。これらの処理を実行することにより、使用者は煩わしさを感じることなく、段差乗り越えを行うことができる。
電動アシスト歩行車10(電動車両)の制御方法は、使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、段差への接近または接触を検出するステップと、使用者の段差乗り越え予備操作が検出されかつ段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとを含んでいてもよい。電動アシスト歩行車10(電動車両)の制御は、電動車両に搭載されたプログラム、プロセッサや電子回路などのハードウェアまたはこれらの組み合わせ(例えば、制御部16)によって実現されていてもよい。また、電動アシスト歩行車10は外部からの無線信号を受信し、外部の制御装置(情報処理装置)から送信された制御信号に基づいて制御されてもよい。
電動アシスト歩行車10(電動車両)の制御部16は、CPU(プロセッサ)と、記憶装置とを備えていてもよい。この場合、制御部16は記憶装置に保存された制御プログラムをCPUで実行するコンピュータであるともいえる。すなわち、電動アシスト歩行車10(電動車両)の制御プログラムは、使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、段差への接近または接触を検出するステップと、使用者の段差乗り越え予備操作が検出されかつ段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとをコンピュータに実行させてもよい。制御プログラムは電動アシスト歩行車10に搭載されたプロセッサや電子回路などのハードウェアなどによって実行されてもよい。また、外部の情報処理装置によって制御プログラムが実行され、電動アシスト歩行車10は無線通信などによって制御信号を受信してもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図12〜図18に示す第2の実施の形態は、後輪13およびモータ20周辺の構成が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と同様である。図12〜図18において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12〜図16に示す構成において、電動アシスト歩行車10のモータ20は、遊星歯車機構50を介して各後輪13に連結されている。
図14〜図16に示すように、モータ20は、パイプフレーム31に固定されたハウジング61と、ハウジング61内に収容され、ハウジング61に対して回動自在な出力軸支持部62と、出力軸支持部62に固定され、出力軸支持部62と一体となって回動する出力軸63とを有している。このうちハウジング61にはフランジ64が固定され、ハウジング61の中央部からは出力軸63が突出している。ハウジング61と出力軸支持部62との間には、ベアリング65が介在されている。また、出力軸支持部62の外周には磁石66が設けられている。さらに、磁石66の周囲にはコイル67が配置されており、コイル67は、ハウジング61に固定されている。コイル67には、バッテリ21からの電力が供給され、磁石66が設けられた出力軸支持部62が回転するようになっている。なお、ハウジング61の中央部にはキャップ68が設けられている。
後輪13は、ホイール71と、ホイール71の外周に設けられたタイヤ72と、ホイール71に連結されたホイール押さえ73とを有している。ホイール71は、押さえプレート74を介して、フランジ64の周囲に設けられたベアリング75に固定されている。
遊星歯車機構50は、太陽歯車51と、太陽歯車51の周囲に配置された内歯車52と、太陽歯車51および内歯車52に噛み合い、出力軸63が回転したとき自転しつつ公転する3つの遊星歯車53と、3つの遊星歯車53を回転可能に支持し、遊星歯車53の公転運動が伝達される遊星キャリヤ54とを有している。
このうち太陽歯車51は、モータ20の出力軸63に連結されており、出力軸63の回動に伴って回動可能となっている。また、内歯車52は、後輪13のホイール71に連結されている。遊星キャリヤ54は、モータ20のフランジ64に連結されており、フランジ64およびハウジング61を介してパイプフレーム31に固定されている。
続いて、本実施の形態において、モータ20を制御して前輪12を後輪13に対して持ち上がらせる(ウィリーさせる)際の作用について説明する。
まず、前輪12が段差に衝突せず、電動アシスト歩行車10が通常の状態で移動している場合を想定する。この場合、モータ20の出力軸63からのアシスト力は、モータ20の出力軸63に連結された太陽歯車51から、遊星歯車53を介して内歯車52に伝達され、次いで内歯車52に連結された後輪13に伝達される。これにより、モータ20によって後輪13の動きがアシストされる。このとき、遊星キャリヤ54に連結されたパイプフレーム31が回転することはない。
ここで、太陽歯車51、内歯車52の歯数をそれぞれZa、Zc(Za<Zc)とし、太陽歯車51、内歯車52、遊星キャリヤ54の角速度をそれぞれWa、Wc、Wxとすると、以下の式(1)が成り立つ。
Zc(Wc−Wx)=−Za(Wa−Wx)・・・式(1)
電動アシスト歩行車10が通常状態で移動している場合、遊星キャリヤ54が固定されているので、Wxは0となる。したがって、以下の式(2)が成り立つ。
Wc=(−Za/Zc)Wa・・・式(2)
すなわち、モータ20の出力軸63からの回転数は、−Za/Zc倍に減速されて伝達される。
一方、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差に衝突した場合、前輪12がロックされるため、後輪13も回らなくなる。このとき、後輪13に連結された遊星歯車機構50の内歯車52もロックされる。一方、モータ20の出力軸63に連結された太陽歯車51には、出力軸63からの回転力が伝達される。この回転力は、太陽歯車51から遊星歯車53を介して遊星キャリヤ54に伝達され、遊星キャリヤ54に連結されたパイプフレーム31に対して矢印M(図13参照)の方向(電動アシスト歩行車10の進行方向と反対の方向)に回転力が働く。
したがって、前輪12が段差に衝突した際、制御部16がモータ20を制御することにより、電動アシスト歩行車10全体を回転させ、前輪12を後輪13より高い位置に持ち上げることが可能となる。この場合、制御部16が、例えばハンドル14に加わる操作力(グリップ力)に応じて、モータ20の出力を増加するよう制御してもよい。具体的には、通常時と比較して、同じ操作力であってもモータ20の出力が相対的に大きくなるようにモータ20を制御する(すなわち操作力に対するモータ出力の比例係数を大きくする)ことにより、前輪12を後輪13より高い位置に持ち上げることができる。
このように、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差に衝突した場合、内歯車52が固定されるので、上記式(1)においてWcは0となる。したがって、以下の式(3)が成り立つ。
Wx={Za/(Zc+Za)}Wa・・・式(3)
すなわち、モータ20の出力軸63からの回転数は、Za/(Zc+Za)倍に減速され、遊星キャリヤ54に連結されている電動アシスト歩行車10全体が、進行方向逆向き(前輪12が浮く側)の回転力を受けることになる。
以上のように、本実施の形態によれば、モータ20は、後輪13に対して遊星歯車機構50を介して連結されている。これにより、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差に衝突した際、遊星歯車機構50を用いて前輪12を後輪13より高い位置に持ち上げることができる。すなわち制御部16は、モータ20の駆動力により、遊星歯車機構50の反作用によって前輪12を後輪13に対してウィリーさせることができる。
また、本実施の形態によれば、遊星歯車機構50は、モータ20の出力軸63に連結された太陽歯車51と、太陽歯車51の周囲に配置された内歯車52と、太陽歯車51および内歯車52に噛み合い、出力軸63が回転したとき自転しつつ公転する遊星歯車53と、遊星歯車53を回転可能に支持し、遊星歯車53の公転運動が伝達される遊星キャリヤ54とを有し、内歯車52が後輪13に連結され、遊星キャリヤ54がパイプフレーム31に固定されている。これにより、前輪12が段差に衝突したとき、モータ20の出力軸63からの回転力が、太陽歯車51から遊星歯車53を介して遊星キャリヤ54に伝達され、遊星キャリヤ54に連結されたパイプフレーム31に対して回転力を働かせることができる。これにより、電動アシスト歩行車10全体を回転させ、前輪12を後輪13に対して持ち上げることができる。
本実施の形態において、制御部16は、遊星歯車機構50を用いて前輪12を後輪13に対して持ち上げる場合を例にとって説明したが、遊星歯車機構50に限らず、偏心型減速機等、自転しつつ公転する歯車を有する機構を用いてもよい。
あるいは、遊星歯車機構50に代えて、2枚の歯車を含む機構を用いてもよい。具体的には、図17および図18に示すように、モータ20に第1の歯車57を直結させ、後輪13に第2の歯車58を直結させ、これら第1の歯車57と第2の歯車58とを互いに噛み合わせもよい。図17に示すように、通常走行時には、モータ20によって後輪13の動きがアシストされ、電動アシスト歩行車10が走行する。一方、図18に示すように、例えば前輪12が段差に衝突し、前輪12がロックされた時には、後輪13もロックされる。この状態でモータ20が更に回転すると、電動アシスト歩行車10の全体が持ち上げられるような力が発生する。このとき、電動アシスト歩行車10の進行方向と反対の方向に回転する力が働く。これにより、電動アシスト歩行車10の前輪12が段差を容易に乗り越えることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図19および図20に示す第3の実施の形態は、前輪12を持ち上げる駆動力を発生する駆動部が、モータ20とは別体に設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と同様である。図19および図20において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図19(a)(b)において、前輪12を持ち上げる駆動力を発生する駆動部は、モータ20とは異なる追加のモータ46を備えている。この場合、追加のモータ46の回転軸は、後輪13の回転軸と同軸上に設けられていても良く(図19(a))、後輪13の回転軸と異なる軸上に設けられていてもよい(図19(b))。
図20(a)(b)において、前輪12を持ち上げる駆動力を発生する駆動部は、モータ20とは異なるアクチュエータ47を備えている。アクチュエータ47は、フレーム11に対して連結されている。この場合、アクチュエータ47は、伸縮することにより前輪12を後輪13に対して持ち上げる伸縮型のものであっても良く(図20(a))、揺動することにより前輪12を後輪13に対して持ち上げる揺動型のものであってもよい(図20(b))。
なお、図19および図20において、必ずしもモータ20が設けられていなくてもよい。
(第4の実施の形態)
次に、図21を用いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。図21において、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図21は、本実施の形態による電動アシスト歩行車(電動車両)10の外観の一例を示す模式的斜視図である。
(電動アシスト歩行車の構成)
図21に示すように、電動アシスト歩行車10は、フレーム11と、フレーム11に設けられた一対の前輪12及び一対の後輪(車輪)13と、フレーム11に接続された一対のハンドル14とを備えている。
一対の後輪13には、それぞれ対応する後輪13の動きをアシストするモータ20が連結されている。フレーム11には、バッテリ21と、制御部16とがそれぞれ取り付けられている。また、制御部16には、傾き検知センサ23が設けられている。
本実施の形態において、左右一対のパイプフレーム31の上端部には、使用者によって操作される一対のハンドル14が設けられている。一対のハンドル14は、水平方向に伸びるバーハンドル17によって互いに連結されている。また一対のハンドル14とバーハンドル17とは、略U字形状をなしている。さらに一対のハンドル14には、使用者の肘を載せることが可能な腕支持部27が取り付けられている。腕支持部27には、各ハンドル14を挿入可能なように穴部が設けられ、この穴部にハンドル14を取付け可能になっている。
左右一対のパイプフレーム31の間には、必要に応じて使用者が着座することが可能なシート部37が設けられている。
バッテリ21は、モータ20や制御部16等、電動アシスト歩行車10の各要素に電力を供給するものである。このバッテリ21は、一対のパイプフレーム31間に位置するシート部37の下方に設けられている。
また、速度センサ22bは、一対の後輪13にそれぞれ設けられている。なお、速度センサ22bは、一対の前輪12および/または一対の後輪13に内蔵することに限定されず、フレーム11、一対のハンドル14など、その他任意の部材に取り付けてもよい。あるいは、速度センサ22bは、制御部16の近傍に配設されていてもよい。なお、本実施の形態において、電動アシスト歩行車10の走行速度は、後輪13の回転速度に基づいて判断されるが、これに限らず、前輪12の回転速度、あるいは、前輪12および後輪13の両方の回転速度に基づいて判断されてもよい。
計測部は加速度センサ22aを備えていてもよい。この場合、加速度センサ22aは、後輪13の回転加速度を用いることなく、電動アシスト歩行車10の加速度を直接計測し、この加速度の信号を制御部16に対して送信する。そして、制御部16は、加速度を積分することで速度を算出する。
また、計測部はGPS(グローバルポジショニングシステム)を備えていてもよい。この場合、GPSは、後輪13の回転加速度を用いることなく、電動アシスト歩行車10の位置を検知する。そして、制御部16は、GPSからの位置情報を微分することで電動アシスト歩行車10の速度を算出し、GPSからの位置情報を2回微分することで加速度を算出してもよい。
傾き検知センサ23は、2軸以上の加速度センサを備える。傾き検知センサ23は、制御部16の近傍に設けられている。あるいは、傾き検知センサ23は、電動アシスト歩行車10の上部に設けられていてもよい。なお、傾き検知センサ23として加速度センサを用いる代わりに、ジャイロセンサを用いて電動アシスト歩行車10の姿勢を推定するようにしてもよい。
なお、電動アシスト歩行車10のその他の構成は、第1の実施の形態における電動アシスト歩行車10(図1および図2)と同様である。
また、本実施の形態において、電動アシスト歩行車10には、使用者が一対のハンドル14を把持したか否かを直接検出するグリップセンサ、ひずみセンサ、近接センサまたは圧力センサなどが設けられていない。しかしながら、これに限らず、本実施の形態においても、第1の実施の形態における電動アシスト歩行車10(図1および図2)と同様、ハンドル14に把持センサ24が設けられていてもよい。
以上本発明の各実施の形態及び各変形例を説明したが、各実施の形態及び各変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。各実施の形態及び各変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。各実施の形態及び各変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10、10a 電動アシスト歩行車
11 フレーム
12 前輪
13 後輪
14 ハンドル
15 ブレーキユニット
16 制御部
20 モータ
21 バッテリ
22a 加速度センサ
22b 速度センサ
23 傾き検知センサ
24 把持センサ
25 脚部検知センサ
31 パイプフレーム

Claims (15)

  1. 車輪を駆動させる駆動部と、
    使用者による段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、
    前記車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、
    前記操作検出部により前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差検出部により前記段差への接近または接触が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御する制御部とを備える、
    電動車両。
  2. 前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を停止させるものである、
    請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を減速させるものである、
    請求項1または2に記載の電動車両。
  4. 前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を旋回させるものである、
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電動車両。
  5. 前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を傾斜させるものである、
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電動車両。
  6. 前記操作検出部は、前記電動車両の傾斜を検出する、
    請求項5に記載の電動車両。
  7. 前記使用者の前記段差乗り越え予備操作は、前記電動車両を後退させるものである、
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電動車両。
  8. 前記操作検出部は、前記電動車両の車体後方方向への移動を検出する、
    請求項7に記載の電動車両。
  9. 前記段差検出部は、前記電動車両に加わる力または加速度の少なくともいずれかひとつを検出する、
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載の電動車両。
  10. 前記制御部は、前記操作検出部が前記使用者の前記段差乗り越え予備操作を検出したときに前記段差検出部が前記段差への接触または接近の検出に用いる基準を変更する、
    請求項1ないし9のいずれか一項に記載の電動車両。
  11. 前記制御部は、前記操作検出部が前記使用者の前記段差乗り越え予備操作を検出したときに前記段差検出部が前記段差への接触または接近があったと判定するしきい値を小さくする、
    請求項10に記載の電動車両。
  12. 前記操作検出部は、前記電動車両の上部に設けられ前記使用者による加重を検出し、
    前記制御部は、前記操作検出部により前記加重が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御する、
    請求項1ないし11のいずれか一項に記載の電動車両。
  13. 車輪を駆動させる駆動部と、
    使用者による電動車両を停止または減速させる段差乗り越え予備操作を検出する操作検出部と、
    前記車輪の段差への接近または接触を検出する段差検出部と、
    前記操作検出部により前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差検出部により前記段差への接近または接触が検出されたときに前記車輪が段差乗り越え動作を行うように前記駆動部を制御する制御部とを備える、
    電動車両。
  14. 使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、
    段差への接近または接触を検出するステップと、
    前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとを含む、
    電動車両の制御方法。
  15. 使用者の段差乗り越え予備操作を検出するステップと、
    段差への接近または接触を検出するステップと、
    前記使用者の前記段差乗り越え予備操作が検出されかつ前記段差への接近または接触が検出されたときに車輪を駆動し段差乗り越え動作を行うステップとをコンピュータに実行させる、
    制御プログラム。
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