JP2021057475A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】封止樹脂部の充填量が少ない上に、放熱性に優れるリアクトルを提供する。【解決手段】リアクトル1は、コイル2と磁性コア3とを含む組合体10と、組合体10が収納されるケース5と、ケース内に組合体10と並んで収納される挿入部材7と、ケース内に充填される封止樹脂部6とを備える。ケース5は、底部51と、側壁部52とを備える。挿入部材7は、底部51に対して間隔をあけて配置される先端部70を備える。組合体10及び挿入部材7とケース5とがつくる空間は、底部51と先端部70との間に設けられる第一領域561と、第一領域以外の第二領域562とを備える。封止樹脂部6は、第一領域561に充填される第一樹脂部61と、第二領域562の少なくとも一部に充填される第二樹脂部62とを備える。挿入部材7の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが50以上の硬度を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、リアクトルに関する。
特許文献1は、コイルと、磁性コアと、四角箱状のケースと、封止樹脂部とを備えるリアクトルを開示する。ケース内には、コイルと磁性コアとの組合体が収納されると共に封止樹脂部が充填される。以下、封止樹脂部の原料となる未固化の樹脂を含む材料を原料樹脂と呼ぶことがある。
特開2013−131567号公報
ケースと封止樹脂部とを備えるリアクトルにおいて、封止樹脂部の充填量を少なくすることが望まれている。また、放熱性に優れるリアクトルが望ましい。
特許文献1に記載されるリアクトルは、封止樹脂部が組合体の周囲を覆うため、放熱性に優れる。この理由は、封止樹脂部が組合体の熱をケースに伝えられるからである。しかし、封止樹脂部が組合体の全周を囲むため、封止樹脂部の充填量が多い。上記充填量が多いことで、原料樹脂の充填時間が長くなる。特に、放熱性を高めるために、組合体とケースとの間隔が狭い箇所、例えば1mm以下の箇所がある場合、この狭い箇所に原料樹脂が流れ難い。その結果、充填時間がより長くなり易い。充填時間が短く、未充填の箇所が生じると、放熱性のばらつきが生じる。また、原料樹脂の粘度が高い場合には、上記狭い箇所に原料樹脂が更に流れ難く、充填時間が更に長くなり易い。これらの点から、製造性の向上に関して、改善の余地がある。
そこで、本開示は、封止樹脂部の充填量が少ない上に、放熱性に優れるリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
コイルと磁性コアとを含む組合体と、
前記組合体が収納されるケースと、
前記ケース内に前記組合体と並んで収納される挿入部材と、
前記ケース内に充填される封止樹脂部とを備え、
前記ケースは、底部と、側壁部とを備え、
前記挿入部材は、前記底部に対して間隔をあけて配置される先端部を備え、
前記組合体及び前記挿入部材と前記ケースとがつくる空間は、前記底部と前記先端部との間に設けられる第一領域と、前記第一領域以外の第二領域とを備え、
前記封止樹脂部は、前記第一領域に充填される第一樹脂部と、前記第二領域の少なくとも一部に充填される第二樹脂部とを備え、
前記挿入部材の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが50以上の硬度を有する。
本開示のリアクトルは、封止樹脂部の充填量が少ない上に、放熱性に優れる。
図1は、実施形態1のリアクトルをケースの深さ方向に平面視した平面図である。 図2は、図1に示すリアクトルをII−II切断線で切断した部分断面図である。 図3は、実施形態1のリアクトルの製造工程を説明する図であり、ケースに組合体を収納する状態を示す。 図4Aは、実施形態1のリアクトルの製造工程を説明する部分断面図であり、ケース内に原料樹脂を充填する状態を示す。 図4Bは、実施形態1のリアクトルの製造工程を説明する平面図であり、ケース内に原料樹脂を充填する状態を示す。 図5は、実施形態1のリアクトルの製造工程を説明する図であり、挿入部材がケース内の第一領域に充填された原料樹脂を押圧する状態を示す。 図6は、実施形態1のリアクトルに備えられる挿入部材の別例を示す正面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係るリアクトルは、
コイルと磁性コアとを含む組合体と、
前記組合体が収納されるケースと、
前記ケース内に前記組合体と並んで収納される挿入部材と、
前記ケース内に充填される封止樹脂部とを備え、
前記ケースは、底部と、側壁部とを備え、
前記挿入部材は、前記底部に対して間隔をあけて配置される先端部を備え、
前記組合体及び前記挿入部材と前記ケースとがつくる空間は、前記底部と前記先端部との間に設けられる第一領域と、前記第一領域以外の第二領域とを備え、
前記封止樹脂部は、前記第一領域に充填される第一樹脂部と、前記第二領域の少なくとも一部に充填される第二樹脂部とを備え、
前記挿入部材の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが50以上の硬度を有する。
本開示のリアクトルでは、挿入部材の体積に相当する封止樹脂部の充填量が省略できるため、封止樹脂部の充填量が少ない。本開示のリアクトルは、放熱性にも優れる。この理由は、第二樹脂部の少なくとも一部は、組合体とケースとの間に充填されて、組合体の少なくとも一部を覆うため、第二樹脂部によって組合体の熱をケースに伝えられるからである。組合体とケースとの間隔が狭い箇所、例えば1mm以下の箇所を有する場合には、組合体の熱をケースにより伝え易く、放熱性がより高められる。
更に、本開示のリアクトルは、以下の理由(A)〜(C)によって、封止樹脂部の原料となる未固化の樹脂を含む材料、即ち原料樹脂を充填する時間を短縮できるため、製造性にも優れる。
(A)挿入部材を備えていない場合に比較して、ケース内への原料樹脂の充填量が少なくてよい。
(B)リアクトルの製造過程において、ケース内に設けられる空間のうち、比較的大きな箇所に原料樹脂を充填することができる。
詳しくは、ケース内に組合体が収納され、かつ挿入部材が収納されていない状態では、ケース内の空間は、挿入部材が配置可能な大きさを有する箇所と、組合体の周囲に設けられる狭い箇所とを有することができる。前者の箇所は、挿入部材の大きさに応じて、上記狭い箇所より大きく設定することができる。このような比較的大きな箇所に原料樹脂を充填すれば、上記狭い箇所に原料樹脂を充填する場合に比較して、充填時間が短くなり易い。また、上記比較的大きな箇所には、原料樹脂を充填するためのノズルを配置することができる。即ち、原料樹脂の充填にノズルを利用することができる。なお、上記比較的大きな箇所に充填された原料樹脂の少なくとも一部は、固化後、第一樹脂部を構成する。
(C)上述の比較的大きな箇所に充填された原料樹脂を挿入部材によって押圧することができる。この理由は、挿入部材が所定の硬さを有するからである。
押圧された原料樹脂は、ケース内において挿入部材側から組合体側に流動して、上述の狭い箇所に入り込む。このように挿入部材を原料樹脂の加圧部材として利用することで、組合体とケースとの間隔が狭い箇所、例えば1mm以下の箇所を有する場合でも、原料樹脂が上記狭い箇所に良好に流れ込み、組合体を覆うことができる。
上述の原料樹脂の押圧によって、上述の狭い箇所であっても、更に原料樹脂の粘度が高い場合であっても、原料樹脂が充填されていない箇所が低減される。この点からも、本開示のリアクトルは放熱性に優れる。
(2)本開示のリアクトルの一例として、
前記構成材料は、樹脂又はゴムを含む形態が挙げられる。
上記形態は、上記構成材料が金属である場合に比較して、組合体と挿入部材との間の電気絶縁性に優れる上に、軽量である。また、特に、ゴム製の挿入部材は、金属製の挿入部材より弾性変形し易い点で、ケース内の空間のうち、挿入部材の収納空間の形状に追従し易い。そのため、ゴム製の挿入部材は、原料樹脂を押圧し易い。
(3)上記(2)のリアクトルの一例として、
前記先端部の構成材料は、前記ゴムであり、
前記先端部は、前記第一樹脂部に接する端面を備え、
前記先端部が弾性変形していない状態において前記端面の面積は、前記第一領域の最大の平面積以上である形態が挙げられる。
上記形態では、リアクトルの製造過程において、ゴム製の先端部は、上述の比較的大きな箇所に充填された原料樹脂を液密に近い状態で押圧できる。押圧された原料樹脂は、上述の狭い箇所でも入り込み易い。
(4)本開示のリアクトルの一例として、
前記挿入部材における前記ケースの深さ方向に沿った長さは、前記ケースの深さの40%以上である形態が挙げられる。
上記形態では、挿入部材の体積が大きいため、原料樹脂の充填量がより少なくなくてよい。
(5)本開示のリアクトルの一例として、
前記封止樹脂部の構成材料は、樹脂と、非金属無機材料からなる粉末とを含む形態が挙げられる。
上記形態は、上記粉末によって封止樹脂部が熱伝導性に優れるため、放熱性に優れる。また、上記形態は、リアクトルの製造過程において、上記粉末の含有によって原料樹脂の粘度が高い場合でも、上述のように挿入部材で原料樹脂を押圧すれば、上述の狭い箇所であっても良好に充填できる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態に係るリアクトルの具体例を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1から図5を参照して、実施形態1のリアクトルを説明する。
図2は、図1に示すリアクトル1をケース5の深さ方向に平行な平面で、ケース5及び封止樹脂部6を切断した部分断面図である。図2の組合体10及び挿入部材7は、断面ではなく、外観を示す。
(概要)
実施形態1のリアクトル1は、図2に示すように、コイル2と磁性コア3とを含む組合体10と、ケース5と、封止樹脂部6と、挿入部材7とを備える。ケース5は、底部51と、側壁部52とを備え、組合体10及び挿入部材7を収納する容器である。封止樹脂部6は、ケース5内に充填される。
特に、実施形態1のリアクトル1では、組合体10と挿入部材7とがケース5の深さ方向に直交する方向に並んでケース5内に収納される。挿入部材7は、ケース5の底部51に対して間隔をあけて配置される先端部70を備える。封止樹脂部6は、底部51と先端部70との間に充填される第一樹脂部61を備える。また、封止樹脂部6は、ケース5内において第一樹脂部61が充填される領域以外の領域にも充填される。
挿入部材7は、封止樹脂部6の充填量を少なくすることに寄与する。また、挿入部材7の構成材料は、後述する特定の硬度を有する。そのため、挿入部材7は、リアクトル1の製造過程において、ケース5内に充填された原料樹脂600(図5)、即ち封止樹脂部6の原料となる未固化の樹脂を含む材料を押圧することに利用できる。結果として、挿入部材7は、原料樹脂600の充填時間を短縮することに寄与する。
以下、主に図2を参照して、組合体10、ケース5、封止樹脂部6の概要を順に説明した後、挿入部材7、封止樹脂部6の詳細を順に説明する。
なお、ケース5の深さ方向は、図1,図4Bでは紙面に直交する方向であり、その他の図面では上下方向である。
ケース5の深さ方向に直交する方向は、図1から図5では例えば左右方向である。
(組合体)
組合体10は、コイル2と、磁性コア3とを備える。その他、組合体10は、コイル2と磁性コア3との間の電気絶縁性を高める部材等を備えてもよい。このような部材として、後述する保持部材4、樹脂モールド部8等が挙げられる。
〈コイル〉
コイル2は、巻線をらせん状に巻回してなる筒状の巻回部を備える。巻回部に連続する巻線の端部には、電源等の外部装置が接続される。巻線、巻線の端部、及び外部装置は、図示を省略する。
巻線は、導体線と、導体線の外周を覆う絶縁被覆とを備える被覆線が挙げられる。導体線の構成材料は、銅等が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、ポリアミドイミド等の樹脂が挙げられる。本例の巻線は、断面形状が長方形である被覆平角線である。
本例のコイル2は、二つの巻回部21,22と、両巻回部21,22をつなぐ連結部とを備える。連結部は図示を省略する。両巻回部21,22は、各軸が平行するように並ぶ。本例では、巻回部21,22の形状、巻回方向、ターン数、巻線のサイズ等の仕様が等しい。また、本例のコイル2は、1本の連続する巻線から構成される。連結部は、巻回部21,22間にわたされる巻線の一部から構成される。
本例の巻回部21,22は、四角筒状のエッジワイズコイルである。この場合、巻回部21,22の外周面は、平坦な長方形状の平面になり易い。その結果、巻回部21,22の外周面とケース5の内周面520とが平面同士で対向する。そのため、巻回部21,22とケース5の内周面520との間隔の調整が行い易い。
なお、コイル2の形状、大きさ等は適宜変更できる。この点は、後述の変形例4を参照するとよい。
〈磁性コア〉
磁性コア3は、コイル2の巻回部21,22内に配置される部分と、巻回部21,22外に配置される部分とを有し、コイル2がつくる磁束が通過する閉磁路を構成する。
本例の磁性コア3は、四つの柱状のコア片を備える。二つのコア片はそれぞれ、巻回部21,22内に配置される部分を有する内側コア部31,32である。残りの二つのコア片は、巻回部21,22外に配置される部分を構成する外側コア部33である。二つの外側コア部33は、離間して配置される二つの内側コア部31,32を挟む。
本例では、内側コア部31,32を構成するコア片は、同一の形状、同一の大きさである。各コア片は、巻回部21,22の内周形状に概ね対応した直方体状である。また、各コア片は、一体物であり、分割されていない。
本例では、各外側コア部33を構成するコア片は、同一の形状、同一の大きさである。各コア片は、直方体状であるが、コア片の形状は特に限定されない。また、各コア片は、一体物であり、分割されていない。
磁性コア3を構成するコア片は、軟磁性材料を主体とする成形体が挙げられる。軟磁性材料は、金属でも非金属でもよい。金属は、例えば鉄、鉄基合金が挙げられる。鉄基合金は、例えばFe−Si合金、Fe−Ni合金等が挙げられる。非金属は、例えばフェライト等が挙げられる。上記成形体は、複合材料の成形体、圧粉成形体、電磁鋼板等の軟磁性材料からなる板材の積層体、フェライトコア等の焼結体等が挙げられる。
複合材料の成形体は、磁性粉末と樹脂とを含む。磁性粉末は、樹脂中に分散される。上記樹脂は、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。複合材料の成形体は、代表的には、射出成形等によって成形されたものが挙げられる。
圧粉成形体は、磁性粉末の集合体である。圧粉成形体は、代表的には、磁性粉末とバインダーとを含む混合粉末を圧縮成形した後、熱処理を施したものが挙げられる。
上述の磁性粉末を構成する粉末粒子は、軟磁性材料からなる磁性粒子、又は磁性粒子の外周に絶縁被覆を備える被覆粒子が挙げられる。
磁性コア3が複数のコア片を備える場合、全てのコア片の構成材料が等しくてもよいし、一部のコア片の構成材料が異なっていてもよい。例えば、磁性コア3は、本例のように、複合材料の成形体からなるコア片と、圧粉成形体からなるコア片とを含むことが挙げられる。又は、全てのコア片が複合材料の成形体であり、各コア片の軟磁性材料の種類や磁性粉末の含有量が異なることが挙げられる。
その他、図2に示す磁性コア3は、コア片間に磁気ギャップを有していないが、磁気ギャップを有してもよい。磁気ギャップは、エアギャップでも、アルミナなどの非磁性材料からなる板材等でもよい。磁気ギャップを有さない磁性コア3は小型になり易い。
なお、磁性コア3の形状、大きさ、コア片の個数等は適宜変更できる。この点は、後述の変形例5を参照するとよい。
〈保持部材〉
リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に配置される保持部材4を備えてもよい。本例の保持部材4は、巻回部21,22、内側コア部31,32及び外側コア部33を支持して、巻回部21,22に対して内側コア部31,32、外側コア部33を位置決めする。図1から図5は保持部材4の概略を示し、詳細な図示を省略する。
本例の保持部材4は、巻回部21,22の各端部に配置される枠状の部材である。各保持部材4は、一対の貫通孔が設けられた枠板と、枠板の周縁に沿って設けられる周壁43とを備える。各保持部材4の基本的構成は同じである。
保持部材4の枠板は、巻回部21,22の端面と外側コア部33の内端面との間に配置される。枠板に設けられた貫通孔にはそれぞれ、内側コア部31,32の端部が挿通される。また、枠板は、突片を備える。突片は、枠板の巻回部21,22側の面における貫通孔の内周縁から内側コア部31,32の軸方向に沿って突出する。また、突片は、巻回部21,22の内周面と内側コア部31,32の外周面との間に差し込まれる。突片によって、巻回部21,22と内側コア部31,32との間が離隔されて、両者間の電気絶縁性が高められる。また、突片によって、両者が位置決めされる。
保持部材4の周壁43は、外側コア部33の外周面を囲み、保持部材4に対する外側コア部33の位置決めを行う。本例の周壁43は、外側コア部33の外周面、即ちケース5の側壁部52の内周面520に対向する面を連続して覆う長方形の枠状である(図1)。
保持部材4の形状や大きさ等は、適宜変更できる。保持部材4は、公知の構成を利用してもよい。
保持部材4の構成材料は、樹脂といった電気絶縁材料が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の具体例は、〈磁性コア〉の項において、複合材料の成形体の説明を参照するとよい。保持部材4は、射出成形等の公知の成形方法によって製造できる。
〈樹脂モールド部〉
リアクトル1は、磁性コア3の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部8を備えてもよい。樹脂モールド部8は、コイル2又はリアクトル1の周囲部品と磁性コア3との間における電気絶縁性を向上する他、磁性コア3に対して外部環境から保護、機械的な保護等を行う。
樹脂モールド部8は、本例のように、磁性コア3を覆い、巻回部21,22の外周面を覆わず露出させると、放熱性に優れる。この理由は、巻回部21,22の外周面をケース5の内周面520に近接できるからである。なお、樹脂モールド部8は、コイル2及び磁性コア3の双方を覆ってもよい。
樹脂モールド部8の被覆範囲、厚さ等は適宜選択できる。
本例の樹脂モールド部8は、内側樹脂部81,82と、外側樹脂部83とを備える。内側樹脂部81,82はそれぞれ、内側コア部31,32の少なくとも一部を覆う。外側樹脂部83は、各外側コア部33の少なくとも一部を覆う。本例では、内側樹脂部81,82と外側樹脂部83とは連続する一体成型物である。このような樹脂モールド部8は、複数のコア片を一体に保持して、磁性コア3の一体物としての強度、剛性を高める。
その他、樹脂モールド部8は、例えば、内側樹脂部81,82を備えておらず、実質的に外側コア部33のみを覆うものであってもよい。
樹脂モールド部8の構成材料は、各種の樹脂が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の具体例は、〈磁性コア〉の項において、複合材料の成形体の説明を参照するとよい。上記構成材料は、樹脂に加えて、後述する(封止樹脂部)の項で説明する非金属無機材料からなる粉末を含んでもよい。この粉末を含む樹脂モールド部8は、放熱性に優れる。樹脂モールド部8の成形には、射出成形等の公知の成形方法が利用できる。
(ケース)
ケース5は、組合体10の実質的に全体を収納して、組合体10に対して外部環境からの保護、機械的な保護等を行う。本例のケース5は、金属から構成されており、組合体10の放熱経路としても機能する。
ケース5は、底部51と、側壁部52とによって構成される有底筒状体である。ケース5において底部51とは反対側、図2では上側が開口する。底部51は平板状の部材である。側壁部52は、底部51の周縁から立設され、上記周縁に連続する枠状の部材である。底部51と側壁部52とは、組合体10及び挿入部材7を収納可能な形状及び大きさを有する内部空間を構成する。
本例のケース5は、直方体状の容器であり、開口部の形状に概ね対応した直方体状の内部空間を有する。開口部は、ケース5の深さ方向からの平面視で長方形状である(図1)。詳しくは、長方形の四つの角部のうち、長辺方向の一端側の角部が丸められており、他端側では角張っている(図1)。なお、上記長方形の長辺方向は、図1では左右方向であり、長辺方向の一端側は左側である。上記長方形の短辺方向は、図1では上下方向である。
側壁部52は、四角筒状である。側壁部52の内周面520は、対向する第一面521,第二面522と、対向する第三面523,第四面524とを有する(図1)。第一面521,第二面522は、上述の長辺方向の両側に位置する。第三面523,第四面524は、上述の短辺方向の両側に位置する。第二面522から第四面524はいずれも平面である。第一面521は、第三面523との接続箇所、第四面524との接続箇所にそれぞれ湾曲面を含み、それ以外は平面である。
ケース5の内部空間の大きさは、組合体10と挿入部材7とが収納されたケース5内に所定の大きさの封止樹脂部6が設けられるように調整される。ここで、組合体10及び挿入部材7とケース5とがつくる空間は、ケース5の底部51と挿入部材7の先端部70との間に設けられる第一領域561と、第一領域561以外の第二領域562とを備える。図2等は、第一領域561、第二領域562を仮想的な領域として示す。第一領域561と、第二領域562の少なくとも一部とには、封止樹脂部6が充填される。第一領域561、第二領域562に充填される封止樹脂部6が所定の大きさを有するように、ケース5の内部空間の大きさは、組合体10及び挿入部材7の大きさに応じて調整される。
第一領域561は、主として、ケース5の底部51の内底面と、ケース5の内周面520と、組合体10の外周面100と、挿入部材7の先端部70の端面71とで囲まれる領域である。本例では、第一領域561は、ケース5内において、上述の長辺方向の一端側かつ底部51側に設けられる。そのため、第一領域561を構成する内周面520は、上述の長辺方向の一端側に位置する第一面521である。また、第一領域561を構成する外周面100は、底部51側に配置される保持部材4の周壁43の外周面であって、第一面521に対向する面、図2では左側面である。
第一領域561において、ケース5の底部51の内底面から挿入部材7の先端部70の端面71までの高さHは、封止樹脂部6のうち、第一領域561に充填される第一樹脂部61の高さに相当する。高さHは、ケース5の深さ方向に沿った長さである。
本例の第二領域562は、主として、ケース5の底部51の内底面と、ケース5の内周面520と、組合体10の外周面100とで囲まれる領域であって、第一領域561を除く領域である。本例では、第二領域562を構成する内周面520は、第二面522から第四面524である。また、第二領域562を構成する外周面100は、組合体10の外周面100のうち、第一面521に対向する面、即ち図2では左側面を除いた箇所である。
第二領域562において、組合体10の外周面100と、ケース5の内周面520、ここでは第二面522から第四面524のそれぞれとの間隔は、封止樹脂部6のうち、組合体10の外周面100を囲む後述の第二樹脂部62の厚さtに相当する。厚さtは、図1に示すようにケース5の上述の長辺方向に沿った長さ、又は短辺方向に沿った長さである。
ケース5の内部空間において、上述の長辺方向に沿った長さLは、長さL10と、長さLと、厚さtとの合計長さに実質的に等しい。長さL10は、組合体10における上記長辺方向に沿った長さである。長さLは、組合体10の外周面100、ここでは保持部材4の周壁43の外周面から第一面521までの最大距離である。
ケース5の深さHは、組合体10における巻回部21,22の軸方向に沿った高さH10(図3)以上である。本例では、深さHは高さH10より若干大きい。
本例のケース5は、底部51と側壁部52とが一体に成形された金属製の箱である。特に、本例のように、ケース5を構成する金属がアルミニウム系材料であると、ケース5は、放熱性に優れる、軽量である、非磁性材であるためコイル2に磁気的影響を与え難いといった効果を奏する。アルミニウム系材料は、純アルミニウム、又はアルミニウム基合金である。
(封止樹脂部)
封止樹脂部6は、組合体10及び挿入部材7とケース5とがつくる空間の少なくとも一部に充填される。また、封止樹脂部6は、ケース5内の組合体10の少なくとも一部を覆うと共に、挿入部材7の少なくとも一部に接する。封止樹脂部6は、組合体10に対して外部環境からの保護、機械的な保護、組合体10とケース5との間の電気絶縁性の向上、組合体10とケース5との一体化、放熱性の向上等の機能を有する。
本例の封止樹脂部6は、上述の空間の実質的に全てに充填される。つまり、封止樹脂部6は、組合体10の実質的に全体、及び挿入部材7の実質的に全体を埋設する。
封止樹脂部6の構成材料は、各種の樹脂が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。シリコーン樹脂を主体とする封止樹脂部6は、耐熱性や放熱性に優れる。なお、シリコーン樹脂は、ゲル状でもよい。エポキシ樹脂を主体とする封止樹脂部6は、弾性率が高く、ケース5に組合体10を強固に固定できる。その他の樹脂として、PPS樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
封止樹脂部6の構成材料は、本例のように、上述の樹脂と、非金属無機材料からなる粉末とを含んでもよい。非金属無機材料は、例えばセラミックス、炭素系材料等が挙げられる。セラミックスは、例えばアルミナ、シリカ等が挙げられる。このような非金属無機材料は、上記樹脂よりも熱伝導性に優れる。従って、非金属無機材料からなる粉末、特に高い熱伝導率を有する非金属無機材料からなる粉末を含む封止樹脂部6は、組合体10の熱をケース5に良好に伝えられる。例えば、封止樹脂部6の熱伝導率は、1W/m・K以上、更に1.5W/m・K以上が挙げられる。セラミックスからなる粉末を含む封止樹脂部6は、更に電気絶縁性にも優れる。その他、封止樹脂部6の構成材料は、公知の樹脂組成物を利用してもよい。
(挿入部材)
〈概要〉
挿入部材7は、組合体10、ケース5、及び封止樹脂部6とは独立した部材である。但し、挿入部材7は、組合体10と並んでケース5内に収納される。代表的には、挿入部材7は、ケース5の深さH未満の長さHを有する柱状又は棒状の部材であり、本例のように、ケース5の深さ方向に沿ってケース5内に収納される。
また、ケース5内に収納された状態において、挿入部材7の少なくとも一部は、封止樹脂部6に接する。詳しくは、挿入部材7のうち、ケース5の底部51側に配置される先端部70は、封止樹脂部6のうち、底部51側に充填される第一樹脂部61に接する。このような先端部70を備える挿入部材7は、リアクトル1の製造過程において、ケース5の底部51側に充填された封止樹脂部6の原料樹脂600に接していたといえる。
その他、本例では、挿入部材7の別の一部は、組合体10の外周面100に接する。また、挿入部材7の更に別の一部は、ケース5の内周面520の一部に接する。詳しくは、挿入部材7は、先端部70とは反対側、即ちケース5の開口側に配置される端部に、ケース5の開口側に配置される保持部材4の周壁43の外周面に接する部分と、ケース5の第一面521に接する部分とを備える。いわば、挿入部材7の上記端部は、組合体10の周壁43とケース5の第一面521との間に挟まれている。
本例の挿入部材7は、単一の材料、ここではゴムから構成される柱状体である。また、本例の挿入部材7は、挿入部材7の軸方向に直交する平面で切断した断面形状及び断面積が上記軸方向に一様な形状及び一様な大きさを有する中実体である。
〈構成材料の硬度〉
挿入部材7の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが50以上の硬度を有する。タイプAデュロメータ硬さが50以上であれば、リアクトル1の製造過程において、挿入部材7は上述の原料樹脂600が高粘度なものであっても、押圧可能な硬度を有するといえる。タイプAデュロメータ硬さが高いほど、挿入部材7は剛性に優れて、原料樹脂600を押圧し易い。この点から、タイプAデュロメータ硬さは60以上、70以上でもよい。
挿入部材7の構成材料の硬度は、タイプAデュロメータ硬さの測定範囲を超える硬さ、例えばタイプDデュロメータ硬さでもよい。例えば、上記構成材料のタイプDデュロメータ硬さが80以上、100以上でもよい。又は、上記構成材料の硬度は、ビッカース硬さを測定可能な硬さでもよい。例えば、上記構成材料のビッカース硬さが50以上、80以上でもよい。なお、硬度の測定はいずれも、市販の測定装置を利用するとよい。
一方、タイプAデュロメータ硬さが90以下、更に85以下でもよい。この場合、挿入部材7は弾性変形性に優れる。そのため、弾性変形していない状態における挿入部材7の大きさが例えばケース5における挿入部材7の収納箇所の大きさより大きくても、挿入部材7を弾性変形させれば、上記収納箇所に配置することができる。つまり、挿入部材7は上記収納箇所の形状に追従し易い。
〈構成材料の組成〉
挿入部材7の構成材料は、上述の特定の硬度を満たせば、電気絶縁材料でも、導電材料でもよい。挿入部材7のうち、少なくとも、コイル2、磁性コア3、及びケース5に近接される箇所の表層の構成材料は、電気絶縁材料が好ましい。この理由は、挿入部材7と上述のコイル2等との間の電気絶縁性に優れるからである。
電気絶縁材料は、例えば、樹脂、ゴム、セラミックス等が挙げられる。導電材料は、例えば、金属、炭素系材料等が挙げられる。その他、上記構成材料は、電気絶縁材料と導電材料とが混合された混合物等でもよい。
挿入部材7の構成材料が樹脂又はゴムであれば、挿入部材7と、コイル2、磁性コア3及びケース5との間の電気絶縁性が高められる。また、この場合、上記構成材料が金属を含む場合よりも、挿入部材7が軽量である。上記構成材料は、樹脂又はゴムに加えて、上述の(封止樹脂部)の項で説明した非金属無機材料からなる粉末を含んでもよい。この場合、挿入部材7は、上述のように熱伝導性に優れ、組合体10の熱をケース5に伝え易い。
《樹脂》
樹脂の具体例として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の具体例は、〈磁性コア〉の項において、複合材料の成形体の説明を参照するとよい。樹脂は、一般に、ゴムに比較して剛性に優れる。そのため、構成材料が樹脂である挿入部材7は、ゴムである場合に比較して、リアクトル1の製造過程において、原料樹脂600を押圧し易い。なお、樹脂は、タイプDデュロメータ硬さ又はビッカース硬さを有するものがある。
挿入部材7の構成材料が樹脂を含む場合、この樹脂は、封止樹脂部6を構成する樹脂と同じでもよい。この場合、挿入部材7と封止樹脂部6とにおいて、熱膨張係数の差が実質的に無い。そのため、挿入部材7及び封止樹脂部6の少なくとも一方において、熱伸縮に起因する割れ等の発生が防止できる。なお、挿入部材7中の樹脂と、封止樹脂部6中の樹脂とが異なってもよい。
挿入部材7の構成材料が樹脂を含み、組合体10において挿入部材7と接する部分、本例では保持部材4が樹脂を含む場合、挿入部材7中の樹脂は、保持部材4中の樹脂と同じでもよい。この場合、挿入部材7と保持部材4とにおいて、熱膨張係数の差が実質的に無い。そのため、挿入部材7及び保持部材4の少なくとも一方において、熱伸縮に起因する割れ等の発生が防止できる。なお、挿入部材7中の樹脂と、保持部材4中の樹脂とが異なってもよい。また、組合体10において挿入部材7と接する部分が樹脂モールド部8の場合も、保持部材4と同様である。
《ゴム》
ゴムの具体例として、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。特に、タイプAデュロメータ硬さが90以下であるゴムは、弾性変形性に優れる。このような弾性変形性に優れるゴムからなる挿入部材7では、上述のように大きさの自由度が高い。なお、挿入部材7の構成材料は、タイプDデュロメータ硬さを有するゴムでもよい。
《セラミックス》
セラミックスの具体例は、上述の(封止樹脂部)の項を参照するとよい。なお、セラミックス、後述の金属、炭素系材料は、一般に、ビッカース硬さを有する。
《導電材料》
挿入部材7の構成材料が導電材料を含む場合、金属や炭素系材料は、一般に、樹脂やゴムより熱伝導性に優れる。そのため、構成材料が金属や炭素系材料等である挿入部材7は、組合体10からの熱をケース5に良好に伝えられて、放熱性の向上に寄与する。
《その他》
挿入部材7の構成材料は、単一の材料でもよいし、複数の材料を含んでもよい。即ち、挿入部材7は、異なる材料からなる部材の組物でもよい。本例のように単一の材料からなる挿入部材7は、成形し易いため、製造性に優れる。上記組物である挿入部材7は、各材料に応じた特性を有する。具体例として、後述する変形例1(1)に示すように、ゴムからなる先端部70と樹脂からなる軸部75とを備える形態(後述の図6)が挙げられる。又は、図示しないが、金属からなる芯部と電気絶縁材料からなる表層とを備える形態等が挙げられる。
〈構造〉
本例の挿入部材7は、一体成型物である。この場合、挿入部材7は製造性に優れる。その他、挿入部材7は、後述する変形例1(1)に示すように、複数の部材の組物でもよい。
本例の挿入部材7は、対向する二つの端面71,72と、両端面71,72をつなぐ外周面とを備え、弾性変形されていない状態において直方体状である。本例では、端面71,72は平面である。上記外周面は、平面と湾曲面とを含む。挿入部材7がケース5内に収納された状態において、ケース5の底部51側に配置される端面71及びその近傍が挿入部材7の先端部70である。即ち、先端部70は、封止樹脂部6の一部、ここでは第一樹脂部61に接触する端面71を有する。
〈形状〉
本例の挿入部材7は、ケース5内に組合体10が収納され、挿入部材7が収納されていない状態において、ケース5内における上述の長辺方向の一端側に設けられる柱状の空間560(図1,図3)の形状に概ね対応した形状を有する。詳しくは、端面71,72の平面形状は、空間560の平面形状に概ね相似な形状であり、長方形の四つの角部のうち、二つの角部が丸められた長方形状である(図1)。なお、本例のように、挿入部材7の構成材料が弾性変形性に優れる材料であれば、端面71,72の平面形状は、空間560の平面形状とは非相似な形状、ここでは完全な長方形や円形等でもよい。
端面71,72の平面形状は、挿入部材7の軸方向から平面視した形状である。挿入部材7の軸方向は、挿入部材7がケース5内に収納された状態において、ケース5の深さ方向に概ね等しい。空間560の平面形状は、ケース5の深さ方向から平面視した形状である。本例では、空間560の平面形状は、主として、ケース5の上記長辺方向の一端側に位置する第一面521と、組合体10の外周面100のうち、保持部材4の周壁43の外周面であって、第一面521との対向面とで構成される形状である。
本例では、挿入部材7の外周面は、上述の角部の丸めに対応した二つの湾曲面と、対向配置される二つの側面701,705とを備える。側面701,705はいずれも平面である。側面705と二つの湾曲面とがつくる形状は、ケース5の第一面521の形状に概ね対応する。側面701は、組合体10においてケース5の開口側に配置される保持部材4の周壁43の外周面に対向して配置される。
〈大きさ〉
挿入部材7は、上述のケース5内の一端側の空間560の大きさに対応した大きさを有することが好ましい。この理由の一つは、挿入部材7の体積が大きくなり易く、封止樹脂部6の充填量、即ち原料樹脂600の充填量が少なくなり易い上に、挿入部材7が原料樹脂600を確実に押圧できるからである。別の理由は、挿入部材7によって、ケース5内における組合体10の位置ずれを防止できるからである。
例えば、挿入部材7が本例のように柱状体である場合、挿入部材7の軸方向に直交する平面で切断した断面の面積、及び両端面71,72の面積を含めて、最大の面積S7maxが空間560の平面積Smaxの70%以上が挙げられる。空間560の平面積Smaxは、空間560のうち、挿入部材7が配置される箇所における最大の平面積である。代表的には、平面積Smaxは、後述する第一領域561の最大の平面積が挙げられる。平面積Smaxは、後述するノズル9(図4A,図4B)の断面積より大きいことが好ましい。この理由は、空間560にノズル9を挿入できるからである。
挿入部材7の面積S7maxが大きいほど、挿入部材7の体積が大きくなり易い。そのため、封止樹脂部6の充填量が少なくなり易い。そのため、挿入部材7の面積S7maxは、空間560の平面積Smaxの75%以上、80%以上、90%以上、95%以上でもよい。
挿入部材7の面積S7maxの上限は、挿入部材7の構成材料に応じて適宜選択できる。挿入部材7を空間560に挿入可能な観点から、面積S7maxの上限は、空間560の平面積Smaxの100%未満が挙げられる。挿入部材7の構成材料が弾性変形し難い材料、例えばセラミックス等であれば、面積S7maxの上限は、空間560の平面積Smaxの100%未満が挙げられる。
挿入部材7の構成材料が弾性変形し易い材料、例えばゴム等であれば、面積S7maxの上限は、挿入部材7が弾性変形していない状態において、空間560の平面積Smaxの100%以上でもよい。この理由は、空間560内に挿入部材7を配置する際、挿入部材7のうち、上記面積S7maxを有する箇所を弾性変形させることで、空間560において平面積Smax以下の箇所に挿入部材7を挿入できるからである。ゴムの材質等にもよるが、面積S7maxは、空間560の平面積Smaxの105%以上、108%以上、110%以上でもよい。面積S7maxが大きいほど、封止樹脂部6の充填量が少なくなり易い。但し、面積S7maxが大き過ぎると、空間560に挿入部材7を配置する際、摩擦力が大き過ぎて、挿入部材7を挿入し難い。また、摩擦によって、組合体10やケース5にキズがつくことも考えられる。そのため、端面71の面積S7maxは、空間560の平面積Smaxの130%以下が挙げられる。
本例では、先端部70の構成材料がゴムであり、端面71,72の面積Sは、先端部70が弾性変形していない状態において、空間560の平面積Smaxの100%以上である。先端部70の体積が大きいため、本例の挿入部材7は、封止樹脂部6の充填量をより少なくし易い。また、弾性変形した先端部70に押圧された原料樹脂600は、挿入部材7側から組合体10側に、かつケース5の底部51側から開口側に流動し易い。即ち、原料樹脂600は第二領域562に流動し易い。特に、第二領域562が狭い箇所を有していても、押圧された原料樹脂600が上記狭い箇所に入り込み易い。この理由は、弾性変形した先端部70によって、空間560において平面積Smaxを有する箇所及びその近傍は、原料樹脂600が満たされた液密に近い状態になるからである。面積Sが大きいほど、原料樹脂600の充填量を少なくし易い上に、上述の液密状態を構築し易い。そのため、面積Sは、空間560の平面積Smaxの105%以上、108%以上、110%以上でもよい。また、上述の摩擦低減の点から、面積Sは、空間560の平面積Smaxの130%以下でもよい。
なお、本例の挿入部材7と、組合体10とがケース5内に収納された状態において、空間560におけるケース5の底部51側である第一領域561には、弾性変形した先端部70が充填されている。また、弾性変形することで、先端部70は、ケース5の第一面521と、底部51側の保持部材4とに密接している。
本例では、更に、端面71,72の面積Sは、空間560において、ケース5の開口側に配置される保持部材4近くの領域の平面積以上である。そのため、組合体10及び挿入部材7がケース5内に収納された状態において、空間560における上記開口側の領域には、弾性変形した挿入部材7が充填されている。また、弾性変形することで、挿入部材7における先端部70とは反対側の端部は、ケース5の第一面521と、上記保持部材4とに密接している(図1)。このような挿入部材7は、ケース5内における組合体10の位置決め部材として機能する。
また、例えば、挿入部材7における軸方向に沿った長さHは、ケース5の深さHの40%以上が挙げられる。長さHが深さHの40%以上であれば、挿入部材7の体積が大きくなり易い。長さHはケース5の深さHの100%未満の範囲で選択できる。挿入部材7の長さHが長いほど挿入部材7の体積が大きくなり易い。そのため、長さHは深さHの45%以上、50%以上、55%以上、60%以上でもよい。特に、端面71,72の面積Sが平面積Smax以上であり、長さHが深さHの40%以上であれば、挿入部材7の体積が大きく好ましい。
挿入部材7の長さHはケース5の深さHの90%以下、85%以下、80%以下でもよい。この場合、原料樹脂600の充填量、即ち封止樹脂部6の充填量が少なくなり過ぎることを防止し易い。長さHがケース5の深さHの90%以下であれば、挿入部材7がケース5内に収納された状態において、端面71とケース5の底部51の内底面との間に深さHの10%以上の間隔が確保される。この場合、リアクトル1は、深さHの10%以上である高さHを有する第一樹脂部61を備える。
本例では、挿入部材7の長さHは、ケース5の深さHの40%以上80%以下である。そのため、挿入部材7がケース5内に収納された状態において、挿入部材7はケース5の開口部から突出しない。また、挿入部材7の長さHは、組合体10の長さH10より短い。
なお、挿入部材7の構成材料、形状、構造、大きさ等は適宜変更できる。この点は、後述の変形例1を参照するとよい。
(ケースへの収納状態)
本例では、組合体10は、巻回部21,22の軸方向がケース5の深さ方向に平行するようにケース5内に収納される。挿入部材7は、挿入部材7の軸方向がケース5の深さ方向に平行するようにケース5内に収納される。また、組合体10及び挿入部材7は、ケース5の上述の長辺方向に並んで収納される。いわば、組合体10は、上記長手方向の一端側、図2では右側に寄っている。挿入部材7は、上記長手方向の他端側、図2では左側に寄っている。
本例では、挿入部材7の端面71は、ケース5の底部51の内底面に対向すると共に、内底面からある程度離れて配置される。端面71と上記内底面との間隔は、ケース5の深さHの20%以上、(深さH−長さH)以下である。端面71と上記内底面との間には封止樹脂部6の一部である第一樹脂部61が充填される。挿入部材7の端面72は、封止樹脂部6の他部である第二樹脂部62に覆われる。
本例では、挿入部材7の外周面のうち、側面705及び湾曲面はその実質的に全域にわたって、ケース5の内周面520のうち、第一面521に接する。また、挿入部材7の外周面のうち、側面701の一部は、組合体10の外周面100のうち、各保持部材4の周壁43の外周面に接する。つまり、空間560のうち、第一領域561以外の領域は、概ね挿入部材7が充填されており、側面705と組合体10、ここでは巻回部22の外周面との間に封止樹脂部6の一部が充填されている。
なお、組合体10におけるケース5への収納状態は適宜変更できる。この点は、後述の変形例4を参照するとよい。
(封止樹脂部)
封止樹脂部6は、第一樹脂部61と、第二樹脂部62とを備える。第一樹脂部61と、第二樹脂部62とは、連続する一体物である。
第一樹脂部61は、ケース5内の空間560のうち、第一領域561に充填される。本例では、第一樹脂部61は、挿入部材7の端面71に面接触している。
第一樹脂部61の大きさは、第一領域561に対応した大きさである。即ち、第一樹脂部61は、上述の平面積Smaxと高さHとを有する。また、第一樹脂部61におけるケース5の深さ方向に直交する方向に沿った大きさ、ここではケース5における上述の長辺方向に沿った大きさは、概ね、上述の長さLに相当する。
第二樹脂部62は、第二領域562の少なくとも一部に充填される。第二樹脂部62は、本例のように、組合体10のうち、少なくとも巻回部21,22を覆うことが好ましい。この理由の一つは、第二樹脂部62によって、巻回部21,22とケース5との間の電気絶縁性に優れるからである。別の理由は、第二樹脂部62を介して、巻回部21,22の熱をケース5に良好に伝えられて、放熱性に優れるからである。
本例の第二樹脂部62は、第二領域562の実質的に全域にわたって充填される。そのため、第二樹脂部62は、組合体10の外周面100を覆う部分と、組合体10におけるケース5の開口側の面及び挿入部材7の端面72を覆う部分とを含む。
第二樹脂部62において組合体10の外周面100を覆う部分の厚さtが薄いほど、原料樹脂600の充填量、即ち封止樹脂部6の充填量が少なくてよい。また、巻回部21,22がケース5に近接されるため、リアクトル1は放熱性に優れる。例えば、厚さtは、1.5mm以下、更に1mm以下、0.8mm以下が挙げられる。本例のように、厚さtは0.5mm以上1mm以下でもよい。厚さtが厚いほど、封止樹脂部6は、組合体10をケース5内に固定し易い。
なお、第二樹脂部62は、巻回部21,22を覆っていれば、組合体10における巻回部21,22以外の箇所を露出させていてもよい。例えば、第二樹脂部62は、組合体10におけるケース5の開口側の領域、ここでは保持部材4の端面及び樹脂モールド部8において外側コア部33の端面を覆う箇所等を露出させてもよい。
(リアクトルの製造方法)
実施形態のリアクトル1は、例えば、以下の工程を備えるリアクトルの製造方法によって製造することができる。
(第一工程)組合体10とケース5と挿入部材7とを用意する。
(第二工程)組合体10をケース5内に収納する。
(第三工程)ケース5内に封止樹脂部6の原料樹脂600を充填する。
(第四工程)挿入部材7によって、ケース5内の原料樹脂600を押圧しつつ、挿入部材7をケース5内に収納する。
以下、主に図3から図5を参照して、上記の工程を備えるリアクトルの製造方法を説明する。
図3に示すケース5、図4A及び図5に示すケース5及び原料樹脂600は、ケース5の深さ方向に平行な平面で切断した断面図である。
図4Aの組合体10及びノズル9、図5の組合体10及び挿入部材7は、断面ではなく外観を示す。
第一工程では、コイル2と、磁性コア3と、本例では更に保持部材4とを組み合わせることで、組合体10が得られる(図3)。本例のように組合体10が樹脂モールド部8を備える場合には、更に樹脂モールド部8を形成する。例えば、保持部材4によってコイル2及び磁性コア3が位置決めされた状態において、樹脂モールド部8の原料である未固化の樹脂によって組合体10の少なくとも一部を覆い、上記樹脂を固化する。
本例の樹脂モールド部8は、例えば以下のように製造することが挙げられる。上述の保持部材4の周壁43の内周面と外側コア部33の外周面との間に隙間が設けられるように、周壁43の大きさを調整する。この隙間と、保持部材4の貫通孔と、巻回部21,22と内側コア部31,32との間の隙間とを連通する空間に樹脂モールド部8の原料となる樹脂を充填して、固化する。
第二工程では、組合体10が所定の収納状態となるように、ケース5内に組合体10を収納する。本例では、図3に二点鎖線で仮想的に示すように、ケース5の上述の長辺方向の他端側、図3では右側に寄せて、組合体10をケース5内に収納する。その結果、挿入部材7の収納前において、組合体10が収納されたケース5内には、上記長辺方向の一端側、図3では左側に、第一面521と、組合体10の外周面100における第一面521との対向面とに挟まれる空間、即ち空間560が設けられる。空間560は、原料樹脂600の充填箇所(図4A参照)、及び挿入部材7の収納箇所(図5参照)に利用される。なお、上述の組合体10が収納されたケース5内の空間のうち、空間560以外の領域は、第二領域562である。
第三工程では、ケース5内の空間560にノズル9を挿入して、ノズル9から原料樹脂600を空間560内に充填する(図4A)。原料樹脂600の液面が空間560の所定の終了位置まで達したら充填をやめる。また、ノズル9を空間560から抜き取る。
ノズル9は、長さL(図1)以下の直径を有する円筒材等が利用できる。ノズル9の直径は、例えば3.5mm以上5mm以下が挙げられる。この場合、長さLは、例えば5mm以上15mm以下が挙げられる。
ノズル9の先端は、ケース5の底部51に近接させて配置する(図4A)。この配置によって、原料樹脂600は、底部51からケース5の開口側に向かって、空間560に充填される。本例では、ケース5の第一面521が湾曲面を有するため、円筒状のノズル9を第一面521の一方の湾曲面側に寄せて配置することができる(図4B)。この配置によって、原料樹脂600が第二領域562に広がった場合に、原料樹脂600が合流する箇所を原料樹脂600の充填開始箇所、ここではノズル9の配置箇所から離れた位置にすることができる。また、本例のように1本のノズル9を用いた一点注型であると、上述の合流箇所が少なくなり易い。これらのことから、原料樹脂600が気泡を巻き込み難く、封止樹脂部6における気泡の残留が防止され易い。なお、図4Aは、ノズル9の先端が鉛直方向の下方に位置し、ノズル9の軸が鉛直方向に沿うようにノズル9を空間560に配置した状態を例示する。ノズル9の先端の開口部は、ケース5の底部51の内底面に向かって開口する。
原料樹脂600の充填量は、第一領域561の体積と第二領域562の体積との合計体積に基づいて設定するとよい。設定された充填量の体積と、空間560の体積とに応じて、上述の液面の終了位置が設定される。上記終了位置がケース5の底部51からケース5の深さ方向に沿って、深さH(図2)の70%以下の地点、更に深さHの60%以下の地点であると、原料樹脂600の充填量が少なくてよい。そのため、原料樹脂600の粘度が高い場合、例えば9P・s以上、更に10P・s以上である場合でも、充填時間が短くなり易い。原料樹脂600の粘度が高い場合は、例えば、本例のように非金属無機材料からなる粉末を含む場合等が挙げられる。
原料樹脂600の充填は、いわゆる注型である。また、空間560の平面積は、ノズル9の直径に対して十分に大きい(図1)。そのため、ノズル9から吐出された原料樹脂600は、実質的に空間560内にしか広がらず、第二領域562に殆ど充填されない。その結果、原料樹脂600がノズル9から空間560に充填されると、空間560内のみで原料樹脂600の液面が上昇する。
なお、原料樹脂600の充填作業は、真空槽内で真空引きしながら行うと、気泡が封止樹脂部6に、より残存し難い。
第四工程では、空間560におけるケース5の開口側から、挿入部材7を空間560に挿入する(図5)。特に、挿入部材7によって、原料樹脂600を押圧する(図5)。この押圧によって、原料樹脂600が第二領域562側に移動する。原料樹脂600の流動に伴い、空間560内の原料樹脂600の液面は、ケース5の底部51側に変位する、即ち下降する。また、第二領域562内の原料樹脂600の液面は、開口側に変位する、即ち上昇する。第二領域562内の原料樹脂600の液面がケース5内の所定の位置まで達すると共に、挿入部材7の先端部70の端面71が空間560の所定の位置に配置されたら、押圧をやめる。上記所定の位置は、空間560の体積から挿入部材7の体積を除いた残りの体積を空間560の平面積で除することで求められる。押圧終了時において、ケース5の底部51の内底面から端面71までの領域が第一領域561である。
詳しくは、挿入部材7を空間560におけるケース5の底部51側に移動させて、先端部70の端面71を原料樹脂600の液面に接触させる(図5)。本例では、端面71の面積Sが空間560の平面積以上である部分を含むため、挿入部材7を弾性変形させながら、原料樹脂600に向かって移動させる。挿入部材7は、組合体10の外周面100及びケース5の第一面521に擦れ合いながら、底部51側に挿入される。
挿入部材7が原料樹脂600に接したら、図5の白抜き矢印で示すように、挿入部材7をケース5の底部51側に向かって更に押し付ける。ケース5の底部51側に押し付けられた原料樹脂600は、図5の黒矢印で示すように、空間560から第二領域562に向かって、更にはケース5の開口側に向かって流れる。第二領域562における組合体10の外周面100とケース5の内周面520との間隔が狭い場合でも、挿入部材7から押圧されることで、原料樹脂600は、上記狭い箇所に入り込める。換言すれば、空間560がシリンダのように機能すると共に、挿入部材7がピストンのように機能することで、原料樹脂600が空間560から第二領域562に加圧充填される。
本例では、上述のように、空間560の平面積Smax≦挿入部材7の面積Sであるため、挿入部材7によって、空間560における原料樹脂600の充填箇所は、液密に近い状態になる。このことからも、挿入部材7から押圧された原料樹脂600は、第二領域562の上述の狭い箇所に入り込み易い。また、上記原料樹脂600は、組合体10と挿入部材7との隙間にも入り込み易い。
本例では、空間560に押し込まれた挿入部材7において、先端部70は、ケース5の底部51側の保持部材4とケース5の第一面521とに挟まれる。また、端面72側の端部がケース5の開口側の保持部材4とケース5の第一面521とに挟まれる。その結果、挿入部材7は、ケース5内に位置決めされる。
第二領域562に流れ込んだ原料樹脂600によって、組合体10が覆われる。本例では、原料樹脂600は、上述のように組合体10及び挿入部材7におけるケース5の開口側の面を覆う。なお、組合体10及び挿入部材7の少なくとも一方において、ケース5の開口側の面が原料樹脂600から露出されてもよい。
原料樹脂600を固化することで、封止樹脂部6が形成される。空間560に押し込まれた挿入部材7とケース5の底部51との間に充填された原料樹脂600は、固化後、第一樹脂部61を構成する。第二領域562に充填された原料樹脂600は、固化後、第二樹脂部62を構成する。
(用途)
実施形態1のリアクトル1は、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品に利用できる。例えば、リアクトル1は、種々のコンバータや電力変換装置の構成部品等に利用できる。コンバータの一例として、車載用コンバータ、空調機のコンバータ等が挙げられる。車載用コンバータは、代表的にはDC−DCコンバータである。コンバータが搭載される車両の一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等が挙げられる。
(主な作用・効果)
実施形態1のリアクトル1は、挿入部材7を備えるため、挿入部材7を備えていない場合に比較して、封止樹脂部6の充填量が少ない。また、実施形態1のリアクトル1は、封止樹脂部6、特に第二樹脂部62によって、組合体10の熱をケース5に伝えられるため、放熱性に優れる。
本例の挿入部材7の体積は、以下のように大きいことからも、封止樹脂部6の充填量が少なくてよい。本例の挿入部材7は、直方体状であり、かつ長さHがケース5の深さHの40%以上であり、面積Sが空間560の平面積Smax以上であるため、挿入部材7の体積は、概ね面積S×長さHである。このような挿入部材7は体積が大きいといえる。また、本例では、空間560の角部が丸められていることからも、角張っている場合より上記充填量が少なくてよい。
本例のリアクトル1は、以下の四点からも、放熱性に優れる。
(a)巻回部21,22においてケース5の内周面520に対向する領域が後述する変形例3の収納形態に比較して大きい。
(b)巻回部21,22とケース5の内周面520との間に第二樹脂部62が充填されており、第二樹脂部62によって、巻回部21,22の熱をケース5に良好に伝えられる。
(c)封止樹脂部6が非金属無機材料からなる粉末を含み、熱伝導性に優れる。
(d)組合体10の外周面100とケース5の内周面520との間隔が狭い箇所、ここでは主として厚さtを有する箇所が多い。具体的には、組合体10の周長の80%以上の領域は、上記狭い箇所に相当する。
更に、実施形態1のリアクトル1は、封止樹脂部6の原料樹脂600の充填時間を短縮できる点で、製造性に優れる。また、製造コストも削減できる。
充填時間が短い理由は、以下の三点が挙げられる。
(A)原料樹脂600の充填量が挿入部材7の体積分だけ少なくてよい。
(B)原料樹脂600を充填する箇所が比較的大きな空間560である。
(C)挿入部材7によって、空間560に充填された原料樹脂600を押圧することができる。
(B)空間560の大きさに関して、本例の空間560の長さLは、第二領域562における組合体10の外周面100とケース5の内周面520との間隔、ここでは厚さtより大きい(t≪L)。そのため、原料樹脂600の充填開始箇所を厚さt程度の狭い箇所とする場合に比較して、充填時間が短い。また、本例では、空間560にノズル9を配置可能であり、ノズル9を利用できることからも、充填時間が短くなり易い。更に、上述のようにノズル9の先端をケース5の底部51側に配置すること、ノズル9をケース5の上述の長辺方向の一端側に偏在させること、及び一点注型とすることによって、気泡の巻き込みを効果的に防止することができる。その結果、脱気時間を含めた充填時間が短くなり易い。
(C)押圧に関して、本例では、上述のように第二領域562に1mm以下といった狭い箇所があっても、押圧された原料樹脂600は上記狭い箇所に入り込める。また、本例では、原料樹脂600が非金属無機材料からなる粉末を含むことで粘度が高くても、押圧された原料樹脂600は上記狭い箇所に入り込める。更に、本例では、先端部70の構成材料がゴムであり、平面積Smax≦面積Sであることで、上述の液密状態を構築できるため、挿入部材7は、押圧力を原料樹脂600に確実に付与できる。このことからも、押圧された原料樹脂600は上記狭い箇所に入り込める。
本例のリアクトル1は、以下の三点からも製造性に優れる。
・ 挿入部材7が製造性に優れる。この理由は、挿入部材7は単一の材料から構成される一体成型物である上に、断面形状及び断面積が挿入部材7の軸方向に一様な単純形状であることが挙げられる。代表的には、長尺な柱状材又は棒状材を所定の長さに切断すれば、挿入部材7が製造される。
・ 挿入部材7がケース5内における組合体10の位置ずれを防止する。そのため、原料樹脂600を充填する際や固化する際等、組合体10の位置決めを行う部材を別途配置する必要がない。
・ ケース5が製造性に優れる。特許文献1に記載されるケースでは、ケース自体に原料樹脂の導入路を加工する必要がある。本例のリアクトル1では、上記ケースの加工が不要である。
本例のリアクトル1は、以下の三点から、小型である。
・ 第二領域562における組合体10とケース5との間隔を例えば1mm以下にすることができる。この点で、ケース5が小さくなり易い。
・ 挿入部材7が配置される空間560がケース5の上述の長辺方向の一端側にのみ設けられている。このようなケース5では、挿入部材7の配置箇所が例えば上記長辺方向の両側に設けられる場合に比較して、ケース5の長さLが短くなり易い。また、本例のケース5では、挿入部材7の配置箇所が例えば上記短辺方向の一端側又は両側に設けられる場合に比較して、短辺方向の長さが短い。これらの点で、ケース5が小さくなり易い。
・ 組合体10におけるケース5の上述の短辺方向に沿った長さ<組合体10の長さL10<高さH10である。そのため、ケース5の底部51の面積が後述する変形例3の収納形態に比較して小さい。なお、底部51の面積は、概ね、上記短辺方向に沿った長さと組合体10の長さL10との積である。
その他、実施形態1のリアクトル1は、挿入部材7によって第一樹脂部61の体積を小さくできる。そのため、リアクトル1の使用時に高温になった場合に、第一樹脂部61の熱膨張量が小さくなり易い。従って、空間560の実質的に全体に封止樹脂部6が充填される場合に比較して、封止樹脂部6、特に第一樹脂部61に、その熱膨張に起因する割れが生じ難い。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、実施形態1のリアクトル1に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(変形例1)挿入部材7が以下の構成(1)〜(3)の少なくとも一つを満たす。
(1) 以下、図6を参照して、挿入部材7の変形例を説明する。
変形例1(1)の挿入部材7は、先端部70と軸部75とを備える。先端部70及び軸部75の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが50以上の硬度を有する。
先端部70は、ケース5の底部51側に配置される部分であり、端面71を有する。軸部75は、ケース5の開口側に配置される部分であり、端面72を有する。先端部70と軸部75とは接続されて、一体の部材として利用される。
本例の先端部70は、空間560の形状に概ね対応した直方体状であり、端面71の面積Sが空間560の平面積Smax以上である。先端部70の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが90以下のゴムである。先端部70の長さH70は、適宜選択できる。本例では、長さH70は、挿入部材7の長さHの10%以上40%以下であり、軸部75の長さより短い。なお、長さH70は、挿入部材7における軸方向に沿った長さである。
本例の先端部70は、挿入部材7の軸方向に直交する平面で切断した断面積が部分的に異なる段差形状である。本例では、端面71及びその近傍、上記軸方向の中央部及びその近傍、先端部70における端面71とは反対側の面及びその近傍という三箇所は、フランジ部を有する。フランジ部の輪郭の面積は面積Sを有する。先端部70におけるフランジ部以外の箇所は、面積Sよりも小さい。
本例の軸部75は、丸棒状の部材である。軸部75は、挿入部材7の軸方向に直交する平面で切断した断面形状及び断面積が上記軸方向に一様である。本例の軸部75の平面積及び上記断面積は、平面積Smax未満であり、端面71の面積Sより小さい。更に、軸部75の平面積及び上記断面積は、上述の先端部70におけるフランジ部以外の箇所の断面積よりも小さい。そして、本例の軸部75の構成材料は樹脂、例えばPPS樹脂である。また、軸部75の構成材料の硬度は、先端部70の構成材料の硬度より高い。
変形例1(1)の挿入部材7は、上述のように先端部70によって上述の液密状態を構築できつつ、挿入部材7を空間560に挿入する際の摩擦を低減できる。この理由は、挿入部材7において、平面積Smax≦面積Sを有する箇所の長さが実施形態1で説明した挿入部材7より短く、組合体10の外周面100及びケース5の内周面520との接触面積が小さいからである。本例では、先端部70の一部のみが組合体10の外周面100及びケース5の内周面520と接し、先端部70の残部及び軸部75は上記外周面100及び上記内周面520に実質的に接しない。
また、変形例1(1)の挿入部材7は、上記液密状態を構築できつつ、先端部70をより確実に押圧することができる。この理由は、軸部75の構成材料の硬度が先端部70の構成材料の硬度より高く剛性に優れるからである。
その他、変形例1(1)の挿入部材7も、ケース5内における組合体10の位置決め部材として機能する。この理由は、軸部75の平面積が面積Sより小さくても、先端部70が組合体10の外周面100とケース5の内周面520、ここでは第一面521に密接できるからである。
なお、先端部70の構成材料と、軸部75の構成材料とが同じでもよい。この場合、挿入部材7は、単一の材料からなる一体成型物とすることができるため、製造性に優れる。また、軸部75の平面積及び断面積は、空間560の平面積Smax以上でもよい。更に、軸部75の形状は、先端部70に相似形状でもよい。このように、先端部70と軸部75とを備える挿入部材7では、構成材料の自由度、形状の自由度、大きさの自由度が高い。
(2)挿入部材7は、その軸方向に直交する平面で切断した断面形状及び断面積の少なくとも一方が異なる箇所を含む。
このような挿入部材7の一例として、変形例1(1)のように局所的に断面積が異なる部分を有するものが挙げられる。別例として、ケース5の開口側に配置される端面72から、ケース5の底部51側に配置される端面71に向かって、連続的に又は段階的に断面積が減少する先細り形状の柱状又は棒状の部材が挙げられる。
(3)挿入部材7の個数が複数である。
この場合、各挿入部材7の構成材料は同じでも、異なってもよい。例えば、電気絶縁材料からなる挿入部材7と、導電材料からなる挿入部材7とを含んでもよい。
また、この場合、組合体10に並んでいれば各挿入部材7の配置位置は問わない。例えば、複数の挿入部材7がケース5の上述の長辺方向の一端側に位置し、上述の短辺方向に沿って配置されることが挙げられる。又は、複数の挿入部材7が上記長辺方向の両側に分かれて配置されることが挙げられる。又は、ケース5の上記長辺方向の一端側に配置される挿入部材7と、上記短辺方向の一端側に配置される挿入部材7とが存在してもよい。この具体例として、前者の挿入部材7は、実施形態1で説明した挿入部材7であり、後者の挿入部材7は、例えばケース5の第三面523に沿って配置される板状の挿入部材7であることが挙げられる。実施形態1で説明した挿入部材7と、上記板状の挿入部材7とは、ケース5内にL字状に配置される。各挿入部材7の大きさは、端部が干渉しないように調整する。
(変形例2)封止樹脂部6は、組合体10及び挿入部材7の双方を埋設せず、組合体10及び挿入部材7の一方、又は双方の一部を露出させる。
変形例2は、封止樹脂部6の充填量を更に少なくできる上に、充填時間を短くできる。例えば、組合体10の一部が封止樹脂部6から露出される場合、第二樹脂部62は、少なくとも、巻回部21,22の外周面とケース5の内周面520との間に充填されて、巻回部21,22の外周面を覆うと、放熱性、絶縁性に優れて好ましい。
(変形例3)組合体10におけるケース5への収納状態が以下の(1)又は(2)である。
(1)組合体10がケース5内に収納された状態において、巻回部21,22の軸方向がケース5の深さ方向に直交し、かつ巻回部21,22の軸が上記深さ方向の同じ位置に配置される。この収納状態は、特許文献1に記載される収納状態である。
(2)組合体10がケース5内に収納された状態において、巻回部21,22の軸方向がケース5の深さ方向に直交し、かつ巻回部21,22の軸が上記深さ方向に並ぶ。
いずれの収納形態も、ケース5の上述の長辺方向の両側に、組合体10の各外側コア部33が近接して配置される。代表的には、この外側コア部33に沿って、又は外側コア部33を覆う保持部材4に沿って、挿入部材7が配置されることが挙げられる。
(変形例4)コイル2が以下の構成(1)〜(5)の少なくとも一つを満たす。
(1)巻回部21,22がそれぞれ異なる巻線から構成される。
この場合、連結部は、巻線の端部のうち、外部装置が接続されない端部同士を溶接や圧着等によって直接接続させた形態でも、金具によって間接接続させた形態でもよい。
(2)巻線が被覆平角線以外の線材、例えば、断面形状が円形である被覆丸線である。
(3)巻回部21,22の形状が角筒以外の形状、例えば、円筒状等である。
(4)巻回部21,22同士において仕様が異なる。
(5)巻回部の個数が一つである。
(変形例5)磁性コア3が以下の構成(1)〜(5)の少なくとも一つを満たす。
(1)磁性コア3を構成するコア片の個数が一つ、二つ、三つ、又は五つ以上である。
(2)磁性コア3は、コイル2の巻回部内に配置される部分と巻回部外に配置される部分とを有するコア片を備える。このようなコア片として、例えば、U字状のコア片、L字状のコア片、E字状のコア片等が挙げられる。
(3)内側コア部31,32の少なくとも一方が一つのコア片ではなく、複数のコア片によって構成される。この場合、隣り合うコア片間に磁気ギャップがあってもよい。
(4)内側コア部31,32の外周形状が巻回部21,22の内周形状に非相似である。例えば、巻回部21が四角筒状であり、内側コア部31が円柱状であることが挙げられる。
(5)コア片の角部が面取りされている。面取りされたコア片は、角部が欠け難く、強度に優れる。
(変形例6)リアクトル1は、組合体10と、ケース5の底部51の内底面との間に、図示しない接着層を備える。
(変形例7)リアクトル1は、樹脂モールド部8及び保持部材4の一方、又は双方を備えていない。
1 リアクトル、10 組合体、100 外周面
2 コイル、21,22 巻回部
3 磁性コア、31,32 内側コア部、33 外側コア部
4 保持部材、43 周壁
5 ケース、51 底部、52 側壁部
520 内周面、521 第一面、522 第二面
523 第三面、524 第四面
560 空間、561 第一領域、562 第二領域
6 封止樹脂部、61 第一樹脂部、62 第二樹脂部、600 原料樹脂
7 挿入部材、70 先端部、71,72 端面、701,705 側面
8 樹脂モールド部、81,82 内側樹脂部、83 外側樹脂部
9 ノズル
深さ、H,H10 高さ、H,H70 長さ、t 厚さ
,L,L10 長さ

Claims (5)

  1. コイルと磁性コアとを含む組合体と、
    前記組合体が収納されるケースと、
    前記ケース内に前記組合体と並んで収納される挿入部材と、
    前記ケース内に充填される封止樹脂部とを備え、
    前記ケースは、底部と、側壁部とを備え、
    前記挿入部材は、前記底部に対して間隔をあけて配置される先端部を備え、
    前記組合体及び前記挿入部材と前記ケースとがつくる空間は、前記底部と前記先端部との間に設けられる第一領域と、前記第一領域以外の第二領域とを備え、
    前記封止樹脂部は、前記第一領域に充填される第一樹脂部と、前記第二領域の少なくとも一部に充填される第二樹脂部とを備え、
    前記挿入部材の構成材料は、タイプAデュロメータ硬さが50以上の硬度を有する、
    リアクトル。
  2. 前記構成材料は、樹脂又はゴムを含む請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記先端部の構成材料は、前記ゴムであり、
    前記先端部は、前記第一樹脂部に接する端面を備え、
    前記先端部が弾性変形していない状態において前記端面の面積は、前記第一領域の最大の平面積以上である請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記挿入部材における前記ケースの深さ方向に沿った長さは、前記ケースの深さの40%以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記封止樹脂部の構成材料は、樹脂と、非金属無機材料からなる粉末とを含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
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