JP7223331B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
コイルと磁性コアとを含む組合体と、
前記組合体が収納されるケースと、
前記ケース内に充填される封止樹脂部と、
前記ケース内に収納される押さえ部材とを備え、
前記ケースは、
底部と、側壁部と、前記側壁部の内面に開口する少なくとも一つの溝部とを備え、
前記溝部は、
前記側壁部における前記底部とは反対側の端面に設けられた開口端と、
前記開口端より前記底部側に設けられた閉塞端とを有し、
前記押さえ部材は、
本体部と、前記本体部から延びる少なくとも一つの取付部とを備え、
前記本体部は、前記組合体における前記底部とは反対側の面に重複して配置され、
前記取付部は、前記溝部に嵌め込まれ、
前記封止樹脂部は、
前記組合体と前記本体部との間に充填される第一樹脂部と、前記溝部に充填される第二樹脂部とを含む。
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係るリアクトルは、
コイルと磁性コアとを含む組合体と、
前記組合体が収納されるケースと、
前記ケース内に充填される封止樹脂部と、
前記ケース内に収納される押さえ部材とを備え、
前記ケースは、
底部と、側壁部と、前記側壁部の内面に開口する少なくとも一つの溝部とを備え、
前記溝部は、
前記側壁部における前記底部とは反対側の端面に設けられた開口端と、
前記開口端より前記底部側に設けられた閉塞端とを有し、
前記押さえ部材は、
本体部と、前記本体部から延びる少なくとも一つの取付部とを備え、
前記本体部は、前記組合体における前記底部とは反対側の面に重複して配置され、
前記取付部は、前記溝部に嵌め込まれ、
前記封止樹脂部は、
前記組合体と前記本体部との間に充填される第一樹脂部と、前記溝部に充填される第二樹脂部とを含む。
この理由の一つは、押さえ部材の取付部が溝部に嵌め込まれた状態で、溝部に第二樹脂部が充填されていることが挙げられる。第二樹脂部によって、取付部における溝部に対する位置がずれ難い。
この理由の一つとして、押さえ部材と組合体との間に第一樹脂部が存在しており、押さえ部材が組合体に直接接していないことが挙げられる。
前記ケースは、二つの前記溝部を備え、
前記押さえ部材は、二つの前記取付部を前記本体部の両側に備え、
二つの前記溝部はそれぞれ、前記内面における対向箇所に設けられており、
二つの前記取付部はそれぞれ、前記溝部に嵌め込まれる形態が挙げられる。
前記溝部は、第一溝部と、前記第一溝部につながる第二溝部とを備え、
前記第一溝部は、前記開口端を有し、
前記第二溝部は、前記閉塞端を有し、
前記第一溝部の延伸方向と前記第二溝部の延伸方向とが異なる形態が挙げられる。
前記第一溝部の延伸方向は、前記ケースの深さ方向であり、
前記第二溝部の延伸方向は、前記深さ方向に直交する方向である形態が挙げられる。
前記本体部における前記底部とは反対側の面は、前記封止樹脂部から露出されている形態が挙げられる。
前記本体部の平面形状は、菱形状である形態が挙げられる。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態に係るリアクトルの具体例を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
図1から図8を参照して、実施形態1のリアクトルを説明する。
(概要)
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように、コイル2と磁性コア3とを含む組合体10と、ケース5と、封止樹脂部6と、押さえ部材7とを備える。組合体10は、ケース5に収納される。このケース5内には、封止樹脂部6が充填される。また、ケース5内には押さえ部材7が収納される。ケース5内の押さえ部材7は、組合体10に重複して配置される。
組合体10は、コイル2と、磁性コア3とを備える。その他、組合体10は、コイル2と磁性コア3との間の電気絶縁性を高める部材等を備えてもよい。このような部材として、後述する保持部材4、図示しない樹脂モールド部等が挙げられる。
コイル2は、巻線をらせん状に巻回してなる筒状の巻回部を備える。巻回部に連続する巻線の端部には、電源等の外部装置が接続される。巻線、巻線の端部、及び外部装置は、図示を省略する。
磁性コア3は、コイル2の巻回部内に配置される部分と、巻回部外に配置される部分とを有し、コイル2がつくる磁束が通過する閉磁路を構成する。
リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に配置される保持部材4を備えてもよい。本例の保持部材4は、巻回部21,22、内側コア部31,32及び外側コア部33を支持して、巻回部21,22に対して内側コア部31,32、外側コア部33を位置決めする。図1,図2は保持部材4の概略を示し、詳細な図示を省略する。
リアクトル1は、磁性コア3の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を備えてもよい。樹脂モールド部は、コイル2又はリアクトル1の周囲部品と磁性コア3との間における電気絶縁性を向上する他、磁性コア3に対して外部環境から保護、機械的な保護等を行う。
例えば、樹脂モールド部は、内側コア部31,32の少なくとも一部を覆う内側樹脂部と、外側コア部33の少なくとも一部を覆う外側樹脂部とを備えることが挙げられる。この場合、内側樹脂部と外側樹脂部とが連続する一体成型物であれば、樹脂モールド部は複数のコア片を一体に保持できる。そのため、樹脂モールド部は磁性コア3における一体物としての強度、剛性を高められる。このような樹脂モールド部は、例えば以下のように製造することが挙げられる。上述の保持部材4の周壁43の内周面と外側コア部33の外周面との間に隙間が設けられるように、周壁43の大きさを調整する。この隙間と、保持部材4の貫通孔と、巻回部21,22と内側コア部31,32との間の隙間とを連通する空間に樹脂モールド部の原料となる樹脂を充填して、固化する。
ケース5は、組合体10の実質的に全体を収納して、組合体10に対して外部環境からの保護、機械的な保護等を行う。本例のケース5は、金属から構成されており、組合体10の放熱経路としても機能する。
封止樹脂部6は、ケース5内に収納された組合体10の実質的に全体を覆う。より具体的には、封止樹脂部6は、組合体10の外周面とケース5の内面521との隙間に充填される。また、封止樹脂部6は、組合体10における底部51とは反対側の面、ここでは外側コア部33の上端面330を覆う。結果として、組合体10の実質的に全体は、封止樹脂部6に埋設される。このような封止樹脂部6は、組合体10に対して外部環境からの保護、機械的な保護、組合体10とケース5との間の電気絶縁性の向上、組合体10とケース5との一体化、放熱性の向上等の機能を有する。
・ 封止樹脂部6とケース5との界面応力を封止樹脂部6が弾性変形することによって吸収する。
・ 封止樹脂部6の振動に起因する応力、歪によって、封止樹脂部6に凝集破壊やせん断が生じ難い。
上記の条件を満たす範囲で、組合体10の外周を囲む封止樹脂部6の厚さが薄いほど、リアクトル1は放熱性に優れ、上記厚さが厚いほど、組合体10がケース5内に固定された状態が維持され易い。
以下、主に図3,図4を参照して、押さえ部材7を説明する。
〈概略〉
押さえ部材7は、本体部70と、本体部70から延びる少なくとも一つの取付部71とを備える。押さえ部材7は、封止樹脂部6に接して配置されて(後述の図6,図7参照)、封止樹脂部6が主にケース5の深さ方向に変位することを抑える。但し、押さえ部材7は、ケース5に対してボルト締結や圧入等によって固定されているのではなく、取付部71がケース5の溝部53に対して遊びを持って嵌め込まれる(図6)。また、取付部71において溝部53を構成する内周面に接触していない箇所は、封止樹脂部6に覆われる(図6)。その結果、押さえ部材7は、溝部53に嵌め込まれた状態、即ちケース5内に収納された状態が長期にわたり維持される。そのため、押さえ部材7は、ケース5とは独立した部材であるものの、封止樹脂部6におけるケース5の深さ方向の変位を抑えられる。
本例の本体部70は、平板状である。押さえ部材7がケース5に配置された状態において、本体部70におけるケース5の底部51とは反対側の面、ここでは表面701は、ケース5の開口側に向いて配置される(図4)。表面701に対向する裏面702は、ケース5の底部51の内底面に対向して配置される(図7)。この裏面702が封止樹脂部6に接して配置される(図7)。
本例の取付部74,75は、本体部70の長軸方向の各端部に位置する。また、本例の押さえ部材7は本体部70と取付部74,75とが同一平面上に配置される平板材ではなく、取付部74,75が本体部70に対して厚さ方向にずれている(図3)。詳しくは、押さえ部材7がケース5に配置された状態において、本体部70がケース5の開口側に位置し、取付部74,75が本体部70よりケース5の底部51側に位置する(図1)。このような配置となるように、取付部74,75は、脚部と、係合部とを備える。脚部は、本体部70の表面701に沿った方向に対して交差方向に延びる。本体部70におけるケース5の深さ方向の位置が所定の位置となるように、脚部の長さが調整される。係合部は、脚部につながり、表面701に沿った方向に平行に設けられる。係合部は、溝部54,55に嵌め込まれる箇所である。
本体部70の大きさ、ここでは菱形の短軸長さ、長軸長さ、平面積等は、ケース5の開口部の大きさ、封止樹脂部6の厚さ、特に後述する第一樹脂部61の厚さt6(図7)等に応じて調整するとよい。本例では、本体部70の長軸方向がケース5の短辺方向に沿うように、押さえ部材7がケース5内に配置される(図4)。そのため、本体部70の長軸長さは、ケース5の短辺長さより短い。この点で、押さえ部材7は小型である。なお、ケース5の短辺長さは、内面522,523間の距離である。
押さえ部材7の構成材料は、剛性に優れるものが好ましい。上記構成材料は、例えば金属が挙げられる。特に、ステンレス鋼等の鉄基合金、アルミニウム基合金等は、剛性に優れて好ましい。鉄基合金は、非磁性のものが好ましい。金属製の押さえ部材7は、例えば、鍛造等の塑性加工によって製造することが挙げられる。鍛造品は、寸法精度に優れる。
以下、主に図4から図6を参照して、ケース5の溝部53を説明する。
図4は、ケース5の長辺方向の一端側の領域を二点鎖線で仮想的に示す。また、図4は、ケース5をその開口側から深さ方向に平面視した図である。
図5,図6は、リアクトル1をケース5の深さ方向に平行な平面、即ち図1に示すA-A切断線で切断した断面図であって、溝部53の近くの領域のみを示す部分断面図である。図5は、ケース5のみを示す。図6は、一方の溝部54の近くのみを示す。
A-A切断線は、ケース5の短辺方向の中心より内面522寄りの位置を切断する。
ケース5の側壁部52には、溝部53が設けられている。溝部53は、側壁部52の内面521と、側壁部52における底部51とは反対側、図5,図6では上側に位置する端面520とに開口する(後述の図8も参照)。溝部53は、端面520に設けられた開口端530と、開口端530より底部51側、図5,図6では下側に設けられた閉塞端535とを有する。溝部53には、開口端530から、押さえ部材7の取付部71が挿入されて(図8)、閉塞端535側に配置される(図6)。溝部53を構成する内周面と取付部71の外周面との隙間には、封止樹脂部6の一部、ここでは第二樹脂部62が充填される(図6)。溝部53は、第二樹脂部62と共に押さえ部材7を支持する。
ケース5に設けられる溝部53の個数は一つ以上であればよい。本例のケース5は、一つの押さえ部材7に対して二つの溝部54,55を備える。ケース5は、溝部54,55の組を二組備え、合計四つの溝部53を備える(図1)。二つの溝部54,55はそれぞれ、内面521における対向箇所に設けられる(図4)。ここでは、対向する二つの内面522,523において、一方の内面522に溝部54が設けられ、他方の内面523に溝部55が設けられる。また、本例のケース5は、内面522の長辺方向の両側に溝部54を備え(図5)、内面523の長辺方向の両側に溝部55を備える。上記長辺方向は、図5では紙面左右方向である。一組の溝部54,55にはそれぞれ、一つの押さえ部材7の両取付部74,75が嵌め込まれる(図1)。即ち、ケース5は、一つの押さえ部材7に対して、二つの支持箇所を対向位置に備える。
本例の溝部54,55は同一形状、同一の大きさである。そのため、以下、溝部54,55をまとめて、溝部53と呼んで説明する。
本例の溝部53は、延伸方向が異なる複数の溝から構成される。具体的には、溝部53は、第一溝部531と、第一溝部531につながる第二溝部532とを備える。第一溝部531は、開口端530を有する溝である。第二溝部532は、閉塞端535を有する溝である。第一溝部531の延伸方向と第二溝部532の延伸方向とが異なる。本例では、第一溝部531の延伸方向は、ケース5の深さ方向である。第二溝部532の延伸方向は、上記深さ方向に直交する方向である。図5,図6では、上記深さ方向は紙面上下方向であり、上記深さ方向に直交する方向は紙面左右方向、即ちケース5の長辺方向である。
ケース5に対して、溝部53の開口端530の配置位置、閉塞端535の配置位置は、押さえ部材7の配置位置に応じて調整するとよい。特に、封止樹脂部6の変位を抑制可能な位置に押さえ部材7が配置されるように、溝部53の配置位置を調整することが挙げられる。本例では、ケース5の短辺の二等分線を通り、長辺方向に沿った平面でリアクトル1を切断した場合、封止樹脂部6のうち組合体10の開口側を覆う第一樹脂部61の最大振幅は、長辺方向の中心及びその近傍に位置する。この最大振幅の地点の両側に押さえ部材7の本体部70が配置されるように、溝部53が設けられている。特に、本体部70において剛性に優れる領域、即ち菱形の短軸と長軸との交点及びその近傍の領域が上記短辺の二等分線を通り、長辺方向に沿った直線上に配置されるように、溝部53が設けられている。また、本例のケース5は、長辺の二等分線を中心として線対称な形状となるように、溝部53を備える。なお、封止樹脂部6の振幅又は変位量は、例えば市販のシミュレーションソフトウェア等を用いて振動状態を解析することで求められる。
溝部53の大きさ、例えば図5に示す長さW51,W52,W53、高さh53,h52は、押さえ部材7の取付部71の幅W7(図4)、厚さt7(図3)に応じて調整する。特に、溝部53の大きさは、第二溝部532に対して取付部71が遊びを持って嵌め込まれるように調整する。
長さW51は、開口端530におけるケース5の長辺方向に沿った長さである。
長さW52は、第二溝部532において、第一溝部531の周縁をケース5の深さ方向に沿って延長した仮想線から一方の閉塞端535までの長さであって、上記長辺方向に沿った長さである。一方の閉塞端535は、上記長辺の二等分線に近い側、図6では右側の閉塞端535である。上記仮想線から他方の閉塞端535までの長さであって、上記長辺方向に沿った長さ(W53-(W51+W52))は、長さW52より短い。
高さh53は、溝部53において、ケース5の深さ方向に沿った最大長さである。ここでは、高さh53は、第一溝部531における上記深さ方向に沿った長さと、第二溝部532の高さh52との合計長さである。
高さh52は、第二溝部532において、ケース5の深さ方向に沿った長さである。
以下、主に図6,図7を参照して、封止樹脂部6の詳細を説明する。
封止樹脂部6は、第一樹脂部61(図7)と、第二樹脂部62(図6)とを含む。第一樹脂部61は、ケース5内において、組合体10と押さえ部材7の本体部70との間に充填される。第二樹脂部62は、ケース5の側壁部52に設けられた溝部53に充填される。第二樹脂部62は、押さえ部材7の取付部71の少なくとも一部を埋設する。
実施形態のリアクトル1は、例えば、以下の工程を備えるリアクトルの製造方法によって製造することができる。
(第一工程)組合体10とケース5と押さえ部材7とを用意する。
(第二工程)組合体10をケース5内に収納する。
(第三工程)押さえ部材7をケース5に配置する。
(第四工程)ケース5内に封止樹脂部6を形成する。
実施形態1のリアクトル1は、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品に利用できる。例えば、リアクトル1は、種々のコンバータや電力変換装置の構成部品等に利用できる。コンバータの一例として、車載用コンバータ、空調機のコンバータ等が挙げられる。車載用コンバータは、代表的にはDC-DCコンバータである。コンバータが搭載される車両の一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等が挙げられる。
実施形態1のリアクトル1は、第一樹脂部61に接して配置される押さえ部材7によって、振動等に起因する封止樹脂部6の変位、ここでは主としてケース5の深さ方向の変位を抑制できる。
また、封止樹脂部6のうち第一樹脂部61によって、押さえ部材7は組合体10に直接接触しない。いわば、押さえ部材7は、組合体10を間接的に固定する。そのため、押さえ部材7は組合体10の振動の影響も受け難い。
更に、封止樹脂部6のうち第二樹脂部62によって、押さえ部材7は、溝部53に嵌め込まれた状態が維持される。
これらの点から、押さえ部材7の本体部70が組合体10に重複して配置された状態が維持され易い。このようなリアクトル1は、押さえ部材7によって、上述の封止樹脂部6の変位をより確実に抑制できる。
・ ボルト締結のための台座、板バネの配置スペース等が不要であり、ケース5が小さくなり易い。
・ 押さえ部材7が、このケース5に収納可能な大きさである。
・ 本例では、押さえ部材7の本体部70の表面701が封止樹脂部6から露出されており、ケース5の高さが更に小さくなり易い。
このようにケース5の高さが小さい点、更に本体部70の表面701が露出されることで封止樹脂部6の充填量が少なくてよい点で、リアクトル1は軽量である。
・ ボルト締結が不要であるため、部品点数が少なく、組立時間が短くなり易い。
・ 押さえ部材7の取付部71を溝部53の延伸方向に沿ってスライドさせることで、取付部71を溝部53に容易に嵌め込むことができる。特に、本例のリアクトル1では、開口端530を有する第一溝部531の延伸方向がケース5の深さ方向に沿っている。そのため、開口端530から第一溝部531の底部51側に向かって、押さえ部材7の取付部71をスライドし易い。第二溝部532の延伸方向が第一溝部531の延伸方向に直交する方向である。そのため、第一溝部531から第二溝部532の閉塞端535側に取付部71をスライドし易い。
・ 押さえ部材7の本体部70がケース5の開口部より小さく、ケース5に容易に収納可能である。
・ 押さえ部材7の取付部71の幅W7が本体部70より細く、溝部53に嵌め込み易い。
・ 本例では、上述のように封止樹脂部6の充填量が少ないため、充填時間、固化時間が短くなり易い。製造コストの削減も期待できる。
・ 溝部53がT字状であるため、例えば溝部53がL字状である場合より、溝形成のための切削加工が行い易い。
押さえ部材を備えるリアクトルと、押さえ部材を備えていないリアクトルとについて、封止樹脂部の振動特性を評価した。
例えば、上述の実施形態1のリアクトル1に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
この場合、押さえ部材7におけるケース5に対する配置位置は、封止樹脂部6が振動する際に最も大きな振幅が生じ得る箇所とすればよい。例えば、図1に示すケース5の長辺方向の中央部に溝部53を配置することが挙げられる。
又は、例えば、図1に示すケース5に対して、押さえ部材7は、ケース5の短辺方向ではなく、ケース5の長辺方向に沿って配置されることが挙げられる。この場合、溝部53,54は、内面524,525に設けられる。
(1)溝部53は、開口端530から閉塞端535まで、ケース5の深さ方向に沿って延びる直線状の溝である。
(2)溝部53は、開口端530から閉塞端535まで、ケース5の深さ方向に非直交に交差する方向に沿って延びる直線状の溝である。いわば、溝部53は傾斜溝である。
(3)溝部53において、第一溝部531の延伸方向がケース5の深さ方向であり、第二溝部532の延伸方向が上記深さ方向に非直交に交差する方向に沿って延びる直線状の溝である。いわば、第一溝部531と第二溝部532との交差角度が直角ではなく、鈍角又は鋭角である。
(4)溝部53において、第一溝部531の延伸方向がケース5の深さ方向であり、第二溝部532の延伸方向が上記深さ方向に直交する方向に沿って延びる直線状の溝であり、L字状の溝である。
(1)組合体10がケース5内に収納された状態において、巻回部21,22の軸方向がケース5の深さ方向に直交し、かつ巻回部21,22の軸が上記深さ方向の同じ位置に配置される。この収納状態は、特許文献1に記載される収納状態である。この収納状態では、組合体10におけるケース5の底部51とは反対側の面は、両巻回部21,22の外周面の一部と、両外側コア部33の外周面の一部とである。
(2)組合体10がケース5内に収納された状態において、巻回部21,22の軸方向がケース5の深さ方向に直交し、かつ巻回部21,22の軸が上記深さ方向に並ぶ。この収納状態では、組合体10におけるケース5の底部51とは反対側の面は、一方の巻回部21の外周面の一部と、両外側コア部33の外周面の一部とである。
(1)巻回部21,22がそれぞれ異なる巻線から構成される。
この場合、連結部23は、巻線の端部のうち、外部装置が接続されない端部同士を溶接や圧着等によって直接接続させた形態でも、金具によって間接接続させた形態でもよい。
(2)巻線が被覆平角線以外の線材、例えば、断面形状が円形である被覆丸線である。
(3)巻回部21,22の形状が角筒以外の形状、例えば、円筒状等である。
(4)巻回部21,22同士において仕様が異なる。
(5)巻回部の個数が一つである。
(1)磁性コア3を構成するコア片の個数が一つ、二つ、三つ、又は五つ以上である。
(2)磁性コア3は、コイル2の巻回部内に配置される部分と巻回部外に配置される部分とを有するコア片を備える。このようなコア片として、例えば、U字状のコア片、L字状のコア片、E字状のコア片等が挙げられる。
(3)内側コア部31,32の少なくとも一方が一つのコア片ではなく、複数のコア片によって構成される。この場合、隣り合うコア片間に磁気ギャップがあってもよい。
(4)内側コア部31,32の外周形状が巻回部21,22の内周形状に非相似である。例えば、巻回部21が四角筒状であり、内側コア部31が円柱状であることが挙げられる。
2 コイル、21,22 巻回部、23 連結部
3 磁性コア、31,32 内側コア部、33 外側コア部
330 上端面
4 保持部材、43 周壁
5 ケース、51 底部、52 側壁部
520 端面、521,522,523,524,525 内面
53,54,55 溝部
530 開口端、535 閉塞端、531 第一溝部、532 第二溝部
6 封止樹脂部、61 第一樹脂部、62 第二樹脂部
7 押さえ部材、70 本体部、71,74,75 取付部
701 表面、702 裏面
W51,W52,W53 長さ、W7 幅、h52,h53 高さ、t6,t7 厚さ
Claims (6)
- コイルと磁性コアとを含む組合体と、
前記組合体が収納されるケースと、
前記ケース内に充填される封止樹脂部と、
前記ケース内に収納される押さえ部材とを備え、
前記ケースは、
底部と、側壁部と、前記側壁部の内面に開口する少なくとも一つの溝部とを備え、
前記溝部は、
前記側壁部における前記底部とは反対側の端面に設けられた開口端と、
前記開口端より前記底部側に設けられた閉塞端とを有し、
前記押さえ部材は、
本体部と、前記本体部から延びる少なくとも一つの取付部とを備え、
前記本体部は、前記組合体における前記底部とは反対側の面に重複して配置され、
前記取付部は、前記溝部に嵌め込まれ、
前記封止樹脂部は、
前記組合体と前記本体部との間に充填される第一樹脂部と、前記溝部に充填される第二樹脂部とを含む、
リアクトル。 - 前記ケースは、二つの前記溝部を備え、
前記押さえ部材は、二つの前記取付部を前記本体部の両側に備え、
二つの前記溝部はそれぞれ、前記内面における対向箇所に設けられており、
二つの前記取付部はそれぞれ、前記溝部に嵌め込まれる請求項1に記載のリアクトル。 - 前記溝部は、第一溝部と、前記第一溝部につながる第二溝部とを備え、
前記第一溝部は、前記開口端を有し、
前記第二溝部は、前記閉塞端を有し、
前記第一溝部の延伸方向と前記第二溝部の延伸方向とが異なる請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記第一溝部の延伸方向は、前記ケースの深さ方向であり、
前記第二溝部の延伸方向は、前記深さ方向に直交する方向である請求項3に記載のリアクトル。 - 前記本体部における前記底部とは反対側の面は、前記封止樹脂部から露出されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記本体部の平面形状は、菱形状である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
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