JP2016100569A - 圧粉磁心、磁性コア部品、及びリアクトル - Google Patents

圧粉磁心、磁性コア部品、及びリアクトル Download PDF

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Abstract

【課題】磁性コア部品を製造する際に、被覆用金型による安定した保持を容易に行える圧粉磁心を提供する。
【解決手段】軟磁性粉末を含む圧粉磁心11Aの外周に樹脂被覆12を形成する際に設置される被覆用金型に設けられた凸部と嵌合する凹部を、圧粉磁心11Aの表面に備える。圧粉磁心11Aが2以上の凹部を備える形態、圧粉磁心11Aが対向する2平面を有し、2平面のそれぞれにのみ1以上の凹部を備える形態等が挙げられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心、この圧粉磁心を備える磁性コア部品、及び、この磁性コア部品を有するリアクトルに関する。
リアクトルやモータなどの電磁部品が、種々の分野で利用されている。このような電磁部品は、一般に巻線を螺旋状に巻回して構成される巻回部を有するコイルと、一部がコイルの巻回部の内部に挿通される磁性コアとを備える。
上記電磁部品に備わる磁性コアの一例として、圧粉磁心と、この圧粉磁心の表面を覆う樹脂被覆とを備える磁性コア部品が挙げられる。圧粉磁心は、代表的には、軟磁性粉末を含む成形体である。樹脂被覆は、圧粉磁心の防錆や、電気的・機械的な保護などのために圧粉磁心の周囲の少なくとも一部を覆うように設けられる樹脂である。
上述した磁性コア部品の製造方法の一例として、いわゆるインサート成形が挙げられる(特許文献1の明細書段落0071などを参照)。インサート成形では、圧粉磁心が、被覆用金型内で複数の位置合わせ用のピン(棒状体)で保持されることが一般的である。例えば、図22に示すように、インサート成形では、圧粉磁心11を、上金型51と、下金型52と、多数の可動式のピン53とを備える被覆用金型5を用いることが挙げられる。ここでは、説明の便宜上、4本のピンを図示しているが、実際には、より多くのピンが存在する。この被覆用金型5では、被覆用金型5内で各ピン53により押圧することで、圧粉磁心11を被覆用金型5内の所定位置で保持している。これにより、中子である圧粉磁心11が樹脂材料を充填した際などに被覆用金型5内で前後方向、上下方向及び左右方向の三軸方向へ移動することが規制される。
特開2013−175566号公報
しかし、上述の技術では、可動式のピンの端面を成形体に当接させて成形体を支持しているため、金型内で成形体がずれ易く、安定して成形体を保持することが困難な場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、被覆用金型による安定した保持を容易に行える圧粉磁心を提供することにある。本発明の他の目的は、上記圧粉磁心の表面に樹脂被覆を有する磁性コア部品を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記磁性コア部品を有するリアクトルを提供することにある。
本発明の一態様に係る圧粉磁心は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心の外周に樹脂被覆を形成する際に設置される被覆用金型に設けられた凸部と嵌合する凹部をその表面に備える。
上記の圧粉磁心は、被覆用金型による安定した保持を容易に行える。
実施形態1に係る磁性コア部品の概略斜視図である。 実施形態1に係る磁性コア部品の底面図である。 実施形態1に係る磁性コア部品の図1おける(III)―(III)断面図である。 実施形態1に係る磁性コア部品が備える圧粉磁心の概略斜視図である。 実施形態1に係る磁性コア部品が備える圧粉磁心の底面図である。 実施形態1に係る磁性コア部品が備える圧粉磁心の図4における(VI)―(VI)断面図である。 実施形態1に係る磁性コア部品の製造方法を示す説明図である。 変形実施形態1−1に係る圧粉磁心の概略斜視図である。 変形実施形態1−1に係る圧粉磁心の図8における(IX)―(IX)断面図である。 変形実施形態1−2に係る圧粉磁心の概略斜視図である。 変形実施形態1−2に係る圧粉磁心の図10における(XI)―(XI)断面図である。 変形実施形態1−3に係る圧粉磁心の概略斜視図である。 変形実施形態1−3に係る圧粉磁心の図12における(XIII)―(XIII)断面図である。 変形実施形態1−4に係る圧粉磁心の概略斜視図である。 変形実施形態1−5に係る圧粉磁心の概略斜視図である。 圧粉磁心の製造方法を示す説明図である。 変形実施形態1−6に係る磁性コア部品の概略斜視図である。 変形実施形態1−6に係る磁性コア部品の図17における(XVIII)―(XVIII)断面図である。 実施形態2に係るリアクトルの一部切欠概略斜視図である。 実施形態2に係るリアクトルの概略分解斜視図である。 実施形態2に係るリアクトルの図19における(XXI)―(XXI)断面図である。 被覆用金型に圧粉磁心が収納された状態を示す概略断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る圧粉磁心は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心の外周に樹脂被覆を形成する際に設置される被覆用金型に設けられた凸部と嵌合する凹部をその表面に備える。
上記の圧粉磁心は、被覆用金型に設けられた凸部と嵌合する凹部を備えることで、ピンなどによる大きな押圧力によらずとも、凹部と凸部との嵌合により、圧粉磁心は被覆用金型内でずれ難く安定して保持される。圧粉磁心は、凹部と凸部との嵌合によって被覆用金型内に保持されるため、その保持を容易に行える。
(2)上記圧粉磁心の一形態として、2以上の凹部を備える形態が挙げられる。
圧粉磁心が2以上の凹部を備えることで、より安定した被覆用金型内での圧粉磁心の保持を実現することができる。
(3)上記圧粉磁心の一形態として、圧粉磁心が対向する2平面を有し、2平面のそれぞれにのみ1以上の凹部を備える形態が挙げられる。
対向する2平面のそれぞれに設けた凹部に凸部を嵌合することで、圧粉磁心は被覆用金型で挟持されるため、圧粉磁心は被覆用金型内でより安定して保持される。また、凹部の形成面を特定の面に限定することで、後に凹部を塞ぐ際、凹部の封止作業を特定の面に対してのみ行えばよく、作業性に優れる。
(4)上記圧粉磁心の一形態として、圧粉磁心が複数の面を有し、複数の面のうちの少なくとも一面に2以上の凹部を備える形態が挙げられる。
この構成によれば、凹部の形状に関わらず圧粉磁心の回転を抑制できるため、圧粉磁心は被覆用金型内でさらに安定して保持される。
(5)上記圧粉磁心の一形態として、前記凹部の断面形状が楕円形である形態が挙げられる。
凹部の断面形状が楕円形であることで、凹部の数や形成箇所に関わらず、圧粉磁心が被覆用金型内で凸部を軸として回転することを規制できる。これにより、精度よく磁性コア部品を製造できる。また、凹部の断面形状が楕円形であることで、凹部の開口や内周面に角や隅を有しないため、圧粉磁心に樹脂被覆を形成した際、角や隅を起点とした樹脂被覆のクラックの発生を抑制できる。
(6)上記圧粉磁心の一形態として、凹部の少なくとも一つは、圧粉磁心の原料粉末を圧縮成形する際に形成されたものである形態が挙げられる。
凹部の少なくとも一つが圧粉磁心を成形する際に形成されたものであることで、凹部の形成に独立した工程を必要とせず、圧粉磁心の生産性に優れる。また、絶縁被覆を有する軟磁性粉末を含む圧粉磁心の場合、切削により凹部を形成すると、凹部内面で絶縁被覆が破壊されて隣り合う軟磁性粒子同士が導通し、渦電流損が増加するおそれがある。これに対し、圧粉磁心を圧縮成形する際に、パンチの押圧により凹部を形成すれば、この渦電流損の増加を抑制できる。
(7)本発明の一態様に係る磁性コア部品は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心と、この圧粉磁心の表面の少なくとも一部を覆う樹脂被覆とを備える磁性コア部品である。圧粉磁心は、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の圧粉磁心である。
磁性コア部品が備える圧粉磁心は、被覆用金型による安定した保持を容易に行えるため、この圧粉磁心に樹脂被覆を形成するにあたり、厚みのばらつきなどを低減でき、設計に忠実な樹脂被覆を備える磁性コア部品とすることができる。
(8)本発明の一態様に係るリアクトルは、巻線を巻回した巻回部を有するコイルと、巻回部内に配置される部分を有する磁性コア部品とを備えるリアクトルである。磁性コア部品は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心と、この圧粉磁心の表面の少なくとも一部を覆う樹脂被覆とを有する。磁性コア部品は、上記(7)に記載の磁性コア部品である。
リアクトルが備える磁性コア部品は、設計に忠実な樹脂被覆を備えるため、設計に忠実な特性を備えるリアクトルとすることができる。
(9)上記リアクトルの一形態として、凹部の少なくとも一つを塞ぐように配置されるシート材を備える形態が挙げられる。
凹部をシート材で塞ぐことで、シート材で覆われた凹部内の圧粉磁心の保護を確実に行うことができる。
(10)上記リアクトルの一形態として、磁性コア部品は、2以上の圧粉磁心と、これらの圧粉磁心同士の間に配置されるギャップとを含む形態が挙げられる。このギャップは、樹脂被覆と一体に成形されている。
ギャップが樹脂被覆と一体に成形されていることで、ギャップの脱落の防止や圧粉磁心同士の強固な結合を実現することができる。また、ギャップ板を別に用意する必要がなく、生産性の良いリアクトルとすることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照して説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<概要>
実施形態に係る磁性コア部品は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心と、圧粉磁心の表面に形成された樹脂被覆とを備える。圧粉磁心は、多面体や円柱体といった圧縮成形可能な形状を有し、その表面に凹部を備える。凹部は、次述する被覆用金型内に圧粉磁心を配置して樹脂被覆を形成する際、被覆用金型内の凸部と嵌合することで、圧粉磁心を安定して保持させる。樹脂被覆は、圧粉磁心の凹部に嵌合する凸部を備える被覆用金型を用いて形成され、圧粉磁心の少なくとも一部を覆う。以下、この磁性コア部品や圧粉磁心の具体例の説明に先立ち、実施形態に係る磁性コア部品の特徴の一つである圧粉磁心の凹部について説明する。
<凹部>
凹部の主たる機能は、被覆用金型の凸部と嵌合することにある。凹部の内面が、圧粉磁心の移動を規制する当て止めや回転を規制する回り止めとなることで、被覆用金型内での圧粉磁心の移動や回転などが規制される。これにより、圧粉磁心が被覆用金型内で安定して保持され、所定位置からずれることを防止できる。
《形状》
凹部の形状としては、圧粉磁心の一面に形成された穴部や、稜線を跨いで複数面に亘る切欠が挙げられる。凹部の立体形状は、立方体、直方体、角錐、角錐台、楕円錐、楕円錐台、又は半楕円球などの他、これらのいずれかと円柱を組み合わせた形状や、断面が8の字型の柱状体などが挙げられる。複数の凹部を備える場合には、各凹部の形状や大きさは同じでもよいし異なっていてもよい。
凹部の深さ方向と直交する断面形状は、非真円形となる部分を有することが好ましい。深さ方向とは、被覆用金型の凸部から樹脂被覆を形成した圧粉磁心(磁性コア部品)を抜く方向のことをいう。例えば、上下に2分割する金型で、下金型から上方に突出する凸部の場合、上方が深さ方向になる。この断面形状を上記の所定の形状とすることで、凹部の数や形成箇所に関わらず、被覆用金型内で凸部を軸として圧粉磁心が回転することを規制できる。また、凹部の数が一つであったり、圧粉磁心の対向する2平面の各々に一つずつ凹部を備え、これら凹部が同軸上に配置されていたりする場合などでも、上記の回転を規制できる。これにより、精度よく磁性コア部品を製造できる。
ここで、「断面が非真円形となる部分を有する」とは、凹部の断面形状が、深さ方向に一様な形状である場合の他、深さ方向に異なる形状となる場合を含む。例えば、凹部が穴部で、その開口側の断面形状が円形、底部側の断面形状が上記円形に内接する正方形としたり、その開口側の断面形状が正方形、底部側の断面形状が上記正方形に内接する円形としたりできる。非真円形には、多角形の他、楕円や8の字型などのように輪郭が曲線で形成されている形状や、矩形の一辺に円形を重ねた形のように、輪郭が直線と曲線の複合で形成された形状が挙げられる。
上記の断面形状のうち、開口形状が閉曲線で囲まれる形状(但し真円を除く)であると、上述した回り止めの機能を有すると共に、凹部の開口に角や隅を有しない。よって、圧粉磁心に樹脂被覆を形成した際、角や隅を起点とした樹脂被覆のクラックの発生を抑制できる。
上記の断面形状が多角形などであると、圧粉磁心の向きを示すマークとしても機能する。よって、磁性コア部品を製造する際において、被覆用金型内での圧粉磁心の向きが決められている場合などでも、容易にその配置方向を識別できる。各凹部にマークとしての機能を持たせる場合、多角形は三角形であることが好ましい。
《数》
凹部の数は特に限定されず、形状にもよるが最低一つの凹部で上述した移動や回転の規制を実現することができる。凹部の数が2以上であると、圧粉磁心が被覆用金型内でより安定して保持される場合が多いので好ましい。具体的な凹部の形状と数との関係については後述の実施形態や変形実施形態において具体的に説明する。
《形成位置》
凹部の形成位置は、多面体の平面や円柱体の円筒面など、一面上に形成される場合の他、多面体の角部や円柱体の円筒面と端面との角部など、複数の面の突き合わせにより形成された稜線を跨ぐ位置に形成されることがある。凹部を一面上に形成する場合、凹部はその開口が無端状の輪郭を形成する穴部となる。各凹部を角部に形成する場合、凹部は切欠となる。
凹部の形成面は、代表的には、被覆用金型内で圧粉磁心を支持可能な面である。より具体的には、圧粉磁心の表面のうち、上記金型の分割方向と直交する面とすることが挙げられる。例えば、この圧粉磁心が上下に分割可能な被覆用金型内に配置される場合は同金型の底面との対向面(以下、下面)に設けることが挙げられる。同様に、左右に分割可能な被覆用金型内に圧粉磁心が配置される場合は、両金型の側面との対向面(以下、側面)にそれぞれ設けることが挙げられる。いずれの場合も、圧粉磁心を水平に支持できるように設けることが好ましい。例えば、圧粉磁心が上下に分割可能な被覆用金型内に配置される場合はその下面の中央に、左右に分割可能な被覆用金型内に圧粉磁心が配置される場合はその両側面の対向位置とすることが挙げられる。被覆用金型内で圧粉磁心が水平に支持されることで、樹脂被覆の厚さが均一な磁性コア部品が形成できるからである。
その他、磁性コア部品をコイル内に収納する場合、圧粉磁心の表面のうち、コイルの内周面に対向する面に凹部を形成することが好ましい。凹部の表面を覆うように絶縁シートや発泡シートなどのシート材を張り付けることで、樹脂被覆に覆われていない凹部の内面をシート材で被覆でき、凹部内面の耐食性を向上させたり、機械的・電気的保護を図ったりすることができる。
《寸法》
凹部の深さは、1mm以下であることが好ましい。凹部を当て止めや回り止めとして機能させるには、深さが1mm程度あれば十分であり、過度に深くなれば、磁心として磁路の断面積が減少する場合があるからである。また、この深さが浅ければ、上述のシート材で容易に埋めることもできる。凹部の深さは、より好ましくは0.7mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。但し、凹部を被覆用金型の各凸部に対しての当て止めや回り止めとして機能させる必要上、凹部の深さは、0.1mm以上であることが好ましい。
《凹部の形成方法》
凹部の形成は、圧粉磁心の表面に切削で形成したり、圧粉磁心を成形する際に、その成形用金型内に充填した原料粉末を圧縮するパンチにより成形したりすることができる。圧粉磁心の製造(成形)と同時に凹部を形成すれば、凹部の形成に独立した工程を必要とせず、圧粉磁心の生産性に優れる。凹部を上記パンチにより成形した場合、パンチの圧縮方向が凹部の深さ方向になる。また、上記パンチにより成形した凹部の底面は、圧粉磁心が絶縁被覆を有する軟磁性粉末を含んでいる場合、絶縁被覆の損傷が実質的にない。パンチが凹部内から後退する際、底面にパンチが摺接しないためである。一方、凹部を切削で形成する場合、深さ方向は圧粉磁心の成形時の圧縮方向に依存しない。凹部の形成方法の詳細については、後述する圧粉磁心の製造方法において詳細に説明する。
《凹部の当止部》
凹部の内面は、上述した凹部の深さ方向をZ軸とし、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を有する立体座標において、以下の当止部から選択される複数の当止部として機能する。
・X軸方向の一方への圧粉磁心の移動を規制する当止部X1
・X軸方向の他方への圧粉磁心の移動を規制する当止部X2
・Y軸方向の一方への圧粉磁心の移動を規制する当止部Y1
・Y軸方向の他方への圧粉磁心の移動を規制する当止部Y2
・Z軸方向の一方への圧粉磁心の移動を規制する当止部Z1
・Z軸方向の他方への圧粉磁心の移動を規制する当止部Z2
凹部が単数の場合においては、凹部が穴部であれば6方向のうち5方向の移動を規制でき、凹部が切欠であれば6方向のうち2方向以上4方向以下の移動を規制できる。凹部が切欠の場合、3方向以上の移動を規制できることが好ましい。圧粉磁心が被覆用金型内で安定して保持されるからである。
凹部が複数の場合、各凹部が分担して各当止部を備えることができる。よって、凹部が複数の場合には、複数の凹部を組み合わせて6方向の移動を規制することが好ましい。3軸のいずれの方向にも圧粉磁心の移動を規制でき、圧粉磁心が被覆用金型内でさらに安定して保持されるからである。
複数の凹部が第一凹部と第二凹部とを有する場合、各凹部は以下の当止部を備えることが好ましい。6方向への移動を規制できるからである。
・第一凹部:当止部X1及び当止部X2の少なくとも一方と、当止部Y1及び当止部Y2の少なくとも一方と、当止部Z1とを備える。
・第二凹部:当止部X1及び当止部X2の少なくとも他方と、当止部Y1及び当止部Y2の少なくとも他方と、当止部Z2とを備える。
第一凹部と第二凹部の数は、それぞれを一つ以上備える。複数の各凹部を備えてもよいが、各凹部は一つずつ備えることが好ましい。圧粉磁心に樹脂被覆を形成した場合、各凹部の内面は樹脂被覆に実質的に覆われないため、凹部の数が少なければ、圧粉磁心の露出箇所を低減できるからである。一つの第一凹部と一つの第二凹部を一組とした場合、複数組の第一凹部と第二凹部とを備えてもよい。第一凹部と第二凹部以外の他の凹部も、圧粉磁心の成形や、圧粉磁心の表面に樹脂被覆を形成する場合の形成の障害にならない限り、圧粉磁心の表面に存在しても構わない。第一凹部と第二凹部の具体例については後述する各実施形態で説明する。
X軸・Y軸の選択は、Z軸に直交する軸のなかでも、圧粉磁心の直線状の辺や中心軸に沿った軸を選択することが好ましい。例えば、圧粉磁心が立方体や直方体などの多面体の場合、この多面体の幅・奥行き・高さのいずれかの辺に沿ってX軸・Y軸を選択したり、圧粉磁心が円柱体の場合、この円柱体の中心軸をX軸・Y軸のいずれかとして選択したりすればよい。このようなX軸・Y軸の選択により、多面体の辺や円柱体の中心軸を3軸のいずれかとする立体座標での圧粉磁心の位置決めを容易にできる。Z軸は、圧粉磁心の成形の都合上、多面体のいずれかの辺か、円柱体の径方向に沿って設けられることが多い。
<実施形態1>
・概要
図1〜図6を参照して、実施形態1に係る磁性コア部品1Aについて説明する。磁性コア部品1Aは、圧粉磁心11Aと、樹脂被覆12とを備える。この磁性コア部品1Aの特徴の一つは、圧粉磁心11Aが、その外周に樹脂被覆12を形成する際に設置される被覆用金型の内部に設けられた凸部と嵌合する凹部110を有する点、この凹部110が第一凹部110aと第二凹部110bとから構成される点にある。圧粉磁心11Aが凹部110を有することで、樹脂被覆12を形成する際、被覆用金型内で圧粉磁心11Aは安定して保持される。
・全体形状
磁性コア部品1Aの全体形状は、互いに平行に対向する2平面を有する略直方体であり、一部の辺(長手方向に沿う辺)が丸面取りされた形状である(特に図1を参照)。
磁性コア部品1Aは、その表面において、樹脂被覆12で覆われていない箇所(開口穴1h)を備える。ここでは、紙面上下方向を磁性コア部品1Aの上下方向とするとき、磁性コア部品1Aはその下面に開口穴1haを備え、上面に開口穴1hbを備える(図1〜図3を参照)。以下、磁性コア部品1Aが備える圧粉磁心11Aと、樹脂被覆12とについて説明する。
・圧粉磁心
図4〜図6に示すように、圧粉磁心11Aは、軟磁性粉末を含む原料粉末を圧縮成形した成形体で、磁性コア部品1Aと実質的に相似状の多面体である。図4及び図6において、紙面上下方向を圧粉磁心11Aの上下方向とするとき、圧粉磁心11Aはその下面と上面とに、第一凹部110aと第二凹部110bとを備える。以下の説明において、圧粉磁心の上下方向をZ軸、長手方向をY軸、短手方向をX軸とする。この点は、図1〜図7、図10〜図15、図17、図18において同様である。説明の便宜上、各凹部110a,110bの深さは誇張して示している。
・・凹部
圧粉磁心11Aが備える第一凹部110a及び第二凹部110bは、それぞれ圧粉磁心11Aの一組の対向面の一面(下面)と他面(上面)とに一つずつ形成されている穴部である。後述する変形実施形態1−5に示すように、一つの第一凹部と一つの第二凹部を一組とした場合、複数組の第一凹部と第二凹部とを備えてもよい。
各凹部110a,110bの形状、つまり圧粉磁心11Aを成形する成形用金型に設けた凸部の立体形状は直方体である。図4〜図6に示すように、ここでは、各凹部110a,110bの開口の対角線の交点を通る深さ方向の軸をZ軸とする。よって、各凹部110a,110bの深さ方向の軸は同軸上で一致している。各凹部110a,110bは、深さ方向に直交する断面が非真円形となる部分を有する。具体的には、各凹部110a,110bの深さ方向に直交する断面は、いずれの深さ位置で断面をとってもその大きさが一様な長方形状である。したがって、各凹部110a,110bの深さ方向が同軸上で一致していても、各凹部110a,110bの内面が被覆用金型内の凸部に対する回り止めとして機能するので、深さ方向を軸とする圧粉磁心11Aの回転を規制できる。
ここでは、各凹部110a,110bの深さ方向が同軸上で一致しているが、各凹部の深さ方向の軸は非同軸で互いに平行するものとしてもよい。この場合、凹部の断面が非真円形となる部分を有しなくとも、すなわち凹部の立体形状が円柱状であっても、圧粉磁心の回転を規制できる。
圧粉磁心11Aにおいては、上述した深さ方向をZ軸とし、このZ軸に直交する方向のうち、圧粉磁心11Aの長手方向をY軸、短手方向をX軸として選択する(特に図4などを参照)。この場合、各凹部110a,110bの内面のうち、各軸に直交する面のうちの一方が各当止部として機能する。第一凹部110aの内面は、内側面を当止部X1、当止部X2、当止部Y1、当止部Y2とし、内底面を当止部Z1とする。第二凹部110bの内面は、内側面を当止部X1、当止部X2、当止部Y1、当止部Y2とし、内底面を当止部Z2とする。これにより、圧粉磁心11Aを被覆用金型内に配置して、同金型に設けた凸部を各凹部110a,110bに嵌合すれば、X軸、Y軸、Z軸のいずれの軸方向にもずれることなく圧粉磁心11Aが保持される。被覆用金型の詳細については、後述する磁性コア部品1Aの製造方法において詳細に説明する。
圧粉磁心11Aの材質は、軟磁性粉末を必須の構成材料とし、必要に応じてバインダ樹脂や潤滑材などの他の材料を含む。原料粉末の詳細については、後述の圧粉磁心の製造方法において詳細に説明する。
・樹脂被覆
樹脂被覆12は、圧粉磁心11Aの外周の少なくとも一部を覆う樹脂である。樹脂被覆12は、上述したように、圧粉磁心11Aの耐食や、電気的・機械的な保護などのために設けられる。樹脂被覆12は、圧粉磁心11Aの表面のうち、第一凹部110aと第二凹部110bの内面以外に形成される。すなわち、圧粉磁心11Aの凹部110の内面には樹脂被覆が実質的に形成されていない。樹脂被覆12の形成時には、成形用金型の凸部が各凹部110a,110bに嵌合されているからである。樹脂被覆12は、磁性コア部品1Aが磁心に組み込まれた際にギャップ13(後述する変形実施形態1−6、図18を参照)としても機能する箇所がある。
樹脂被覆12の構成材料としては、適宜な樹脂を利用できる。特に、磁性コア部品1Aは電磁部品(リアクトル)に利用されることから、電気絶縁性、耐熱性、液体冷媒などに対する耐性を有する樹脂が好ましく、熱伝導性に優れる樹脂がより好ましい。具体的な樹脂は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10T、ナイロン9T、ナイロン6T、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。上記樹脂に、窒化珪素(Si)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ほう素(BN)、炭化珪素(SiC)、ムライトなどのセラミックスからなるフィラーを含有してもよい。列挙したセラミックスのフィラーを1種以上含有する樹脂とすると、樹脂被覆12の放熱性や絶縁性などを高められる。フィラーの組成によっては、振動・騒音抑制効果も期待できる。
・その他の構成
磁性コア部品1Aは、必要によりギャップ13(図18を参照)を含んでもよい。ギャップ13は、圧粉磁心11Aよりも透磁率が低い材料によって構成され、磁性コア部品1Aに適宜配置されてインダクタンスを調整するための部材である。ギャップ13としては、樹脂被覆12と一体に成形された一体ギャップと、複数の圧粉磁心同士の間や端面に配置されるギャップ板とが挙げられる。
・・一体ギャップ
樹脂被覆と一体に成形された一体ギャップとしては、磁性コア部品の端面に樹脂被覆と一体に成形されるものと、複数の圧粉磁心同士の間に樹脂被覆と一体に成形されるものとが挙げられる。一体ギャップの構成材料は、上述した樹脂被覆となる。本実施形態の磁性コア部品1Aは、図1の各端面1e覆う樹脂被覆12が一体ギャップに相当する。圧粉磁心同士の間に樹脂被覆と一体に成形される一体ギャップについては、後述する変形実施形態1−6にて説明する。
・・ギャップ板
複数の圧粉磁心同士の間や圧粉磁心の端面に配置されるギャップ板の構成材料には、アルミナや不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、上述した樹脂被覆と同様の樹脂材料やこれらの樹脂と軟磁性材料とを含む混合物などを利用できる。圧粉磁心とギャップ板とは接着剤や粘着テープなどで固定される。この場合、後述する磁性コア部品の製造方法においては、複数の圧粉磁心とギャップとの組合体を被覆対象(中子)とする。
・用途
磁性コア部品1Aは、リアクトルやモータなどの電磁部品の磁心として好適に利用できる。特に、コイルの内部に挿通される内側コア片やその一部として好適に利用できる。
・磁性コア部品の製造方法
上述した磁性コア部品1Aは、代表的には圧粉磁心11Aを中子とするインサート成形などで製造することができる。この製造方法は、収納工程と、樹脂被覆形成工程と、磁性コア部品の取出工程とを備える。以下、図7などを参照して、各工程について詳細に説明する。
・・収納工程
図7の左端の図と左から2番目の図に示すように、収納工程では、準備した圧粉磁心11Aの各凹部110a,110bを、被覆用金型5内に設けられた凸部52t,51tと嵌合するように収納する。この被覆用金型5は、従来の被覆用金型のように可動式のピンが挿脱される貫通孔を有さず、その内面に圧粉磁心11Aの各凹部110a,110bと嵌合する凸部52t,51tを有する。この凸部52t,51tは、被覆用金型5の内面に一体に設けられた突起である。凸部52t,51tは、各凹部110a,110bの内面にほぼ密接するように嵌合される。ここでは、被覆用金型5は、略同一形状の上金型51と下金型52とから構成される。上金型51の内天面には、圧粉磁心11Aの第二凹部110bと嵌合する凸部51tが、下金型52の内底面には、圧粉磁心11Aの第一凹部110aと嵌合する凸部52tが設けられている。各凸部52t,51tの突出高さは、各凹部110a,110bの深さよりも大きい。そのため、被覆用金型5内に配置された圧粉磁心11Aは、各凹部110a,110bの内面以外の表面と被覆用金型5の内面との間にクリアランスが形成される。このクリアランスが樹脂材料の充填空間となる。すなわち、当止部Z1,Z2は、圧粉磁心を被覆用金型の内周面と隙間を開けて支持する支持面となる。
より具体的な収納工程は、まず、圧粉磁心11Aを下金型52内の凸部52tと圧粉磁心11Aの第一凹部110aとが嵌合するように配置する。その後、上金型51の凸部51tと圧粉磁心11Aの第二凹部110bとを嵌合させることで、圧粉磁心11Aが被覆用金型5内に収納される。この際、圧粉磁心11Aの各凹部110a,110bが被覆用金型5内の各凸部52t,51tと嵌め合わされていることで、被覆用金型5内での圧粉磁心11AのX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の動きと、被覆用金型内での回転とが規制される。
上述した被覆用金型5内での圧粉磁心11Aの動きの規制についてより詳細に説明する。図7では、各凹部110a,110bのZ軸方向を上下方向、X軸方向を左右方向として説明する。まず、下金型の凸部52tに第一凹部110aが嵌合するように、圧粉磁心11Aを配置する。当止部X2が凸部52tの左側面と当接することで、圧粉磁心11Aを図面右方向(X方向の一方)へ移動させるような力が加わっても、圧粉磁心11Aがこの方向へ移動することが規制される。同様に、当止部X1が凸部52tの右側面と当接することで図面左方向(X方向の他方)への移動が規制される。また、当止部Z1が凸部52tの先端面と当接することで、図面下方向(Z方向の一方)への移動が規制される。図示しない当止部Y1(当止部Y2)は図示しない凸部52tの手前側の面(奥側の面)と、それぞれ当接することで、図面手前方向と奥方向(Y軸方向の一方と他方)への移動が規制される。次に、上金型51を閉じ、その内天面の凸部51tを第二凹部110bに嵌合させる。第二凹部110bについては、凸部51tと嵌合する点と、当止部Z2が凸部51tの先端面と当接することで、図面上方向(Z軸方向の他方)への移動が規制される点を除き、第一凹部110aと同様である。これにより、圧粉磁心11Aが被覆用金型5内で上述した3軸方向へ移動することが規制される。
さらに、本実施形態のように、各凹部110a,110bの断面形状が非真円形であることより、各凹部110a,110bの深さ方向が同軸上であっても、圧粉磁心11Aが凸部52t,51tを軸として回転することがない。各凹部110a,110bが非真円形の部分を有することにより、圧粉磁心11Aを凸部52t,51tを軸として回転させようとする力が加わっても、その動きが規制されるからである。
・・樹脂被覆形成工程
樹脂被覆形成工程では、図7の右から2番目の図に示すように、上金型51に設けたゲート54から被覆用金型5内に樹脂材料を充填(射出)し、この樹脂材料を固化(硬化)させる。これにより、磁性コア部品1Aが製造される。図7の右から2番目の図では、上金型51に設けた注入口から樹脂材料が充填され、その後、充填された樹脂材料を加熱することで固化(硬化)させた状態を示している。
・・磁性コア部品の取出工程
磁性コア部品の取出工程では、図7の右端の図に示すように、被覆用金型5内から磁性コア部品1Aを取り出す。ここでは、上金型51と下金型52とを分離させ、磁性コア部品1Aを取り出している。磁性コア部品1Aの表面にゲートなどに対応する付属部やバリなどが存在する場合は、磁性コア部品1Aを取り出した後、必要に応じてこれらを除去するとよい。
以上、上下面のそれぞれに凸部(ここでは固定式の突起)を備える被覆用金型5を用いて磁性コア部品1Aを製造する方法について説明したが、凸部を備える被覆用金型には従来の可動式のピンを備える被覆用金型を用いてもよい。この場合、ピンの先端部分が凸部となる。また、固定式の突起と可動式のピンの両方を備える被覆用金型を用いてもよい。突起と可動式のピンの両方を備える被覆用金型の例としては、下金型に突起を設け、上金型に可動式のピンを備えるものが挙げられる。この被覆用金型は、圧粉磁心を下金型内に正確に配置しやすいと共に、上金型の凸部が固定用のピンであることで、圧粉磁心の全体形状の寸法誤差を吸収しやすい。
・効果
以上説明した磁性コア部品1Aの製造方法は、以下の効果を奏する。
(1)従来よりも安定して被覆用金型5内で圧粉磁心が保持されるので、精度よく磁性コア部品1Aを製造することができる。
(2)被覆用金型5の構成を可動式のピンを有さない簡易な構成とした場合、被覆用金型5のメンテナンス性に優れる。
(3)被覆用金型5内での圧粉磁心11Aの保持に可動式のピンを用いない場合、磁性コア部品1Aの製造コストを削減できる。
(4)被覆用金型5内での圧粉磁心11Aの位置合わせをより正確にするために、圧粉磁心11Aの各凹部110a,110bの数を増やした場合でも、開口穴1hが形成される領域を圧粉磁心11Aの上下面に集中させることができる。よって、開口穴1hを覆う際の作業性が良い。
《変形実施形態1−1》
図8及び図9を参照して、変形実施形態1−1に係る圧粉磁心11Bについて説明する。圧粉磁心11Bと上述した圧粉磁心11Aとの主な相違点は、圧粉磁心11Bの全体形状と各凹部110a,110bの配置箇所にある。その他の点は上述した圧粉磁心11Aと同様であるので、説明を省略する。後述する他の変形実施形態においても、共通点の説明については同様に省略する。
圧粉磁心11Bの全体形状は、円柱体形状である(図8を参照)。各図において、紙面上下方向をZ軸、円柱体の軸方向をY軸、Z軸及びY軸に直交する円柱体の径方向をX軸とする。圧粉磁心11Bは、圧粉磁心11Bを軸方向に透視した場合において、径方向の対向する位置に、上述した圧粉磁心11Aが備える第一凹部110a及び第二凹部110bと同様の形状の第一凹部110a及び第二凹部110bを有する。各凹部110a,110bの深さ方向は同軸上に位置する。この圧粉磁心11Bに対する樹脂被覆の形成には、X軸に沿った直径を含む面を分割面としてZ軸方向に開閉すると共に、その内面に各凹部110a,110bに嵌合する凸部を有する被覆用金型を用いることができる。それにより、上述した圧粉磁心11Aと同様に樹脂被覆が形成された磁性コア部品とできる。この磁性コア部品は、円筒状の断面のコイルの内部に挿通される内側コア片などに用いられる。
《変形実施形態1−2》
図10及び図11を参照して、変形実施形態1−2に係る圧粉磁心11Cについて説明する。圧粉磁心11Cの全体形状は、上述した圧粉磁心11Aと同様に一部の辺が面取りされた多面体である。圧粉磁心11Cでも、第一凹部110aと第二凹部110bとは、それぞれ圧粉磁心11Cの下面と上面とに設けられる。一方で、上述した圧粉磁心11Aとの主な相違点は、圧粉磁心11Cの第一凹部110aと第二凹部110bとが、圧粉磁心11Cの2面に亘る切欠である点、及び、一つの第一凹部110aと一つの第二凹部110bを一組とした場合、2組の第一凹部110aと第二凹部110bとを備える点にある。各組の第一凹部110aと第二凹部110bは、互いに直方体の対角位置にある凹部同士で構成される(図11参照)。
圧粉磁心11Cでは、第一凹部110a,第二凹部110bの深さ方向は、図面上下方向や圧粉磁心11Cの長手方向に設定しうる。ここでは、図面上下方向を深さ方向(Z軸方向)とし、圧粉磁心11Cの長手方向をY軸方向とし、圧粉磁心11Cの短手方向をX軸方向としている。
第一凹部110aは、2つの第一凹部110a,110aから構成される。第一凹部110aは、圧粉磁心11Cの一方の端面(図10の奥側)と下面との稜線を跨いで各面に亘る切欠である。この切欠は、圧粉磁心11CのY軸方向一端側において、稜線のX軸方向中央部に形成されている(特に図10を参照)。一方、第一凹部110aは、圧粉磁心11Cの他方の端面(図10の手前側)と下面との稜線を跨いで各面に亘る切欠である。この切欠は、圧粉磁心11CのY軸方向他端側において、稜線のX軸方向中央部に形成されている。つまり、第一凹部110a,110aはいずれもX軸方向の稜線の一部に跨るように形成されている。この点は、第二凹部110b,110bにおいても同様である。
第一凹部110aは、分担して上述した各当止部を備える。具体的には、第一凹部110aは、当止部X1と、当止部X2と、当止部Y1と、当止部Z1とを有する。第一凹部110aは、当止部X1と、当止部X2と、当止部Y2と、当止部Z1とを有する。
第二凹部110bは、2つの第二凹部110b,110bから構成される。第二凹部110b,110bは、圧粉磁心の上面に第一凹部110a,110aと上下対称に設けられている。第二凹部110bは、分担して上述した各当止部を備える。具体的には、第二凹部110bは、当止部X1と、当止部X2と、当止部Y2と、当止部Z2とを有する。第二凹部110bは、当止部X1と、当止部X2と、当止部Y1と、当止部Z2とを有する。
互いに直方体の対角位置に位置する第一凹部110a(110a)と第二凹部110b(110b)の各組は、いずれの組も深さ方向が平行している。各凹部110a,110bの形状、つまり被覆用金型内に設けた凸部の立体形状はすべて同一形状であり、具体的には直方体である。よって、その断面形状は、非真円形である。
圧粉磁心11Cを備える磁性コア部品を製造する際における各凹部110a,110bによる被覆用金型内での圧粉磁心11Cの移動や回転の規制は、上述した圧粉磁心11Aと同様である。ここで、第一凹部110aと第二凹部110bとを一組とし、第一凹部110aと第二凹部110bとを一組とするとき、いずれか一方の組を備えれば、圧粉磁心11Cを備える磁性コアを製造する際の3軸のいずれの方向への移動と凸部を軸とした回転とを規制することができる。
ただし、各凹部110a,110bをいずれか一方の組のみで構成すると、被覆用金型内で圧粉磁心11Cを水平に保持し難い場合がある。特に、圧粉磁心11Cのような長尺な多面体をその長手方向が水平となるように被覆用金型内に収納した場合には、この問題の発生が顕著であると考えられる。したがって、圧粉磁心11Cでは、複数組の各凹部110a,110bを設けている。このような場合、圧粉磁心11Cを備える磁性コア部品を製造すると、上述した磁性コア部品1Aなどと比べて開口穴の数が増えることになる。このような場合でも、開口穴の配置を特定の面(ここでは圧粉磁心11Cの上面と下面に相当する面)に集中できるので、後に開口穴を塞ぐ際の作業性がよく、最終的な圧粉磁心11Cの保護を行いやすい。これらの点は後述する変形実施形態1−3や1−5、1−6でも同様である。
《変形実施形態1−3》
図12及び図13を参照して、変形実施形態1−3係る圧粉磁心11Dについて説明する。圧粉磁心11Dの全体形状も、上述の圧粉磁心11A及び圧粉磁心11Cと同様に一部の辺が面取りされた直方体である。上述の圧粉磁心11Aなどとの主な相違点は、第一凹部110aと第二凹部110bとが、直方体の各角部に形成されている点、及び、一つの第一凹部110aと一つの第二凹部110bを一組とした場合、4組の第一凹部110aと第二凹部110bとを備える点にある。各組の第一凹部110aと第二凹部110bは、互いに直方体の対角位置にある凹部同士で構成される(図12参照)。
圧粉磁心11Dでは、第一凹部110a、第二凹部110bの深さ方向は、図面上下方向、圧粉磁心11Cの長手方向、短手方向などに設定しうるが、ここでも、上述した圧粉磁心11Cと同様に、図面上下方向を深さ方向(Z軸方向)としている。互いに直方体の対角位置に位置する第一凹部110aと第二凹部110bの各組は、いずれの組も深さ方向が平行している。各凹部110a,110bの形状、つまり被覆用金型内に設けた凸部の立体形状はすべて同一形状であり、具体的には1辺が丸みを帯びた四角柱である。
第一凹部110aは、4つの第一凹部110a〜110aから構成される。第一凹部110aは、圧粉磁心11Dの一方の端面(図12の奥側)と、下面と、下面と一方の側面(図12の手前側)とで形成される角部に設けられた切欠である。この切欠は、圧粉磁心の下面と一方の端面との稜線、下面と一方の側面との稜線を跨ぐように形成される。このような第一凹部110aに対して、第一凹部110aはY軸を基準とする線対称に、第一凹部110aはX軸を基準とする線対称に、第一凹部110aは、下面の重心を基準とする点対称に形成される切欠である。各第一凹部110aは、図12に示すように、分担して各当止部を備える。
第二凹部110bは、4つの第一凹部110b〜110bから構成される。第二凹部110b、110b、110b、110bは、圧粉磁心の上面に第一凹部110a、110a、110a、110aと上下対称に設けられている。各第二凹部110bは、図12に示すように、分担して各当止部を備える。
圧粉磁心11Dを備える磁性コア部品を製造する際における各凹部110a,110bによる被覆用金型内での圧粉磁心11Dの移動や回転の規制は、上述した圧粉磁心11Cと同様である。また、第一凹部110aと第二凹部110bとを一組とするとき、第一凹部110aと第二凹部110bのみを備えれば、上述した各条件を満たし、圧粉磁心11Dを備える磁性コア部品を製造する際の上記の移動と回転とを規制することができる。第一凹部110aと第二凹部110bとを一組とするとき、第一凹部110aと第二凹部110bとを一組とするとき、第一凹部110aと第二凹部110bとを一組とするときも同様である。ただし、上述したように、被覆用金型内で圧粉磁心11Dを水平に保持するために、四組の第一凹部110aと第二凹部110bとを設けている。
《変形実施形態1−4》
図14を参照して、変形実施形態1−4に係る圧粉磁心11Eについて説明する。圧粉磁心11Eの全体形状も、上述した圧粉磁心11Aなどと同様に一部の辺が面取りされた多面体である。上述した圧粉磁心11Aなどとの主な相違点は、圧粉磁心11Eは凹部110をその下面に一つだけ備える点、及び、凹部110の立体形状が楕円柱である点にある。
圧粉磁心11Eの凹部は、Z軸方向の他方(上方)を除く方向に移動を規制する当止部Z2以外の各当止部として機能する。ここでは、凹部の断面形状は楕円形であるので、楕円の長軸をY軸、短軸をX軸として選択した。このY軸とX軸とは、それぞれ、圧粉磁心の長手方向と短手方向とにも沿っている。この凹部110では、当止部Z1がその底面であり、他の当止部X1,X2,Y1,Y2は、その内周面である。当止部X1,X2,Y1,Y2は、凹部の断面形状が楕円形であるので、稜線部のように各当止部を明確に区画する部位が存在しない。凹部110が一つの穴部の場合、被覆用金型内に圧粉磁心11Eを配置した際に、3軸のうちの5方向への移動を規制でき、圧粉磁心11Eが安定して保持される。
圧粉磁心11Eは、凹部110の数が一つであることで、以下の効果を奏する。
(1)磁路面積が減少することを抑制できる。
(2)凹部110の数が一つだけなので、凹部110を塞ぐ際の作業性が良い。
圧粉磁心11Eは、凹部110の断面形状が楕円形状であることで、以下の効果を奏する。
(3)凹部110の深さ方向(Z軸)に沿って圧粉磁心11Eが回転することを抑制できる。
(4)凹部110の開口に角や隅を有しないので、圧粉磁心11Eに樹脂被覆を形成した際、角や隅を起点とした樹脂被覆のクラックの発生を抑制できる。
《変形実施形態1−5》
図15を参照して、変形実施形態1−5に係る圧粉磁心11Fについて説明する。圧粉磁心11Fの全体形状も、上述した圧粉磁心11Aなどと同様に一部の辺が面取りされた多面体である。上述した圧粉磁心11Aなどとの主な相違点は、圧粉磁心11Fは、その上面と下面のそれぞれに複数の凹部を備える点、及び、凹部の立体形状が円柱である点にある。
本例では、圧粉磁心11Fの上面と下面の各々に、4つの凹部を矩形の角部に相当する位置に形成した。圧粉磁心11Fでは、各凹部110の立体形状はすべて同一の円柱であり、深さ方向(Z軸方向)の断面形状は真円形である。凹部110a(110b)の底面が当止部Z1(Z2)であり、他の当止部X1、X2,Y1、Y2は、その内周面である。当止部X1,X2,Y1,Y2は、凹部の断面形状が真円形であるので、稜線部のように各当止部を明確に区画する部位が存在しない。
圧粉磁心11Fは、その上面と下面のそれぞれに複数の凹部110a,110bを備えることで、以下の効果を奏する。
(1)一面と他面とに、それぞれ複数の凹部110a,110bを備えることにより、圧粉磁心11Fが被覆用金型内でより安定して保持される。
(2)被覆用金型内で凸部を軸として圧粉磁心11Fが回転することを抑制できる。
(3)凹部の開口に角や隅を有しないので、圧粉磁心11Fに樹脂被覆を形成した際、角や隅を起点とした樹脂被覆のクラックの発生を抑制できる。
・圧粉磁心の製造方法
上述した各圧粉磁心11A〜11F、及び後述する圧粉磁心11Gの製造方法の一例としては、圧粉磁心の製造と同時に各凹部110を形成する方法(以下、同時形成法という)や、各凹部を備えない圧粉磁心を製造し、この圧粉磁心に対して切削加工などにより各凹部を形成する方法(以下、後加工法という)などが挙げられる。以下、始めにいずれの製造方法においても使用される原料粉末について説明し、その後、それぞれの製造方法について圧粉磁心11Aを製造する場合を例として説明する。
・原料粉末
原料粉末は、軟磁性粉末を必須の構成材料とし、必要に応じてバインダ樹脂や潤滑材などの他の材料が含まれる粉末である。
・・軟磁性粉末
軟磁性粉末は、軟磁性粒子から構成される粉末である。軟磁性粉末には市販のものを利用でき、代表的には、鉄や鉄合金(Fe−Si合金、Fe−Ni合金など)といった金属、フェライトといった非金属の粉末などが挙げられる。軟磁性粉末の平均粒径は、およそ1μm以上150μm以下、特に40μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましい。このような平均粒径の粉末を用いて得られた圧粉磁心を用いた磁性コア部品を1kHz以上の高周波域で用いられる電磁部品の磁性コアに使用したときに、渦電流損の増大抑制に効果的だからである。
軟磁性粉末には、軟磁性粒子の外周に絶縁被覆を被覆した被覆軟磁性粉末を用いてもよい。絶縁被覆は、隣接する軟磁性粒子同士を絶縁するために、軟磁性粒子の外周に被覆される。軟磁性粒子を絶縁被覆で覆うことによって、軟磁性粒子同士の接触を抑制し、圧粉磁心の比透磁率を低く抑えることができる。その上、絶縁被覆の存在により、軟磁性粒子間に渦電流が流れるのを抑制して、圧粉磁心の渦電流損を低減できる。絶縁被覆の構成材料は、被覆軟磁性粒子同士の絶縁を確保できる程度の絶縁性に優れる材料であれば特に限定されない。このような被覆軟磁性粉末としては、市販のものが利用できる。
・・他の材料
原料粉末には、バインダ樹脂や潤滑剤などの他の材料が含まれていてもよい。バインダ樹脂を含むことで軟磁性粉末を成形し易い。潤滑剤を含むことで、圧粉磁心の製造過程において、軟磁性粒子同士が損傷することを抑制できる。特に、軟磁性粒子が被覆軟磁性粒子の場合、潤滑剤によって絶縁被覆の損傷を効果的に抑制できる。潤滑剤は、圧粉磁心の製造過程において消失する材質が好ましい。バインダ樹脂や潤滑剤には、市販のものが利用できる。
・同時形成法
同時形成法は、原料粉末充填工程と、圧縮成形工程と、圧粉磁心の取出工程とを備える。以下、始めに同時形成法で用いる成形用金型について説明し、その後、同時形成法が備える各工程につき、図16を参照して詳細に説明する。
・成形用金型
成形用金型は、代表的には、貫通孔が設けられた筒状のダイと、ダイの貫通孔の各開口部からそれぞれ挿入可能な一対の柱状の第一パンチ及び第二パンチとを備える。この一対の第一パンチと第二パンチは、貫通孔内で対向して配置される。この金型では、一方のパンチの一面(他方のパンチとの対向する圧接面)とダイの内周面とで有底筒状のキャビティ(成形空間)を形成する。後述するように、この成形空間内に原料粉末Pを充填し、両パンチで圧縮して圧粉磁心を製造する。両パンチの各対向面には、圧粉磁心に各凹部を形成するための凸部がそれぞれ設けられる。
より具体的には、図16の左端の図に示すように、貫通孔61hを備える筒状のダイ61と、貫通孔61hに挿脱される一対の角柱状の上パンチ62・下パンチ63とを備える成形用金型6を利用できる。上パンチ62は圧接面62sと、圧接面62sから突出する凸部62tとを備える。下パンチ63は圧接面63sと、圧接面63sから突出する凸部63tとを備える。各凸部62t,63tの形状は、圧粉磁心が備える各凹部の形状や数に対応させればよい。ここでは、各凸部62t,63tの形状は、圧粉磁心11Aの各凹部110b,110aの内面に対応した直方体を有する形状であり、それぞれの圧接面62s,63sに一つずつ設けられている。
成形用金型6では、下パンチ63が図示しない本体装置に固定され、ダイ61及び上パンチ62が図示しない移動機構によりそれぞれ上下方向に移動可能な構成とする。もちろん、ダイ61が固定されて両パンチ62,63が移動可能な構成としても良いし、ダイ61及び両パンチ62,63のいずれもが移動可能な構成としても良い。
成形用金型6の構成材料には、従来、圧粉磁心の成形に利用されている適宜な高強度材料(高速度鋼など)が挙げられる。
・・原料粉末充填工程
原料粉末充填工程では、原料粉末Pを上述の金型内に充填する。まず、図16の左端の図に示すように、上パンチ62をダイ61における貫通孔61hの上方の所定の待機位置に移動する。ダイ61を上方に移動して、下パンチ63の圧接面63sと、ダイ61の内周面(貫通孔61h)とで所定の成形空間を形成する。次に、図16の左から2番目の図に示すように、圧粉磁心の原料粉末Pを成形空間内に図示しない給粉装置により充填する。
・・圧縮成形工程
圧縮成形工程では、図16の左から3番目の図に示すように、上パンチ62を下方に移動してダイ61の貫通孔61hに挿入して、両パンチ62,63により、原料粉末Pを圧縮して圧粉磁心11Aを製造する。この際、圧粉磁心11Aには、上パンチの凸部62tにより第二凹部110b(図4及び図6を参照)が、下パンチの凸部63tにより第一凹部110a(図4〜図6を参照)がそれぞれ形成される。
圧縮成形する際の圧力は適宜選択できるが、圧粉磁心11Aなどのように、リアクトル用の磁性コア部品となる圧粉磁心を製造するのであれば、490MPa以上1470MPa以下、特に、588MPa以上1079MPa以下程度とすることが挙げられる。圧力を490MPa以上とすることで、原料粉末Pを十分に圧縮でき、圧粉磁心の相対密度を高めることができる。一方、圧力を1470MPa以下とすることで、原料粉末Pを構成する軟磁性粉末が被覆軟磁性粉末の際に、粒子同士の接触による絶縁被覆の損傷を抑制できる。
・・圧粉磁心の取出工程
圧粉磁心の取出工程では、図16の右端の図に示すように、圧縮成形工程により製造された圧粉磁心11Aを成形用金型6から取り出す。ここでは、圧粉磁心11Aを移動せず、ダイ61を下方に、上パンチ62を上方にそれぞれ移動させることで、圧粉磁心11Aを取り出している。
以上説明した同時形成法は、以下の効果を備える。
(1)圧粉磁心11Aの製造と同時に各凹部110a,110bを形成可能であり、圧粉磁心11Aの製造性に優れる。
(2)各パンチ63,62の押圧により各凹部110a,110bを形成できるので、圧粉磁心11Aが絶縁被覆を有する軟磁性粉末を含む場合、絶縁被覆の損傷を抑制できる。そのため、後述する後加工法などのように、各凹部110a,110bの内面で絶縁被覆が破壊され、隣り合う軟磁性粒子同士が導通し、渦電流損が増加することを抑制できる。
・後加工法
後加工法では、各凹部を備えない圧粉磁心を用意し、この圧粉磁心に各凹部を形成する。各凹部を備えない圧粉磁心は、両パンチが凸部を備えない従来と同様の成形用金型を用いた圧粉磁心の製造方法で製造できる。後加工法における凹部の形成は、ドリルなどの切削工具などを用いて圧粉磁心の表面を切削することで行うことが挙げられる。
以上説明した後加工法は、以下の効果を備える。
(1)圧粉磁心の表面のうち、各パンチとの対向面以外の面にも各凹部を形成可能であり、各凹部を有する圧粉磁心の設計自由度が高い。
(2)凸部が形成された成形用金型を用いる必要がないので、従来の圧粉磁心の製造に用いられていた成形用金型により製造された圧粉磁心から、各凹部110a,110bを備える本実施形態の圧粉磁心11Aを製造できる。
・その他
圧粉磁心11Aには、加圧成形に伴う歪みの除去などを目的とした熱処理を施してもよい。この熱処理によって、圧粉磁心11A(原料粉末P)がバインダ樹脂や潤滑剤を含む場合には、その組成によってはこれらが消失する。このような熱処理を行うと、飽和磁束密度及び比透磁率が高い圧粉磁心11Aを得易い。
以上、圧粉磁心11Aの製造方法について説明したが、理論上、上述した各製造方法は組み合わせて用いてもよい。例えば、第一凹部と第二凹部の一方を同時形成法で形成し、他方を後加工法で形成しても構わない。
《変形実施形態1−6》
図17及び図18を参照し、変形実施形態1−6に係る磁性コア部品1Bについて説明する。磁性コア部品1Bは、複数の圧粉磁心11Gと、樹脂被覆12と、複数の圧粉磁心11G同士の間に配置される複数のギャップ13とを備える。磁性コア部品1Bと実施形態1の磁性コア部品1Aとの主な相違点は、複数の圧粉磁心11Gを備える点、複数の圧粉磁心11G同士の間に、樹脂被覆12と一体に成形された複数のギャップ13を備える点にある。以下、変形実施形態1−6に係る磁性コア部品1Bについて、実施形態1に係る磁性コア部品1Aとの相違点を中心に説明する。
・圧粉磁心
磁性コア部品1Bが備える圧粉磁心11Gの全体形状は、略直方体形状であり、いわば、実施形態1で述べた圧粉磁心11Aを長手方向に短縮した形状である。圧粉磁心11Gは、圧粉磁心11Aと同様に、その下面と上面とに各凹部110a,110bとを備える。
・樹脂被覆
磁性コア部品1Bが備える樹脂被覆12は、各圧粉磁心11Gを保護すると共に、複数の圧粉磁心11Gを一体化する。また、樹脂被覆12は、複数の圧粉磁心11G同士の間と、両端に配置される圧粉磁心11Gの他の圧粉磁心11Gと対向しない側の端面とに形成される一体ギャップ13を構成する。
・製造方法
磁性コア部品1Bの製造方法は、上述した実施形態1に係る磁性コア部品1Aの製造方法と基本的には同一であるが、収納工程において複数の圧粉磁心11Gを、圧粉磁心11G同士の間に隙間を空けて配置する点が異なる。上金型と下金型とには、圧粉磁心11G同士の間に隙間が形成可能なように、圧粉磁心11Gの数に応じた凸部が形成される。これにより、樹脂被覆形成工程において、金型内に充填された樹脂材料が圧粉磁心11G同士の隙間に充填され、この樹脂材料を固化させることで、圧粉磁心11G同士の隙間に一体ギャップ13が形成される。
<実施形態2>
・概要
図19〜図21を参照して、実施形態2に係るリアクトル100について説明する。このリアクトル100は、図示しない冷却ベースなどの設置対象に取り付けられて使用される。図19及び図21では、図の下方が設置対象側、上方がその反対側である。
リアクトル100は、巻線を螺旋状に巻回して構成される巻回部2a,2bを備えるコイル2と、一対の内側コア片31及び一対の外側コア片32を環状に連結させることで構成される磁性コア(磁心)3とを組み合わせた組合体である。このリアクトル100の特徴の一つは、磁性コア3のうち、内側コア片31が上述した変形実施形態1−6に係る磁性コア部品1Bである点にある。以下、リアクトル100が備える各構成を詳細に説明する。
・磁性コア
磁性コア3は、コイル2に組み付けた際、コイル2の内部に配置される一対の内側コア片31と、コイル2の端面側に配置される一対の外側コア片32とを備える。各コア片31,32が連結されることで環状の磁性コア3が形成され、コイル2を励磁したときに閉磁路が形成される。ここでは、内側コア片31が上記の変形実施形態1−6に係る磁性コア部品1Bである。外側コア片32も、上記の実施形態1に係る磁性コア部品1Aと同様にして製造された磁性コア部品である。よって、外側コア片32にはその上面と下面とに開口穴を有するが、ここでは図示を省略している。各コア片31,32の連結には、接着剤や粘着テープなどを利用できる。
・コイル
この例に示すコイル2は、図19,図20に示すように、1本の連続する巻線を螺旋状に巻回して形成された一対の四角筒の内外の角部を丸めた形状の巻回部2a,2bと、巻線の一部から形成されて両巻回部2a,2bを接続する連結部2rとを備える。各巻回部2a,2bは、各軸方向が平行するように並列(横並び)されている。この例に示す巻線は、平角線の導体と、この導体の外周を覆う絶縁被覆とを備える被覆平角線であり、巻回部2a,2bは互いに同一の巻数のエッジワイズコイルである。
巻線には、導体と、絶縁被覆とを備える被覆線を好適に利用できる。導体の構成材料は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金といった導電性に優れる金属が挙げられる。また、導体は、平角線や丸線などが挙げられる。本実施形態のように導体が平角線である巻線を用いてエッジワイズコイルとすると、丸線を用いた場合よりも占積率が高く、小型化を図れる。絶縁被覆の構成材料は、ポリアミドイミドなどの絶縁材が挙げられる。
・他の構成部材
リアクトル100は、コイル2と磁性コア3とに加えて、以下の部材などを含んでいてもよい。
・・シート材
シート材4は、磁性コア部品3の表面に張付けられる部材である。シート材4を磁性コア部品3の開口穴1hを覆うように配置すれば、圧粉磁心11Gが露出している箇所(各凹部110a,110bの内面)を保護できる。また、シート材4が発泡シート41や放熱シート42などの機能性シート材であれば、これらのシートが備える機能を付加することができる。図19及び図21に示すように、本実施形態のリアクトル100は、内側コア片31(磁性コア部品1B)の複数の開口穴1hbを覆うように発泡シート41が、複数の開口穴1haを覆うように放熱シート42がそれぞれ配置されている。
・・・発泡シート
発泡シート41は、複数の気泡及びこれらの気泡を内包する樹脂、即ち発泡樹脂から構成されるシートである。発泡シート41は、コイル2と内側コア片31との間の少なくとも一部に樹脂が発泡した状態、即ち気泡を含んで体積膨張した状態で介在する。この体積膨張によって、コイル2と内側コア片31の開口穴1haの直上以外の箇所との双方が発泡樹脂に押圧される。このような発泡樹脂の押圧力によって、コイル2は、内側コア片31に対しその径方向に移動したり、その軸方向に伸縮したりするような動きが抑制され、内側コア片31に固定される。また、コイル2のターン間に発泡樹脂の一部が介在して、ターン間の間隔が発泡樹脂によって規制される点からも、コイル2の伸縮が抑制され易い。
このようにコイル2の内周面及びその近傍に発泡樹脂が存在する上記のリアクトル100は、コイル2の外周面を覆う封止材を備えていなくても、動作時の振動などに起因するコイル2の動きを抑制できる。発泡樹脂が接着力を有する場合には、樹脂自体の接着力によってもコイル2と内側コア片31の直上以外の箇所との両者に密着できたり、各ターンに密着できたりして、コイル2をより強固に固定できる。発泡樹脂の押圧力と、樹脂自体の接着力との双方の作用を有するからである。発泡シート41を構成する樹脂は、コイル2に接することから、電気絶縁性に優れるもの、コイル2の最高到達温度に対する耐熱性に優れるもの(150℃以上、更に180℃以上)や、接触し得る液体冷媒に対する耐性に優れるものが好ましい。具体的な樹脂は、PPS、ナイロンなどが挙げられる。
・・・放熱シート
放熱シート42は、磁性コア部品1Bが備える樹脂被覆よりも熱伝導率が高い材料で構成されるシートである。シート材4を放熱シート42とすることで、コイル2の励磁に伴って内側コア片31に発生した熱を効率的にコイル2へ放熱させることができる。放熱シート42には、市販のものを用いることができる。
以上、シート4について、発泡シート41と放熱シート42を中心に説明したが、各シート41,42のいずれを用いるかについては限定されない。例えば、リアクトル100が備えるシート4は、いずれのシート4も発泡シート41としてもよく、放熱シート42としてもよい。また、内側コア片31のコイル2に対向する面のうち、開口穴1hを有する面以外の面に各シート4を配置してもよい。
・・ケース
リアクトル100の一使用例として、リアクトル100を液体冷媒が供給される冷却ケース(図示せず)内に収納して、液体冷媒によって冷却する形態が挙げられる。特に、液体冷媒が供給循環される形態とすることが好ましい。液体冷媒には、リアクトル100が車載用途である場合、オートマチックトランスミッションの潤滑油などを流用すると、別途準備する必要がない。
・・センサ
リアクトル100は、温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサなどの物理量を測定する公知のセンサを備える形態とすることができる。各センサの設置箇所やその保持についても、公知の技術を適用できる。
・・放熱板
リアクトル100は、コイル2の外周面の任意の箇所に放熱板(図示せず)を備える形態とすることができる。例えば、コイル2の設置面(ここでは下面)に放熱板を備えると、放熱板を介して設置対象にコイル2の熱を良好に伝えられ、放熱性を高められる。放熱板の構成材料は、アルミニウムやその合金といった金属や、上述のセラミックスといった非金属などの熱伝導性に優れるものを利用できる。
・・接合層
リアクトル100は、その設置面(ここでは下面)のうち、少なくともコイル2の設置面に接合層(図示せず)を備える形態とすることができる。接合層を備えることで、設置対象又は上述の放熱板を備える場合には放熱板にコイル2を強固に固定でき、コイル2の動きの規制、放熱性の向上、設置対象又は上記放熱板への固定の安定性などを図ることができる。接合層の構成材料は、コイル2と接触するため、絶縁性樹脂が好ましい。更に、接合層の構成材料は、上述のセラミックスフィラーなどを含有して放熱性に優れるもの(例えば、熱伝導率が0.1W/m・K以上、更に1W/m・K以上、特に2W/m・K以上)がより好ましい。具体的な樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。設置前には、接合層に離型材などを取り付けていてもよい。
・リアクトルの製造方法
上述したリアクトル100は、例えば、コイル2と、内側コア片31(磁性コア部品1B)と、外側コア片32とを準備し、これらを組付けることで製造することができる。
・・シート配置工程
リアクトル100のように、内側コア片31にシート材4が配置された形態とするには、内側コア片31をコイルに挿入する前に、内側コア片31(磁性コア部品1B)の開口穴1h(各凹部110)を塞ぐようにシート材4を配置すればよい。
・・発泡工程
上述したシート材4が発泡シート41の場合、発泡シート41を配置した内側コア片31をコイル2に組付けた後、発泡シート41を発泡させるために、発泡に必要な熱処理を行う。発泡工程は、内側コア片31と外側コア片32とをコイルに組み付けた後に行ってもよいし、内側コア片31をコイル2に挿入した段階で発泡工程を行ってもよい。内側コア片31をコイル2に挿入した段階で発泡工程を行った場合、その後、外側コア片32と内側コア片31とを接合する。未発泡の発泡シート41(樹脂)の厚さは、発泡後の樹脂の厚さよりも格段に薄く、コイル2と内側コア片31との間が狭くても(例えば、2mm以下)、容易に内側コア片31をコイル2に挿入することができる。発泡時、樹脂の一部がコイル2のターン間に侵入してターン介在部が形成される。ターン介在部は、ターン間の絶縁材としても機能する。
・用途
上記構成を備えるリアクトル100は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。もちろん、上記のリアクトル100と同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更した実施形態に係るリアクトルを利用することもできる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記のリアクトル100などを利用することもできる。
本発明の圧粉磁心は、圧粉磁心が樹脂被覆された磁性コア部品に好適に利用できる。本発明の磁性コア部品は、リアクトルやモータといった電磁部品に好適に利用できる。本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される双方向DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
1A,1B 磁性コア部品
1e 端面 1h,1ha,1hb 開口穴
11,11A〜11G 圧粉磁心
110 凹部
110a,110a〜110a 第一凹部
110b,110b〜110b 第二凹部
X1 当止部X1 X2 当止部X2
Y1 当止部Y1 Y2 当止部Y2
Z1 当止部Z1 Z2 当止部Z2
12 樹脂被覆
13 ギャップ(一体ギャップ)
100 リアクトル
2 コイル
2a,2b 巻回部 2r 連結部
3 磁性コア(磁心)
31(1B) 内側コア片(磁性コア部品)
32 外側コア片
4 シート材
41 発泡シート 42 放熱シート
5 被覆用金型
51 上金型 52 下金型
51t,52t 凸部 53 ピン 54 ゲート
6 成形用金型
61 ダイ
61h 貫通孔
62 上パンチ
62s 圧接面 62t 凸部
63 下パンチ
63s 圧接面 63t 凸部
P 原料粉末

Claims (10)

  1. 軟磁性粉末を含む圧粉磁心の外周に樹脂被覆を形成する際に設置される被覆用金型に設けられた凸部と嵌合する凹部をその表面に備える圧粉磁心。
  2. 2以上の前記凹部を備える請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 前記圧粉磁心が対向する2平面を有し、
    前記2平面のそれぞれにのみ1以上の前記凹部を備える請求項1または請求項2に記載の圧粉磁心。
  4. 前記圧粉磁心が複数の面を有し、
    前記複数の面のうちの少なくとも一面に2以上の前記凹部を備える請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  5. 前記凹部の深さ方向の断面形状が楕円形である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  6. 前記凹部の少なくとも一つは、前記圧粉磁心の原料粉末を圧縮成形する際に形成されたものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  7. 軟磁性粉末を含む圧粉磁心と、前記圧粉磁心の表面の少なくとも一部を覆う樹脂被覆とを備える磁性コア部品であって、
    前記圧粉磁心が、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の圧粉磁心である磁性コア部品。
  8. 巻線を巻回した巻回部を有するコイルと、前記巻回部内に配置される部分を有する磁性コア部品とを備え、
    前記磁性コア部品は、軟磁性粉末を含む圧粉磁心と、前記圧粉磁心の表面の少なくとも一部を覆う樹脂被覆とを有するリアクトルであって、
    前記磁性コア部品が請求項7に記載の磁性コア部品であるリアクトル。
  9. 前記凹部の少なくとも一つを塞ぐように配置されるシート材を備える請求項8に記載のリアクトル。
  10. 前記磁性コア部品は、2以上の前記圧粉磁心と、これらの圧粉磁心同士の間に配置されるギャップとを含み、
    前記ギャップは、前記樹脂被覆と一体に成形されている請求項8または請求項9に記載のリアクトル。
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