JP2021050434A - セルロース系繊維不織布及びそれを用いたフェイスマスク - Google Patents

セルロース系繊維不織布及びそれを用いたフェイスマスク Download PDF

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祥之 塩見
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Abstract

【課題】湿潤時の取扱い性と意匠性に優れたフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の提供。【解決手段】0.03mm2以上の大きさの孔を有する、繊維が交絡している複数の交絡部と、3.0×10−6mm2以上0.03mm2未満の孔を有する、繊維が交絡していない未交絡部とを有し、該複数の交絡部の嵩密度は該未交絡部の嵩密度よりも低く、かつ、該複数の交絡部は、該未交絡部に囲まれ、互いに独立していることを特徴とする不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、フェイスマスク用セルロース系繊維不織布、該不織布を含むフェイスマスクに関する。
近年、不織布に化粧液を含浸したフェイスマスクが、アンチエイジング商品として拡大している。フェイスマスクの基材には、化粧液の保液性能が高く装着時の液持ちが良いという理由から、コットンやレーヨンなどのセルロース系短繊維不織布や、銅アンモニアレーヨン法によるキュプラ連続長繊維不織布が主に用いられている。また、以下の特許文献1、2に記載されるように、十分な吸水性を持ちながら、湿潤時の取り扱い性と意匠性の両方の性能を兼ね備えたフェイスマスク用セルロース繊維不織布も開発されている。
しかしながら、上記従来技術のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布は、湿潤時の取扱い性と意匠性において未だ改善の余地がある。
具体的には、湿潤時のフェイスマスクとして使用する際の取り扱い性を向上させるだけでなく、従来技術より豊富な種類の柄を付与し意匠性を向上させることが求められる。
特開2015−89977号公報 特開2017−75436号公報
前記した従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、湿潤時の取扱い性と意匠性に優れたフェイスマスク用セルロース系繊維不織布を提供することである。
本願発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、不織布の繊維の一部のみを交絡させることで、交絡部と未交絡部の風合いの差で柄を出現させることで意匠性を向上させ、湿潤時の取扱い性に優れたフェイスマスクを提供できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]0.03mm以上の大きさの孔を有する、繊維が交絡している複数の交絡部と、3.0×10−6mm以上0.03mm未満の孔を有する、繊維が交絡していない未交絡部とを有し、該複数の交絡部の嵩密度は該未交絡部の嵩密度よりも低く、かつ、該複数の交絡部は、該未交絡部に囲まれ、互いに独立していることを特徴とするセルロース系繊維不織布。
[2]前記交絡部の嵩密度は、0.05g/cm以上0.20g/cm未満である、前記[1]に記載の不織布。
[3]前記未交絡部の嵩密度は、0.10g/cm以上0.30g/cm未満である、前記[1]又は[2]に記載の不織布。
[4]前記未交絡部の平均幅が1.0mm以上60.0mm以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の不織布。
[5]全ての方向における湿潤時の10%モジュラスが、0.20N/50mm以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の不織布。
[6]目付が20g/m以上100g/m以下である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の不織布。
[7]前記繊維が連続長繊維である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の不織布。
[8]前記[1]〜[7]のいずれかに記載の不織布を含むフェイスマスク。
本発明に係るセルロース系繊維不織布を用いたフェイスマスクは、湿潤時の取扱い性と意匠性に優れたものである。
繊維同士の自己接着を示すSEM写真である。 独立した交絡部を発現させるためのパンチングプレートの一例である。 本実施形態のセルロース系繊維不織布の交絡部と未交絡部により形成される柄の例示である。 本実施形態のセルロース系繊維不織布の交絡部と未交絡部の断面を示す。未交絡部は、交絡部よりも、薄く硬い。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態のセルロース系繊維不織布は、0.03mm以上の大きさの孔を有する、繊維が交絡している複数の交絡部と、3.0×10−6mm以上0.03mm未満の孔を有する、繊維が交絡していない未交絡部とを有し、該複数の交絡部の嵩密度は該未交絡部の嵩密度よりも低く、かつ、該複数の交絡部は、該未交絡部に囲まれ、互いに独立していることを特徴とする。
本実施形態のセルロース系繊維不織布を構成する繊維としては、麻、綿、パルプ等の天然セルロース繊維、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース繊維、リヨセル(テンセル)等の精製セルロース繊維などを挙げることができるが、好ましくは繊維内の不純物が少ない再生セルロース繊維又は精製セルロース繊維であり、より好ましくは再生セルロース繊維である。また、再生セルロース繊維の原料としては、コットンリンター、パルプ等が好ましい。また、繊維の形態としては、短繊維又は長繊維のいずれであってもよいが、好ましくは長繊維、より好ましくは連続長繊維である。繊維の形態が連続長繊維の場合、脱落繊維等の不純物が出難く、フェイスマスクとして機能が高い。セルロース系繊維は、特に好ましくは再生セルロース、より好ましくは再生セルロース連続長繊維であることができる。
本実施形態の不織布における交絡部か否かの判断は不織布上に存在している孔の大きさで判断する。孔の大きさの計測方法に指定はないが、例えば、マイクロスコープを用いての表面観察が好ましい。詳細な計測方法は後述するが、マイクロスコープを用い、60倍又は200倍に拡大し、フリー画像解析ソフト、ImageJを用いて、孔の大きさを計測する。
本実施形態の不織布における交絡部では、孔の大きさが0.03mm以上である。図4に例示するように、交絡部は、以下に説明する未交絡部と比較すると、厚みがあり(すなわち、交絡部の嵩密度は未交絡部の嵩密度よりも低く)、吸水性に優れている反面、不織布としての強度が弱く、湿潤時の取り扱い性が低下する傾向がある。
本実施形態の不織布における未交絡部は、孔の大きさが3.0×10-6mm(3.0μm)以上0.03mm未満である。尚、未交絡部は化学的交絡(自己接着など)で構成された部位であってもよい。自己接着とは、図1のように繊維同士互いに融着し、繊維同士の界面が不明瞭になっている部分のことを言う。図4に例示するように、未交絡部は、交絡部と比較すると、厚みがなく、吸水性に劣っている反面、不織布としての強度が強く、湿潤時の取り扱い性が良い傾向がある。
本実施形態の不織布の湿潤時の取り扱い性とは、例えば、薬液が十分に含侵されたフェイスマスクを包装から取り出し、展開、顔へ装着するまでの不織布の取り扱い易さのことである。
本実施形態の不織布を構成する繊維の交絡方法は、生産性の観点からニードルパンチング法、水流交絡法、水蒸気流(スチームジェット)交絡法、高圧空気交絡法等のいずれの方法により行われても良い。特に好ましくは、高圧水流による水流交絡法であることが好ましい。
自己接着で構成された未交絡部は、SEMで任意の場所5か所を500倍で観察し、0.1mm(100μm) 四方の範囲内に、繊維単糸が図1のように2本以上融着している部分が観察した1か所あたり3ヶ所以上、5か所で計20ヶ所以上を有する。
本実施形態における「複数の交絡部は、未交絡部に囲まれ、互いに独立している」とは、交絡部が未交絡部に囲まれ、独立した空間を持つこと言う。図3に、この状態を例示する。尚、交絡部の一部が不織布の端面に存在していてもよい。
交絡部が未交絡部に囲まれ、独立している状態とは、換言すれば、未交絡部が途切れなく(連続して)不織布上に存在する状態でもある。途切れなく未交絡部が存在することで、不織布に引っ張り応力が加わった際、強度が強い未交絡部が支えとなり、不織布全体の強度が上昇し、湿潤時の取り扱い性が向上する。
本実施形態の不織布の未交絡部の嵩密度は、0.10g/cm以上0.30g/cm未満であることが好ましく、より好ましくは0.15g/cm以上0.25g/cm未満である。未交絡部の嵩密度が0.10g/cm未満であると、不織布の湿潤時の取り扱い性が著しく低下するため好ましくない。他方、未交絡部の嵩密度が0.30g/cm以上であると、湿潤時の取扱い性に優れるものの、不織布が固く、密着性が低下し、肌の動きに追随できないため好ましくない。
本実施形態の不織布の交絡部の嵩密度は、0.05g/cm以上0.20g/cm未満であることが好ましく、より好ましくは0.10g/cm以上0.25g/cm未満である。交絡部の嵩密度が0.05g/cm未満であると、湿潤時の取り扱い性が著しく低下するため好ましくない。他方、交絡部の嵩密度が0.20g/cm以上であると、未交絡部との風合いに差が出ず、意匠性が劣るため好ましくない。
本実施形態の不織布の未交絡部の平均幅は1.0mm以上60.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0mm以上35.0mm以下である。未交絡部の平均幅が1.0mm以上60.0mm以下であれば、湿潤時に高い取り扱い性を発揮することができ、意匠性も高めることができる。未交絡部の平均幅が1.0mm未満であると、未交絡部が細すぎるため、未交絡部が支えとしての機能を発揮できないため好ましくない。他方、未交絡部の平均幅が60mmより大きいと、肌の動きに追随できず、密着性が低下するため好ましくない。
本実施形態における不織布の湿潤時10%モジュラス(10%Mo.)は、全ての方向において0.20N/50mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.25N/50mm以上である。不織布の湿潤時10%モジュラス(10%Mo.)が0.20N/50mm以上であれば、フェイスマスクを顔へ装着する際の取扱い性が大きく改善される。不織布の湿潤時10%モジュラスが0.20N/50mm未満であると、湿潤時の強度が弱く湿潤時の取り扱い性が悪化するため、好ましくない。尚、後述する方法によって、未交絡部と、未交絡部に囲まれ独立した空間を持つ交絡部を発現させることでこの10%モジュラスを制御することが可能である。不織布の湿潤時10%モジュラス(10%Mo.)の上限に特に制限はないが、1.00N/50mm程度である。
本実施形態における不織布の、「全ての方向」とは、不織布の任意の向きを仮の縦方向とし、縦横だけでなく、あらゆる角度での方向を指す。
本明細書中、不織布の湿潤時とは、不織布をISO3696に準拠した3級の水に20℃±2℃の温度で1時間浸漬した状態のことをいう。
本実施形態の不織布の目付は、20.0g/m以上100.0g/m以下であることが好ましく、より好ましくは25.0g/m以上65.0g/m以下である。目付が20.0g/m以上100.0g/m以下であれば、湿潤時でも高い取り扱性を発揮できる。また、後述する方法によって未交絡部を鮮明に発現させることが可能となる。他方、目付が20.0g/m未満であると、十分な強度が得られず、取扱い性が低下するため好ましくない。目付が100.0g/mより大きいと取扱い性に優れるものの、肌の動きに追随できず、密着性が低下するため好ましくない。
本実施形態の不織布を構成する繊維長は特に指定はないが、好ましくは300mm以上の長繊維が好ましく、より好ましくは連続長繊維である。長繊維であれば、繊維の分散性が高く均一な目面を持つ不織布を作成することができ、意匠性が向上する。
本実施形態の不織布の未交絡部の厚みは、0.05mm以上0.40mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.05mm以上0.30mm未満である。厚みが、0.05mm以上0.40mm未満であれば、湿潤時に高い取り扱い性を発揮することができ、意匠性も高めることができる。厚みが0.05mm未満であると、薄すぎるために取扱い性が著しく低下し、実用的でない。他方、厚みが0.40mm以上であると、取扱い性に優れるが、肌の動きに追随せず、密着性が低下するため好ましくない。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の交絡部の厚みは、0.10mm以上1.0mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.20mm以上0.70mm未満である。厚みが、0.10mm以上0.70mm未満であれば、湿潤時に高い取り扱い性を発揮することができ、意匠性も高めることができる。厚みが0.10mm未満であると、薄すぎるために取扱い性が著しく低下し、実用的でない。他方、厚みが1.0mm以上であると、取扱い性に優れるものの、厚さが肌の動きに追随せず、密着性が大きく低下するため好ましくない。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布における未交絡部と交絡部の嵩密度比(未交絡部の嵩密度/交絡部の嵩密度)は、1.50以上であることが好ましく、より好ましくは1.50以上2.50未満であることが好ましい。嵩密度比が、1.50以上2.50未満であれば、湿潤時に高い取り扱い性を発揮することができ、意匠性も高めることができる。嵩密度比が1.50未満であると、意匠としての風合いが小さくなり好ましくない。他方、嵩密度比が2.50以上であると、湿潤時に使用する際、嵩密度に差のある境界部に応力が集中し、破れやすくなってしまうため好ましくない。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布のセルロース繊維が占める割合(セル濃度)は、91.0%以上であることが好ましい。セルロース繊維が占める割合が、91.0%以上であれば十分な吸水性を発揮することができる。上限としては100%である。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の未交絡部の占める割合は、15.0%以上70.0%以下であることが好ましい。未交絡部が占める割合が、15.0%以上70.0%であれば、吸水性を低下させることなく、湿潤時の高い取り扱い性と意匠性も高めることができる。未交絡部の割合が15.0%未満であると、湿潤時の強度が低下し、取り扱い性が低下してしまうため好ましくない。他方、未交絡部の割合が70.0%より大きいと、嵩密度が高い範囲が広くなり、吸水性が低下してしまうため好ましくない。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の吸水倍率は、8.0以上15.0未満であることが好ましく、より好ましくは10.0以上13.0未満である。吸水倍率が、8.0以上15.0未満であれば、吸水性、湿潤時の取り扱性が優れる。吸水倍率が8.0倍未満であると、薬液含侵量が少なくなり、機材の機能が低下してしまうため好ましくない。他方、吸水倍率が15.0倍以上であると、薬液の必要量が多くなってしまうため好ましくない。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の交絡部のピッチは2.0mm以上100.0mm未満であることが好ましく、より好ましくは2.0mm以上40.0mm未満である。交絡部のピッチが、2.0mm以上100.0mm未満であれば、湿潤時高い取扱い性を発揮でき、意匠性も高めることができる。交絡部のピッチが2.0mm未満であると、未交絡部が細くなるため、未交絡部が支持体の機能を発揮することができないため好ましくない。他方、交絡部のピッチが100.0mm以上であると、交絡部同士の距離が離れ肌への追従性が悪化してしまうため好ましくない。
本実施形態の不織布の肌への追従性とは、湿潤させた不織布を肌に張り付け、肌を動かした際の剥がれ難さのことである。追従性が高ければ、肌と不織布の密着感も高まる。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の対摩耗性は、後述する方法で摩擦試験を実施し、被験者20人で点数付けを行いその平均をその試料の耐摩擦性の点数とした。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の交絡部と未交絡部は規則的に配置されていることが好ましい。規則的であると応力が分散され、不織布の強度が上昇する。
本明細書中、規則的とは一定周期で同じ模様が繰り返されていることを指す。尚、周期の長さは特に限定されない。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布は、湿潤させると、交絡部と未交絡部の境界が消え、柄が消える。しかし、本実施形態の不織布は交絡部と未交絡部での嵩密度が違うため、各場所で吸水性に差がある。そのため、本実施形態の不織布の水分量が一定以下に減少すれば、交絡部と未交絡部の境界が現れ、柄が浮き出てくる。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の交絡部を発現させる際不織布は任意の支持体で支え前述した手法で交絡させることが好ましい。支持体の形態について、特に制限はなく、モノフィラメントないしマルチフィラメントで構成された、金属線ないし化繊が織成されて形成されたパターンネットや、突起物が設けられたロール等、汎用されているものを任意に使用できる。具体的には、平織り、杉綾織り、綾織り、スパイラル織りなどのパターンネットや、開口プレート、開口ロールなどが挙げられる。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布において交絡部と未交絡部のを発現させる方法は特に限定されないが、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。
不織布の上に穴の開口を有するネットないしプレート(以下:パンチングプレート)を乗せることで、任意の繊維を交絡させるエネルギーが不織布に当たる部分と当たらない部分が発現する。繊維を交絡させるエネルギーが当たった部分は交絡部となり、当たらなかった部分は未交絡部となり、交絡部と未交絡部とが発現する。
前述した独立した状態の複数の交絡部を発現させるために、ネットないしパンチングプレートの開口部の形状に指定はないが、例えば、図2のようにネットないし、パンチングプレートの非開口部が連続している形状が好ましい。
本明細書中、パンチングプレート形態は、2mm以上の孔で、総孔割合が30%以上の開口率を有していれば、特に制限はなく、モノフィラメントないしマルチフィラメントで構成された、金属線ないし化繊が織成されて形成されたパターンネットや、突起物が設けられたロール等、汎用されているものを任意に使用できる。具体的には、平織り、杉綾織り、綾織り、スパイラル織りなどのパターンネットや、開口プレート、開口ロールなどが挙げられる。
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の生産方法に特に限定はないが、支持体及びパンチングプレートをひとつながりのものにすることにより連続的に本発明品の不織布を生産させることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例において用いた測定方法、物性の評価・判定方法等を説明する。ここで、既に化粧液など液体に浸漬された状態の不織布に関しては、一度純水で洗浄し、105℃で一定質量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置した上で、測定を行った。
[交絡部と未交絡部の判定]
最初にマイクロスコープを60倍に設定し計測する。1つの視野(1つの視野=孔が5個以上)にて、孔を面積の大きい順にフリー画像解析ソフトImageJを用いて5個測定する。得られた面積の平均を視野内の平均孔面積とする。
平均孔面積が0.03mm以上ならば交絡部と判定する。
平均孔面積が0.03mm未満であった場合、マイクロスコープの倍率を200倍にし、再計測する。1つの視野(一つの視野=孔が5個以上)にて、孔を面積の大きい順にフリー画像解析ソフトImageJを用いて5個測定し、得られた面積の平均を視野内の平均孔面積とする。平均孔面積が3.0×10-6mm(3.0μm)以上0.03mm未満ならば未交絡部と判定する。また、平均孔面積が3.0×10-6mm(3.0μm)未満である場合、交絡部、未交絡部どちらでもないものとする。
[目付]
105℃で一定質量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置した不織布を10cm×10cmの大きさに切り出し、その質量を測定し、不織布のm当たりの質量(g)を求める。測定はサンプル30点で行い、その平均値を目付(g/m)とする。
上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、サンプルサイズに応じた換算を行うことで、求める。
[厚み]
JIS−L1096に準拠した厚み試験にて、荷重1.96kPaで、不織布の厚みを測定する。尚、測定は30箇所で行い、その平均値を厚み(mm)とする。
[嵩密度]
上記の手段で算出した目付と厚みを用い下記式により嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm)=平均目付(g/m)÷平均厚み(mm)÷1000
[交絡部のピッチ]
交絡部の中心間距離をJIS1級の最小目盛りが0.5mmの直尺で、任意の場所20ヵ所以上測定しその平均を未交絡部の平均幅とする。
[未交絡部の平均幅]
未交絡部の幅はJIS1級の最小目盛りが0.5mmの直尺で、任意の場所20ヵ所以上測定しその平均を未交絡部の平均幅とする。
[未交絡部の面積割合]
10cm×10cmの大きさに切り出し未交絡部の面積をフリー画像解析ソフトImageJにて測定し、下記式に置いて算出する。測定は10サンプル以上で行いその平均を未交絡部の面積割合とする。
尚、上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、サンプルサイズに応じた換算を行うことで、未交絡部の交絡割合を求める。
未交絡部の交絡割合(%)=未交絡部の面積(mm)÷計測全面積(mm)×100
[湿潤時10%モジュラス]
5cm×10cmの不織布を、オリエンティック社製テンシロン引張り試験機を用いて、湿潤状態で300mm/minの一定速度で測定し、その際の不織布の10%伸長時の強力を測定した。尚、測定は5回行い、その平均値を湿潤時10%モジュラス(N/50mm)とする。
上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、サンプルサイズに応じた換算を行うことで、求める。
[吸水倍率]
標準状態下の不織布から10cm×10cmの試料を切り取り、重量を正確に測定する。該試料をメッシュ(10メッシュ、線径0.5mm)の上に載せ、これをバットに入れた水の中に入れて30秒間浸漬する。その後、メッシュを引き上げて10分間放置した後、過剰な水を濾紙等でふき取り、試料の重さを測定し、下記式により吸水倍率(倍)算出する。
吸水倍率(倍)=[(吸水後の試料の重さg)−(試料の重さg)]/(試料の重さg)
尚、測定は5回行い、その平均値を吸水倍率とする。また、上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、サンプルサイズに応じた換算を行うことで、求める。
[摩擦試験(耐摩耗)]
Φ20mmの不織布を、James Heal社マーチンデール耐摩耗試験機を用いて、12kPaの荷重1000回摩擦させる。測定は表裏それぞれ5回試験を行い、5か所以上の孔の直径をJIS1級の最小目盛りが0.5mmの直尺で計測し、その平均値をその試料の耐摩擦性の点数とする。
評価判定基準は下記の通りである:
<判定基準>
5:孔の直径の平均が1.0mm未満
4:孔の直径の平均が2.0mm未満
3:孔の直径の平均が3.0mm未満
2:孔の直径の平均が4.0mm未満
1:孔の直径の平均が4.0mm以上。
[意匠性]
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の意匠性は、被験者20人で意匠性の点数付けを行う。20人の平均値をそのサンプルの意匠性の点数とする。
評価方法:試料を10cm四方に切り出し、黒色(#000000)の紙の上に乗せ下記5つの指標にて意匠性を評価する。
尚、上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、比較する。
評価判定基準は下記の通りである:
<判定基準>
5:交絡部と未交絡部との境界が鮮明で、柄として認識できる
4:交絡部と未交絡部との境界が部分的に不鮮明だが、柄を認識できる
3:交絡部と未交絡部との境界が全体的に不鮮明だが、柄を認識できる
2:交絡部と未交絡部との境界が不鮮明で、かろうじて柄を認識できる
1:交絡部と未交絡部との境界がなく、柄を認識できない。
[湿潤時取扱い性]
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布の取り扱い性は被験者20人で湿潤時での取扱性の評価を行う。20人の平均値をそのサンプルの取扱性の官能評価の値とする。
評価方法:10cm四方に切り出した試料に化粧液(DHC濃密うるみ肌化粧水さっぱり)を含侵させ、4つ折りに畳み、再度展開した際、下記5つの指標にて取扱性を評価する。
尚、上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、サンプルサイズに応じた換算を行うことで、比較する。
評価方法及び判定水準は以下の通りである:
<判定基準>
5:下記確認ポイントを4つ満たす
4:下記確認ポイントを3つ満たす
3:下記確認ポイントを2つ満たす
2:下記確認ポイントを1つ満たす
1:下記確認ポイントを何れも満たさない。
<確認ポイント>
a:ストレスなく畳むことができる。
b:ストレスなく展開することができる。
c:縁が撚れていない
d:不織布のコシを感じることができる
[インジケーター性]
本実施形態のフェイスマスク用セルロース系繊維不織布のインジケーター性は、被験者20人でインジケーター性の評価を行う。20人の平均値をそのサンプルの、インジケーター性の値とする。
尚、平均値が3.0以上の場合はインジケーター性を有すると判断する。
評価方法:試料を10cm四方に切り出し、黒色(#000000)の防水性の板の上に乗せ試料が吸水することができる半分量の純水を含侵させ、評価する。
尚、上記の測定方法に即したサンプルサイズが得られない場合、5cm×5cmで代用し、比較する。
評価方法及び判定水準は以下の通りである:
<判定基準>
有:下記確認ポイントの20人平均値が3.0以上
無:下記確認ポイントの20人平均値が3.0未満
<確認ポイント>
5:交絡部と未交絡部との境界が全体的に鮮明で、柄として認識できる
4:交絡部と未交絡部との境界が部分的に不鮮明だが、柄を認識できる
3:交絡部と未交絡部との境界が全体的に不鮮明だが、柄を認識できる
2:交絡部と未交絡部との境界が不鮮明で、かろうじて柄を認識できる
1:交絡部と未交絡部との境界がなく、柄を認識できない。
[実施例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.6mmの孔原液吐出孔が45.3個/cmである紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上目標目付が36.0g/mになるように層重ねで紡糸してシートを形成させ、SUS316製の平織り40meshネットを支持体とし、柄部の幅が1.5mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に4.0mmとなる正方形の升目格子のパンチングプレートをシートの上にのせ、上面から、4.5MPaの高圧水流により交絡部と未交絡部を形成させた後、乾燥させて不織布を得た。得られた不織布の目付は35.5g/m、交絡部ピッチは3.8mm、未交絡部平均幅は1.2mmであった。
[実施例2]
開口部の中心間ピッチが縦、横共に5.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は35.5g/m未交絡部の平均幅は1.6mm、交絡部ピッチは5.2mmであった。
[実施例3]
柄部の幅が1.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に6.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は36.8g/m未交絡部の平均幅は1.1mm、交絡部ピッチは6.1mmであった。
[実施例4]
ネット速度を変え目標目付を38.0g/m、開口部の中心間ピッチが縦、横共に8.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は38.8g/m未交絡部の平均幅は1.4mm、交絡部ピッチは7.7mmであった。
[実施例5]
柄部の幅が2.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に3.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例4と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は38.7g/m、未交絡部の平均幅は1.7mm、交絡部ピッチは3.2mmであった。
[実施例6]
柄部の幅が10.0mm開口部の中心間ピッチが縦、横共に40.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレート、支持体をSUS316製の平織り10meshネットにした以外は、実施例4と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は38.2g/m平均幅は9.7mm、交絡部ピッチは39.8mm未交絡部のであった。
[実施例7]
柄部の幅が15.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に70.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更し、実施例6と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は36.9g/m、未交絡部の平均幅は14.1mm、交絡部ピッチは68.9mmであった。
[実施例8]
ネット速度を変え目標目付を23.0g/mにした以外は、実施例2と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は22.7g/m、未交絡部の平均幅は1.9mm、交絡部ピッチは5.0mmであった。
[実施例9]
ネット速度を変え目標目付を28.0g/mにした以外は、実施例8と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は27.8g/m、未交絡部の平均幅は1.8mm、交絡部ピッチは4.6mmであった。
[実施例10]
ネット速度を変え目標目付を64.0g/mにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は63.8g/m、未交絡部の平均幅は1.3mm、交絡部ピッチは4.2mmであった。
[実施例11]
ネット速度を変え目標目付を93.0g/mにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は92.6g/m、未交絡部の平均幅は1.2mm、交絡部ピッチは3.9mmであった。
[実施例12]
ネット速度を変え目標目付を20.0g/mにした以外は、実施例2と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は20.2g/m、未交絡部の平均幅は1.9mm、交絡部ピッチは5.0mmであった。
[実施例13]
ネット速度を変え目標目付を23.0g/m、支持体をSUS316製の平織り20meshにした以外は、実施例2と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は22.5g/m平均幅は1.8mm、交絡部ピッチは4.6mmであった。
[実施例14]
支持体をSUS316製の平織り20meshにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は36.1g/m平均幅は1.1m、交絡部ピッチは4.2mmであった。
[実施例15]
ネット速度を変え目標目付を55.0g/mにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は22.5g/m平均幅は1.1mm、交絡部ピッチは3.9mm未交絡部のであった。
[実施例16]
柄部の幅が4.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に7.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例8と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は22.5g/m未交絡部の平均幅は4.2mm、交絡部ピッチは7.2mmであった。
[実施例17]
柄部の幅が56.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に98.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例8と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は22.5g/m未交絡部の平均幅は56.2mm、交絡部ピッチは98.2mmであった。
[実施例18]
柄部の幅が22.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に39.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例15と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は55.0g/m未交絡部の平均幅は22.2mm、交絡部ピッチは39.1mmであった。
[実施例19]
柄部の幅が3.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に3.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートに変更した以外は、実施例12と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は20.2g/m未交絡部の平均幅は1.2mm、交絡部ピッチは2.8mmであった。
[実施例20]
ネット速度を変え目標目付を39.0g/m、幅が3.0mm開口部のピッチが7.0mmとなるストライプ状のパンチングプレート、ポリエステル製の多重織70meshネットを支持体とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は38.7g/m未交絡部の平均幅は3.0mm、交絡部ピッチは7.0mmであった。
[実施例21]
ネット速度を変え目標目付を38.0g/m、辺の幅が2.0mm1辺3.0mmとなるハニカム状のパンチングプレート、ポリエステル製の多重織70meshネットを支持体とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は37.5g/m未交絡部の平均幅は2.1mm、交絡部ピッチは4.9mmであった。
[実施例22]
繊維径2.2dtex、繊維長51.0mmのキュプラ(旭化成製)を目付が38.0g/mになるようにカーディングを行いシート化した。その後、SUS316製の平織り40meshネットを支持体とし、柄部の幅が1.5mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に4.0mmとなる正方形の升目格子のパンチングプレートを得られたシートの上にのせ、上面から、4.5MPaの高圧水流により交絡部と未交絡部を形成させた後、乾燥させることで不織布を得た。得られた不織布の目付は35.7g/m未交絡部の平均幅は1.7mm、交絡部ピッチは4.2mmであった。
[実施例23]
柄部の幅が1.5mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に2.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートにした以外は、実施例4と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は38.3g/m未交絡部の平均幅は1.0mm、交絡部ピッチは1.5mmであった。
[実施例24]
柄部の幅が7.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に78.0mmとなる正方形の升目格子状のパンチングプレートにした以外は、実施例4と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は39.4g/m未交絡部の平均幅は6.8mm、交絡部ピッチは78.0mmであった。
[実施例25]
ネット速度を変え目標目付を13.0g/m、柄部の平均幅が2.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に4.0mmとなるように独立した未交絡部を発現させることのできるパンチングプレートにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は13.4g/m未交絡部の平均幅は2.0mm、交絡部ピッチは4.0mmであった。
[実施例26]
ネット速度を変え目標目付を105.0g/mにした以外は、実施例25と同様の条件で穴あけを行い、不織布を得た。得られた不織布の目付は105.2g/m未交絡部の平均幅は2.2mm、交絡部ピッチは4.2mmであった。
[実施例27]
繊維径2.2dtex、繊維長51.0mmのキュプラ(旭化成製)を85重量%、繊維径44dtexのナイロン繊維(旭化成製)を平均繊維長が38.0mmになるように裁断後、目付が38.0g/mになるようにカーディングを行いシート化した。得られたシートは比較例8と同様の条件で穴あけを行い、不織布を得た。得られた不織布の目付は38.3g/m未交絡部の平均幅は1.7mm、交絡部ピッチは3.7mmであった。
[実施例28]
NメチルモルホリンNオキシドを溶媒として、連続してネット上目標目付が38.0g/mになるように層重ねで紡糸してシートを形成させ、実施例1と同様の方法で穴あけを実施し、不織布を得た。得られた不織布の目付は35.5g/m未交絡部の平均幅は1.2mm、交絡部ピッチは3.8mmであった。
[実施例29]
市販の再生セルロース繊維不織布(リヨセル製不織布、ヤコブ・ホルム社製ソンタラ(商品名))に、実施例2と同様の条件で穴あけを実施し不織布を得た。得られた不織布の目付は35.5g/m未交絡部の平均幅は1.6mm、交絡部ピッチは5.2mmであった。
[実施例30]
市販の短繊維(レーヨン短繊維、オーミケンシン社製、7.8dtex、127mm、ブライトタイプ)を実施例22と同様にカーディングを行いシート化、穴あけを実施した。得られた不織布の目付は35.5g/m未交絡部の平均幅は1.8mm、交絡部ピッチは4.2mmであった。
実施例1〜30の各種物性、評価結果等を以下の表1、2に示す。
Figure 2021050434
Figure 2021050434
[比較例1]
ネット速度を変え目標目付を38.0g/mでパンチングプレートを使用しなかった以外は、実施例1と同様に不織布を得た得られた不織布の目付は38.8g/m、未交絡部は発現しなかった。
実施例1と比較し、未交絡部が存在していない為、不織布の強度が弱く、取り扱い性が著しく低下していた。
[比較例2]
ネット速度を変え目標目付を50.0g/mでパンチングプレートを使用しなかった以外は実施例1と同様に不織布を得た得られた不織布の目付は49.7g/m、交絡部は発現しなかった。実施例1と比較し、未交絡部が存在していない為、不織布の強度が弱く、取り扱い性が著しく低下していた。
[比較例3]
市販の再生セルロース繊維不織布(リヨセル製不織布、ヤコブ・ホルム社製ソンタラ(商品名))の評価を行なった。
不織布の繊維径は11.1μm、36.9g/m未交絡部は確認できなかった。実施例1と比較し、未交絡部が存在していない為、不織布の強度が弱く、取り扱い性が著しく低下していた。
[比較例4]
ネット速度を変え目標目付を38.0g/m、柄部の平均幅が23.0mm、開口部の中心間ピッチが縦、横共に25.0mmとなるように独立した未交絡部を発現させることのできるパンチングプレートにした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の目付は38.9g/m未交絡部の平均幅は22.9mm、交絡部ピッチは25.0mmであった。実施例1と比較し、未交絡部が独立して存在している為、不織布の強度が弱く、取り扱い性が著しく低下していた。
[比較例5]
キュプラ連続長繊維不織布(旭化成製ベンリーゼSE384を原反として用い、熱エンボス装置を用いて密部が1.5mm、交絡部が5.0mmになるように加工を行った。得られた不織布の目付は38.2g/m未交絡部の平均幅は1.4mm、交絡部ピッチは5.1mmであった。また、圧密部をSEMにて観察したところ、繊維がつぶされていたが、自己接着部の確認ができなかった。実施例1と比較し、柄部と柄部以外の部分の差異が小さく意匠性が著しく低下した。
比較例1〜5の各種物性、評価結果等を以下の表3、4に示す。
Figure 2021050434
Figure 2021050434
本実施形態の不織布は、湿潤時の取扱い性と意匠性に優れているため、フェイスマスク、制汗用不織布シート、アルコールウエットティッシュ、メイク落とし等のWET拭き取りシートなど、化粧用パック、アルコール含浸用基材としてコスメ分野や電子材料用途、医療系用途、生活資材用途、農業資材用途、食品関連用途、産業資材用途等に好適に利用可能である。

Claims (8)

  1. 0.03mm以上の大きさの孔を有する、繊維が交絡している複数の交絡部と、3.0×10−6mm以上0.03mm未満の孔を有する、繊維が交絡していない未交絡部とを有し、該複数の交絡部の嵩密度は該未交絡部の嵩密度よりも低く、かつ、該複数の交絡部は、該未交絡部に囲まれ、互いに独立していることを特徴とするセルロース系繊維不織布。
  2. 前記交絡部の嵩密度は、0.05g/cm以上0.20g/cm未満である、請求項1に記載の不織布。
  3. 前記未交絡部の嵩密度は、0.10g/cm以上0.30g/cm未満である、請求項1又は2に記載の不織布。
  4. 前記未交絡部の平均幅が1.0mm以上60.0mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布。
  5. 全ての方向における湿潤時の10%モジュラスが、0.20N/50mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布。
  6. 目付が20g/m以上100g/m以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の不織布。
  7. 前記繊維が連続長繊維である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の不織布。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の不織布を含むフェイスマスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022225056A1 (ja) * 2021-04-23 2022-10-27 旭化成株式会社 セルロース繊維を含む不織布

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